JP6776546B2 - 光制御シート、および合わせガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
採光部材とは、太陽光等の外光の入射角度に応じて選択的に光の吸収、偏光、反射、透過等を行うことにより、室内への熱線および可視光線の入射量を調整する機能性シートである。
また、採光部材としては、このような光制御層が基材の一方の表面に積層された光制御シートを用いた構造を有するものが知られている。
例えば、採光部材としては、光制御シートの表面に接着剤層が配置されたものや、接着剤層を介して光制御シートの両面にガラス等の透明基材が配置された合わせガラス等が知られている。
また、このような基材および光制御層間の接着力の低下は、光制御シートを、例えば、採光部材の薄膜化の要請等により光制御層の厚みを薄くした場合や、光制御シートの保管が、高湿度環境下で行われた場合に、発生し易くなる傾向があることを見い出した。そして、これらの接着力低下が発生し易くなる状況から、この接着力低下の原因が、光制御シートの保管時に、光制御層を透過した大気中の水分によるものであることを見い出し、本発明を完成させるに至ったのである。
このため、本発明の光制御シートは、基材および光制御層間の剥離が抑制されたものとなる。
また、剥離性保護層は、採光部材の製造時に表面層から剥離されることで、例えば、厚みの薄い、光透過率が高い等の利点を有する採光部材を容易形成可能となるからである。
以下、本発明の光制御シートおよび合わせガラスについて詳細に説明する。
まず、本発明の光制御シートについて説明する。
本発明の光制御シートは、基材と、上記基材の一方の面に配置され、光制御層を含む表面層と、を有し、上記光制御層は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部および上記溝部内に配置され、上記光透過部より屈折率が低い光制御部を有し、上記表面層の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の光制御シートの一例を示す概略断面図である。図2(a)は本発明に用いられる光制御層の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のX−X線断面図である。
図1および図2に示すように、本発明の光制御シート10は、基材1と、上記基材1の一方の面に配置され、光制御層2を含む表面層3と、を有し、上記光制御層2は、一方の表面に複数本の溝部12を有する光透過部11および上記溝部12内に配置され、上記光透過部11より屈折率が低い光制御部13を有し、上記表面層3の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下であるものである。
なお、この例では、表面層3が、光制御層2の基材1とは反対側の面に配置された保護層5および光制御層2および保護層5を接着する接着層4を有する例を示すものである。
また、採光部材20として、光制御シート10と、表面層3の基材1とは反対側の表面に窓材である窓ガラス100との接着に用いられる接着剤層21が積層されているものを使用する例を示すものである。
図3に例示するように、太陽高度が低い場合では、窓ガラス100に対する太陽光(L1)の入射角度θが小さくなり、太陽光L1は、光透過部11と光制御部13との境界面のうち、上記第2の直線12bの形成面に多く入射される。このとき、可視光は、光透過部11と光制御部13との境界面で屈折または全反射し、室内に取り込まれる。
一方、太陽高度が高い場合には、窓ガラス100に対する太陽光L2の入射角度θは大きくなるため、太陽光L2は光透過部11と光制御部13との境界面のうち、上記第1の直線12aの形成面に多く入射される。このとき、可視光は、光透過部11と光制御部13との境界面で屈折または全反射し、さらに必要に応じて、上記第2の直線12bの形成面でも屈折または全反射して、室内に取り込まれる。
また、上記形状以外の溝部についても、光透過部11と光制御部13との境界面で、太陽光を屈折または全反射することにより、可視光を室内に取り込むことができる。
このように、上記採光部材は、太陽高度の低い場合から高い場合まで幅広く太陽光を室内に取り込むことができる。
その結果、本発明の光制御シートは、例えば、高湿度の環境下で保管された場合でも、水分の影響による基材および光制御層の間の接着力の低下を抑制できる。
このため、本発明の光制御シートは、基材および光制御層間の剥離が抑制されたものとなる。
なお、基材および光制御層の間の接着力の低下を抑制できる理由については明確ではないが、表面層を透過した水分が基材および光制御層間に所定量以上保持された状態となることを防止できることによるものであると推察される。
以下、本発明の光制御シートにおける各構成について説明する。
本発明に用いられる表面層は、光制御層を含むものである。
また、上記表面層は、水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下である。
さらに、上記表面層は、基材の光制御層側に配置される全ての層を含むものであり、基材とは反対側の面が露出するものである。
また、水蒸気透過率は、JIS K 7129(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))に基づいて測定できる。
なお、水蒸気透過率の測定は、水蒸気透過率の測定に一般的に使用される装置を用いて測定することができ、例えば、「株式会社日立ハイテクノロジーズ製 MOCON水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W 3/33」を使用して求めることができる。
なお、上記水蒸気透過率の下限については、低いほど好ましいが、例えば、1.0×10−3g/(m2・24h)以上とすることができる。表面層を構成する材料選択の自由度が高く、低コスト化が容易だからである。
以下、本発明における表面層について、各態様に分けて説明する。
本態様の表面層は、光制御層のみを有するものである。
以下、このような光制御層の各構成について、詳細に説明する。
本態様における光透過部は、一方の表面に複数本の溝部を有するものである。
上記光透過部は、上記光制御部より屈折率が高いものである。
ここで、樹脂材料を主成分として含むとは、上記樹脂材料の上記光透過部中の含有量が、70質量%以上であることをいうものである。
本態様においては、上記含有量が、90質量%以上であることが好ましく、なかでも、95質量%以上であることが好ましい。上記構成材料により形成される光透過部の柔軟性の調整が容易だらかである。
上記樹脂材料としては、なかでも、電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用いることが好ましい。上記樹脂材料が電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることにより、例えば、溝部に対応する凸部を有する賦型原版と基材との間に上記電離放射線硬化性樹脂を塗布して、上記電離放射線硬化性樹脂に賦型原版の凹凸形状を転写しつつ硬化させることにより、所望の形状の光透過部を容易に形成できるからである。
なお、ここでの電離放射線とは、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、γ線、X線、電子線、および活性エネルギー線等を指す。
上記電離放射線硬化性樹脂としては、なかでも、紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
本態様においては、上記紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂が、重合性モノマー、重合性オリゴマーおよび重合性プレポリマーのいずれか1種類を用いるものであってもよく、2種類を組み合わせて用いるものであってもよい。
例えば、上記紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂は、上記重合性モノマーのみを含むものとすることができる。
また、上記重合性モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記多官能モノマーとしては、例えば、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本態様においては、なかでも、水蒸気透過率の低い光透過部を形成可能との観点から、上記重合性モノマーが芳香族を含む重合性モノマーであることが好ましく、例えば、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、m−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエチレンオキサイド(EO)変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等であることが好ましい。
上記重合性モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを指すものである。
上記高屈折率微粒子としては、上記光制御部より屈折率の高い微粒子であればよく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化錫、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物、燐錫化合物、五酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、ガリウム亜鉛酸化物およびアンチモン酸亜鉛等の高屈折率無機微粒子等を挙げることができる。
なお、上記平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とすることができる。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
なお、溝部の形状が上述の図4(d)のテーパー形状である光制御シートに対して、既に説明した図3のように太陽光が光制御層の基材とは反対側の表面から入射される場合、上記光制御シート10は、通常、溝部12の上記第3の直線12c側が地表側となるように配置して用いられるものである。
なお、溝部の高さとは、図2(b)においてT2で示される部分である。
なお、上記溝部の幅とは、溝部の縦断面形状において最も広幅の部分をいい、例えば図2(b)においてWで示される部分である。
なお、光制御部のピッチ幅とは、隣り合う光制御部の中心間距離をいい、例えば図2(b)においてPで示される部分である。
また、光制御層を構成する材料の自由度を高める観点からは、上記光透過部の厚みは、80μm以上であることが好ましく、なかでも100μm以上であることが好ましく、特に、130μm以上であることが好ましい。
なお、上記光制御層の厚みは、図2(b)においてT1で示される部分である。
なお、光透過部の屈折率は、JIS K 7142に規定された屈折率の測定方法に従い、アッベ屈折計((株)アタゴ社製)を用いて、温度25℃の条件下で、測定波長589nmのナトリウム光源を用いて測定することができる。以下の説明における屈折率の測定方法については、この方法により測定されるものとすることができる。
なお、上記可視光線透過率の測定方法としては、赤外可視紫外分光光度計を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm〜780nmの波長域における分光透過率測定し、同規格に規定される算出式により算出することにより得ることができる。
また、光透過部の可視光線透過率は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(品番:コスモシャインA4300、膜厚100μm、東洋紡製)上に、光透過部の構成材料を用いて形成された膜厚10μmであり、溝部が形成されていない板状の塗膜に対し、測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定された値である。
上記赤外可視紫外分光光度計としては、例えば、株式会社島津製作所製UV3100PC等を用いることができる。
本態様における光制御部は、上記溝部内に配置されるものである。すなわち光制御部と溝部とは、通常、同形状となる。
また、上記光制御部は、光透過部より屈折率が低いものである。
より具体的には、上述の「(a)光透過部」の項で説明した紫外線硬化性樹脂および電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂と同様の硬化性樹脂を用いることができる。
上記光制御層の光制御部を含む表面は、平坦であってもよく凹凸を有してもよく、光制御層の機能に応じて適宜選択することができる。例えば、高い視認性が求められる光制御シートの場合は、当該表面が平坦であることが好ましく、平均表面粗さ(Ra)として0.1nm〜100nmの範囲内、中でも0.1nm〜20nmの範囲内、特に0.1nm〜10nmの範囲内であることが好ましい。
当該表面が凹凸を有する場合、外光の入射面または出射面が平坦である領域と凹部状または凸部状である領域とで、それぞれの入射面または出射面における光の拡散に偏りが生じる。このため、出射光の量に偏りが生じて光の回折現象および干渉現象が誘発されることにより、光制御シート上に多重像が発現し、視認性が低下する場合がある。
なお、上記平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601 2001の規定に従い23℃の測定環境下で測定し、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、以下の式(1)によって算出される値とした。
このような光制御層の形成方法としては、光制御層に含まれる光透過部を基材表面と直接接するように形成する方法を用いることができる。
具体的には、上記形成方法は、例えば、図5に例示するように、上記基材1の一方の表面上に、上記電離放射線硬化性樹脂を含む光透過部形成用組成物2aを塗布し(図5(a))、凸部を有する賦型原版Mを押圧した状態で架橋硬化させ(図5(b))、賦型原版Mを剥離することにより、一方の表面に複数本の溝部12を有する光透過部11を形成し(図5(c))、次いで、上記透過部11の溝部12内に、光制御部を形成可能な電離放射線硬化性樹脂を塗布し、スキージ等によりこれを溝部内にのみ充填させた後、硬化することで光制御部13を形成する方法を用いることができる。
なお、上記賦型原版は、表面上に複数本の凸部を有するものであり、上記凸部の反転形状およびその寸法等が上記溝部の形状および寸法等に相当するものである。
上記表面層の層構造としては、光制御層のみを有する態様以外に、光制御層以外にその他の層を有する態様であってもよい。
なお、このようなその他の層については、本発明の光制御シートの種類および用途等に応じて適宜選択することができる。
本態様の表面層は、上記光制御層の基材とは反対側の面に配置された保護層を含む態様である。
例えば、保護層として、水蒸気透過性の低い材料を用いたものを使用することで、厚みの薄い保護層で、上述の水蒸気透過率を達成可能となる。このため、表面層は、その厚みを薄いものすることが容易となる。また、保護層を水蒸気透過抑制の主な構成とすることで、表面層は、光制御層の材料選択の自由度が高いものとなるからである。
本態様においては、上記表面層が、例えば、光制御層、保護層および接着層のみを有するものとすることができる。
以下、本態様の表面層として、光制御層、保護層および接着層をこの順で有する場合について説明する。
上記光制御層の厚み、すなわち、光透過部の厚みとしては、表面層を所望の水蒸気透過率を有するものであればよく、例えば、上記「(1)第1実施態様」の項に記載の光透過部の厚みと同様とすることができる。
本態様においては、本発明の光制御シートの薄膜化が容易となるとの観点からは、上記光制御層の厚みが、100μm未満であることが好ましく、なかでも25μm〜80μmの範囲内であることが好ましく、特に、50μm〜80μmの範囲内であることが好ましく、なかでも特に、60μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、光制御層は、厚みの薄いものとすることが容易だからである。また、光制御層は、溝部の形成が容易となるからである。
上記保護層は、光制御層の基材とは反対側の面に配置されるものである。
上記保護層は、光制御層の厚みが薄い場合でも、表面層を透過する水蒸気の量を十分に抑制するために配置されるものである。
以下、保護層を、緩衝層および剥離性保護層に分けて説明する。
なお、光制御層に再剥離可能であるとは、保護層を光制御層から剥離する際に、光制御層の基材からの剥離、光制御層の破損を生じることのないように、保護層が光制御層に対して接着されていることをいうものである。
具体的には、再剥離可能である場合の保護層および光制御層の間の接着力としては、例えば、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において1N/25mm以下であるものとすることができる。
上記緩衝層は、保護層が光制御層と再剥離不能であり、採光部材の構成としても用いられる態様において用いられる保護層である。
上記緩衝層が、光制御層に再剥離不能に配置され、採光部材の構成として用いられることで、本発明の光制御シートは、採光部材の製造時に加わる熱や圧力による、光制御層の光透過部および光制御部間の剥離を抑制できる。例えば、光制御シートを用いて接着剤層を介してガラス等の透明基材で挟持された合わせガラス等の製造時に、光制御シートが加熱および加圧を受ける場合でも、緩衝層は、光透過部および光制御部間の剥離を抑制できる。
本態様においては、緩衝層の形成が容易となる観点から、上記緩衝層の種類が樹脂層であることが好ましい。
なお、上記緩衝層の種類が蒸着層である場合には、緩衝層は、蒸着層を支持する支持基材を有するものであってもよい。
上記支持基材の構成材料としては、蒸着層を安定的に支持する強度、耐熱性等を有するものであればよく、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の樹脂材料を用いることができる。
上記支持基材の厚みとしては、蒸着層を安定的に支持できるものであればよく、例えば、6μm〜100μmの範囲内とすることができる。
また、上記緩衝層が蒸着層である場合には、例えば、5nm〜100nmの範囲内とすることができる。
なお、上記厚みは、緩衝層が支持基材および蒸着層を有するものである場合には、蒸着層のみの厚みをいうものである。
上記剥離性保護層は、保護層が光制御層に再剥離可能に配置される態様において用いられる保護層である。
上記剥離性保護層は、採光部材の製造のために予め製造され保管されているときの空気中の水分の透過抑制に特化して用いることができる。このため、剥離性保護層は、材料選択の自由の高いものとなる。また、剥離性保護層は、採光部材の製造時に表面層から剥離されることで、例えば、厚みの薄い、光透過率が高い等の利点を有する採光部材を容易形成可能となる。
本態様においては剥離性保護層の形成が容易となる観点から、上記剥離性保護層の種類が樹脂層であることが好ましい。
上記金属箔層を構成する金属としては、例えば、特開2015−208867号公報に記載のアルミニウムを挙げることができる。
上記金属の蒸着層を構成する金属としては、所望の水蒸気透過遮断性を有するものであればよく、例えば、特開2015−208867号公報に記載のケイ素、アルミニウム等を挙げることができる。
なお、上記剥離性保護層の種類が蒸着層である場合には、剥離性保護層は、蒸着層を支持する支持基材を有するものであってもよい。
上記支持基材の構成材料としては、上記「(i)緩衝層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記剥離性保護層の種類が金属箔層である場合には、6μm〜20μmの範囲内等とすることができる。
なお、上記厚みは、剥離性保護層が支持基材および蒸着層を有するものである場合には、蒸着層のみの厚みをいうものである。
上記接着層は、光制御層および保護層を接着するものである。
このような接着層としては、保護層を光制御層に再剥離可能に接着する再剥離性接着層である態様と、保護層を光制御層に再剥離不能に接着する非再剥離性接着層である態様と、を挙げることができる。
以下、接着層を再剥離性接着層および非再剥離性接着層に分けて説明する。
上記再剥離性接着層は、保護層を光制御層に再剥離可能に接着するものである。
このような再剥離接性着層としては、保護層を光制御層から剥離する際に、光制御層の基材からの剥離、光制御層の破損等を生じることのないものであればよい。
また、再剥離性接着層の光制御層および保護層の間の接着力については、例えば、構成材料および厚み等により調整することができる。
本態様においては、上記再剥離性接着層が、保護層を光制御層から剥離する際に、保護層と共に光制御層から剥離するものであることが好ましい。再剥離性接着層が保護層と共に光制御層から剥離することで、本発明の光制御シートは、採光部材の製造の際に光制御層の基材とは反対側の表面に窓材等との接着に用いられる接着剤層等の積層が容易となるからである。
上記粘着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ゴム系等の粘着剤を用いることができる。
また、アクリル系粘着剤としては、より具体的には、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を用いることが好ましく、特に、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート等を挙げることができる。
上記厚みとしては、例えば、10μm未満とすることができ、例えば3μm〜9μmの範囲内であることが好ましい。上記再剥離性接着層の厚みが上述の範囲内であることにより、再剥離性接着層は、保護層を再剥離可能に接着することが容易だからである。
上記非再剥離性接着層は、接着層が、保護層を光制御層に再剥離不能に接着するものである態様である。
このような非再剥離性接着層としては、保護層を光制御層から剥離しようとすると、光制御層の基材からの剥離、光制御層の破損等を生じるものであればよい。
上記2液硬化型ウレタン系接着剤としては、例えば、特開2015−193208号公報等に記載のポリオール系樹脂およびイソシアネート硬化剤を含むものを用いることができる。
上記感熱接着剤としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
上記熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤としては、具体的には、国際公開2015/46485号公報に記載のポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルへキシルエステル等のホモポリマー、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンーブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。
上記厚みとしては、例えば、10μm〜100μmの範囲内とすることができる。上記非再剥離性接着層の厚みが上述の範囲内であることにより、非再剥離性接着層は、保護層および光制御層を安定的に接着することが容易だからである。
上記表面層の層構造としては、光制御層、保護層および接着層のみをこの順で有する態様以外に、これらの層以外にその他の層を有する態様であってもよい。
なお、このようなその他の層については、本発明の光制御シートの種類および用途等に応じて適宜選択することができる。
本発明における基材は、上記表面層を支持するものである。
上記基材は、通常、光制御層の表面のうち、溝部が設けられた面と反対側の面に形成されるものである。
本発明の光制御シートは、上記基材および表面層を少なくとも有するものであるが、その他の構成を有していてもよい。
なお、上記可視光線透過率の測定方法は、上記「1.表面層」の項に記載の測定方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記光制御シートは、窓材として可撓性の透明フィルムを用いることで、光制御機能付き窓材として例えばロールスクリーン等として用いてもよい。
例えば、表面層が光制御層に再剥離不能に配置された保護層を有するものである場合、保護層の基材とは反対側の表面に接着剤層を積層する方法を挙げることができる。
また、表面層が光制御層に再剥離可能に配置された保護層を有するものである場合、光制御シートから保護層を剥離する剥離工程と、剥離工程後に、光制御層の基材とは反対側の表面に接着剤層を積層する接着剤層工程と、を有する方法を用いることができる。
さらに、本発明の光制御シートを用いた採光部材としての合わせガラスの製造方法としては、例えば、表面層が光制御層に再剥離可能に配置された保護層を有するものである場合、光制御シートから保護層を剥離する剥離工程と、剥離工程後に、光制御層および基材を含む積層体を、接着剤層を介して一対の窓材で挟持する貼り合わせ工程と、を有する方法を用いることができる。なお、貼り合わせ工程において上記積層体を一対の窓材で挟持する方法としては、後述する「B.合わせガラス」の項に記載のガラスの製造方法に記載の方法と同様の方法とすることができる。
次に、本発明の合わせガラスについて説明する。
本発明の合わせガラスは、光制御シートを有する合わせガラスであって、上記光制御シートが、基材と、上記基材の一方の面に配置され、光制御層を含む表面層と、を有し、上記光制御層は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部および上記溝部内に配置され、上記光透過部より屈折率が低い光制御部を有し、上記表面層の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下であることを特徴とするものである。
図6は、本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面図である。
図6に示すように、本発明の採光部材20としての合わせガラス30は、基材1と、上記基材1の一方の面に配置され、光制御層2を含む表面層3と、を有し、上記光制御層2は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部および上記溝部内に配置され、上記光透過部より屈折率が低い光制御部を有し、上記表面層3の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下である光制御シート10と、光制御シート10を挟持する一対の窓材22と、光制御シート10および窓材22を接着する接着剤層21と、を有するものである。
以下、本発明の合わせガラスの各構成について詳細に説明する。
本発明に用いられる光制御シートは、基材と、上記基材の一方の面に配置され、光制御層を含む表面層と、を有し、上記光制御層は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部および上記溝部内に配置され、上記光透過部より屈折率が低い光制御部を有し、上記表面層の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下のものであり、上記「A.光制御シート」の項に記載の内容と同様とすることができる。本発明においては、なかでも、上記光制御シートが、表面層として剥離性保護層を含まないものであることが好ましく、より具体的には、上記「A.光制御シート」の「(1)第1実施態様」に記載の態様、および「(2)第2実施態様」において保護層が緩衝層である態様であることが好ましい。
本発明の合わせガラスは、上述の光制御シートを有するものであるが、通常、光制御シートを挟持する窓材と、光制御シートおよび窓材を接着する接着剤層と、を有するものである。
以下、このような窓材および接着剤層について説明する。
上記窓材としては、一般的に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、無色であってもよく、着色されたものであってもよい。なかでも本発明においては、上記窓材が、光透過性を有し、無色であることが好ましい。このような窓材としては、例えば、アクリル板、ポリカーボネート板、ガラス板等が挙げられる。
窓材の厚みが上記範囲内ですることにより、所望の透明度や機械的強度を有する合わせガラスとすることができるからである。
上記接着剤層は、具体的には、一般的な光制御シートに接着剤として用いられるものを用いることができる。上記接着剤としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)等の熱可塑性樹脂やそれに架橋材を加えた熱硬化樹脂等を用いることができ、中でも、EVAやPVBが好適に用いられる。
上記接着剤層は、上記接着剤の1種、もしくは2種以上を積層して用いることができる。具体的には、2種類の上記接着剤を積層して用いた場合には、本発明の合わせガラスの層構成は、例えば、窓材/第2接着剤層(EVA)/第1接着剤層(PVB)/光制御シート/第1接着剤層(PVB)/第2接着剤層(EVA)/窓材の構成等とすることができる。
また、上記接着剤層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等を含むことができる。
なお、上記接着剤層の厚みは、上記光制御シートの両方の表面に形成された接着剤層の合計の厚みではなく、上記光制御シートのいずれか一方の表面に形成された接着剤層のみの厚みをいうものである。
具体的には、接着剤層の可視光線透過率が所定の光透過性を有することが好ましい。具体的には、接着剤層の可視光線透過率が70%以上であることが好ましく、中でも80%以上であることが好ましく、特に85%以上であることが好ましい。接着剤層が上述した光透過性を有することにより、本発明の合わせガラスを部屋の窓に用いた際に、室外から入射する光が接着剤層に吸収されるのを抑制することができる。これにより、視認性を高めることができ、また室内に多くの光を取り入れることが可能となる。
本発明の合わせガラスは、上記光制御シートを有するものである。
このような合わせガラスの製造方法としては、上述した各部材を用いて所望の光制御機能を有する合わせガラスを得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な中間膜を有する合わせガラスと同様の方法を用いることができる。
上記製造方法は、具体的には、所定の方法により得られた光制御シートを、接着剤層を介して一対の窓材の間に配置し、その後、熱圧着することにより合わせガラスを得る方法とすることができる。
以下の方法により表面層を有する光制御シートを形成した。
連続帯状の透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)の一方の表面に、下記の組成から成る液状の光透過部形成用組成物Aを硬化後の膜厚が120μmとなるように塗布した。
・A-BPEF(新中村化学工業社製 2官能アクリレート) ・・・ 50質量部
・ライトアクリレートPOB-A(共栄社化学社製 単官能アクリレート) ・・・ 30質量部
・ライトアクリレートPO−A(共栄社化学社製 単官能アクリレート) ・・・ 20質量部
・Irgacure184(BASF社製光重合開始剤) ・・・ 3質量部
・テトラデカノールエチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル(金型離型剤) ・・・ 0.03質量部
上記ロール金型2とPETフィルムとの間に上記ベース部形成用組成物が挟まれた状態で、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、上記ベース部形成用組成物を架橋硬化させた後、ロール金型を剥離して溝部を表面に有するベース部をPETフィルムの片面上に形成した。
溝部の形状は、上述のロール金型の凸状群の反転形状、すなわち縦断面形状が台形の凹状群を有した。
次に、溝部内に光制御部を形成した。まず、下記組成からなる液状の光制御部形成用組成物を調製し、これを上記光透過部の溝部を含む表面に塗布後、鉄製ドクターブレードでスキージして溝部内にのみ充填させた後、水銀灯を用いて紫外線照射を行い、光制御部形成用組成物を架橋硬化させて光制御部を形成した。これにより、基材と、基材の一方の表面に配置された光制御層と、を有し、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
なお、光制御層に含まれる光透過部の屈折率は1.602、光制御部の屈折率は1.474であった。
・EBECRYL230(ダイセルオルネクス社製ウレタンアクリレート) ・・・ 30質量部
・SR610(サートマー社製 2官能アクリレート) ・・・ 30質量部
・SR256(サートマー社製 単官能アクリレート) ・・・ 40質量部
・Irgacure184(BASF社製光重合開始剤) ・・・ 3質量部
比較例1の光制御層の、基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:25μm)を介し、保護層としてTAC(三酢酸セルロース)フィルム(膜厚:25μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
金型にロール金型3を用いた事以外は比較例1と同様に光制御シートを作製した。これにより、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
比較例1で得られた光制御層の基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:25μm)を介し、保護層としてナイロン6フィルム(東洋紡製N1202、膜厚:25μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
金型にロール金型4を用いた事以外は比較例1と同様に光制御シートを作製した。これにより、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
比較例1の光制御層の基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:25μm)を介し、保護層としてPETフィルム(東レ製ルミラーT60、膜厚:16μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
金型にロール金型5を用いた事以外は比較例1と同様に光制御シートを作製した。これにより、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
金型にロール金型6を用いた事以外は比較例1と同様に光制御シートを作製した。これにより、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
金型にロール金型1を用いた事以外は比較例1と同様に光制御シートを作製した。これにより、表面層として光制御層のみを有する光制御シートを得た。
比較例1の光制御層の基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:9μm)を介し、保護層としてPETフィルム(東レ製ルミラーT60、膜厚:25μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
比較例1の光制御層の基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:3μm)を介し、保護層としてPPフィルム(スミロン製EC−7520、膜厚:40μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
比較例1の光制御層の、基材と反対側の表面上に、アクリル系粘着剤(膜厚:5μm)を介し、保護層としてバリアフィルム(三菱樹脂製テックバリアHX、膜厚:12μm)をラミネート貼合により接着した。これにより、表面層として光制御層および保護層を有する光制御シートを得た。
得られた光制御シートに含まれる表面層の水蒸気透過率および塗膜密着性について評価を行った。
水蒸気透過率(WVTR)は、MOCON社製 MOCON水蒸気透過率測定装置 PERMATRAN−W 3/33を使用してサンプルサイズ50cm2、相対湿度40℃90%RH、赤外線センサ法、等圧法で測定し、JIS K 7129:2008による水蒸気透過度測定から算出(単位はg/(m2・24h))した。
また、光制御層と基材を分離して測定することは困難であるため、基材および光制御層の合計の水蒸気透過率WVTR(=Aとする)と、基材のみの水蒸気透過率WVTR(=Bとする)を測定し、光制御層のみのWVTR(=Cとする)は、1/A=1/B+1/Cの関係式より算出した。
なお、このような方法により、保護層を有する場合の表面層(光制御層+保護層)の水蒸気透過率についても同様に算出した。
結果を、下記表1に示す。
得られた光制御シートを、高温高湿(60℃95%RH)環境下で250時間保存し、クロスカット法(JIS K 5600−5−6)で塗膜密着性を検証した。なお、判断基準は以下のとおりとした。結果を下記表1に示す。
◎:剥離なし(JIS K 5600−5−6 分類0or1)
○:剥離なし(JIS K 5600−5−6 分類2)
×:剥離あり(JIS K 5600−5−6 分類3、4or5)
表面層が光制御層のみを含む単層構造である場合には、光制御層の厚みを100μm以上とすることにより、表面層、すなわち、光制御層の水蒸気透過率を40g/(m2・24h)以下とすることができ、塗膜安定性を良好なものとなることが確認できた。
また、表面層が光制御層および保護層を含む層構造である場合には、光制御層の厚みが100μm未満である場合でも、表面層の水蒸気透過率を40g/(m2・24h)以下とすることができ、塗膜安定性を良好なものとなることが確認できた。
なお、塗膜安定性の評価の条件を高温dry(60℃dry)環境下としたところ、全てのサンプルで密着性は低下しなかった。
これら結果から、水蒸気透過率を所定の値以下とすることで密着性が向上することが確認できた。
2 … 光制御層
3 … 表面層
4 … 接着層
5 … 保護層
10 … 光制御シート
11 … 光透過部
12 … 溝部
13 … 光制御部
20 … 採光部材
21 … 接着剤層
22 … 窓材
30 … 合わせガラス
Claims (3)
- 基材の一方の面に表面層を有し、
前記表面層は、光制御層を含み、かつ、前記光制御層の基材とは反対側の面に保護層を含み、
前記光制御層は、一方の表面に複数本の溝部を有する光透過部および前記溝部内に、前記光透過部より屈折率が低い光制御部を有し、
前記表面層の水蒸気透過率が40g/(m2・24h)以下であり、
前記保護層が、前記光制御層と再剥離可能であることを特徴とする光制御シート。 - 前記表面層の水蒸気透過率が26g/(m2・24h)以下であることを特徴とする請求項1に記載の光制御シート。
- 請求項1または請求項2に記載の光制御シートを用いた合わせガラスの製造方法であって、
前記光制御シートから前記保護層を剥離する剥離工程と、
前記剥離工程後に、前記光制御層および前記基材を含む積層体を、接着剤層を介して一対の窓材で挟持する貼り合わせ工程と、を有する合わせガラスの製造方法。
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