JP2014115357A - 熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓 - Google Patents

熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、入射面に対する光の入射角度に応じて熱線量を制御することが可能な熱線制御シートであって、多重像や虹ムラの発生を抑制して優れた視認性を得ることができる熱線制御シートを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、上記熱線吸収部および上記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であり、上記熱線吸収部と上記平坦化層とが異なる組成を有する別層であることを特徴とする熱線制御シートを提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、平坦化層を有する視認性に優れた熱線制御シート、および熱線制御シート付き窓に関するものである。
熱線制御シートは、赤外線等の熱線を選択的に吸収または透過させて、熱線制御シートを介して入射される熱線量を制御することができる機能性シートである。
近年、地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも、省エネルギーの観点から、外部から入射する熱線量を調整して住宅や自動車等の室内や車内の温度を制御する方法が注目されている。
住宅や自動車の窓ガラスに用いられる熱線制御シートとしては、例えば、図7に示すように、光透過部2の表面上に、直線かつ並列に複数本の溝部3が形成され、上記溝部3に熱線吸収剤を含有する熱線吸収部4が形成された構造を有するものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。このような構造を有する熱線制御シートを住宅や自動車の窓ガラスに用いる場合には、夏季および冬季、または朝夕および昼間で太陽の高さが変化することによる熱線制御シートに対する光源の入射角度の変化を利用して熱線を制御することができる。そのため、夏季には入射する熱線量を低減して室内や車内等の温度上昇を抑制し、冬季には入射する熱線量を十分に確保して室内や車内等の温度低下を抑制することが可能である。
具体的に、図8(a)、(b)は、従来の熱線制御シート1の一例を示す概略断面図である。
図8(a)は、太陽の高さが高い夏季の昼間のように、熱線制御シート1に対する光源lの入射角度θが90°>θである場合を示した図である。この場合、熱線制御シート1に対する入射角度θが90°>θで入射した入射光linの殆どは、光透過部2の表面上に形成された熱線吸収部4に入射することになる。熱線吸収部4に入射光linが入射すると、入射光linに含まれる熱線hは熱線吸収部4に含有された熱線吸収剤に吸収され、また、図示はしないが、入射光linに含まれる熱線h以外の可視光線は、熱線吸収部4に含有された熱線吸収剤に吸収されることなく、熱線制御シート1を透過する。すなわち、入射光に含まれる熱線を選択的に遮断することができる。
一方、図8(b)は、太陽の高さが比較的低い冬季の昼間のように、熱線制御シート1に対する入射光linの入射角度θが90°=θである場合を示した図である。この場合、熱線制御シート1に対する入射角度θが90°=θで入射した入射光linの殆どは、光透過部2の表面上に形成された熱線吸収部4に入射されないため、入射光linに含まれる熱線hは、熱線吸収部4に含有された熱線吸収剤に吸収されることなく、熱線制御シート1を透過する。また、図示はしないが、入射光linに含まれる熱線h以外の可視光線も、熱線hと同様に熱線制御シート1を透過する。すなわち、入射光に含まれる熱線および可視光線を透過することができる。
なお、図8(a)、(b)は、光透過部2において熱線吸収部4を有する側を入射面とした場合であるが、図8(a)、(b)とは反対側の面を入射面とすることもできる。
特開2010−259406号公報 特許第4858269号
ところで、上述した熱線制御シートは、直線状に熱線吸収部が形成された構造を有するため、熱線吸収部が全面に形成された場合のような視認性の著しい低下は防止することができるものの、さらなる視認性の改善が求められている。
上記課題に対して、例えば特許文献1には、光透過部と熱線吸収部とを同じ屈折率に調整する方法が提案されている。しかしながら、特許文献1においては、溝部を有する光透過部の表面に、ワイピングコート法を用いて熱線吸収部形成用塗工液を塗布し、熱線吸収部を形成している。ワイピングコート法により熱線吸収部を形成すると、図9(a)に示すように、擦切りの影響や熱線吸収部形成用塗工液の硬化収縮の影響により、熱線吸収部4の表面が窪んでしまう場合がある。熱線吸収部の表面が窪み、光透過部および熱線吸収部の表面形状に差異が生じると、光透過部の表面から入射または出射する光と熱線吸収部の表面から入射または出射する光の拡散が偏り、熱線制御シートを介して観察される像が多重像として知覚されるといった問題がある。すなわち、熱線制御シートを透過する光に回折現象が生じてしまう。なお、図9(b)に示すように、例えばインクジェット法により熱線吸収部形成用塗工液を滴下した際の熱線吸収部形成用塗工液の表面張力の影響により、熱線吸収部4の表面が盛り上がってしまう場合も同様の問題が生じる。
また、上述のように、熱線制御シートを透過する光に回折現象が生じると、回折した光が互いに干渉し合うことにより波長毎に光の強度に差異が生じてしまう場合があり、熱線制御シートを介して虹ムラが観察されるという問題がある。
さらに、特許文献1のように、光透過部と熱線吸収部との屈折率差が小さい場合には、光透過部と熱線吸収部との界面における光の反射や屈折の発生を抑制することができるため、熱線吸収部および光透過部を透過して出射される可視光線の減衰を抑制することができる。これにより、熱線吸収部および光透過部を透過して出射される可視光線量と、光透過部を透過して出射される可視光線量との差異による出射光の偏りを低減させることができ、多重像や虹ムラの発生を抑制することができる。しかしながら、光透過部と熱線吸収部との屈折率差が小さい場合であっても、光が入射または出射する熱線吸収部の表面形状が凹部状または凸部状であり、光が入射または出射する上記熱線吸収部の界面、すなわち熱線吸部と空気との界面における屈折率差が大きい場合には、凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面形状に起因した光の反射または屈折が顕著にあらわれる。これにより、光透過部から入射または出射する光と熱線吸収部から入射または出射する光との拡散の偏りも増大し、結果的に視認性の低下を招いてしまうという問題がある。
さらにまた、例えば特許文献2には、熱線吸収部の表面を平坦に形成するために、予め熱線吸収部を形成し、その後、熱線吸収部を光透過部で覆うことにより熱線制御シートを製造する方法が提案されている。しかしながら、予め形成された熱線吸収部を光透過部で覆う場合には、熱線吸収部の形状や形成位置についての調整が困難となり、熱線制御シートとしての所望の効果が得られないといった問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、入射面に対する光の入射角度に応じて熱線量を制御することが可能な熱線制御シートであって、多重像や虹ムラの発生を抑制して優れた視認性を得ることができる熱線制御シートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、上記熱線吸収部および上記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であり、上記熱線吸収部と上記平坦化層とが異なる組成を有する別層であることを特徴とする熱線制御シートを提供する。
本発明によれば、熱線吸収部および光透過部の表面上に平坦化層が形成されていることにより、熱線吸収部および光透過部の表面形状の差異をなくし、熱線吸収部に対応して生じる光の拡散の偏りを軽減することができ、光の回折現象や干渉現象の発生を抑制することができる。これにより、多重像や虹ムラの発生を抑え、優れた視認性を得ることができる。
本発明においては、上記光透過部と上記熱線吸収部との屈折率差、および上記熱線吸収部と上記平坦化層との屈折率差が、いずれも0.025以下であることが好ましい。まず、光透過部と熱線吸収部との屈折率差が所定の範囲内であることにより、光透過部と熱線吸収部との界面における光の反射や屈折の発生を抑え、光透過部を透過する光と光透過部および熱線吸収部を透過する光との拡散の偏りを低減することができ、多重像や虹ムラの発生を効果的に抑えることができる。また、熱線吸収部と平坦化層との屈折率差が所定の範囲内であることにより、光が入射または出射する熱線吸収部の界面において光の反射や屈折の発生を抑え、光透過部から入射または出射する光と熱線吸収部から入射または出射する光との拡散の偏りを低減し、多重像や虹ムラの発生を効果的に抑えることができる。これにより、より優れた視認性を得ることができる。
本発明においては、上記平坦化層の表面平均粗さRaが1nm〜100μmの範囲内であることが好ましい。平坦化層の表面平均粗さが所定の範囲内であることにより、光透過部および熱線吸収部の表面を平坦にすることができるため、光が入射または出射した際の平坦化層の表面形状による光の拡散の偏りを軽減することができ、光の回折現象や干渉現象の発生を効果的に抑制することができる。これにより、多重像や虹ムラの発生を抑え、より優れた視認性を得ることができる。
本発明においては、上記平坦化層が粒子を含有していないことが好ましい。平坦化層が粒子を含有していないことにより、粒子による光の散乱を抑えることができるため、光透過性を維持することができ、より優れた視認性を得ることができる。
また、本発明は、窓材と、上記窓材の少なくとも一方の表面に粘着された熱線制御シートと、を有する熱線制御シート付き窓であって、上記熱線制御シートが、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、上記熱線吸収部および上記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であることを特徴とする熱線制御シート付き窓を提供する。
本発明によれば、窓材の少なくとも一方の表面に粘着された熱線制御シートが、熱線吸収部および光透過部の表面上に平坦化層を有することにより、熱線吸収部および光透過部の表面形状の差異をなくして熱線吸収部に対応して生じる光の拡散の偏りを軽減することができ、光の回折現象や干渉現象の発生を抑制することができる。これにより、多重像や虹ムラの発生を抑え、優れた視認性を得ることができる。
本発明においては、光透過部および熱線吸収部を有する熱線制御シートにおいて、光透過部および熱線吸収部の表面上に平坦化層を有することにより、光の回折現象や干渉現象による多重像や虹ムラの発生を抑えることができ、優れた視認性を得ることができるという効果を奏する。
本発明の熱線制御シートの一例を示す概略斜視図である。 熱線吸収部の表面の縦断面形状が凹部状である熱線制御シートを説明する模式図である。 熱線吸収部の表面の縦断面形状が凸部状である熱線制御シートを説明する模式図である。 本発明の熱線制御シートの一例を示す概略断面図である。 本発明における溝部の一例を示す模式図である。 本発明の熱線制御シート付き窓の一例を示す概略断面図である。 従来の熱線制御シートの一例を示す概略斜視図である。 従来の熱線制御シートの他の例を示す概略断面図である。 熱線制御シートにおける熱線吸収部の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の熱線制御シートおよび熱線制御シート付き窓について詳細に説明する。
A.熱線制御シート
本発明の熱線制御シートについて説明する。
本発明の熱線制御シートは、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、上記熱線吸収部および上記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であり、上記熱線吸収部と上記平坦化層とが異なる組成を有する別層であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の熱線制御シートの一例を示す概略斜視図である。本発明の熱線制御シートは、図1(a)に示すように、一方の表面に複数本の溝部3を有する光透過部2と、上記溝部3内に形成された熱線吸収部4との表面上に、平坦化層5を形成することにより得られる。本発明の熱線制御シート10は、光透過部2および熱線吸収部4の表面上に平坦化層5が形成されていることにより、図1(b)に示すように、熱線吸収部4の表面の凹部状である縦断面形状が平坦になり、光透過部2および熱線吸収部4の表面が平坦になる。
なお、図示はしないが、熱線吸収部の表面の縦断面形状は凸部状であってもよい。
図2は、熱線吸収部の表面の縦断面形状が凹部状である本発明の熱線制御シートを説明する模式図である。
図2(a)に示すように、従来の熱線制御シート1は、熱線吸収部4の表面の縦断面形状が凹部状であることにより、光透過部2および熱線吸収部4の入射面の形状に差異が生じる。そのため、熱線制御シート1に入射光linが入射した際に、光透過部2の表面から入射した光と熱線吸収部4の表面から入射した光とで、光の拡散に偏りが生じる。すなわち、熱線吸収部4に対応した領域において光の損失が発生し、従来の熱線制御シート1から出射される出射光loutの量に偏りが生じる。
一方、図2(b)に示す本発明の熱線制御シート10は、光透過部2および熱線吸収部4の表面上に平坦化層5を有するため、光透過部2および熱線吸収部4の入射面の表面形状が平坦である。そのため、本発明の熱線制御シート10に入射光linが入射した際に、光の入射面の表面形状による光の拡散の偏りは低減される。
また、通常、平坦化層5に用いられる材料の屈折率は、空気の屈折率と比較して熱線吸収部4に用いられる材料の屈折率に近い値を示す。そのため、図2(a)に示す熱線吸収部4の界面における屈折率差、すなわち熱線吸収部4と空気との屈折率差に比べて、図2(b)に示すように熱線吸収部4と平坦化層5との屈折率差はより小さくなる。したがって、図2(b)に示す本発明の熱線制御シート10の場合には、図2(a)に示す従来の熱線制御シート1の場合に比べて、熱線制御シート10に入射光linが入射した際に、熱線吸収部4の入射面において発生する光の反射または屈折を抑えることができる。すなわち、平坦化層5を透過して光透過部2の表面から入射した光と、平坦化層5を透過して熱線吸収部4の表面から入射した光とで光の拡散の偏りが低減される。
以上のように、図2(b)に示す本発明の熱線制御シート10は、図2(a)に示す従来の熱線制御シート1に比べて、熱線制御シート10から出射される出射光loutの光量の偏りが低減される。
なお、図2(a)、(b)は、光透過部2において熱線吸収部4を有する側を光入射面とした場合を示しているが、図2(a)、(b)とは反対側を光入射面とすることもでき、この場合においても上記と同様の現象が生じる。
図3は、熱線吸収部の表面の縦断面形状が凸部状である本発明の熱線制御シートを説明する模式図である。
図3(a)に示す従来の熱線制御シート1は、上記図2(a)と同様に、光透過部2および熱線吸収部4の入射面の形状に差異が生じる。これにより、光透過部2の表面から入射した光と熱線吸収部4の表面から入射した光とで光の拡散に偏りが生じ、出射光loutの光量に偏りが生じる。
一方、図3(b)に示す本発明の熱線制御シート10は、上記図2(b)と同様に、光透過部2および熱線吸収部4の入射面の形状が平坦である。そのため、本発明の熱線制御シート10に入射光linが入射した際に、光の入射面の表面形状による光の拡散の偏りを低減することができる。
また、上記図2(a)、(b)の場合と同様の理由から、図3(b)に示す本発明の熱線制御シート10の場合には、図3(a)に示す従来の熱線制御シート1の場合に比べて、熱線制御シート10に入射光linが入射した際に、熱線吸収部4の入射面において発生する光の反射または屈折を抑えることができる。したがって、平坦化層5を透過して光透過部2の表面から入射した光と、平坦化層5を透過して熱線吸収部4の表面から入射した光とで光の拡散の偏りが低減される。
以上のように、図3(b)に示す本発明の熱線制御シート10は、図3(a)に示す従来の熱線制御シート1に比べて、熱線制御シート10から出射される出射光loutの光量の偏りが低減される。
なお、具体的な説明は上述の図2(a)および(b)と同様である。
また、図2と同様に、図3(a)、(b)は、光透過部2において熱線吸収部4を有する側を光入射面とした場合を示しているが、図3(a)、(b)とは反対側を光入射面とすることもでき、この場合においても上記と同様の現象が生じる。
本発明によれば、光透過部および熱線吸収部の表面上に平坦化層を有することにより、光の回折現象や干渉現象の発生を抑制して多重像や虹ムラの発生を抑えることができ、優れた視認性を得ることができる。
この理由としては、以下のことが考えられる。すなわち、光の入射面または出射面の縦断面形状が凹部状または凸部状である場合、その表面から入射または出射した光は、凹部状または凸部状の表面形状に起因した光の反射や屈折により拡散される。すなわち、光の損失が発生する。一方、光の入射面または出射面が平坦である場合には、表面形状が凹部状または凸部状である場合に比べて入射または出射する光の反射や屈折の発生は抑制される。そのため、従来の熱線制御シートのように、光の入射面または出射面が平坦である光透過部と、光の入射面または出射面の縦断面形状が凹部状または凸部状である熱線吸収部とを有する場合には、それぞれの入射面または出射面における光の拡散に偏りが生じ、出射される光量に偏りが生じることになる。このような光量の偏りは、光の回折現象の発生や、それに伴って発生する光の干渉現象を誘発する。したがって、従来の熱線制御シートでは多重像や虹ムラにより視認性が低下するものと考えられる。
これに対して本発明の熱線制御シートでは、平坦化層を有することにより光の入射面または出射面の表面形状が平坦になる。そのため、熱線制御シートに入射する光、または熱線制御シートから出射する光は、いずれも平坦な表面から入射または出射することになる。これにより、光の入射面または出射面の表面形状による光の反射または屈折の発生を抑えることができ、光の拡散の偏りを低減することができる。
また、通常、平坦化層に用いられる材料の屈折率は、空気の屈折率と比較して熱線吸収部に用いられる材料の屈折率に近い値を示す。そのため、熱線吸収部の凹部状または凸部状の表面が平坦化層により埋められている本発明の熱線制御シートでは、平坦化層を有さない従来の熱線制御シートに比べて、凹部状または凸部状の熱線吸収部の界面における屈折率差が小さくなる。すなわち、凹部状または凸部状の熱線吸収部の表面が平坦化層に接している本発明の熱線制御シートでは、凹部状または凸部状の熱線吸収部の表面が空気に接している従来の熱線制御シートに比べて、熱線吸収部の界面における屈折率差は小さくなる。したがって、本発明の熱線制御シートの場合には、凹部状または凸部状の熱線吸収部の表面に光が入射するとき、または凹部状または凸部状の熱線吸収部の表面から光が出射されるときに、熱線吸収部の表面で発生する光の反射または屈折が抑制される。これにより、熱線制御シートを透過する光の拡散の偏りが低減され、光の回折現象やそれに伴って発生する光の干渉現象を抑制して多重像や虹ムラの発生を抑えることができ、優れた視認性を得ることができると推量される。
さらに、本発明の熱線制御シートは光の入射面または出射面が平坦であることにより、上述のように、光の入射面が凹部状または凸部状である場合に発生する光の反射や屈折による光の損失の発生を最小限に抑えることができる。これにより、十分な出射光を得ることができ、優れた視認性を有する熱線制御シートが得られると推量される。
さらにまた、熱線制御シートにおける光の入射面または出射面が光透過部および熱線吸収部であり、光透過部および熱線吸収部の屈折率が異なる場合には、通常、光透過部の光入射面または光出射面の界面における屈折率差、および熱線吸収部の光入射面または光出射面の界面における屈折率差に差異が生じ、光透過部および熱線吸収部から光が入射または出射する際の光の反射や屈折の発生に差異が生じることになる。
一方、本発明においては、光透過部および熱線吸収部の表面に平坦化層が形成されていることにより、光の入射面または出射面が平坦化層になる。そのため、本発明の熱線制御シートに光が入射または出射するときに、光の入射面または出射面の界面において屈折率差による光の反射や屈折の偏りを低減させることができる。したがって、光の反射や屈折、すなわち光の拡散の偏りにより発生する光の回折現象や、それに伴って発生する光の干渉現象を抑制することができると推量される。
本発明において「熱線吸収部の表面の縦断面形状」とは、熱線吸収部を溝部の深さ方向に切ったときの断面形状を指し、また、「熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状である」とは、例えば図9(a)および(b)に示すように、熱線吸収部の露出した表面の断面形状が凹部状または凸部状であることを指す。
なお、本発明における「凹部状」とは、形状が凹部であれば特に限定されるものではないが、例えば、図9(a)に示す凹部の深さDのように、熱線吸収部の表面における高低差が0.1μm〜5μmの範囲内、中でも0.5μm〜3μmの範囲内、特に1μm〜2μmの範囲内である。
また、「凸部状」とは、形状が凸部であれば特に限定されるものではないが、例えば、図9(b)に示す凸部の高さHのように、熱線吸収部の表面における高低差が0.1μm〜5μmの範囲内、中でも0.5μm〜3μmの範囲内、特に1μm〜2μmの範囲内である。
以下、本発明の熱線制御シートを構成する各部材について説明する。
1.平坦化層
本発明における平坦化層は、熱線吸収部および光透過部の表面上に形成されるものであり、熱線吸収部と異なる組成を有する別層である。
本発明における平坦化層は、凹部状または凸部状の熱線吸収部の表面に平坦性を付与することができれば特に限定されないが、熱線吸収部および光透過部の表面上に形成された平坦化層の表面平均粗さRaとしては、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも、5nm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に、10nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
本発明における平坦化層の表面平均粗さRaが上記範囲内よりも大きい場合には、平坦化層の表面において光が拡散することにより光の損失が発生し、これにより熱線制御シートから出射される光量が減り、視認性に悪影響を及ぼすおそれがある。
なお、平坦化層の表面平均粗さRaは、JIS B0601 2001の規定に従い測定される。
また、本発明における平坦化層は、後述する熱線吸収部との屈折率差が0.025以下であることが好ましく、中でも0.015以下であることが好ましい。
平坦化層が、平坦化層と熱線吸収部との屈折率差が上記条件を満たす範囲内であることにより、平坦化層と熱線吸収部との界面において光の反射や屈折の発生を抑えて、熱線制御シートにおける光の拡散の偏りを低減し、多重像や虹ムラの発生を効果的に抑えることができる。
このように、平坦化層の屈折率としては、後述する熱線吸収部の屈折率に応じて適宜調整されるものであるが、例えば1.40〜1.80の範囲内であることが好ましく、中でも1.45〜1.70の範囲内であることが好ましく、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。
なお、平坦化層の屈折率は、JIS K 7142に規定された屈折率の測定方法により得ることができる。具体的には、アッベ屈折計により、温度23℃の条件下で測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定することができる。
本発明における平坦化層に用いられる材料としては、光透過性を有し、後述する熱線吸収部の表面の凹部状または凸部状の縦断面形状を平坦にすることができるものであれば特に限定されるものではないが、中でも、無色であることが好ましい。平坦化層から入射または出射した光が吸収または反射されることにより光の損失が発生することを抑制し、熱線制御シートの視認性を向上させることができるからである。
平坦化層の光透過性としては、熱線制御シートの用途等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、可視光線透過率が50%以上であることが好ましく、中でも70%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。
平坦化層の可視光線透過率が上記範囲内であることにより、平坦化層から入射または出射した光が吸収されることにより光の損失が発生することを抑制できる。これにより、熱線制御シートの視認性を向上させることができる。
なお、平坦化層の可視光線透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JIS K 0115準拠品)を用い、東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)上に形成された膜厚10μmの平坦化層を、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定することにより確認される。
本発明における平坦化層としては、粒子を含有していないことが好ましい。平坦化層が粒子を含有していないことにより、平坦化層に入射した光が粒子により散乱してヘイズ値が上昇することを防止することができるからである。すなわち、光透過性を維持してより優れた視認性を得ることができる。
このような平坦化層の材料としては、例えば、ウレタンアクリレートのオリゴマーやプレポリマー、またはこれらと同等の特性および作用効果を奏する他のウレタンアクリレート等が挙げられる。中でも、ウレタンアクリレートの硬化物が透明性を有することが好ましい。透明賦形フィルムを形成することができるからである。
ウレタンアクリレートのオリゴマーやプレポリマーの具体例としては、例えば、UV−7000B(日本合成化学工業株式会社製)、UV−7650B(日本合成化学工業株式会社製)、UV−7600B(日本合成化学工業株式会社製)、UV−7630B(日本合成化学工業株式会社製)、UV−7640B(日本合成化学工業株式会社製)、EBECRYL284(ダイセル・サイテック株式会社製)、及びEBECRYL8701(ダイセル・サイテック株式会社製)等を挙げられる。ここで、ウレタンアクリレートの「アクリレート」とは、ウレタンメタクリレートを含む。
また平坦化層の上記以外の材料としては、例えば、ペンタエリスリトールアクリレート(新中村化学工業株式会社製)、ジペンタエリスリトールアクリレート(新中村化学工業株式会社製)、ポリエステルアクリレート(新中村化学工業株式会社製)、ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
さらに平坦化層の上記以外の材料としては、例えば、アクリロイル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するモノマー(単量体)、オリゴマー及びプレポリマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。こうしたオリゴマー及びプレポリマーとしては、例えば、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート及びポリオールアクリレート等が挙げることができる。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマー及び多官能モノマーが挙げられる。単官能モノマーとしては特に限定されないが、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカブロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー;フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、バラクミルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、オルトフェニルフェノキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、アクリロイルモルホリン等のアクリレートモノマー;アクリルアミド誘導体;等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジオールジアクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリルトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等、及びこれらのエチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、及びカプロラクタン変性物等が挙げられる。
こうしたモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記モノマーを結合して生成したオリゴマーであってもよい。
なお、本発明における平坦化層の材料としては、上述した材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における平坦化層の厚みとしては、凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面の縦断面形状を平坦にすることができる程度であれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
平坦化層の厚みが上記範囲よりも厚い場合には、入射光に含まれる可視光線および熱線の透過率が低下するおそれがある。平坦化層の可視光線透過率が低下すると、平坦化層による光の損失が発生して、視認性が低下する場合がある。また、平坦化層の熱線の透過率が低下すると、例えば冬季のように、熱線が熱線制御シートを透過するように設計する場合に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、平坦化層の厚みが上記範囲よりも薄い場合には、凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面の縦断面形状を平坦にすることが困難である場合がある。
なお、本発明における平坦化層の厚みとは、図4のtを指す。
このような平坦化層の形成方法としては、凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面の縦断面形状を平坦にすることができ、さらに凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面と平坦化層との間に空隙ができないように平坦化層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面と平坦化層との間に空隙ができると、空気と熱線吸収部との界面における屈折率差により、光の反射や屈折が発生してしまう場合があるからである。
例えば、まず平坦化層形成用塗工液を塗布法により光透過部および熱線吸収部の表面上に塗工し、その後、塗工された平坦化層形成用塗工膜を硬化することにより、平坦化層を形成する方法が挙げられる。上記塗布法としては、アプリケーターコート、ミヤバコート、ワイヤバーコート、グラビアコート、ダイコート等を挙げることができる。
また、本発明における平坦化層を別層として形成して、その後、光透過部および熱線吸収部の表面に積層する方法も挙げられるが、この場合には、平坦化層と光透過部および熱線吸収部との間に空隙ができないように圧着などにより積層することが好ましい。
さらに、本発明における平坦化層と熱線吸収部とは、異なる組成を有する別層である。このような平坦化層としては、1層から構成されていてもよく、あるいは2層から構成されていてもよい。
以下、平坦化層が1層から構成される場合と2層から構成される場合とに分けて説明する。
(1)1層から構成される場合
本発明における平坦化層が1層から構成される場合には、凹部状または凸部状である熱線吸収部の表面の縦断面形状を平坦にするといった機能を有する層であれば特に限定されるものではなく、例えば、平坦化層としての機能に加えて粘着層、ハードコート層、耐候層、またはプライマー層としての機能を有する層であってもよい。
本発明の平坦化層が耐候層としての機能を有する場合には、平坦化層としての機能に併せて優れた耐候性が得られるため好ましい。また、平坦化層が粘着層、ハードコート層、またはプライマー層としての機能を有する場合であっても、上記機能の他に耐候性を有することが好ましい。耐候性を向上させることにより光照射等による劣化を防止することができる。なお、平坦化層に耐候層としての機能を付与する方法としては、例えば平坦化層の材料に2〜3官能のウレタンアクリレートを含有する方法が挙げられる。また、平坦化層が粘着層、ハードコート層、またはプライマー層としての機能を有し、さらに耐候性を有する場合には、粘着層、ハードコート層、またはプライマー層としての機能を有する平坦化層の材料に、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤を含有する方法が挙げられる。以下、粘着層、ハードコート層、および耐候性改善剤として用いることができる紫外線吸収剤、光安定剤について説明する。
(粘着層)
粘着層に用いられる材料としては、一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ゴム系等の粘着材料が挙げられる。また、耐候性改善剤を有する粘着材料としては、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着材料が挙げられ、中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレートが好ましい。
(ハードコート層)
ハードコート層に用いられる材料としては、一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマーならびに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、無機系であっても有機系であってもよい。無機系の紫外線吸収剤としては、例えば酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。上記無機系の紫外線吸収剤の平均粒径(D50)は5nm〜120nm程度の範囲内であることが好ましい。また、有機系の紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等を用いることができ、中でも、トリアジン系が好ましい。紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいからである。
(光安定剤)
本発明に用いられる光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等であってもよく、分子内に反応性基を有するものであってもよい。具体的な光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
(2)2層から構成される場合
本発明における平坦化層が2層から構成される場合、本発明の平坦化層としては、少なくとも平坦化機能層を有する積層体であれば特に限定されるものではないが、例えば、平坦化機能層と接着機能層とが積層された積層体が挙げられる。
本発明の平坦化層が平坦化機能層と接着機能層との2層から構成される場合、光透過部および熱線吸収部の表面上に接着機能層が積層され、上記接着機能層上に平坦化機能層が積層されてもよい。
また、本発明における平坦化層が2層から構成される場合、上記平坦化層の厚みとしては、例えば、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の平坦化層が2層から構成される場合における平坦化層の形成方法としては特に限定されないが、例えば、平坦化層が平坦化機能層と接着機能層との2層から構成される場合には、光透過部および熱線吸収部の表面上に接着機能層を形成し、その上に別層として形成された平坦化機能層を積層する方法が挙げられる。また、平坦化機能層と接着機能層とが積層されてなる平坦化層を別層として形成して光透過部および熱線吸収部の表面上に積層する方法が挙げられる。なお、この場合には、熱線吸収部と平坦化層との間に空隙ができないように圧着法により積層することが好ましい。
以下、平坦化機能層および接着機能層について説明する。
(a)平坦化機能層
本発明における平坦化機能層は、本発明の平坦化層が2層から構成される場合に少なくとも用いられる層である。
平坦化機能層としては、フィルム状のものを用いることができる。そのため、平坦化層が平坦化機能層と接着機能層との2層から構成される場合には、光透過部および熱線吸収部の表面に予め形成された接着機能層上にフィルム状の平坦化機能層を積層することにより、光透過部および熱線吸収部の表面に平坦化層を形成することができる。また、平坦化機能層がフィルム状であることにより、平坦化機能層の表面に接着機能層を形成することにより得られた平坦化層を、光透過部および熱線吸収部の表面に圧着して形成することもできる。
なお、フィルム状の平坦化機能層については、上記「1.平坦化層」の項に記載した内容と同様である。
(b)接着機能層
本発明における接着機能層は、上記平坦化機能層を光透過部および熱線吸収部の表面上に粘着させることができる層であれば特に限定されない。
接着機能層としては、光透過部および熱線吸収部の表面上に形成されるものであってもよく、フィルム状の平坦化機能層上に形成されるものであってもよい。また、接着機能層の形成方法としては、例えば塗布法が挙げられる。
このような接着機能層としては、所定の粘着性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、接着層や粘着層等が挙げられる。
(接着層)
接着層としては、一般的に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光硬化性接着剤や熱硬化性接着剤等が挙げられる。
接着層に用いられる具体的な材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタンエステル系樹脂、またはフッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂等が挙げられる。
(粘着層)
粘着層としては、一般的に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば感圧粘着剤が挙げられる。
粘着層に用いられる具体的な材料としては、例えば、ゴム系、アクリル系、オレフィン系、ポリエステル系、およびポリウレタン系の粘着剤等が挙げられる。
2.光透過部
本発明における光透過部は、一方の表面に複数本の溝部を有するものである。
以下、光透過部および溝部についてそれぞれ説明する。
(1)光透過部
本発明における光透過部の屈折率としては、目的に応じて適宜調整されるものであるが、中でも、後述する熱線吸収部との屈折率差が0.025以下であることが好ましく、中でも0.015以下であることが好ましく、特に0.014以下であることが好ましい。
光透過部が、上記条件を満たす屈折率であることにより、光透過部と熱線吸収部との界面において、光が入射または出射する際の光の反射や屈折の発生を抑えて、熱線制御シートにおける光の拡散の偏りを低減し、多重像や虹ムラの発生を効果的に抑えることができる。
このように、光透過部の屈折率としては、後述する熱線吸収部の屈折率に応じて適宜調整されるものであるが、例えば1.40〜1.80の範囲内であることが好ましく、中でも1.45〜1.70の範囲内であることが好ましく、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。
なお、光透過部の屈折率の測定方法については、上記「1.平坦化層」の項に記載した内容と同様である。
また、本発明における光透過部は、光透過性を有することが好ましい。具体的には、可視光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。
光透過部が上述した所定の光透過性を有することにより、光透過部に入射した光が吸収されることによる光の損失の発生を抑制することができる。これにより、熱線制御シートの視認性を向上させることができる。
なお、可視光線透過率の測定方法については、上記「1.平坦化層」の項に記載した内容と同様である。
このような本発明における光透過部の材料としては、一方の表面に複数本の溝部を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。なお、ここでの電離放射線とは、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、および活性エネルギー線等を指す。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
上記紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂としては、従来から慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。例えば、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が挙げられ、これらを単独で用いても良く2種類以上を併用してもよい。なお、ここでの(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。
また、光透過部に用いられる材料として多官能性のウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合には、目的に応じてメチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を併用することができる。上記単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーを用いて、塗工性を確保することもできる。
さらに、光透過部に用いられるその他の材料として、紫外線吸収剤(UVA)等の耐候性改善剤を含有させても良い。紫外線吸収剤については、上記「1.平坦化層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの記載は省略する。
なお、上記光透過部は、さらにハードコート性や光安定剤や耐傷フィラー、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、等の添加剤を含有しても良い。
光透過部の厚みとしては、後述する熱線吸収部の大きさ等に応じて適宜調整されるものであるが、例えば、10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、中でも、25μm〜250μmの範囲内であることが好ましく、特に、50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
光透過部の厚みが上記範囲よりも大きい場合には、光透過層に入射した光が吸収されてしまうことによる光の損失が発生し、熱線制御シートの視認性が低下するおそれがある。また、光透過部の厚みが上記範囲よりも小さい場合には、光透過層の一方の表面に形成される後述する溝部の形成することが困難になるおそれがある。
なお、本発明における光透過部の厚みとは、図4のtを指す。
(2)溝部
本発明における溝部は、上述した光透過部の一方の表面に複数本形成されるものである。
本発明における溝部は、光透過部の一方の表面に複数本形成されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光透過部の一方の表面に直線状に形成されてよく、曲線状に形成されていてもよい。また、隣り合う各溝部は、平行して形成されていてもよく、ランダムに形成されていてもよく、交差して形成されていてもよい。
中でも、本発明においては、光透過部の一方の表面に、直線状の溝部がそれぞれ平行して形成されていることが好ましい。
上記複数本の溝部のピッチ幅としては、製造する熱線制御シートの用途等に応じて適宜調整されるものである。例えば、各ピッチ幅が同じになるように各溝部が規則的に配列していてもよく、各ピッチ幅がランダムになるように各溝部が不規則的に配列していてもよい。
具体的な溝部のピッチ幅としては、例えば、30μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも、40μm〜150μmの範囲内であることが好ましく、特に、50μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。溝部のピッチ幅が上記範囲内であることにより、太陽の高さが比較的高い夏季の昼間のように、熱線制御シートに対する光の入射角度が小さい場合には、溝部内に形成される熱線吸収部によって十分に熱線を吸収することができるからである。
なお、本発明における溝部のピッチ幅とは、図4のpを指す。
また、本発明における溝部の深さ方向への断面形状としては、後に、溝部内に熱線吸収部を形成した際に熱線制御シートとして所望の効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、図5(a)に示すように、三角形、矩形、楔形等が挙げられる。また、溝部の深さ方向への断面形状としては、図5(b)に示すように、各角部が曲率を有していてもよい。さらに、図示はしないが、溝部の深さ方向への断面形状における各辺が曲線であってもよい。
本発明における溝部の深さとしては、熱線制御シートに対する光の入射角度に応じて熱線を制御することが可能な程度であれば特に限定されるものではないが、例えば、10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、中でも、25μm〜250μmの範囲内であることが好ましく、特に、50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。
また、溝部の深さは、上述した光透過部の厚みの30%〜100%未満の範囲内であることが好ましく、中でも、40%〜97.5%の範囲内であることが好ましく、特に、50%〜95%の範囲内であることが好ましい。溝部の深さが、光透過部の厚みに対して上記範囲よりも小さいと、熱線制御シートの厚みが相対的に増し屈曲性が低下する場合があるからである。
なお、本発明における溝部の深さとは、図4のdを指す。
本発明における溝部の幅としては、熱線制御シートの視認性を低下させない程度であれば特に限定されるものではないが、例えば、5μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、中でも、7μm〜45μmの範囲内であることが好ましく、特に、10μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。溝部の幅が上記範囲よりも大きすぎる場合には、溝部内に形成される熱線吸収部の面積が増えて熱線制御シートの視認性が低下するおそれがある。また、例えば冬季のように熱線を透過させたい場合であっても、溝部の幅が上記範囲より大きすぎると、溝部内に形成される熱線吸収部によって殆どの熱線が吸収されてしまう可能性がある。一方、溝部の幅が上記範囲よりも小さすぎる場合には、溝部内に形成される熱線吸収部の熱線吸収率が制限されてしまい、熱線制御シートとして所望の効果が得られない場合がある。
なお、本発明における溝部の幅とは、図4のwを指す。
本発明における溝部の形成方法としては、光透過部の一方の表面に上述した所定の溝部を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、光透過部形成用塗工液をインクジェット法等により基材上に塗工し、その後、形成された光透過部形成用塗工膜に所定の凸形状の金型を押し当てながら、紫外線等を照射して硬化させることにより溝部を形成する方法が挙げられる。
3.熱線吸収部
本発明における熱線吸収部とは、溝部内に形成されるものであり、表面の縦断面形状が凹部状または凸部状である。
本発明における熱線吸収部の屈折率としては、目的に応じて適宜調整されるものであるが、中でも、上述した平坦化層との屈折率差が0.025以下であることが好ましく、中でも0.015以下であることが好ましい。さらに本発明における熱線吸収部の屈折率としては、光透過部との屈折率差が0.025以下であることが好ましく、中でも0.015以下であることが好ましく、特に0.014以下であることが好ましい。
熱線吸収部が、上記条件を満たす屈折率であることが好ましい理由については、上記「1.平坦化層」および「2.光透過部」の項で記載した内容と同様である。
このように、熱線吸収部の屈折率としては、上述した平坦化層および光透過部の屈折率に応じて適宜調整されるものであるが、例えば1.40〜1.80の範囲内であることが好ましく、中でも1.45〜1.70の範囲内であることが好ましく、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。
なお、熱線吸収部の屈折率の測定方法については、上記「1.平坦化層」の項に記載した内容と同様である。
本発明における熱線吸収部は、熱線吸収剤として熱線吸収粒子を含有するものである。以下、熱線吸収粒子について説明する。
(1)熱線吸収粒子
熱線吸収粒子は、赤外線等の熱線を吸収し、かつ可視光線を透過することができるものであれば良い。具体的な本発明における熱線吸収部の可視光線透過率としては、例えば、50%以上であることが好ましく、中でも60%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。また、本発明における熱線吸収部の熱線吸収率としては、例えば、50%以上であることが好ましく、中でも60%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。
なお、可視光線透過率としては、まず、後述する実施例で用いられるバインダ樹脂95質量%に熱線吸収粒子を5質量%含有させて全体量を100質量%とした熱線吸収部形成用組成物を、東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで塗工し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JIS K0115準拠品)を用いて、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定することにより得られる。また、熱線吸収率としては、可視光線透過率と同様の測定サンプルおよび測定装置を用い、測定波長780nm〜2500nmの範囲内で測定することにより得られる。
上記熱線吸収粒子としては、所定の効果が得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、透明性を有する無機ナノ粒子を用いることができ。具体的には、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、六ホウ化ランタン(LaB)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、酸化タングステン、六ホウ化セリウム、無水アンチモン酸亜鉛および硫化銅またはそれらの混合物のナノ粒子等を用いることができる。中でも、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
上記熱線吸収粒子はナノ微粒子であることが好ましく、その平均粒径(D50)としては、例えば、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも、20nm〜150nmの範囲内であることが好ましく、特に、30nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。熱線吸収粒子の平均粒径が上記範囲よりも大きいと、熱線吸収部に入射した光が熱線吸収粒子により散乱されてヘイズ値が上昇し、熱線制御シートの視認性が低下する場合がある。また、熱線吸収粒子の平均粒径が上記範囲よりも小さいと、熱線を十分に吸収できず、熱線制御シートとしての機能が発揮できない場合がある。なお、上記平均粒径は、熱線吸収粒子の粒子を電子顕微鏡で観察し、算術平均により求められる。
本発明における熱線吸収粒子は、ブロードな粒度分布を示すことが好ましい。また、熱線吸収粒子の粒度分布のうち、累積粒度分布の微粒子側から累積90%の粒径D90が可視領域内にないことが好ましい。熱線吸収部に入射した光が散乱されることによるヘイズ値の上昇を抑え、熱線制御シートの視認性の低下を防止することができるからである。
上記熱線吸収粒子の粒度分布としては、後述する測定法を用いて測定し、累積粒度分布の微粒子側から、累積10%の粒径をD10とし、累積90%の粒径をD90としたとき、D90の値が25nm以上400nm以下であることが好ましく、中でも、50nm以上200nm以下であることが好ましい。また、累積10%の粒径D10と累積90%の粒径D90との比(D90/D10)が、2〜400の範囲内であることが好ましく、中でも、3〜200の範囲内であることが好ましく、特に、4〜100の範囲内であることが好ましい。
熱線吸収粒子の粒度分布のD90/D10の値が上記範囲内にあることにより、ブロードな粒度分布となり、より広い波長の熱線を吸収することができる。なお、上記粒度分布は、粒度分布計により測定される。
熱線吸収部に含まれる熱線吸収粒子の含有率としては、熱線吸収部の全質量(100質量%)に対して、0.1質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、0.2質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、特に、0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。熱線吸収粒子の含有率が上記範囲であることにより、熱線吸収部に入射した熱線を十分に吸収することができ、かつ熱線吸収粒子により光が散乱しヘイズ値が上昇することを抑制することができるからである。
(2)その他の材料
本発明における熱線吸収部は、上述した熱線吸収粒子の他に、必要に応じてバインダ樹脂、光開始剤、紫外線吸収剤、光安定剤を有することができ、少なくともバインダ樹脂を有することが好ましい。
熱線吸収部に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
具体的には、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等の反応性オリゴマー、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等の反応性のモノマー等が挙げられる。
また、バインダ樹脂には光開始剤が含まれることが好ましい。波長300nm〜400nmの紫外線等の電離放射線を照射してバインダ樹脂を硬化させることができるからである。上記光開始剤としては、照射する電離放射線の種類に応じて適宜選択でき、例えば、ケトン系やアセトフェノン系の光開始剤、具体的には、サンドレー1000、Darocure1163、Darocure1173、Irgacure183、Irgacure651等を用いることができる。なお、上記光開始剤の含有率としてはバインダ樹脂の量に応じて適宜調整することができ、例えば、バインダ樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部程度の範囲内であることが好ましい。
上記バインダ樹脂の屈折率としては小さいことが好ましい。上述した熱線吸収粒子の屈折率が比較的大きいため、バインダ樹脂の屈折率が小さいことにより、熱線吸収部全体の屈折率を所定の範囲に調整することができるからである。
熱線吸収部におけるバインダ樹脂の含有率としては、熱線吸収部の全質量(100質量%)に対して、40質量%〜98質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、50質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。
(3)熱線吸収部
本発明における熱線吸収部の表面の縦断面形状は、凹部状または凸部状である。なお、本発明における凹部状および凸部状の定義については、上述した内容と同様であるため、ここでの記載は省略する。
このような熱線吸収部の表面の縦断面形状は、熱線吸収部の形成方法に起因する。
熱線吸収部の形成方法としては、光透過部の表面に形成された溝部内に熱線吸収部を形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ワイピングコート法やインクジェット法が挙げられる。
ワイピングコート法により、溝部を有する光透過部の表面に熱線吸収部形成用塗工液を塗布して熱線吸収部を形成する場合、擦切りの影響や熱線吸収部形成用塗工液の硬化収縮の影響により、図9(a)に示すように、熱線吸収部4の表面の縦断面形状は凹部状となる。また、インクジェット法により熱線吸収部形成用塗工液を光透過部における溝部に滴下して熱線吸収部を形成する場合、熱線吸収部形成用塗工液の表面張力の影響により、図9(b)に示すように、熱線吸収部4の表面の縦断面形状は凸部状となる。
4.その他
本発明の熱線制御シートは、必要に応じてその他の構成を有していてもよい。その他の構成としては、例えば、ハードコート層、基材等が挙げられる。
(1)ハードコート層
本発明の熱線制御シートは、耐候性や耐傷性の向上を目的としてハードコート層を有するものであってもよい。
ハードコート層に用いられる材料としては、一般的に使用されるものであればよく、例えば、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂については、上記「2.光透過部」の項で記載した内容と同様である。
なお、ハードコート層を形成する位置については、後述する「B.熱線制御シート付き窓」の項に記載する。
ハードコート層の厚みとしては、例えば、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。
(2)基材
本発明の熱線制御シートは、熱線制御シート全体の形状を保持することができる基材を有していてもよい。
本発明における基材としては、光透過部、熱線吸収部、および平坦化層を支持することができるものであり、熱線制御シートの視認性に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、中でも、フィルム基材であることが好ましい。
上記フィルム基材としては、光透過性を有するものであればよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、塩化ビニル、フッ素樹脂、ゴム等の樹脂フィルム等が挙げられる。中でも、光透過性および強度の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートの樹脂フィルムが好ましい。また、上記フィルム基材は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
なお、上記フィルム基材は、必要に応じて片面または両面に表面処理等を行っていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等の酸化法による表面処理や、サンドブラスト法、溶剤処理法等の凹凸化法による表面処理、化学的表面処理等が挙げられる。
上記フィルム基材の厚みとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも10μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
(3)その他
本発明の熱線制御シートには剥離層が用いられていてもよい。
すなわち、本発明における平坦化層を上記「1.平坦化層 (2)2層から構成される場合」の項に記載のフィルム状の平坦化機能層と接着機能層との2層から構成し、その後、上記平坦化層を光透過部および熱線吸収部の表面に粘着する場合には、接着機能層上に剥離層を形成し、上記平坦化層を光透過部および熱線吸収部の表面に粘着する際に剥離層を接着機能層から剥離することが好ましい。接着機能層に埃等が付着することを防止し、汚れによる熱線制御シートの視認性の低下を防ぐことができるからである。
剥離層に用いられる材料としては、一般的に使用されているものであれば特に限定されない。本発明における剥離層は、平坦化層を光透過部および熱線吸収部の表面に圧着した後に、平坦化機能層から剥離しやすい層であることが好ましい。このような剥離層の材料としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等の1種または2種以上混合したものを用いることができる。
B.熱線制御シート付き窓
本発明の熱線制御シート付き窓は、窓材と、上記窓材の少なくとも一方の表面に粘着された熱線制御シートと、を有する熱線制御シート付き窓であって、上記熱線制御シートが、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、上記溝部内に形成された熱線吸収部と、上記熱線吸収部および上記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、上記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であることを特徴とするものである。
図6は、本発明の熱線制御シート付き窓の一例を示す概略断面図である。
図6(a)〜(d)に示すように、本発明の熱線制御シート付き窓100は、窓材6と、熱線制御シート10とを有するものである。
また、本発明の熱線制御シート付き窓100は、図6(a)および(b)に示すように、入射光linが入射する側とは反対側の窓材6の表面に熱線制御シート10が接着層7を介して粘着されたものであってもよく、あるいは図6(c)および(d)に示すように、入射光linが入射する側の窓材6の表面に熱線制御シート10が接着層7を介して粘着されたものであってもよい。
さらに、本発明の熱線制御シート付き窓100は、図6(a)および(c)に示すように、熱線制御シート10において平坦化層5が形成された光透過部2および熱線吸収部4の表面が、入射光linが入射する側となるように接着層7を介して窓材6に粘着されたものであってもよく、あるいは図6(b)および(d)に示すように、熱線制御シート10において平坦化層5が形成された光透過部2および熱線吸収部4の表面が、入射光linが入射する側とは反対側になるように接着層7を介して窓材6に粘着されたものであってもよい。
なお、その他の符号については、図1と同様とすることができる。
本発明によれば、窓材の少なくとも一方の表面に粘着された熱線制御シートが、熱線吸収部および光透過部の表面上に平坦化層を有することにより、熱線吸収部および光透過部の表面形状の差異をなくすことができる。そのため、熱線制御シートにおいて光の入射面または出射面が平坦である光透過部と、光の入射面または出射面の縦断面形状が凹部状または凸部状である熱線吸収部とで、光の拡散に偏りが生じて出射される光量が偏るといった現象の発生を抑えることができ、光の回折現象や干渉現象の発生を抑制することができる。これにより、多重像や虹ムラの発生を抑え、優れた視認性を得ることができる。
1.熱線制御シート
本発明に用いられる熱線制御シートについては、上記「A.熱線制御シート」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.窓材
本発明における窓材としては、一般的に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、無色であってもよく、着色されたものであってもよい。本発明における熱線制御シートは、視認性を向上させることができるという効果を奏するものであるため、本発明の熱線制御シート付き窓に用いられる窓材としては、光透過性を有し、無色であることが好ましい。このような窓材としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ガラス等が挙げられる。
3.熱線制御シート付き窓
本発明の熱線制御シート付き窓における熱線制御シートは、必要に応じて、基材、ハードコート層、または粘着層等を有していてもよい。
例えば、本発明の熱線制御シート付き窓が、図6(a)および(b)に示すように、入射光linが入射する側とは反対側の窓材6の表面に熱線制御シート10が粘着されている場合、すなわち、熱線制御シートが内貼りである場合には、熱線制御シートは、耐傷性の付与を目的として、窓材が粘着していない側の表面にハードコート層を有することが好ましい。また、図6(c)および(d)に示すように、入射光linが入射する側の窓材6の表面に熱線制御シート10が粘着されている場合、すなわち、熱線制御シートが外貼りである場合には、熱線制御シートは、耐候性の付与を目的として、窓材が粘着していない側の表面に耐候性改善剤を含有する基材やハードコート層を有することが好ましい。
また、本発明の熱線制御シート付き窓が、図6(a)および(d)に示す構成を有する場合には、平坦化層5と窓材6との間に粘着層を有することが好ましい。また、本発明の熱線制御シート付き窓が、図6(b)および(c)に示す構成を有する場合には、光透過部2と窓材6との間に粘着層を有することが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(光透過部の形成)
まず、基材として、厚みが188μmの連続帯状の透明2軸延伸PETフィルム(東洋紡績社製)を準備した。次に、基材の表面に、液状のウレタンアクリレート系のプレポリマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体、およびベンゾフェノン系光開始剤の混合液からなる光透過部形成用塗工液を塗布し、その後硬化した。硬化後の光透過部形成用塗工膜の厚みは100μmであった。
次いで、凸形状の金型が円周方向に直線状に連なったロールを、基材上に形成された光透過部形成用塗工膜に押し当て、水銀灯による紫外線照射により光透過部形成用塗工膜を硬化した。このようにして、溝部を有する光透過部を形成した。なお、得られた溝部は、ピッチ幅が78μm、深さが63μm、下底幅が24μm、上低幅が28μmであり、図1に示すような楔形の断面形状であった。
(熱線吸収部の形成)
下記の組成を有する熱線吸収部形成用塗工液を、溝部を有する光透過部の表面に塗工した。その後、溝部以外の領域に塗工された熱線吸収部形成用塗工液を、鉄製ドクターブレドを用いて擦切ることにより、溝部内のみに熱線吸収部形成用塗工液を充填させた。次いで、水銀灯による紫外線照射を行い、熱線吸収部形成用塗工液を架橋硬化して熱線吸収部を得た。なお、熱線吸収部の表面の縦断面形状は凹部状であった。
<熱線吸収部形成用塗工液の組成A>
・透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー …93.5質量%
・ATOナノ粒子(平均粒子径100nm) …4.5質量%
・光重合開始剤 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア184」) …2質量%
(平坦化層の形成)
下記の組成を有する平坦化層形成用塗工液を、ミヤバーコート法を用いて光透過部および熱線吸収部の表面に塗布し、その後、60℃の条件下で30秒間乾燥させることで平坦化層を得た。平坦化層の厚みは3μmであった。
<平坦化層形成用塗工液の組成A>
・ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体樹脂
(ウレタン成分とアクリル成分との質量比50:50) …89.5質量%
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤
(BASFジャパン社製「チヌビン479」) …1.5質量%
・反応性官能基を有するヒンダ―ドアミン系光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート)
(日本乳化剤社製「サノールLS−3410」) …3質量%
・硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート) …6質量%
(粘着層)
次いで、平坦化層の表面に紫外線吸収剤(UVA)を含有する粘着層を形成し、図6(a)に示すようにガラスからなる窓材へ内貼りした。
[実施例2]
下記の組成を有する平坦化層形成用塗工液に、電子線照射機を用いて165keV、5Mrad(50kGy)の条件下で電子線を照射して平坦化層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして熱線制御シートを作製した。
<平坦化層形成用塗工液の組成B>
・2官能カプロラクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー …96.5質量%
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤
(BASFジャパン社製「チヌビン479」) …0.5質量%
・反応性官能基を有するヒンダ―ドアミン系光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート)
(日本乳化剤社製「サノールLS−3410」) …3質量%
[実施例3]
下記の組成を有する熱線吸収部形成用塗工液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱線制御シートを作製した。
<熱線吸収部形成用塗工液の組成B>
・透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー …88質量%
・ATOナノ粒子(平均粒子径100nm) …10質量%
・光重合開始剤 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア184」) …2質量%
[実施例4]
下記の組成を有する平坦化層形成用塗工液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱線制御シートを作製した。
<平坦化層形成用塗工液の組成C>
・ウレタンアクリレート系のプレポリマー、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体(ウレタンアクリレート:DPHA=1:1) …98質量%
・ベンゾフェノン系光開始剤 …2質量%
[実施例5]
下記の組成を有する活性エネルギー線硬化型の平坦化層形成用塗工液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱線制御シートを作製した。
<平坦化層形成用塗工液の組成D>
・ウレタンアクリレート系のプレポリマー、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体(ウレタンアクリレート:DPHA=1:2) …98質量%
・ベンゾフェノン系光開始剤 …2質量%
[比較例1]
平坦化層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして熱線制御シートを作製した。
[比較例2]
平坦化層を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして熱線制御シートを作製した。
(評価)
1)屈折率
平坦化層、光透過部、および熱線吸収部の屈折率は、アッベ屈折計により、温度23℃の条件下で測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定した。
2)多重像、虹ムラ
多重像および虹ムラの評価は、以下の項目について行った。
<目視によるぼやけ>
目視によりぼやけの程度を評価した。
<目視による回折幅>
目視により虹幅の程度を評価した。
<レーザースプリット>
He−Neレーザー(波長632.8nm、強度10mW)光を、熱線制御シートに対して垂直に照射し、熱線制御シートから10cm離れた位置におけるレーザーポイントの数を数えた。なお、レーザーポイントの数は、He−Neレーザー光が回折することなく照射された位置から10mmの領域内で数えた。
<回折効率>
まず、熱線制御シートを枠に取り付けた。次に、波長632.8nmのレーザーを用いて、熱線制御シートから30cm離れた位置にある1cm正方角のスリットに、回折光のうちの0次光のみを通過させた。このとき、熱線制御シートを透過した直後のレーザー光の強度I(mW)、およびスリットを通過後の0次光の強度I(mW)と測定した。次に、測定したI(mW)およびI(mW)を用いて、下記式より回折効率を算出した。
100×(1−I/I)=回折効率(%)
これらの結果を表1に示す。
Figure 2014115357
表1に示すように、光透過部および熱線吸収部の表面に平坦化層が形成されている実施例1〜5では、平坦化層を有さない比較例1〜2に比べて、光の回折現象、およびそれに伴った光の干渉現象の発生を抑えることができ、熱線制御シートの視認性を向上させることができた。
また、光透過部と熱線吸収部との屈折率差、光透過部と平坦化層との屈折率差、および熱線吸収部と平坦化層との屈折率差が、いずれも0.025以下である実施例1〜3の場合には、各界面の屈折率差による光の反射や屈折を低減することができるため、光の回折現象、およびそれに伴った光の干渉現象の発生を効果的に抑え、熱線制御シートの視認性をより向上させることができた。
1 … 従来の熱線制御シート
2 … 光透過部
3 … 溝部
4 … 熱線吸収部
5 … 平坦化層
6 … 窓材
7 … 接着層
10 … 本発明の熱線制御シート
100… 熱線制御シート付き窓
h … 熱線
in … 入射光
out … 出射光

Claims (5)

  1. 一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、
    前記溝部内に形成された熱線吸収部と、
    前記熱線吸収部および前記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、
    前記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であり、
    前記熱線吸収部と前記平坦化層とが異なる組成を有する別層であることを特徴とする熱線制御シート。
  2. 前記光透過部と前記熱線吸収部との屈折率差、および前記熱線吸収部と前記平坦化層との屈折率差が、いずれも0.025以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱線制御シート。
  3. 前記平坦化層の表面平均粗さRaが1nm〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱線制御シート。
  4. 前記平坦化層が粒子を含有していないことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の熱線制御シート。
  5. 窓材と、
    前記窓材の少なくとも一方の表面に粘着された熱線制御シートと、
    を有する熱線制御シート付き窓であって、
    前記熱線制御シートが、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部と、前記溝部内に形成された熱線吸収部と、前記熱線吸収部および前記光透過部の表面上に形成された平坦化層と、を有し、
    前記熱線吸収部の表面の縦断面形状が、凹部状または凸部状であることを特徴とする熱線制御シート付き窓。
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