JP2014137441A - 光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向に複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向に細長く延びる熱線吸収部4とを有し、熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有するようにして上記課題を解決した。このとき、光透過部5の屈折率をn1とし、熱線吸収部4の屈折率をn2としたとき、光透過部5と熱線吸収部4との境界領域6の屈折率n3が、屈折率n1と屈折率n2との間であることが好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向に複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向に細長く延びる熱線吸収部4とを有し、熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有するようにして上記課題を解決した。このとき、光透過部5の屈折率をn1とし、熱線吸収部4の屈折率をn2としたとき、光透過部5と熱線吸収部4との境界領域6の屈折率n3が、屈折率n1と屈折率n2との間であることが好ましい。
【選択図】図3
Description
本発明は、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓に関する。
夏季は室内への太陽光の取り込みを抑制して室内が暑くなりすぎるのを抑制することができ、冬季は室内への太陽光の取り込みを増して室内を暖めることができる熱線制御フィルムが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1には、紫外線、近赤外線及び遠赤外線を高効率で遮断し、かつ可視光線を高効率で透過させる熱線遮断ガラスが提供されている。この熱線遮断ガラスは、ガラス基板に赤外線吸収剤を主成分とするコーティング剤をパターン状に塗布することにより赤外線吸収層を形成してなる熱線遮断ガラス、又は、ガラス基板と、フィルム基材上に赤外線吸収剤を主成分とするコーティング剤をパターン状に塗布することにより赤外線吸収層を形成した熱線遮断フィルム基材とを貼り合わせてなる熱線遮断ガラスである。
また、特許文献2には、建物の側面、天窓用に適用でき、且つ、生産性がよく、製造費用の面でも問題がない光制御シートが提案されている。この光透過シートは、シート全体が、太陽光を透過する光透過性材料からなる光透過性部と、太陽光を吸収する光吸収材料からなる遮光部群とからなり、且つ、前記遮光部群は、シート内の一方向に、所定ピッチで、光吸収材料からなる遮光部を複数、配列させているものである。
上記した熱線制御フィルムや光透過シート等の光制御フィルムは、建物や自動車の窓ガラス等に貼るフィルムとして用いられるので、中から外又は外から中が綺麗に見える等の視認性が要求されている。しかしながら、上記した光制御フィルムを貼った窓ガラス等は、透かして見える物が二重又は多重に見えることがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした光制御フィルムを貼り合わせた光制御窓を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る光制御フィルムは、光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部と、前記光透過部の面内方向に複数配列され且つ前記光透過部の厚さ方向に細長く延びる熱線吸収部とを有し、前記熱線吸収部は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有することを特徴とする。
本発明に係る光制御フィルムにおいて、前記光透過部の屈折率をn1とし、前記熱線吸収部の屈折率をn2としたとき、前記光透過部と前記熱線吸収部との境界領域の屈折率n3が、前記屈折率n1と前記屈折率n2との間であるように構成できる。
本発明に係る光制御フィルムにおいて、前記境界領域の屈折率n3が、前記光透過部の屈折率n1と、前記熱線吸収部の屈折率n2との間で連続的に変化していてもよい。
本発明に係る光制御フィルムにおいて、前記硬化性樹脂を採取した後に当該硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とし、前記硬化性樹脂を採取した後に230℃で30分間の熱処理を施し、当該熱処理後の硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とし、さらに、P1/P2をAとし、P3/P4をBとしたとき、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たすことが好ましい。
本発明に係る光制御フィルムにおいて、波長633nmのHe−Neレーザーを前記光制御フィルムに照射したとき、当該光制御フィルムから10cm離れた位置での回折光の幅が、0mm以上8mm以下の範囲内であることが好ましい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る光制御フィルムの製造方法は、光透過性の硬化性樹脂で形成され、厚さ方向に細長く延びた賦形部が面内方向に複数配列されている光透過部を有する賦形フィルムを準備する工程と、前記賦形部に、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有する熱線吸収部形成用組成物を充填して熱線吸収部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る光制御フィルムの製造方法において、前記硬化性樹脂が、前記硬化性樹脂を採取した後に当該硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とし、前記硬化性樹脂を採取した後に230℃で30分間の熱処理を施し、当該熱処理後の硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とし、さらに、P1/P2をAとし、P3/P4をBとしたとき、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たすように構成できる。
本発明に係る光制御フィルムの製造方法において、前記光透過部の屈折率をn1とし、前記熱線吸収部の屈折率をn2としたとき、前記光透過部と前記熱線吸収部との境界領域の屈折率n3が、前記屈折率n1と前記屈折率n2との間であることが好ましい。
(3)上記課題を解決するための本発明に係る光制御窓は、上記本発明に係る光制御フィルムを窓に貼り合わせたことを特徴とする。
本発明によれば、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓を提供することができる。
詳しくは、熱線吸収部が、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有するので、そのヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を、光透過部を構成する硬化性樹脂に浸透させることができる。その結果として、光透過部と熱線吸収部との境界領域の屈折率n3を、光透過部の屈折率n1と熱線吸収部の屈折率n2との間にすることができ、両者の屈折率差を緩やかにして二重像又は多重像を抑制することができる。
以下、本発明に係る光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[光制御フィルム及びその製造方法]
本発明に係る光制御フィルム10は、図1及び図2に示すように、光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向Xに複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向Yに細長く延びる熱線吸収部4とを有している。この光透過部5と熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有している。なお、熱線吸収部4は、熱線選択吸収フィルム6を構成し、その熱線選択吸収フィルム6は、基材フィルム1上に、又はその基材フィルム1上に必要に応じて設けられたプライマー層2上に設けられている。
本発明に係る光制御フィルム10は、図1及び図2に示すように、光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向Xに複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向Yに細長く延びる熱線吸収部4とを有している。この光透過部5と熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有している。なお、熱線吸収部4は、熱線選択吸収フィルム6を構成し、その熱線選択吸収フィルム6は、基材フィルム1上に、又はその基材フィルム1上に必要に応じて設けられたプライマー層2上に設けられている。
こうした光制御フィルム10は、光透過性の硬化性樹脂で形成され、厚さ方向Yに細長く延びた賦形部R1が面内方向Xに複数配列されている光透過部5を有する賦形フィルム3を準備する工程と、その賦形部R1に、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有する熱線吸収部形成用組成物を充填して熱線吸収部4を形成する工程と、を有する方法で製造できる。
なお、賦形フィルム3は、凸部及び凹部で構成される賦形部(凹凸部)R1と、基材部R2とを有している。この賦形フィルム3を備えた光制御フィルム10は、賦形部R1の凹部に赤外線吸収材料を充填した熱線選択吸収フィルム6として用いられる。特に熱線選択吸収フィルム6は、夏季には室内への太陽光の取り込みを抑制して室内が暑くなりすぎるのを抑制することができ、冬季には室内への太陽光の取り込みを増して室内を暖めることができるように機能する。
以下、光制御フィルム10の各構成要素について詳しく説明するとともに、併せてその製造方法も説明する。
<基材フィルム>
基材フィルム1は、窓貼り用フィルムとしての透明性を有し、その上に熱線選択吸収フィルム6が設けられる基材として用いられる。基材フィルム1は、十分な強度を有するものであれば特に限定されず、実使用の見地からは、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィンポリマー、及びトリアセチルセルロース(TAC)等からなる基材フィルム1を挙げることができる。
基材フィルム1は、窓貼り用フィルムとしての透明性を有し、その上に熱線選択吸収フィルム6が設けられる基材として用いられる。基材フィルム1は、十分な強度を有するものであれば特に限定されず、実使用の見地からは、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィンポリマー、及びトリアセチルセルロース(TAC)等からなる基材フィルム1を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、これらの共重合体、及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等を挙げることができる。ポリエステル系樹脂のうちでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びこれらの共重合体が好ましく、ポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系ポリマー、シクロペンテン系ポリマー、シクロブテン系ポリマー等を挙げることができ、中でも、ノルボルネン系ポリマーを好ましく挙げることができる。
基材フィルム1の材質としてポリエステル系樹脂を適用する場合、その全てがポリエステル系樹脂の基材フィルム1であってもよいし、熱線選択吸収フィルム6が形成される側の面に少なくともポリエステル系樹脂層が形成された積層型の基材フィルム1であってもよい。この積層型の基材フィルム1では、熱線選択吸収フィルム6が形成される側のポリエステル系樹脂層以外の層は、ポリエステル系樹脂層でなくてもよい。ポリエステル系樹脂層以外の層としては、耐熱性、熱膨張及び光透過性等を考慮した各種の樹脂層を選定できる。
基材フィルム1の厚さは特に限定されないが、10μm以上、500μm以下の範囲内の程度であることが好ましい。基材フィルム1は、その厚さによって基材シートと呼ばれることがある。また、基材フィルム1は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。全光線透過率を80%以上とすることにより、透明性がより要求される場合に好ましく使用することができる。基材フィルム1は、必要に応じて着色剤を含んでいてもよいし、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。また、一軸延伸又は二軸延伸したフィルムは、透明性及び機械的強度が共に高いので好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムは、耐熱性、機械的強度、光透過性及びコスト等の点で好ましい。
こうした基材フィルム1は、市販品を購入することにより準備してもよいし、自前で製造することにより準備してもよい。基材フィルム1の製造方法としては、従来公知の製造方法を適用でき、例えば、溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法等を挙げることができる。
基材フィルム1の表面は、必要に応じて、後述する熱線選択吸収フィルム6又は必要に応じて設けられるプライマー層2との密着性を向上させるために表面処理されていることが好ましい。表面処理としては、酸化処理、凹凸化処理(粗面化処理)、易接着コート処理等を挙げることができる。酸化処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線照射処理等を挙げることができる。凹凸化処理(粗面化処理)としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等を挙げることができる。これらの表面処理は、基材フィルム1の種類に応じて選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、易接着コート処理は、基材フィルム1上に樹脂層等を薄くコーティングして接着性を向上させる処理であり、例えば、ポリエステル系樹脂層等を設ける方法がある。このときの樹脂層の厚さは、通常、0.005μm以上、0.2μm以下の範囲内の程度であり、好ましくは0.01μm以上、0.1μm以下の範囲内の程度である。ポリエステル系樹脂層は架橋されていることが好ましく、架橋剤としてはメラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤等を挙げることができる。
なお、基材フィルム1の他方の表面S4には、機能層が設けられていてもよい。機能層としては、マット剤層、表面保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、及び粘着層等を挙げることができる。これらの機能層のうち、表面保護層やハードコート層等は、光制御フィルム10を図2(A)に示す内貼り態様で窓ガラス20等に貼り合わせる場合に、基材フィルム1の表面に好ましく設けられ、粘着層8は、光制御フィルム10を図2(B)に示す外貼り態様で窓ガラス20等に貼り合わせる場合に基材フィルム1の表面に好ましく設けられる。
熱線選択吸収フィルム6が設けられる側の基材フィルム1上には、熱線選択吸収フィルム6との間の密着性を向上させるためのプライマー層2が必要に応じて設けられていてもよい。プライマー層2は特に限定されず、一般的な積層フィルムで用いられるプライマー層用樹脂組成物で形成したプライマー層2を挙げることができる。
プライマー層2を形成する樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着性の樹脂を好ましく挙げることができる。プライマー層2は、これらの樹脂の1種又は2種以上の樹脂で構成され、耐候性向上の点からはアクリル樹脂単体が特に好ましい。
プライマー層2の厚さは、通常、2μm以上、25μm以下の範囲であり、3μm以上、20μm以下の範囲であることが好ましい。厚さが2μm以上であれば、十分な接着性が得られ、厚さが25μm以下であれば、経済的に好ましい。プライマー層2には、必要に応じて各種の添加剤を含んでもよい。例えば、紫外線吸収剤や光安定剤の一方又は両方を含んでもよいし、その他の添加剤を含んでもよい。
<熱線選択吸収フィルム>
熱線選択吸収フィルム6は、図1及び図2に示すように、基材フィルム1上又は必要に応じて設けられるプライマー層2上に設けられている。この熱線選択吸収フィルム6は、光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向Xに複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向Yに細長く延びる熱線吸収部4とで構成されている。熱線選択吸収フィルム6は、凹部と凸部とを有する賦形部(凹凸部)R1が一方の面に設けられた賦形フィルム3を用いて形成される。その賦形フィルム3の賦形部R1の凸部が光透過部5を構成し、賦形部R1の凹部内に熱線吸収部形成用組成物を充填して熱線吸収部4が構成される。
熱線選択吸収フィルム6は、図1及び図2に示すように、基材フィルム1上又は必要に応じて設けられるプライマー層2上に設けられている。この熱線選択吸収フィルム6は、光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部5と、光透過部5の面内方向Xに複数配列され且つ光透過部5の厚さ方向Yに細長く延びる熱線吸収部4とで構成されている。熱線選択吸収フィルム6は、凹部と凸部とを有する賦形部(凹凸部)R1が一方の面に設けられた賦形フィルム3を用いて形成される。その賦形フィルム3の賦形部R1の凸部が光透過部5を構成し、賦形部R1の凹部内に熱線吸収部形成用組成物を充填して熱線吸収部4が構成される。
(光透過部)
光透過部5は、図1に示すように、熱線選択吸収フィルム6のうち、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂で形成され、厚さ方向Yに細長く延びた凹形状(楔形状)の賦形部R1が面内方向Xに並設されている部分である。この光透過部5は、赤外線吸収材料を含んでいない。したがって、光透過部5は、可視光を透過するとともに赤外線も透過する。光透過部5に入射した可視光であっても、賦形部R1に赤外線吸収材料が含まれてなる熱線吸収部4は赤外線を吸収するので、熱線吸収部4では少なくとも赤外線の透過が遮蔽される。
光透過部5は、図1に示すように、熱線選択吸収フィルム6のうち、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂で形成され、厚さ方向Yに細長く延びた凹形状(楔形状)の賦形部R1が面内方向Xに並設されている部分である。この光透過部5は、赤外線吸収材料を含んでいない。したがって、光透過部5は、可視光を透過するとともに赤外線も透過する。光透過部5に入射した可視光であっても、賦形部R1に赤外線吸収材料が含まれてなる熱線吸収部4は赤外線を吸収するので、熱線吸収部4では少なくとも赤外線の透過が遮蔽される。
光透過部5は、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂で形成されている。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらの樹脂の架橋硬化の態様としては、例えば、エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応により架橋硬化を促進でき;フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応により架橋硬化を促進でき;ユリア樹脂は、アルカリ性又は酸性の下での重縮合反応により架橋硬化を促進でき;不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応により架橋硬化を促進でき;メラミン樹脂は、メチロールメラミンの加熱重縮合反応により架橋硬化を促進でき;アルキド樹脂は、側鎖等に導入された不飽和基同士の空気酸化による反応により架橋硬化を促進でき;ポリイミド樹脂は、酸又は弱アルカリ触媒の存在下での反応により、又は、イソシアネート化合物との反応(2液型の場合)により架橋硬化を促進でき;シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応により架橋硬化を促進でき;水酸基官能性アクリル樹脂は、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)により架橋硬化を促進でき;カルボキシル官能性アクリル樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸等のカルボン酸とエポキシ化合物による反応により架橋硬化を促進でき;アミド官能性共重合体は、水酸基との反応又は自己縮合反応により架橋硬化を促進でき;ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応により架橋硬化を促進できる。これらの反応を利用した架橋剤又は硬化剤が通常用いられる。
電離放射線硬化性樹脂として、電子線で硬化する電子線硬化性樹脂と、紫外線で硬化する紫外線硬化性樹脂とが好ましく用いられる。電子線硬化性樹脂としては、所定の屈折率を有する透明な電子線硬化性樹脂であればよく、電子線硬化性樹脂として一般的に用いられている各種の重合性オリゴマー及びプレポリマーの中から選択された1種又は2種以上を用いることができる。重合性オリゴマー及びプレポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができ、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート系、カプロラクトンウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等のオリゴマー又はプレポリマー等を好ましく挙げることができ、これらを1種又は2種以上用いることができる。これらのうち、良好な耐候性を有するポリカーボネート系ウレタンアクリレートやポリエステル系ウレタンアクリレート等のウレタンアクリル共重合体樹脂が好ましい。なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。電子線硬化性樹脂は、特に溶剤等を使用する必要がない点から好ましい。
多官能性のウレタン(メタ)アクリレートとともに、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートを用いることができる。単官能性(メタ)アクリレートは、その粘度を調整する希釈剤等として、本発明の目的を損なわない範囲で併用してもよい。単官能性(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいし、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。
紫外線硬化性樹脂は、例えば、紫外線の照射により架橋重合が可能なラジカル重合性の樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリレート基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するモノマー(単量体)、オリゴマー及びプレポリマーから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。こうしたオリゴマー及びプレポリマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート及びポリオールアクリレート等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、単官能モノマー及び多官能モノマーを挙げることができる。単官能モノマーとしては、特に限定されないが、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカブロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー;フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、アクリロイルモルホリン等のアクリレートモノマー;及びアクリルアミド誘導体が挙げられる。多官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等、及びこれらのエチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、及びカプロラクタン変性物等が挙げられる。モノマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記したモノマーが結合して生成したオリゴマーやプレポリマーであってもよい。こうしたモノマー、オリゴマー及びプレポリマーは、要求される性能や工業生産性等に応じて、いずれか1種を単独で用いたり、いずれか2種を混合して用いたり、又は、各々の1種若しくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明においては、前記モノマー、オリゴマー及びプレポリマーと共に、その粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、希釈剤としては、上記のモノマーを用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
紫外線硬化性樹脂は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系化合物及びアシルフォスフォンオキサイド系化合物等を挙げることができる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等を挙げることができ、アシルフォスフォンオキサイド系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。光重合開始剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、光重合開始剤の配合量は、光透過部5を形成するための紫外線硬化性樹脂組成物の全量に対して、0.1質量%以上、5質量%以下の範囲内であることが好ましい。なお、光重合開始剤の定量方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析法で求めることができる。
熱硬化性樹脂組成物又は電子線硬化性樹脂組成物には、紫外線吸収剤や光安定化剤が含まれていても構わない。なお、紫外線吸収剤は、紫外線硬化性樹脂組成物中に含まれていてもよいが、その場合には、紫外線吸収剤が主に吸収する紫外線の波長と、紫外線硬化性樹脂を硬化させるために照射する紫外線の波長とがすれていることが必要である。両者の紫外線波長をずらすことにより、紫外線吸収剤を含む紫外線硬化性樹脂組成物を用いた場合であっても、所定波長の紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化して光透過部5を形成することができる。
紫外線吸収剤としては、無機系でも有機系でもよい。無機系の紫外線吸収剤としては、平均粒径が5nm以上、120nm以下の範囲内程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく挙げることができる。有機系の紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等を好ましく挙げることができる。中でも、紫外線吸収能が高く、また紫外線等の高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール、1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリ[{3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]、及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を挙げることができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等を挙げることができる。
光安定剤は、熱線選択吸収フィルム6を通過する太陽光50に含まれる紫外線の作用によりラジカルが発生した場合に、そのラジカルを捕獲して不活性化させることができ、光酸化劣化の進行を抑制することができるものであれば特に限定されない。光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましく、酸化反応を引き起こすフリーラジカルが生じた場合、そのフリーラジカルを触媒的に捕捉し、安定化させることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等を挙げることができる。また、反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤を用いてもよく、具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等を挙げることができる。
形成された光透過部5は、図1に示すように、厚さ方向Yに細長く延びた凹形状(楔形状)の賦形部R1を面内方向Xに並設している。賦形部R1は、光透過部5を構成する熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を硬化させる前に金型で所定の形状に賦形し、その賦形状態で加熱し又は電離放射線を照射して形成される。金型は、通常、凹形状(楔形状)を賦形するための凹凸部を表面に有したロール状又は板状の型である。電子線や紫外線等の電離放射線は、賦形される側の面との反対面から照射され、具体的には、基材フィルム1の側から照射される。
(熱線吸収部)
熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料赤外線吸収材料とを少なくとも有している。
熱線吸収部4は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料赤外線吸収材料とを少なくとも有している。
硬化性樹脂は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有している。硬化性樹脂自体は、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、上記した光透過部5の構成材料から任意に選択して用いることができる。
この硬化性樹脂の樹脂骨格は、ヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有している。ヘテロ環骨格とは、2種類以上の元素により構成される環構造であり、例えば、エチレンイミン、エチレンオキシド、エチレンスルフィド、アセチレンオキシド、アセチレンスルフィド、アジリン、アザシクロブタン、1,3−プロピレンオキシド、トリメチレンスルフィド、オキセチウムイオン、チエチウムイオン、アゼト、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、チアピラン、ピリジン、ピリリウムイオン、ヘキサメチレンイミン、ヘキサメチレンオキシド、ヘキサメチレンスルフィド、アザトロピリデン、オキシシクロヘプタトリエン、チオトロピリデン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン、ピラジン、モルホリン、チアジン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、クロメン、イソクロメン、アクリジン、キサンテン、カルバゾール、ベンゾ−C−シンノリン、ポルフィリン、クロリン、コリン等を挙げることができる。
中でも、ヘテロ単環であるエチレンイミン、エチレンオキシド、エチレンスルフィド、アセチレンオキシド、アセチレンスルフィド、アジリン、アザシクロブタン、1,3−プロピレンオキシド、トリメチレンスルフィド、オキセチウムイオン、チエチウムイオン、アゼト、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、チアピラン、ピリジン、ピリリウムイオン、ヘキサメチレンイミン、ヘキサメチレンオキシド、ヘキサメチレンスルフィド、アザトロピリデン、オキシシクロヘプタトリエン、チオトロピリデン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン、ピラジン、モルホリン、チアジン、が好ましい。
ヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造として好ましくは、N−ビニルピロリドン、アクリル酸テトラヒドロフルフリル(THF−A)等を挙げることができる。これらの単官能モノマー構造を熱線吸収部形成用樹脂組成物に配合することにより、ヘテロ環は高極性に起因する高い浸透性を示すため、光透過部5に単官能モノマー成分が浸透し、界面付近の屈折率の変化が緩やかになる。その結果、界面での光線反射を抑制でき、二重像又は多重像の発生が抑制される。なお、ヘテロ環骨格を有していたとしても、多官能モノマーや単官能オリゴマー等は、ヘテロ環骨格を有する単官能モノマーよりも浸透性が劣るため、多官能モノマーや単官能オリゴマーを単独で用いることは望ましくない。
屈折率については、光透過部5の屈折率をn1とし、熱線吸収部4の屈折率をn2としたとき、光透過部5と熱線吸収部4との境界領域7の屈折率n3が、屈折率n1と屈折率n2との間にある。このときの屈折率n3は、光透過部5の屈折率n1と、熱線吸収部4の屈折率n2との間で段階的に変化してもよいし、連続的に変化していてもよい。なお、光透過部5の屈折率n1と、熱線吸収部4の屈折率n2との差は、0.05未満であることが好ましく、境界領域7の屈折率n3はさらにその間の屈折率n3を有している。こうした屈折率の関係を示す光制御フィルム10は、熱線吸収部4と光透過部5との界面で発生する光の反射を抑制できるので、反射が光制御フィルム内で繰り返されて二重像や多重像が発生することを抑制することができる。
ヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造の含有量は、熱線吸収部形成用樹脂組成の全量に対して、固形分比で、5質量%以上、50質量%以下の範囲内であることが好ましい。含有量が5質量%未満では、浸透性の効果が得にくいことがあり、含有量が50質量%を超えると、硬化し難くなることがある。
ヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造が浸透性モノマーとして光透過部5との界面に容易に浸透するためには、光透過部5を構成する硬化性樹脂の硬化度が、50%以上、90%以下程度の範囲内であることが好ましい。この硬化度の範囲は定性的であるので、本発明では、IRスペクトル測定での結果で以下のように特定した。
すなわち、光制御フィルム10を構成する硬化性樹脂は、硬化性樹脂を採取した後に当該硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とし、前記硬化性樹脂を採取した後に230℃で30分間の熱処理を施し、当該熱処理後の硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とし、さらに、P1/P2をAとし、P3/P4をBとしたとき、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たすことが好ましい。
この「0.20」と「0.67」は、繰り返し検討を重ねた結果から導き出した数値である。この範囲で、ヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造が浸透性モノマーとして光透過部5との界面に容易に浸透し、二重像や多重像の発生を効果的に抑制することができた。そしてそのときの屈折率は、上記の関係を示していた。したがって、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たす場合に、本発明の効果を奏していた。
[(A−B)/A]が0.20未満の場合は、硬化度が90%程度を超えていると考えられ、浸透性モノマーを用いても光透過部5に十分に浸透できていないと考えられる。一方、[(A−B)/A]が0.67を超える場合は、硬化度が50%程度未満であると考えられ、硬化が不十分のため、溶け過ぎたり、手で触った際に跡が付く問題がある。
本発明に係る光透過フィルム10に波長633nmのHe−Neレーザーを照射したとき、光制御フィルム10から10cm離れた位置での回折光の幅が、0mm以上、8mm以下の範囲内であることが好ましい。
こうした熱線吸収部4は、前記した賦形部R1に赤外線吸収材料を充填して形成される。賦形部R1に赤外線吸収材料を充填してなる熱線吸収部4は、図4に示すように、夏季には室内への太陽光50中の赤外線の取り込みを抑制して室内が暑くなりすぎるのを抑制することができ、冬季には室内への太陽光50中の赤外線の取り込みを増して室内を暖めることができるように作用するものであれば、その形状は特に限定されない。通常は、厚さ方向Yに細長く延びている凹形状、具体的には楔形状等を挙げることができる。
赤外線吸収材料としては、太陽光の熱線(赤外線)を吸収する効果があれば特に限定されず、無機系の赤外線吸収材料や有機系の赤外線吸収材料のいずれも用いることができる。
無機系の赤外線吸収材料としては、例えば、金属酸化物系のナノ粒子を挙げることができる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)及び硫化亜鉛の群から選ばれる1種又は2種以上のナノ粒子を挙げることができる。これらの中で、アンチモンドープ酸化錫(ATO)又は錫ドープ酸化インジウム(ITO)のナノ微粒子が好ましいる。ナノ粒子、特にATO又はITOのナノ粒子の平均粒径は、ヘイズを抑制する観点から、1nm以上、300nm以下の範囲内が好ましく、1nm以上、100nm以下の範囲内がさらに好ましい。
金属酸化物系のナノ粒子は、赤外線を効率的に吸収する観点及び透明性の観点から、硬化性樹脂組成物中に0.2質量%以上、40質量%以下の範囲内含有することが好ましく、0.5質量%以上、35質量%以下の範囲内含有することがより好ましく、1質量%以上、30質量%以下の範囲内含有することが特に好ましい。
その他の無機系の赤外線吸収材料として、耐候性、近赤外線吸収性能及び可視光線透過性等の観点から、六ホウ化物及びタングステン酸化物が好ましい。六ホウ化物としては、LaB6、CeB6、PrB6、NdB6、GdB6、TbB6、DyB6、HoB6、YB6、SmB6、EuB6、ErB6、TmB6、YbB6、LuB6、SrB6、CaB6、(La,Ce)B6等を挙げることができる。また、タングステン酸化物のなかでは、複合酸化タングステンがさらに好ましい。複合酸化タングステンとしては、MmWOnで表される化合物を挙げることができる。この式中、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、及びIから選択される1種又は2種以上の元素を示し、m及びnは、0.001≦m≦1.0、2.2≦n≦3.0を満たす数である。
一方、有機系の赤外線吸収材料としては、例えば、シアニン系化合物;スクワリリウム系化合物;チオールニッケル錯塩系化合物;ナフタロシアニン系化合物;フタロシアニン系化合物;トリアリルメタン系化合物;ナフトキノン系化合物;アントラキノン系化合物;N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩、フェニレンジアミニウムの塩素塩、フェニレンジアミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸塩、フェニレンジアミニウムのフッ素塩、フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩等のアミノ化合物;銅化合物とビスチオウレア化合物との反応、リン化合物と銅化合物との反応、リン酸エステル化合物と銅化合物との反応、により得られるリン酸エステル銅化合物;等を挙げることができる。これらの中では、チオールニッケル錯塩系化合物(特開平9−230134号公報等)及びフタロシアニン系化合物が好ましい。特に、特開2000−26748号公報等に開示されているフッ素含有フタロシアニン化合物は、有機系の赤外線吸収材料の中で、可視光線透過性が高く、かつ耐熱性、耐光性、耐候性等の特性に優れることから、無機系と併用する場合に好ましい。
熱線吸収部4に用いられる硬化性樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で各種の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤等を挙げることができる。
なお、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下の範囲内の程度添加することが好ましい。なお、光重合用開始剤は、従来使用されているものを同様に使用することができる。
(形成方法)
賦形フィルム3は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、賦形し、硬化して形成する。このとき、基材フィルム1上又は必要に応じて設けられるプライマー層2上に賦形フィルム3を設ける第1の方法と、予め賦形フィルム3を設け、その賦形フィルム3の平坦面S2に基材フィルム1又は必要に応じて設けられるプライマー層2を設ける第2の方法がある。いずれの場合であっても、賦形フィルム3自体の形成方法に変わりはない。
賦形フィルム3は、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、賦形し、硬化して形成する。このとき、基材フィルム1上又は必要に応じて設けられるプライマー層2上に賦形フィルム3を設ける第1の方法と、予め賦形フィルム3を設け、その賦形フィルム3の平坦面S2に基材フィルム1又は必要に応じて設けられるプライマー層2を設ける第2の方法がある。いずれの場合であっても、賦形フィルム3自体の形成方法に変わりはない。
賦形フィルム3の作製方法は特に限定されず、各種の方法を適用できるが、代表例としては、基材フィルム1上又は必要に応じて設けられるプライマー層2上に、熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を設ける第1工程と、その熱硬化性樹脂組成物又は電離放射線硬化性樹脂組成物を賦形して、厚さ方向Yに細長く延びる凹形状に賦形部R1を形成する第2工程と、賦形された熱硬化性樹脂組成物を加熱し又は電離放射線硬化性樹脂組成物を電離放射線照射して硬化させ、前記賦形部R1を有した光透過部5を形成する第3工程と、前記賦形部R1内に赤外線吸収材料を充填して熱線吸収部4を形成する第4工程とを含む作製方法を挙げることができる。
(賦形フィルム)
形成する賦形フィルム3の寸法は特に限定されないが、凹凸部の底部S3と基材部のプライマー層側の面S2との距離T2が0.1mm以下であることが好ましい。また、凹凸部の頂部S1と基材部のプライマー層側の面S2との間の距離T1と、頂部S1と凹凸部の底部S3との距離T2との比(T2/T1)が、1/5以上、1/2以下の範囲内であるように構成してもよい。
形成する賦形フィルム3の寸法は特に限定されないが、凹凸部の底部S3と基材部のプライマー層側の面S2との距離T2が0.1mm以下であることが好ましい。また、凹凸部の頂部S1と基材部のプライマー層側の面S2との間の距離T1と、頂部S1と凹凸部の底部S3との距離T2との比(T2/T1)が、1/5以上、1/2以下の範囲内であるように構成してもよい。
なお、上記した光透過部5と熱線吸収部4とで構成された賦形フィルム3は、基材(図示しない)を有していてもよい。基材は、フィルム部材であり、上記した賦形フィルム3は、その基材上に熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を塗布した後に硬化して形成してもよい。すなわち、基材上に、光透過部5を形成するための樹脂組成物を塗布し、塗布した樹脂組成物を賦形しながら硬化させ、硬化した楔形状等の凹部に赤外線吸収材料等を充填することにより、熱線選択吸収フィルム6を得てもよい。基材は特に限定されず、上記した基材フィルム1と同様のものを用いることができる。
なお、賦形フィルム3には紫外線吸収剤や光安定剤を含有させてもよい。具体的には、上記したのと同様な紫外線吸収剤や光安定剤を必要に応じて含有させることができる。こうすることで、賦形フィルム自体にも、耐候性を付与することができる。紫外線吸収剤や光安定剤の含有量は、要求される賦形フィルム3の性質(太陽光(可視光線、赤外線)透過性、反射性、硬度等)を低下させない範囲であることが好ましい。
(熱線吸収部の機能)
図1に示す賦形形状を備えた光制御フィルム10は、熱線選択吸収フィルムとして用いられる。熱線選択吸収フィルムは、図4に示すように、熱線吸収部4と光透過部(熱線透過部)5とで少なくとも構成されている。
図1に示す賦形形状を備えた光制御フィルム10は、熱線選択吸収フィルムとして用いられる。熱線選択吸収フィルムは、図4に示すように、熱線吸収部4と光透過部(熱線透過部)5とで少なくとも構成されている。
図4は、熱線吸収部4の構造形態の詳しい説明図である。図4では、太陽光50の進行方向と水平方向とのなす角度をθ01とし、太陽光50が光制御フィルム10の光透過部5に入射した際の屈折角をθ02とし、光制御フィルム10の楔形状の熱線吸収部4の高さ、ピッチ及び底辺幅(楔形状の広い辺の幅)を、それぞれTa、P’、W2’としている。このとき、空気の屈折率をn0、光透過部5の屈折率をn2とすると、スネルの法則より、n0sinθ=n2sinθ01 となる。そして、θa=tan−1[{P’−(W2’/2)}/Ta]とした場合において、θaがθ02よりも小さい場合には、全ての光透過部5に入射した屈折光は、熱線吸収部4に当たって遮蔽されることになる。また、θaがθ02よりも大きい場には、θ02の大きさに対応して室内に太陽光50が取り入れられることになる。このように、θaとθ02との大小関係に対応して、太陽光50の室内への取り込み量が制御される。
したがって、光制御フィルム10が建物の南側壁面に設けられた窓ガラスに配置され、夏至の南中高度をθ1とし、秋分の日の南中高度をθ2とし、光透過部5に太陽光50が入射した際の屈折角を、それぞれθ10、θ20とした場合、スネルの法則より、n0sinθ1=n2sinθ10、n0sinθ2=n2sinθ20 、となり、θ20≦tan−1[{P’−(W2’/2)}/Ta]<θ10、となる。その結果、光透過部5と熱線吸収部4との境界面で反射が起こらない場合には、夏至の太陽光を100%遮断でき、春分の日〜夏至〜秋分の日の期間以外の期間では、太陽光の光制御フィルム10への入射の角度θに応じた量で、太陽光を室内に採光できる。
このとき、光透過部5と熱線吸収部4との屈折率を選択すれば、光透過部5と熱線吸収部4との境界面の反射を抑制することができる。その結果、実質的に夏至の太陽光を100%遮断することができる。なお、夏至では、光透過部5に入射した太陽光50が、光透過部5と熱線吸収部4との境界面での反射を少なくするという点からは、光透過部5の屈折率が、熱線吸収部4の屈折率と同じ又は熱線吸収部4の屈折率よりも低いことが好ましい。
特に本発明に係る光制御フィルム10では、光透過部5と熱線吸収部4との境界領域7の屈折率n3が、光透過部5の屈折率n1と熱線吸収部4の屈折率n2との間にあり、好ましくは光透過部5の屈折率n1と熱線吸収部4の屈折率n2との間で連続的に変化している。こうした境界領域7を有する光制御フィルム10は、境界面での反射が少なくなり、その結果、実質的に夏至の太陽光を100%遮断することができるという効果を奏する。
<表面保護層>
表面保護層11は、光制御フィルム10の表面のうち、窓ガラス等20に貼り合わされる側の反対側の最表面に必要に応じて設けられる。例えば図2(B)に示す態様のように、光制御フィルム10を窓ガラス等20の外側に貼り合わせる場合には、表面保護層11は、光制御フィルム10の最表面に設けられて、光制御フィルム10に耐候性や耐傷性等のハードコート性を付与する。また、例えば図2(A)に示す態様では、表面保護層は図示していないが、基材フィルム1の最表面S4に好ましく設けられる。
表面保護層11は、光制御フィルム10の表面のうち、窓ガラス等20に貼り合わされる側の反対側の最表面に必要に応じて設けられる。例えば図2(B)に示す態様のように、光制御フィルム10を窓ガラス等20の外側に貼り合わせる場合には、表面保護層11は、光制御フィルム10の最表面に設けられて、光制御フィルム10に耐候性や耐傷性等のハードコート性を付与する。また、例えば図2(A)に示す態様では、表面保護層は図示していないが、基材フィルム1の最表面S4に好ましく設けられる。
表面保護層11は、有機系材料で形成しても、無機系材料で形成してもよい。有機系材料としては、電離放射線硬化性樹脂を好ましく用いることができる。ここで用いる電離放射線硬化性樹脂は、上記した賦形フィルム3で用いるものと同じものを使用することができ、さらにハードコート性や耐候性を向上させるために、耐傷フィラーや、上記同様の紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤を含有させてもよい。また、その電離放射線硬化性樹脂には、その性能を阻害しない範囲で、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等を含有させてもよい。
有機系材料での表面保護層を11の形成は、光制御フィルム10上に各種の手段で設けることができる。例えば、塗布法、熱転写法、ヒートラミネート法又はドライラミネート法で設けることができる。表面保護層11を熱転写法、ヒートラミネート法又はドライラミネート法で設ける場合は、例えば図2(B)に示すように、熱融着層や粘着層等の下地層12を必要に応じて設けることが望ましい。また、表面保護層11を塗布法で設ける場合は、光制御フィルム10上に上記したプライマー層2と同様の下地層12を予め塗布形成してもよい。なお、有機系材料での表面保護層の形成は、例えば図1及び図2に示すような、表面が平坦なものに対して好ましく適用できる。
無機系材料での形成は、例えば図1及び図2に示すような、表面が平坦なものに対して好ましく適用できるし、図示しないが表面に凹凸形状がある場合でも好ましく適用できる。無機系材料としては、例えば、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウム、セリウム、及び亜鉛から選ばれる1種又は2種以上の元素を含有する無機化合物を挙げることができ、より具体的には、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化珪素亜鉛及び酸化インジウム合金等の酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び窒化チタン等の窒化物、酸化窒化珪素等の酸化窒化物を挙げることができる。
無機系材料での表面保護層の形成は、イオンプレーティング法又はプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)で成膜される。こうした各種の形成方法は、得ようとする表面保護層の物性及び厚さ等を考慮し、従来公知の成膜条件を適宜調整して行えばよい。
以上説明したように、本発明に係る光制御フィルム10及びその製造方法は、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性を高めることができる光制御フィルムを提供ができる。詳しくは、熱線吸収部4が、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有するので、そのヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を、光透過部5を構成する硬化性樹脂に浸透させることができる。その結果、光透過部5と熱線吸収部4との境界領域7の屈折率n3を、光透過部5の屈折率n1と熱線吸収部4の屈折率n2との間にすることができ、両者の屈折率差を緩やかにして二重像又は多重像を抑制することができる。
[光制御窓]
本発明に係る光制御窓30(30A,30B)は、上記した本発明に係る光制御フィルム10を窓ガラス等20に貼り合わせたものである。こうして構成した光制御窓30は、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム10が窓ガラス等20に貼り合わされているので、中から外又は外から中が綺麗に見える。
本発明に係る光制御窓30(30A,30B)は、上記した本発明に係る光制御フィルム10を窓ガラス等20に貼り合わせたものである。こうして構成した光制御窓30は、二重像又は多重像の発生を抑制でき、視認性の高い光制御フィルム10が窓ガラス等20に貼り合わされているので、中から外又は外から中が綺麗に見える。
光制御フィルム10の窓ガラス等20への貼り合わせは、窓ガラス等20と光制御フィルム10との間に粘着層8を介して貼り合わせて行わされる。図2(A)に示す内貼り型の光制御窓30Aは、通常、光制御フィルム10の賦形フィルム表面に粘着層8を設け、その粘着層8を窓ガラス等20の室内側表面に貼り合わせて構成されている。この態様で設けられる粘着層8は、太陽光50中の紫外線に直接曝されるので、上記した紫外線吸収剤や光安定剤が含まれていることが好ましい。一方、図3(B)に示す外貼り型の光制御窓30Bは、通常、光制御フィルム10の基材フィルム表面に粘着層8を設け、その粘着層8を窓ガラス等20の室外側表面に貼り合わせて構成されている。この態様で設けられる粘着層8には、上記した紫外線吸収剤や光安定剤は含まれていても含まれていなくてもよい。
粘着層8の構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。これらのうち、耐候性等の点からアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの重合体や共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤が好ましく、特にn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましい。また、架橋剤を添加することもでき、具体的には、イソシアネート系、金属キレート、エポキシ系、及びメラミン系の架橋剤を挙げることができる。
粘着剤の塗布量は、乾燥重量で10g/m2以上、30g/m2以下の範囲が好ましい。塗布量が10g/m2以上であれば、十分な接着力が得られ、30g/m2以下であれば、印刷加工時に粘着剤のはみ出しがない。粘着剤の塗布方法は、上記粘着剤を溶剤(酢酸エチル、トルエン等)で固形分20質量%以上、60質量%以下に希釈した塗布液を調製し、塗布する方法を適用できる。粘着剤の塗布装置は、公知の塗布装置であれば特に制限はなく、ナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロールコーター等が挙げられる。
なお、光制御フィルム10の予め粘着層8を設ける場合は、その粘着層8上に離型フィルム(図示しない)を設けておくことが好ましい。離型フィルムが設けられた光制御フィルム10は、窓ガラス等20に光制御フィルム10を貼り合わせる場合に、離型フィルムを剥がして粘着層8を窓ガラス等20に容易に貼り合わせることができる。離型フィルムとしては、上記した基材フィルム1と同様の材質からなるフィルム上に離型層を設けたものである、離型層としては、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等を挙げることができる。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
先ず、基材フィルム1として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、A4300)を用い、その易接着面上に、ポリカーボネート系ウレタン/アクリル共重合体樹脂からなる厚さが2μm〜3μmのプライマー層2を形成した。次に、そのプライマー層2上に、下記組成に調製した賦形フィルム形成用の紫外線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布した。
先ず、基材フィルム1として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、A4300)を用い、その易接着面上に、ポリカーボネート系ウレタン/アクリル共重合体樹脂からなる厚さが2μm〜3μmのプライマー層2を形成した。次に、そのプライマー層2上に、下記組成に調製した賦形フィルム形成用の紫外線硬化性樹脂組成物を、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布した。
(賦形フィルム形成用の紫外線硬化性樹脂組成物の組成)
・ウレタンアクリレート系プレポリマー 70質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートモノマー(DPHA) 28質量部
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・ウレタンアクリレート系プレポリマー 70質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートモノマー(DPHA) 28質量部
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
次に、塗布した紫外線硬化性樹脂組成物に熱線吸収部用の凹部を賦形するためのロール状金型を準備した。このロール状金型は、その表面の円周方向に直線状に連なる凸部が78μm周期で複数条互いに平行に並設した凸条群(熱線吸収部と逆形状の群)を有している。凸部は、その主切断面が高さ63μmで表面側の幅が24μmの長方形となっている。こうして準備されたロール状金型を、上記プライマー層2上に塗布した紫外線硬化性樹脂組成物に押し当て、その状態で水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射した。紫外線の照射により、紫外線硬化性樹脂組成物が架橋硬化し、その後にロール状金型を離型してプライマー層2上に賦形フィルム3を形成した。賦形フィルム3の表面には、一方向に直線状に連なる凹状溝が設けられている。その凹状溝は、その主切断面が、高さTa63μmで幅Wa24μmの長方形となる溝部である。
次に、下記組成に調製した熱線吸収部形成用の紫外線硬化性樹脂組成物aを、前記した溝部に塗工した。
(熱線吸収部形成用の紫外線硬化性樹脂組成物a)
・2官能アクリレート 30質量部
・2官能ウレタンアクリレート 43質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 5質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 30質量部
・2官能ウレタンアクリレート 43質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 5質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
次に、塗布した紫外線硬化性樹脂組成物aを鉄製のドクターブレードでスキージし、溝部外の紫外線硬化性樹脂組成物aを掻き取り除去し、溝部内のみに紫外線硬化性樹脂組成物aを充填した。その後、充填した溝部に水銀灯からの紫外線を2000mJ/cm2の照射密度で照射することにより、紫外線硬化性樹脂組成物aを架橋硬化して熱線吸収部4を形成した。こうして得た光制御フィルム10は、基材フィルム1(PETフィルム)と、その基材フィルム1上に設けられたプライマー層2と、そのプライマー層2上に設けられた賦形フィルム3(熱線選択吸収フィルム6)とで構成され、熱線選択吸収フィルムとして用いられる。
[実施例2]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物bを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物bを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物bを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物bを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物b)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[実施例3]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物cを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物cを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例3の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物cを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物cを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例3の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物c)
・2官能アクリレート 10質量部
・2官能ウレタンアクリレート 18質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 50質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 10質量部
・2官能ウレタンアクリレート 18質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 50質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[実施例4]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物dを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物dを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を2000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例4の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物dを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物dを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を2000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例4の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物d)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[実施例5]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物eを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物eを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を12000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物eを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物eを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を12000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物e)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[実施例6]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物fを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物fを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例6の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物fを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物fを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例6の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物e)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・アクリル酸テトラヒドロフルフリル(シクロ骨格を有する単官能モノマー。東京化成工業社) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・アクリル酸テトラヒドロフルフリル(シクロ骨格を有する単官能モノマー。東京化成工業社) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[実施例7]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物gを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物gを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を4000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例7の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物gを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物gを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を4000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例7の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物g)
・2官能アクリレート 3質量部
・2官能ウレタンアクリレート 5質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 70質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 3質量部
・2官能ウレタンアクリレート 5質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 70質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[比較例1]
シクロ骨格を有する単官能モノマーを有していない下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物hを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物hを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例1の光制御フィルム10を製造した。
シクロ骨格を有する単官能モノマーを有していない下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物hを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物hを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例1の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物h)
・2官能アクリレート 35質量部
・2官能ウレタンアクリレート 43質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 35質量部
・2官能ウレタンアクリレート 43質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[比較例2]
シクロ骨格を有する単官能モノマーを有していない下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物iを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物iを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例2の光制御フィルム10を製造した。
シクロ骨格を有する単官能モノマーを有していない下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物iを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物iを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を5000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例2の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物i)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・フェノールEO変性アクリレート(シクロ骨格を有さない単官能モノマー。東亞合成株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・フェノールEO変性アクリレート(シクロ骨格を有さない単官能モノマー。東亞合成株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[比較例3]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物jを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物jを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を500mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例3の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物jを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物jを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を500mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例3の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物j)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[比較例4]
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物kを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物kを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を18000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例4の光制御フィルム10を製造した。
下記組成に調製した熱線吸収部形成用組成物kを用い、その紫外線硬化性樹脂組成物kを充填した溝部に水銀灯からの紫外線を18000mJ/cm2の照射密度で照射して熱線吸収部4を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして比較例4の光制御フィルム10を製造した。
(熱線吸収部形成用組成物k)
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
・2官能アクリレート 20質量部
・2官能ウレタンアクリレート 28質量部
・N−ビニルピロリドン(シクロ骨格を有する単官能モノマー。日本触媒株式会社製) 30質量部
・ATOナノ粒子(平均粒子径:100nm) 20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ社製) 2質量部
[評価方法]
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた光制御フィルムについて、各部の屈折率の測定、光透過部のIRスペクトル測定、視認性の評価及び回折幅の測定を行った。
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた光制御フィルムについて、各部の屈折率の測定、光透過部のIRスペクトル測定、視認性の評価及び回折幅の測定を行った。
(屈折率の測定)
光制御フィルム10を構成する光透過部5のバルク部分(熱線吸収部4との界面付近以外の部分)を採取して測定試料とし、反射分光膜厚計(型名:FE−3000、大塚電子株式会社製)にて屈折率n1を測定した。次いで、光制御フィルム10を構成する熱線吸収部4のバルク部分(光透過部5との界面付近以外の部分)を採取し、上記同様にして屈折率n2を測定した。次いで、光制御フィルム10を構成する熱線吸収部4と光透過部5との境界部分を採取し、上記同様にして屈折率n3を測定した。その結果を表1に示す。
光制御フィルム10を構成する光透過部5のバルク部分(熱線吸収部4との界面付近以外の部分)を採取して測定試料とし、反射分光膜厚計(型名:FE−3000、大塚電子株式会社製)にて屈折率n1を測定した。次いで、光制御フィルム10を構成する熱線吸収部4のバルク部分(光透過部5との界面付近以外の部分)を採取し、上記同様にして屈折率n2を測定した。次いで、光制御フィルム10を構成する熱線吸収部4と光透過部5との境界部分を採取し、上記同様にして屈折率n3を測定した。その結果を表1に示す。
(IRスペクトル測定)
光制御フィルム10を構成する光透過部5のバルク部分を縦横10〜20μmの角形に切り取って測定試料とし、顕微FT−IRシステム(型名:Nicolet iN10、日立ハイテク株式会社製)にてIRスペクトルを測定した。
光制御フィルム10を構成する光透過部5のバルク部分を縦横10〜20μmの角形に切り取って測定試料とし、顕微FT−IRシステム(型名:Nicolet iN10、日立ハイテク株式会社製)にてIRスペクトルを測定した。
IRスペクトル測定で得られた810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とした。次いで、同じ測定試料を230℃で30分間の熱処理を施し、熱処理後の測定試料をIRスペクトル測定した。得られた810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とした。P1/P2の強度比をAとし、P3/P4の強度比をBとしたときの[(A−B)/A]を算出した。なお、ピーク強度は、測定データの絶対値で評価した。その結果を表1に示す。
(視認性)
光制御フィルム10の視認性は、光制御フィルム10を蛍光管にかざして評価した。詳しくは、光制御フィルム10の面内方向に複数配列された熱線吸収部4が延びる方向と、蛍光管の延びる方向とを合わせ、光制御フィルム10を蛍光管にかざしたときに、二重像や多重像が観察されるか否かで評価した。○は多重像少ない場合とし、×は多重像が多い場合とした。
光制御フィルム10の視認性は、光制御フィルム10を蛍光管にかざして評価した。詳しくは、光制御フィルム10の面内方向に複数配列された熱線吸収部4が延びる方向と、蛍光管の延びる方向とを合わせ、光制御フィルム10を蛍光管にかざしたときに、二重像や多重像が観察されるか否かで評価した。○は多重像少ない場合とし、×は多重像が多い場合とした。
(回折幅)
図5に示すように、レーザー光源61から波長633nmのHe−Neレーザー61を光制御フィルム10に照射し、レーザー61が光制御フィルム10で回折した幅(回折幅)を測定した。測定は、光制御フィルム10から所定の距離E(10cm)離れた位置に白板を配置し、その白板上に広がった回折光の幅Fを測定して評価した。その結果を表1に示す。
図5に示すように、レーザー光源61から波長633nmのHe−Neレーザー61を光制御フィルム10に照射し、レーザー61が光制御フィルム10で回折した幅(回折幅)を測定した。測定は、光制御フィルム10から所定の距離E(10cm)離れた位置に白板を配置し、その白板上に広がった回折光の幅Fを測定して評価した。その結果を表1に示す。
[結果]
結果を表1に示す。実施例1〜7の光制御フィルム10は、視認性が良好で、顕著な二重像や多重像が見られなかった。この良好な視認性は、回折幅が0mm〜8mmの範囲内であることからも説明できる。また、境界領域の屈折率n3は、いずれも、光透過部5の屈折率n2と熱線吸収部4の屈折率n2との間であった。また、IRスペクトル測定から得られた強度比の結果からは、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たすことが確認された。
結果を表1に示す。実施例1〜7の光制御フィルム10は、視認性が良好で、顕著な二重像や多重像が見られなかった。この良好な視認性は、回折幅が0mm〜8mmの範囲内であることからも説明できる。また、境界領域の屈折率n3は、いずれも、光透過部5の屈折率n2と熱線吸収部4の屈折率n2との間であった。また、IRスペクトル測定から得られた強度比の結果からは、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たすことが確認された。
一方、比較例1〜4の光制御フィルムは、視認性に劣り、又は、硬化が不十分で測定できないものもあった。
1 基材フィルム
2 プライマー層
3 賦形フィルム(賦形部)
4 熱線吸収部
4A 熱線吸収部の賦形面
4S 熱線吸収部の頂部表面
5 光透過部(熱線透過部)
6 熱線選択吸収フィルム
7 境界領域
8 粘着層
10 光制御フィルム
11 表面保護層
12 表面保護層の下地層
20 窓(窓ガラス)等
30,30A,30B 光制御窓
50 太陽光
60 レーザー光源
61 He−Neレーザー
62 回折光
2 プライマー層
3 賦形フィルム(賦形部)
4 熱線吸収部
4A 熱線吸収部の賦形面
4S 熱線吸収部の頂部表面
5 光透過部(熱線透過部)
6 熱線選択吸収フィルム
7 境界領域
8 粘着層
10 光制御フィルム
11 表面保護層
12 表面保護層の下地層
20 窓(窓ガラス)等
30,30A,30B 光制御窓
50 太陽光
60 レーザー光源
61 He−Neレーザー
62 回折光
R 凹凸形状(賦形形状)
R1 凹凸部(賦形部)
R2 基材部
S1 凸部の頂部
S2 基材部の基材フィルム側の面
S3 凹部の底部
S4 光制御フィルムの基材フィルムの表面(賦形フィルム側の面の反対面)
T1 凸部の頂部と基材部の基材フィルム側の面との間の距離
T2 凹部の底部と基材部の基材フィルム側の面との距離
Ta 熱線吸収部の高さ
P 凹部の底部ピッチ
P’ 凸部の頂部ピッチ
W1 凹部の底部間の幅
W2 凹部の底部の幅
W1’ 凸部の頂部の幅
W2’ 凸部の頂部間の幅
L 法線
θ 法線と賦形面との角度
θ01 太陽光の進行方向と水平方向とのなす角度
θ02 太陽光が光透過部に入射した際の屈折角
θa 法線との角度
Wa 熱線吸収部の頂部幅
X 面内方向
Y 厚さ方向
E 光制御フィルムからの距離
F 回折幅
R1 凹凸部(賦形部)
R2 基材部
S1 凸部の頂部
S2 基材部の基材フィルム側の面
S3 凹部の底部
S4 光制御フィルムの基材フィルムの表面(賦形フィルム側の面の反対面)
T1 凸部の頂部と基材部の基材フィルム側の面との間の距離
T2 凹部の底部と基材部の基材フィルム側の面との距離
Ta 熱線吸収部の高さ
P 凹部の底部ピッチ
P’ 凸部の頂部ピッチ
W1 凹部の底部間の幅
W2 凹部の底部の幅
W1’ 凸部の頂部の幅
W2’ 凸部の頂部間の幅
L 法線
θ 法線と賦形面との角度
θ01 太陽光の進行方向と水平方向とのなす角度
θ02 太陽光が光透過部に入射した際の屈折角
θa 法線との角度
Wa 熱線吸収部の頂部幅
X 面内方向
Y 厚さ方向
E 光制御フィルムからの距離
F 回折幅
Claims (9)
- 光透過性の硬化性樹脂で形成された光透過部と、前記光透過部の面内方向に複数配列され且つ前記光透過部の厚さ方向に細長く延びる熱線吸収部とを有し、
前記熱線吸収部は、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有することを特徴とする光制御フィルム。 - 前記光透過部の屈折率をn1とし、前記熱線吸収部の屈折率をn2としたとき、前記光透過部と前記熱線吸収部との境界領域の屈折率n3が、前記屈折率n1と前記屈折率n2との間である、請求項1に記載の光制御フィルム。
- 前記境界領域の屈折率n3が、前記光透過部の屈折率n1と、前記熱線吸収部の屈折率n2との間で連続的に変化している、請求項1又は2に記載の光制御フィルム。
- 前記硬化性樹脂を採取した後に当該硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とし、
前記硬化性樹脂を採取した後に230℃で30分間の熱処理を施し、当該熱処理後の硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とし、さらに、
P1/P2をAとし、P3/P4をBとしたとき、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光制御フィルム。 - 波長633nmのHe−Neレーザーを前記光制御フィルムに照射したとき、当該光制御フィルムから10cm離れた位置での回折光の幅が、0mm以上8mm以下の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光制御フィルム。
- 光透過性の硬化性樹脂で形成され、厚さ方向に細長く延びた賦形部が面内方向に複数配列されている光透過部を有する賦形フィルムを準備する工程と、
前記賦形部に、樹脂骨格中にヘテロ環骨格を有する単官能モノマー構造を有する硬化性樹脂と、熱線を吸収する赤外線吸収材料とを少なくとも有する熱線吸収部形成用組成物を充填して熱線吸収部を形成する工程と、を有することを特徴とする光制御フィルムの製造方法。 - 前記硬化性樹脂が、前記硬化性樹脂を採取した後に当該硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP1とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP2とし、前記硬化性樹脂を採取した後に230℃で30分間の熱処理を施し、当該熱処理後の硬化性樹脂をIRスペクトル測定して得た810cm−1のC=C結合のピーク強度をP3とし、1460cm−1のCOO結合のピーク強度をP4とし、さらに、P1/P2をAとし、P3/P4をBとしたとき、0.20≦[(A−B)/A]≦0.67を満たす、請求項6に記載の光制御フィルムの製造方法。
- 前記光透過部の屈折率をn1とし、前記熱線吸収部の屈折率をn2としたとき、前記光透過部と前記熱線吸収部との境界領域の屈折率n3が、前記屈折率n1と前記屈折率n2との間である、請求項6又は7に記載の光制御フィルムの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光制御フィルムを窓に貼り合わせたことを特徴とする光制御窓。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013005273A JP2014137441A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013005273A JP2014137441A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓 |
Publications (1)
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---|---|
JP2014137441A true JP2014137441A (ja) | 2014-07-28 |
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ID=51414984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013005273A Pending JP2014137441A (ja) | 2013-01-16 | 2013-01-16 | 光制御フィルム及びその製造方法並びに光制御窓 |
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JP (1) | JP2014137441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101817565B1 (ko) * | 2016-11-25 | 2018-01-11 | 주식회사 다이프로 | 채광 성능이 향상된 투광성 필름 및 이의 제조 방법 |
KR20190016429A (ko) * | 2017-08-08 | 2019-02-18 | 삼성전자주식회사 | 광학 부재, 편광 부재 및 표시 장치 |
KR20220026357A (ko) * | 2020-08-25 | 2022-03-04 | 글로텍 주식회사 | 보안 기능성 광변색 필름 |
-
2013
- 2013-01-16 JP JP2013005273A patent/JP2014137441A/ja active Pending
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WO2018097360A1 (ko) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | 주식회사 다이프로 | 채광 성능이 향상된 투광성 필름 및 이의 제조 방법 |
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JP2019032439A (ja) * | 2017-08-08 | 2019-02-28 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 光学部材、偏光部材および塗布溶液 |
KR102589855B1 (ko) * | 2017-08-08 | 2023-10-17 | 삼성전자주식회사 | 광학 부재, 편광 부재 및 표시 장치 |
KR20220026357A (ko) * | 2020-08-25 | 2022-03-04 | 글로텍 주식회사 | 보안 기능성 광변색 필름 |
KR102616459B1 (ko) * | 2020-08-25 | 2023-12-21 | 글로텍 주식회사 | 보안 기능성 광변색 필름 |
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