JP6540161B2 - 合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、耐候性および光制御機能に優れた合わせガラス、およびそれに用いられる合わせガラス用光制御部品に関する。
合わせガラスは、二枚のガラス板で中間層を挟持した構造を有するものであり、外部からの衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散しにくく、ガラス一枚板よりも安全性や防犯性が高いことから、車両や航空機等の乗物用安全ガラス、一般建築物や大型建物における窓、間仕切り、防犯ガラス等に広く用いられている。
地球温暖化等の環境問題の深刻化に伴い、省エネルギーやCOの削減を目的として、入射光の透過や吸収、偏向、反射等の制御を可能とする機能層(光制御層)を窓に貼り付け、室内に取り込む熱線量を調整して室内の温度上昇を抑えたり、室内への採光量を増加させて室内照度を向上させる試みがなされている。
合わせガラスにおいても、中間層としてこのような光制御層を備えることで、合わせガラス本来の機能である耐衝撃性および飛散防止性に加え、光制御機能の発揮が期待される。例えば、特許文献1では、一対のガラス板間に赤外線反射膜が形成された複合フィルムが一対の接着シートを介して接着された合わせガラスが開示されており、上記複合フィルムが熱線の透過を遮断する光制御層として機能する。
光制御層による光制御機能の中でも、採光機能の向上が注目されており、光制御層の構造や形状を工夫して光の反射や偏向を調整する設計開発が進められている。そしてこのような光制御層は、成形性が高く経時による変形が生じにくいことが要求される。また、採光量を多くするためには、光制御層は透光性が高いことも要求される。したがって、このような光制御層は、一般に電離放射線硬化性樹脂を所望の形状となるように硬化させて形成される。
しかし、電離放射線硬化性樹脂は、その構造内にフェニル基や未反応の重合性不飽和結合と有しており、これらは外光の紫外線を吸収しやすい。このため光制御層は、上記官能基や結合による紫外線の吸収により劣化が生じやすいという問題を有していた。
一方、光制御層の劣化を防止するために、光制御層内に紫外線吸収剤等の耐候剤を含有させると、光制御層の製造に際し電離放射線硬化性樹脂の硬化に要する紫外線が上記耐候剤に吸収されてしまい、硬化反応が阻害されて光制御層を所望の形状に成形しにくくなり、形状精度の低下により光制御機能に悪影響を及ぼすという問題も有していた。
このような問題に対し、光制御層には耐候剤を含有させず、光源側に位置する窓ガラスと光制御層とを接着させる接着層中に耐候剤を含有させることで、光制御層の成形性や寸法安定性を保持しつつ、光制御層の劣化を抑制する技術が知られている(特許文献2参照)。上記窓ガラスから入射した光は、光制御層よりも先に耐候剤含有の接着層に到達するため、光制御層の劣化の要因となる波長光が上記接着層において先に吸収される。これにより、光制御層には上記波長光が到達しにくくなるため、光制御層の劣化を抑制することができる。
国際公開第2011/074425号 特許第4881208号公報
合わせガラスにおいても、この様な技術を用いることで、同様の劣化防止効果が得られることが予想される。しかし、本発明者等が合わせガラスにおいてこのような層構成を採用したところ、光制御層の劣化による黄変が確認され、合わせガラス全体での光透過性の低下により所望の採光効果が得られないという問題があることを知得した。
上記問題が起こる要因について、本発明者等が鋭意検討を行った結果、接着層に含まれる耐候剤が光制御層側へ移動し、上記接着層中の耐候剤量が減少することで光制御層の劣化が生じていることを見出した。なお、接着層に含まれる耐候剤が隣接する他の層に移動することを、本願明細書内では「マイグレーション(する)」と称する。
耐候剤のマイグレーションが生じ、接着層中の耐候剤量が減少すると、光制御層の劣化の要因となる波長光が接着層にて十分に吸収されず、一部がそのまま光制御層に到達してしまう。そして光制御層を形成する樹脂内に有する官能基や結合が上記波長光を吸収することで、光制御層の劣化が生じて黄変すると想定される。また、上記耐候剤が光制御層に含まれる未反応モノマーや開始剤類と反応することにより、光制御層の劣化が生じて黄変することも想定される。
上述した耐候剤のマイグレーションは、通常、耐候剤として紫外線吸収剤を含む場合に生じる。さらに、光制御層の劣化のみならず、接着層中の耐候剤量が減少することで、上記接着層自体の劣化も生じる場合がある。例えば、接着層内に含まれる紫外線吸収剤により光が吸収されると、その光が熱に変換されるため、生じた熱により接着層が熱劣化する場合がある。このため、上記接着層の耐熱性向上のため、耐候剤として酸化防止剤等を含むことが好ましい。しかし、酸化防止剤等のマイグレーションにより接着層に含まれるこれらの耐候剤量が減少すると、接着層の耐熱性が低下して劣化しやすくなる。
このように、光制御層および接着層の劣化により、合わせガラスが十分な耐候性を有さないという問題もある。
ここで、合わせガラス場合、ガラス板と中間層との接着力が小さ過ぎると、外部からの衝撃によってガラス板が中間層から剥がれて飛散してしまうことから、高い耐衝撃性および飛散防止性を発揮するために、接着層は所望の接着力を示すのに十分な厚さを必要とする。接着層の厚さが大きくなると、上記接着層に含有される耐候剤量が過多となり、マイグレーションが促進されて光制御層内に存在する耐候剤量が増加する傾向にある。このため、光制御層内に存在する耐候剤による光制御層の劣化や、耐候剤の含有量の減少による接着層の劣化がさらに生じやすくなると推量される。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、光制御機能を発揮する光制御層を有し、耐候性および光制御機能に優れた合わせガラス、およびそれに用いられる合わせガラス用光制御部品を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第1ガラス基板、第1接着層、バリア層、第3接着層、光制御層、第2接着層、および第2ガラス基板がこの順に積層され、少なくとも上記第1接着層が紫外線吸収剤を有する耐候剤を含み、上記第3接着層の厚さが10μm〜50μmの範囲内であり、上記光制御層が、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記複数本の溝部内に形成された充填部を有し、上記光制御層の上記溝部が形成された側の面が上記バリア層側となるように配置されることを特徴とする合わせガラスを提供する。
本発明によれば、耐候剤を含む第1接着層と光制御層との間にバリア層を介することにより、第1接着層に含まれる耐候剤の光制御層へのマイグレーションを防ぐことができる。このため、耐候剤の種類に応じて、第1ガラス基板側から入射される光のうち、光制御層の劣化の要因となる波長光を上記第1接着層にて十分に吸収して、上記波長光が光制御層まで到達するのを防ぐことができ、上記波長光による光制御層の劣化や、マイグレーションした上記耐候剤と光制御層内のモノマー類等との反応による光制御層の劣化を防ぐことができる。また、耐候剤の含有量の減少による第1接着層自体の劣化も防ぐことができる。
これにより、本発明の合わせガラスは、高耐候性と高光制御機能を有することができる。
上記発明においては、上記バリア層と上記光制御層との間に第3接着層を有していてもよい。バリア層および光制御層を強固に接着することができるからである。
上記発明においては、上記耐候剤が、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。光制御層の劣化は主に外光に含まれる紫外線により生じることから、耐候剤として紫外線吸収剤を用いることで、光制御層の劣化を効果的に防ぐことができるからである。
上記発明においては、上記耐候剤が、上記紫外線吸収剤に加え、酸化防止剤および光安定剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。第1接着層に耐候剤として紫外線吸収剤の他にこれらの耐候剤が含まれることで、第1接着層の劣化を防ぐことができるからである。
上記発明においては、上記バリア層が透明樹脂層であることが好ましい。安価で汎用性があるからである。上記発明の場合、上記透明樹脂層が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂で形成されていることが好ましい。これらの樹脂で形成された透明樹脂層は耐候剤のマイグレーションを効率良く阻止することが可能であるからである。
また、本発明は、第1ガラス基板、第1接着層、バリア層、光制御層、第2接着層、および第2ガラス基板がこの順に積層され、少なくとも上記第1接着層が紫外線吸収剤を有する耐候剤を含み、上記バリア層が透明無機化合物層であり、かつ、上記バリア層の厚さが10nm〜1μmの範囲内であり、上記光制御層が、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記複数本の溝部内に形成された充填部を有し、上記光制御層の上記溝部が形成された側の面が上記バリア層側となるように配置されることを特徴とする合わせガラスを提供する。これにより、透明無機化合物により形成されたバリア層は、薄膜で耐候剤のマイグレーションを効率良く阻止することが可能である。

上記発明においては、上記光制御層が、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記複数本の溝部内に形成された充填部を有し、上記光制御層の上記溝部が形成された側の面(以下、溝部形成面とする場合がある。)が上記バリア層側となるように配置されることが好ましい。このような構造を有する光制御層(以下、ルーバー型光制御層と称する場合がある。)は、充填部の材料や光の入射角度に応じて光の制御方法を選択することが可能であり、また、溝部形成面がバリア層側に位置することで、充填部に光が入射しやすくなり、より多くの光の制御が可能となる。このため、光制御層の光制御機能をより高いものとすることができるからである。
上記発明においては、上記光透過部が樹脂で形成されており、上記充填部が、上記光透過部を形成する樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成された低屈折率部であることが好ましい。光透過部と充填部との界面にて屈折率の違いによる光の反射が生じ、反射光を利用した採光量の増加が見込まれ、採光機能の向上を図ることができるからである。
また、本発明は、光制御層と、上記光制御層の一方の面上に形成されたバリア層とを有し、上記光制御層は、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記溝部内に形成された充填部を有し、上記バリア層が、上記光制御層の溝部形成面上に形成されていることを特徴とする合わせガラス用光制御部品を提供する。
本発明によれば、合わせガラス用光制御部品(以下、単に光制御部品とする場合がある。)が、光制御層の溝部形成面上に上にバリア層を備える構造であるため、上記光制御部品の上記バリア層と光の入射側に位置するガラス基板とが接着するようにして2枚のガラス板で上記光制御部品を挟持することで、接着層に含有される耐候剤のマイグレーションを、上記バリア層で阻止することができる。これにより、高耐候性と高光制御機能を有する合わせガラスを得ることができる。
本発明においては、合わせガラスの光の入射面となるガラス基板を接着する第1接着層および光制御層間にバリア層を配置して、上記第1接着層に含まれる耐候剤のマイグレーションを阻止することで、高耐候性および高光制御機能を有する合わせガラスとすることができるという効果を奏する。
本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の一例を示す概略斜視図および断面図である。 本発明の合わせガラスの他の例を示す概略断面図である。 本発明における溝部の形状の例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の他の例を示す概略断面図である。 本発明における光制御層の他の例を示す概略断面図である。 本発明の合わせガラスの他の例を示す概略断面図である。 本発明の合わせガラス用光制御部品の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の合わせガラスおよびガラス用光制御部品について、詳細に説明する。
A.合わせガラス
本発明の合わせガラスは、第1ガラス基板、第1接着層、バリア層、光制御層、第2接着層、および第2ガラス基板がこの順に積層され、少なくとも上記第1接着層が耐候剤を含むことを特徴とするものである。
本発明の合わせガラスについて、図を参照して説明する。図1は本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面図である。本発明の合わせガラス10は、第1ガラス基板1、第1接着層2、バリア層3、光制御層4、第2接着層5、および第2ガラス基板6がこの順に積層された構造を有するものであり、少なくとも第1接着層2が耐候剤21を含む。
本発明の合わせガラス10は、通常、第1ガラス基板1が光制御層4よりも先に光Lが入射するようにして配置される。
本発明によれば、耐候剤を含む第1接着層と光制御層との間にバリア層を介することにより、第1接着層に含まれる耐候剤の光制御層へのマイグレーションを防ぐことができる。このため、耐候剤の種類に応じて、第1ガラス基板側から入射される光のうち、光制御層の劣化の要因となる波長光を上記第1接着層にて十分に吸収して、上記波長光が光制御層まで到達するのを防ぐことができ、上記波長光による光制御層の劣化や、マイグレーションした上記耐候剤と光制御層内のモノマー類等との反応による光制御層の劣化を防ぐことができる。また、耐候剤の含有量の減少による第1接着層自体の劣化も防ぐことができる。
これにより、本発明の合わせガラスは、高耐候性と高光制御機能を有することができる。
なお、本明細書内において「透明」、「透明性」には、所望の光透過性が得られる程度の透明性を有し、ヘイズがかった「半透明」の概念も含むものとする。また、「透明」、「透明性」は、無色透明、および光透過性を妨げない程度の有色透明を含む。
以下、本発明の合わせガラスの各部位について、詳細に説明する。
1.第1接着層
本発明における第1接着層は、耐候剤を含むものである。
第1接着層は、第1ガラス基板とバリア層とを接着させる層である。
(1)耐候剤
耐候剤としては、光制御層の劣化および第1接着層の劣化を防止することが可能なものであればよく、各層の劣化防止に要求される機能に応じて1種以上が選択されて用いられる。上記耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、第1接着層にて光制御層の劣化の原因となる波長光を吸収することができるものであり、光制御層の劣化を防止することができる。紫外線吸収剤としては、透明性を有し、所望の波長の紫外線を吸収できるものであれば特に限定されるものではない。このような紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤に反応基を導入した反応性紫外線吸収剤を挙げることができる。
上記有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、フェニルサリシレート系、シアノアクリレート系、ベンゾエート系、ベンゾオキサジノン系、トリアジン系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等が挙げられる。
また、上記反応性紫外線吸収剤としては、上述の有機系紫外線吸収剤に、例えばビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等の反応基を導入したものが挙げられる。
酸化防止剤は、第1接着層の耐熱性を向上させるものである。すなわち、酸化防止剤を含むことで、紫外線吸収剤に吸収された光から変換された熱により第1接着層が熱劣化するのを防止することができる。また、第1接着層とバリア層との界面での変色の防止や、第1接着層に加工安定性を付与することができる。
上記酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、IRGANOX 1035、IRGANOX 3114(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、AO−80、AO−60(以上、ADEKA社製)等が挙げられる。また、ホスファイト系酸化防止剤としては、具体的にはPEP−36A、PEP−8(以上ADEKA社製)が挙げられる。
光安定剤は、光照射により第1接着層内で励起されるラジカルを失活させるものであり、上記第1接着層の光劣化を防ぐことが可能である。
光安定剤としては、光学フィルム等の高光透過性が要求される部材の接着層に使用されるもの、例えばヒンダードアミン系光安定剤、ニッケル錯体系光安定剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、Tinuvin 111FDL、Tinuvin 123、Tinuvin 144、Tinuvin 152、Tinuvin 292、Tinuvin 5100(以上、BASF社製)、Viosorb 770、Viosorb 622、Viosorb 765(以上、共同薬品社製)、LA−63P(ADEKA社製)等が挙げられる。
また、光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有する反応性光安定剤を用いてもよい。具体的には1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート(製品名:サノールLS−3410 日本乳化剤株式会社製)等が挙げられる。
本発明においては、耐候剤が、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。光制御層の劣化は主に外光に含まれる紫外線の照射により生じることから、耐候剤として紫外線吸収剤を用いることで、光制御層の劣化を効果的に防ぐことができるからである。
第1接着層における紫外線吸収剤(固形分)の含有量としては、光制御層の劣化の要因となる波長光を十分に吸収可能な量であればよく、後述する接着剤100重量部に対して0.1重量部〜40重量部の範囲内であることが好ましく、中でも1重量部〜30重量部の範囲内であることが好ましい。
接着剤100重量部に対する紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも多いと、例えば耐候剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いる場合において、第1接着層が着色を帯びてしまい、合わせガラス全体としての光透過性の低下や外観上の問題が生じる可能性がある。一方、紫外線吸収剤の含有量が上記範囲よりも少ないと、紫外線等の光制御層の劣化原因となる波長光を第1接着層において十分に吸収しきれず、光制御層の劣化が生じる場合がある。
本発明においては、上記耐候剤が、紫外線吸収剤のみを含んでいてもよいが、上記耐候剤が、上記紫外線吸収剤に加え、酸化防止剤および光安定剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。第1接着層に耐候剤として紫外線吸収剤の他にこれらの耐候剤が含まれることで、第1接着層の劣化を防ぐことができるからである。なお、酸化防止剤および光安定剤のことを「紫外線吸収剤以外の耐候剤」と称する。
耐候剤が、紫外線吸収剤に加えて紫外線吸収剤以外の耐候剤を含む場合、第1接着層における上記紫外線吸収剤以外の耐候剤(固形分)の含有量としては、接着剤100重量部に対して0.1重量部〜40重量部の範囲内であることが好ましく、中でも1重量部〜30重量部の範囲内であることが好ましい。
接着剤100重量部に対する上記紫外線吸収剤以外の耐候剤の含有量が上記範囲よりも大きいと、第1接着層を形成する接着剤の溶解性の観点から好ましくなく、一方、上記範囲よりも小さいと、添加することによる効果が発揮されない場合がある。
上記耐候剤が、紫外線吸収剤以外の耐候剤として酸化防止剤と光安定剤との両方を含む場合は、酸化防止剤と光安定剤との総量が上記範囲内となる。
(2)接着剤
第1接着層の形成に用いられる接着剤としては、所望の接着力を示し、高い光透過性を有することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、一般に合わせガラスにおいてガラス基板と中間層との接着に用いられるものが挙げられるが、中でも、ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤が好適に用いられる。
接着剤に含まれる樹脂としては、一般的なホットメルト接着剤および反応性ホットメルト接着剤に含まれる熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂を含む接着剤により形成される第1接着層は、熱可塑性樹脂を含むもの、あるいは、熱硬化性樹脂が加熱により硬化してなる硬化樹脂を含むものである。
上記樹脂として具体的には、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、スチレン−ブタジエンゴム共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の熱可塑性エラストマー等も挙げられる。これらの樹脂は1種以上が好適に用いられる。中でも、上記樹脂がEVA、PVBであることが好ましく、EVAとPVBとを併用してもよい。透明性、および接着性、ならびに衝撃エネルギー吸収性、耐候性、および機械強度等の諸性能に優れた第1接着層を形成することができるからである。
(3)その他の添加剤
第1接着層は、上述の材料の他に添加剤を含むものであってもよい。添加剤としては、例えば架橋剤、シランカップリング剤、接着付与剤、充填剤、レベリング剤等が挙げられる。架橋剤としては、例えばイソシアネート系、金属キレート系、エポキシ系、およびメラミン系が挙げられる。
(4)第1接着層
第1接着層の厚さとしては、高耐衝撃性および高飛散防止性を発揮することが可能な接着力で第1ガラス基板とバリア層とを接着することが可能であり、上述した所望の量の耐候剤を含むことができる大きさであればよく、例えば0.025mm〜60mm程度、好ましくは0.3mm〜30mmの範囲内である。第1接着層の厚さが上記範囲よりも大きいと、合わせガラスの光透過性が低下する場合があり、また、得られた合わせガラスをサッシに組み込むことが難しくなり、施工し難くなる場合がある。一方、上記厚さが上記範囲よりも小さいと、所望量の耐候剤を含むことができない場合や、所望の接着力が得られず、合わせガラスとしての性能を担保できない場合がある。
第1接着層は、本発明の合わせガラスが所望の光透過性を有することが可能となる光透過性を有することが好ましく、厳密な透過率で規定されない。
第1接着層の接着力としては、4N/25mm以上あることが好ましい。第1接着層の接着力が上記範囲内であることにより、第1ガラス基板とバリア層とを安定して強固に接着させることができ、第1ガラス基板が外部から衝撃を受けたときに飛散するのを防ぐことができるからである。
上記接着力は、JIS Z0237に準拠する方法で、第1接着層が形成された25mm幅のサンプル(被着体:青板ガラス、3mm厚)を用いて、180°引き剥がし法(速度:300mm/min)にて測定される。
第1接着層は、例えば、上述の材料を含む第1接着層用組成物をバリア層または第1ガラス基板の片面に塗布し乾燥して形成される。また、第1接着層用組成物に含まれる接着剤の種類に応じて、加熱硬化してもよい。上記第1接着層用組成物を塗布する方法としては、一般的な塗布方法から適宜選択して適用することができ、例えば、スプレーコート、スピンコート、コンマコート、バーコート、ナイフコート、ダイコート、ロールコート、グラビアコート、各種印刷法等が挙げられる。さらには、第1接着層用組成物で別途シート状の第1接着層を形成して用いても良い。
2.バリア層
本発明におけるバリア層は、第1接着層と光制御層との間に設けられる層である。
上記バリア層により、第1接着層から光制御層への耐候剤のマイグレーションを阻止することができる。
上記バリア層は、通常、第1接着層と直に接して設けられることが好ましい。耐候剤のマイグレーションを効率よく阻止することができるからである。
また、上記バリア層は、通常、後述する第3接着層を介して光制御層と接着されることで設けられるが、バリア層の種類に応じて、光制御層と直に接して設けられてもよい。
バリア層としては、高い光透過性を有し、耐候剤のマイグレーションが起こりにくい層構造を有するものであればよい。
ここで、バリア層について、耐候剤のマイグレーションが起こりにくい構造を有するとは、高比重であることをいう。具体的には、バリア層を構成する材料の比重が0.8以上、好ましくは0.9以上であることをいう。このようなバリア層としては、具体的には、透明樹脂により形成された透明樹脂層、透明無機化合物により形成された透明無機化合物層が挙げられる。
(1)透明樹脂層
透明樹脂層は、材料自体が安価で汎用性があり、また、一般に市販される透明樹脂フィルムや透明樹脂シートをそのままバリア層として用いることが可能であるという利点を有する。
透明樹脂層を形成する樹脂としては、所望の光透過性を有するバリア層を形成可能な樹脂であればよく、硬化樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。硬化樹脂とは、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。
上記樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン(COP)等のポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート(CTA)等のセルロース系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ウレタン系樹脂;アクリルシリコン系樹脂;フッ素系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリカーボネート(PC)系樹脂;6−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)等のイミド系樹脂;ポリアミドイミド(PAI)系樹脂;ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂;メラミン系樹脂;アミノアルキッド系樹脂;ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のサルフォン系樹脂;尿素系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);アクリルポリオール系樹脂;アクリル・ウレタン共重合体;アクリルポリオール・イソシアネート共重合体等が挙げられる。透明樹脂層は、これらの樹脂の1種単独により形成されたものであってもよく、2種以上を含んでいてもよい。
また、透明樹脂層として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPP層とする。)等の透明樹脂フィルムも用いられる。
中でも、上記透明樹脂層が、上記透明樹脂層が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂で形成されていることが好ましい。これらの樹脂で形成された透明樹脂層は、耐候剤のマイグレーションを効率良く阻止することが可能であり、バリア層として高い機能を発揮することができるからである。具体的には、上記透明樹脂層がPET層、PEN層、CPP層、OPP層、HDPE層、6−ナイロン層のいずれかであることが好ましい。
透明樹脂層の厚さとしては、第1接着層からの耐候剤のマイグレーションを十分に阻止することが可能な程度な厚さであることが好ましく、上記厚さとしては、例えば10μm〜300μmの範囲内、中でも12μm〜100μmの範囲内、特に16μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。透明樹脂層の厚さが上記範囲よりも大きいと、合わせガラスの光透過性が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、耐候剤のマイグレーションを十分に阻止できない場合や、バリア層にしわ等が入りやすく、外観上好ましくない場合がある。
透明樹脂層の形成方法については特に限定されず、透明樹脂層を形成する樹脂の種類により適宜選択が可能である。例えば、透明樹脂層の形成に、熱可塑性樹脂を含むバリア層用組成物を用いる場合であれば、光制御層上に上記バリア層用組成物を押出してラミネートする方法、第1ガラス基板上に第1接着層を形成し、上記第1接着層上に上記バリア層形成用組成物を塗布または蒸着する方法等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂を含むバリア層用組成物を用いる場合であれば、光制御層や第1接着層上に硬化性樹脂を含むバリア層用組成物を塗布し、加熱により硬化する方法等が挙げられる。
さらに、市販の透明樹脂フィルムや透明樹脂シートを用いる場合であれば、第1接着層上または光制御層上に後述する第3接着層を介して市販の透明樹脂フィルムやシートをラミネートする方法等が挙げられる。
(2)透明無機化合物層
透明無機化合物層は、厚さが薄くても高密度であることから、薄膜で耐候剤のマイグレーションを効率良く阻止することができるという利点を有する。
透明無機化合物層を構成する透明無機化合物としては、所望の光透過性を有するバリア層を形成可能なものであればよく、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物、無機酸化炭化物、無機窒化炭化物、無機酸化窒化物、無機酸化窒化炭化物、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。具体的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物;炭化珪素等の炭化物;硫化物等が挙げられる。また、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化インジウム(FTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)等も挙げられる。
上記透明無機化合物層は、透明樹脂基材上に透明無機化合物が蒸着されたシートやフィルムであってもよく、蒸着等で光制御層上に直接形成された蒸着膜であってもよい。
上記透明無機化合物層の厚さとしては、第1接着層からの耐候剤のマイグレーションを十分に阻止することが可能な程度な厚さであることが好ましく、厚さとしては、例えば5nm〜30μmの範囲内、中でも10nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。透明無機化合物層の厚さが上記範囲よりも大きいと、合わせガラスの光透過性が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、耐候剤のマイグレーションを十分に阻止できない場合や、バリア層にしわ等が入りやすく、外観上好ましくない場合がある。
透明無機化合物層の形成方法については特に限定されず、例えば、化学気相蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等を用いて透明無機化合物を蒸着させて形成する方法、透明樹脂基材上に透明無機化合物が蒸着された市販のフィルムやシートを、第1接着層上、または、光制御層上に後述する第3接着層を介してラミネートする方法等が挙げられる。
(3)その他
バリア層は、透明樹脂層または透明無機化合物層からなる単一層であってもよく、複数の透明樹脂層の積層体、または複数の透明無機化合物層を積層させた積層体であってもよい。また、透明樹脂層と透明無機化合物層とを積層させた積層体であってもよい。
バリア層は、合わせガラスが所望の光透過性を示すことが可能となる透光性を有する。具体的には、バリア層の全光線透過率が70%以上、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。全光線透過率は、JIS K7361に準拠して測定される。
3.光制御層
本発明における光制御層は、バリア層と第2接着層との間に設けられる層である。
上記光制御層は、本発明の合わせガラスが所望の光透過性を示すことが可能となる透光性を有する。上記光制御層の光透過率については厳密な値で規定されない。
上記光制御層は、光の透過、偏向、反射等、光の制御が可能となる構造を有するものであればよい。光制御層の構造としては、例えばルーバー型、プリズム型等の構造が挙げられる。ルーバー型の光制御層とは、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記複数本の溝部内に形成された充填部を有する構造を有する光制御層をいう。
中でも本発明においては、上記光制御層が、ルーバー型であることが好ましい。充填部の材料や光の入射角度に応じて光の制御方法を選択することが可能であり、合わせガラスの光制御機能をより高くすることができるからである。
以下、ルーバー型光制御層と、その他の光制御層とに分けて説明する。
(1)ルーバー型光制御層
ルーバー型光制御層は、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記複数本の溝部内に形成された充填部をする。
上記ルーバー型光制御層について図を参照して説明する。図2(a)は本発明におけるルーバー型光制御層の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は図2(a)のX−X線縦断面図である。ルーバー型光制御層4Aは、一方の面に複数本のライン状の溝部13が並列して形成された光透過部11と、溝部13内に形成された充填部12とを有する。
本発明の合わせガラスにおいて、上記ルーバー型光制御層は、図3で例示するように溝部形成面がバリア層3側となるように配置されてもよく、図示しないが、溝部形成面と対向する面がバリア層側となるように配置されてもよい。中でも上記ルーバー型光制御層の溝部形成面側が上記バリア層側となるように配置されることが好ましい。溝部形成面がバリア層側に位置することで、充填部に光が入射しやすくなり、より多くの光の制御が可能となるため、光制御層の光制御機能をより高いものとすることができるからである。
図3は、ルーバー型光制御層を有する合わせガラスの一例を示す概略断面図である。
以下、ルーバー型光制御層の各構成について説明する。
(a)光透過部
光透過部は、一方の面に複数本の溝部を有する。
(i)溝部
光透過部の溝部形成面から見た溝部の開口形状としては、直線状、曲線状等が挙げられる。また、隣り合う各溝部は、平行して形成されていてもよく、ランダムに形成されていてもよく、交差して形成されていてもよい。中でも、複数本の溝部が直線状であり、且つ平行して形成されていることが好ましい。このような溝部の長さについては、特に限定されず、光制御層の機能等に応じて適宜設定することができる。なお、溝部の長さとは、充填部の溝部形成面から見た溝部開口の長手方向の長さをいう。
光透過部の厚さ方向から見た溝部の形状、すなわち溝部の断面形状については、特に限定されるものではなく、充填部による光制御機能を発揮しやすい形状に適宜設計することができる。溝部の断面を形成する側面は、溝部形成面およびその対向面に対して直交する平面であってもよく、少なくとも一部に傾斜面を有していてもよく、また、溝部側面が溝部形成面に対して傾斜角度の異なる面を複数有する多段階形状であってもよい。
具体的な溝部の断面形状としては、三角形(図4(a))、矩形(図4(b))、楔形形状(図4(c))、多角形(図4(d))等が挙げられる。また、図4(e)で示すように溝部の側面の一部が湾曲していてもよい。さらに溝部の角は曲率を有していてもよい。なお、図4は、本発明における溝部の形状の例を示す概略断面図である。
上記溝部の幅は、所望の光制御機能が得られる大きさであれば特に限定されないが、最も広幅の部分の長さが5μm〜150μmの範囲内、中でも10μm〜100μmの範囲内、特に15μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。溝部の最も広幅の部分の幅が上記範囲よりも大きいと、光透過部および光偏向部において光が透過しにくくなる場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、充填部において所望の機能を果たせない場合があるからである。
なお、溝部の幅とは、すなわち充填部の幅を意味し、例えば図2(b)においてaで示す部分である。
上記溝部の深さは、溝部内に有する充填部が所望の機能を発揮することが可能な大きさであればよく、例えば10μm〜250μmの範囲内、中でも30μm〜200μmの範囲内、特に50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。このとき、溝部の深さは、光透過部の厚さに対して50%以上であることが好ましく、中でも70%〜90%の範囲内であることが好ましい。
なお、溝部の深さは、光透過部の溝部形成面から溝部の凹部先端までの長さ、すなわち充填部の高さを意味し、例えば図2(b)においてbで示す部分である。
本発明において、複数本の溝部は等間隔で形成されていてもよく、異なる間隔で形成されていてもよい。溝部のピッチ幅、すなわち、充填部の配置間距離は、所望の光制御機能を発揮できる長さであればよく、15μm〜200μmの範囲内、中でも20μm〜150μmの範囲内、特に25μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(ii)光透過部
光透過部は、通常、樹脂により形成される。上記樹脂としては、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂が挙げられる。
硬化樹脂としては、例えば熱硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂が挙げられる。中でも上記樹脂が電離放射線硬化樹脂であることが好ましい。
「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線硬化性樹脂が電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられるが、中でも紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂が好ましい。具体的には特開2014−197042号公報、特開2014−215580号公報、特開2014−137574号公報等で開示される光透過部の材料が挙げられる。
また、光透過部には、樹脂の種類に応じて光重合開始剤が含まれていてもよい。上記光重合開始剤の種類としては、従来慣用のものを用いることができる。上記光透過部における光重合開始剤の含有率としては、紫外線硬化樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜5重量部程度の範囲内であることが好ましい。
光透過部は、上述の樹脂の他に、任意の添加剤を含んでいてもよい。任意の添加剤としては、例えば離型剤、重合禁止剤、架橋剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、「1.第1接着層」の項で説明した耐候剤等が挙げられる。
光透過部の屈折率としては、光透過部を構成する樹脂や、溝部内に形成される充填部の種類に応じて適宜選択されるが、例えば1.40〜1.80の範囲内、中でも1.45〜1.70の範囲内、特に1.50〜1.65の範囲内であることが好ましい。 なお、光透過部の屈折率は、JIS K7142に規定された屈折率の測定方法に従い、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて、温度23℃の条件下で、測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定された値とする。
光透過部の厚さは、溝部の高さに応じて適宜選択されるものであるが、例えば10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、中でも25μm〜250μmの範囲内、特に50μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。光透過部の厚さが上記範囲よりも大きいと、光透過部において吸収される光量が多くなり、第2ガラス基板からの出射光量が減少することで合わせガラスの採光機能が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、溝部を所望の形状とすることが困難になる場合がある。
光透過部の厚さは、溝部形成面からその対向面までの長さ、すなわち光制御層の厚さ(図2中のcで示す部分)をいう。
光透過部の可視光線透過率としては、70%以上であることが好ましく、中でも80%以上、特に90%以上であることが好ましい。より多くの光が光透過部内を透過することができ、本発明の合わせガラスの採光量を向上させることができるからである。
なお、可視光線透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製 V−670)を用い、PETフィルム(品番:コスモシャインA4100(片面易接着層付き)、厚さ100μm、東洋紡績製)上に厚さ10μmの光透過部を形成したサンプルの、測定波長域380nm〜780nmで測定した値である。
(b)充填部
充填部は、光透過部の溝部内に形成される。上記充填部は、通常、溝部と同形状となる。
充填部は、材料に応じて光制御機能を選択することができる。例えば、充填部が、光透過部を形成する樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成された低屈折率部である場合、光透過部と低屈折率部との界面にて屈折率の違いによる光の反射が生じ、反射光を利用した採光量の増加が見込まれ、採光機能の向上を図ることができる。
また、充填部が、隠蔽性を示す材料で形成された光拡散部である場合、充填部と光透過部との界面において光を拡散反射させて室内への採光量の増加を図ることができる。
さらに、充填部が、熱線吸収剤を含む熱線吸収材料で形成された熱線吸収部である場合、充填部内にて熱線吸収剤により入射した光に含まれる熱線の一部が吸収されることで、熱線の透過および遮蔽を選択的に行うことができる。
以下、充填部の各態様について説明する。
(i)低屈折率部
低屈折率部は、充填部が光透過部を形成する樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成されたものである。
低屈折率部を形成する樹脂としては、透明で光透過性を有し、光透過部よりも低屈折率を示す樹脂であればよい。上記樹脂としては、硬化樹脂が好ましく、中でも電離放射線硬化樹脂が好ましい。
上記電離放射線硬化樹脂としては、上述の「(a)光透過部」の項で説明した紫外線硬化性樹脂または電子線硬化性樹脂を電離放射線で硬化させた紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂が好ましい。
低屈折率部を形成する電離放射線硬化樹脂が紫外線硬化樹脂である場合、上記低屈折率部には光重合開始剤が含まれていてもよい。光重合開始剤の種類や含有量については、「(a)光透過部」の項で説明した内容と同様とすることができる。
上記低屈折率部は、「(a)光透過部」の項で説明した他の任意の添加剤を含んでいてもよい。
低屈折率部の屈折率としては、光透過部の屈折率よりも低ければよく、例えば1.35〜1.55の範囲内が好ましく、1.40〜1.55の範囲内がより好ましい。低屈折率部の屈折率は、光透過部の屈折率と同様の測定方法で測定される。
また、このとき上記光透過部と上記低屈折率部との屈折率差が大きいほど好ましい。光透過部と低屈折率部との界面において入射光の全反射が生じやすくなり、採光量を増加させることができるからである。具体的には上記屈折率差が、0.05以上であることが好ましく、特に0.10以上であることが好ましい。屈折率差が上記範囲に満たない場合、全反射の波長分散が発生した際に、長波長成分は全反射せずに短波長成分のみが全反射し、その結果採光の色彩に変化が生じることがある。
低屈折率部は、所望の透過率を有することが好ましい。具体的には、「(a)光透過部」の項で説明した光透過部の可視光線透過率値と同様とすることができる。
(ii)光拡散部
光拡散部は、隠蔽性を示す材料で形成されたものである。
上記光拡散部を形成する材料としては、隠蔽性があればよく、例えば白色顔料、銀色顔料等が挙げられる。白色顔料としては、例えば酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。銀色顔料としては、例えばアルミニウム、クロム等の金属が挙げられる。
また、上記光拡散部は、必要に応じて他の任意の材料を含んでもよい。
光拡散部と光透過部との界面において光を拡散反射させ易くするという観点から、光拡散部は光透過部との界面をマット面としてもよい。
(iii)熱線吸収部
熱線吸収部は、熱線吸収剤を含む熱線吸収材料により形成されたものである。
熱線吸収材料は少なくとも熱線吸収剤およびバインダ樹脂を含み、上記熱線吸収剤としては、可視光線(波長域380nm〜780nm)を透過し熱線を吸収するもの、すなわち、赤外光領域に吸収特性を有し、且つ、可視光領域に透過特性を有するものであればよい。
熱線吸収部および熱線吸収部を形成する熱線吸収材料については、特開2015−021257号公報、特開2014−115529号公報、特開2014−174214号公報等に開示されるものと同様とすることができる。
(c)その他の構成
光制御層は、図5に示すように、溝部形成面と対向する面上に基材14を有していてもよい。上記基材としては、光制御層を支持し、光透過性を有するものであれば特に限定されないが、樹脂基材が挙げられる。樹脂基材に用いられる樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリウレタン等のウレタン系樹脂;6−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;塩化ビニル系樹脂等を用いることができる。中でも透明性および強度の点からポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
基材の厚さとしては、用途に応じて適宜設定が可能であるが、通常5μm〜200μmの範囲内、中でも10μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
基材は、必要に応じて片面または両面に表面処理が施されていてもよい。
上記基材は、樹脂の種類に応じてバリア層として機能することも可能である。ルーバー型光制御層の溝部形成面がバリア層側となるように配置した際に、上記基材は、第2接着層と接着される。第2接着層が耐候剤を含む場合、第2ガラス基板から光を入射する使用態様において、第2接着層中の耐候剤のマイグレーションを上記基材で阻止することができる。
上記基材は、本発明の合わせガラスが後述する光透過性を示すことが可能となる光透過性を示すものであれば良く、厳密な透過率で規定されない。また、上記基材は、所望の光透過性を示すものであれば、ヘイズを有していても良い。
(d)ルーバー型光制御層
ルーバー型光制御層の溝部形成面は、平坦性が高くてもよく、低くてもよいが、平坦性が高いことが好ましい。溝部形成面の平均表面粗さ(Ra)として0.1nm〜100nmの範囲内、中でも0.1nm〜20nmの範囲内、特に0.1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601 2001の規定に従い23℃の測定環境下で測定した値である。
ルーバー型光制御層の形成方法としては、表面に所望の形状の溝部を複数本有する光透過部を形成し、上記溝部に充填部を形成することができる方法であれば、特に限定されない。例えば、光透過部の材料を含む光透過部用組成物を基材上に塗布し、塗布層に溝部の反転形状に相当する凸部を有する賦形版を押圧した状態で硬化することで、一方の面に複数本の溝部が形成された光透過部が得られる。上記光透過部の溝部形成面上に充填部の材料を含む充填部用組成物を塗布して溝部内に充填し、上記充填物を硬化することで、溝部内に充填部を形成することができる。
(2)プリズム型光制御層
プリズム型光制御層は、外光を偏光、反射して室内側への光の入射方向を制御する機能を有するものであり、例えば図6で示すように、基材32上に台形断面を有する単位プリズム31を複数備えた構造を有する。プリズム型光制御層4Bは、単位プリズム31の偏光面において外光を全反射して所望の偏光を生じさせることにより、外光が室内へ入射する際の入射方向を制御することができる。なお、隣り合う単位プリズム間33は、空気が充填されていてもよく、単位プリズムと屈折率の異なる材料が充填されていてもよい。
単位プリズムの材料については、「(1)ルーバー型光制御層」の項で説明した光透過部の材料と同様とすることができる。
また、単位プリズムの構造等の詳細については、例えば、特開2013−155569号公報に記載される単位プリズムの詳細と同様とすることができる。
プリズム型光制御層の厚さとしては、10μm以上200μm以下であることが好ましい。厚さが上記範囲よりも小さいと、十分な採光機能が得られない場合や、プリズム型光制御層を形成する際の加工精度が低下する場合があり、上記範囲より大きいと、金型によるプリズム型光制御層の形成が困難となる場合がある。
上記プリズム型光制御層は、基材を有していてもよい。基材については、「(1)ルーバー型光制御層」の項で説明した基材と同様とすることができる。
(3)任意の層
光制御層は、バリア層側表面に任意の層を有していてもよい。任意の層としては、オーバーコート層、平坦化層、光散乱層等が挙げられる。
光制御層がオーバーコート層を有することで、バリア層や後述する第3接着層に対する密着性を向上させることができる。また、上記光制御層が平坦化層や光散乱層を有することで、合わせガラスを介して対象物を視認する際に、光の回折現象や干渉現象の発生により多重像が発現するのを防ぐことができる。オーバーコート層、平坦化層、および光散乱層については、従来公知のものを用いることができる。
4.第2接着層
本発明における第2接着層は、光制御層と第2ガラス基板との間に設けられる層である。
第2接着層は、「1.第1接着層」の項で説明した耐候剤を含んでいてもよく、含まなくてもよい。
第2接着層の形成に用いられる接着剤としては、第1接着層と同様とすることができる。
第2接着層の厚さ、接着力、光透過率については、第1接着層と同様とすることができる。
5.第1ガラス基板および第2ガラス基板
本発明における第1ガラス基板および第2ガラス基板(総じてガラス基板と称する場合がある。)は、合わせガラスの最外に設けられ、第1接着層および第2接着層を介してバリア層および光制御層を挟持する。
上記ガラス基板は、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等の無機ガラスであってもよく、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等の樹脂ガラスであってもよい。上記ガラス基板は、単一のガラスであってもよく、複数枚のガラスの積層体であってもよい。
ガラス基板の種類については特に制限されず、用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、普通ガラス、クリアフロートガラス、すりガラス、フロストガラス、高透過ガラス、型板ガラス、耐熱ガラス、金網入りガラス等、一般に合わせガラスに用いられるものが挙げられる。
第1ガラス基板および第2ガラス基板は、種類が同じであっても異なってもよい。
ガラス基板の厚さとしては、合わせガラスの用途に応じて適宜選択すればよく、通常1mm〜19mm程度、好ましくは2mm〜12mm、より好ましくは3mm〜10mmである。第1ガラス基板および第2ガラス基板は、厚さが同じでも異なっていてもよい。ガラス基板が複数枚のガラスの積層体である場合は、その合計が上記範囲内であるものとする。
ガラス基板は所望の光透過性を有すれば、無色であってもよく着色されていてもよい。
また、ガラス基板の光透過性としては、本発明の合わせガラスが後述する光透過性を示すことが可能であればよく、厳密な透過率で規定されない。
6.第3接着層
本発明においては、上記バリア層と上記光制御層との間に第3接着層を有していてもよい。バリア層および光制御層を強固に接着することができるからである。
第3接着層は、熱可塑性樹脂または硬化樹脂を含む。熱可塑性樹脂を含む第3接着層は、通常、上記熱可塑性樹脂を主剤とする感圧接着剤により形成される。一方、硬化樹脂を含む第3接着層は、通常、熱硬化性樹脂または電離線硬化性樹脂を主剤とする硬化型接着剤により形成される。
上記接着剤としては、例えばアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、エステル系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタンエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤等が挙げられる。
また、第3接着層の形成に用いられる接着剤は、第1接着層または第2接着層と同じ接着剤であってもよい。
第3接着層の厚さとしては、バリア層および光制御層とを十分に接着することができ、且つ、合わせガラスの光透過性を損なわない厚さであればよく、例えば10μm〜50μmの範囲内が好ましい。
また、第3接着層の接着力としては、光制御層とバリア層とを層間で剥離が生じにくい強度であればよく、例えば4N/25mm以上、好ましくは10N/25mm以上、より好ましくは15N/25mm以上である。上記接着力は、JIS Z0237に準拠する方法で、100μmのPET基材上に裏打ちして貼り合わせたものを、常温にて24時間静置後に180°方向に剥離した剥離強度である。
第3接着層は第1および第2接着層と同様の光透過性を有することが好ましい。
第3接着層の形成方法としては、所望の厚さで形成できれば特に限定されないが、上述した第1接着層および第2接着層の形成方法と同様の方法を用いることが好ましい。
7.任意の構成
本発明の合わせガラスは、図7で例示するように、第2接着層5が耐候剤21を含む場合、光制御層4と第2接着層5との間にバリア層3を有していてもよい。第1ガラス基板または第2ガラス基板のいずれの面から光Lが入射する場合であっても、バリア層により耐候剤のマイグレーションを阻止することが可能となり、光の入射方向に因らず光制御層の劣化を防ぐことができるからである。
8.合わせガラス
本発明の合わせガラスの光透過性については、合わせガラスの用途や使用するガラス基板にも因るが、例えば全光線透過率が65%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上である。全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7361に準拠して測定される。また、上記合わせガラスは、高透明性を有していてもよくヘイズを有していてもよい。
本発明の合わせガラスは、光制御層よりも第1ガラス基板側に第1接着層およびバリア層が設けられることから、通常、第1ガラス基板を本発明の合わせガラスの光の入射面、すなわち光源側とすることで、所望の効果が発揮される。
また、上述したように本発明の合わせガラスが、第1接着層および第2接着層が耐候剤を含み、第1接着層と光制御層との間および第2接着層と光制御層との間にバリア層を設けた層構成であれば、第1ガラス基板および第2ガラス基板のいずれも合わせガラスの光の入射面とすることが可能であり、中でも光制御層の溝部形成面側に位置するガラス基板が、合わせガラスの光の入射面であることが好ましい。
また、本発明の合わせガラスが、第1接着層および第2接着層が耐候剤を含み、光制御層が、溝部形成面と対向する面上に基材を有するルーバー型光制御層である層構成の場合も同様に、第1ガラス基板および第2ガラス基板のいずれも合わせガラスの光の入射面とすることが可能であり、中でも光制御層の溝部形成面側に位置するガラス基板が、合わせガラスの光の入射面となることが好ましい。
本発明の合わせガラスは、従来公知の方法で製造することができる。例えば、耐候剤を含有させたホットメルト接着剤でシート状の第1接着層および第2接着層を作製し、これらの接着層でバリア層および光制御層を挟み、さらにそれを1組のガラス基板で挟持して加熱圧着することで得られる。
本発明の合わせガラスは、オフィルビル、公共建造物、住宅等の建築用の窓ガラスや間仕切りガラス、自動車、航空機、電車等の乗物用の窓ガラスや間仕切りガラス等として好適に用いることができる。
B.合わせガラス用光制御部品(光制御部品)
本発明の光制御部品は、光制御層と、上記光制御層の一方の面上に形成されたバリア層とを有し、上記光制御層は、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および上記溝部内に形成された充填部を有し、上記バリア層が、上記光制御層の上記溝部が形成された面上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の光制御部品は、図8で示すように、ルーバー型光制御層4Aと、ルーバー型光制御層4Aの溝部形成面上に形成されたバリア層3と、を有する。ルーバー型光制御層4Aの構造については、先に説明した図2と同様であるため説明を省略する。光制御部品20は、バリア層3がルーバー型光制御層4Aよりも先に光Lが入射するようにして用いられる。
本発明によれば、光制御部品が、光制御層の溝部形成面上に上にバリア層を備える構造であるため、上記光制御部品の上記バリア層と光の入射側に位置するガラス基板とが接着するようにして2枚のガラス板で上記光制御部品を挟持することで、接着層に含有される耐候剤のマイグレーションを、上記バリア層で阻止することができる。これにより、高耐候性と高光制御機能、中でも高採光機能を有する合わせガラスを得ることができる。
本発明の光制御部品におけるバリア層および光制御層については、「A.合わせガラス」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、光制御層が溝部形成面と対向する面上に基材を有する構造である場合、本発明の光制御部品は、光制御層の両面にバリア層を備える構造とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1.第1接着層の積層
厚さ3mm、30cm×30cmサイズのフロートガラスの(第1ガラス基板)の片面に、下記組成のホットメルト型接着剤組成物Aを用いて形成された硬化後厚さ0.4μmのシート状の第1接着層を配置した。
<ホットメルト型接着剤組成物A>
・エチレン酢酸ビニル共重合体 … 100重量部
・紫外線吸収剤A(ベンゾフェノン系、Viosorb 100 共同薬品社製) … 10重量部
・酸化防止剤A(ホスファイト系、PEP−36A ADEKA社製)… 5重量部
・架橋剤A(タイク 日本化成社製) … 3重量部
・シランカップリング剤(KBM−503 信越シリコーン社製) … 0.1重量部
2.バリア層の積層
バリア層としてPETフィルム(厚さ16μm)を用い、上記第1接着層上に配置した。
3.光制御層の積層
下記の方法で光制御層を形成し、上記光制御層の溝部形成面上に下記組成の第3接着層用組成物Aからなる第3接着層を形成し、上記第3接着層が上記バリア層側となるようにして光制御層を配置した。
<第3接着層用組成物A>
・粘着主剤:アクリル共重合体(SKダイン1429DT(固形分30%) 綜研化学社製) … 100重量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(Y−75 綜研化学社製) … 10重量部(固形分比3重量部)
(光制御層の形成)
連続帯状の透明2軸延伸PETフィルム(厚さ100μm)の一方の表面に、下記の組成から成る液状の光透過部用組成物を硬化後厚さが200μmとなるように塗布した。
<光透過部用組成物>
・ビスフェノールAエポキシジアクリレート … 50重量部
・アクリル系モノマー …40重量部
・(メタ)アクリル酸エステル誘導体 … 10重量部
・ベンゾフェノン系光重合開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) … 1重量部
表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ160μm、版表面側の幅が33μm、版から遠い側の幅が10μmの2段台形となる凸部を、60μm周期で複数が互いに平行に配列した凸状群(溝部群と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型を準備した。
上記ロール金型とPETフィルムとの間に光透過部用組成物を挟んだ状態で、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、光透過部用組成物を架橋硬化させた後、ロール金型を剥離して溝部群を表面に有する光透過部をPETフィルムの片面上に形成した。上記溝部群は、光透過部の表面の面方向に沿って一方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ160μm、光透過部表面側の長さが33μm、PETフィルム側の長さが10μmの2段台形となる凹状であった。
下記の液状の低屈折率部用組成物を光透過部の溝部形成面に塗工し、鉄製ドクターブレードでスキージして溝部内にのみ上記低屈折率部用組成物を充填した。上記低屈折率部用組成物に紫外線(光源:水銀灯)を照射して、上記低屈折率部用組成物を架橋硬化せしめて充填部として低屈折率部を形成して光制御層を得た。
光透過部の屈折率は1.60、充填部の屈折率は1.47であった。上記屈折率は、JIS K7142に準拠する方法で、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて温度23℃の条件下、測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定された値とする。
<低屈折率部用組成物>
・ポリプロピレングリコールジアクリレート(APG−400、新中村化学社製) …30重量部
・多官能アクリル系モノマー … 50重量部
・単官能アクリル系モノマー … 15重量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(Y−75、綜研化学社製) … 4重量部(固形分比)
・光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製) … 1重量部
3.第2接着層および第2ガラス基板の積層
ホットメルト型接着剤組成物Aを用いて、第1接着層と同様にしてシート状の第2接着層を形成し、光制御層上に配置した。
上記第2接着層上に厚さ3mm、30cm×30cmサイズのフロートガラス(第2ガラス基板)を配置して積層体とした。
得られた積層体をオートクレーブで加熱圧着して、フロートガラス(第1ガラス基板)/第1接着層/バリア層/第3接着層/光制御層/第2接着層/フロートガラス(第2ガラス基板)の積層順の合わせガラスを作製した。
[実施例2]
第3接着層用組成物Aにかえて下記組成の第3接着層用組成物Bを用いて第3接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<第3接着層用組成物B>
・粘着主剤:アクリル系共重合体(SKダイン2094DT(固形分25%) 綜研化学社製) … 100重量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(Y−75 綜研化学社製) … 10重量部(固形分比3重量部)
[実施例3]
第3接着層用組成物Aにかえて下記組成の第3接着層用組成物Cを用いて第3接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<第3接着層用組成物C>
・粘着主剤:アクリル系共重合体(SKダイン1811DT(固形分23%) 綜研化学社製) … 100重量部
・イソシアネートHDI系硬化剤(Y−75 綜研化学社製) … 5.7重量部(固形分比1.3重量部)
[実施例4]
ホットメルト型接着剤組成物Aにかえて下記組成のホットメルト型接着剤組成物Bを用いて第1接着層および第2接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<ホットメルト型接着剤組成物B>
・エチレン酢酸ビニル共重合体 … 100重量部
・紫外線吸収剤B(ベンゾフェノン系、Uvinul 3049 BASF社製) … 10重量部
・酸化防止剤A(ホスファイト系、PEP−36A ADEKA社製) … 5重量部
・架橋剤A(タイク 日本化成社製) … 3重量部
・シランカップリング剤(KBM−503 信越シリコーン社製) … 0.1重量部
[実施例5]
ホットメルト型接着剤組成物Aにかえて下記組成のホットメルト型接着剤組成物Cを用いて第1接着層および第2接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<ホットメルト型接着剤組成物C>
・エチレン酢酸ビニル共重合体 … 100重量部
・紫外線吸収剤A(ベンゾフェノン系、 Viosorb 100 共同薬品社製) … 10重量部
・酸化防止剤B(ヒンダートフェノール系、IRGANOX 1035 BASF社製)… 5重量部
・架橋剤A(タイク 日本化成社製) … 3重量部
・シランカップリング剤(KBM−503 信越シリコーン社製) … 0.1重量部
[実施例6]
バリア層の厚さを25μmとしたこと以外は実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
[実施例7]
バリア層の厚さを50μmとしたこと以外は実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
[実施例8]
ホットメルト型接着剤組成物Aにかえて下記組成のホットメルト型接着剤組成物Dを用いて第1接着層および第2接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<ホットメルト型接着剤組成物D>
・エチレン酢酸ビニル共重合体 … 100重量部
・紫外線吸収剤C(ベンゾトリアゾール系、 Tinuvin 384−2 チバ・ジャパン社製) … 10重量部
・酸化防止剤A(ホスファイト系、PEP−36A ADEKA社製)… 5重量部
・架橋剤A(タイク 日本化成社製) … 3重量部
・シランカップリング剤(KBM−503 信越シリコーン社製) … 0.1重量部
[比較例1]
バリア層及び第3接着層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。
[比較例2]
ホットメルト型接着剤組成物Aにかえて下記組成のホットメルト型接着剤組成物Eを用いて第1接着層および第2接着層を形成したこと以外は、比較例1と同様にして合わせガラスを作製した。
<ホットメルト型接着剤組成物E>
・エチレン酢酸ビニル共重合体 …100重量部
・酸化防止剤A(ホスファイト系、PEP−36A ADEKA社製)… 10重量部
・架橋剤A(タイク 日本化成社製) … 3重量部
・シランカップリング剤(KBM−503 信越シリコーン社製) … 0.1重量部
[評価]
実施例1〜8および比較例1〜2で得た合わせガラスに対し、耐紫外線劣化性試験による耐候性評価を行った。耐紫外線劣化性試験は、促進耐候性試験機(スガ試験機(株)製 サンシャインウェザーメーターS300、JIS B7753:2007準拠)を用いて、下記の(A)、(B)を1サイクルとしてこれを2000hrs繰り返すことにより行った。
(A)ブラックパネル(B.P.)温度63℃、湿度50%RHの雰囲気下で、フィルタAタイプを用いて照度255W/m(波長域300nm〜700nm)のカーボンアーク灯式により光照射する。 : 102分
(B)ブラックパネル(B.P.)温度63℃、湿度98%RHの雰囲気下で、フィルタAタイプを用いてカーボンアーク灯式(照度:255W/m(波長域300nm〜700nm)により光照射し、かつ、シャワリングをする。 : 18分
耐紫外線劣化性試験後の黄変の確認は、合わせガラスの第1ガラス基板側から、試験後の目視および黄色度を測定することにより行った。黄色度(YI)は、JIS K7373に準じて、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製V−670、D65光源、2°視野)を用いて測定し、下記式を用いてYIを算出した。
YI=100×(1.2985X−1.1335Z)/Y
(ここで、X、YおよびZは、XYZ表色系における試験片の三刺激値)
微黄変が発生せず黄色度が抑えられたもの(YI≦6)を「非常に良い(○)」とし、黄変が発生して実用上問題になるもの(YI>6)を「悪い(×)」とした。また、試験後の合わせガラスの光透過性として、同じ紫外可視近赤外分光光度計を用いて可視光線透過率を測定し、80%以上のものを○、それ未満のものを×とした
結果を表1に示す。
Figure 0006540161
実施例1〜8では黄色度がYI≦6となる充分な耐候性が得られた。比較例1〜2では、YI>6となり、充分な耐候性が得られなかった。
1 … 第1ガラス基板
2 … 第1接着層
3 … バリア層
4 … 光制御層
4A … ルーバー型光制御層
5 … 第2接着層
6 … 第2ガラス基板
10 … 合わせガラス
20 … ガラス用光制御部品

Claims (6)

  1. 第1ガラス基板、第1接着層、バリア層、第3接着層、光制御層、第2接着層、および第2ガラス基板がこの順に積層され、
    少なくとも前記第1接着層が紫外線吸収剤を有する耐候剤を含み、
    前記第3接着層の厚さが10μm〜50μmの範囲内であり、
    前記光制御層が、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および前記複数本の溝部内に形成された充填部を有し、
    前記光制御層の前記溝部が形成された側の面が前記バリア層側となるように配置されることを特徴とする合わせガラス。
  2. 前記バリア層が透明樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記透明樹脂層が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、およびポリアミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の合わせガラス。
  4. 第1ガラス基板、第1接着層、バリア層、光制御層、第2接着層、および第2ガラス基板がこの順に積層され、
    少なくとも前記第1接着層が紫外線吸収剤を有する耐候剤を含み、
    前記バリア層が透明無機化合物層であり、かつ、前記バリア層の厚さが10nm〜1μmの範囲内であり、
    前記光制御層が、一方の面に複数本の溝部を有する光透過部、および前記複数本の溝部内に形成された充填部を有し、
    前記光制御層の前記溝部が形成された側の面が前記バリア層側となるように配置されることを特徴とする合わせガラス。
  5. 前記耐候剤が、前記紫外線吸収剤に加えて、酸化防止剤および光安定剤の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項請求項1から請求項4までのいずれかに記載の合わせガラス。
  6. 前記光透過部が樹脂で形成されており、
    前記充填部が、前記光透過部を形成する樹脂よりも屈折率の低い樹脂で形成された低屈折率部であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の合わせガラス。
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