JP6152623B2 - 採光パネル、採光パネルの製造方法 - Google Patents

採光パネル、採光パネルの製造方法 Download PDF

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本発明は、建物の内部に日光等の外光を採り入れるための装置である採光パネル、及び採光パネルの製造方法に関する。
いわゆる窓ガラス等により、建物の内部に日光を採り入れて快適な空間を形成することは周知である。これに対し、直射日光を制御してより快適な態様で光を採り入れる技術が特許文献1〜3に開示されている。これら技術によれば、プリズム等のような所定の幾何学的形状を備えた屈折率差を有する界面を利用して日光等の外光を所望の方向に偏向、反射して制御している。
国際公開公報 WO 93/25792 特開2003−15707号公報 特開2000−15712号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の技術では外側から入射する光については制御することができるが、室内側から外を見たときにも像が屈折するため、外の景色を見るための鮮明さに不足があった。また、特許文献1に記載の発明では、プリズム状の部材の保持の観点から問題が生じ、生産安定性や製造後の製品の取り扱い及び形状安定性に課題があった。一方、特許文献2、3に記載の発明では、プリズム状の凹凸が室内側に露出しているため、その耐久性にも問題があった。
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、室外側からの光を所望の方向に制御しつつ、室内側からは室外側を見ることが可能であるとともに、生産性にも優れた採光パネルを提供することを課題とする。また、採光パネルの製造方法を提供する。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、台形断面を有して一方向に伸びる単位プリズムが、一方向とは異なる方向に複数配列された偏向層と、隣り合う単位プリズム間に形成され、単位プリズムとは屈折率が異なる透明樹脂により形成されている部位と、透光性を有する板状の部材であり、偏向層の単位プリズムの台形断面の下底となる面に積層された基材層と、透光性を有する板状の部材であり、偏向層の単位プリズムの台形断面の上底となる面に積層された保護層と、透光性を有しガラス又は樹脂により形成された板状のパネルと、を有し、基材層、偏向層、及び保護層を含む積層体がパネルの一方の面に積層され、単位プリズムの台形断面のうち一方の脚部がパネルの法線に対して成す角が、他方の脚部の当該成す角よりも大きい、太陽光の採光パネルである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の太陽光の採光パネルにおいて、基材層、偏向層、及び保護層を含む積層体のパネルが配置される側とは反対側にハードコート層が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の太陽光の採光パネルを製造する方法であって、接着層が一方の面に積層された基材層の他方の面に単位プリズムの下底が配置されるように偏向層を形成する工程と、接着層が一方の面に積層された保護層を、該保護層の接着層が単位プリズムの上底に接するように貼り付ける工程と、を含む、太陽光の採光パネルの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の太陽光の採光パネルを製造する方法であって、ハードコート層が一方の面に積層された基材層の他方の面に単位プリズムの下底が配置されるように偏向層を形成する工程と、接着層が積層された保護層を、該保護層の接着層が単位プリズムの上底に接するように貼り付ける工程と、を含む、太陽光の採光パネルの製造方法である。
本発明によれば、室外側からの光を所望の方向に制御しつつ、室内側からは室外側を見ることが可能であるとともに、生産性にも優れた採光パネルとすることができる。
第一実施形態にかかる採光パネルが適用された窓の正面図である。 第一実施形態にかかる採光パネルの層構成を説明する断面図である。 第一実施形態にかかる採光パネルの断面の一部を拡大して示した図である。 第二実施形態にかかる採光パネルの断面の一部を拡大して示した図で、図3に相当する図である。 第三実施形態にかかる採光パネルの層構成を説明する断面図である。 第三実施形態にかかる採光パネルの断面の一部を拡大して示した図である。 第四実施形態にかかる採光パネルの断面の一部を拡大して示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は当該実施形態に限定されるものではない。
図1は第一実施形態にかかる採光パネル10が適用された窓1を正面から見た図である。このように採光パネル10の外周部に枠体2が取り付けられることにより、窓1が形成される。そして当該窓1が建物の開口部に配置される。
図2は、図1にII−IIで示した鉛直方向における断面図のうち採光パネル10の部分の断面を示し、採光パネル10の層構成を模式的に表した図である。図2では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略することがある(以降に示す各図において同じ。)。図3には、図2の一部で、偏向層14の単位プリズム15に注目して拡大した図を示した。
採光パネル10は、パネル11、接着層12、基材層13、偏向層14、接着層16、保護層17、及びハードコート層18を備えている。以下に各層について説明する。なお、図2、図3では採光パネル10が垂直になるように建物等に取り付けられた姿勢で表されており、図2、図3の紙面左が室外側、紙面右が室内側、紙面上方が天、紙面下方が地となる。
パネル11は、窓ガラスや樹脂パネル等、通常の窓等に用いられる透光性を有する板状の透光パネルである。従って、公知の板ガラスや樹脂パネルを用いることができる。
接着層12は他の層をパネル11に貼り付けるための層であり、かかる機能を有する各種のものを用いることができる。接着層に用いられる材料は特に限定されることはないが、公知の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤を挙げることができる。ただし、採光パネル10の性質上、透光性、耐候性に優れた材料によることが好ましい。
ここで接着層12の厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μmより薄いと接着の効果が不十分になる可能性が高く、100μmより厚いと層厚の均一化が困難になる。
基材層13は、偏向層14を形成するための基材となる層であり、透光性を有するとともに、偏向層14の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層13を形成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
ここで基材層13の厚さは25μm以上300μm以下であることが好ましい。25μmより薄いとしわが発生したり基材としての機能を損なう虞がある。一方300μmより厚いと製造時における巻取りが困難となる。
偏向層14は、日光等の室外側からの光である外光を偏向して室内側に透過させる機能を有する層である。偏向層14は、図2、図3に表れているように、複数の単位プリズム15が配列されている。
各単位プリズム15は、基材層13の面のうち接着層12とは反対側に設けられ、基材層13から凸となるように突出して形成されている。本実施形態では単位プリズム15は鉛直方向断面において台形断面を有しており、当該断面を維持して紙面奥/手前方向(すなわち水平方向)に延びるように形成され、該延びる方向にとは異なる方向に配列されている。
単位プリズム15は、台形断面において、下底を形成する第一面15a、上底を形成する第二面15b、第一面15aと第二面15bとを結ぶ面のうち下方に設けられる脚を形成する偏向面15c、及び上方に設けられる脚を形成する立ち上げ面15dを備えている。
本実施形態では第一面15aが室外側に面しており、第二面15bが室内側に面している。第一面15aと第二面15bとは略平行に形成されている。第一面15a、第二面15bはその面がパネル11の面に平行であることが好ましい。
偏向面15cは外光を全反射させて室内側に透過させる面であり、パネル11の面の法線となす角がθである。θの大きさは、外光を全反射させて所望の偏向をさせることができれば特に限定されることはないが、外光が日光であり、斜め上方から入射してくることを鑑みるとθは0°以上12.1°以下であることが好ましく、θは4.5°であることがさらに好ましい。θが0°であるとき偏向面15cは室内外方向に平行となる。ここで角度θの正負は、採光パネルを図3のように垂直に設置した姿勢において、室外側から室内側に向けて下がる傾斜を負、室外側から室内側に向けて上がる傾斜を正とする。以下同様である。
当該θの範囲は、例えば東京(北緯35.5度)、札幌(北緯43度)、那覇(北緯26度)の南北に緯度の大きく異なる3か所を基準とし、夏至、冬至における太陽の南中高度及び偏向層に用いることができる一般的な材料の屈折率を考慮して求めることができる。より具体的には次の通りである。
東京は北緯35.5度、札幌は北緯43度、那覇は北緯26度であり、各地の夏至の南中高度はそれぞれ78度(東京)、70.5度(札幌)、87.5度(那覇)となる。一方、冬至の南中高度は31度(東京)、23.5度(札幌)、40.5度(那覇)である。従って、当該範囲の最小である23.5度と最大である87.5度との中心は55度である。ここで、一般的な樹脂の屈折率を1.49(アクリル系樹脂)〜1.59(スチレン、ポリカーボネート系樹脂)として、スネルの法則に基づいて全反射条件を計算し、生産性も考慮すると、θは0°以上12.1度以下であることが好ましく、4.5度であることが更に好ましい。θが0度より小さいと金型を製造する際の切削性、金型により単位プリズムを成型する際の成型性、及び金型離型性が悪くなる。また、θが12.1度より大きくなると、夏至における那覇の南中高度87.5度のときに全反射しなくなる。
立ち上げ面15dは、偏向面15cを形成することにより生じる面である。ただし、立ち上げ面15dは、偏向面15cで全反射した外光が立ち上げ面15dで反射しないように傾斜して形成されていることが好ましい。具体的には立ち上げ面15dがパネル11の面の法線となす角をθとする。θの大きさは、−75.5°以上−26.9°以下であることが好ましく、−53.3°であることがさらに好ましい。当該範囲は上記した条件に基づき、全反射しない角度を好ましい範囲としたものである。
単位プリズムのピッチは10μm以上200μm以下であることが好ましい。ピッチが10μmより小さいと製造の困難がある。一方、ピッチが200μmより大きくなると金型を製造する際の切削性、金型により単位プリズムを成型する際の成型性、及び金型離型性が悪く、製造上の不具合が生じる可能性がある。また単位プリズムの幅(第一面15aの下底幅)は、5μm以上150μm以下であることが好ましい。当該幅が5μmより小さいと製造の困難がある。一方当該幅が150μmより大きくなると金型を製造する際の切削性、金型により単位プリズムを成型する際の成型性、及び金型離型性が悪く、製造上不具合が生じる可能性がある。
偏向層の厚さは10μm以上200μm以下であることが好ましい。10μmより薄いと光学的な性能が不十分であったり、偏向層の加工が微細となり精度が低下したりする。一方200μmより厚いと偏向層を成型するに際して金型からの離型性に問題が生じることがある。
ここで単位プリズム15は基材層13と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。ただし両者間で屈折率差があるとこの界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
単位プリズム15と基材層13とを同じ材料とする場合には、基材層13と偏向層14とを一体に形成することもできる。また、偏向層14と基材層13とが異なる材料である場合、及び同じ材料の場合であっても、基材層13と偏向層14が別に形成され、なんらかの手段により積層されてもよい。
偏向層14の形成方法の例は後で説明する。
偏向層14の単位プリズム15を形成する材料は特に限定されることはないが、具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
なお、本実施形態では隣り合う単位プリズム15間は空気で満たされている。空気は屈折率が1.0であり、単位プリズム15の屈折率との関係で十分大きな屈折率差を得ることができる。当該屈折率差が大きいほど偏向面15cで全反射することができる外光が多くなるので好ましい。
ただし、これに限定されることなく、隣り合う単位プリズム15間に、単位プリズム15を構成する材料の屈折率より低い屈折率を有する材料を充填してもよい。具体的に充填される材料は特に限定されることはないが、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
また、偏向面15c、立ち上げ面15dは微小な凹凸が形成された、いわゆるマット面としてもよい。これによれば光の拡散を伴って室内側に光を採り入れることができる。
接着層16は、後述する保護層17を偏向層14の第二面15b側に貼り付けるための層であり、かかる機能を有する各種のものを用いることができる。接着層に用いられる材料は特に限定されることはないが、公知の粘着剤、接着剤、紫外線硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物を組み合わせた粘着剤を挙げることができる。ただし、採光パネル10の性質上、透光性、耐候性に優れた材料によることが好ましい。
ここで接着層16の厚さは特に限定されるものではないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。10μmより薄いと接着の効果が不十分になる可能性が高く、100μmより厚いと層厚の均一化が困難になる。
保護層17は、上記基材層13と対になり、偏向層14を挟むように配置される層であり、基材層13と併せて偏向層14を保護する機能を有する。保護層17はこのような機能を有するものであれば、その材料は特に限定されることはないが、例えば上記した基材層13と同様の材料により形成することができる。
ここで保護層17の厚さは25μm以上300μm以下であることが好ましい。25μmより薄いとしわが発生したり基材としての機能を損なう虞がある。一方300μmより厚いと製造時における巻取りが困難となる。
ハードコート層18は、表面保護を目的として採光パネル10のうち、パネル11とは反対側の最表面に設けられる層である。ハードコート層18は透明な樹脂層として形成することができ、擦り傷、表面汚染に対する耐性の観点から、硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマーモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
また、ハードコート層18には、耐汚染性向上の機能を追加してもよい。これは例えばシリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加することにより可能となる。さらにその他の機能として帯電防止性向上、撥水性向上の機能を有するものとしてもよい。
帯電防止性向上には、例えば電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)との共存)を用いたり、イオン導電タイプではリチウム塩系材料を適用したりすることが挙げられる。
一方、撥水性向上には、フッ素系化合物を用いることが挙げられる。
以上説明した採光パネル10は例えば次のように製造することができる。
偏向層14は金型ロールを用いる方法により形成することができる。すなわち、円筒状であるロールの外周面に偏向層14の単位プリズム15を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層13となる基材を挿入する。このとき基材の一方の面には接着層12が予め形成されていることが好ましい。そして、基材のうち接着層12が配置されていない側の面と金型ロールとの間に偏向層14を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された凹凸の凹部内に偏向層14を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、偏向層14を構成する組成物としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。すなわち、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)を配合した光硬化型樹脂組成物を用いることができる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、偏向部14の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された偏向層を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、偏向層を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層及び成形された偏向層を離型する。
一方、保護層17の一方の面にハードコート層18、他方の面に接着層16を積層した積層体を準備し、接着層16が偏向層14の第二面15b側になるように積層する。
また接着層16が紫外線硬化樹脂、光硬化性樹脂からなる場合には、積層後に紫外線又は光を照射して硬化させればよい。
以上のように形成した積層体を接着層12によりパネル11に貼合することで採光パネル10を形成することができる。
採光パネル10には上記した各層のいずれかに、他の機能を付加させるための構成を備えてもよい。これには例えば、近赤外線吸収機能、紫外線吸収機能、及び熱線吸収機能を挙げることができる。
近赤外線吸収機能は、近赤外線吸収色素を上記した各層の1つ又は複数に成膜したり、塗布したりすることにより向上させることができる。近赤外線吸収色素としては、800nm以上1100nm以下の波長領域を吸収するものを用いることが好ましい。該波長領域の近赤外線の透過率が20%以下が好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。一方で、近赤外線吸収色素は可視光領域、即ち、380nm以上780nm以下の波長領域で、十分な透過率を有することが好ましい。
紫外線吸収機能は、ベンゾトリアゾール系(BASF社製TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL)や、トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製TINUVIN 1577 ED)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(BASF社製CHIMASSORB 81、CHIMASSORB 81 FL)、ベンゾエート系紫外線吸収剤(BASF社製 TINUVIN 120)等の適用が挙げられる。
一方、熱線吸収機能は、金属酸化物超微粒子を用いることができ、これには例えばアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フタロシアニン化合物等を挙げることができる。
次に採光パネル10により窓1を形成し、これを建物の開口部に配置した場面における主要な光路について説明する。図3に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
日光が想定される斜め上方から採光パネル10に照射された外光L11は、パネル11、接着層12及び基材層13を透過して偏向層14の単位プリズム15に入射する。単位プリズム15に入射した外光L11は偏向面15cに達し、その界面で全反射して斜め上方に進む光に偏向される。そのあと、外光L11は立ち上げ面15dに達するが、立ち上げ面15dは上記したようにθの角度を有しているので、ここでは全反射することなく透過し、接着層16、保護層17、及びハードコート層18を透過して室内側に入射する。このとき、外光L11は斜め上方に偏向されているので、光は天井や室内側空間の奥に照射される。
なお、θの角度によっては水平方向や水平方向より下方に向けて偏向させることができる。この場合でも少なくとも入射光の角度より上方に偏向して室内側に光を採り入れることが可能である。
このように採光パネル10によれば、斜め上方から入射された光を入射した角度より上方に偏向して室内に光を採り入れることができる。これにより例えば床面や空間の下部に直射日光が照射されることが好ましくない場合に、光量を落とさず空間の上部に光を採り入れることが可能となる。
一方、室内側から室外を見たとき、観察者の視線は光L12による。すなわち、パネル11に対して平行な面である単位プリズム15の第二面15b及び第一面15aを介して室外を観察することができる。この部分では界面における大きな屈折がないので、室外側の景色を鮮明に見ることが可能である。
以上のように、採光パネル10によれば、外光を適切に偏向しつつ、室内側から外の景色を比較的鮮明に見ることが可能である。また、凹凸を有する単位プリズム15が基材13及び保護層17により挟まれているので耐久性も向上させることができる。
一方、単位プリズム15の第一面15a及び第二面15bにより偏向層14の各単位プリズム15が基材層13、保護層17で強く保持されているので、生産安定性に優れ、及び製品においても取り扱いの容易、形状の安定性にも優れたものであるといえる。
図4は第二実施形態にかかる採光パネル20を説明する図であり、採光パネル10の図3に相当する図である。採光パネル20は、上記した採光パネル10の偏向層14に代えて偏向層24が適用されている点で採光パネル10と異なる。他の構成部材については採光パネル10の説明が妥当するのでここでは説明を省略する。
偏向層24は、図4に表れているように、複数の単位プリズム25が配列されている。各単位プリズム25は、基材層13の面のうち接着層12とは反対側に設けられ、基材層13から凸となるように突出して形成されている。本実施形態では単位プリズム15は鉛直方向断面において台形断面を有しており、当該断面を維持して紙面奥/手前方向(すなわち水平方向)に延びるように形成され、該延びる方向とは異なる方向に配列されている。
単位プリズム25は、台形断面において、下底を形成する第一面25a、上底を形成する第二面25b、第一面25aと第二面25bとを結ぶ面のうち下方に設けられる脚を形成する偏向面25c、及び上方に設けられる脚を形成する立ち上げ面25dを備えている。
本実施形態では第一面25aが室外側に面しており、第二面25bが室内側に面している。第一面25aと第二面25bとは略平行に形成されている。また、第一面25a、第二面25bはその面がパネル11の面に平行であることが好ましい。
本実施形態では偏向面25cは外光を屈折させて室内側に透過させる面であり、パネル11の面の法線となす角がθである。θの大きさは、外光を屈折させて所望の偏向をさせることができれば特に限定されることはないが、外光が日光であり、斜め上方から入射してくることを鑑みるとθは5.7°以上51.1°以下であることが好ましく、θは29.3°であることがさらに好ましい。これもθで説明した考え方に基づき、適切な屈折が可能である範囲を求めたものである。θが角度が5.7度より小さいと屈折させることができなくなり、角度が51.1度より大きいと下向きに屈折してしまい、逆効果となる虞がある。
立ち上げ面25dは、偏向面25cを形成することにより生じる面である。本実施形態で、立ち上げ面25dは、偏向面25cで屈折した外光が達する機会は少ないので、立ち上げ面25dがパネル11の面の法線となす角をθは特に限定されることはない。ただし、金型を製造する際の切削性、金型により単位プリズムを成型する際の成型性、及び金型離型性が悪く、製造上不具合が生じる可能性がある観点から、θは0度以下、好ましくは0度である。
単位プリズム25のピッチ等は上記した単位プリズム15と同様である。
ここで単位プリズム25を構成する材料及び隣合う単位プリズム25間の態様は、上記した偏向層14と同様である。
また、偏向面25c、立ち上げ面25dは微小な凹凸が形成された、いわゆるマット面としてもよい。これによれば光の拡散を伴って室内側に光を採り入れることができる。
次に採光パネル20により窓を形成し、これを建物の開口部に配置した場面における主要な光路について説明する。図4に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
日光が想定される斜め上方から採光パネル20に照射された外光L21は、パネル11、接着層12及び基材層13を透過して偏向層24の単位プリズム25に入射する。単位プリズム25に入射した外光L21は偏向面25cに達し、その界面で屈折して屈折前よりも上方に進む光に偏向される。そのあと、接着層16、保護層17、及びハードコート層18を透過して室内側に入射する。このとき、外光L21は入射光より上方に偏向されているので、光は室内側空間の奥に照射される。
このように採光パネル20によれば、斜め上方から入射された光を入射した角度より上方に偏向して室内に光を採り入れることができる。これにより例えば床面や空間の下部に直射日光が照射されることが好ましくない場合に、光量を落とさず空間の奥にまで光を採り入れることが可能となる。
一方、室内側から室外を見たとき、観察者の視線は光L22による。すなわち、パネル11に対して平行な面である単位プリズム25の第二面25b及び第一面25aを介して室外を観察することができる。この部分では界面における大きな屈折がないので、室外側の景色を鮮明にみることが可能である。
以上のように、採光パネル20によれば、外光を適切に偏向しつつ、室内側から外の景色を比較的鮮明に見ることが可能である。また、凹凸を有する単位プリズム25が基材13及び保護層17により挟まれているので耐久性も向上させることができる。
一方、単位プリズム25の第一面25a及び第二面25bにより偏向層24の各単位プリズム25が基材層13、保護層17で強く保持されているので、生産安定性に優れ、及び製品においても取り扱いの容易、形態の安定性にも優れたものであるといえる。
図5は第三実施形態にかかる採光パネル30を説明するための図であり、採光パネル10の図2に相当する図である。従って図5は採光パネル30の層構成を模式的に表した図である。図6には、図5の一部で、偏向層34のプリズム35に注目して拡大した図を示した。
採光パネル30は、パネル11、接着層12、保護層17、接着層16、偏向層34、基材層13、及びハードコート層18を備えている。以下に各層について説明する。
パネル11、及びパネル11の一方の面に設けられた接着層12は、上記した採光パネル10のパネルと同様である。
本実施形態では、接着層12には保護層17が積層されている。保護層自体の機能及び構成は上記した採光パネル10の保護層17と同様である。
保護層17の面のうち接着層12が配置された側とは反対側の面には接着層16が配置される。当該接着層16も採光パネル10に備えられた接着層16と同様である。
偏向層34は、日光等の室外側からの光である外光を偏向して室内側に透過させる機能を有する層である。偏向層34は、図5、図6に表れているように、複数の単位プリズム35が配列されている。
各単位プリズム35は、接着層16の面のうち保護層17とは反対側に設けられている。本実施形態では単位プリズム35は鉛直方向断面において台形断面を有しており、当該断面を維持して紙面奥/手前方向(すなわち水平方向)に延びるように形成され、該延びる方向とは異なる方向に配列されている。
単位プリズム35は、台形断面において、下底を形成する第一面35a、上底を形成する第二面35b、第一面35aと第二面35bとを結ぶ面のうち下方に設けられる脚を形成する偏向面35c、及び上方に設けられる脚を形成する立ち上げ面35dを備えている。
本実施形態では第一面35aが室内側に面しており、第二面35bが室外側に面している。第一面35aと第二面35bとは略平行に形成されている。第一面35a、第二面35bはその面がパネル11の面に平行であることが好ましい。
本実施形態では偏向面35cは外光を全反射させて室内側に透過させる面であり、パネル11の面の法線となす角がθである。θの大きさは、外光を全反射させて所望の偏向をさせることができれば特に限定されることはないが、外光が日光であり、斜め上方から入射してくることを鑑みるとθは−87.5°以上−36.5°以下であることが好ましく、θは−49.5°であることがさらに好ましい。当該範囲も上記θと同様の考え方により偏向面35cにて全反射する条件から得たものである。
立ち上げ面35dは、偏向面35cを形成することにより生じる面である。ただし、立ち上げ面35dは、単位プリズム35に入射する外光が立ち上げ面35dで反射しないように傾斜して形成されていることが好ましい。具体的には立ち上げ面35dがパネル11の面の法線となす角をθとする。θの大きさは、2.5°以上66.5°以下であることが好ましく、35°であることがさらに好ましい。当該範囲も上記θと同様の考えにより立ち上げ面35dにて全反射することなく単位プリズム35に光が入射する条件から得たものである。
単位プリズム35のピッチ等は単位プリズム15と同様である。
そして単位プリズム35のうち、第二面35bが接着層16に接着されている。
単位プリズム35を構成する材料等、その他の構成については上記した採光パネル10の単位プリズム15と同様である。
また、偏向面35c、立ち上げ面35dは微小な凹凸が形成された、いわゆるマット面としてもよい。これによれば光の拡散を伴って室内側に光を採り入れることができる。
基材層13は偏向層34の第一面35aに接するように配置される層であり、採光パネル10で説明した基材層13と同様である。
ハードコート層18は、基材層13の面のうち偏向層34が配置されていない側の面に積層される。ハードコート層18自体の構成は採光パネル10で説明したものと同様である。
以上説明した採光パネル30は例えば次のように製造することができる。
偏向層34は金型ロールを用いる方法により形成することができる。すなわち、円筒状であるロールの外周面に偏向層34の単位プリズム35を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層13となる基材を挿入する。このとき基材の一方の面にはハードコート層18が予め形成されていることが好ましい。そして、基材のうちハードコート層18が配置されていない側の面と金型ロールとの間に偏向層34を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された凹凸の凹部内に偏向層34を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。ここで、偏向層34を構成する組成物は、採光パネル10の製造方法で説明したものと同様である。
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された偏向層を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、偏向層を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層及び成形された偏向層を離型する。
一方、保護層17の両面にそれぞれ接着層12、16を配置した積層体を準備し、接着層16を偏向層34の第二面35bに被せるように積層する。
また接着層16が紫外線硬化樹脂、光硬化性樹脂からなる場合には、積層後に紫外線又は光を照射して硬化させればよい。
以上のように形成した積層体を接着層12によりパネル11に貼合することで採光パネル30を形成することができる。
次に採光パネル30により窓を形成し、これを建物の開口部に配置した場面における主要な光路について説明する。図6に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
日光が想定される斜め上方から採光パネル30に照射された外光L31は、パネル11、接着層12、保護層17、及び接着層16を透過して偏向層34の単位プリズム35に入射する。外光L31は単位プリズム35に入射するに際し、立ち上げ面35dに達するが、立ち上げ面35dは上記したようにθの角度を有しているので、ここでは全反射することなく単位プリズム35内に入射する。単位プリズム35に入射した外光L31は偏向面35cに達し、その界面で全反射して斜め上方に進む光に偏向される。そのあと、基材層13、及びハードコート層18を透過して室内側に入射する。このとき、外光L31は斜め上方に偏向されているので、光は天井や室内側空間の奥に照射される。
なお、θの角度によっては水平方向や水平方向より下方に向けて偏向させることができる。この場合でも少なくとも入射光の角度より上方に偏向して室内側に光を採り入れることが可能である。
このように採光パネル30によれば、斜め上方から入射された光を入射した角度より上方に偏向して室内に光を採り入れることができる。これにより例えば床面や空間の下部に直射日光が照射されることが好ましくない場合に、光量を落とさず空間の上部に光を採り入れることが可能となる。
一方、室内側から室外を見たとき、観察者の視線は光L32による。すなわち、パネル11に対して平行な面である単位プリズム35の第二面35b及び第一面35aを介して室外を観察することができる。この部分では界面における大きな屈折がないので、室外側の景色を鮮明にみることが可能である。
以上のように、採光パネル30によっても上記効果を奏するものとなる。
図7は第四実施形態にかかる採光パネル40を説明する図であり、該採光パネル30の図6に相当する図である。採光パネル40は、上記した採光パネル30の偏向層34に代えて偏向層44が適用されている点で採光パネル30と異なる。他の構成部材については採光パネル30の説明が妥当するのでここでは説明を省略する。
偏向層44は、図7に表れているように、複数の単位プリズム45が配列されている。各単位プリズム45は、基材層13の面のうちハードコート層18とは反対側に設けられ、基材層13から凸となるように突出して形成されている。本実施形態では単位プリズム45は鉛直方向断面において台形断面を有しており、当該断面を維持して紙面奥/手前方向(すなわち水平方向)に延びるように形成され、該延びる方向とは異なる方向に配列されている。
単位プリズム45は、台形断面において、下底を形成する第一面45a、上底を形成する第二面45b、第一面45aと第二面45bとを結ぶ面のうち下方に設けられる脚を形成する偏向面45c、及び上方に設けられる脚を形成する立ち上げ面45dを備えている。
本実施形態では第一面45aが室外側に面しており、第二面45bが室内側に面している。第一面45aと第二面45bとは略平行に形成されている。また、第一面45a、第二面45bはその面がパネル11の面に平行であることが好ましい。
本実施形態では偏向面45cは外光を屈折させて室内側に透過させる面であり、パネル11の面の法線となす角がθである。θの大きさは、外光を屈折させて所望の偏向をさせることができれば特に限定されることはないが、外光が日光であり、斜め上方から入射してくることを鑑みるとθは−87.5°以上−23.5°以下であることが好ましく、θは−55°であることがさらに好ましい。これもθで説明した考え方に基づき、偏向面45cで適切な屈折が可能である範囲を求めたものである。
立ち上げ面45dは、偏向面45cを形成することにより生じる面である。本実施形態で、立ち上げ面45dは、偏向面45cで屈折した外光が達する機会は少ないので、立ち上げ面45dがパネル11の面の法線となす角をθは特に限定されることはない。ただし、金型を製造する際の切削性、金型により単位プリズムを成型する際の成型性、及び金型離型性が悪く、製造上不具合が生じる可能性がある観点から、θは0度以上、好ましくは0度である。
単位プリズム45のピッチ等は単位プリズム15と同様である。
ここで単位プリズム45を構成する材料及び隣合う単位プリズム45間の態様は、上記した偏向層34と同様である。
次に採光パネル40により窓を形成し、これを建物の開口部に配置した場面における主要な光路について説明する。図7に模式的な光路例を示した。なお当該光路例は概念的に示したものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
日光が想定される斜め上方から採光パネル40に照射された外光L41は、パネル11、接着層12、保護層17及び接着層16を透過して偏向層44の単位プリズム45に入射する。その際、外光L41は偏向面45cに達し、その界面で屈折して屈折前よりも上方に進む光へと偏向される。そのあと、基材層13、及びハードコート層18を透過して室内側に入射する。このとき、外光L41は入射光より上方に偏向されているので、光は室内側空間の奥に照射される。
このように採光パネル40によれば、斜め上方から入射された光を入射した角度より上方に偏向して室内に光を採り入れることができる。これにより例えば床面や空間の下部に直射日光が照射されることが好ましくない場合に、光量を落とさず空間の奥にまで光を採り入れることが可能となる。
一方、室内側から室外を見たとき、観察者の視線は光L42による。すなわち、パネル11に対して平行な面である単位プリズム45の第二面45b及び第一面45aを介して室外を観察することができる。この部分では界面における大きな屈折がないので、室外側の景色を鮮明にみることが可能である。
以上のように、採光パネル40によっても上記した効果を奏するものとなる。
10、20、30、40 採光パネル
11 パネル
12 接着層
13 基材層
14、24、34、44 偏向層
15、25、35、45 単位プリズム
16 接着層
17 保護層
18 ハードコート層

Claims (4)

  1. 台形断面を有して一方向に伸びる単位プリズムが、前記一方向とは異なる方向に複数配列された偏向層と、
    隣り合う前記単位プリズム間に形成され、前記単位プリズムとは屈折率が異なる透明樹脂により形成されている部位と、
    透光性を有する板状の部材であり、前記偏向層の前記単位プリズムの台形断面の下底となる面に積層された基材層と、
    透光性を有する板状の部材であり、前記偏向層の前記単位プリズムの台形断面の上底となる面に積層された保護層と、
    透光性を有しガラス又は樹脂により形成された板状のパネルと、を有し、
    前記基材層、前記偏向層、及び前記保護層を含む積層体が前記パネルの一方の面に積層され、
    前記単位プリズムの前記台形断面のうち一方の脚部が前記パネルの法線に対して成す角が、他方の脚部の当該成す角よりも大きい、太陽光の採光パネル。
  2. 前記基材層、前記偏向層、及び前記保護層を含む積層体の前記パネルが配置される側とは反対側にハードコート層が配置されることを特徴とする請求項1に記載の太陽光の採光パネル。
  3. 請求項1又は2に記載の太陽光の採光パネルを製造する方法であって、
    接着層が一方の面に積層された前記基材層の他方の面に前記単位プリズムの前記下底が配置されるように前記偏向層を形成する工程と、
    接着層が一方の面に積層された前記保護層を、該保護層の前記接着層が前記単位プリズムの前記上底に接するように貼り付ける工程と、を含む、太陽光の採光パネルの製造方法。
  4. 請求項2に記載の太陽光の採光パネルを製造する方法であって、
    前記ハードコート層が一方の面に積層された前記基材層の他方の面に前記単位プリズムの前記下底が配置されるように前記偏向層を形成する工程と、
    接着層が積層された前記保護層を、該保護層の前記接着層が前記単位プリズムの前記上底に接するように貼り付ける工程と、を含む、太陽光の採光パネルの製造方法。
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