JP4463272B2 - 透明積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、透明積層体に関するものであり、更に詳しく述べるならば、例えばプラズマディスプレイ等の表示装置の表示面の光学フィルターとして有用な透明積層体に関するものである。
プラズマディスプレイ装置(以下、PDPと略記することがある。)は、表示電極、バス電極、誘電体層および保護層を有する前面ガラス基板と、データ電極、誘電体層およびストライプバリヤリブに蛍光体層を有する背面ガラス基板とを、電極が直交するように貼り合せる事によりセルを形成し、このセルの中に、キセノン等の放電ガスを封入して構成されている。プラズマディスプレイ装置の発光は、データ電極と表示電極との間に電圧が印加されることによりキセノンの放電が起こり、プラズマ状態となったキセノンイオンが基底状態に戻る際に紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体層を励起して、赤(R)、緑(G)、及び青(B)色光を発光させる。これら可視光の発光の過程で、これらの可視光に加え、近赤外線および電磁波も発生する。そのため、プラズマディスプレイ装置には、一般にガラス基材のプラズマディスプレイ発光部の前面に、反射防止膜、近赤外線吸収膜、および電磁波カット機能が付与されたフィルターが、設置されている。
プラズマディスプレイ装置は、薄型ディスプレイ装置として、設置スペースが小さく、壁掛け表示装置などとして有用であると考えられている。しかし、上述したプラズマディスプレイ装置では、例えば、特開平10−319859号公報(特許文献1)に記載されているように発光手段を含むPDP装置上に、それから、一定の空間を隔てて、ガラス上に何層かのフィルムを積層したフィルム積層体を貼り合わせて構成された光学フィルター手段を設置しているため、十分な軽量化が達成されているとはいえず、実際、一般の家庭用家屋内の壁に掛けるためには、壁が十分に強固であることが必要であり、予め壁自体に補強工事を施すことが必要となる場合もある。また、PDPの前面ガラス部、光学フィルターの表面および裏面の反射により、外光が表示面に二重映りする等の欠点がある。一般に光学フィルターに用いられる電磁波遮蔽フィルムの主なものは、エッチング処理された金属(銅)メッシュであるか、そのエッチングされた端面に金属(銅)が露出しているため、金属(銅)特有の反射色が表示画像の色調に不具合を与えている。
特開平10−319859号公報
本発明は、優れた反射防止性、近赤外線遮蔽性、及び電磁波遮蔽性を併せ具備し、耐久性及び視認性にも優れ、軽量であって製造および取り扱いが容易であり、例えばプラズマディスプレイ装置等の表示装置の表示面に、光学フィルターとして用いることのできる透明積層体を提供しようとするものである。
本発明の透明積層体は、第1透明基材と、その一面上に形成された反射防止層と、他の面上に形成された近赤外線遮蔽層とを含む第1積層部、第2透明基材と、その一面上に形成された電磁波遮蔽層とからなる第2積層部、並びに、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記第2積層部とを接合する接着剤層とを有し、
前記第1積層部の近赤外線遮蔽層が近赤外線吸収色素として、ジイモニウム化合物カオチンと、下記化学式(1):
(CF 3 SO 2 2 - (1)
により表されるカウンターアニオンとにより構成される近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物を含む
ことを特徴とするものである。
本発明の透明積層体において、前記電磁波遮蔽層が金属メッシュ層であることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と前記第2積層部の電磁波遮蔽層とが接合されていることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第2積層部が、前記第2透明基材の他の面上に形成された裏面接着剤層をさらに有することができる。
本発明の透明積層体において、前記第2積層部の裏面接着剤層の接着強度が1〜20N/25mmであることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層が、
前記近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物第1近赤外線吸収色素として含み
さらに750〜950nmの近赤外波長の領域に吸収極大を有し、かつ前記ジイモニウム系化合物とは異種の少なくとも1種の色素化合物からなる第2近赤外線吸収色素と、
少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の重合体を含む透明性樹脂とを含み、また、
前記透明性樹脂用重合体を構成するエチレン性不飽和単量体の少なくとも30質量%が、下記一般式(2):
Figure 0004463272
〔但し、前記式(2)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Xは6〜25個の炭素原子を有する環状炭化水素基を表す〕
により表される単量体であることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に含まれる近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物が、下記化学式(3):
Figure 0004463272
により表される化合物であることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に含まれる前記透明性樹脂が、60〜120℃のガラス転移温度と、20,000〜80,000の数平均分子量と、200,000〜400,000の重量平均分子量とを有することが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の前記反射防止層が、ハードコート層と、このハードコート層上に積層された導電性中屈折率層と、前記導電性中屈折率層上に積層された高屈折率層と、この高屈折率層上に積層された低屈折率層とから構成されていることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記反射防止層に含まれる前記ハードコート層は、酸化物微粒子とバインダー成分とを含有し、前記酸化物微粒子の含有率が30質量%以上であることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第2積層部に含まれる前記金属メッシュ層が、黒色金属の電解メッキにより黒色化されている表面を有する金属メッシュを含むことが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記電磁波遮蔽層の厚さが1〜15μmであることが好ましい。
本発明の透明積層体において、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記接着剤層との間に、衝撃吸収層がさらに含まれていてもよい。
本発明の透明積体の製造方法は、第1透明基材の一面上に反射防止層を形成し、その後に、第1透明基材の他の面上に近赤外線遮蔽層を形成して第1積層部を形成し、別に第2透明基材の一面上に金属メッシュ層を形成して第2積層部を形成し、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記第2積層部の金属メッシュ層とを接着剤層を介して接合して積層体を形成することを含み、
前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に、近赤外線吸収色素として、ジイモニウム化合物カオチンと、下記化学式(1):
(CF 3 SO 2 2 - (1)
により表されるカウンターアニオンとにより構成される少なくとも1種の近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物を含ませることを特徴とするものである。
本発明方法において、前記第2積層部の金属メッシュ層を形成するために、第2透明基材の一面上に、触媒を含有するインクにより、所望メッシュパターンを有する画像を印刷し、前記印刷された面上に無電解金属メッキ及び/又は電解金属メッキを施して、前記触媒含有インク画像のパターンに従って金属を析出させ、前記第2透明基材上に固定することが好ましい。
本発明の透明積層体は、反射防止性、近赤外線遮蔽性、電磁波遮蔽性、使用耐久性、画像の肉眼観察の容易性、に優れ、軽量であり従って、製造及び取扱いが容易であって、例えばプラズマディスプレー装置などの各種表示装置の表示面の光学フィルターとして実用的に有用なものである。
図1に示されているように、本発明の透明積層体1は、第1透明基材11と、その片面に形成された反射防止層12と、他の片面に形成された近赤外線遮蔽層13とを有する第1積層部61、第2透明基材21と、その片面に形成された電磁波遮蔽層22とを有する第2積層部62、並びに、前記第1積層部61と、前記第2積層部62とを接合する接着剤層31を含むものである。
従来の光学フィルター用透明積層体においては、前記の各機能層をそれぞれ別々の透明基材上に形成し、これらの機能層を担持する透明基材を接着層を介してガラスパネルと積層することにより形成されていた。
本発明の透明積層体においては、第1の透明基材の片面に反射防止層を形成し、他の片面に近赤外線遮蔽層を形成しているため、透明基材および接着層の数を減らし、かつ高透過率及び低ヘーズを実現し、それによって改良された光学特性を得ることができる。
本発明の透明積層体は、上記のような構成を有しているため、各機能に寄与せず、場合によっては悪影響を与えることのある基材の数、及び接着層の数を減らしながら、各種の機能を複合して具備している一体の透明積層体を構成している。また、接着工程数が1回で済むため、製造工程数を減らし、製造歩留りが向上し、製品の性能が安定し、かつ信頼性も向上する。また、反射防止層が、透明積層体の最外層を形成するため、優れた反射防止効果が得られる。
また、本発明の透明積層体は、第1透明基材と、その各面に形成された反射防止層と近赤外線遮蔽層とを有する第1積層部と、第2透明基材と、その片面に形成された電磁波遮蔽層とを有する第2積層部とが、第1積層部の近赤外線遮蔽層側と、第2積層部の電磁波遮蔽層側とを接着剤層を介して積層接合されていることが好ましい。この場合、近赤外線遮蔽層および電磁波遮蔽層が、第1および第2透明基材の間に挟まれて保護されているため、その性能の耐久性、耐候性に優れ、信頼性に優れたものとなる。また、電磁波遮蔽層として金属メッシュ層を用いる場合、接着剤層が金属メッシュ層の金属メッシュの空隙部分を充填し、空隙部のない透明積層体が得られる。
(第1及び第2透明基材)
第1の透明基材および第2の透明基材は、それが透明材料である限り、その種類、組成などに限定はない。第1及び第2透明基材を構成する材料は、一般に透明プラスチック材料から選ばれることが好ましく、例えば、プレート状又はシート状、又はフィルム状のポリエステル系基材、トリアセチルセルロース基材、ポリカーボネート基材、ポリエーテルサルフォン基材、ポリアクレリート基材、ノルボンネン系基材、及び非晶質ポリオレフィン系基材等から適宜選択することができ、また、その厚さにも特段の限定はなく、通常50μm〜10mm程度のフィルム状またはプレート状のものを用いることができる。ポリエステル系基材としては、なかでもポリエチレンテレフタレート(以下PETとも称する)基材は、耐久性、耐溶剤性、生産性等の点においてすぐれているため好ましく用いられている。また、第1の透明基材および第2の透明基材は、色調や透過率を調整するため、着色されたものを用いてもよい。
本発明の透明積層体は、プラズマディスプレイに必要とされる反射防止効果、近赤外線遮蔽効果および電磁波遮蔽効果においてすぐれている。このため、本透明積層体を、ガラス、プラスチック等のパネルに貼り付けるか、あるいはプラズマディスプレイの表示面に直接貼り付けることによりプラズマディスプレイの表示面に、優れた特性を有する光学フィルターを形成することができる。特に、第1透明基材および第2透明基材として、フィルム状の透明プラスチック基材を用いると、軽量で柔軟性を有する透明積層体を構成することができるため、このような基材を含む本発明の透明積層体は、プラズマディスプレイの表示面に直接貼り付ける場合に特に好適である。
(第1の透明基材の紫外線遮蔽性について)
また、本発明の透明積層体においては、第1の透明基材として、紫外線遮蔽性を有する材料を用いることが好ましい。これは、近赤外線遮蔽層に用いられる近赤外線吸収色素は、通常紫外線に対する耐性が低く、第1透明基材として紫外線遮蔽性を有する材料を用いることにより、近赤外線吸収色素の劣化を抑制することができるからである。例えば、上述の材料からなる第1透明基材中に紫外線吸収剤を含有させることにより、紫外線遮蔽性を有する透明基材を得ることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、パラアミノ安息香酸系、及びサリチル酸系等の紫外線吸収性化合物が挙げられる。通常、紫外線吸収剤は、ある一定量以上の添加量で使用しないと十分な効果は得られない。膜厚の薄いコーティング層に紫外線吸収剤を添加するときは、コーティング層に含有し得る紫外線吸収剤の量に制限があり、必要とする紫外線遮蔽効果を得ることは難しい。しかし、本発明の透明積層体では、第1の透明基材の内側に近赤外線遮蔽層が位置するため、コーティング層に比べると大きな厚さを有する第1透明基材自身に紫外線吸収剤を含有させることにより、十分な量の紫外線吸収剤を含有させることができ、それによって、近赤外線吸収色素の劣化を抑制し、優れた近赤外線吸収性能を維持することができる。第1透明基材の紫外線遮蔽性能としては、380nm以下の紫外領域において、紫外線透過率が2%以下であることが好ましい。
(近赤外線遮蔽層)
本発明の透明積層体において、近赤外線遮蔽層は800〜1100nm領域の近赤外線に対して、遮蔽性を有することが好ましく、例えば、樹脂マトリックス中に近赤外線吸収色素が含有されたものであることが好ましい。
近赤外線吸収色素としては、800〜1100nm領域の近赤外線遮蔽性を有するもので、ジイモニウム系化合物の1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いられる。
ジイモニウム系化合物は、波長850〜1100nmの近赤外線領域に、モル吸光係数が10万程度の強い吸収性を有し、従って近赤外線遮蔽性に優れている。ジイモニウム系化合物は、波長400〜500nmの可視光領域に若干の吸収を有し黄褐色の透過色を呈するが、しかし、可視光透過性が他の近赤外線吸収色素よりも優れているため、本発明の透明積層体に用いられる近赤外線吸収色素中に、少なくとも1種ジイモニウム系化合物が含まれている。
本発明の透明積層体に用いられる近赤外線遮蔽層用、近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物としては、ジイモニウム化合物カチオンと、化学式(1):(CF3S022N-により表されるカウンターアニオンとにより構成されている化合物が用いられ、このような近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物としては、前記化学式(3)の化合物を用いることが好ましい。
近赤外線遮蔽層が、実用上十分な近赤外線遮蔽性を発現するためには、波長900〜 1000 nmの近赤外線の透過率が20 % 以下であることが好ましい。近赤外線遮蔽層中の近赤外線吸収色素の好ましい配合量は、近赤外線遮蔽層の厚さに依存して変動するが、ジイモニウム系化合物を使用し、かつ、近赤外線遮蔽層の厚さを5〜 50μm程度に設計する場合、マトリックスとして使用される透明樹脂100質量部に対し、近赤外線吸収性色素化合物の配合量は、0.5〜5.0 質量部程度とするのが好ましい。透明マトリックス樹脂100質量部に対する近赤外線吸収色素化合物の配合量が、5質量部をこえると、得られる近赤外線遮蔽層中において、色素の偏析を生じたり、また可視光透明性の低下などを生ずることがある。
また、得られる近赤外線遮蔽層に実用的に十分な耐久性を付与するには、前記ジイモニウム系化合物として190℃以上の融点を有するものを使用することが好ましい。融点が190℃より低いものは、高温高湿度下において変質し易いが、190℃以上の融点を有するものは、後述の好適なマトリックス樹脂種を選択することと併せて、実用上良好な耐久性を有する近赤外線遮蔽層を得ることができる。
さらに、近赤外線遮蔽層に実用上十分な近赤外線遮蔽性を発現させるためには、波長850〜900 nmの近赤外線透過率か20 % 以下の近赤外線吸収性色素を用いることが好ましい。このためには、例えば、ジイモニウム系化合物を第1の近赤外線吸収色素として用い、さらに、第2の近赤外線吸収色素として、750〜900 nmに吸収極大を有し、可視光領域に実質的に吸収がない1種以上の色素、例えば、その吸収極大波長における吸収係数と、波長450nm(青色光の中心波長)、525nm(緑色光の中心波長)及び620nm(赤色光の中心波長)におけるそれぞれの吸光係数との比が、いずれも5.0以上である1種又は2種以上の近赤外線吸収色素を用いることが好ましく、前記吸光係数の比が8.0以上であることがより好ましい。前記吸光係数の比のいずれかが5.0未満であるときは、実用上必要とされる850〜900 nmの平均透過率が20 %以下である場合、波長450nm(青色光の中心波長)、525nm(緑色光の中心波長)、および620nm(赤色光の中心波長)における可視光線透過率のいずれかが60 %未満となり、可視光領域の透過率が実用上不十分になることがある。
750〜900 nmに吸収極大を有し、その吸収極大波長における吸収係数と、波長450nm(青色光の中心波長)、525nm(緑色光の中心波長)及び620nm(赤色光の中心波長)におけるそれぞれの吸光係数との比が、いずれも5.0以上である前記第2の近赤外線吸収色素用化合物としては、例えば、ジチオールニッケル錯体系化合物、インドリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等が挙げられる。特に、フタロシアニン系化合物及びナフタロシアニン系化合物は、一般的に耐久性に優れており、好適に用いることができるが、ナフタロシアニン系化合物はより高価であるため、フタロシアニン系化合物が、実用上より好適に用いられる。
更に、本発明の透明積層体において、その波長590nmの可視光の透過率が、波長450nm、525nm、620nmの各々における可視光の透過率よりも10%以上低いことが好ましい。このようにすると、本発明の透明積層体を光学フィルターとして用いた場合、プラズマディスプレイ等のディスプレイのコントラスト性を向上させ、色調補正機能が高くなる。本発明の透明積層体の、波長590nmの可視光の透過率を、波長450nm、525nm、620nmの各々における可視光の透過率よりも10%以上低くするためには、近赤外線遮蔽層中に選択吸収性色材を含有させることが好ましい。波長590nmの可視光を選択的に吸収する色材には、前記ジイモニウム化合物の組成上の変質に悪影響を与えるものでない限り、特に制限はないが、例えばキナクリドン顔料、アゾメチン系化合物、シアニン系化合物、及びポルフイリン化合物等を用いることが好ましい。
近赤外線吸収色素用マトリックス樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、及びメタクリル系樹脂等を用いることができるが、ガラス転移点が60 ℃以上である透明樹脂を用いることが好ましく、このような透明樹脂としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂のいずれかであることが望ましい。透明樹脂のガラス転移点が60 ℃未満であると、60 ℃以上の高温に長時間曝された場合、樹脂が軟化し、それと同時に近赤外線遮蔽層中の色素、特にジイモニウム系色素化合物が変質を受け易く、このため、透明積層体のカラーバランスが損なわれたり、近赤外線の遮蔽性が低下することなど、長期の安定性が低下することがある。一方、ガラス転移点が60 ℃以上であると、得られる近赤外線遮蔽層において色素、特にジイモニウム系化合物からなる色素の、熱変質を抑制することができる。また、上記の樹脂を用いると、近赤外線遮蔽層を、電磁波遮蔽層に、接着剤層を介して積層接合する際の、近赤外線遮蔽層中の色素の劣化、近赤外線遮蔽層の歪み、剥がれ等を防止することができる。上記のような要件を満たす樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂等が挙げられるが、塩基性染料であるジイモニウム系化合物の染着性(固着性)に優れているアクリル系樹脂、及び/又はメタクリル系樹脂を用いることが好適である。
近赤外線遮蔽層の形成方法としては、前記の近赤外線吸収色素とマトリックス樹脂とを溶媒中に溶解または分散し、得られた溶液又は分散液を、第1透明基材の1面上に塗布し、溶剤を乾燥蒸発させる形成方法が知られている。塗布方法としては、通常の塗工層形成方法でよく、例えば、バーコーター、グラビアリバースコーター、スリットダイコーター等の塗工装置を用いる塗布方法を用いることができる。
近赤外線遮蔽層形成用塗工液の溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、酢酸ブチル、トルエン等を例示することができ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
(反射防止層)
本発明の透明積層体において、第1透明基材の他面上に形成される反射防止層の構成、組成などに限定はなく、単層構造を有していてもよく、あるいは複数構造を有してもよい。また、反射防止層上に、帯電防止層等の導電層及び/又は、防眩層等の、機能を有する薄膜層をさらに形成してもよい。
(電磁波遮蔽層)
本発明の透明積層体において、第2積層部の第2透明基材の1面上に形成される電磁波遮蔽層の構成・組成などに制限はなく、電磁波遮蔽性と画像の透過性を有するように形成されたものであればよく、例えば、金属メッシュ層、導電性物質を含む透明導電膜などを用いることができる。
例えば、金属メッシュ層は、金属メッシュを第2透明基材に貼り付けたものであってもよく、第2透明基材に銅箔等の金属箔をラミネートし、或は銅等の金属をメッキして形成された金属層にエッチングを施してメッシュパターンの形状に形成したもの等を用いることができる。ここで、金属メッシュを第2透明基材に貼り付けたものとしては、金属製メッシュ、又は繊維の表面に金属をメッキしたメッシュを貼り付けたものが用いられる。また、例えば、透明導電膜層としては、銀等の導電性物質を蒸着、スパッタ等により形成したものが用いられる。
さらに、電磁波遮蔽層の厚みは、1〜15μmであることが好ましく1〜10μmであることがさらに好ましい。電磁波遮蔽層として金属メッシュ層を用いる場合、金属メッシュ層の厚さが15μmより厚いと視野角が狭くなり視認性が低下する。さらに表面を黒色化しても、斜め方向から視認した場合、金属メッシュの深さ方向は黒色化され難く、金属の色調がむき出しになっており、画面の色調に不具合を与える。
また、図1に示されているように本発明の透明積層体1の第2積層部62において、前記第2透明基材21の一面上に電磁波遮蔽層22が形成され、他の面上に裏面接着剤層41が形成されていてもよい。この裏面接着剤層により本発明の透明積層体を、ガラス、プラスチック等のパネルに貼り付け、あるいはプラズマディスプレイの表示面に直接貼り付けることができ、それによりプラズマディスプレイの表示面に優れた特性を有する光学フィルターを固定することができる。また、第2透明基材21が接着剤層31と接し、電磁波遮蔽層22が接着剤層31と反対側に形成されている場合は、電磁波遮蔽層22上に裏面接着剤層41を形成してもよい。
この裏面接着剤層の接着(粘着)強度は、接(粘)着初期において、1〜20N/25mm(1〜20N/1インチ)であることが好ましく、より好ましくは1〜15N/25mmであり、さらに好ましくは1〜10N/25mmであり、さらに好ましくは4〜8N/25mmである。これは本発明の透明積層体を光学フィルターとして直接プラズマディスプレイの表示面に貼り付ける場合、貼り付けた後、再度剥離しなくてはならない場合があるためである。例えば、貼り付け位置が適正でなかった場合、または貼り付け後、当該光学フィルターを損傷した場合等、光学フィルターを剥離してモジュールを再利用するため、裏面接着剤層の接着(粘着)強度は、ある程度の弱粘着であることが好ましい。さらに好適には当該接着(粘着)強度は経時的に上昇し、接(粘)着強度が平衡に達した時点における接(粘)着強度は5〜25N/25mmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜15N/25mmである。このように本発明の透明積層体の前記第2積層部の裏面に接(粘)着強度の比較的低い接着剤層を形成することにより、万−の場合の透明積層体の剥離作業を容易にし、高価なモジュール本体は再利用することを可能にできる。
(近赤外線遮蔽層の具体例)
本発明の透明積層体においては、前記近赤外線遮蔽層が、ジイモニウム化合物カチオンと、前記化学式(1)により表されるカウンターアニオンとにより構成される少なくとも1種の近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物からなる第1近赤外線吸収色素と、750〜950nmの近赤外波長の領域に吸収極大を有し、かつ前記ジイモニウム系化合物とは異種の少なくとも1種の色素化合物からなる第2近赤外線吸収色素と、少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の重合体を含む透明性樹脂とを含み、前記少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の30質量%以上が、前記一般式(2)により表される単量体であることが好ましい。
上記したように、近赤外線吸収色素としては、ジイモニウム化合物を使用することが好適であるが、ジイモニウム化合物には、それを高温高湿雰囲気下に長時間放置した場合、組成上の変質が避けられないという問題点がある。
本発明者がジイモニウム化合物の高温高湿雰囲気下における変質のメカニズムを研究し、その結果、上記変質は、樹脂組成物塗膜中の水分の介在と、加熱による熱エネルギーとにより、ジイモニウム化合物中のカウンターアニオンが分解することによることを見出した。さらに、本発明者は、化学式(1)の特定カウンターアニオンを有するジイモニウム系カチオン性化合物であって、第1近赤外線吸収色素とは異種の、かつ近赤外域に吸収極大を有し、可視光域に実質上吸収を示さない第2近赤外線吸収色素と、一般式(2)で示される特定の単量体化合物を30質量%以上含む単量体から製造された透明性樹脂とを含有する近赤外線遮蔽層は、高温高湿雰囲気下、および外光の長時間曝露において、色度変化が少なく、可視光領域に高い透過率と、850〜1000nm領域に高い近赤外線遮蔽性を兼備すること、および加熱、加圧、及び、接着剤層との接触等により近赤外線遮蔽層の特性を低下させることがなく、さらに接着剤層を介して金属メッシュ層に積層接合できることを見出した。
(第1近赤外線吸収色素)
本発明の透明積層体において第1の近赤外線吸収色素として、化学式(1)のカウンターアニオンと、ジイモニウム化合物カチオンにより構成される化合物が用いられることが好ましい。前記ジイモニウム系カチオン性化合物は、化学式(1)で示される特定のカウンターアニオンを有しているため、それが近赤外線遮蔽層中に含まれたとき、化学式(1)のカウンターアニオンは、水分の介在と、加熱による熱エネルギーとによる分解に対して強い抵抗性を示し、それによって第1の色素の、組成上の変質を抑制することができる。
近赤外線遮蔽用塗料を用いて形成された近赤外線遮蔽膜において、実用上十分な近赤外線遮蔽性を発現させるために、波長850nm〜900nmの平均透過率を20%以下にコントロールすることが好ましい。前記ジイモニウム系化合物のみを近赤外線遮蔽膜中に含有させた場合には、前記波長領域で十分な近赤外線遮蔽性を得ることができない、また、近赤外線遮蔽性を向上させるために第1近赤外線吸収色素を、過度の含有量で含有させると、各試験前後の色度Xおよびyの変化量が大きくなるため好ましくない。
そこで、本発明の近赤外線遮蔽層形成用塗料には、波長750〜950nmに吸収極大を有し、しかし可視光領域に実質的に吸収のない第2近赤外線吸収色素を添加することが好ましい。第1近赤外線吸収色素と第2近赤外線吸収色素とを含有することにより、得られる近赤外線遮蔽層は、850nm〜1000nmの近赤外線領域において、優れた近赤外線遮蔽性を有し、さらに可視光部分においても優れた透過性を有する塗膜を形成することができる。
(第2近赤外線吸収色素)
本発明に用いられる第2近赤外線吸収色素は、吸収極大波長における吸光係数の、波長450nm(青色光の中心波長)、525nm(緑色光の中心波長)および620nm(赤色光の中心波長)におけるそれぞれの吸光係数に対する比が、いずれも5.0以上であるものが好ましく、8.0以上であることがより好ましい。前記いずれかの波長の吸光係数に対する比が5.0未満であるときは、波長850nm〜900nmの平均透過率が20%以下である場合、波長450nm(青色光の中心波長)、525nm(緑色光の中心波長)および620nm(赤色光の中心波長)における可視光透過率のいずれかが60%未満となり、可視光領域での透過率が不十分になることがある。
本発明に用いられる第2近赤外線吸収色素としては、例えば、ジチオール金属錯体系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、シアニン系化合物等が挙げられる。特に、フタロシアニン系化合物が有機溶剤への可溶性が優れるため好適に用いられる。
近年、フタロシアニン骨格にフェニル基等の共役π電子系置換基を導入したり、アルコキシ基等の電子供与性置換基を多数導入することにより、近赤外線領域に吸収極大を有するフタロシアニン系化合物が多数提案されており、これらの中でも、下記一般式(4)で表されるフタロシアニン系化合物は、上記吸光係数の比が各々5.0以上となるため、本発明に好適に用いることができる。
Figure 0004463272
〔一般式(4)において、8個のαは、それぞれ互に独立に、−SR1,−OR2及び、−NHR3基並びにハロゲン原子から選ばれた1員を表し、但し、少なくとも1個のαは、−NHR3基を表し、8個のβは、それぞれ互に独立に、−SR1,−OR2及びハロゲン原子から選ばれた少なくとも1員を表し、但し、少なくとも1個のβは、−SR1又は−OR2基を表し、かつ前記8個のα及び8個のβの少なくとも1個は、ハロゲン原子及び−OR2基を表し、
1,R2及びR3は、それぞれ互に独立に、置換基を有する、又は有していないフェニル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、及び7〜20個の炭素原子を有するアラルキル基から選ばれた1員を表し、
Mは1個の金属原子、1個以上の水素原子、1個の金属酸化物及び金属ハロゲン化物から選ばれた1員を表す〕
また、第1近赤外線吸収色素、及び第2近赤外線吸収色素として、それぞれ2種以上の近赤外線吸収色素化合物を用いてもよく、さらに必要に応じ他の色素を添加してもよい。また、第1近赤外線吸収色素と第2近赤外線吸収色素との配合質量比は、3:2〜29:1であることが好ましく、より好ましくは、2:1〜9:1である。上記配合比が3/2未満であると、可視光領域光線の透過率が不十分になることがあり、またそれが29/1を超えると、各種信頼性試験前後の色度変化量が大きくなることがある。
(近赤外線遮蔽層用透明性樹脂)
本発明の近赤外線遮蔽層形成用塗料に用いられる透明性樹脂は、少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の重合体から選ばれた少なくとも1種を含むもので、前記重合体を形成するエチレン性不飽和単量体の少なくとも30質量%、好ましくは50〜100質量%が、前記一般式(2)の単量体化合物であることが好ましい。上記の構成を有する透明性樹脂は、各種有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プチル、アセトン、メチルエチルケトン、メソイソプチルケトン、シクロヘキサン、及びテトラヒドロフラン)などに高い溶解度を示し、かつ高い耐透湿性及び耐紫外線性を有する塗膜を形成することができる。一般式(2)で表される単量体において、Xで表されるC6−C25環状炭化水素基、例えば、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロドデシル基、ボルニル基、イソボルニル基等であることが好ましい。
一般式(2)で表わされる単量体化合物を30質量%以上含有する単量体成分を重合してなる透明性樹脂としては、X=C6−C25環状炭化水素基を有するメタアクリレート系樹脂であることが好ましい。他の一般的なメタアクリレート系樹脂、例えばメチルメタアクリレート樹脂に前記第1及び第2近赤外線吸収色素を分散した塗料から形成される熱可塑性の塗膜は、それが高温高湿度下に長時間曝された場合、環境中の水分の影響により、樹脂塗膜の劣化が起こり、それに付随して、第1近赤外線吸収色素の変質により、塗膜の色度が大きく変化するという問題を生ずる。これに反して、上記一般式(2)で表される単量体を必須単量体成分として含む重合体を透明性樹脂として用いることにより、前記第1近赤外線吸収色素の高温高湿度下における耐久性が向上し、それに加えて、紫外線照射に対する耐久性も向上させることができる。
また、本発明において、近赤外線遮蔽層用透明性樹脂は、熱可塑性のメタアクリレート系樹脂であることが好ましい。他の熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、又は電子線硬化性樹脂を用いると、樹脂中に含まれる反応活性基と前記第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物が容易に反応し、樹脂組成物中において、あるいは塗膜形成過程において色素の変性を生ずることがある。
上記一般式(2)で表される単量体化合物の単量体全量に対する含有量は、重合体形成に用いられた全単量体の合計質量に対し、30質量%以上であることが好ましい。それが30%未満の場合は、第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物の変質による塗膜の色度変化を十分には抑制できないことがある。一般式(2)の単量体化合物の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80〜100質量%以上である。
上記一般式(2)で表される単量体化合物を必須重合成分として含む熱可塑性のメタアクリレート系樹脂は、トルエン、酢酸エチル、酢酸プチル、メチルエチルケトン等の汎用有機溶剤中における溶液重合で容易に合成することができる。また、塗料中の第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物及び透明性樹脂自体の溶解性が十分高く、塗料として安定な樹脂組成物を得ることができる。
一般式(2)で表わされる単量体化合物を30質量%以上含有する単量体を重合して得られる透明性樹脂において、そのガラス転移点は60℃以上120℃以下であることが好ましく、80〜100℃であることがさらに好ましい。ガラス転移点が60℃未満であると、塗膜が80℃以上の高温に長時間曝された場合、樹脂が軟化し、それと同時に、塗膜中の第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物が変質し易く、塗膜の色度が大きく変化したり、塗膜の近赤外線遮蔽性が低下して、長期の耐熱性が低下することがある。しかし、透明樹脂のガラス転移点が60℃以上であると、熱による第1及び第2近赤外線吸収色素、特にジイモニウム系化合物の変質を抑制することができる。一方、ガラス転移温度が120℃を超えると、得られる塗膜が硬くて脆いものとなり、耐屈曲性の低下やハンドリング等で容易に割れを生じる等、実用上の問題を生ずることがある。
本発明に用いられる透明性樹脂は、そのガラス転移点が60℃以上120℃以下の熱可塑性のメタアクリレート系樹脂であることが好ましい。
更に、本発明において近赤外線遮蔽層に用いられる透明性樹脂の分子量は、数平均分子量が20,000以上80,000以下であり、且つ重量平均分子量が200,000以上400,000以下であることが好ましい。尚、数および重量平均分子量は、ポリスチレン標準GPCを用いて得られた測定値である。重量平均分子量が200,000未満の場合、形成される近赤外線遮蔽塗膜の柔軟性が不十分となり、耐屈曲性が劣り、また耐薬品性に劣るものとなることがある。また、重量平均分子量が400,000を超える場合は、重合体そのものを溶液重合させることが難しくなることがある。一方、数平均分子量が20,000未満あるいは80,000を超える場合には、得られる重合体の耐薬品性が不十分になることがある。
また、本発明に用いられる近赤外線遮蔽層用透明性樹脂は、第1透明基材がポリエステル系樹脂の場合には、カルボキシル基を含有する単量体に由来する適度の酸価を有することが好ましい。これによりポリエステル系樹脂フィルムとの密着性を向上させることができる。またこれにより、長期間の安定性が向上すると共に、積層時の耐剥がれ等の特性の劣化を防ぐことができる。上記適度の酸価とは、樹脂固形分に対して、1mgKOH以上、20mgKOH以下であることが好ましい。酸価が1mgKOH未満の場合、塗膜と基材との十分な密着性が得られないことがあり、一方、それが20mgKOHを超える場合には、高温下における第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物の安定性に悪影響を及ぼすことがある。
さらに、前記ポリエステル系樹脂を第1基材として用いる場合、近赤外線遮蔽層との実用上の密着性を向上させるために、基材上に有機樹脂成分よりなる密着性改良層を形成しておくことが好ましい。密着改良層を形成しない場合は、ポリエステル系樹脂フィルムと近赤外線遮蔽層との界面で、近赤外線遮蔽層が剥離しやすくなってしまうことがある。
本発明に用いることができる密着性改良層は、有機樹脂成分を主成分として含有しているが、近赤外線遮蔽積層体の使用中の色度変化を抑制するためには、反応性硬化剤を含まないものであることが好ましい。
前記密着改良層中の有機樹脂成分については、前記近赤外線遮蔽層とポリエステル系樹脂との間に、実用上十分な密着性が得られる限り特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、アクリルーメラニン共重合樹脂、アクリルーポリエステル共重合、ポリエステル系樹脂等を単体で、或はそれらの2種以上の混合物を用いることができる。また、塗工工程におけるフィルムの巻取り性の向上、及びブロッキングおよびスクラッチの発生防止のために、密着改良層中にシリカ微粒子、タルク等の微粒子を適宜含有させてもよい。
前記密着性改良層中に、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等の反応性硬化剤が含まれる場合、これが80℃以上の高温に長時間曝されると、近赤外線遮蔽層中の第1近赤外線吸収色素用ジイモニウム系化合物が、これらの反応性硬化剤と反応して変質し易く、近赤外線遮蔽層の色度が大きく変化し、及び/又は近赤外線遮蔽性が低下するなどを生じ、その長期耐熱性に悪影響を与えることがある。
本発明に用いられる近赤外線遮蔽層形成用塗料において、第1及び第2近赤外線吸収色素の合計質量の、前記透明性樹脂に対する乾燥固形分質量比が1:99〜1:4の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、1:49〜1:24である。この質量比が1/99未満であると、高度な近赤外線遮蔽率を得るために、近赤外線遮蔽層の乾燥膜厚を20μm以上に厚くすることが必要になることがあり、しかしこのような厚い膜の形成は困難であることがあり、またそれが1/4を超えると、近赤外線遮蔽塗膜の形成過程において、赤外線吸収色素の偏析による遮蔽性能の低下及びヘイズ値の上昇という不都合を生ずることがある。
また、本発明の透明積層体は温度60℃、相対湿度90%の高湿度雰囲気中における1,000時間の劣化促進試験、温度80℃、相対湿度5%以下の高温乾燥雰囲気中における1,000時間の劣化促進試験、温度80℃、相対湿度95%の高温高湿雰囲気中における48時間の劣化促進試験、及び放射照度550W/m2のキセノンランプ照射による48時間の劣化促進耐候性試験の各々において、試験前後における近赤外線遮蔽積層体の色度X及びyの変化量が、0.005以下であることが好ましく、0〜0.003であることがより好ましい。このような特性を有していると、本発明の積層体をプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイに用いる場合、その近赤外線遮蔽性、可視光透過性、色調等の特性が、長期間にわたり、温度変化、湿気、さらには外部からの光照射により劣化することがなく、長期間安定した画像を表示することができる。
(近赤外線遮蔽層の形成方法)
本発明の透明積層体の近赤外線遮蔽層は、前記第1近赤外線吸収色素と第2近赤外線吸収色素と透明性樹脂を前記溶媒に溶解または分散し、得られた溶液又は分散液を、第1の透明基材上の一面に塗布し、溶剤を乾燥蒸発させて形成することができる。塗布方法としては、通常用いられる方法でよく、例えば、バーコーター、グラビアリバースコーター、スリットダイコーター等の塗工装置を用いて塗布することができる。
(衝撃吸収層)
さらに、本発明の透明積層体においては、第1積層部と、第2積層部との間に衝撃吸収層が配置されていることが好ましい。例えば、図2に示されているように、第1積層部61の近赤外線遮蔽層13と接着剤層31との間に、衝撃吸収から形成された衝撃吸収層32を積層し、さらに必要により衝撃吸収層32と、近赤外線遮蔽層13とを、中間接着層31aを介して接着してもよい。あるいは近赤外線遮蔽層13と電磁波遮蔽層22との間の接着剤層31に衝撃吸収材を含有させてもよい。これは、本発明の透明積層体を、プラズマディスプレイの表示面に直に貼り付ける場合、従来のガラスパネルを伴う光学フィルターに比べ、ガラスを除いた分、衝撃強度が低下することを防止するためである。衝撃吸収材としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ステレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロブレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、プチルゴム、フツ素ゴム等およびこれら共重合体のエラストマー材料、ポリエチレン、ポリオレフイン、セルロース等の樹脂フィルム等を用いることができる。
光学フィルター用として用いるため、透過率、ヘーズを勘案した場合、当該衝撃吸収層32の厚さは0.1〜1.5mmであることが好ましい。また、当該衝撃吸収材の特性としては、引っ張り強度が6〜10MPaであり、切断時の伸びが150〜400%であることが好ましい。
(反射防止層の説明)
本発明の透明積層体において、図3示されているように、第1積層部第1透明基材11上に形成された、反射防止層12は、ハードコート層51と、このハードコート層51上に積層された導電性中屈折率層52と、この導電性中屈折率層52上に積層された高屈折率層53と、この高屈折率層53上に積層された低屈折率層54とからなるものであることが好ましい。
このような構成の反射防止層は導電性を有する反射防止層であって、静電気によるほこりの付着等を防止できる。また、この導電性中屈折層が、中屈折率層の機能を併有することにより、中屈折、高屈折、低屈折の3層による反射防止膜を形成することができ、それによって優れた反射防止効果が得られる。
(反射防止層のハードコート層)
第1透明基材上に積層されるハードコート層は、樹脂成分により形成されるが、酸化物微粒子を含有することが好ましい。酸化物微粒子を含有することにより、第1透明基材との密着性が向上する。本発明における反射防止層は、第1の透明基材と第2の透明基材の貼り合わせ時に、剥離したり、傷ついたりしないように密着性が特に重要である。
ハードコート層における酸化物微粒子の含有量は30質量%〜80質量%であることが好ましい。酸化物微粉末の含有量が30質量%未満の場合、第1の透明基材や中屈折率層との密着性が低下し、目的とする鉛筆硬度や、スチールウール強度等の膜硬度が得られなくなる。また、酸化物微粉末の含有量が80質量%より多い場合、酸化物微粉末の含有量が過度となり、得られるハードコート層の膜強度が低下する、得られるハードコート層に白化現象が認められる、硬化後の膜の屈曲性が低下しクラックが発生しやすくなる、等の問題が発生する。
また、ハードコート層の屈折率は、第1透明基材の表面平均屈折率と同値になるように設計することが好ましい。これは、第1透明基材の表面平均屈折率とハードコート層の屈折率差により発生する反射率の振幅の差を小さくすることにより、いわゆる「表面の虹色の色むら」を目立たなくすることができるためである。ただし、第1透明基材として易接着層付きPETフィルム用いた場合は、ハードコート層の屈折率を、下記式にて算出される屈折率と同じか、またはこれに近づけることが好ましい。
N=Np−(Ns−Np)/2
N:透明ハードコート層の屈折率
Np:PET易接着層の屈折率
Ns:PET基材の表面平均屈折率
また、ハードコート層中に用いられる酸化物微粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化チタン等が、該ハードコート層を着色することなく、透明性に優れたハードコート層を形成し得る等の理由により適宜用いられる、この酸化物微粒子の粒子径としては、100nm以下のものが好ましい。100nmを超える粒子系の酸化物微粉末では、得られるハードコート層がレイリー散乱により、光を著しく散乱させ、白く見えるようになって透明度が低下するためである。
前記樹脂成分については、たとえば紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、カチオン重合系樹脂等が挙げられるが、中でも紫外線硬化樹脂のものは安価で、透明プラスチックフィルムとの密着性に優れることから好適に用いられる。紫外線硬化型樹脂には、塗工法(ウエットコーティング法)に用いられる感光性の樹脂であればよく、たとえば、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、シリコーン系筋、エポキシ系樹脂等が前記酸化物微粉末の分散性を損なうことがない等の理由から好適に用いられる。
本発明において、反射防止層中のハードコート層は、たとえば、有機樹脂成分と、酸化物微粒子と、有機溶剤を少なくとも含有するハードコート層形成用塗料を、第1の透明基材上に塗布、乾燥、紫外線照射することにより形成される。
前記透明ハードコート層形成用塗料は、たとえば、前記酸化物微粒子と、樹脂成分とを分散剤を使用して、超音波分散、ホモジナイザー、サンドミル等を用いた通常の方法で、有機溶剤中に混合分散させた、有機溶剤系塗料として得ることができる。前記の有機溶剤は、アルコール系、グリコール系、酢酸エステル系、ケトン系などから選ぶことができ、これらは、単一種で用いてもよく、2種類以上混合して使用してもよい。
そして、第1透明基材の片面に、前記ハードコート層形成塗料を、塗布し、紫外線照射等により架橋硬化させ、ハードコート層を形成する。このハードコート層の膜厚は、0.5μm〜20nmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2μmである。膜厚が0.5μm以下では充分な膜硬度の発現を図ることはできないことがあり、またそれが20μm以上では、第1透明基材のカーリングが大きくなることがある。
なお、塗工法としては、各種の塗工方法が可能であり、たとえば、バーコート法、グラビアコート法、スリットコーター法、ロールコーター法、ディップコート法などから適宜選択することができる。
(導電性中屈折率層)
ハードコート層上に形成される導電性中屈折率層は、好ましくは、導電性を有し、かつ中屈折率の微粒子とバインダー成分とを含む。
導電性中屈折率層における前記導電性中屈折率微粒子の含有量は50質量%以上であることが好ましく、特に70〜95%の範囲にあることがより好ましい。前記導電性中屈折率微粒子の含有量が50質量%未満では、導電性中屈折率層3の表面抵抗値が増大し、導電性が悪化するとともに、フィラー成分が減少することがあり、このため、ハードコート層との密着性が不十分になることがある。一方、前記導電性中屈折率微粒子の含有量が95質量%を超えると、相対的にバインダー成分の含有量が低下するため、バインダーマトリックス中に十分な量の前記導電性中屈折率微粒子を保持することができず、また、導電性中屈折率層上に他層を塗布する際に、膜に傷が付きやすくなり外観不良を引き起こすことがある。
前記導電性中屈折率微粒子としては、アンチモン含有酸化錫(以下ATOと称す)、錫含有酸化インジウム(以下ITOと称す)、アルミニウム含有酸化亜鉛、金、銀、パラジウム等の金属微粒子などが、透明性および導電性に優れた導電性中屈折率層を形成し得る等の理由により好適に使用される。
また、前記導電性中屈折率微粒子の粒子径は、平均粒径が、1〜100nmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満では、塗料化時に凝集を起こしやすく、塗料化するための均一な分散が困難になり、さらに塗料の粘度が増大し、分散不良が生じたりすることがある。また、導電性中屈折率微粒子の平均粒径が100nmを超えると、得られる導電性中屈折率層が、レイリー散乱によって著しく光を乱反射させるため、白く見えるようになってしまい、透明性が低下することがある。
バインダー成分としては、シリコンアルコキシド及び/又は加水分解生成物から生成される物質が好ましい。
本発明の透明積層体において導電性中屈折率層は、導電性中屈折率微粒子とシリコンアルコキシド及び/又はその加水分解生成物と、有機溶剤とを少なくとも含む導電性中屈折率層形成用塗料を用いて、ハードコート層51上に塗布、乾燥させることにより形成することができる。
前記導電性中屈折率層形成用塗料は、前記の導電性中屈折率酸化物微粒子と、シリコンアルコキシド及び/またはその加水分解生成物と場合により添加される他の粒子とを分散剤を用いて、超音波分散機、ホモジナイザー、サンドミル等を用いた通常の方法で有機溶剤中に分散させ、有機溶剤系塗料として得ることができる。
前記シリコンアルコキシドとしては、たとえばテトラアルコキシシラン系化合物、アルキルトリアルコキシシラン系化合物等から選ぶことができ、また、前記の有機溶剤としては、アルコール系、グリコール系、酢酸エステル系、ケトン系などから選ぶことができ、これらは単一種でもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。
そして、透明ハードコート層上に前記透電性中屈折率層形成用塗料を塗布し、たとえば70〜130℃で1分以上乾燥して、光学膜厚を、140±30nmの範囲に調整することが好ましい。
乾燥温度については130℃を超えると使用する透明プラスチックフィルムによっては熱変形を引き起こすために好ましくない。また、70℃未満では硬化速度が遅くなり強度が発現しない。また、硬化時間が1分未満では膜強度が不足するために好ましくない。
なお、塗工方法としては、たとえばバーコート法、グラビアコート法、スリットコーター法、ロールコーター法、ディップコート法等などから適宜選択することができる。
(高屈折率層)
導電性中屈折率層上に形成される、高屈折率層は、例えば高屈折率の酸化物微粒子とバインダー成分とを含むものである。
高屈折率層における高屈折率酸化物微粒子の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、特に60〜95質量%であることがより好ましい。前記高屈折率酸化物微粒子の含有量が50%未満では、相対的にバインダー成分の含有量が増加し屈折率の低下を起こし、充分な高屈折率化が得られず、反射率が過度に増大することがある。また、前記高屈折率酸化物微粒子の含有量が95%を超えると、バインダー成分により高屈折率酸化物微粒子を十分に固定化することができず、また、この透明高屈折率層上に他層を塗布する際に傷が入りやすくなり、さらに外観不良を起こすことがある。
前記高屈折率酸化物微粒子としては、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル等が、透明性に優れた高屈折率層53を形成しうる理由により好適に使用される。
また、高屈折率酸化物微粉末の粒子径は、平均粒径が、1〜100nmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満では、塗料化時に凝集を起こしやすく、塗料化するための均一な分散が困難になり、さらに塗料の粘度が増大し、分散不良が生じたりすることがある。また、高屈折率酸化物微粉末の平均粒径が100nmを超えると、得られる高屈折率層が、レイリー散乱によって著しく光を乱反射させるため、白く見えるようになってしまい、透明性が不十分になることがある。
バインダー成分としては、シリコンアルコキシド及び/またはその加水分解生成物由来のシリカが好ましい。
本発明の高屈折率層は、高屈折率酸化物微粒子と、バインダー成分と有機溶剤とを少なくとも含有する、透明高屈折率形成塗料を用いて、導電性中屈折率層上に塗布、乾燥することにより形成される。
前記高屈折率層形成用塗料は、前記の高屈折率酸化物微粉末と、シリコンアルコキシド及び/またはその加水分解生成物と場合により添加される粒子とを分散剤を用いて、超音波分散機、ホモジナイザー、サンドミル等を用いた通常の方法で有機溶剤中に分散させ、有機溶剤系塗料として得ることができる。
前記シリコンアルコキシドとしては、たとえばテトラアルコキシシラン系化合物、アルキルトリアルコキシシラン系化合物等から選ぶことができ、また、前記の有機溶剤としては、アルコール系、グリコール系、酢酸エステル系、ケトン系などから選ぶことができ、これらは単一種でもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。
そして、導電性中屈折率層上に前記高屈折率層形成用塗料を塗布し、たとえば70〜130℃で1分以上乾燥して高屈折率層を形成する。その膜厚は低屈折率層の光学膜厚の1.2〜2.5倍に設定することが好ましい。これまで反射防止に係わる膜厚設計は、高屈折率層、低屈折率層の膜厚を、目標とする最低反射率を示す波長(以下ボトム波長と呼ぶ)の1/4に設定することが一般的に知られているが、この手法で反射防止膜を作製した場合、ボトム波長における反射率は最も低くなるけれども、それよりも長波長側、及び低波長側での反射率が増大し、その部分の反射色が強くなり、きつい青紫から赤紫の反射色を呈する。更には、目視での反射率の指標である視感度反射率の増大にもつながる。これら長波長側、及び低波長側の反射率の増大を抑えるべく検討を行った結果、前記のとおり、低屈折率層の光学膜厚を1.2〜2.5倍と、これまでの設計方法より厚めに設計することで解決することを見出した。
乾燥温度については、それが130℃を超えると使用する透明プラスチックフィルムによっては熱変形を引き起こすことがある。また、それが70℃未満では硬化速度が遅くなり十分な強度が発現しないことがある。また、硬化時間が1分未満では膜強度が不足することがある。
なお、塗工方法としては、たとえばバーコート法、グラビアコート法、スリットコーター法、ロールコーター法、ディップコート法等などから適宜選択することができる。
(低屈折率層)
高屈折率層上に積層される低屈折率層は、例えば、シリコンアルコキシド及び/又は、その加水分解生成物と、シリコーンオイルと、有機溶剤と、を含む低屈折率層形成用塗料を高屈折率層上に塗布し乾燥することによって形成される。
この低屈折率層の屈折率は、高屈折率層の屈折率よりも0.1以上小さいことが好ましい。このような透明低屈折率層を設けることにより、得られる反射防止層は極めて優れた反射防止性を示すものとなる。この低屈折率層形成用塗料として用いられるシリコンアルコキシドとしては、テトラアルコキシシラン系化合物、アルキルトリアルコキシシラン系化合物等から適宜選択し使用することができる。
また、前記シリコーンオイルとしては、ジアルキルアルコキシシラン化合物から適宜使用することができる。さらに前記の有機溶剤としては、アルコール系、グリコール系、酢酸エステル系、ケトン系から適宜選択することができ、これらは単一種で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
透明屈折率層形成用塗料中にシリコーンオイル0.01〜5.0質量%を含有させると、塗膜の水に対する接触角が、90°以上となって、撥水性を発現し、滑りやすくなり、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの膜強度(特にスチールウール強度)が向上し、防汚性も付与することができる。
前記シリコーンオイルの含有量が0.01質量%未満では、シリコーンオイルが透明低屈折率層4の表面に十分にじみでずに、水に対する接触角が90°未満となり、十分な撥水性が得られず、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの膜強度向上及び防汚性が得られないことがある。また、含有量が5.0質量%を超えると、シリコーンオイルが透明低屈折率層5の表面で過度となるために、水に対する接触角が90°を超え、十分な撥水性が得られるけれども、シリコンアルコキシド及び/又は、その加水分解生成物の重合硬化反応を阻害するために、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムの膜強度低下を引き起こすことがある。
低屈折率層は、透明高屈折率層上に、前記透明低屈折率層形成用塗料を塗布し、例えば70〜130℃で1分以上乾燥して、光学膜厚を140nmに調整することにより形成され、それによって、ボトム波長600nm付近の、帯電防止・反射防止膜を作製することができる。
乾燥温度については130℃を超えると使用する透明プラスチックフィルムによっては熱変形を引き起こすことがある。また、70℃未満では硬化速度が遅くなり強度が発現しないことがある。また、硬化時間が1分未満では膜強度が不足することがある。
なお、塗工方法としては、たとえばバーコート法、グラビアコート法、スリットコーター法、ロールコーター法、ディップコート法等などから適宜選択することができる。
上記方法により作成された、帯電防止・反射防止膜は、良好な帯電防止効果、反射防止性を有し、膜硬度が強く、防汚性を有する等の特徴を有する。その理由は、以下のように考えられる。
透明ハードコート層、透明導電性中屈折率層及び、透明高屈折率層に多量の無機化合物フィラーを存在させることにより、層の表面エネルギーを増大させて各層表面上への各塗料の濡れ性を著しく向上させることができ、この濡れ性改善効果により層間の密着性が向上し、これにより従来よりも強い膜強度を得ることができる。
さらに、最外層ある透明低屈折率層には、シリコーンオイルが含有されており、水に対する接触角が90°を超え、撥水性を付与することができる。そしてこの撥水効果は、綿布等で擦っても効果は十分に維持され、従来よりも高い防汚性を得ることができる。防汚性が持続する理由については、シリコーンオイルが、シリカマトリックス中に取り込まれており、簡単に滲み出すことがないためと考えられる。
(金属メッシュ層の説明)
本発明の透明積層体においては、第2積層部の電磁波遮蔽層が金属メッシュ層の場合、この金属メッシュ層は、黒色化されていることにより、金属メッシュ表面の反射が抑えられ、金属光沢色によって視認性が低下することを防止することができる。
黒色化の方法としては、黒色化金属、例えば、Ni,Sn,Ni−Sn合金等を電解メッキする方法、酸化または硫化により金属表面を黒色化する方法等がある。
また、本発明の透明積層体においては、金属メッシュ層の厚さが1〜15μmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜10μmである。金属メッシュ層の厚さが厚くなり過ぎると視野角が狭くなり、視認性が低下することがある。
(一般的製造方法)
本発明の透明積層体は、第1透明基材上に上記の方法で反射防止層を形成した後、その裏面に上記の方法で近赤外線遮蔽層を形成する。一方、第2透明基材上に上記の方法で金属メッシュ層を形成する。このようにして得られた第1透明基材、反射防止層および近赤外線遮蔽層が形成された第1積層部と、第2透明基材と金属メッシュ層を含む第2積層部とを、近赤外線遮蔽層側と金属メッシュ層側とを接着剤層を介して積層接合する。積層方法としては、パネルとフィルム。フィルムとフィルムの貼り合わせに通常用いられる方法、例えば、ロールラミネーターを用いる方法、シートラミネーターを用いる方法等を用いることができる。また、上記工程間に適宜、加熱、加圧を施してもよい。さらに、貼合後、脱泡し透明化する工程を経ることが好ましい。脱泡法としては、加圧または減圧により行うことができるが、加圧により行なうことが好ましい。この接着剤層には、色調や透過率の調整のために着色材を含有させてもよい。
また、本発明の透明積層体に用いる金属メッシュ層は、第2透明基材上に触媒を含むインクを、メッシュパターンに、印刷した後、インク画像上に金属を無電解メッキおよび/または電解メッキすることにより形成することが好ましい。メッキにより析出させる金属としては、銅を用いることが好ましい。また、無電解メッキにより金属を析出させた後、さらに電解メッキにより金属を析出させることが好ましい。従来から用いられている方法として、銀またはインジウム含有酸化スズ(ITO)の薄膜を、スバッタ法により基材上に形成する方法を用いると、得られた金属メッシュ層の電磁波遮蔽能力が不十分であり、情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI)が定めるクラスBの基準をクリアすることが難しい。印刷方法は、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等特に限定されないが、スクリーン印刷法が好ましい。
また、従来の金属メッシュの形成方法としては、主に繊維を支持体に銅などをメッキした繊維メッシュ、基材の樹脂フィルムに銅薄をラミネートする方法、または銅を表面にメッキしたシートをエッチングによりメッシュパターン化したエッチングメッシュ形成法があるが、前者はメッシュの線径が約20〜50μmと太いため、透過率を低下させ、かつ干渉縞が発生しやすいという問題がある。また、後者は約10〜20μmの厚みを有する銅箔をエッチングしているため、金属メッシュ層の厚みが厚く、視野角が狭くなり視認性が低下する。さらに、銅箔表面を黒色化処理していたとしても、斜め方向から視認した場合、エッチングの深さ方向には銅特有の色調がむき出しになっており、画面の色調に不具合を与える。
本発明の上記方法によって得られる金属メッシュ層は厚みが薄くとも十分な導電性を有することができる。特に、厚さ、1〜15μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmであり、この厚さにおいて、0.01〜0.5Ω/□の面抵抗及び70〜90%の透過率を示す金属メッシュ層を得ることができる。このため、本発明の上記方法によって得られる金属メッシュ層は、視野角が広くなり視認性が向上し、また表面を黒色化した場合、金属メッシュの深さ方向で金属特有の色調がむき出しにならず、画面の色調に不具合を与えない。
本発明の透明積層体を用いれば、これを直接PDPモジュール前面ガラスに貼り付けることにより、PDPの大幅な軽量化を実施することが可能となる。従来の光学フィルターに用いられるガラスの質量は、106.6cm(42インチ)寸法の場合約4.5kgであり、127cm(50インチ)寸法の場合約5kgにも達するため、このような従来の光学フィルターよりガラスを除くことによりPDPに期待された壁掛けテレビとしての実現が容易となる。
図4に示す如く、本発明の透明積層体を光学フィルターとして用いる場合、第1積層部61と、第2積層部62とは、アースを取り出すための金属メッシュ層電極取り出し部22aを確保するために、額縁様に貼合することが好ましい。
本発明の透明積層体をPDPに搭載するときの構成(一部断面)を図5に示す。本発明の透明積層体1は、PDPモジュール71の表示面73に直接貼り付けられる。第2積層部62上に第1積層部61を額縁様に貼り合せることにより確保された電磁波遮蔽フィルム電極取り出し部22aは、モジュール71の筐体72に直接接合され、もしくはクリップ、クランプまたはガスケット(図示されていない)等を介して、導通をとって装着される。透明積層体上に形成された画像は観察者74により矢印の方向75に沿って観察される。
本発明の透明積層体を下記実施例により更に説明する。
実施例1
第1の透明基材として厚み100μmのPETフィルムを用い、その片面にハードコート層、導電性中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層からなる反射防止層を形成し、その反対面に化学式(1)で表されるカウンターアニオンを有するジイモニウム系化合物であるジイモニウム系色素と、フタロシアニン系色素((株)日本触媒製、商標:イーエクスカラーIR-10A)と、一般式(2)においてXがイソボニル基である単量体50重量部を含有する単量体成分を重合して得られた透明性樹脂を含む近赤外線遮蔽層を形成し、第1積層部を形成した。ジイモニウム系色素とフタロシアニン系色素は、2:1の重量比で配合した。
次に、第2の透明基材として厚み125μmのPETフィルム上にパラジウムコロイド含有ペーストをL/S=30/270(μm)の格子状(メッシュ状)のパターンを有するスクリーンを用いて印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して、無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施して、第2積層部を形成した。
続いて、第1の透明基材の、第1積層部の近赤外線遮蔽層面に対し反対側の面、及び第2の透明基材の、第2積層部の電磁波遮蔽層に対して反対側の面に、それぞれ厚さ25μmの透明粘着層を形成し、第1積層部の近赤外線遮蔽層面と第2積層部の電磁波遮蔽層と貼り合せ、0.45MPaの加圧下に30分、加圧処理して透明積層体を作製した。
得られた透明積層体の「全光線透過率」、「ヘイズ値」、「視感反射率」、「鉛筆硬度」、「スチールウール硬度」、「密着性」、「分光透過率(近赤外部)」、「信頼性試験(高温・高湿での1000時間後の近赤外部の透過率変化)」、「電磁波遮蔽性」を下記方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(評価方法)
(1)全光線透過率:ヘイズメータ(日本電色社製)を用いて測定した。
(2)視感反射率:分光光度計(日本分光社製V-570)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度:反射防止層面を上にし、1kg荷重下で傷がつかない最小鉛筆硬度を測定した。
(4)スチールウール強度:反射防止層面を上にし、#0000スチールウールに250g/cm2 の荷重を負荷しながら10回往復させたあとに発生した傷の本数を測定した。
(5)密着性:反射防止層面を上にし、膜表面の1cm角の各辺を1mm間隔で切り込みをいれ、その表面を粘着テープで3回剥離試験をした後の残存する升目の数を測定した。
(6)分光透過率:分光光度計(日本分光(株)製V-570)を用い、各試料の波長850nm、950nm、1000nmにおける透過率を測定した。
(7)信頼性:
(i)80℃に設定した恒温器に、各試料を入れ1000時間後の分光透過率を測定した。
(ii)60℃−相対湿度90%に設定した恒温恒湿試験器に、各試料を入れ1000時間後の分光透過率を測定した。
(8)電磁波遮蔽性:KEC法(社団法人関西電子工業振興センター法)に準拠して測定した。
Figure 0004463272
(試験結果)
実施例の試験結果により、本発明の透明積層体は、優れた透過率、低反射性、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽性と強度を有し、さらに耐久性にも優れたものであることが確認された。
本発明の透明積層体及びその製造方法は反射防止性、近赤外線遮蔽性、電磁波遮蔽性に優れており、使用耐久性、可視画像の視認性、にも優れていて、軽量であって、製造及び取り扱いが容易であり、例えばプラズマディスプレイ装置などの表示装置の光学フィルターとして用いられるものであって、高い実用性を有している。
図1は、本発明の透明積層体の一例の断面説明図であり、 図2は、本発明の透明積層体の他の一例の断面説明図であり、 図3は、本発明の透明積層体の反射防止層の断面説明図であり、 図4は、本発明の透明積層体の正面説明図であり、 図5は、本発明の透明積層体をPDPに搭載したときの一部断面説明図である。
1 透明積層体
11 第1透明基材
12 反射防止層
13 近赤外線遮蔽層
21 第2透明基材
22 電磁波遮蔽層
22a 金属メッシュ層電極取り出し部
31 接着剤層
31a 中間接着層
32 衝撃吸収層
41 裏面接着剤層
51 ハードコート層
52 導電性中屈折率層
53 高屈折率層
54 低屈折率層
61 第1積層部
62 第2積層部
71 PDPモジュール
72 筐体
73 表示面
74 観察者
75 方向矢印

Claims (15)

  1. 第1透明基材と、その一面上に形成された反射防止層と、他の面上に形成された近赤外線遮蔽層とを含む第1積層部、第2透明基材と、その一面上に形成された電磁波遮蔽層とからなる第2積層部、並びに、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記第2積層部とを接合する接着剤層とを有し、
    前記第1積層部の近赤外線遮蔽層が近赤外線吸収色素として、ジイモニウム化合物カオチンと、下記化学式(1):
    (CF 3 SO 2 2 - (1)
    により表されるカウンターアニオンとにより構成された近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物を含む
    ことを特徴とする透明積層体。
  2. 前記電磁波遮蔽層が金属メッシュ層である、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  3. 前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と前記第2積層部の電磁波遮蔽層とが接合されている、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  4. 前記第2積層部が、前記第2透明基材の他の面上に形成された裏面接着剤層をさらに有する、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  5. 前記第2積層部の裏面接着剤層の接着強度が1〜20N/25mmである、請求の範囲第4項に記載の透明積層体。
  6. 前記第1積層部の近赤外線遮蔽層が、
    前記近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物第1近赤外線吸収色素として含みさらに750〜950nmの近赤外波長の領域に吸収極大を有し、かつ前記ジイモニウム系化合物とは異種の少なくとも1種の色素化合物からなる第2近赤外線吸収色素と、
    少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体の重合体を含む透明性樹脂とを含み、また、
    前記透明性樹脂用重合体を構成するエチレン性不飽和単量体の少なくとも30質量%が、下記一般式(2):
    Figure 0004463272
    〔但し、前記式(2)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Xは6〜25個の炭素原子を有する環状炭化水素基を表す〕
    により表される単量体である、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  7. 前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に含まれる近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物が、下記化学式(3):
    Figure 0004463272
    により表される化合物である、請求の範囲第1項又は第6項に記載の透明積層体。
  8. 前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に含まれる前記透明性樹脂が、60〜120℃のガラス転移温度と、20,000〜80,000の数平均分子量と、200,000〜400,000の重量平均分子量とを有する、請求の範囲第6項に記載の透明積層体。
  9. 前記第1積層部の前記反射防止層が、ハードコート層と、このハードコート層上に積層された導電性中屈折率層と、前記導電性中屈折率層上に積層された高屈折率層と、この高屈折率層上に積層された低屈折率層とから構成されている、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  10. 前記反射防止層に含まれる前記ハードコート層は、酸化物微粒子とバインダー成分とを含有し、前記酸化物微粒子の含有率が30質量%以上である、請求の範囲第項に記載の透明積層体。
  11. 前記第2積層部に含まれる前記金属メッシュ層が、黒色金属の電解メッキにより黒色化されている表面を有する金属メッシュを含む、請求の範囲第2項に記載の透明積層体。
  12. 前記電磁波遮蔽層の厚さが1〜15μmである、請求の範囲第1項又は第2項に記載の透明積層体。
  13. 前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記接着剤層との間に、衝撃吸収層がさらに含まれている、請求の範囲第1項に記載の透明積層体。
  14. 第1透明基材の一面上に反射防止層を形成し、その後に、第1透明基材の他の面上に近赤外線遮蔽層を形成して第1積層部を形成し、別に第2透明基材の一面上に金属メッシュ層を形成して第2積層部を形成し、前記第1積層部の近赤外線遮蔽層と、前記第2積層部の金属メッシュ層とを接着剤層を介して接合して積層体を形成することを含み、
    前記第1積層部の近赤外線遮蔽層に、近赤外線吸収色素として、ジイモニウム化合物カオチンと、下記化学式(1):
    (CF 3 SO 2 2 - (1)
    により表されるカウンターアニオンとにより構成される少なくとも1種の近赤外線吸収性ジイモニウム系化合物を含ませる
    ことを特徴とする透明積層体の製造方法。
  15. 前記第2積層部の金属メッシュ層を形成するために、第2透明基材の一面上に、触媒を含有するインクにより、所望メッシュパターンを有する画像を印刷し、前記印刷された面上に無電解金属メッキ及び/又は電解金属メッキを施して、前記触媒含有インク画像のパターンに従って金属を析出させ、前記第2透明基材上に固定する、請求の範囲第14項に記載の透明積層体の製造方法。
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