JP5434245B2 - 光制御シート及び建物 - Google Patents
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Description
ここに記載のものは、ガラス板内部に回折格子が形成されており、その回折格子の格子面とガラス板の面の垂線とのなす角度が、窓ガラスの屈折率をnとして、[sin-1(sinθS /n)+sin-1(1/n)]/2以上、[sin-1(sinθS /n)+90°+sin-1(1/n)]/2以下である窓ガラスを用いることにより、回折格子の回折波長域が赤外線の範囲にある場合において、夏季には室温上昇の原因となる赤外線を有効に遮断し、冬季には赤外線を室内に有効に取り込むことを可能にするものである。
また、特開平3−197741号公報には、天窓に使用して太陽光線の入射角により、夏季は太陽光を遮光する状態とし、冬季は太陽光を採光する状態とする建築物用透明板材が開示されている。
この建築物用透明板材は、太陽光を遮断する遮光部と透過させる透過部とを交互に設けたパターンを透明板の上面、下面に配置し、且つ、上面と下面のパターン配置をずらし、入射する太陽光の量を調節するものである。
特開平3−197741号公報
本発明はこれらに対応するもので、具体的には、太陽光を建物内に、主には温室内に、取り入れる光取り入れ部に配置される太陽光取り入れ制御用の光制御シートであって、夏季は室内への太陽光の取り込みを遮断し、冬季は太陽光の取り込みを可能とする、建物の側面に適用でき、且つ、生産性がよく、製造費用の面でも問題がない、光制御シートを提供しようとするものである。
n 1 sinθ 1 =n 2 sinθ 10
n 1 sinθ 2 =n 2 sinθ 20
であり、
θ 20 ≦tan -1 ((Pa−(Wa/2))/Ta)<θ 10
であることを特徴とするものである。
尚、ここでの、「一次元に形成され、」は、断面形状が同じで直線状に形成されていることを意味する。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1の光制御シートであって、前記台形は等脚台形で、前記楔形部は二等辺三角形であることを特徴とするものである。
また、請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光制御シートであって、前記光透過性部の屈折率は、前記遮光部の屈折率と同じ、もしくは、それよりも高いことを特徴とするものである。
尚、ここでは角度の単位を度(°と表示する)で表している。
請求項6に係る建物は、請求項5に記載の建物であって、温室用であることを特徴とするものである。
本発明の光制御シートは、このような構成とすることにより、太陽光を建物内に、主には温室内に、取り入れる光取り入れ部に配置される太陽光取り入れ制御用の光制御シートであって、夏季は室内への太陽光の取り込みを遮断し、冬季は太陽光の取り込みを可能とする、建物の側面に適用でき、且つ、生産性がよく、製造費用の面でも問題がない、光制御シートの提供を可能とするものである。
詳しくは、シート全体が、太陽光を透過する光透過性材料からなる光透過性部と、太陽光を吸収する光吸収材料からなる遮光部群とからなり、且つ、前記遮光部群は、シート内の一方向に、所定ピッチで、光吸収材料からなる遮光部を複数、配列させているもので、前記一方向に直交する方向に一次元に形成され、且つ、前記一方向における断面において、上底辺、下底辺をシート面に平行にする台形である単位の光透過性部を、複数、隣接して所定のピッチで配列するとともに、隣り合う前記台形の光透過部間の楔形部に前記光吸収材料が充填されているもので、該楔形部は、一面側に向けて先端を有するとともに、他面側に底面を有している夏至の南中高度がθ 1 で、春分の日、秋分の日の南中高度がθ 2 である、建物の南側側面に配されるもので、前記光制御シートの楔形部の高さ、ピッチ、底辺の幅を、それぞれ、Ta、Pa、Wa、とし、また、空気の屈折率をn 1 、前記光透過性部の屈折率をn 2 とし、且つ、前記夏至の南中高度θ 1 、前記秋分の日の南中高度θ 2 において、前記光透過性部に太陽光が入射された際の屈折角を、それぞれ、θ 10 、θ 20 とした場合、スネルの法則より、
n 1 sinθ 1 =n 2 sinθ 10
n 1 sinθ 2 =n 2 sinθ 20
であり、
θ 20 ≦tan -1 ((Pa−(Wa/2))/Ta)<θ 10
であることにより、該シートへ照射される太陽光を、その照射する角度に対応して通過する太陽光の量を制御することを可能としている。
そして、前記台形は等脚台形で、前記楔形部は二等辺三角形である形態が挙げられる。
n1 sinθ1 =n2 sinθ10
n1 sinθ2 =n2 sinθ20
であり、
θ20≦tan-1((Pa−(Wa/2))/Ta)<θ10
であることにより、光透過部と遮光部の境において反射が起こらない場合には、夏至の太陽光を100%を遮断し、春分の日〜夏至〜秋分の日の期間以外の期間においては、照射される太陽光の該シートへの入射の角度θに応じた量で、太陽光を採光できるものとしている。
光透過部と遮光部との屈折率を選択して、光透過部と遮光部の境における反射を抑制することにより、光透過部と遮光部の境においての反射を抑制でき、実質的に、夏至の太陽光を100%を遮断する太陽光制御機能を奏することが可能である。
夏至において、光透過性部に入射された太陽光の、遮光部との境界における反射を少なくするという面からは、光透過性部の屈折率が、遮光部の屈折率と同じ、もしくは、遮光部の屈折率よりも低いことが好ましい。
図1(a)は本発明の光制御シートの実施の形態の第1の例と太陽光の照射光の制御を説明するための概略断面図で、図1(b)は図1(a)に示す第1の例の光制御シートを太陽光入射側からみた平面図で、図1(c)は図1(a)に示す第1の例の光制御シートの使用形態を示した図で、図2は本発明の光制御シートの実施の形態の第2の例と太陽光の照射光の制御を説明するための概略断面図で、図2(b)は図2(a)に示す第2の例の光制御シートの使用形態を示した図で、図3は図1に示す光制御シートにおける太陽光の制御を説明するための図で、図4は図2に示す光制御シートにおける太陽光の制御を説明するための図で、図5(a)は本発明の光制御シートの実施の形態の第3の例の概略断面図で、図5(b)は本発明の光制御シートの実施の形態の第4の例の概略断面図で、図5(c)は本発明の光制御シートの実施の形態の第5の例の概略断面図で、図5(d)は本発明の光制御シートの実施の形態の第6の例の概略断面図で、図5(e)は本発明の光制御シートの実施の形態の第7の例の概略断面図で、図6(a)は本発明の光制御シートの実施の形態の第8の例の概略断面図で、図6(b)は本発明の光制御シートの実施の形態の第9の例の概略断面図で、図7(a)、図7(b)は第1の例の光制御シートの作製方法を説明するための図で、図8は第8の例の光制御シートの作製方法を説明するための図で、図9は第2の例の光制御シートの作製方法を説明するための図である。
図1、図2においては、太い点線矢印は太陽光の進行方向を示し、該方向と水平方向とのなす角度をθとしている。
また、図8、図9中の太い破線は、切断位置を表す。
図1〜図9中、10、10a〜10gは光制御シート(単にシートとも言う)、10Sはシート面、11は光透過性部、11Aは光透過性シート、11aは台形部、12は遮光部(単位の遮光部とも言う)、12Aは楔形部、12Sは底面、15は太陽光の照射光、20、20aは建物、21は側壁、22は窓部、30は光制御シート、30Sはシート面、31は光透過性部、32は遮光部(単位の遮光部とも言う)、41、42は透明シート、50、50aは積層構造体、51は光透過性部、52は遮光部である。
第1の例の光制御シート10は、太陽光を建物20内に取り入れる建物20の南側側面(側壁21とも言う)の窓部22に用いられる太陽光取り入れ制御用の光制御シートである。
そして、シート全体が、太陽光を透過する光透過性材料からなる光透過性部11と、太陽光を吸収する光吸収材料からなる遮光部群とからなり、且つ、前記遮光部群は、シート10内の一方向に、所定ピッチで、光吸収材料からなる単位の遮光部12を複数、配列させているものである。
本例では、前記一方向に直交する方向に一次元に形成され、且つ、前記一方向における断面において、上底辺、下底辺をシート面に平行にする台形である単位の光透過性部11aを、複数、隣接して所定のピッチで配列するとともに、隣り合う前記台形の光透過部11a間の楔形部に前記光吸収材料が充填されて、単位の遮光部12を形成している。
尚、ここでの、「一次元に形成され、」は、先にも述べたように、断面形状が同じで直線状に形成されていることを意味する。
第1の例では、シート10の太陽光入射側に沿い底面12Sを有し、他面側に向けて先端を有しており、図1(a)に示す断面において、シート10内に、シート面10Sに沿い、所定の高さTa、ピッチPaに、光吸収材料からなる単位の遮光部12を複数、配列させている。
遮光部12は、太陽光を吸収して遮光できる光吸収材料からなり、該光吸収材料としては、通常、市販の着色樹脂微粒子等の光吸収粒子を含むものを使用する。
尚、ここでは、「太陽光を吸収して遮光できる」とは、遮光部12の表面へ向かう太陽光は遮光部12にて吸収され、遮光部12の表面にて反射が起こらない、あるいは、実用レベルで反射光量が無視できる程度であることを意味している。
ここでは、太陽光15の進行方向と水平方向とのなす角度をθとし、光制御シート10の光透過性部11に入射された際の屈折角をθ01としている。
また、光制御シート10の楔形部12Aの高さ、ピッチ、底辺の幅を、それぞれ、Ta、Pa、Waとしている。
この場合、空気の屈折率をn1 、前記光透過性部の屈折率をn2 とすると、スネルの法則より、
n1 sinθ=n2 sinθ01
となる。
そして、
θa=tan-1((Pa−(Wa/2))/Ta)とした場合、θaがθ01よりも小さい場合には、全ての光透過性部11に入射された屈折光は遮光部12に当たり遮蔽されることとなる。
また、θaがθ01より大きい場合、θ01の大きさに対応して建物内に太陽光が取り入れられることとなる。
このように、θaとθ01との大小関係に対応して、太陽光の建物内へ取り入れ量が制御される。
n1 sinθ1 =n2 sinθ10
n1 sinθ2 =n2 sinθ20
であり、
θ20≦tan-1((Pa−(Wa/2))/Ta)<θ10
であることにより、光透過部と遮光部の境において反射が起こらない場合には、夏至の太陽光を100%を遮断し、春分の日〜夏至〜秋分の日の期間以外の期間においては、照射される太陽光の該シートへの入射の角度θに応じた量で、太陽光を採光できるものとしている。
光透過部11と遮光部12との屈折率を選択して、光透過部11と遮光部12の境における反射を抑制することにより、光透過部11と遮光部12の境においての反射を抑制でき、実質的に、夏至の太陽光を100%を遮断する太陽光制御機能を奏することが可能である。
夏至において、光透過性部に入射された太陽光の、遮光部との境界における反射を少なくするという面からは、光透過性部の屈折率が、遮光部の屈折率と同じ、もしくは、遮光部の屈折率よりも低いことが好ましい。
参考実施形態例1の光制御シート30は、図2(b)に示すように、建物20aの天側の窓部22に用いられる太陽光取り入れ制御用の光制御シートである。
参考実施形態例1も、第1の例と同様シート全体が、太陽光を透過する光透過性材料からなる光透過性部31と、太陽光を吸収する光吸収材料からなる遮光部群とからなり、且つ、前記遮光部群は、シート内に、断面形状で、シート面に沿い、所定の高さ、ピッチに、光吸収材料からなる単位の遮光部を複数、配列させているもので、本例では、前記断面形状は、シート面に所定の角度θbを有する直線状の単位の遮光部32を配列させている。
光透過性部31、遮光部32の材質としては、第1の例と同様のものが適用できる。
ここでも、太陽光15の進行方向と水平方向とのなす角度をθとし、光制御シート30の光透過性部31に入射された際の屈折角をθ02としている。
また、光制御シート30の単位の遮光部32の高さ、幅を、それぞれ、Tb、Wbとしている。
この場合、空気の屈折率をn1 、前記光透過性部の屈折率をn3 とすると、スネルの法則より、
n1 sin(90°- θ)=n3 sinθ02
となる。
そして、θb=tan-1(Tb/Wb)とした場合、θbがθ02と同じ大きさである場合には、100%近く太陽光を建物内に取り入れることができるものとしている。
そしてまた、遮光部32の配列のピッチPbを遮光部32の幅Wbよりも小とすることにより、θ02がθbよりも大きい場合において、遮光性の良いものとできる。
n1 sin(90°−θ3 )=n3 sinθ30
であり、ここでは、
tan-1(Tb/Wb)=θ30
としており、冬至において、100%近く太陽光を採光できるものとしている。
尚、単位の遮光部32のピッチPbは、冬至以外の時期の採光の必要性に応じて、適宜決めることが好ましい。
参考実施形態例1の場合、冬至において、光透過性部に入射された太陽光の、遮光部との境界における反射を少なくするという面からは、光透過性部の屈折率が、遮光部の屈折率と同じ、もしくは、遮光部の屈折率よりも高いことが好ましい。
特に、遮光部の屈折率と同じの場合が最も好ましい。
また、一方の面あるいは両方の面に、透明なシートを配していることにより、内側を保護し、構造的に強固とし、また、窓ガラスへの固着のための粘着剤等の配設を容易にできる。
図5(a)は、本発明の光制御シートの実施の形態の第2の例の断面を示すものであるが、第2の例の光制御シート10aは、第1の例の光制御シート10の両面に、太陽光透過性の透明シート41、42を保護層あるいはベース基材として配したものです。
この形態の変形例としては、光制御シート10と透明シート41ないし42との間に粘着層を配して、透明シート41ないし42を剥がして光制御シート10側を窓部に貼り付けて使用する形態も挙げられる。
光制御シート10a、変形例も、第1の例と同様に、建物の南側側面の窓部の外側に配して、太陽光の採り入れ量を制御することができる
図5(c)に示す実施の形態の第4の例は、第1の例において、遮光部の断面形状を釘型としたもので、それ以外は第1の例と同じである。
図5(d)に示す実施の形態の第5の例、図5(e)に示す第6の例は、それぞれ、第3の例、第4の例の光制御シートの両面に、太陽光透過性の透明シート41、42を保護層あるいはベース基材として配したものです。
第5の例、第6の例の変形例としては、光制御シート10と透明シート41ないし42との間に粘着層を配して、透明シート41ないし42を剥がして光制御シート10側を窓部に貼り付けて使用する形態も挙げられる。
第7の例の場合も、遮光部12の高さ、幅、ピッチを、それぞれ、Tc、Wc、Pcとし、また、空気の屈折率をn1 、前記光透過性部の屈折率をn2 とし、且つ、前記夏至の南中高度θ1 、前記秋分の日の南中高度θ2 において、前記光透過性部に太陽光が入射された際の屈折角を、それぞれ、θ10、θ20とした場合、スネルの法則より、
n1 sinθ1 =n2 sinθ10
n1 sinθ2 =n2 sinθ20
であり、
θ20≦tan-1((Pc−Wc)/Tc)<θ10
とすることにより、光透過部と遮光部の境において反射が起こらない場合には、夏至の太陽光を100%を遮断する。
第7の例においても、第1の例と同様、光透過部と遮光部との屈折率を選択して、光透過部と遮光部の境における反射を抑制することにより、実質的には、これに近い太陽光制御機能を奏することが可能である。
光透過性部に入射された太陽光の、遮光部との境界における反射を少なくするという面からは、光透過性部の屈折率が、遮光部の屈折率と同じ、もしくは、遮光部の屈折率よりも高いことが好ましい。
特に、遮光部の屈折率と同じの場合が最も好ましい。
また、春分の日〜夏至〜秋分の日の期間以外の期間においては、照射される太陽光の該シートへの入射の角度θに応じて、太陽光を採光できる。
図6(b)は、本発明の光制御シートの実施の形態の第8の例の断面を示すものであるが、第8の例の光制御シート10gは、第7の例の光制御シート10fの両面に、太陽光透過性の透明シート41、42を保護層あるいはベース基材として配したものです。
この形態の変形例としては、光制御シート10fと透明シート41ないし42との間に粘着層を配して、透明シート41ないし42を剥がして光制御シート10b側を窓部に貼り付けて使用する形態も挙げられる。
光制御シート10g、その変形例も、第1の例と同様に、建物の南側側面の窓部の外側に配して、太陽光の採りいれ量を制御することができる。
はじめに、図1に示す第1の例、図5(a)に示す第2の例の光制御シートの作製方法の1例を、図7に基づいて簡単に説明する。
先ず、電離放射線硬化性を有するエポキシアクリレートなどの材料を押し出しロールから型付けして押し出し、硬化させて、図7(a)に示す楔形に凹んだ楔形部(凹部とも言う)を有するシートを作製する。
必要に応じて、熱、圧力をかけ押し出し、また電離放射線を照射して硬化させる。
次いで、該シートをロールに沿わせながら搬送し、太陽光を吸収して遮光できる光吸収材料を埋め込み、スキージ等にて余分の光吸収材料を除去して、図7(b)に示す第1の例の光制御シート10を得る。
このようにして、第1の例の光制御シート10は作製される。
第2の例の光制御シート10aは、上記のようにして作製された第1の例の光制御シート10の両面に透明シート41、42を積層して作製する。
図5(b)に示す第3の例の光制御シート10b、図5(c)に示す第4の例の光制御シート10cの作製も、基本的には、第1の例の光制御シート10の作製と同じ方法が適用できる。
図7(a)において、楔形の凹部(楔形部12A)に代えて、作製する遮光部の形状に対応する断面形状の凹部を形成しておき、該凹部に光吸収材料を埋め込み、スキージ等にて余分の光吸収材料を除去して作製する。
このようにして、第3の例、第4の例の光制御シート10は作製される。
図5(d)に示す第5の例の光制御シート10d、図5(e)に示す第6の例の光制御シート10eは、それぞれ、上記のようにして作製された第3の例、第4の例の光制御シートの両面に透明シート41、42を積層して作製する。
参考実施形態例1の光制御シート30の場合は、先ず、図9にその断面を示す透過性部51からなる層、遮光部52からなる層を、それぞれ所定の厚さにして、積層した積層構造体50aを得る。
必要に応じて、熱、圧力をかけて積層する。
次いで、図9の太い破線の位置を切断して、参考実施形態例1の光制御シート30を得る。
このようにして、参考実施形態例1の光制御シート30は作製される。
また、第7の例の光制御シート10fの場合は、参考実施形態例1と同様に、先ず、図8にその断面を示す透過性部51からなる層、遮光部52からなる層を、それぞれ所定の厚さにして、必要に応じて、熱、圧力をかけて、積層した積層構造体50を得る。
次いで、図8の太い破線の位置を切断して、第7の例の光制御シート10fを得る。 このようにして、第7の例の光制御シート10fは作製される。
そしてまた、第8の例の光制御シート10gは、第7の例の光制御シート10fの両側に透明シート41、42を積層して作製する。
上記各例以外でも、基本的構成を同じくし、同様の機能(作用効果)を奏する光制御シートであれば良い。
遮光部の断面形状も、第1の例、参考実施形態例1、第2の例〜第8の例の光制御シートの断面形状でないものでも同様の機能を奏するものであれば良い。
第1の例の遮光部の楔形の断面形状、第3の例の遮光部の台形形状の細い側である先端部が丸みをおびた形状でもよい。
特に、夏至において、光透過性部に入射された太陽光の、遮光部との境界における反射を少なくするという面からは、このように配した方が好ましい。
この形態の光制御シートは、建物の外側に配置する場合において、撥水加工した面が特に雨対策として有効である。
例えば、可視光(好ましくは400nm〜780nm)を透過して、赤外線の波長を吸収するような透明な蓄熱材料層を冬季に温室用に用いた場合、冬季に、多くの太陽エネルギーを吸収することができる。
例えば、建物の光取入れ部が窓ガラスで、窓ガラスの外側に配置する場合には、建物外側より、UV吸収フィルム、上記第1の例、参考実施形態例1、第2の例〜第8の例の各形態の光制御シート、粘着剤層の層構成で、粘着剤層により窓ガラスに貼り合わせる。
また、例えば、建物の光取入れ部が窓ガラスで、窓ガラスの内側に配置する場合には、建物外側より、粘着剤層、上記第1の例、参考実施形態例1、第2の例〜第8の例の各形態の光制御シート、UV吸収フィルムの層構成で、粘着剤層により窓ガラスに貼り合わせる。
10S シート面
11 光透過性部
11A 光透過性シート
11a 台形部
12 遮光部(単位の遮光部とも言う)
12A 楔形部
12S 底面
15 太陽光の照射光
20、20a 建物
21 側壁
22 窓部
30 光制御シート
30S シート面
31 光透過性部
32 遮光部(単位の遮光部とも言う)
41、42 透明シート
50、50a 積層構造体
51 光透過性部
52 遮光部
Claims (6)
- 太陽光を建物内に取り入れる光取り入れ部に配置される太陽光取り入れ制御用の光制御シートであって、該シート全体が、太陽光を透過する光透過性材料からなる光透過性部と、太陽光を吸収する光吸収材料からなる遮光部群とからなり、且つ、前記遮光部群は、シート内の一方向に、所定ピッチで、光吸収材料からなる遮光部を複数、配列させているもので、前記一方向に直交する方向に一次元に形成され、且つ、前記一方向における断面において、上底辺、下底辺をシート面に平行にする台形である単位の光透過性部を、複数、隣接して所定のピッチで配列するとともに、隣り合う前記台形の光透過部間の楔形部に前記光吸収材料が充填されているもので、該楔形部は、一面側に向けて先端を有するとともに、他面側に底面を有している夏至の南中高度がθ 1 で、春分の日、秋分の日の南中高度がθ 2 である、建物の南側側面に配されるもので、前記光制御シートの楔形部の高さ、ピッチ、底辺の幅を、それぞれ、Ta、Pa、Wa、とし、また、空気の屈折率をn 1 、前記光透過性部の屈折率をn 2 とし、且つ、前記夏至の南中高度θ 1 、前記秋分の日の南中高度θ 2 において、前記光透過性部に太陽光が入射された際の屈折角を、それぞれ、θ 10 、θ 20 とした場合、スネルの法則より、
n 1 sinθ 1 =n 2 sinθ 10
n 1 sinθ 2 =n 2 sinθ 20
であり、
θ 20 ≦tan -1 ((Pa−(Wa/2))/Ta)<θ 10
であることを特徴とする光制御シート。 - 請求項1に記載の光制御シートであって、前記台形は等脚台形で、前記楔形部は二等辺三角形であることを特徴とする光制御シート。
- 請求項1ないし2のいずれか1項記載の光制御シートであって、一方の面あるいは両方の面に、透明なシートを配していることを特徴とする光制御シート。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光制御シートであって、前記光透過性部の屈折率は、前記遮光部の屈折率と同じ、もしくは、それよりも高いことを特徴とする光制御シート。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光制御シートを配していることを特徴とする建物。
- 請求項5に記載の建物であって、温室用であることを特徴とする建物。
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