JP2015098774A - 熱線制御シート - Google Patents

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喜洋 金井
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正弘 波多野
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正人 井手上
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英一郎 横地
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Yoko Takano
陽子 鷹野
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Abstract

【課題】室内への採光を確保しつつ、日射量の高い時間帯に取り込む熱線を低減し、かつ当該時間帯以外には熱線を適切に取り入れる熱線制御シートを提供する。【解決手段】複数の熱線透過部11と、複数の熱線吸収部12とを備えた、熱線制御シート10であって、熱線吸収部12は全光線透過率が50%以上であり、複数の熱線吸収部12と熱線透過部11とは、熱線吸収部12が所定のピッチPaとなるように、シート面10sに平行な一方向に交互に配列しており、一方向に平行でシート面10sに垂直な断面において、複数の熱線吸収部12の断面形状は、幅方向に幅Waを有し、厚み方向に高さTaを有し、下記式(1)および(2)の関係を満たす。Ta/(Pa−Wa)≧tan(90−θx)(1)、Ta/Pa<tan(90−θy)(2)【選択図】図1

Description

本発明は、窓等に設けられる熱線制御シートに関する。
建物の窓ガラスにおいて、夏季は室内への太陽光の赤外線の取り込みを遮断し、冬季は採光状態にする方法として、夏至の太陽の南中高度がθS である場所に使用される窓ガラスで、内部に回折格子を形成した窓ガラスを用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のものは、ガラス板内部に回折格子が形成されており、その回折格子の格子面とガラス板の面の垂線とのなす角度が、窓ガラスの屈折率をnとして、[sin−1(sinθS /n)+sin−1(1/n)]/2以上、[sin−1(sinθS /n)+90°+sin−1(1/n)]/2以下である窓ガラスを用いることにより、回折格子の回折波長域が赤外線の範囲にある場合において、夏季には室温上昇の原因となる赤外線を有効に遮断し、冬季には赤外線を室内に有効に取り込むことを可能にするものである。
また、特許文献2には、天窓に使用して太陽光線の入射角により、夏季は太陽光を遮光する状態とし、冬季は太陽光を採光する状態とする建築物用透明板材が開示されている。
この建築物用透明板材は、太陽光を遮断する遮光部と透過させる透過部とを交互に設けたパターンを透明板の上面、下面に配置し、且つ、上面と下面のパターン配置をずらし、入射する太陽光の量を調節するものである。
しかし、特許文献1に開示されているガラス窓の格子の形成はレーザ露光によりガラスに直接行うもので、生産性や製造費用の面で問題がある。また、特許文献2に開示されている建築物用透明板材は、天窓用途で、建物の側面には効果的に適用できず、表裏パターンの位置精度の面からも量産しにくいものであり、ガラスに遮光性インクを印刷した場合や、帯状の遮光性テープや薄板材を板材に接着した場合、屋外用途では劣化が生じたり、密着性が低下する可能性がある。
一方、本出願人は、上記の問題を解決できる光制御シートとして、太陽光を透過する光透過性部と太陽光を吸収する遮光部群とからなり、且つ、遮光部群は、シート内の一方向に、所定ピッチで、複数配列させている、夏季は室内への太陽光の取り込みを遮断し、冬季は太陽光の取り込みを可能とする光制御シートを提案した(特許文献3)。このようなシートを使用することで夏場の室温の上昇を抑制し、冬場は室温を上昇させる光を取り込むことが可能となる。つまり季節ごとに異なる機能を有するフィルムを貼り変えること無く実現できる。
特許文献3において、遮光部の形状については、下記のとおり規定されている。
θ20≦tan−1((Pa-(Wa/2))/Ta)<θ10
Pa: ピッチ、Wa:底辺の幅、Ta:高さ、
θ20:夏至の南中高度θの光が光透過性部に入射した際の屈折角
θ10:秋分の南中高度θの光が光透過性部に入射した際の屈折角
また、特許文献4には、ガラス基板の片面上に四角柱ストライプパターン状等の赤外線吸収層が形成されている、熱線遮断ガラスが開示されている。また、特許文献5には、シート本体内に設けられており光入射面と交差する方向に延びる遮熱部材が光入射面の面方向において複数配置されている、採光遮熱シートおよび合わせガラスが開示されている。
WO2006/134983号パンフレット 特開平3−197741号公報 特開2010−259406号公報 特開2008−247623号公報 特開2011−69126号公報
しかしながら、特許文献3の前記光制御シートにおいては、遮光部が光を透過しない場合に最適化されたもので、夏至の光は100%遮光され、室内に光が取り入れられないので、照度が不足することとなる。すなわち、前記の形状は遮光部が光を透過しない場合に最適化されたもので、吸収部において、太陽光の熱線のみをカットする場合、つまり、遮光部が光を100%吸収しないような場合はこの形状が最適とは言えない。
また、特許文献4および特許文献5には、赤外線吸収部あるいは遮熱部材の形状と間隔との最適な関係について、何も開示されていない。
そこで、本発明は、建物や乗り物等の室内への採光を確保しつつ、日射量の高い時間帯に取り込む熱線を低減し、かつ当該時間帯以外には熱線を適切に取り入れる熱線制御シートを提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて鋭意検討した結果、熱線吸収部と熱線透過部の寸法等が所定の関係を満足するようにすることによって、夏至においても可視光を室内に取り込みつつ、日射量の高い時間帯に取り込む熱線を適切に制御でき、夏場を涼しい室内環境とすることができ、一方、当該時間帯以外には熱線を適切に取り入れ、冬場には、暖かい室内環境にすることができることを知得して、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]の熱線制御シートを提供する。
[1]複数の熱線透過部と、複数の熱線吸収部とを備えた、熱線制御シートであって、
前記熱線吸収部は全光線透過率が50%以上であり、前記複数の熱線吸収部と熱線透過部とは、熱線吸収部が所定のピッチPaとなるように、シート面に平行な一方向に交互に配列しており、
前記一方向に平行でシート面に垂直な断面において、前記複数の熱線吸収部の断面形状は、幅方向に幅Waを有し、厚み方向に高さTaを有し、下記式(1)および(2)の関係を満たす、熱線制御シート。
式(1): Ta/(Pa−Wa)≧tan(90−θ
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin77)で導かれるものとする。]
式(2): Ta/Pa<tan(90−θ
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin58)で導かれるものとする。]
[2]さらに、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roが、下記式(3)の条件を満たす、上記[1]に記載の熱線制御シート。
式(3): 0.2≦Ro≦0.9
[3]さらに、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roと、[Ta/Wa]で表されるアスペクト比Raとが、下記式(3)及び(4)の条件を満たす、上記[1に記載の熱線制御シート。
式(3): 0.2≦Ro≦0.9
式(4): tan(90−θ)[Ro/(1−Ro)]≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin54)で導かれるものとする。]
なお、本発明において、熱線とは、波長800nm〜2500nm領域の光のことをいう。なお一般に、熱線は、赤外線と呼ばれることもある。また、本発明において、屈折率とは、波長589.3nmの光での屈折率をいうものとする。
上記関係式を満たす特定の熱線吸収部を有する熱線制御シートを用いることで、日射量の高い時間帯に取り込む熱線を適切に制御でき、それにより夏場を涼しい室内環境とすることができ、一方、当該時間帯以外には熱線を適切に取り入れ、冬場には、太陽光を十分に取り入れて、暖かい室内環境にすることができる。
図1(a)は本発明の熱線制御シートの実施の形態の第1の例と太陽光の照射光の制御を説明するための概略断面図で、図1(b)は図1(a)に示す第1の例の熱線制御シートを太陽光入射側からみた平面図で、図1(c)は図1(a)に示す第1の例の熱線制御シートの使用形態を示した図である。 図1に示す熱線制御シートにおける断面形状の詳細図である。 夏至の南中高度θsunxの太陽光が、熱線制御シートに入射し、透過する状態を説明する図である。 任意太陽高度θsunyの太陽光が、熱線制御シートに入射し、透過する状態を説明する図である。 日本の東経139度、北緯35度における季節ごとの時刻と太陽高度の関係を表す図である。 図1に示す熱線制御シートにおいて開口率を一定とした場合におけるアスペクト比と夏冬透過率差の関係を示す曲線及び近似多項式を示すグラフである。 開口率とアスペクト比との関係の図、及び其の近似式を示すグラフである。 開口率とアスペクト比を変化させた場合の朝7時の透過率差(0°入射と30°入射の差)を示すグラフである。 開口率とアスペクト比を変化させた場合の15時の透過率差(15°入射と45°入射の差)を示すグラフである。 本発明の熱線制御シートを設計する際の開口率及びアスペクト比の範囲を示す図である。 熱線吸収部の配列方向に平行でシート面に垂直な断面における、熱線吸収部の断面形状が略四辺形である場合の断面形状の例を示す図である。 本発明の熱線制御シートを用いた具体的層構成の一例を示す模式図である。 本発明の熱線制御シートを窓ガラスに外貼りとして使用する場合の(a)表側入射、(b)裏側入射の説明図である。 本発明の熱線制御シートを窓ガラスに内貼りとして使用する場合の(a)表側入射、(b)裏側入射の説明図である。
本発明の熱線制御シート10は、シート10が、複数の熱線透過部11と、複数の熱線吸収部12とを備えてなるものである(図1、2)。
また、本発明の熱線制御シート10の熱線吸収部12及び熱線透過部11は、熱線吸収部12が所定のピッチPaとなるように、シート面に平行な一方向に交互に配列されてなり、該一方向に平行でシート面に垂直な断面において、複数の熱線吸収部12の断面形状は、幅方向に幅Waを有し、厚み方向に高さTaを有し、後述する式(1)〜(4)の関係のうち、式(1)及び(2)を満たすか、あるいは式(3)及び(4)を満たすものである。
なお、シート面に平行な一方向とは、図を例に説明すると、図1(b)の矢印の方向であり、また、該一方向に平行でシート面に垂直な断面とは、図1(b)のA−A’線のように、熱線吸収部12の配列方向と平行な方向における、シート面に垂直な断面のことをいう。
また、以下、式(1)及び(2)を満たす熱線制御シートを第一の態様、式(3)及び(4)を満たす熱線制御シートを第二の態様、という場合もある。
式(1);Ta/(Pa−Wa)≧tan(90−θ
本発明の熱線制御シートは、第一の態様では、熱線吸収部が式(1)の条件を満たすことが必要である。
式(1)中のθは、太陽光15が熱線制御シートの熱線透過部11に入射して屈折した後の光線(入射光16)の角度であり(図3参照)、空気の屈折率をn、夏至の南中高度をθsunx、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sinθsunx)で導かれる角度である。なお、後述するように、本発明においては、θは、θ=sin−1((n/n)×sin84)で導かれる角度である。ただし、以降、必要に応じて、夏至南中高度θsunxを限定しないかたちで説明する。
このような式(1)は、夏至の南中高度の太陽光15が熱線制御シートの熱線透過部11に入射して屈折した後の光線(以下、「夏至南中高度の入射光」という場合もある)の透過を低減する条件を規定したものである。以下、図3を用いて式(1)の条件をさらに説明する。
まず、Ta/(Pa−Wa)がtan(90−θ)より小さく、式(1)の条件を満たさない場合、夏至南中高度の入射光16は熱線吸収部12を通過せず(図3(a))、該入射光の透過を低減できないため、夏場を涼しい環境とすることができない。
次に、Ta/(Pa−Wa)がtan(90−θ)と等しく、式(1)の条件を満たす場合、夏至南中高度の入射光16は熱線吸収部12の角を通過し(図3(b))、該入射光の透過を低減し、夏場を涼しい環境とすることができる。
次に、Ta/(Pa−Wa)がtan(90−θ)より大きく、式(1)の条件を満たす場合、夏至南中高度の入射光16は熱線吸収部12を突き抜けるように通過し(図3(c))、該入射光の透過を大きく低減し、夏場を涼しい環境とすることができる。
なお、図3(c)のように、夏至南中高度の入射光16が熱線吸収部12を突き抜けるように通過すると、夏至の南中高度からの入射光の透過をより十分に低減できることから、式(1)は、Ta/(Pa−Wa)>tan(90−θ)の条件を満たすことが好ましい。
夏至の南中高度をθsunxは、例えば、北海道の札幌では70度、東京都心では77度、沖縄の那覇では87度である。このように、夏至の南中高度をθsunxは地域によって異なることから、使用する地域の夏至の南中高度θsunxに応じて、Ta、Pa、Wa、熱線透過部の透過率を設計することが好ましい。
また、一般的に、札幌以北の地域では、夏場の太陽光の熱線制御が求められず、那覇以南の地域では、一年を通じて太陽高度が高く季節差がないため、ルーバーによる熱線制御を行うよりも、全面が熱線吸収部である材料で一年を通じて均一な熱線制御を行ったほうが効率的である。したがって、式(1)では、夏至の南中高度θsunxを70〜87度の何れかの角度とすることが好ましい。
また、式(1)において、夏至の南中高度θsunxを75〜80度の何れかの角度とすれば、札幌〜那覇の緯度(北緯43度〜26度)に位置するいずれの地域においても、一定の効果(夏場の太陽光の熱線制御)を持たせることができる点で好適である。
上述したように、夏至の南中高度をθsunxとして、θが、θ=sin−1((n/n)×sinθsunx)で導かれるものである場合には、式(1)を満たすことにより、夏至の南中高度の太陽光が必ず熱線吸収部を通過し、入射光の透過を低減することができる。
しかし、表1に示すように、世界の主要都市の夏至の南中高度はそれぞれ異なる。
そこで、本発明では、各地域での使用可能性を考慮して、夏至の南中高度をヒューストンの夏至南中高度である84度に設定し、式(1)のθが、θ=sin−1((n/n)×sin84)で導かれるものとしている。この条件を満たすことにより、夏至南中高度が84度である地域での夏至南中高度の太陽光の入射を制限することができるとともに、夏至南中高度が84度未満である地域についての使用可能性を確保できる。
また、本発明では、各地域におけるより汎用的な使用可能性の観点から、夏至の南中高度をシカゴの夏至南中高度である72度に設定し、式(1)のθが、θ=sin−1((n/n)×sin72)で導かれるものとすることが好ましい。この好適な条件を満たすことにより、夏至南中高度が72度を超える地域での夏至南中高度の太陽光の入射を確実に制限することができ、世界の主要地域において十分な効果を発揮できる。
条件式(2);Ta/Pa<tan(90−θ
本発明の熱線制御シートは、第一の態様では、熱線吸収部が、さらに式(2)の条件を満たすことが必要である。
式(2)中のθは、太陽光15が熱線制御シートの熱線透過部11に入射して屈折した後の光線(入射光16)の角度であり(図4参照)、空気の屈折率をn、夏至の南中高度以下であって任意の太陽高度をθsuny、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sinθsuny)で導かれる角度である。
なお、後述するように、本発明においては、θは、θ=sin−1((n/n)×sin49)で導かれる角度である。ただし、以降、必要に応じて、任意の太陽高度θsunyを限定しないかたちで説明する。
このような式(2)は、夏至の南中高度以下であって任意の太陽高度(以下、「任意太陽光度」という)の太陽光15が熱線制御シートの熱線透過部11に入射して屈折した後の光線(以下、「任意太陽高度の入射光」という場合もある)の透過を調整する条件を規定するものである。
図4(a)は、Ta/Paがtan(90−θ)より大きい場合における、任意太陽高度の入射光16の透過の状態を示す図であり、図4(b)は、Ta/Paがtan(90−θ)と等しい場合における、任意太陽高度の入射光16の透過の状態を示す図である。図4(a)及び(b)の何れの場合においても、任意太陽高度の入射光16は、熱線吸収部12を縦断するように通過するため、任意太陽高度の入射光は透過が十分に制限される。
図4(c)は、Ta/Paがtan(90−θ)より小さい場合における、任意太陽高度の入射光16の透過の状態を示す図である。図4(c)でも、任意太陽高度の入射光16が熱線吸収部12を通過しているが、通過する長さが減少するため、任意太陽高度の入射光は、一定レベルの透過が確保される。
以上のことから、式(2)Ta/Pa<tan(90−θ)は、任意太陽高度の入射光及び当該太陽高度以下の入射光(以下、「任意太陽高度以下の入射光」という場合もある)を一定レベル以上透過することを意味している。
したがって、式(1)と同時に式(2)の条件を満たすことにより、夏至南中高度の入射光の透過を低減しつつ、任意太陽高度以下の入射光を一定レベル以上透過することができるようになる。
また、式(1)と同時に式(2)の条件を満たすことにより、夏至南中高度と任意太陽高度との間の太陽高度の入射光についても、低減しやすくすることができる。
任意太陽高度としては、まず、夏至の11時〜14時の何れかの太陽高度が考えられる。表2は、東京都心の夏至の9〜15時の1時間ごとの日射量(単位「MJ/m」)を示すデータであるが、11時〜14時の日射量が3.0MJ/mを超えている。夏至の東京の11時の太陽高度は75度であり、14時の太陽高度は58度である。よって、任意太陽高度を58度として式(2)を満たす熱線制御シートとすれば、東京都心において、日射量の多い時間帯の太陽光の入射を制限することができ、一方、当該時間帯以外の太陽光を十分に入射して、室内を明るくすることができる。
また、夏至の札幌の11時の太陽高度は69度、14時の太陽高度は55度であり、夏至の那覇の11時の太陽高度は68度、14時の太陽高度は70度である。したがって、夏至の高日射量時間の入射光の低減を重視した場合、式(2)においては、任意太陽高度θsunyを55〜70度の何れかの角度とすることが好ましい。
また、式(2)において、任意太陽高度θsunyを56〜65度の何れかの角度とすれば、札幌〜那覇の緯度(北緯43度〜26度)に位置するいずれの地域においても、一定の効果(日射量の多い時間帯の太陽光の入射を制御しつつ、当該時間帯以外の採光を十分にする)を持たせることができる点で好適である。
また、任意太陽高度は、春分や秋分の南中高度としてもよい。任意太陽高度を春分や秋分の南中高度とすることにより、秋分〜冬〜春分の期間の太陽光の入射を十分なものとし、当該期間(特に冬)の室内環境を暖かくすることができる。
なお、春分及び秋分の南中高度は、札幌が47度、東京都心が54度、那覇が64度である。したがって、秋分〜冬〜春分の期間の太陽光の入射を十分にすることを重視する場合、式(2)において、任意太陽高度θsunyを47〜64度の何れかの角度とすることが好ましい。
また、式(2)において、春分及び秋分の南中高度θsunyを50〜60度の何れかの角度とすれば、札幌〜那覇の緯度(北緯43度〜26度)に位置するいずれの地域においても、一定の効果(秋分〜冬〜春分の期間の太陽光の入射を十分なものとし、当該期間の室内環境を暖かくすることができる)を持たせることができる点で好適である。
上述したように、任意太陽高度(例えば、春分又は秋分の南中高度)をθsunyとして、θが、θ=sin−1((n/n)×sinθsuny)で導かれるものである場合には、式(2)を満たすことにより、任意太陽高度以下の入射光を一定レベル以上透過することができる。
しかし、表1に示すように、世界の主要都市の春分又は秋分の南中高度はそれぞれ異なる。
そこで、本発明では、各地域での使用可能性を考慮して、任意太陽高度をシカゴの春分又は秋分の南中高度である49度に設定し、式(2)のθが、θ=sin−1((n/n)×sin49)で導かれるものとしている。この条件を満たすことにより、春分又は秋分の南中高度が49度である地域において、高度49度以下の入射光を一定レベル以上透過することができるとともに、春分又は秋分の南中高度が49度を超える地域についての使用可能性を確保できる。また、同時に式(1)の条件を満たすことにより、夏至南中高度84度の入射光の透過を低減することもできる。
また、本発明では、各地域におけるより汎用的な使用可能性の観点から、任意太陽高度をヒューストンの春分又は秋分の南中高度である61度に設定し、式(2)のθが、θ=sin−1((n/n)×sin61)で導かれるものとすることが好ましい。この好適な条件を満たすことにより、春分又は秋分の南中高度が61度以下の地域において、確実に、春分又は秋分の南中高度以下の入射光を一定レベル以上透過することができ、世界の主要地域において十分な効果を発揮できる。
式(3):0.2≦Ro≦0.9
また、第一の態様においては、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roが、式(3)の条件を満たすことが好ましい。
Roを0.2以上とすることにより、朝夕の採光を十分にすることができ、Roを0.9以下とすることにより、熱線吸収部を確保することができる。Roは、0.6〜0.9であることが好ましく、0.7〜0.9であることがより好ましい。
式(4):tan(90−θ)[Ro/(1−Ro)]≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin54)で導かれるものとする。]
また、第一の態様においては、さらに、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roと、[Ta/Wa]で表されるアスペクト比Raとが、式(4)の条件を満たすことが好ましい。
式(3)及び(4)については、第二の態様で詳述する。
本発明の熱線制御シートの第二の態様は、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roと、[Ta/Wa]で表されるアスペクト比Raとが、下記式(3)及び(4)の条件を満たすものである。
式(3): 0.2≦Ro≦0.9
式(4): tan(90−θ)[Ro/(1−Ro)]≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin54)で導かれるものとする。]
条件式;Ra≦0.58e (3.4Ro) の導出
本発明の熱線制御シートにおいては、機能発現との関係において、熱線吸収部のアスペクト比及び全体に対する熱線透過部の比率である開口率との関連が重要である。以下に、それらの条件式の導出について説明する。
先ず、条件式;Ra≦0.58e(3.4Ro)は、熱線吸収部の幅Waと高さTaの比として求められるアスペクト比Raが0.58e(3.4Ro)以下であれば、夏の光はカットし、冬の光は透過するという効果を発現することを表わしている。
なお、この条件式は、夏至の南中時の日射量(3.24MJ/m)を冬至の南中時の日射量(1.86MJ/m)よりも小さくすることができる条件として、本発明の熱線制御シートにおいては、夏冬透過率差が0.3(30%)以上であることを条件とした。
光学部材においては、相似形であれば光学的効果は同じとなることから、熱線吸収部の形状は開口率とアスペクト比で決めることができる。
図5に、東京の夏至、冬至、春分・秋分の太陽高度を示す(東京は表1に示す世界の主要都市の緯度のほぼ中間に位置するため東京を基準とした)。
まず、開口率、アスペクト比をパラメータとした際の夏至の南中高度からの入射(75°)に対する透過率と、冬の南中高度からの入射(30°)に対する透過率を光学シミュレーションソフト“lighttools(CYBERNET社製)”を用いシミュレーションを実施した。得られた結果より、冬至と夏至の透過率の差(以下、「夏冬透過率差」と称する。)を算出した。結果を表3に示す。
なお、シミュレーションは、図2(b)において、熱線吸収部12の屈折率1.55、ATOの添加量10%、略長方形の深さ(高さ)方向のテーパー角θ1.5度、底辺の幅Waを20μm、として固定し、高さTa、ピッチPaによって、開口率;Ro=(Pa−Wa)/Pa、及びアスペクト比;Ra=Ta/Waを変更した。
表3の結果に基づき、開口率20、40、60、80、及び90%におけるアスペクト比と夏冬透過率差についてプロットすると図6のグラフが得られ、このグラフを2次式で近似すると、以下の式が得られた。
開口率20%:y= 0.0008x− 0.0195x + 0.3253
開口率40%:y=0.0005x− 0.0137x + 0.3289
開口率60%:y=1E−05x− 0.0072x + 0.327
開口率80%:y=−0.0004x2 + 0.0017x + 0.318
上記の式において、yは夏冬透過率差、xはアスペクト比である。ここで、y>0.3、すなわち、夏冬透過率差を30%以上としてこれらの式を解くと、開口率との関係において、アスペクト比xについて以下の解が得られる。
開口率20%:x≦ 1.30
開口率40%:x≦2.11
開口率60%:x≦3.75
開口率80%:x≦10.59
この結果を基に開口率Xとアスペクト比Yの関係をグラフに示すと図7のようになる。
さらにこれらのプロットから近似式を求めると、Y = 0.58e(3.4xRo)
が得られる。この近似式による曲線より下の領域において夏冬透過率差が0.3(30%)以上となることが導かれる。なお、図7において「開口率(%)」は、開口率「X」に100を乗じて求められるので、横軸に「(100・X)」も併記した。
条件式 Ra ≧ 0.72(Ro/(1−Ro))の導出
ある開口率に対し、アスペクト比がある値以下だと、夏の暑い光の一部が熱線吸収部を通過せず、熱線を持ったまま透過することになる。これを防ぐため、東京の春分及び秋分の南中高度54°以上の入射角を持つ光に対し、確実に熱線吸収部を通過するような条件を設定する。
これを図3で説明すると、熱線吸収部のピッチをPa、熱線吸収部の幅をWa、シート厚み方向の高さをTa、熱線透過部の幅を(Pa−Wa)として、開口率Roとアスペクト比Raとの関係で表すこととすると、
Ta/(Pa−Wa)≧tan(90−θ)
Ro=(Pa−Wa)/Pa
Ra=Ta/Wa
となり、以上の式より、
Ra≧tan(90−θ)(Ro/(1−Ro))が導出される。
[但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin54)で導かれるものとする。]
アスペクト比Raが、これらの関係を満たす時には、夏の光が熱線吸収部を必ず一度は通過することになる。
0.2≦Ro≦0.9の導出
図5に、東京の夏至、冬至、春分・秋分の太陽高度を示す。
この太陽高度に基づいて、南中(12時)以外の時間(7時、15時)における、夏と冬の透過率差のシミュレーションした結果を表4に示す。表4の結果に基づき開口率、アスペクト比、及び透過率の差の関係について、7時における場合を図8、15時における場合を図9に示す。図8、図9より分かるとおり、南中時以外の時間において、透過率差はピークを持ち、開口率の高い、あるいは低い領域では差が小さくなることが分かる。これらの結果より、開口率20%すなわち開口率Ro=0.2を下限、開口率90%すなわち開口率Ro= 0.9を上限として、開口率Roの範囲を0.2〜0.9とした。そして、先に導いたRa≧tan(90−θ)(Ro/(1−Ro))も重ねると、アスペクト比と開口率は、図10に示す領域が規定される。なお、図10において、「開口率(%)」は、開口率「X」に100を乗じて求められるので、横軸に「(100・X)」も併記した。また、本シミュレーションは、空気の屈折率を1.00、熱線透過部の屈折率を1.55として行った。
好適な条件
(ピッチ;Pa)
熱線吸収部のピッチ(Pa)は、10〜150μmであることが好ましく、50〜120μmであることがより好ましい。10μm以上とすることにより開口率が確保され、可視光透過率が損なわれることを防ぐことができ、150μm以下とすることにより夏の遮熱性能の不足を防ぐことができる。
なお、熱線吸収部のピッチは、熱線吸収部の配列方向に平行でシート面に垂直な断面において、隣り合う熱線吸収部の幅方向の中心間の距離をいう。
(幅;Wa)
熱線吸収部の幅(Wa)は、10〜75μmであることが好ましく、15〜30μmであることがより好ましい。10μm以上とすることにより夏の遮熱性能の不足を防ぐことができ、75μm以下とすることにより熱線吸収部が目立つことによる外観不良を防止できる。
なお、熱線吸収部の幅は、熱線吸収部の配列方向に平行でシート面に垂直な断面において、熱線吸収部の幅方向の長さをいう。また、熱線吸収部にテーパー角が設けられている場合、熱線吸収部の幅は、前記幅方向の最大長さをいう。
(高さ;Ta)
熱線吸収部の高さ(Ta)は、30〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。30μm以上とすることにより夏の遮熱性能の不足を防ぐことができ、200μm以下とすることにより成型不良の防止、フィルム厚みの増加による施工性の悪化を防止できる。
なお、熱線吸収部の高さは、熱線吸収部の配列方向に平行でシート面に垂直な断面において、熱線吸収部12の厚み方向の長さをいう。
熱線制御シートの構成
次に、本発明の熱線制御シートの実施の形態の例を、図1に基づいて説明する。
図1(a)〜(c)の例は、熱線制御シート10は、太陽光を建物20内に取り入れる建物20の南側側面(側壁21とも言う)の窓部22に用いられる太陽光取り入れ制御用の熱線制御シート(以下、単に「シート」という場合がある。)である。
そして、熱線制御シート全体が、熱線透過部11と、熱線吸収部12とからなり、且つ、前記熱線吸収部12は、熱線制御シート10内の一方向に、所定ピッチPaで複数配列させているものである。本発明では、前記一方向に平行でシート面に垂直な断面において、熱線吸収部の断面形状が、図11(a)に示すように略四辺形状であることが好ましい。なお、ここでの、「一方向に」において、熱線吸収部の断面形状は同一の形状を有していることが好ましい。
なお、熱線吸収部の断面形状は、上記のように略四辺形であることが好ましく、略四辺形としては、図11(a)〜(e)に示すように、正方形、長方形(図11(a))や台形(図11(b))を含み、また厚み方向の頂部(図11(c))や底部(図11(d))の角部が丸まっていてもよく、また四辺が直線でなく曲線((図11(e))であってもよい。なお、熱線吸収部の高さ(Ta)は、熱線吸収部の底部の端からそれに隣接する熱線吸収部の頂部方向に伸ばした線が隣接する熱線吸収部に接する点を基準として求めることができる。 本発明の熱線制御シートを外貼りシートとした場合では、図2(a)に示すように、熱線吸収部12は、シート10の太陽光入射側に沿い表面12Sを有し、シート厚み方向に向けて所定の高さTaを有しており、シートの一方の面方向に所定のピッチPaで、熱線吸収部12を複数、配列させている。
なお、太陽光入射光側は表面12S側に限定されず、後述するように、逆側からであってもよい。
(熱線透過部)
熱線透過部11は、主として光透過性材料から形成される。このような熱線透過部11は、例えば、熱線吸収部12の形状に対応する凹部を有する光透過性材料層11Sからなっている。
光透過性材料としては、電離放射線硬化型樹脂組成物等の樹脂組成物を用いることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては、従来から電離放射線硬化型の樹脂として慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。そのような電離放射線硬化型樹脂としては、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。
重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が好ましく挙げられる。
なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
なお、本発明においては、前記多官能性のウレタン(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーを用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。
また、熱線透過部11を形成するための樹脂組成物には、さらにハードコート性や耐候性を向上させるために、耐候性改善剤、耐傷フィラーを含有させることができる。耐候性改善剤については、後に詳述する。
(添加剤)
本発明で用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、等が挙げられる。
なお、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
(耐候性改善剤)
本発明の熱線制御シートには、耐候性をさらに向上させるため、熱線透過部に、紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤等の耐候性改善剤を含有させてもよい。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等が好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線等の高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤等が好ましく挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に反応性基を有する紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、それぞれ、好ましくは0.1〜25質量部、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは3〜20質量部であり、特に好ましくは5〜20質量部である。また、光安定剤の含有量は、粘着剤層2又は表面保護層3を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部であり、特に好ましくは2〜5質量部である。
熱線透過部は、JIS K7361−1に規定する全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、熱線透過部は、赤外線領域(800〜2500nm)において、50%以上吸収する波長域を有さないことが好ましく、30%以上吸収する波長域を有さないことがより好ましい。さらに、熱線透過部は、JIS A5959に規定する日射透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
なお、熱線透過部の全光線透過率、赤外線透過率及び日射透過率は、熱線透過部を構成する材料のみで厚み10μmの塗膜を形成し、該塗膜についての測定値をいうものとする。
(基材シート)
上述した熱線透過部11及び熱線吸収部12は、基材シート1に支持されていることが、製造上、機械的強度上において有利である(図12)。
本発明の熱線制御シートに使用できる基材シートとしては、窓貼りシートとしての透明性及び強度が求められることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネート(PC)のフィルムを用いることが好ましい。
基材シートの厚さとしては使用目的に応じて適宜選定すればよいが、通常は5〜200μm、好ましくは10〜150μmの範囲である。また、この基材シートは、所望により着色又は蒸着されていてもよく、また酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。
さらに、熱線吸収部12の形状に対応する凹部を有する光透過性材料層11Sあるいは窓貼りのために設けられる粘着層2との密着性を向上させる目的で、表面S1、S2において必要に応じて片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材シートの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から、好ましく用いられる。
また、本発明においては、化学的表面処理として易接着コート処理を好適に行うことができる。易接着コート処理とは、基材上に樹脂層等をコーティングすることで、接着性を向上させるものであり、例えば、ポリエステル系樹脂層を設ける等の方法がある。
樹脂層の厚さとしては、通常、0.005〜0.2μm程度であり、好ましくは0.01〜0.1μmである。
該ポリエステル系樹脂層は架橋されていることが好ましく、架橋剤としてはメラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤等が挙げられる。
(熱線吸収部)
熱線吸収部12は、例えば、光透過性材料層11Sの凹部に対応して形成することができる。
(無機ナノ粒子)
熱線吸収部12についてより詳細に説明すると、熱線吸収部12は、例えば、熱線を吸収する無機ナノ粒子と、この無機ナノ粒子を結着するバインダ樹脂を含む熱線吸収部組成物から形成することが好ましい。また、熱線吸収部は、無機ナノ粒子以外の熱線吸収剤と、バインダからなる組成物によって形成してもよい。
熱線(赤外線)を吸収する無機ナノ粒子としては、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、六ホウ化ランタン(LaB)又はそれらの混合物のナノ粒子が熱線吸収性能及び市販されていることによる経済性の観点から好ましく用いることができる。これら無機ナノ粒子は、熱線を吸収しつつ、可視光を一定レベル透過できる点で好適である。これらのうち、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)又はこれらの混合物が特に好ましい。
ATO、ITOナノ微粒子の粒子サイズは、HAZEを抑制する観点から1〜300nm(公称粒子サイズ)が好ましく、1〜100nm(同)が更に好ましい。
また、ATO又はITOは、熱線吸収部組成物全重量に対して3〜30質量%添加するのが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。特にATOの添加量は、着色やHAZEの増加を避ける観点から30質量%以下とするのが好ましい。
(バインダ樹脂)
熱線吸収部組成物を構成するバインダ樹脂としては、例えば、所定の屈折率を有する透明な樹脂で、電離放射線硬化作用を有する紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等が用いられる。直接、電離放射線で硬化反応するものもあるが、触媒又は開始剤と呼ばれる反応を励起させる物質を介して硬化反応を起こさせることが一般的である。波長300〜400nmの紫外線での硬化作用を起こさせるためには、光開始剤と呼ばれる紫外線域での反応を励起させる物質を数%混合するのが一般的である。光開始剤としては、ケトン系やアセトフェノン系のものがあり、サンドレー1000、Darocure1163、Darocure1173、Irgacure183、Irgacure651、等が知られており、硬化用の電離放射線の種類(波長特性)に応じて適宜選択できる。電離放射線硬化型樹脂としては、反応性オリゴマー(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等)、反応性のモノマー(ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等)が適宜選択される。硬化前の電離放射線硬化型樹脂を含む熱線吸収部組成物の流動性の調整には、反応性のオリゴマーの種類や粘度の低い低分子量の反応性モノマーの組成比を適宜変更させれば良い。
電離放射線硬化性樹脂が用いられる。電離放射線硬化性樹脂としては、反応性オリゴマー(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等)、又は反応性のモノマー(ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等)等が用いられる。
また、本発明の熱線制御シートでは、界面での光の反射・屈折を抑制し、視認性を向上するという観点から、熱線透過部の屈折率n1と、熱線吸収部の屈折率n2との差が0.03以下であることが好ましく、同一であることがより好ましい。
熱線吸収部は、JIS K7361−1に規定する全光線透過率が50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、熱線吸収部は、赤外線領域(800〜2500nm)において、10%以上吸収する波長域を有することが好ましく、20%以上吸収する波長域を有することがより好ましい。さらに、熱線吸収部は、JIS A5959に規定する日射透過率が0〜95%であることが好ましく、10〜90%であることがより好ましい。
なお、熱線吸収部の全光線透過率、赤外線透過率及び日射透過率は、熱線吸収部を構成する材料のみで厚み10μmの塗膜を形成し、該塗膜についての測定値をいうものとする。
《表面保護層》
表面保護層3は、耐候性や耐傷性等のハードコート性等の機能を付与する層である。この表面保護層3は、電離放射線硬化型樹脂組成物を架橋硬化してなり、電離放射線硬化型樹脂としては、従来から電離放射線硬化型の樹脂として慣用されている重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。そのような電離放射線硬化型樹脂としては、重合性オリゴマーないしはプレポリマー、特には、多官能の重合性オリゴマーないしはプレポリマーが挙げられる。
重合性オリゴマーないしはプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマーやプレポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーやプレポリマー等が好ましく挙げられ、これらのうち、特に多官能性のウレタン(メタ)アクリレート系が、耐候性とハードコート性を両立させる点で好ましく、分子量としては、1000〜5000程度のものが好ましい。
なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
さらに、電離放射線硬化型樹脂には、上記の多官能性の重合性オリゴマーの他、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシアクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート等のような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを併用することができ、併用することにより、さらに耐候性を向上することができる。これらのうち、カプロラクトン系のものが、耐候性の向上の点でより好ましいものである。
なお、本発明においては、前記多官能性のウレタン(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーの他、通常の有機溶媒を用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。
また、表面保護層を形成するための樹脂組成物には、さらにハードコート性や耐候性を向上させるために、耐候性改善剤、耐傷フィラーを含有させることができる。耐候性改善剤については、後に詳述する。
(耐傷フィラー)
本発明で用いる耐傷フィラーとしては、無機系と有機系のフィラーがあり、無機物では、例えば、α−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
これらの無機系の耐傷フィラーのうち、シリカは好ましいものの一つである。シリカは耐摩擦性を向上させ、かつ表面保護層の透明性を阻害しない。シリカとしては従来公知のシリカから適宜選択して用いることが可能であり、例えば、コロイダルシリカを好適に挙げることができる。コロイダルシリカは、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少なく、好ましい。シリカの粒子径としては、1次粒子径が5〜1000nmのものを用いることが好ましく、10〜50nmのものがさらに好ましく10〜30nmのものが特に好ましい。1次粒子径が1000nm以下のシリカを用いると透明性が確保される。また、用いるシリカの1次粒子径は一種類である必要はなく、異なる1次粒子径のシリカを混合して用いることも可能である。シリカの配合量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜20重量部の割合であることが好ましい。また、球状のα−アルミナあるいはコロイダルアルミナも、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいことや、球状の粒子を比較的得やすいことから、好ましいものである。
一方、有機物のフィラーでは、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とすることが好ましい。配合量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜20質量部程度の割合であることが好ましい。
(添加剤)
また、本発明で用いられる表面保護層用の電離放射線硬化型樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
なお、電離放射線硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することができる。
表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂組成物の塗工は、硬化後の厚さが通常1〜20μm程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行う。また、優れた耐候性とその持続性、さらには耐傷性や透明性、鏡面性とを得る観点から、好ましくは2〜20μmである。
なお、樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機等により塗工層を予め加熱乾燥してから電離放射線を照射することが好ましい。
上記の樹脂組成物の塗工により形成した未硬化樹脂層は、電離放射線等を照射して架橋硬化することで、表面保護層3が形成される。ここで、硬化に電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化型樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは30〜200kGy(3〜20Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯等が用いられる。
(耐候性改善剤)
本発明の熱線制御シートの表面保護層には、耐候性をさらに向上させるため、紫外線吸収剤(UVA)や光安定剤等の耐候性改善剤を含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候性改善剤については、すでに熱線制御シート用の耐候性改善剤として掲げたものを、同様に使用することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層又は表面保護層3を形成する樹脂100質量部に対して、それぞれ、好ましくは0.1〜25質量部、より好ましくは1〜25質量部、さらに好ましくは3〜20質量部であり、よりさらに好ましくは5〜20質量部である。また、光安定剤の含有量は、プライマー層2又は表面保護層3を形成する樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部であり、よりさらに好ましくは2〜5質量部である。
《ガラス》
本発明の熱線制御シートは、一般的に主成分として二酸化ケイ素を含有するケイ酸ガラスや、石英ガラス等の無機材料からなるガラス(以下、「無機ガラス」という。)又は有機材料からなるガラス(以下、「有機ガラス」という。)に配して使用されることができる。
有機ガラスは、樹脂で構成されるガラスを指し、無機ガラスの代替用として用いられるものである。なお、無機ガラス及び有機ガラスとしては、透明ガラス、着色透明ガラス、曇りガラス、強化ガラス、複層ガラス等が挙げられる。
(有機ガラス)
有機ガラスを構成する樹脂は様々な樹脂を用いることができるが、射出成形、押出成形等の成形上の観点から、溶融可能である樹脂が好適である。
溶融可能である樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、透明性、耐衝撃性の観点で、アクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましい。
また、有機ガラス中には、上記樹脂に加えて、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機物粉末、木粉、ガラス繊維等の充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等を添加することができる。
有機ガラスの厚みについては特に制限はなく、当該機能性有機ガラスの用途に応じて選定されるが、通常1〜20mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。基板の厚さが1mm以上であると面剛性等の実用的な強度が十分となり、20mm以下であると加工性が向上する。
なお、本発明において、熱線制御シートを無機ガラスや有機ガラスに「配する」手段としては、後述する粘着剤層による貼付け、基材シートによる熱融着及び有機ガラスとの熱融着等による貼付け等を挙げることができる。
《粘着層》
本発明の熱線制御シートは、窓ガラスに貼付するため粘着層を有していることが好ましい。
粘着層に用いられる粘着剤としては特に限定されるものではなく、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。これらのうち、耐候性等の点から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤が好ましく、特にn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好適である。
また、架橋剤を添加することもでき、具体的にはイソシアネート系や金属キレート、エポキシ系、およびメラミン系が挙げられる。
粘着剤の塗布量は、乾燥重量で10〜30g/mの範囲が好ましい。10g/m以上であれば十分な接着力が得られ、30g/m以下であると印刷加工時に粘着剤のはみ出しがない。
粘着剤の塗布方法は、上記粘着剤を溶剤、例えば、酢酸エチル、トルエン等で希釈し固形分20〜60質量%の塗布液を調製し、この塗布液を剥離シートに塗布するという方法によることができる。粘着剤の塗布装置は、公知の塗布装置、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。
(熱線制御シートによる窓貼り施工)
図12は、基材シート1を含む熱線制御シート10に窓ガラスに貼付のための粘着層2及び表面側S3側に表面保護層3を積層した構成のシート(A)を示す。そしてこのシート(A)を外貼り用として貼り付けた場合を図13(a)に示す。この場合、太陽光は熱線制御シート10の表面S3(熱線吸収部組成物の充填側の面)側から入射するが、この場合を表側入射と呼称し、図13(b)のように、表面S3側に粘着層を形成して、窓ガラスに貼付し、太陽光が逆側から入射する場合を「裏側入射」と呼称することにする。すなわち、本発明の熱線制御シートの窓ガラスへの貼付けパターンは、表側入射と裏側入射の2パターンが考えられる。
ここで、熱線吸収部が設けられた熱線制御シートの表面側を優先的に保護したい場合や、耐候性をより高めたい場合等には、図13(b)のような構成とすることが好ましい。図13(b)は図13(a)に比べて基材PETや表面保護層の高機能化を図る対応を採り易いので、図13(a)の表面保護層のみによる対応よりも有利な場合があるためである。ただし、使用の態様は特に限定されず、要求される性能に対応した層構成に応じて表側入射或いは裏側入射のいずれかを適宜選択すればよい。
また、本発明の熱線制御シートは、窓ガラスの内側すなわち室内(建屋)側に貼付して、いわゆる内貼り用としても使用することができる。図14は、内貼り用における(a)表側入射、(b)裏側入射を示している。内貼り用として使用する場合も、耐光性能や表面層側に求められる耐擦傷性等の性能に応じて、表側入射或いは裏側入射のいずれかを適宜選択すればよい。
熱線制御シートの製造方法
本発明の熱線制御シートは、例えば、下記(A)及び(B)の工程を順に行うことにより製造することができる。
(A)凹部を有する光透過性材料層を形成する工程
(B)前記凹部に、熱線吸収部組成物を充填し、熱線吸収部を形成する工程
[工程(A)]
工程(A)では、凹部を有する光透過性材料層を形成する工程を行う。凹部は熱線吸収部組成物が充填され熱線吸収部となるものである。したがって、凹部の形状は、上述した本発明の熱線制御シートの熱線吸収部の形状に対応するように形成することを要する。
このような凹部を有する光透過性材料層は、表面に熱線吸収部と同一形状が凸状に形成されてなるロール金型を用い、当該ロール金型を光透過性材料に押しあてる手法(賦型手法)、熱線吸収部と同一形状が凸状に形成されてなる金型に、光透過性材料を流し込んだ後、金型から剥離する手法(転写手法)等により作製することができる。
賦型手法では、まず基材シート上に光透過性材料層を形成し、その後光透過性材料層にロール金型を押しあてるステップを取ることが好ましい。転写手法では、金型に光透過性材料を流し込み、その後基材シートを貼り合わせ、基材シートごと金型から剥離するステップを取ることが好ましい。
光透過性材料層は、電離放射線硬化型樹脂、及び必要に応じて含有する開始剤等からなる電離放射線硬化型樹脂組成物から形成することが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂の硬化は、賦型手法ではロール金型を押し当てた後に、転写手法では基材シートを貼り合わせた後に行うことが好ましい。
なお、熱線制御シートにおいて、図2(b)に示すように熱線吸収部にテーパー角θが設けられると、光が熱線吸収部を通過した際に光の平行性が損ねられ像が歪む。このため、テーパー角θは0度とすることが望ましい。しかし、実際に賦型手法で凹部を形成するにあたり、テーパー角0度は実現が困難であり、凹部溝作製の便宜上から、5度程度を上限にテーパー角を設けることができる。
[工程(B)]
工程(B)では、工程(A)で形成した凹部に対して、熱線吸収部組成物を充填し、熱線吸収部を形成する。工程(A)で形成する凹部が上記式(1)〜(4)に対応する形状であれば、工程(B)で形成する熱線吸収部も上記式(1)〜(4)を満たすものとすることができる。
例えば、工程(A)で作製した凹部が形成された光透過性材料層をロールに沿わせながら搬送し、熱線吸収部組成物をダイコート等で塗布し、必要に応じてドクターブレード等のワイピングによって、表層に残った余分な材料を除去した後、乾燥、硬化することにより形成することができる。なお、熱線吸収部組成物の粘度が高く充填しにくい場合においては、適宜スキージ等にて凹部に埋め込むか、複数回塗布するか、あるいはその両方を行っても良い。
熱線吸収部組成物は上述の通りで、例えば、熱線を吸収する無機ナノ粒子と、この無機ナノ粒子を結着するバインダ樹脂を含み、必要に応じて希釈溶剤等をさらに含んでなるものである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた熱線制御シートの諸特性を下記要領に従って評価した。
(エネルギー透過率)
全波長(300〜2500nm)で一律のエネルギーを持つ光を光源とし、「透過した総エネルギー/入射した総エネルギー」をエネルギー透過率とした。
(可視光透過率、日射透過率)
JIS A5759に準拠して透過率から算出した。30度入射、60度入射については、分光光度計に各々の角度でフィルムを傾けて設置し、測定した。
(第一の態様)実施例1〜7及び比較例1〜6
厚さ188μmで連続帯状の透明2軸延伸PETフィルムから成る透明支持体としての基材シート1の一方の表面に、液状のウレタンアクリレート系のプレポリマー及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体、さらにベンゾフェノン系光開始剤の混合液とから成る液状紫外線硬化性樹脂を、硬化後の膜厚が100μmとなる様に塗布した。
次に、ロール金型表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さTaμm、版表面側の幅がWaμmの長方形となる凸部を、Paμmの周期で複数条互いに平行に配列した凸条群(熱線吸収部群と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型とPETフィルムとの間に、塗布した紫外線硬化樹脂を挟んだ状態で水銀灯からの紫外線を照射することにより、該紫外線硬化樹脂を架橋硬化せしめて透明樹脂層とし、しかる後ロール金型を離型することにより、該透明樹脂層表面に、該透明樹脂層表面の面方向に沿って一方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さTaμm、透明樹脂層表面側の長さ(幅)がWaμmの長方形となる凹条溝群からなる溝部をPaμmの周期で表面に有する賦型されたシート11Sを基材シート1のS1の面側に形成した。
一方、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、ATOナノ粒子(平均粒子径100nm)5質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2質量部を混合して液状の熱線吸収部組成物を調製した。
この液状組成物を賦型されたシート11Sの溝部12aに塗工し、次いで該塗膜を鉄製ドクターブレードでスキージし該(凹条)溝部外の該液状組成物のみを掻き取り除去し、該凹状溝内のみに該熱線吸収部組成物を充填して水銀灯からの紫外線を照射することにより、該熱線吸収部組成物を架橋硬化せしめて熱線制御シートを製造した。なお、熱線透過部の屈折率は1.55であり、熱線吸収部の屈折率は1.55である。
各実施例及び比較例で得られた熱線制御シートのTa、Wa及びPaは表5に示す通りである。なお、実施例については、夏至南中高度θsunxはアメリカのヒューストンの夏至南中高度である84度、任意太陽高度θsunyはアメリカのシカゴの春分又は秋分の南中高度である49度として、式(1)及び式(2)を満たすように設計を行った。夏至太陽高度θsunxが84度の場合、式(1)の右辺の値は1.20であり、任意太陽高度θsunyが49度の場合、式(2)の右辺の値は1.80である。
得られた熱線制御シートについて、表1の世界の各地域の緯度の略中間地点に位置する東京におけるエネルギー透過率の測定結果を表5に示す。
表2の結果から明らかなように、式(1)及び(2)を満たす実施例1〜7の熱線制御シートは、日射量の多い時間帯である、夏至南中高度から夏至の14時太陽高度の間の日射透過率を抑制できるものであった。
また、実施例1〜7の熱線制御シートは、前記効果を奏しつつ、冬の日射透過率から夏の日射透過率を引いた値が、12時では0.267以上、14時では0.164以上であり、冬は暖かく、夏は涼しくできることを示している。
一方、比較例1〜6の熱線制御シートは、式(1)又は(2)の一方を満たさないものである。したがって、日射量の多い時間帯の日射透過率を抑制できないか、仮に抑制できたとしても、冬の日射透過率から夏の日射透過率を引いた値が実施例に劣り、冬は暖かく、かつ夏は涼しくできるものではなかった。
(第二の態様)実施例8〜9及び比較例7
実施例8
厚さ188μmで連続帯状の透明2軸延伸PETフィルムから成る透明支持体としての基材シート1の一方の表面に、液状のウレタンアクリレート系のプレポリマー及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体、さらにベンゾフェノン系光開始剤の混合液とから成る液状紫外線硬化性樹脂を、硬化後の膜厚が100μmとなる様に塗布した。
次に、ロール金型表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ80μm、版表面側の幅が11μmの長方形となる凸部を、45μm周期で複数条互いに平行に配列した凸条群(熱線吸収部群と同形状且つ逆凹凸)が形成されたロール金型とPETフィルムとの間に、塗布した紫外線硬化樹脂を挟んだ状態で水銀灯からの紫外線を照射することにより、該紫外線硬化樹脂を架橋硬化せしめて透明樹脂層とし、しかる後ロール金型を離型することにより、該透明樹脂層表面に、該透明樹脂層表面の面方向に沿って一方向に直線状に連なり、その主切断面が、高さ80μm、透明樹脂層表面側の長さ(幅)が11μmの長方形となる凹条溝群からなる溝部を表面に有する賦型されたシート11Sを基材シート1のS1の面側に形成した。
一方、透明アクリル系の紫外線硬化性プレポリマー100質量部中に、ATOナノ粒子(平均粒子径100nm)5質量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製)2質量部を混合して液状の熱線吸収部組成物を調製した。
この液状組成物を賦型されたシート11Sの溝部12aに塗工し、次いで該塗膜を鉄製ドクターブレードでスキージし該(凹条)溝部外の該液状組成物のみを掻き取り除去し、該凹状溝内のみに該熱線吸収部組成物を充填して水銀灯からの紫外線を照射することにより、該熱線吸収部組成物を架橋硬化せしめて熱線制御シートを製造した。なお、熱線透過部の屈折率は1.55であり、熱線吸収部の屈折率は1.55である。
得られた熱線制御シートは、熱線吸収部の幅Waが11μm、高さTaが80μm、熱線吸収部のピッチPaが45μmであり、前述の式(3)による開口率Roが0.762(76.2%)、式(4)のアスペクト比Raが7.52であった。Ro=0.762を代入して、アスペクト比が下記の式(4)
式(4) tan(90−θ)(Ro/(1−Ro))≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
を満足しているかを検証したところ、5.22≦ Ra≦7.74 となりアスペクト比7.52は、当該式を満足していることが確認された。
また、得られた熱線制御シートの可視光透過率、日射透過率の測定結果を表6に示す。
比較例7
凹条溝群の主切断面の高さが150μm、幅が28μm、ピッチを60μmとした以外は実施例8と同様にして熱線制御シートを製造した。
得られた熱線制御シートは、熱線吸収部の幅Waが28μm、高さTaが150μm、熱線吸収部のピッチPaが60μmであり、前述の式(3)による開口率Roが0・533(53.3%)、式(4)のアスペクト比Raが5.36であった。Ro=0.533(53.3%)を代入して、アスペクト比が下記の式(4)
式(4) tan(90−θ)(Ro/(1−Ro))≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
を満足しているかを検証したところ、1.86≦ Ra≦3.55 となりアスペクト比5.36は、当該式を満足していないことが確認された。
得られた熱線制御シートの可視光透過率、日射透過率の測定結果を表6に示す。
実施例9
凹条溝群の主切断面の高さが79μm、幅が38μm、ピッチを70μmとした以外は実施例8と同様にして熱線制御シートを製造した。
得られた熱線制御シートは、熱線吸収部の幅Waが38μm、高さTaが79μm、熱線吸収部のピッチPaが70μmであり、前述の式(3)による開口率Roが0.457(45.7%)、式(4)のアスペクト比Raが2.08であった。Ro=0.457を代入して、アスペクト比が下記の式(4)
tan(90−θ)(Ro/(1−Ro))≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
を満足しているかを検証したところ、1.38≦ Ra≦2.74 となりアスペクト比2.08は、当該式を満足していることが確認された。
また、得られた熱線制御シートの可視光透過率、日射透過率の測定結果を表6に示す。
表6に示すように、30度入射時と60度入射時、すなわち冬と夏の日射透過率差が比較例7に比べ実施例8〜9のほうが大きくなっている。
また、可視光透過率においては0度入射と60度入射での透過率差が実施例8〜9のほうが小さくなっており、実施例の方が斜めから見た際に透明性が保たれていることを示している。
本発明の熱線制御シートは、日射量の高い時間帯に取り込む熱線を低減し、かつ当該時間帯以外には熱線を適切に取り入れることができるので、住宅等や農業栽培用温室の建物、あるいは乗り物等の窓等に貼付して熱線制御シートとして有効に利用できる。
1 基材シート
2 粘着層
3 表面保護層
10 熱線制御シート
10s シート面
11 熱線透過部
12 熱線吸収部
12a 溝部(凹部)
12s 底面
15 太陽光の照射光
16 入射光
20 建物
21 側壁
22 窓部

Claims (3)

  1. 複数の熱線透過部と、複数の熱線吸収部とを備えた、熱線制御シートであって、
    前記熱線吸収部は全光線透過率が50%以上であり、前記複数の熱線吸収部と熱線透過部とは、熱線吸収部が所定のピッチPaとなるように、シート面に平行な一方向に交互に配列しており、
    前記一方向に平行でシート面に垂直な断面において、前記複数の熱線吸収部の断面形状は、幅方向に幅Waを有し、厚み方向に高さTaを有し、下記式(1)および(2)の関係を満たす、熱線制御シート。
    式(1): Ta/(Pa−Wa)≧tan(90−θ
    [但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin77)で導かれるものとする。]
    式(2): Ta/Pa<tan(90−θ
    [但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin58)で導かれるものとする。]
  2. さらに、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roが、下記式(3)の条件を満たす、請求項1に記載の熱線制御シート。
    式(3): 0.2≦Ro≦0.9
  3. さらに、[(Pa−Wa)/Pa]で表される開口率Roと、[Ta/Wa]で表されるアスペクト比Raとが、下記式(3)及び(4)の条件を満たす、請求項1に記載の熱線制御シート。
    式(3): 0.2≦Ro≦0.9
    式(4): tan(90−θ)[Ro/(1−Ro)]≦Ra≦0.58e(3.4Ro)
    [但し、式中のθは、空気の屈折率をn、熱線透過部の屈折率をnとした場合において、θ=sin−1((n/n)×sin54)で導かれるものとする。]
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