JP5493150B2 - 調光透明窓用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、室内から外側はほぼ完全に見ることができ、夏の太陽光は遮断し、冬の太陽光は取り入れることができる調光透明窓としての機能を有するとともに、入射する太陽光を太陽電池のために集光する機能を有する調光透明窓用部材に関するものである。
近年、炭酸ガスの排出量削減が重要な課題となっているが、その中でも特に民生部門における炭酸ガスの排出量は大きく増加しており、その削減が急務となっている。建物や乗り物の冷暖房に使われるエネルギーは、民生部門のエネルギー消費の3分の1近くに達しており、これを低減することができれば、炭酸ガスの排出量削減にも大きく寄与する。建物や乗り物の窓ガラスは、その冷暖房負荷を決定する大きな要因になっており、光や熱の出入りをうまくコントロールすることのできる窓ガラスが実現できれば、冷暖房負荷を大きく低減することができる。
太陽光を遮蔽するのに通常用いられるブラインドやカーテン等は、窓ガラスに対する光の入射角に対する選択性はなく、窓に対してあらゆる角度で入射する光をすべて一様に遮って調節する。
また、最近「エコガラス」として売られている太陽光の熱線成分を反射するような薄膜をコーティングしたガラスや、金属薄膜をコーティングした熱線反射ガラス等は、太陽光をスペクトル的に制御することで冷暖房負荷を下げているが、これらも、本来は太陽光に対してのみ作用すれば十分であるにもかかわらず、窓に対するあらゆる入射光に対して同様に機能するようになっている。しかし、例えば、日本における夏の太陽の高度は高く、南側の面を向いた窓に対しては、70度以上の角度で太陽光が入射するが、これは垂直に設置した窓への入射角にすると上方から見て20度の角度にすぎない。残りの160度の範囲の角度で入射する光については、遮る必要はなく、むしろこれらの光が透過するようにすれば、外の景色はほぼ完全にみえることになる。
これまで、太陽光を全反射や屈折を用いて遮断する機能を持った調光ガラスは色々と提案されてきたが、いずれも遮るべき太陽光以外の光がどのように透過するこということが考慮されていなかった。外の景色がよく見えるということは、窓の機能として非常に重要なことであり、太陽光は入射させないという条件と、景色がよく見えるという条件とが両立できれば、これまでに無い新しい省エネルギーガラスになる。
一方、特許文献1には、夏の強い直射日光を防ぎ、冬の弱い光は室内に導き、省エネルギーに利する役割を窓に付加させることを目的として、全反射と鏡面反射とを組み合わせた選択透過反射材が提案されている。この選択透過反射材は、室内側に上下にわたって複数の傾斜部を段状に設け、ステップ部分が鏡面となるように構成されているものである。しかしながら、このような構成のものは、厚みの厚い部分と薄い部分があるため、室内から外を眺めると、屈折により外の景色が浮き上がって見え、また鏡面部分では光が遮られるようになり、窓の本来の役割を果たすことができなくなる。
ところで、新エネルギーの中でも太陽電池の導入が最も進んでおり、今後も大きく伸びることが期待されている。しかしながら、国土のせまい日本では、太陽電池を設置するためのスペースの確保が一つの課題である。
また、吸収し発電に寄与する光の大部分が太陽の直達光であり、片や透過する光は自然光であるという特徴をもつ太陽電池モジュールが特許文献2に提案されている。図8に、この太陽電池モジュールの構造を模式的に斜視図で示す。
この太陽電池モジュールでは、透明体53が太陽電池モジュール入射面51側に、また透明体54が太陽電池モジュール背面52側にそれぞれ設けられ、これら両透明体53、54に挟まれる形で、対をなす透明層55と太陽電池セルの層56とが、対をなしつつ、太陽電池モジュール縦幅方向に沿って一定間隔で多数形成されている。透明体53、54の内側の形状はプリズムが太陽電池モジュール縦幅方向に沿って多数並設された形態となっている。透明体53、54はそれぞれのプリズム部が相補的に組み合わさるように配置される。透明層55は透明材料もしくは透明物質によって形成される屈折率nをもつ層であり、その一例として空気層の使用が例示されている。透明層55の屈折率nは、透明体53、54の屈折率n、nのいずれよりも小さく設定されている。透明層55は薄い層であり、入射面51に対して傾斜角θをもって傾斜して形成され、太陽電池モジュール横幅方向に延び、帯状をなしている。太陽電池セルの層56も同様に太陽電池モジュールの横幅方向に延び、帯状をなしている。太陽電池セルの層56が入射面51となす角をθとすると、θは0゜<θ≦90゜を満たす角に設定される。
このような構成において、入射光の入射角αを入射光と入射面51とのなす角とすると、αが比較的小さいときには、太陽電池モジュールに入射した光は界面57で反射され、αがある値を超えた大きな値になると、光は界面57を通過する。このようにして、太陽からの直達光は太陽電池セルの層56に吸収させ発電に用いる機能と、自然光を透過する機能とを併せもつことを可能にしている。
しかしながら、上記特許文献2の太陽電池モジュールは、太陽からの直達光を利用して発電を行うことが主目的であり、自然光を透過させる機能も持たせることから、季節にとらわれずに発電を行う必要がある。冬場には太陽の高度は夏場に比べ低くなっている。そのため、透明体53、54の内側形状はプリズム状の形態を採らざるを得ず、太陽電池モジュールを構成した場合には、その厚みが必然的に厚くなるという問題があった。
また、実際の製造を考えた場合、ガラス等の場合、透明体53、54の内側形状をプリズム状に加工するのは難しく、実用化を阻む大きな要因となっていた。
さらに、このような太陽電池モジュールを建物等の窓ガラスに適用した場合には、たとえ上記θを90゜に設定したとしても、室内にいる人の視線に垂直な方向には太陽電池セルの層56は細いラインとしか見えないが、徐々に上側あるいは下側の方向に従って視線を上下させると次第にライン幅が広がる帯状の光遮蔽部となってしまう。このことはθが図8のように大きな傾きをもった場合にはより顕著となってしまう。
特開2003−202159号公報 特開2001−313411号公報
本発明は、以上のような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、室内から外を眺めても外の景色が浮き上がったり一部が遮られたりして見えることなく、冬の太陽光は効果的に室内に取り込み、夏の太陽光を効果的に遮断し、冷暖房付加を大幅に低減することができ、かつ、太陽電池を設置するためのスペースの確保に寄与することができ、季節性を考慮した調光を行うことができる調光透明窓用部材を提供することを課題とする。
また、本発明は、構造が簡単で加工が容易で、より薄型化が可能な調光透明窓用部材を提供することをも課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、第1には、一対の平行な平面を持つ板状もしくはシート状のプラスチック材料からなる透明窓用部材の中に、一定厚みを有する平面形状のスリットからなる空気層が上下方向に複数、一定間隔で透明窓用部材の幅方向に延びるように且つ前記平面に対して傾斜して形成され、室外側の透明窓用部材と前記空気層との界面により、冬場における室外から所定角度以下で上方から入射する太陽光は室内に取り込み、夏場における室外から所定角度より大きい角度で上方から入射する太陽光を全反射させ、室内への侵入を遮断するとともに、入射した太陽光を透明窓用部材の下方側に設けられた太陽電池に導く集光機能を有し、室内から外側は通常の窓ガラスと同様に見ることができることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
第2には、上記第1の発明において、前記スリットが、透明窓用部材の幅方向両端部を除き透明窓用部材の室外側から室内側に抜けるように形成されていることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
第3には、上記第1の発明において、前記スリットが、透明窓用部材の一方の側面からもう一方の側面に抜けるように形成されていることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
第4には、上記第1の発明において、前記空気層の隣接するもの同士が、前記空気層の傾斜角度とは異なる傾斜角度で反対向きのスリットからなる別の空気層で連通していることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
第5には、上記第1の発明において、前記透明窓用部材が複数のユニットを上下方向に接着して設けた構造を有し、各ユニットに、前記空気層の下方端部付近から前記空気層の傾斜角度とは異なる傾斜角度で反対方向のスリットからなる別の空気層が連絡形成されていることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
第6には、上記第1ないし第5の発明において、前記空気層の厚みが2mm以下であることを特徴とする調光透明窓用部材を提供する。
本発明によれば、上記構成を採用したので、室内から外を眺めても外の景色が浮き上がったり、一部が欠けて見えることなく、通常の窓ガラスと同様に外の景色を見ることができ、冬の太陽光は効果的に室内に取り込み、夏の太陽光は効果的に遮断し、冷暖房負荷を大幅に低減することができる。また、本発明によれば、上記効果に加え、薄型で且つシンプルな構造で容易に製造できる調光透明窓用部材の提供が可能となる。さらに、本発明によれば、建物の窓ガラスを集光装置にすることができ、建物の側面に照射される太陽光を利用して発電ができ、太陽電池の配置スペースの確保という課題解決に寄与できる。特に、最近はビル等の建物において、大きい窓が好まれる傾向があり、この大きな窓で受けた光で太陽光発電が可能になると、大きく受光面積を稼ぐことができる。
本発明の調光透明窓用部材は、窓ガラスに貼り付けたり、接触するように吊るしたりして用いてもよいし、窓ガラス自体を構成するようにしてもよい。
本発明の調光透明窓用部材の基本的な原理を示す図である。 臨界角及び全反射の説明図である。 東京で南を向いた窓において太陽光がスリットからなる空気層に入射するときの入射角度を計算した結果を示す図である。 スリットからなる空気層に対する入射角の説明図である。 本発明の調光透明窓用部材における光の侵入の遮断の原理を説明するための断面図である。 本発明の実施形態の調光透明窓用部材を説明するための斜視図及び断面図である。 本発明の別の実施形態の調光透明窓用部材を説明するための断面図である。 太陽からの直達光は太陽電池セルによる発電に利用し、自然光は透過させる機能を有する従来の太陽電池モジュールの構造を模式的に示す斜視図である。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の調光透明窓用部材(以下、調光部材とも称する)の基本原理を図1ないし図5により述べる。この調光部材11は、アクリル樹脂などのプラスチック等の透明材料からなり、室内側に平面12Aを有するとともに、室外側にも平面12Bを有し、平面12Aと平面12Bとは互いに平行となっている。プラスチックの屈折率は一般に1.3〜1.7の範囲にあり、その光透過率は通常のガラスと同様、90%前後と高い。たとえばアクリル樹脂の屈折率は約1.5、光透過率は92〜93%である。調光部材11は、平面11A、11Bに対し一定角度で傾斜した一定の厚みを有する平面形状のスリットからなる空気層13を有している。この空気層13は調光部材11の幅方向に述べるように帯状に形成されている。すなわち、空気層13は上部が室外側に近くなり、下部が室内側に近くなるように傾斜して形成されている。空気層13の傾斜角度αは以下に述べる技術的事項を考慮して設定される。
ここでは、調光部材11の透明材料が屈折率1.5のプラスチックである場合を例に説明する。一般に、屈折率が大きい媒体(プラスチック)から小さい媒体に光(空気)が進む場合、図2の右側に示すように、入射角が小さいときには、両者の界面で屈折が生じる。本例の場合、プラスチックの屈折率が1.5で空気の屈折率が1であるので、屈折角は入射角より大きくなる。入射角が次第に大きくなると、屈折角も次第に大きくなる。入射角がある角度になると図2の中央に示すように、屈折角が90゜になり、プラスチックから空気側へ光が進まない状態となる。この角度は臨界角と称されており、ここではθと記す。入射角がさらに大きくなると図2の左に示すように光は界面で全て反射され、全反射と称される状態となる。
本例の場合、臨界角θと空気及びプラスチックとの間には次のような関係がある。
sinθ=(空気の屈折率)/(プラスチックの屈折率)=1/1.5
したがって、臨界角はθ=41.8゜となる。
図1の場合、光線2で示すように、室外側から平面(以下、プラスチック表面とも称する)12Bに小さい入射角で光が入射すると、光はプラスチック表面12Bで屈折した後、プラスチック構造部11B中を進み、プラスチック構造部11Bと空気層13の界面で屈折した後、空気層13を進み、空気層13とプラスチック構造部11Aの界面で屈折した後、プラスチック構造部11A中を進み、プラスチック表面12Aで屈折して、室内側に入射する。
一方、光線1で示すように、室外側から大きな入射角でプラスチック表面12Bに光が入射すると、光はプラスチック表面12Bで屈折した後、プラスチック構造部11Bを進み、プラスチック構造部11Bと空気層13の界面で全反射して、空気層13、プラスチック構造部11A側には透過せず、室内側への進入が遮断される。入射角が次第に大きくなり光が室内側に入射されなくなる角度を、本明細書においては「特定角」と称することとする。
特定角は、空気層13の傾斜角αに応じて変化させることができる。表1は、調光部材11の透明材料に屈折率1.5のプラスチックを用いた場合の空気層13の傾斜角αと特定角の関係を示す図である。ただし、水平方向の方位角については、調光部材に対して垂直に入射する場合を考えている。
例えば、空気層13の傾きを7度にすると、屈折率が1.5の場合、特定角は約60度になる。60度より大きな角度、例えば図1の光線1で示すような平面11Bに垂直な方向からの角度70度で上方から入射した光は、プラスチック表面12Bに入射する際屈折し、斜めの空気層13には45度の角度で入射する。この角度はプラスチック構造部11Bと空気層13との界面の臨界角より大きいため、全反射が起こり、光はこの界面で反射される。反射された光はプラスチック構造部11B内で反射され、空気層13、プラスチック構造部11Aは透過しない。これに対して光線2で示した特定角の60度より小さい角度で入射した光については、空気層13に対してプラスチック構造部11Bと空気層13との界面の臨界角よりも小さい角度でプラスチック構造部11Bから空気層13に入るため、全反射は起こらず屈折する。そして、空気層13からプラスチック構造部11Aに入るときに逆の屈折が起こり、空気層13の幅が小さければ、ほとんど空気層13の影響は受けず通常のガラスと同様に透過する。このため、空気層13の厚みは2mm以下であることが望ましい。空気層13の厚みの下限値は空気層13の役割が発揮できる観点から0.01mm程度である。空気層13の厚みが上記範囲であると、室内から室外を見たときに外の景色が通常のガラスと同じように見える。
また、表1から明らかなように、屈折率が大きい材料を使用すると傾斜角をより小さくできることがわかる。遮光にあたっては、材料の屈折率を考慮することも非常に有効である。
図3は、プラスチックの屈折率が1.5であり、空気層13の傾斜角が7度である図1のような調光部材を用い、東京で南を向いた窓において太陽光が入射したときの空気層13に対する入射角度(図4参照)を計算したものである。この入射角はプラスチック構造部12Bとスリットからなる空間部13との界面に光が達したときの角度で、水平方向の方位角も考慮した3次元的な入射角である。この角度が42.8度以上になると(図3の水平の実線)全反射が起きる。従って、4月から9月の暖かいあるいは暑い時期は太陽光を遮断し、10月から3月までの涼しいあるいは寒い時期は太陽光を透過させることがわかる。本明細書において、夏場とはたとえば東京においては4月から9月、冬場とは10月から3月を意味するものとする。
このような調光部材11をプラスチック製窓ガラスとするか、もしくは窓ガラスに取り付けることより、夏は太陽光を遮断し、冬は太陽光を取り入れるという機能が自動的に発現し、しかも常に外の景色はほぼ完全に見ることができるというこれまでにない新しい窓を実現することができる。ただし、室内側で窓に近づき、60度以上の角度で空を見上げた場合、外は見えないが、これは窓際で空を見上げる場合に限られ、影響は少ない。
従って、このような構造を持った調光部材を用いると太陽の高度が特定角よりも高いときは室内への太陽光の侵入を遮断することができる。しかもそれより下方から入射する光については、通常のガラスを透過するのと同様に透過するため、外の景色は通常のガラス窓と同様に見ることができる。
例えば、1m四方の大きな透明プラスチック板で、空気層13の傾斜角が7度になった図1の構造の調光部材11を作ろうとすると、プラスチック板の厚みは12cmとなり現実的ではない。この図1の構造は、横から見てこれと相似の形を持つものであれば、大きさによらず同等の調光機能を持つという特徴があり、縦方向の長さを縮めた周期構造にすることでこの問題を解決することができる。図5はそのような構造を持った透明構造体の断面構造を示した例である。例えば透明アクリル板を用い、レーザー加工かカッターブレードによる加工により図のようなスリットからなる空気層が形成された調光部材を作製すると、図1と同様の機能を持つ構造になる。たとえば縦方向の周期の長さを10cmにすると厚みは2cm程度にすることができる。
このような構造にすることで、ある特定角より大きい角度で上方から調光部材に入射した光は屈折した後、透明構造体と空気層の界面に達するが、この角度が透明体と空気層の間の特定角より大きい場合、全反射されて室内には透過しない。これに対して、特定角より小さい角度で透明構造体へ入射した光に関しては、空気層との界面で屈折するが、空気層から透明構造体に入る際に逆の屈折が起こってその作用が相殺され、空気層の幅が小さい場合、空気層による影響をほとんど受けずにそのまま透過する。
下側の傾斜の角度を40度とすると水平方向から入射する光に対しては、どの部分でも全反射は起らないため、中に形成した空気層は全く見えず透明なアクリル板と同様に外の景色が見える。この空気層の厚みを2mm以下とすると、光のひずみや分散を小さくすることができる。
次に、本発明による実施形態の2例を図6(a)、(b)に斜視図で示す。図6(a)の実施形態の調光部材31は、透明なプラスチックの板もしくはシートに横(側部)からレーザーかもしくはカッターブレードでスリットを入れることによって空気層33を形成した例である。図6(b)の実施形態の調光部材31は、透明はプラスチックの板もしくはシートに前から後ろへ抜けるようにスリットを入れることにより空気層33を形成した例である。この場合には、調光部材31の室外側に調光部材と同じ屈折率を持ち厚さが3倍以上ある透明部材を全反射が起こらないように貼り付けることで、図1の調光部材と同等の機能を持つ調光部材を実現できる。これらの調光部材31を窓ガラスに屈折率を整合させて界面で全反射が起こらないように貼り付けると、ガラス内部に太陽光を閉じこめて下端部に集光することができる。
空気層33として傾斜角7度のスリットを持つ構造体をガラスに光学的に整合するように貼り付けた図6(c)のような構造にすると、ガラスに対する入射角が60度以上の太陽光は空気層33で全反射された後、ガラス内での全反射を繰り返し、下端部に導かれる。一部の光は室内側にもれるが、60%以上の太陽光を下辺に集光することができる。
次に、本発明によるさらに別の実施形態の図7に断面図で示す。この実施形態の調光部材41は、アクリル等の透明体で図7(a)のような断面構造を持つ空気層43の周期構造を作るか、図7(b)のような断面構造のユニット41uを作りこのユニット41uを複数、接着剤45により上下に接着して調光部材41を構成するものである。図7(a)において44は太陽電池である。接着剤45は光透過性にすぐれ、また光学的に整合したものを用いることが好ましい。複数のユニット41uを用いる場合には、最も下方となる部分に太陽電池を配置する。
このような構造を持つ調光部材41を、光学的に整合するように窓ガラスに取り付けると、例えば空気層43の傾斜角を7度にした場合、特定角である60度以上の角度で入射する太陽光の70%程度を下辺に集光することができる。また下側の周期構造の傾斜を45度にすると、水平方向の光に対しては全反射が起こらないため、ほぼ完全に通常のガラスと同様に外の景色を見ることができる。
11、31、41 透明調光窓用部材(調光部材)
11A、11B、41A、41B 透明構造部(透明構造体)
13、33、43 空気層
34、44 太陽電池

Claims (6)

  1. 一対の平行な平面を持つ板状もしくはシート状のプラスチック材料からなる透明窓用部材の中に、一定厚みを有する平面形状のスリットからなる空気層が上下方向に複数、一定間隔で透明窓用部材の幅方向に延びるように且つ前記平面に対して傾斜して形成され、室外側の透明窓用部材と前記空気層との界面により、冬場における室外から所定角度以下で上方から入射する太陽光は室内に取り込み、夏場における室外から所定角度より大きい角度で上方から入射する太陽光を全反射させ、室内への侵入を遮断するとともに、入射した太陽光を透明窓用部材の下方側に設けられた太陽電池に導く集光機能を有し、室内から外側は通常の窓ガラスと同様に見ることができることを特徴とする調光透明窓用部材。
  2. 前記スリットが、透明窓用部材の幅方向両端部を除き透明窓用部材の室外側から室内側に抜けるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光透明窓用部材。
  3. 前記スリットが、透明窓用部材の一方の側面からもう一方の側面に抜けるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光透明窓用部材。
  4. 前記空気層の隣接するもの同士が、前記空気層の傾斜角度とは異なる傾斜角度で反対向きのスリットからなる別の空気層で連通していることを特徴とする請求項1に記載の調光透明窓用部材。
  5. 前記透明窓用部材が複数のユニットを上下方向に接着して設けた構造を有し、各ユニットに、前記空気層の下方端部付近から前記空気層の傾斜角度とは異なる傾斜角度で反対向きのスリットからなる別の空気層が連絡形成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光透明窓用部材。
  6. 前記空気層の厚みが2mm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の調光透明窓用部材。
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