JP5303694B2 - 透明調光部材 - Google Patents

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Description

本発明は、透明調光部材に関し、詳しくは、室内から外側はほぼ完全に見ることができ、夏の太陽光は遮断し、冬の太陽光は取り入れることができる調光窓や自動車の窓ガラスの内側に適用して好適な透明調光部材に関するものである。
近年、炭酸ガスの排出量削減が重要な課題となっているが、その中でも特に民生部門における炭酸ガスの排出量は大きく増加しており、その削減が急務となっている。建物や乗り物の冷暖房に使われるエネルギーは、民生部門のエネルギー消費の3分の1近くに達しており、これを低減することができれば、炭酸ガスの排出量削減にも大きく寄与する。建物や乗り物の窓ガラスは、その冷暖房負荷を決定する大きな要因になっており、光や熱の出入りをうまくコントロールすることのできる窓ガラスが実現できれば、冷暖房負荷を大きく低減することができる。
太陽光を遮蔽するのに通常用いられるブラインドやカーテン等は、窓ガラスに対する光の入射角に対する選択性はなく、窓に対してあらゆる角度で入射する光をすべて一様に遮って調節する。
また、最近「エコガラス」として売られている太陽光の熱線成分を反射するような薄膜をコーティングしたガラスや、金属薄膜をコーティングした熱線反射ガラス等は、太陽光をスペクトル的に制御することで冷暖房負荷を下げているが、これらも、本来は太陽光に対してのみ作用すれば十分であるにもかかわらず、窓に対するあらゆる入射光に対して同様に機能するようになっている。しかし、例えば、日本における夏の太陽の高度は高く、南側の面を向いた窓に対しては、70度以上の角度で太陽光が入射するが、これは垂直に設置した窓への入射角にすると上方から見て20度の角度にすぎない。残りの160度の範囲の角度で入射する光については、遮る必要はなく、むしろこれらの光が透過するようにすれば、外の景色はほぼ完全にみえることになる。
これまで、太陽光を全反射や屈折を用いて遮断する機能を持った調光ガラスは色々と提案されてきたが、いずれも遮るべき太陽光以外の光がどのように透過するこということが考慮されていなかった。外の景色がよく見えるということは、窓の機能として非常に重要なことであり、太陽光は入射させないという条件と、景色がよく見えるという条件とが両立できれば、これまでに無い新しい省エネルギーガラスになる。
一方、特許文献1には、夏の強い直射日光を防ぎ、冬の弱い光は室内に導き、省エネルギーに利する役割を窓に付加させることを目的として、全反射と鏡面反射とを組み合わせた選択透過反射材が提案されている。この選択透過反射材は、室内側に上下にわたって複数の傾斜部を段状に設け、ステップ部分が鏡面となるように構成されているものである。しかしながら、このような構成のものは、厚みの厚い部分と薄い部分があるため、室内から外を眺めると、屈折により外の景色が浮き上がって見え、また鏡面部分では光が遮られるようになり、窓の本来の役割を果たすことができなくなる。
さらに、とりわけ自動車では、夏場においては駐車場等に駐車した場合、窓ガラスを通しての太陽光の照射により車内が非常に高温の状態となり、運転をしようとすると車内を強力に冷却する必要があり、その冷房に費やすエネルギーは非常に大きなものとなる。
特開2003−202159号公報
本発明は、以上のような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、室内から外を眺めても外の景色が浮き上がったり一部が遮られたりして見えることなく、夏の太陽光を効果的に遮断し、冷暖房付加を大幅に低減することができる透明調光部材を提供することを課題とする。
また、本発明は、自動車の窓ガラスの内側に配置して駐車時等において車内の温度上昇を低減でき、運転時には良好な視界を得ることができる透明調光部材を提供することをも課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、第1には、一対の平行な平面を持つ板状の透明調光部材において、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとをスイッチングするモードスイッチング機構を透明調光部材本体内部に有し、前記モードスイッチング機構が、空気層を利用するものであり、かつ、前記透明調光部材本体内部に水平方向に延びる円柱状空間が形成され、前記円柱状空間内に円柱を半分にした透明構造体が回転可能に設けられ、前記透明調光部材本体と前記透明構造体との間に円柱を半分にした形状の空気層が形成され、前記透明構造体の回転により、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとがスイッチングされることを特徴とする透明調光部材を提供する。
第2には、一対の平行な平面を持つ板状の透明調光部材において、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとをスイッチングするモードスイッチング機構を透明調光部材本体内部に有し、前記モードスイッチング機構が、空気層を利用するものであり、かつ、前記透明調光部材本体内部に水平方向に延びる円柱状空間が形成され、前記円柱状空間内に円柱を半分にした一対の透明構造体が一定厚みを有する平面形状の空気層を介して対向して回転可能に設けられ、前記一対の透明構造体の回転により、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとがスイッチングされることを特徴とする透明調光部材を提供する。
第3には、上記第1又は第2に発明において、前記透明調光部材本体内部と前記透明構造体との間に、前記透明調光部材本体に対して屈折率差が小さい透明潤滑剤層が設けられていることを特徴とする透明調光部材を提供する。
第4には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、透明調光部材が、透明なガラス又はプラスチックからなることを特徴とする透明調光部材を提供する。
本発明によれば、上記構成を採用したので、室内から外を眺めても外の景色が浮き上がったり、一部が欠けて見えることなく、夏の太陽光は効果的に遮断し、冷暖房付加を大幅に低減することができる。また、本発明によれば、シンプルな構造で、窓の本来の機能を活かしつつ、夏の太陽光は遮断し、冬の太陽光を取り入れることが可能となる。また、適宜、必要に応じて、太陽光の遮断、透過を自在に制御することができる。
さらに、本発明は、自動車のフロントガラスの内側に適用しても好適なものであり、特に夏の暑い日ざし等により室内の温度が非常に高温になるのを効果的に防ぐことが可能となる。
本発明の透明調光部材の基本的な原理を示す図である。 臨界角及び全反射の説明図である。 東京で南を向いた窓に対する太陽光の入射角度(プロファイル角)を計算し た結果を示す図である。 本発明による透明調光部材の原理を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態を説明するための模式的断面図である。 本発明の別の実施形態を説明するための斜視図及び断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
先ず、本発明の透明調光部材(以下、調光部材とも称する)の基本原理を図1ないし図4により述べる。ここでは、居室に設けられる調光窓を例に説明するが、もちろん本発明はこれに限定されない。図1は調光部材11の断面図であり、この調光部材11は、ガラスや、アクリル樹脂などのプラスチック等の透明材料からなり、室内側に平面12Aを有するとともに、室外側にも平面12Bを有し、平面12Aと平面12Bとは互いに平行となっている。調光部材11は、一定の厚みを有する平面形状の空気層13を斜めに形成した構造を有している。すなわち、空気層13は上部が室外側に近くなり、下部が室内側に近くなるように傾斜して形成されている。空気層13の傾斜角度αは以下に述べる技術的事項を考慮して設定される。
ここでは、調光部材11の透明材料が屈折率1.5のガラスである場合を例に説明する。一般に、屈折率が大きい媒体(ガラス)から小さい媒体に光(空気)が進む場合、図2の右側に示すように、入射角が小さいときには、両者の界面で屈折が生じる。本例の場合、ガラスの屈折率が1.5で空気の屈折率が1であるので、屈折角は入射角より大きくなる。入射角が次第に大きくなると、屈折角も次第に大きくなる。入射角がある角度になると図2の中央に示すように、屈折角が90゜になり、ガラスから空気側へ光が進まない状態となる。この角度は臨界角と称されており、ここではθと記す。入射角がさらに大きくなると図2の左に示すように光は界面で全て反射され、全反射と称される状態となる。
本例の場合、臨界角θと空気及びガラスとの間には次のような関係がある。
sinθ=(空気の屈折率)/(ガラスの屈折率)=1/1.5
したがって、臨界角はθ=41.8゜となる。
図1の場合、光線2で示すように、室外側から平面(以下、ガラス表面とも称する)12Bに小さい入射角で光が入射すると、光はガラス表面12Bで屈折した後、ガラス構造部11B中を進み、ガラス構造部11Bと空気層13の界面で屈折した後、空気層13を進み、空気層13とガラス構造部11Aの界面で屈折した後、ガラス構造部11A中を進み、表面12Aで屈折して、室内側に入射する。
一方、光線1で示すように、室外側から大きな入射角でガラス表面12Bに光が入射すると、光は表面12Bで屈折した後、ガラス構造部11Bを進み、ガラス構造部11Bと空気層13の界面で全反射して、空気層13、ガラス構造部11A側には透過せず、室内側への進入が遮断される。入射角が次第に大きくなり光が室内側に入射されなくなる角度を、本明細書においては「特定角」と称することとする。
特定角は、空気層13の傾斜角αに応じて変化させることができる。表1は、調光部材11の透明材料に屈折率1.5のガラスを用いた場合の空気層13の傾斜角αと特定角の関係を示す図である。屈折率が2の材料を用いた場合も表1に併記する。
Figure 0005303694
例えば、空気層13の傾きを7度にすると、屈折率が1.5の場合、特定角は約60度になる。60度より大きな角度、例えば図1の光線1で示すような入射角70度で上方から入射した光は、ガラス表面12Bから入射する際屈折し、斜めの空気層13には45度の角度で入射する。この角度はガラス構造部11Bと空気層13との界面の臨界角より大きいため、全反射が起こり、光はこの界面で反射される。反射された光はガラス構造部11B内で反射され、空気層13、ガラス構造部11Aは透過しない。これに対して光線2で示した特定角の60度より小さい角度で入射した光については、空気層13に対してガラス構造部11Bと空気層13との界面の臨界角よりも小さい角度でガラス構造部12Bから空気層13に入るため、全反射は起こらず屈折する。そして、空気層13からガラス構造部11Aに入るときに逆の屈折が起こり、空気層13の幅が小さければ、ほとんど空気層13の影響は受けず通常の透明ガラスと同様に透過する。このため、空気層13の厚みは0.1mm以下であることが望ましい。空気層13の厚みの下限値は空気層13の役割が発揮できる観点から0.01mm程度である。空気層13の厚みが上記範囲であると、室内から室外を見たときに外の景色が通常の透明なガラスと同じように見える。
また、表1から明らかなように、屈折率が大きい材料を使用すると傾斜角をより小さくできることがわかる。屈折率が2の材料を用いた場合、特定角が60度となる傾斜角は4.3度である。遮光にあたっては、材料の屈折率を考慮することも非常に有効である。
図3は、東京で南を向いた窓に対する太陽光の入射角度(プロファイル角)を計算したもので、4月から9月までは太陽光の窓面に対する入射角度は60度を下回ることはない。従って、図1に示したような構造の調光部材11を用い、特定角を60度に設定すると、4月から9月の太陽光は完全に遮断し、逆に10月から3月の太陽光は完全に取り入れることができることがわかる。
このような調光部材11を窓ガラスとするか、もしくは窓ガラスに取り付けることより、夏は太陽光を遮断し、冬は太陽光を取り入れるという機能が自動的に発現し、しかも常に外の景色はほぼ完全に見ることができるというこれまでにない新しい窓を実現することができる。ただし、室内側で窓に近づき、60度以上の角度で空を見上げた場合、外は見えないが、これは窓際で空を見上げる場合に限られ、影響は少ない。
従って、このような構造を持った調光部材を用いると太陽の高度が特定角よりも高いときは室内への太陽光の侵入を防ぐことができる。しかもそれより下方から入射する光については、通常のガラスを透過するのと同様に透過するため、外の景色は通常のガラス窓と同様に見ることができる。
例えば、1m四方の大きなガラスで、空気層13の傾斜角が7度になった図1の構造の調光部材11を作ろうとすると、ガラスの厚みは12cmとなり現実的ではない。この図1の構造は、横から見てこれと相似の形を持つものであれば、大きさによらず同等の調光機能を持つという特徴があり、縦方向の長さを縮めて周期構造にすることでこの問題を解決することができる。図4(a)はそのような構造を持った透明構造体の断面構造を示した例である。例えば透明アクリルで図のような断面構造を持つ板を作り、二つを合せると界面に空気層が形成され、図1と同様の構造になる。縦方向の周期の長さを10cmにすると厚みは2cm程度にすることができる。
このような構造にすることで、ある特定角より大きい角度で上方から調光部材に入射した光は屈折した後、透明構造体と空気層の界面に達するが、この角度が透明体と空気層の間の特定角より大きい場合、全反射されて室内には透過しない。これに対して、特定角より小さい角度で透明構造体へ入射した光に関しては、空気層との界面で屈折するが、空気層から透明構造体に入る際に逆の屈折が起こってその作用が相殺され、空気層の幅が小さい場合、空気層による影響をほとんど受けずにそのまま透過する。
下側の傾斜の角度を45度とすると水平方向から入射する光に対しては、どの部分でも全反射はおこらないため、中に形成した空気層は全く見えず透明なアクリル板と同様に外の景色が見える。しかし、図4(b)に示したように、2枚のアクリル板の間に隙間が大きいと、空気層の傾きが変わる付近を通る光はひずみ、また光の分散により色が分離して見えてしまう。しかし、この空気層の厚みが0.1mm以下であれば、光のひずみや分散はほとんど検知されなくなる。通常の平滑処理をしたアクリル板を密着させた状態では、その隙間は0.01〜0.02mm程度であり、この条件を満足することができる。縦方向の周期をもっと小さくして1mm程度にすれば、厚さは0.2mm程度となり、プラスチックシートのようなもので、同等の調光部材にすることが可能で、簡単に窓ガラスに貼り付けることで調光効果を持たせることができる。
次に、本発明の透明調光部材についてさらに詳述する。
本発明の透明調光部材は、両面に一対の平行な平面を有し、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとをスイッチングするモードスイッチング機構を透明調光部材本体内部に有することを特徴とするものである。このモードスイッチング機構は、空気層を利用するものとすることができる。
図5は、本発明の一実施形態を説明するための模式的断面図である。図中21は透明調光部材であり、ガラスやアクリルなどのプラスチック等の透明材料を用いて構成することができる。透明調光部材21の本体22には、水平方向に延びる円筒状空間23が形成され、その中には、円柱を半分にした形状の透明構造体24が回転可能に設けられている。透明構造体23は、フラットな平面部25と湾曲部26を有している。透明構造体23の湾曲部26は、透明調光部材本体22の円筒状の壁面と接しており、その壁面に沿って回転可能に支持されている。円筒状空間23において透明構造体24が設けられていない部分は、半円筒状の空気層27となっている。そして、透明構造体24の平面部25が回転して傾斜角度を変えることにより、太陽光28の室内への侵入を遮断するモードと、室内へ透過させるモードとの間でスイッチングを行うことができるようになっている。太陽光28は平面部25の傾斜角度によっては屈折と全反射を起すが、透明構造体24の回転により、その向きや透過性を制御することができる。透明構造体24と透明調光部材本体22の間には図示はしていないがシリコンオイル等の透明潤滑剤層を設けることも好ましい。このようにすると、透明構造体24の回転がスムーズになるとともに、透明調光部本体22と透明構造体24との間のわずかな隙間での反射が効果的に防止され、太陽光28を透過するモードのときに透過性が良好になる利点がある。
図6は、本発明の別の実施形態を説明するための斜視図及び断面図である。図中31は透明調光部材であり、ガラスやアクリルなどのプラスチック等の透明材料を用いて構成することができる。透明調光部材31の本体32には、水平方向に延びる円筒状空間33が形成され、その中には、円柱を半分にした形状の透明構造体34、35が空気層36を介して対向配置され、回転可能となっている。透明構造体34は、フラットな平面部37と湾曲部38を有している。透明構造体35は、フラットな平面部39と湾曲部40を有している。透明構造体34の湾曲部38と透明構造体35の湾曲部40は、透明調光部材本体32の円筒状の内壁面と接しており、その内壁面に沿って回転可能に支持されている。そして、一対の透明構造体34、35が回転することにより空気層36が回転して傾斜角度が変わり、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、室内へ透過させるモードとの間でスイッチングを行うことができるようになっている。また、透明構造体34、35の回転量により特定角を調整することができる。透明構造体34、35と透明調光部材本体32との間にはシリコンオイル41等の透明潤滑剤層を設けることも好ましい。このようにすると、透明構造体34、35の回転がスムーズになるとともに、透明調光部本体32と、透明構造体34、35との間のわずかな隙間での反射が効果的に防止され、太陽光を透過するモードのときに透過性が良好になる利点がある。
図7は、本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。図中、51は透明調光部材であり、一対の透明板52、53がシリコンゴム54を介して対向配置されている。ガラスやアクリルなどのプラスチック等の透明材料を接触させると、その端面が平面であってもミクロレベルでは隙間があり、そこに空気層が形成され、光の屈折・反射がおこる。例えば、バフで研磨した透明アクリル板を接触させた場合、0.01〜0.02mm程度の隙間ができ、そこが空気層となる。ところが図7の左側の図のようにシリコンゴム54等の透明吸着性材料をはさむと、シリコンゴム54と透明板52、53は完全に接触して空気層がなくなるために、光の屈折・反射が起らなくなる。ところが、図7の右側の図のように一方の透明板52を透明板53及びシリコンゴム54から離間させると空気層55が形成されてまた屈折・反射が起るようになる。
図8は、本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。この実施形態は、本発明を自動車のフロントガラスの内側に設ける透明調光部材に適用した例である。
自動車のフロントガラスの内側に空気層の傾きを45度にした図8のような透明調光部材61を設置する。この透明調光部材61は一対の相補的な断面形状を有する一対の透明構造体62、63からなる。フロントガラス64の傾きを30度とすると、二つの透明構造体62、63と分離した場合は、太陽高度が60度以上の場合、その太陽光は屈折と全反射により室内にあまり入射しない。一方、同じ二つの構造体62、63を、吸着性を持つシリコンゴム65をはさんで接触させると、界面がなくなり、光は透明なガラスと同等になり、外の景色を完全に見ることができる。この構造体の1個の構造の周期を5mmとするとその厚みは5mm程度でシート状になる。
図9は、本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す断面図である。図中71は透明調光部材である。空気層を挿入したり、抜いたりするスイッチングは様々な方法で行うことができる。例えば図9に示したような構造をした2枚のアクリル板からなる透明構造体72、73を、シリコンゴム74を挟んで接触させると、透明ガラスと同じ状態になる。この2枚のアクリル板からなる透明構造体72、73の間に、熱により膨張する材料、例えばABS樹脂等からなる連結部材75を挟んでおくと、気温が上がり樹脂が膨張すると、2枚のアクリル板からなる透明構造体72、73は右側の図のように引きはがされて空気層76ができ、屈折・反射が起こる。温度が下がると再び、シリコンゴム74で接触し、屈折・反射が起こらなくなる。このように温度によって自動的に太陽光の遮断・透過がコントロールできる窓を実現できる。
図10は、本発明のさらに別の実施形態を模式的に示す図である。図中81は透明調光部材である。この透明調光部材81は一対のガラス板82、83により形成される閉鎖空間84に、ガラス板82、83に対して屈折率差の小さいシリコンオイル85で満たし、その中に、2枚の屈折率の合ったアクリル板86、87を空気層88を介して重ねた調光要素89を上下に複数配置し、空気層88の傾斜角が変えられるようにしたものである。このような構成にしても上記と同様有利な効果を得ることができる。
21、31、51、61、71、81 透明調光部材
22、32 透明調光部材本体
23、33 円筒状空間
24、34、35、62、63、72,73 透明構造体
25 平面部
26 湾曲部
27、36、55、88 空気層
28 太陽光
41 潤滑剤層
52、53 透明版
54、65、74 シリコンゴム
64 フロントガラス
82、83 ガラス板
85 シリコンオイル
86、87 アクリル板
89 調光要素

Claims (4)

  1. 一対の平行な平面を持つ板状の透明調光部材において、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとをスイッチングするモードスイッチング機構を透明調光部材本体内部に有し、前記モードスイッチング機構が、空気層を利用するものであり、かつ、前記透明調光部材本体内部に水平方向に延びる円柱状空間が形成され、前記円柱状空間内に円柱を半分にした透明構造体が回転可能に設けられ、前記透明調光部材本体と前記透明構造体との間に円柱を半分にした形状の空気層が形成され、前記透明構造体の回転により、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとがスイッチングされることを特徴とする透明調光部材。
  2. 一対の平行な平面を持つ板状の透明調光部材において、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとをスイッチングするモードスイッチング機構を透明調光部材本体内部に有し、前記モードスイッチング機構が、空気層を利用するものであり、かつ、前記透明調光部材本体内部に水平方向に延びる円柱状空間が形成され、前記円柱状空間内に円柱を半分にした一対の透明構造体が一定厚みを有する平面形状の空気層を介して対向して回転可能に設けられ、前記一対の透明構造体の回転により、太陽光の室内への侵入を遮断するモードと、太陽光を室内へ透過させるモードとがスイッチングされることを特徴とする透明調光部材。
  3. 前記透明調光部材本体内部と前記透明構造体との間に、前記透明調光部材本体に対して屈折率差が小さい透明潤滑剤層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明調光部材。
  4. 透明調光部材が、透明なガラス又はプラスチックからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の透明調光部材。
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