JP2016203376A - フィルムミラーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、側面部における封止性及び耐久性(層間剥離耐性)に優れ、封止による反射面積のロスが少ないフィルムミラーの製造方法を提供することである。【解決手段】本発明のフィルムミラーの製造方法は、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーの製造方法であって、該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させ、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、側面部に封止構造を有する太陽熱集光用のフィルムミラーの製造方法に関する。
石油、天然ガス等の化石燃料エネルギーの代替エネルギーとして、自然エネルギーの利用が検討されている。その中でも、化石燃料の代替エネルギーとして最も安定しており、エネルギー量の多い太陽エネルギーが注目されている。
しかしながら、太陽エネルギーは有力な代替エネルギーであるものの、これを活用する観点からは問題を抱えており、例えば、(1)太陽エネルギーのエネルギー密度が低いこと、あるいは(2)太陽エネルギーの貯蔵及び移送が困難であること等の問題を抱えている。
現在では、太陽電池の研究及び開発が盛んに行われており、太陽光の利用効率も上昇してきているが、未だ十分な回収効率には達していない。
太陽光をエネルギーに変換する別の方式として、太陽光をミラーで反射及び集光して得られた熱を媒体として発電する、太陽熱発電方式が注目されている。この方式を用いれば、得られた熱を蓄熱しておくことで、昼夜を問わず発電が可能である上、長期的な視野でみれば、発電効率は太陽電池よりも高い発電方式であり、太陽光を有効に利用できる方式であると考えられている。
現在、太陽熱発電に用いられているミラーとして、ガラスを基材として利用したガラスミラーが用いられており、このようなガラスミラーを金属製の支持部材で支持することで、太陽光を集光させる反射体として用いている。しかし、大判のガラスミラーはガラス基材を薄くすると、設置の際に破損する、あるいは強風による飛翔物により破損する等の問題が発生し、逆に、ガラス基材を厚くした場合は、非常に重くなるため、設置の際の取り扱い性が困難であるとともに、輸送コストも多くなる。また、太陽熱を効率よく集光させるためには、集光用の反射体を太陽の動きに追従させて駆動させる必要があるため、反射体の質量が大きいと駆動電力が大きくなり、非効率となるという問題があった。そこで、ガラスミラーの代替として、可撓性の基材(樹脂基材)上に光熱反射層を設けたフィルムミラーの使用が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来、樹脂製のフィルムミラーは、第一段階として、大判サイズの樹脂基材上に各構成層を積層して、大面積のフィルムミラーを作製した後、太陽熱集光用フィルムミラーに適用するため、断裁法等により任意のサイズにカットされる。
このようにしてカットされたフィルムミラー積層体(以下、「フィルムミラーユニット」ともいう。)は、その断裁方法によっては、フィルムミラー積層体の切断面が断裁時に受ける応力により、積層体切断面の構成層の一部で僅かな剥離が生じ、この剥離部が起点となって、様々な使用環境で長期間にわたり保存した際に、層間剥離が拡大し、フィルムミラーの品質低下を引き起こす。
この層間剥離は、摺動応力や交番荷重等の外部応力により生じる場合と、切断面からの水分等の浸入による銀等で構成されている光熱反射層の腐食による層間密着性の低下により生じる。
このような切断面における層間剥離等を防止するため、端部に封止手段を付与する方法が検討されている。この封止手段に求められる機能は、主に、高い封止力(バリアー性)とフィルムミラーユニット切断面との優れた接着性である。
太陽熱集光用フィルムミラーの端部を封止する方法としては、例えば、樹脂製やアルミ箔製の封止テープを用いる方法が知られている。例えば、3M社のアプリケーションガイドに記載されている耐候テープや、Refletech社製のアプリケーションガイドに記載されているアルミニウムエッジテープ等の封止テープが広く実用化されている。更に、太陽電池あるいは光起電性デバイスにおいて、ソーラーパネル又は光起電性デバイスの周囲を取り巻くように封止テープを付与して、端部からの酸素及び水分の浸入を阻止する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、上記のような封止テープを用いた断面部の封止方法では、特に、最表面にハードコート層を有するフィルムミラー積層体においては、ハードコート層表面に対する封止テープの接着性が十分ではなく、時間の経過に伴い、ハードコート層面で、封止テープの剥離が生じ、その剥離した間隙より、水分等が浸入し、更に浸入した水分により、切断面での層間剥離が進行し、最終的には、光熱反射層の腐食にまで至る結果となる。また、端部に幅広の封止テープを付与することにより、フィルムミラーの端部における反射面積のロスが生じるという問題がある。
また、特許文献3には、反射鏡を有する太陽エネルギー反射器において、反射鏡構成部材の端部に、構成部材とは異なるシリコーン、ポリウレタン又はアクリルからなる端部保護部材を付与する方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の方法では、新たに端部保護部材を付与する工程が必要となり、生産性の点で問題を抱えていると共に、反射鏡構成部材とは異なる材料で、封止構造を形成するため、密着性あるいは端部との相溶性という観点で問題があり、封止部の耐久性としても不十分であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、側面部における封止性及び耐久性(層間剥離耐性)が優れ、封止による反射面積のロスが少ないフィルムミラーの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーを製造するフィルムミラーの製造方法であって、該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させた後、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法により、側面部における封止性及び耐久性(層間剥離耐性)、封止による反射面積のロスが少ないフィルムミラーを製造することができるフィルムミラーの製造方法を提供することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーの製造方法であって、
該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、
フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させ、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、
フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させ、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。
2.少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成される広幅原反を作製し、所定のサイズに断裁した後、断裁面に封止部を形成することを特徴とする第1項に記載のフィルムミラーの製造方法。
3.端部に加熱部材を圧着した後、加圧した状態で徐冷して、前記端部に封止構造を形成することを特徴とする第1項又は第2項に記載のフィルムミラーの製造方法。
4.端部に流出した前記粘着層及び紫外線吸収層の軟化部に対し、封止部成形部材を押し当てて、前記封止部を形成することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
5.前記粘着層が、アクリル系樹脂で構成されていることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
6.前記封止部形成時の前記加熱部材による圧力条件が、0.1〜1.0MPaの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
本発明の上記手段により、側面部における封止性及び耐久性(層間剥離耐性)に優れ、封止による反射面積のロスが少ないフィルムミラーの製造方法を提供することができる。
本発明で規定する構成により、上記問題を解決することができたのは、以下の理由によるものと推測している。
上述のように、従来、フィルムミラー端部の封止方法としては、主に、封止テープを用いた方法が広く用いられてきた。
図3は、従来方式の端部を封止テープにより封止した構造を有する太陽熱発電用反射鏡の構成の一例を示す概略断面図である。
太陽熱発電用反射鏡20の構成の詳細は後述するが、従来型の封止テープ14を用いた方法では、十分な接着性を確保するためには、端部における封止テープ14の接着面積を広く取ることが必要となり、そのため、端部接着幅L1がかなり広くなる。その結果、反射鏡の全面積にしめる封止テープ14の面積が高くなり、太陽熱発電用反射鏡20におけるフィルムミラーユニットFMUの面積が低下するという問題があった。
フィルムミラーユニットFMUの最表層を構成するハードコート層9は、透明性、耐候性、耐傷性、防汚性が要求されている層であり、ハードコート層の形成には、特に、耐傷性の観点から、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が用いられている。しかし、これらの構成材料に対する封止テープの密着性が十分であるとはいいがたかった。
例えば、高温高湿等の過酷な環境下で長期間にわたり使用されると、図3のPに示すように、封止テープ14とハードコート層9との密着端部より剥離が生じる。生じた剥離部Pに水分や酸素等が浸入し、フィルムミラーユニットFMUの側面部から各構成層間に水分や酸素が浸透して、光熱反射層5等の劣化を引き起こし、反射率の低下等が生じるという問題を引き起こす。
本発明のフィルムミラーの製造方法は、従来型の封止テープ方式による問題を解決すべくなされたものであり、新たな封止部材を付与することなく、フィルムミラーの端部の極めて狭い面積に、加熱部材を押し当て、端部を挟持した状態で、端部を特定の温度、例えば、粘着層あるいは紫外線吸収層を構成するアクリル系樹脂等の構成材料のガラス転移温度Tg以上の温度で加熱することにより、粘着層あるいはアクリル樹脂を含有する紫外線吸収層を構成する材料を側面部に軟化させ、その流出した軟化物により側面部を封止することを特徴とするものである。このような封止構造の形成方法を適用することにより、フィルムミラーの端部において、フィルムミラー面積の低下を引き起こすことがない。
また、本発明においては、端部に形成する封止部は、フィルムミラーを構成する部材より供給される。すなわち、封止部を形成する部材はフィルムミラーの構成層と同種の材料であり、かつ封止部を形成する部材は、フィルムミラーの構成層と連続した構造で形成することができるため、封止構造として極めて密着性に優れ、剥離し難い効果を発現することができる。
本発明のフィルムミラーの製造方法は、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーの製造方法であって、該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させ、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成される広幅原反を作製し、所定のサイズに断裁するような仕様において、本発明の断裁面に封止部を形成する方法を適用することが、断裁時に生じた側面部における微細なクラックや剥離を被覆し、強固な封止構造を形成することができる観点から好ましい態様である。
また、端部に加熱部材を圧着した後、加圧した状態で徐冷して、前記封止部を形成することが、フィルムミラーの端部における反射率を維持することができる観点から好ましい。
また、端部に流出した前記粘着層及び紫外線吸収層の軟化部に対し、封止部成形部材を押し当てて、前記封止部を形成することが、形成した封止部の平面性やクラック等の発生を防止することができる観点から好ましい。
また、前記粘着層が、アクリル系樹脂で構成されていることが、加熱部材を圧着した際に他方より供給される紫外線吸収層の構成材料と同一となり、両者が会合して封止構造を形成する際の相溶性が高まり、安定した封止部を形成することができる観点から好ましい。
また、封止部形成時の前記加熱部材による圧力条件として、0.1〜1.0MPaの範囲内とすることが、安定して封止構造を形成することができる観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《フィルムミラーの製造方法》
〔フィルムミラーの基本構成〕
本発明のフィルムミラーは、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーユニットであり、このフィルムミラーユニットの粘着層を介して、金属基材や樹脂基材に貼合して、太陽熱発電用反射鏡を構成する。
〔フィルムミラーの基本構成〕
本発明のフィルムミラーは、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーユニットであり、このフィルムミラーユニットの粘着層を介して、金属基材や樹脂基材に貼合して、太陽熱発電用反射鏡を構成する。
本発明に係るフィルムミラーユニットは、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(以下、アクリル樹脂層ともいう。)及びハードコート層から構成され、必要に応じて、その他の機能層を設けても良い。
図1は、封止構造を形成する前のフィルムミラーユニットの構成の一例を示す概略断面図である。このような構成を、TypeAと称す。
図1に示すTypeAの封止構造を形成する前のフィルムミラーユニットFMUは、主要構成層として、接着層3、トップコート層4、光熱反射層5、アンカー層6、光熱反射層形成支持体7、第2のアンカー層6A、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8、ハードコート層9等が配置されている。この構成において、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8は、塗布方式で形成されることが好ましい。
図1に示す構成において、トップコート層4〜アンカー層6Aまでの構成を、光熱反射ユニット2Aと称す。
このフィルムミラーユニットFMUは、粘着層3を介して、例えば、金属基材あるいは樹脂基材と接着して、太陽熱発電用反射鏡を構成する。
図2は、封止構造を形成する前のフィルムミラーユニットの構成の他の一例を示す概略断面図である。このような構成を、TypeBと称す。
図2において、TypeBのフィルムミラーユニットFMUの構成としては、粘着層3、光熱反射層形成支持体7、アンカー層6、光熱反射層5、トップコート層4、接着層3A、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8A及びハードコート層9が積層している。
上記構成において、光熱反射層形成支持体7〜接着層3A間での構成を、光熱反射ユニット2Bと称す。
図2に示す構成で用いられるアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8Aとしては、接着層を介してラミネートしたアクリルフィルム、例えば、ドライラミネーションプロセスにより、接着層(3A)と、アクリル樹脂層(8A)として紫外線吸収剤を含有したアクリルフィルム、スミペックス テクノロイ S001GU(住友化学株式会社製、厚さ100μm))を、ラミネート温度60℃で貼合して、接着層(3A)及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(8A)を形成する方法を適用することができる。
〔封止構造の形成方法〕
(従来型の封止テープによる端部封止方法)
本発明のフィルムミラーの封止方法を説明する前に、従来用いられてきた封止テープによる端部の封止方法(比較例)について説明する。
(従来型の封止テープによる端部封止方法)
本発明のフィルムミラーの封止方法を説明する前に、従来用いられてきた封止テープによる端部の封止方法(比較例)について説明する。
図3は、従来方式の側面部を封止テープにより封止した構造を有する太陽熱発電用反射鏡の構成の一例を示す概略断面図である。
図3において、フィルムミラーユニットFMUは、図1で例示したTypeAのフィルムユニットFMUである。
この太陽熱発電用反射鏡20の端部を、封止テープ14で封止する構成である。このような方式で使用される封止テープとしては、3M社製の耐候テープ 10386−ND(テープ幅:2.54cm(1インチ)、厚さ:87μm、粘着剤:アクリル系樹脂)、寺岡製作所製 アルミ箔テープ No.833、Reflec Tech社製 アルミニウムエッジテープ等が使用されている。
このような封止テープを用いて、端部の封止を行う際には、例えば、25.4mmのテープを用いる場合、図3に示すように、端部領域でのテープ被覆幅L1は、5〜12mmの幅となるため、フィルムミラーの表面面積に示す比率が高くなり、反射効率の低下を招いている。
更に、図3で例示したように、フィルムミラーユニットFMUの最表面を形成しているハードコート層9が、例えば、シリコーン樹脂等で形成されている場合には、ハードコート層の表面特性により、封止テープ14との接着性を十分に維持することができなくなり、高温高湿環境下で長期間曝されると、その接着面より剥離部Pが生じ、更にその剥離部Pからの水分や酸素の浸入により、封止性が低下し、その結果、フィルムミラーユニットFMUの構成層の層間剥離等を引き起こすことになる。
(本発明の側面部封止方法)
次いで、本発明のフィルムミラーの製造方法による側面部封止方法について、その詳細を説明する。
次いで、本発明のフィルムミラーの製造方法による側面部封止方法について、その詳細を説明する。
本発明のフィルムミラーの製造方法においては、フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル樹脂層を軟化させた後、溶出した前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層の軟化成分により、側面に封止部を形成することを特徴とする。
図4には、本発明のフィルムミラーの製造方法に適用することができる代表的な側面部の封止方法として、フィルムミラーユニットFMUの構成として図1に示すTypeAを例として、その封止方法を記載してある。
はじめに、粘着層3〜ハードコート層9までを図4に示す構成で積層して、TypeAのフィルムミラーユニットFMUを作製する。
次いで、フィルムミラーユニットFMUの端部から、L2の距離範囲をカバーするように、一対の加熱部材10A及び10Bを配置した後、圧着及び加熱を行って、フィルムミラーユニットFMUの構成層のうち、相対的にガラス転移温度Tgが低い材料により形成されている粘着層3及び紫外線吸収層8を構成している材料を軟化して側面部へ溶出させ、封止部11を形成する。この時、溶出した軟化物をそのままの状態にすると、封止部表面が凹凸構造となるため、軟化した状態で、側面部に封止部成形部材12を押し当てて、その表面を平滑化させることが好ましい。また、封止部11を形成し、加熱を停止した後、加圧した状態で徐冷することが好ましい。すなわち、徐冷が完了するまでは、図4に示す端部の構成を維持させることが好ましい態様である、このような方法を適用することにより、フィルムミラーの反射率を損なうことなく、反射性に優れたフィルムミラーを得ることができる。
本発明でいう徐冷とは、フィルムミラーユニット端部に対し、加熱部材による軟化処理を施して、封止部を形成した後、加圧状態を維持しながら、加熱を停止し、自然冷却、場合によっては強制冷却により、所定の時間を要して、軟化状態の封止部を25℃前後の室温まで徐々に温度低下させて、固化する方法をいう。
本発明のフィルムミラーの製造方法において、端部の圧着及び加熱に適用可能な加熱部材10A及び10Bを構成する具体的な装置としては、特に制限はないが、代表的な装置として、ヒートシーラー、パルスヒート装置、電磁誘導加熱接着装置を挙げることができる。その中でも、操作の簡便さの観点から、ヒートシーラーを用いることが好ましい。
本発明に適用可能なヒートシーラーとしては、例えば、富士インパルス社製のポリシーラーP−200(片側下加熱方式)等、厚物ガゼット袋用シーラーT−130K、T−230K(いずれも、上下加熱方式)、AZ−200W、AZ−300W(いずれも、上下加熱方式)、加熱温度コントロールオートシーラー OPLシリーズ(片側下加熱方式、上下加熱方式)、Fi−WAシリーズ(片側下加熱方式、上下加熱方式)、CAシリーズ、CVシリーズ((片側下加熱方式、上下加熱方式)等が挙げられる。これらのヒートシーラーのシール幅(図4におけるL2+L3)は、2〜10mmの範囲内である。その他には、太陽電気産業社製のヒートシーラーHS−300、HS−400、HS−400等を挙げることができる。
本発明においては、図4に示すように、加熱部材10A及び10Bにより、フィルムミラー端部を挟持して、加熱圧着処理を行うが、加熱は、加熱部材10A及び10Bのいずれか一方、あるいは双方で加熱を行っても良い。
本発明のフィルムミラーの製造方法において、端部の加熱及び加圧により側面部に封止部11を形成するが、形成条件の調整要素としては、加熱温度、加圧条件及びその処理時間である。
第1の制御因子である加熱温度としては、本発明では80〜120℃の温度範囲で行うことを特徴とするが、好ましくは100〜120℃の温度範囲である。
すなわち、本発明においては、端部を加熱部材により80〜120℃の温度範囲に加熱して軟化させ、その側面部に封止部を形成することを特徴としている。従って、封止部を構成する粘着層及び紫外線吸収層は、軟化させるための温度の指針であるガラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲内にある樹脂材料を選択することが重要である。
すなわち、端部の加熱条件を、上記で規定する温度範囲内に設定することにより、粘着層及び紫外線吸収層を構成する材料、例えば、アクリル系樹脂が、熱劣化することなく、再成形可能な軟化状態となり、所望の封止形状を形成することができる。従って、適用している樹脂材料のガラス転移温度Tg以上で、かつ着色、発泡、あるいは焼付け等が生じない温度以下で加熱することが好ましい。
第2の制御因子である加圧条件としては、特に制限はないが、0.1〜1.0MPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5MPaの範囲内であり、更に好ましくは0.2〜0.4MPaの範囲内である。
第3の制御因子である加熱加圧時間としては、設定する加熱温度により変化するが、概ね0.1〜30秒の範囲内であり、1〜20秒の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜10秒の範囲内である。
図4において、加熱部材10A及び10Bの幅は、概ね2〜10mmの範囲内である。
このような加熱部材を、フィルムミラーユニットFMUの端部に接触させる場合の端部加熱領域L2としては、0.1〜5mmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3mmの範囲内であり、特に好ましくは0.5〜1.5mmの範囲内である。
図4で示すように、フィルムミラーユニットFMUの端部から封止部成形部材12までの空間Vに、軟化した粘着層3及び紫外線吸収層8の構成材料が溶出して封止部11を形成するが、その封止部11の厚さL3としては、0.5〜5mmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3mmの範囲内であり、特に好ましくは1.0〜3mmの範囲内である。
封止部11の厚さL3は、加熱部材10A及び10Bの幅と端部加熱領域L2と、粘着層3及びアクリル樹脂層8の厚さhdにより決定される。
図5は、上記図4で説明した加熱部材10A及び10Bと封止部成形部材12を取り除いた状態で、側面部に封止部11を形成したフィルムミラーユニットFMUの形態を示しており、L3が封止部の厚さである。
次いで、図を用いて、上記説明した封止部形成の工程フローについて、更に手順を追って形成方法の詳細を説明する。
図6は、側面部に封止構造を形成する本発明のフィルムミラーの製造方法のプロセスの一例を示す模式図である。
図6の(a)に示すように、粘着層3、光熱反射ユニット2A、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8及びハードコート層9から構成されるTypeAのフィルムミラーユニットFMUの端部に、一対の加熱部材10A及び10Bを、所定の端部幅(L2)位置に配置する。
次いで、図6の(b)に示すように、フィルムミラーユニットFMUの端部を、一対の加熱部材10A及び10Bで挟持し、加圧した状態で加熱して、粘着層3及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8の端部軟化成分を、矢印方向に押し出しして、封止部11を形成する。
このような状態では、封止部11の表面は、図6の(b)に示すように不定形を呈しているため、図6の(c)に示すように、封止部成形部材12を押し当てて、平滑化処理を施す。
図6においては、工程(b)と(c)とに分割して説明したが、加圧した状態で加熱して、粘着層3及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層8の端部軟化成分を押し出しする際に、予め図6の(c)に示すように、封止部成形部材12を設けた状態で行っても良い。
封止部11を形成した後は、図6の(d)に示すように、加熱部材10A及び10Bと封止部成形部材12を取り除いた状態で、側面部に封止部11を形成したフィルムミラーユニットFMUが得られる。
図7は、図2で示したTypeBのフィルムミラーユニットFMUに封止部11を形成した状態を示しており、封止部11の形成方法としては、上記図4〜図6で説明した方法と同様である。
〔フィルムミラーの構成要素〕
本発明に係るフィルムミラーユニットとは、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層及びハードコート層から構成されているフィルム状のミラーをいう。
本発明に係るフィルムミラーユニットとは、少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層及びハードコート層から構成されているフィルム状のミラーをいう。
フィルムミラーユニットの厚さは50〜200μmであり、好ましくは80〜200μmであり、更に好ましくは80〜170μmである。フィルムミラーユニットの厚さを50μm以上にすることにより、フィルムミラーユニットを樹脂基材あるいは金属基材等に接合させた時に、ミラーが撓むことなく、良好な反射効率を得やすくなる。また、フィルムミラーユニットの厚さを200μm以下にすることにより、取り扱い性が良好になる。フィルムミラーユニットには平面性があるため、ロール・トゥ・ロールで製造することも可能であり、製造費用の観点から好ましく用いられる。また、フィルムミラーユニットは、用いられる材料や、50〜200μm程度の厚さであることから、非常に軽量であるといえる。更に、フィルムミラーユニットはガラスとは異なり割れる等の問題が発生せず、柔軟性を有する。つまり、フィルムミラーユニットは、軽量で柔軟性があり、製造コストを抑え大面積化・大量生産することができるという特長を有している。
また、フィルムミラーユニットは、粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、アクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層、ハードコート層以外の層を有していてもよい。
フィルムミラーユニットの表面粗さRaは、0.01〜0.1μmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.02〜0.07μmの範囲内である。フィルムミラーユニットの表面粗さが0.01μm以上であれば、輸送時や太陽光反射用ミラーの組み立て時や調整時に、誤って指でその表面を触ってしまったとしても、指紋が付着して、反射効率が低下することを防止できる。また、フィルムミラーユニットは凹面状の形状にして用いる場合が想定される。その場合、表面粗さRaが粗くても凹面状の形状によって反射効率の低下を防止することができる。なお、フィルムミラーユニットや太陽光反射用ミラーの表面の粗さやフィルムミラーユニットを構成する各層の粗さは、その層の粗さだけでなく、隣接する層から離れている層の影響を含めた総合的な影響によって決まる。
また、フィルムミラーユニットを中心部直交方向から見た形状は、特に制限されないが、円状、楕円状、正方形や長方形等の四角形状、正六角形状等の形状であることが好ましい。フィルムミラーユニットの中心部とは、円状の場合はその中心近辺、四角形状の場合は対角線の交点近辺、正六角形状の場合も対角線の交点近辺であることが好ましい。
(光熱反射層形成支持体)
フィルムミラーユニットFMUで用いる光熱反射層形成支持体7としては、従来公知の種々の可撓性を有する支持体を用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
フィルムミラーユニットFMUで用いる光熱反射層形成支持体7としては、従来公知の種々の可撓性を有する支持体を用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましく、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
支持体表面には、面上に設けられる層等との密着性を向上させるために、コロナ放電処理、プラズマ処理等が施されていてもよい。
また、支持体には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、シアノアクリレート系、ポリマー型の紫外線吸収剤のうちいずれかを含むことが好ましい。なお、紫外線吸収剤の具体的化合物としては、後述する紫外線吸収層も用いることができる紫外線吸収剤を挙げることができる。
光熱反射層形成支持体7の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜250μmの範囲内である。好ましくは20〜200μmである。
(光熱反射層)
本発明に係る光熱反射層(以下、単に「反射層」ともいう)は、太陽光を反射する機能を有する金属等から構成される層である。光熱反射層の表面反射率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。光熱反射層は、樹脂基材が、太陽光線により樹脂が劣化することを防止する目的から、光入射側に配置することが好ましい。
本発明に係る光熱反射層(以下、単に「反射層」ともいう)は、太陽光を反射する機能を有する金属等から構成される層である。光熱反射層の表面反射率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。光熱反射層は、樹脂基材が、太陽光線により樹脂が劣化することを防止する目的から、光入射側に配置することが好ましい。
光熱反射層の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmの範囲内が好ましく、より好ましくは30〜150nmの範囲内である。反射層の膜厚が10nm以上とすることは、膜厚が十分なため、光を透過してしまうことがなく、フィルムミラーユニットの可視光領域での反射率を十分確保できるため好ましい。また、200nm程度までは膜厚に比例して反射率も大きくなるが、200nm以上になると、反射率は膜厚に依存しない。
反射層の表面粗さRaは0.01〜0.1μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.07μmの範囲内である。反射層の表面粗さRaが0.01μm以上とすることにより、その粗さに起因してフィルムミラーユニット表面も粗くなるため、フィルムミラーユニットの生産段階において、連続的に製膜するロール・トゥ・ロール方式を用いた場合でも、フィルムミラーユニットの反射層とその入射光側の隣接層におけるブロッキングなどの貼りつきを防止することができる。また、表面が粗くなると反射光が散乱する恐れがあるが、反射層を有するフィルムミラーユニットは凹面状の形状を有しているので、表面粗さRaが0.1μm以下であればフィルムミラーユニットを凹面状の形状にすることによって反射効率の低下を防止することができる。
反射層は、アルミニウム、銀、クロム、ニッケル、チタン、マグネシウム、ロジウム、プラチナ、パラジウム、スズ、ガリウム、インジウム、ビスマス及び金からなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料として形成されることが好ましい。中でも、反射率、耐食性の観点からアルミニウム又は銀を主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。そうすることにより、フィルムミラーユニットの赤外域から可視光領域での反射率を高め、入射角による反射率の依存性を低減できる。赤外域から可視光領域とは、2500〜400nmの波長領域を意味する。入射角とは、膜面に対して垂直な線(法線)に対する角度を意味する。その中でも、特に、銀を主成分とする銀反射層とすることが好ましい。
反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。
湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例を挙げるとすれば、銀鏡反応などがある。
一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的には、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には、連続的に製膜するロール・トゥ・ロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽光反射用のフィルムミラーユニットの製造方法においては、反射層を蒸着によって形成する製造方法であることが好ましい。
また、光熱反射層の耐久性を向上させる観点から、上記元素群から2種以上の金属を選び合金としてもよい。反射率の観点を考慮し、反射層を銀合金からなる膜とする場合には、反射層における銀と他の金属との合計(100原子%)中、銀は90〜99.8原子%の範囲内とすることが好ましい。また、他の金属は、耐久性の点から0.2〜10原子%が好ましい。この場合の他の金属としては、高温耐湿性、反射率の点から、特に金が好ましい。
本発明に係る光熱反射層としては、特に銀反射層を適用することが好ましい。銀反射層を形成する際には、乾式法や湿式法以外に、配位子が気化・脱離しうる銀錯体化合物を含有する塗布膜を加熱焼成することにより形成方法を適用してもよい。
なお、この湿式方法による光熱反射層の形成方法としては、例えば、国際公開第2013/103139号の段落(0035)〜同(0056)に記載されている内容を参照することができる。
(アンカー層)
アンカー層6及び6Aは樹脂からなり、光熱反射層5に隣接して設ける場合には、例えば、光熱反射層形成支持体7と光熱反射層5とを密着する密着性を高めることができる。また、紫外線吸収層8と光熱反射層形成支持体7とを密着する際の密着性を高めることができる。
アンカー層6及び6Aは樹脂からなり、光熱反射層5に隣接して設ける場合には、例えば、光熱反射層形成支持体7と光熱反射層5とを密着する密着性を高めることができる。また、紫外線吸収層8と光熱反射層形成支持体7とを密着する際の密着性を高めることができる。
アンカー層6及び6Aに使用する樹脂材料は、上記の密着性、耐熱性、及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用できる。耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにイソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂がより好ましい。
アンカー層6及び6Aは、所定の樹脂材料を塗布、塗工するグラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法等により形成できる。
アンカー層6及び6Aの厚さは、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。厚さを0.01μm以上とすることにより、密着性を維持でき、また、光熱反射層形成支持体7表面の凹凸を覆い隠すことで、平滑性が向上し、結果的に光熱反射層5の反射率を高くすることができる。また、厚さが3μm以下であれば、十分な密着性を発現でき、層間剥離を起こし難くなり、かつ塗りムラの発生による平滑性の劣化を防止できる。
(紫外線吸収層)
紫外線吸収層8は、太陽光や紫外線によるフィルムミラーの劣化防止の目的で紫外線吸収剤を含有し、更に構成成分としてアクリル系樹脂を含有する層である。紫外線吸収層8は、光熱反射層形成支持体6よりも光入射側に設けることが好ましく、光熱反射層5よりも光入射側に設けることが好ましい。
紫外線吸収層8は、太陽光や紫外線によるフィルムミラーの劣化防止の目的で紫外線吸収剤を含有し、更に構成成分としてアクリル系樹脂を含有する層である。紫外線吸収層8は、光熱反射層形成支持体6よりも光入射側に設けることが好ましく、光熱反射層5よりも光入射側に設けることが好ましい。
紫外線吸収剤層は、タッキング性を有する場合が多いため、ブロッキングしにくい紫外線吸収剤層を得るためには、可塑剤の微粒子を含有させてもよい。可塑剤の微粒子の好ましい例としては、例えば、ブチルゴムやブチルアクリレートの微粒子などが挙げられる。紫外線吸収層の厚さは、20〜150μmであると入射光の透過率やフィルムミラーに適度な表面粗さを付与することができるため好ましい。より好ましくは、40〜100μmである。また、紫外線吸収層には、紫外線吸収剤のほかに、酸化防止剤等を添加してもよい。
紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、更に詳しくは、メタクリル樹脂を主要構成樹脂とすることが、屈折率起因による界面反射損失を少なくし、透過率を確保すると共に、光劣化を抑制することができる観点から好ましい。
メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする重合体であり、メタクリル酸エステルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸エステル50質量%以上と、これ以外の単量体50質量%以下との共重合体であってもよい。ここで、メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸のアルキルエステルが用いられる。特に好ましく用いられるメタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)である。
メタクリル樹脂の好ましい単量体組成は、全単量体を基準として、メタクリル酸エステルが50〜100質量%、アクリル酸エステルが0〜50質量%、これら以外の単量体が0〜49質量%であり、より好ましくは、メタクリル酸エステルが50〜99.9質量%、アクリル酸エステルが0.1〜50質量%、これら以外の単量体が0〜49質量%である。
ここで、メタクリル酸アルキルの例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。中でもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、アクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、そのアルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4である。
また、メタクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキル以外の単量体は、単官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であってもよいし、多官能単量体、すなわち分子内に重合性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する化合物であってもよいが、単官能単量体が好ましく用いられる。そして、この単官能単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きアルケニルシアン化合物などが挙げられる。また、多官能単量体の例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートの如き多価アルコールのポリ不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ケイ皮酸アリルの如き不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの如き多塩基酸のポリアルケニルエステル、ジビニルベンゼンの如き芳香族ポリアルケニル化合物などが挙げられる。
なお、上記のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、及びこれら以外の単量体は、それぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。
メタクリル樹脂は、フィルムミラーの耐熱性の点から、そのガラス転移温度が40℃以上であるのが好ましく、60℃以上であるのがより好ましい。このガラス転移温度は、単量体の種類やその割合を調整することにより、適宜設定することができる。
メタクリル樹脂は、その単量体成分を、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの方法により重合させることにより、調製することができる。その際、好適なガラス転移温度を得るため、又は好適なフィルムへの成形性を示す粘度を得るため、重合時に連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の量は、単量体の種類やその割合などに応じて、適宜決定すればよい。
紫外線吸収層に添加される紫外線吸収剤としては、特に制限は無いが、有機系として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ベンゾエート系等が挙げられ、また無機系として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄等が挙げられる。なお、紫外線吸収剤を多量に含有させた際にブリードアウトしてしまうという問題を低減するためには、分子量の1000以上の高分子の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。好ましくは、分子量1000〜3000の範囲内である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;市販品の例としては、ADEKA社製のLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;市販品の例としてはBASFジャパン社製のチヌビン234)などが挙げられる。
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(チヌビン1577FF、商品名、BASFジャパン社製)、〔2−[4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(CYASORB UV−1164、商品名、サイテックインダストリーズ社製)等が挙げられる。
また、上記ベンゾエート系紫外線吸収剤の例としては、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;市販品の例としては住友化学社製のSumisorb400)などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては上記以外に、紫外線の保有するエネルギーを分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物を用いることもできる。更に、酸化防止剤あるいは着色剤等との併用により効果を発現するもの、あるいはクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。但し、上記の紫外線吸収剤を使用する場合は、紫外線吸収剤の光吸収波長が、光重合開始剤の有効波長と重ならないものを選択する必要がある。通常の紫外線吸収剤を使用する場合は、可視光でラジカルを発生する光重合開始剤を使用することが有効である。
なお、上記紫外線吸収剤はそれぞれ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。また、必要により、上記紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸誘導体、置換アクリロニトリル、ニッケル錯体、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
紫外線吸収剤の紫外線吸収層への添加量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。また、紫外線吸収剤の紫外線吸収層への添加量は、フィルム単位面積当たりの添加量が0.17〜2.28g/m2で、より好ましくは単位面積当たりの添加量が0.4〜2.28g/m2の範囲内である。添加量を上記の範囲にすることによって、耐候性能を十分発揮しつつ、紫外線吸収剤のブリードアウトによる、ローラーやフィルムミラーの汚れを防止できる。
紫外線吸収層に添加される酸化防止剤としては、光安定剤についての記載も含め、後述のハードコート層にて記載した酸化防止剤を同様に用いることができる。酸化防止剤を添加することにより、アクリル樹脂層の溶融製膜時の劣化を防止することができる。また、酸化防止剤がラジカルを捕捉することにより、アクリル樹脂層が劣化することも防止できる。
(ハードコート層)
ハードコート層9は、フィルムミラーユニットの主には最表面に配置され、フィルムミラーユニット表面の耐傷性、防汚性などを付加する目的で設けられる透明の層である。
ハードコート層9は、フィルムミラーユニットの主には最表面に配置され、フィルムミラーユニット表面の耐傷性、防汚性などを付加する目的で設けられる透明の層である。
フィルムミラーユニットは、砂漠等で使用されることが多いため、紫外線や熱や風雨、砂嵐といった様々な外因に対する耐性を具備していることが好ましい。ハードコート層により、光熱反射層に用いられている金属、特に、銀膜の酸素、水蒸気、硫化水素などによる腐食、紫外線による樹脂層の劣化、フィルムミラーユニットの変色や膜剥がれなどを低減することができる。また、ハードコート層により、フィルムミラーユニットに付着した汚れをブラシなどで洗い流すことによるフィルムミラーユニット表面の傷つきも低減することができ、結果として反射効率の低下も防止できる。
ハードコート層の位置としてはフィルムミラーユニットの太陽光入射側の最表面層に設けられることが好ましい。ハードコート層の上に更に別の薄い層(1μm以下の厚さが好ましい)を設けてもよい。なお、ハードコート層の厚さは、0.05〜10μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1.0〜4μmの範囲内であり、更に好ましくは、1.5〜3.0μmの範囲内である。
ハードコート層の厚さが0.05μm以上であれば,十分な耐傷性を得ることができる。また、ハードコート層の厚さが10μm以下であれば、応力が強くなり過ぎてハードコート層が割れることを防止できる。更に、砂塵等の汚れの静電的な付着を防止する観点からも電気抵抗値を低くするため、厚さが10μm以下であることが好ましい。
ハードコート層の耐傷性は、鉛筆硬度がH〜5Hの範囲内であり、加重500g/cm2のスチールウール試験における傷が30本以下であることが好ましい。防汚性に関しては、フィルムミラーユニットの最表面の電気抵抗値が、1.0×10−3〜1.0×1012Ω/□であることが好ましい。より好ましくは、3.0×109〜2.0×1011Ω/□である。防汚性に関するもう一つの指標としては、ハードコート層の転落角が0°より大きく30°以下であれば、雨や結露などによってフィルムミラーユニット表面に付着する水滴が落ちやすくなるため好ましい。なお、転落角とは、水平なミラー上に水滴を滴下し、その後、当該ミラーの傾斜角を徐々に上げていき、静止していた所定質量の水滴が転落する最小の角度を計測したものをいう。転落角が小さければ小さい程、水滴が表面から転がり落ちやすく、水滴が付着しにくい疎水性表面であると言える。
〈ハードコート層の形成材料〉
ハードコート層の形成材料としては、透明性、耐候性、耐傷性、防汚性が得られる層を形成できる材料であることが好ましい。
ハードコート層の形成材料としては、透明性、耐候性、耐傷性、防汚性が得られる層を形成できる材料であることが好ましい。
ハードコート層の形成に適用可能な材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などを挙げることができる。特に、耐傷性の観点から、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。更に、硬化性、可撓性及び生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、又は熱硬化型のアクリル系樹脂も好ましい。
更に具体的には、例えば、電子線や紫外線の照射により硬化する樹脂や熱硬化性の樹脂等を使用でき、特にアルコキシシラン系化合物の部分加水分解オリゴマーからなる熱硬化型シリコーン系ハードコート、熱硬化型のポリシロキサン樹脂からなるハードコート、不飽和基を有するアクリル系化合物からなる紫外線硬化型アクリル系ハードコート、熱硬化型無機材料であることが好ましい。また、ハードコート層に用いることができる材料として、水性コロイダルシリカ含有アクリル樹脂(例えば、特開2005−66824号公報に記載の化合物)、ポリウレタン系樹脂組成物(例えば、特開2005−110918号公報に記載の化合物)、水性シリコーン化合物をバインダーとして用いた樹脂膜(例えば、特開2004−142161号公報に記載の化合物)、酸化チタン等の光触媒性酸化物含有シリカ膜もしくはアルミナ、アスペクト比の高い酸化チタンもしくは酸化ニオブなどの光触媒膜(例えば、特開2009−62216号公報に記載の化合物)、光触媒含有フッ素樹脂コーティング(例えば、ピアレックス・テクノロジーズ社製)、有機/無機ポリシラザン膜、有機/無機ポリシラザンに親水化促進剤(例えば、AZエレクトロニクス社製)を用いた膜、等も挙げることができる。
熱硬化型シリコーン系のハードコート層には公知の方法によって合成したアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーを使用できる。その合成方法の一例は以下の通りである。まず、アルコキシシラン化合物としてテトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランを用い、これを塩酸、硝酸等の酸触媒の存在下に所定量の水を加えて、副生するアルコールを除去しながら室温から80℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、更に縮合反応により一分子中にシラノール基又はアルコキシ基を2個以上有し、平均重合度4〜8のアルコキシシラン化合物の部分加水分解オリゴマーが得られる。次にこれに酢酸、マレイン酸等の硬化触媒を添加し、アルコール、グリコールエーテル系の有機溶剤に溶解させて熱硬化型シリコーン系ハードコート液が得られる。そしてこれを通常の塗料における塗装方法によりフィルムミラーユニット等の外面に塗布し、80〜140℃の温度で加熱硬化することによってハードコート層を形成することができる。ただし、この場合、フィルムミラーユニットの熱変形温度以下での硬化温度の設定が前提となる。なお、テトラアルコキシシランの代わりに、ジ(アルキル又はアリール)ジアルコキシシラン、又はモノ(アルキル又はアリール)トリアルコキシシランを使用することにより、同様にポリシロキサン系のハードコート層を製造することが可能である。
紫外線硬化型アクリル系のハードコート層には、不飽和基を有するアクリル系化合物として、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート混合物等を使用することができ、これにベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン等の光重合開始剤を配合して用いる。そしてこれをフィルムミラーユニットの外面に塗布し、紫外線硬化することによってハードコート層が形成される。
また、ハードコート層に表面処理を施して、親水性を付与することが好ましい。例えば、コロナ処理(例えば、特開平11−172028号公報に記載の方法等)、プラズマ表面処理、紫外線・オゾン処理、表面突起物形成(例えば、特開2009−226613号公報に記載の方法)、表面微細加工処理などを挙げることができる。
ハードコート層の形成方法としては、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知の湿式コーティング方法が使用できる。
〈ハードコート層に適用可能な添加剤〉
ハードコート層には、その他に、従来公知の紫外線吸収剤や酸化防止剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
ハードコート層には、その他に、従来公知の紫外線吸収剤や酸化防止剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
〈紫外線吸収剤〉
ハードコート層に適用可能な紫外線吸収剤としては、前述の紫外線吸収層で列挙したのと同様の紫外線吸収剤を挙げることができる。
ハードコート層に適用可能な紫外線吸収剤としては、前述の紫外線吸収層で列挙したのと同様の紫外線吸収剤を挙げることができる。
特に、下記に例示するUV化合物1をハードコート層に含有させることが好ましい。
なお、ハードコート層における紫外線吸収剤の使用量は、密着性を良好に保ちつつ、耐候性を良好にするために、0.1〜20質量%の範囲内であることが好ましい。更に好ましくは0.25〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲内である。
〈酸化防止剤〉
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤など、有機系酸化防止剤を使用することが好ましい。また、酸化防止剤と光安定剤を併用してもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤など、有機系酸化防止剤を使用することが好ましい。また、酸化防止剤と光安定剤を併用してもよい。
酸化防止剤及び光安定剤としては、例えば、国際公開第2013/103139号の段落(0063)〜同(0070)に記載されている化合物が使用可能である。
〈重合開始剤〉
ハードコート層、特に、多官能アクリルモノマーとシリコーン樹脂を含有するハードコート層は、重合を開始するための重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤には、紫外線などの活性エネルギー線硬化性樹脂の光重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、重合開始剤を光増感剤と共に使用してもよい。
ハードコート層、特に、多官能アクリルモノマーとシリコーン樹脂を含有するハードコート層は、重合を開始するための重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤には、紫外線などの活性エネルギー線硬化性樹脂の光重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、重合開始剤を光増感剤と共に使用してもよい。
〈その他の添加剤〉
ハードコート層中には、更に各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、界面活性剤、レベリング剤及び帯電防止剤などを用いることができる。
ハードコート層中には、更に各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、界面活性剤、レベリング剤及び帯電防止剤などを用いることができる。
また、図1に示すように、光熱反射層5の外面側には、下記に説明する各構成層を形成することができる。
(トップコート層)
本発明に係るフィルムミラーユニットを構成するトップコート層4は、腐食防止剤を含有している樹脂層であり、腐食防止層とも称され、特に、光熱反射層5に隣接して設けられることが好ましい。
本発明に係るフィルムミラーユニットを構成するトップコート層4は、腐食防止剤を含有している樹脂層であり、腐食防止層とも称され、特に、光熱反射層5に隣接して設けられることが好ましい。
トップコート層4は、1層のみから構成されていてもよいし、複数層から構成されていてもよい。トップコート層4の層厚は、1〜10μmの範囲内が好ましく、より好ましくは2〜8μmの範囲内である。
トップコート層4の形成に用いる樹脂としては、例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
これら樹脂材料(バインダー)を光熱反射層5に隣接して塗布するなどして、トップコート層4を形成することができる。
トップコート層4が含有する腐食防止剤としては、銀に対する吸着性基を有することが好ましい。ここで、「腐食」とは、金属(銀)がそれをとり囲む環境物質によって、化学的または電気化学的に浸食されるか若しくは材質的に劣化する現象をいう(JIS Z0103−2004参照)。
なお、腐食防止剤の含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には0.1〜1.0/m2の範囲内であることが好ましい。
銀に対する吸着性基を有する腐食防止剤としては、アミン類およびその誘導体、ピロール環を有する化合物、ベンゾトリアゾール等トリアゾール環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、チアゾール環を有する化合物、イミダゾール環を有する化合物、インダゾール環を有する化合物、銅キレート化合物類、チオ尿素類、メルカプト基を有する化合物、ナフタレン系の少なくとも一種またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。ベンゾトリアゾール等の化合物においては、紫外線吸収剤が腐食防止剤を兼ねる場合もある。また、シリコーン変性樹脂を用いることも可能である。シリコーン変性樹脂として特に限定されない。これらの化合物としては、例えば、国際公開第2013/103139号の段落(0057)〜同(0062)に記載されている化合物が使用可能である。
(粘着層)
フィルムミラーユニットFMUの粘着層3は、当該粘着層3によってフィルムミラーユニットFMUを基材に接合して、太陽光反射用ミラーを形成するための層である。なお、フィルムミラーユニットFMUは粘着層3の太陽光入射側とは逆側に、剥離シートによる層を有していてもよい。フィルムミラーユニットFMUが剥離シートによる層を有する場合、剥離シートを粘着層3から剥離した後、粘着層3を介してフィルムミラーユニットFMUを基材に接合させることができる。
フィルムミラーユニットFMUの粘着層3は、当該粘着層3によってフィルムミラーユニットFMUを基材に接合して、太陽光反射用ミラーを形成するための層である。なお、フィルムミラーユニットFMUは粘着層3の太陽光入射側とは逆側に、剥離シートによる層を有していてもよい。フィルムミラーユニットFMUが剥離シートによる層を有する場合、剥離シートを粘着層3から剥離した後、粘着層3を介してフィルムミラーユニットFMUを基材に接合させることができる。
粘着層3としては、特に制限されず、例えば、ドライラミネート剤、ウエットラミネート剤、粘着剤、ヒートシール剤、ホットメルト剤等のいずれもが用いられる。粘着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ニトリルゴム等が用いられる。粘着層と基材とを接合するためのラミネート法は、特に制限されず、例えば、ロール式で連続的に行うのが経済性及び生産性の点から好ましい。また、粘着層3の厚さは、粘着効果、乾燥速度等の観点から、通常1〜100μm程度の範囲であることが好ましい。厚さが1μmより大きいと充分な粘着効果が得られるため好ましく、一方100μm未満であると粘着剤層が厚すぎて乾燥速度が遅くなるということがなく、能率的である。しかも本来の粘着力が得られ、溶剤が残留するなどの弊害が生じることもない。
(接着層)
本発明では、図2に示すように、紫外線吸収層8Aとトップコート層4とを接着層3Aを介して接着する。
本発明では、図2に示すように、紫外線吸収層8Aとトップコート層4とを接着層3Aを介して接着する。
接着層3Aは、層同士の接着性を高める機能があるものであれば特に限定はない。接着層は、層同士を密着する密着性、銀反射層を真空蒸着法等で形成する時の熱にも耐え得る耐熱性、及び銀反射層が本来有する高い反射性能を引き出すための平滑性を有することが好ましい。
接着層は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。接着層の厚さは、密着性、平滑性、反射材の反射率等の観点から、1〜10μmが好ましく、より好ましくは3〜8μmである。
接着層を形成する樹脂としては、上記の密着性、耐熱性及び平滑性の条件を満足するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等の単独またはこれらの混合樹脂が使用でき、耐候性の点からポリエステル系樹脂とメラミン系樹脂又はポリエステル系樹脂とウレタン系樹脂の混合樹脂が好ましく、さらにアクリル系樹脂にイソシアネートを混合させるような、イソシアネート等の硬化剤を混合した熱硬化型樹脂とすればより好ましい。
接着層の形成方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
(その他の構成層)
〈ガスバリアー層〉
光熱反射層よりも太陽光入射側にガスバリアー層を設けてもよい。ハードコート層又はアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層と、光熱反射層の間にガスバリアー層を設けることが好ましい。
〈ガスバリアー層〉
光熱反射層よりも太陽光入射側にガスバリアー層を設けてもよい。ハードコート層又はアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層と、光熱反射層の間にガスバリアー層を設けることが好ましい。
ガスバリアー層は、湿度の変動、特に高湿度による光熱反射層形成支持体7及び光熱反射層形成支持体7に支持される各構成層等の劣化を防止するためのものであるが、特別の機能・用途を持たせたものであってもよく、上記劣化防止機能を有する限りにおいて、種々の態様のガスバリアー層を設けることができる。
ガスバリアー層の防湿性としては、40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が、1g/m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g/m2・day以下、更に好ましくは0.2g/m2・day以下である。また、ガスバリアー層の酸素透過度としては、測定温度23℃、湿度90%RHの条件下で、0.6ml/m2/day/atm以下であることが好ましい。
ガスバリアー層は、1層のみからなっていてもよいし、複数層からなっていてもよい。ガスバリアー層の厚さは、10〜500nmの範囲内が好ましく、より好ましくは50〜200nmの範囲内である。
ガスバリアー層の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング、イオンビームアシスト、化学気相成長法等の方法により無機酸化物を形成する方法が挙げられるが、ゾル−ゲル法による無機酸化物の前駆体を塗布した後に、その塗布膜に加熱処理及び/又は紫外線照射処理を施して、無機酸化物膜を形成する方法も好ましく用いられる。
〈樹脂コート層〉
樹脂コート層は、紫外線吸収能を有するアクリル樹脂層と光熱反射層の間に設けられていることが好ましい。樹脂コート層が光熱反射層に隣接している場合、樹脂コート層が光熱反射層の腐食を防止するよう、腐食防止剤が添加されていることが好ましい。また、樹脂コート層が紫外線吸収能を有していても良い。
樹脂コート層は、紫外線吸収能を有するアクリル樹脂層と光熱反射層の間に設けられていることが好ましい。樹脂コート層が光熱反射層に隣接している場合、樹脂コート層が光熱反射層の腐食を防止するよう、腐食防止剤が添加されていることが好ましい。また、樹脂コート層が紫外線吸収能を有していても良い。
樹脂コート層は、1層のみから構成されていてもよいし、複数層から構成されていてもよい。樹脂コート層の厚さは、0.1〜10μmの範囲内が好ましく、より好ましくは2〜8μmの範囲内である。
樹脂コート層のバインダーとしては、例えば、前述のトップコート層4の形成に用いる樹脂として挙げた樹脂を用いることができる。
〈帯電防止層〉
本発明に係るフィルムミラーユニットにおいては、必要に応じて帯電防止層を設けることもである。フィルムミラーユニットはガラスミラーなどと比較して、樹脂フィルム等から構成される支持体を有しており、また、表面が樹脂で形成されていることが多いため、帯電しやすく、砂や埃などの汚れを引き寄せやすい。そのため、砂や埃などが付着し、反射効率が低下することが問題として挙げられる。フィルムミラーユニットの最表層の近い層に帯電防止層が存在することにより、フィルムミラーの表面の帯電を抑えることができ、砂やほこりなどの塵の汚れの付着を抑えることができ、長時間にわたって、高い反射効率を維持することができるため好ましい。帯電防止層は、フィルムミラーユニットの最表層に隣接する層または最表層との間に極薄い層を介して存在していることが好ましい。
本発明に係るフィルムミラーユニットにおいては、必要に応じて帯電防止層を設けることもである。フィルムミラーユニットはガラスミラーなどと比較して、樹脂フィルム等から構成される支持体を有しており、また、表面が樹脂で形成されていることが多いため、帯電しやすく、砂や埃などの汚れを引き寄せやすい。そのため、砂や埃などが付着し、反射効率が低下することが問題として挙げられる。フィルムミラーユニットの最表層の近い層に帯電防止層が存在することにより、フィルムミラーの表面の帯電を抑えることができ、砂やほこりなどの塵の汚れの付着を抑えることができ、長時間にわたって、高い反射効率を維持することができるため好ましい。帯電防止層は、フィルムミラーユニットの最表層に隣接する層または最表層との間に極薄い層を介して存在していることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《フィルムミラーユニットの作製》
〔封止部を有するフィルムミラーユニット1の作製〕
(フィルムミラーユニットの作製)
下記の手順に従って、図1に示すTypeAの構成からなるフィルムミラーユニットを作製した。
〔封止部を有するフィルムミラーユニット1の作製〕
(フィルムミラーユニットの作製)
下記の手順に従って、図1に示すTypeAの構成からなるフィルムミラーユニットを作製した。
〈1:光熱反射層形成用支持体(7)の準備〉
光熱反射層形成用支持体(7)として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
光熱反射層形成用支持体(7)として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
〈2:アンカー層(6)の形成〉
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)の一方の面側に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HMDI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6)を形成した。
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)の一方の面側に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HMDI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6)を形成した。
〈3:光熱反射層(5)の形成〉
次いで、アンカー層(6)まで形成した試料を真空蒸着装置内に設置した後、上記形成したアンカー層(6)上に、光熱反射層(5)として、金属銀を用い、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層(5)を形成した。
次いで、アンカー層(6)まで形成した試料を真空蒸着装置内に設置した後、上記形成したアンカー層(6)上に、光熱反射層(5)として、金属銀を用い、真空蒸着法により厚さ80nmの銀反射層(5)を形成した。
〈4:トップコート層(4)の形成〉
光熱反射層(5)を形成した試料を真空蒸着装置から取り出し、光熱反射層(5)上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂に対して、銀の腐食防止剤として2−メルカプトベンゾチアゾールを樹脂に対して10質量%となるように添加し、メチルエチルケトンにより固形分を5質量%に調整した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ4.0μmのトップコート層(4)を形成した。
光熱反射層(5)を形成した試料を真空蒸着装置から取り出し、光熱反射層(5)上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂に対して、銀の腐食防止剤として2−メルカプトベンゾチアゾールを樹脂に対して10質量%となるように添加し、メチルエチルケトンにより固形分を5質量%に調整した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ4.0μmのトップコート層(4)を形成した。
〈5:アンカー層(6A)の形成〉
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)のアンカー層(6)、光熱反射層(5)及びトップコート層(4)を形成した面とは反対側の面に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI(登録商標)系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6A)を形成した。
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)のアンカー層(6)、光熱反射層(5)及びトップコート層(4)を形成した面とは反対側の面に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI(登録商標)系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6A)を形成した。
〈6:紫外線吸収層(8)の形成〉
次いで、アンカー層(6A)上に、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリペットVH)と、紫外線吸収剤(BASFジャパン社製 Tinuvin477、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)とを固形分比(アクリル樹脂:紫外線吸収剤、質量比)=95:5で、メチルエチルケトン中に固形分で20質量%となる条件で溶解して紫外線吸収層形成用塗布液を調製し、この紫外線吸収層形成用塗布液を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥(90℃、1分間)を行い、乾燥膜厚が25μmのアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(8)を形成した。
次いで、アンカー層(6A)上に、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製 アクリペットVH)と、紫外線吸収剤(BASFジャパン社製 Tinuvin477、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)とを固形分比(アクリル樹脂:紫外線吸収剤、質量比)=95:5で、メチルエチルケトン中に固形分で20質量%となる条件で溶解して紫外線吸収層形成用塗布液を調製し、この紫外線吸収層形成用塗布液を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥(90℃、1分間)を行い、乾燥膜厚が25μmのアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(8)を形成した。
〈7:ハードコート層(9)の形成〉
次いで、紫外線吸収層(8)上に、東洋インキ社製のUV硬化型機能性ハードコート剤 LIODURAS TYZシリーズ(フィラー成分:ZrO2、溶媒:ケトン/アルコール/グリコール系)を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥を行い、乾燥膜厚が3.0μmのハードコート層(9)を形成した。
次いで、紫外線吸収層(8)上に、東洋インキ社製のUV硬化型機能性ハードコート剤 LIODURAS TYZシリーズ(フィラー成分:ZrO2、溶媒:ケトン/アルコール/グリコール系)を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥を行い、乾燥膜厚が3.0μmのハードコート層(9)を形成した。
〈8:粘着層(3)の形成〉
次いで、トップコート層(4)上に、厚さ25μmのアクリル系樹脂から構成される粘着層(3)を形成して、TypeAのフィルムミラーユニットを作製した。
次いで、トップコート層(4)上に、厚さ25μmのアクリル系樹脂から構成される粘着層(3)を形成して、TypeAのフィルムミラーユニットを作製した。
(フィルムミラーユニットの封止)
上記作製したTypeAのフィルムミラーユニットについて、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図4〜図6に記載の方法に従って、側部に封止部11を有するフィルムミラーユニット1を作製した。
上記作製したTypeAのフィルムミラーユニットについて、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図4〜図6に記載の方法に従って、側部に封止部11を有するフィルムミラーユニット1を作製した。
側面部形成装置として、富士インパルス社製の加熱温度コントロールオートシーラー OPLシリーズ(上下加熱方式)を用い、加熱部材10A及び10Bによる端部加熱幅L2を2mm、加熱部材10A及び10Bの左側端部に図6の(c)に示すように封止部成形部材12をセットした状態で、フィルムミラーユニットの挟持圧力を0.35MPa、加熱温度130℃の条件で、粘着層(3)及び紫外線吸収層(8)の軟化成分を軟化して押し出し、封止部成形部材12で封止部11の側部を規制しながら、厚さ3mmの封止部11を形成した。
次いで、加熱を停止した後、加熱部材10A及び10Bと、封止部成形部材12で封止部11を保持した状態で、30分を要して、徐冷を行った。
最後に、加熱部材10A及び10Bと、封止部成形部材12を外して、図5に示す構成からなる封止部を有するフィルムミラーユニット1を作製した。
〔フィルムミラーユニット2〜21の作製〕
上記フィルムミラーユニット1の作製において、加熱温度(℃)、加熱時間(秒)、及び徐冷時間(分)を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、フィルムミラーユニット2〜21を作製した。
上記フィルムミラーユニット1の作製において、加熱温度(℃)、加熱時間(秒)、及び徐冷時間(分)を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、フィルムミラーユニット2〜21を作製した。
〔フィルムミラーユニット22の作製〕
上記フィルムミラーユニット6の作製において、封止部形成時に、封止部成形部材12を用いない図6の(b)に示す方法で封止部11を形成した以外は同様にして、フィルムミラーユニット22を作製した。
上記フィルムミラーユニット6の作製において、封止部形成時に、封止部成形部材12を用いない図6の(b)に示す方法で封止部11を形成した以外は同様にして、フィルムミラーユニット22を作製した。
〔フィルムミラーユニット23の作製〕
(フィルムミラーユニットの作製)
下記の手順に従って、図2に示すTypeBの構成からなるフィルムミラーユニットを作製した。
(フィルムミラーユニットの作製)
下記の手順に従って、図2に示すTypeBの構成からなるフィルムミラーユニットを作製した。
〈1:光熱反射層形成用支持体(7)の準備〉
光熱反射層形成用支持体(7)として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
光熱反射層形成用支持体(7)として、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)を用いた。
〈2:アンカー層(6)の形成〉
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)の一方の面側に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6)を形成した。
上記準備した光熱反射層形成用支持体(7)の一方の面側に、ポリエステル樹脂(ポリエスター SP−181 日本合成化学製)、メラミン樹脂(スーパーベッカミンJ−820 DIC製)、TDI系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)、HDMI系イソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で20:1:1:2に、固形分濃度10%となるようにトルエン中に混合した樹脂を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(6)を形成した。
〈3:光熱反射層(5)の形成〉
次いで、アンカー層(6)まで形成した試料を真空蒸着装置内に設置した後、上記形成したアンカー層(6)上に、光熱反射層(5)として、金属銀を用い、真空蒸着法により厚さ100nmの銀反射層(5)を形成した。
次いで、アンカー層(6)まで形成した試料を真空蒸着装置内に設置した後、上記形成したアンカー層(6)上に、光熱反射層(5)として、金属銀を用い、真空蒸着法により厚さ100nmの銀反射層(5)を形成した。
〈4:トップコート層(4)の形成〉
光熱反射層(5)を形成した試料を真空蒸着装置から取り出し、光熱反射層(5)上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂に対して、銀の腐食防止剤として2−メルカプトベンゾチアゾールを樹脂に対して10質量%となるように添加し、メチルエチルケトンにより固形分を5質量%に調整した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ3.0μmのトップコート層(4)を形成した。
光熱反射層(5)を形成した試料を真空蒸着装置から取り出し、光熱反射層(5)上に、ポリエステル系樹脂とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネートを樹脂固形分比率で10:2に混合した樹脂に対して、銀の腐食防止剤として2−メルカプトベンゾチアゾールを樹脂に対して10質量%となるように添加し、メチルエチルケトンにより固形分を5質量%に調整した塗布液を、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ3.0μmのトップコート層(4)を形成した。
〈5:接着層(3A)及び紫外線吸収層(8A)の形成〉
次に、トップコート層(4)上に、ドライラミネーションプロセスにより、接着層(3A)と、紫外線吸収層(8A)として紫外線吸収剤を含有したアクリルフィルム、スミペックス テクノロイ S001GU(住友化学株式会社製、厚さ100μm))を、ラミネート温度60℃にて貼合して、接着層(3A)及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(8A)を形成した。
次に、トップコート層(4)上に、ドライラミネーションプロセスにより、接着層(3A)と、紫外線吸収層(8A)として紫外線吸収剤を含有したアクリルフィルム、スミペックス テクノロイ S001GU(住友化学株式会社製、厚さ100μm))を、ラミネート温度60℃にて貼合して、接着層(3A)及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層(8A)を形成した。
〈6: ハードコート層(9)の形成〉
次いで、紫外線吸収層(8A)上に、東洋インキ社製のUV硬化型機能性ハードコート剤 LIODURAS TYZシリーズ(フィラー成分:ZrO2、溶媒:ケトン/アルコール/グリコール系)を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥を行い、乾燥膜厚が3.0μmのハードコート層(9)を形成した。
次いで、紫外線吸収層(8A)上に、東洋インキ社製のUV硬化型機能性ハードコート剤 LIODURAS TYZシリーズ(フィラー成分:ZrO2、溶媒:ケトン/アルコール/グリコール系)を、押し出しコーターを用いて塗布・乾燥を行い、乾燥膜厚が3.0μmのハードコート層(9)を形成した。
〈7:粘着層(3)の形成〉
次いで、光熱反射層形成用支持体(7)の裏面側に、厚さ25μmのアクリル系樹脂から構成される粘着層(3)を形成して、TypeBのフィルムミラーユニットを作製した。
次いで、光熱反射層形成用支持体(7)の裏面側に、厚さ25μmのアクリル系樹脂から構成される粘着層(3)を形成して、TypeBのフィルムミラーユニットを作製した。
(フィルムミラーユニットの封止)
上記作製したTypeBのフィルムミラーユニットについて、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図4〜図6に記載の方法に従って、側部に封止部11を有するフィルムミラーユニット23を作製した。
上記作製したTypeBのフィルムミラーユニットについて、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図4〜図6に記載の方法に従って、側部に封止部11を有するフィルムミラーユニット23を作製した。
側面部形成装置として、富士インパルス社製の加熱温度コントロールオートシーラー OPLシリーズ(上下加熱方式)を用い、加熱部材10A及び10Bによる端部加熱幅L2を2mm、加熱部材10A及び10Bの左側端部に図6の(c)に示すように封止部成形部材12をセットした状態で、フィルムミラーユニットの挟持圧力を0.35MPa、加熱温度130℃の条件で、粘着層(3)及び紫外線吸収層(8A)の軟化物を押し出しし、封止部成形部材12で封止部11の側部を規制しながら、厚さ3mmの封止部11を形成した。
次いで、加熱を停止した後、加熱部材10A及び10Bと、封止部成形部材12で封止部11を保持した状態で、30分を要して、徐冷を行った。
最後に、加熱部材10A及び10Bと、封止部成形部材12を外して、図7に示す構成からなる封止部を有するフィルムミラーユニット1を作製した。
〔フィルムミラーユニット24〜30の作製〕
上記フィルムミラーユニット23の作製において、加熱温度(℃)、加熱時間(秒)、及び徐冷時間(分)を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、フィルムミラーユニット24〜30を作製した。
上記フィルムミラーユニット23の作製において、加熱温度(℃)、加熱時間(秒)、及び徐冷時間(分)を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、フィルムミラーユニット24〜30を作製した。
〔フィルムミラーユニット31の作製〕
上記フィルムミラーユニット25の作製において、封止部形成時に、封止部成形部材12を用いない図6の(b)に示す方法で封止部11を形成した以外は同様にして、フィルムミラーユニット31を作製した。
上記フィルムミラーユニット25の作製において、封止部形成時に、封止部成形部材12を用いない図6の(b)に示す方法で封止部11を形成した以外は同様にして、フィルムミラーユニット31を作製した。
〔フィルムミラーユニット32の作製〕
フィルムミラーユニット1にて作製した封止部形成前のTypeAのフィルムミラーユニットFMUを用い、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図3に示す構成で、下記の封止テープを用いて端部の封止を行い、フィルムミラーユニット32を作製した。
フィルムミラーユニット1にて作製した封止部形成前のTypeAのフィルムミラーユニットFMUを用い、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図3に示す構成で、下記の封止テープを用いて端部の封止を行い、フィルムミラーユニット32を作製した。
封止テープとしては、3M社製の耐候性テープ 10386−ND(テープ幅:24.5mm(1インチ))を、1/2に断裁し、幅12.3mmのテープを用い、0.35MPaの圧力で貼合して、図3に記載のようにフィルムミラーユニットFMUの各端部をコの字型に囲む構造で封止した。なお、図3に示す、端部でのテープ幅L1は6mmとした。
〔フィルムミラーユニット33の作製〕
フィルムミラーユニット1にて作製した封止部形成前のTypeAのフィルムミラーユニットFMUを用い、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図3に示す構成で、下記の封止テープを用いて端部の封止を行い、フィルムミラーユニット33を作製した。
フィルムミラーユニット1にて作製した封止部形成前のTypeAのフィルムミラーユニットFMUを用い、100mm×100mmのサイズに断裁した後、各4辺について、図3に示す構成で、下記の封止テープを用いて端部の封止を行い、フィルムミラーユニット33を作製した。
封止テープとしては、寺岡製作所社製のアルミニウム箔テープ No.833(テープ幅:12.3mm(1/2インチ))を用い、0.35MPaの圧力で貼合して、図3に記載のようにフィルムミラーユニットFMUの各端部をコの字型に囲む構造で封止した。なお、図3に示す、端部でのテープ幅L1は6mmとした。
以上により作製した各フィルムミラーユニットの代表的な構成を、表1に示す。
《フィルムミラーユニットの評価》
〔封止状態の観察〕
作製した各フィルムミラーユニットの封止箇所について、封止部の状態を目視観察し、下記の基準に従って、封止状態の評価を行った。
〔封止状態の観察〕
作製した各フィルムミラーユニットの封止箇所について、封止部の状態を目視観察し、下記の基準に従って、封止状態の評価を行った。
○:形成した封止部は、未接着部あるいは着色の発生が全くなく、良好な状態である
△:封止部端部にごく弱い剥離や着色が認められるが、実用上は許容される品質である
×:封止部が、フィルムミラーユニットに完全に結合しておらず、剥離が生じている
〔フィルムミラーの反射面積ロスの評価〕
作製した各封止後のフィルムミラーユニットの反射面積を測定し、下記の基準に従って、反射面積ロスの評価を行った。
△:封止部端部にごく弱い剥離や着色が認められるが、実用上は許容される品質である
×:封止部が、フィルムミラーユニットに完全に結合しておらず、剥離が生じている
〔フィルムミラーの反射面積ロスの評価〕
作製した各封止後のフィルムミラーユニットの反射面積を測定し、下記の基準に従って、反射面積ロスの評価を行った。
○:全フィルムミラーユニット面積(10000mm2)に対する反射ミラー面積のロス率が5%未満である
△:全フィルムミラーユニット面積(10000mm2)に対する反射ミラー面積のロス率が5%以上、15%未満である
×:全フィルムミラーユニット面積(10000mm2)に対する反射ミラー面積のロス率が15%以上である
〔バリアー性の評価〕
端部を封止した各フィルムミラーユニットを、25℃、3質量%の濃度の食塩水に5日間浸漬した後、光熱反射層(銀反射層)の腐食状態を目視観察し、下記の基準に従ってバリアー性の評価を行った。
△:全フィルムミラーユニット面積(10000mm2)に対する反射ミラー面積のロス率が5%以上、15%未満である
×:全フィルムミラーユニット面積(10000mm2)に対する反射ミラー面積のロス率が15%以上である
〔バリアー性の評価〕
端部を封止した各フィルムミラーユニットを、25℃、3質量%の濃度の食塩水に5日間浸漬した後、光熱反射層(銀反射層)の腐食状態を目視観察し、下記の基準に従ってバリアー性の評価を行った。
◎:腐食領域の発生は、全く認められない
○;発生している腐食面積の発生率が、全面積の1%以上、5%未満である
△;発生している腐食面積の発生率が、全面積の5%以上、15%未満であるが、実用上、許容される範囲内である
×;発生している腐食面積の発生率が、全面積の15%以上であり、実用上問題となる品質である
〔耐久性の評価:磨耗試験による剥離耐性〕
(磨耗試験後の剥離耐性の評価)
各フィルムミラーユニットの端部を、往復摩耗試験機(新東科学(株)製、HEIDON−14DR)を用い、摩耗材としてスチールウール(#0000)を取り付け、荷重500g/cm2の条件で速度10mm/secで10回往復させた。次いで、各端部における封止部材の密着状態を目視観察し、下記の基準に従って剥離耐性の評価を行った。
○;発生している腐食面積の発生率が、全面積の1%以上、5%未満である
△;発生している腐食面積の発生率が、全面積の5%以上、15%未満であるが、実用上、許容される範囲内である
×;発生している腐食面積の発生率が、全面積の15%以上であり、実用上問題となる品質である
〔耐久性の評価:磨耗試験による剥離耐性〕
(磨耗試験後の剥離耐性の評価)
各フィルムミラーユニットの端部を、往復摩耗試験機(新東科学(株)製、HEIDON−14DR)を用い、摩耗材としてスチールウール(#0000)を取り付け、荷重500g/cm2の条件で速度10mm/secで10回往復させた。次いで、各端部における封止部材の密着状態を目視観察し、下記の基準に従って剥離耐性の評価を行った。
◎:磨耗試験後で、封止部の変化は全く認められない
○:磨耗試験後で、封止部の変化はほぼ認められない
△:磨耗試験後で、一部の封止部で剥離が認められるが、実用上許容される品質である
×:磨耗試験後で、封止部で剥離や封止テープの剥がれが認められる
(耐久性の評価:磨耗試験後の塩水への浸漬試験)
上記の方法で磨耗試験を行った各フィルムミラーユニットを、上記バリアー性の評価と同様にし、同じ評価基準にて評価を行った。
○:磨耗試験後で、封止部の変化はほぼ認められない
△:磨耗試験後で、一部の封止部で剥離が認められるが、実用上許容される品質である
×:磨耗試験後で、封止部で剥離や封止テープの剥がれが認められる
(耐久性の評価:磨耗試験後の塩水への浸漬試験)
上記の方法で磨耗試験を行った各フィルムミラーユニットを、上記バリアー性の評価と同様にし、同じ評価基準にて評価を行った。
以上により得られた結果を、表2に示す。
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する製造方法により作製した封止部を側面部に有する本発明のフィルムミラーは、比較例に対し、封止部の形成状態に優れ、フィルムミラーとしての反射面積ロスが少なく、バリアー性、摩擦処理後の剥離耐性、耐久性に優れていることが分かる。
2A、2B 光熱反射ユニット
3 粘着層
3A 接着層
4 トップコート層
5 光熱反射層
6、6A アンカー層
7 光熱反射層形成支持体
8、8A 紫外線吸収層
9 ハードコート層
10、10A、10B 加熱部材
11 封止部
12 封止部成形部材
14 封止テープ
FMU フィルムミラーユニット
L1 テープ被覆幅
L2 端部加熱領域
L3 封止部の厚さ
P 剥離部
3 粘着層
3A 接着層
4 トップコート層
5 光熱反射層
6、6A アンカー層
7 光熱反射層形成支持体
8、8A 紫外線吸収層
9 ハードコート層
10、10A、10B 加熱部材
11 封止部
12 封止部成形部材
14 封止テープ
FMU フィルムミラーユニット
L1 テープ被覆幅
L2 端部加熱領域
L3 封止部の厚さ
P 剥離部
Claims (6)
- 少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成されるフィルムミラーの製造方法であって、
該紫外線吸収層は、アクリル系樹脂を含有し、
フィルムミラーの端部に加熱部材を圧着し、80〜120℃の温度範囲内で加熱して前記粘着層及びアクリル系樹脂を含有する紫外線吸収層を軟化させ、端部に流出した軟化成分により封止部を形成することを特徴とするフィルムミラーの製造方法。 - 少なくとも粘着層、光熱反射層、光熱反射層形成用支持体、紫外線吸収層及びハードコート層から構成される広幅原反を作製し、所定のサイズに断裁した後、断裁面に封止部を形成することを特徴とする請求項1に記載のフィルムミラーの製造方法。
- 端部に加熱部材を圧着した後、加圧した状態で徐冷して、前記封止部を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィルムミラーの製造方法。
- 端部に流出した前記粘着層及び紫外線吸収層の軟化部に対し、封止部成形部材を押し当てて、前記封止部を形成することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
- 前記粘着層が、アクリル系樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
- 前記封止部形成時の前記加熱部材による圧力条件が、0.1〜1.0MPaの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のフィルムミラーの製造方法。
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