JP2006261288A - 太陽電池用表面保護フィルムおよびそれを用いた太陽電池積層体 - Google Patents

太陽電池用表面保護フィルムおよびそれを用いた太陽電池積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外線および水蒸気の遮蔽性に優れた耐環境特性を有すると共に、熱線遮蔽性も良好で発電効率に優れ、さらにEVA樹脂との密着性にも優れた太陽電池用表面保護フィルムおよびそれを用いた太陽電池積層体を提供すること。
【解決手段】 基材フィルムがポリエステルフィルムであり、少なくとも紫外線遮蔽層、水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層を有し、かつ、少なくとも片方の最表層がオキサゾリン基含有ポリマーを架橋剤とした易接着層である積層フィルムとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は軽量で取扱い性に優れた太陽電池用表面保護フィルムに関するものである。さらに詳しくは、紫外線遮蔽性、熱線遮蔽性および水蒸気遮蔽性に優れ、屋外使用時の耐久性および発電効率に優れたシリコン太陽電池の保護フィルムとして好適な太陽電池用表面保護フィルムおよびそれを用いた太陽電池積層体に関するものである。
近年、太陽光発電システムは、クリーンエネルギーを利用する発電手段の一つとして、普及が進んでいる。太陽電池モジュールの構造は、例えば特許文献1に開示されているように、一般的には、受光側のガラス基板と、裏面側の保護膜との間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充填した構造となっている。ここで、封止樹脂としては、透明性が高く、耐湿性にも優れているという理由で、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)が用いられる。
裏面側の保護膜としては、例えば特許文献2などに、ポリエチレン系樹脂やポリエステル系樹脂のシート、フッ素樹脂フィルムなどが用いられることが開示されている。しかし、このような保護膜は、EVA樹脂との接着性が必ずしも十分でなく、長期耐久性に不安が残るものである。
例えばポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ディスプレイ部材用フィルムなどとして広く用いられており、太陽電池裏面保護膜としても優れた性能を有している。しかしながら、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸して高度に配向結晶化させたポリエステルフィルムは、その表面が不活性であるためにEVA樹脂との接着性は極めて悪い。
このようなポリエステルフィルムとEVA樹脂との接着性を改善するため、特許文献3には、スチレン・オレフィン共重合体樹脂からなる熱接着層を積層することが提案されている。
さらに、外部から侵入してくる酸素、水蒸気等による変質を防止するため、高度なガスバリア性が要求される。そのため、ガスバリア性を付与させる目的でポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などのガスバリア性樹脂をコーティングしたフィルムやこれらの樹脂からなるフィルムを積層した積層フィルムが使用されている。
しかしながら、これらのシリコン太陽電池用保護フィルムは、太陽光中の紫外線により劣化しやすいために長期間の屋外使用は難しく、また、シリコン太陽電池の性能を左右する水蒸気バリヤー性に関しても十分なものではなかった。さらには、シリコン太陽電池は蓄熱すると発電効率が低下するという問題もあった。
実開平6−38264号公報 特開平11−261085号公報 特開2003−60218号公報
本発明は、上記背景技術を鑑みなされたもので、その目的とするところは、紫外線および水蒸気の遮蔽性に優れた耐環境特性を有すると共に、熱線遮蔽性も良好で発電効率に優れ、さらにEVA樹脂との密着性にも優れた太陽電池用表面保護フィルムおよびそれを用いた太陽電池積層体を提供することにある。
本発明者の研究によれば、上記課題は「ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、少なくとも紫外線遮蔽層、水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層を有する積層フィルムからなり、かつ、該積層フィルムの少なくとも片方の最表層がオキサゾリン基含有ポリマーを架橋剤として含有する易接着層で構成されていることを特徴とする太陽電池用表面保護フィルム。」により達成できること、また別の課題は、「シリコン太陽電池を、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を介して、上記の表面保護フィルムで挟み込んでなる太陽電池積層体。」により達成できることが見出された。
本発明の表面保護フィルムは、優れた水蒸気遮蔽性能および紫外線遮蔽性を有すると共に、熱線遮蔽性およびEVA樹脂との密着性にも優れており、しかも機械的特性、耐熱性および耐湿性も良好なポリエステルを基材フィルムとしているため、太陽電池の耐久性および発電効率を維持するための表面保護フィルムとして極めて有用である。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
先ず、本発明で用いられるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール成分とから構成される芳香族ポリエステルが好ましく、上記成分等の共重合ポリエステルであってもよい。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましく、特にポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、それ自体で水蒸気遮蔽性に優れているので好ましい。
かかるポリエステルには、製膜時のフィルムの巻取り性や、太陽電池用表面保護フィルム加工工程におけるフィルムの搬送性等を良くするため、透明性および表面形状を損なわない範囲で必要に応じて滑剤としての有機または無機の微粒子を含有させることができる。かかる微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂等も、機械強度等のフィルム特性を損なわない範囲で任意に含有させることができる。
特に紫外線吸収剤として、下記式
Figure 2006261288
[式中、Rは1価の炭化水素残基を示す。]
で表わされる環状イミノエステル基を含有する環状イミノエステル系紫外線吸収剤を用いると、ポリエステル中に添加しても昇華物が殆ど生じないので、製膜でダイ周辺を汚すことが少なく、また、紫外線から380nm付近の光線を吸収するので、後述する紫外線遮蔽層としてそのまま使用することができ、さらにはポリエステルフィルム自体の劣化を防止する特性にも優れているので好ましい。
かかる環状イミノエステル系紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステルに対して0.1〜5.0重量%の範囲、特に0.2〜3.0重量%の範囲が好ましく、0.1重量%未満の場合には紫外線による太陽電池劣化の防止効果が小さくなり、一方5.0重量%を超える場合にはポリエステルの製膜特性が低下する。
紫外線吸収剤のポリエステルへの添加方法は特に限定されないが、ポリエステル重合工程、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸、などを挙げることができ、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができる。
[水蒸気遮蔽層]
太陽電池用の表面保護フィルムは、該フィルム中を水分が透過することによって、太陽電池構造体の接着耐久性が低下することがあるので、水蒸気遮蔽性を有することが重要である。また、現在実用化されているシリコン太陽電池には、単結晶シリコン、多結晶シリコンそしてアモルファスシリコン太陽電池があるが、特にアモルファスシリコンの場合にはその不安定な構造のため、水分により電池としての性能が劣化する場合がある。そのため、本発明の太陽電池用表面保護フィルムは、少なくとも水蒸気遮蔽層を有している必要がある。その水蒸気遮蔽性能は、0.3g/(m・day)未満、特に0.2g/(m・day)未満であることが好ましい。なお、ここでいう水蒸気遮蔽性能は、JIS K7129に準じて測定した水蒸気の透過率である。
かかる水蒸気遮蔽層は、有機樹脂で構成されていても、無機物で構成されていてもよいが、金属の酸化物や窒化物、窒化炭素などの無機物からなる薄層が好ましく、特に金属酸化物または窒化物からなる薄膜が好ましい。かかる化合物の金属元素としては、インジウム、マグネシウム、亜鉛、スズ、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムが好ましい。この際、透明性、柔軟性、生産性を維持するためにその膜厚を薄くすることが好ましく、500nm未満、特に150nm以下とするのが好ましい。一方膜厚があまりに薄くなりすぎると水蒸気遮蔽性が低下するので50nm以上、特に75nm以上とするのが好ましい。
かかる無機物の薄膜形成方法は特に限定されず、従来公知の方法で膜形成することができる。なかでも、蒸着法やスパッタリング法等の気相方法により、緻密な膜構造を持つ遮蔽層を形成することが好ましい。
なお、水蒸気遮蔽層を形成して水蒸気遮蔽性能を低下させるためには、該層を形成する表面は非常に平滑であることが好ましく、具体的にはその表面粗さRaが5nm以下、最大突起高さRtが50nm以下であることが好ましい。さらには、その表面粗さRaが2nm以下、最大突起高さRtが30nm以下であることが好ましい。特に水蒸気遮蔽層が金属酸化物より形成されている場合には、水蒸気遮蔽性能を低下させる効果が大きいので好ましい。
このような平滑な表面を形成する方法は任意であるが、例えば基材であるポリエステルフィルム中の滑剤粒子を無添加ないしは極めて少量とするか、または樹脂層を設けることにより表面の凹凸を改善する方法がある。ここで樹脂層としては、シロキサン結合を含有する樹脂が好ましく、特に該シロキサン結合を有する樹脂の表面硬度は、鉛筆硬度でいって3H以上であることが好ましい。好ましく用いられる樹脂成分としては、例えばシランカップリング剤、反応性シロキサンオリゴマー、アルコキシシラン、シラザン、クロロシランなどが例示される。さらには、このような樹脂は他の樹脂と混合して用いてもよく、また塗布適性改善のために界面活性剤などの添加物を併用してもよい。
このような平滑面を形成するに当たっては、塗膜の厚さを被塗布表面の最大突起高さの5倍以上とすることが好ましい。具体的には0.5〜20μm、特に1〜10μmの範囲とするのが好ましい。また、より平滑な面を形成するためには、数回に分けて塗布を行い、表面粗さRaが5nm以下、最大突起高さRtが50nm以下である表面を形成するのが好ましい。
かかる平滑面を形成する樹脂層の塗布方法は特に限定されず、従来公知の任意の塗布法を採用することができる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。塗布量はフイルム1m当り、0.5〜20g、さらには1〜10gの範囲が好ましい。
[紫外線吸収層]
本発明の表面保護フィルムは、上記の水蒸気遮蔽層に加えて、紫外線遮蔽層を有している必要がある。該紫外線遮蔽層としては、前述のようにポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤を含有させることによって形成したものであっても、該フィルム表面上に紫外線吸収性を有する樹脂層を別途設けたものであってもよい。勿論、紫外線吸収剤を含有させたポリエステルフィルム表面にさらに紫外線吸収性を有する樹脂層を積層したものであってもよい。
ここで紫外線吸収性を有する樹脂層を形成するには、適当な樹脂中に紫外線吸収剤を配合してもよく、また側鎖に紫外線吸収性を有する基を有する樹脂を用いてもよい。なかでも、側鎖にベンゾフェノン骨格やベンゾトリアゾール骨格を有する、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを用いるのが好ましく、特にアクリル樹脂が好ましい。その分子量としては、5000以上、特に10000以上のものが好ましい。なお、紫外線吸収性を有する樹脂層の膜厚は、最終的に得られる積層フィルムの波長380nmにおける透過率が40%未満、好ましくは20%未満となるようにするのが望ましく、通常は3〜15μmの範囲が適当である。これより薄すぎると充分に紫外線を吸収することが難しくなり、逆に厚すぎる樹脂層形成時の生産性低下となりやすい。
[熱線遮蔽層]
本発明の表面保護フィルムは、さらに熱線遮蔽層を有している必要がある。かかる熱線遮蔽層としては、熱線を反射させる金属層が好ましく、例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属層を例示することができる。なかでも可視光線の吸収が少ない銀層が特に好ましい。なお、必要に応じてこれらの金属を2種以上併用してもよく、また少量の他種金属を併用しても構わない。かかる金属層の形成方法としては気相成長法が好ましく、なかでも真空蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法が特に好ましい。かかる金属層の厚みは、本発明の表面保護フィルムの380〜780nmにおける可視光透過率が50%以上および780〜2100nmの近赤外線反射率が50%以上となる範囲を満足するように設定することが好ましい。さらに好ましくは、可視光透過率が60%以上および近赤外線反射率が55%以上を満足することが好ましい。可視光透過率が50%未満であると表面保護フィルムの透明性が低下して太陽電池の発電効率が低下する。また、近赤外線反射率が50%未満であると表面保護フィルムの熱線遮蔽性能が低下し、太陽電池が蓄熱してやはり発電効率が低下する。なお780nm以上の赤外線領域では反射率が70%以上であることがさらに好ましい。
金属層の厚みは5〜1000nmの範囲が好ましい。この厚みが5nm未満である場合には、近赤外線反射率が低くなり、十分な熱線遮蔽性能を得ることが難しくなる。一方1000nmを超える場合には、可視光透過率が低下して透明性が不充分なものとなりやすい。
本発明の熱線遮蔽層は、可視光線の反射を抑制して透明性を高めるため、透明で高屈折率である誘電体層を有していることが好ましい。このような誘電体としては、TiO、Ta、ZrO、SnO、SiO、SiO、In、ZnO等が挙げられる。なかでもアルキルチタネートまたはアルキルジルコニウムの加水分解により得られる有機化合物由来のTiOまたはZrOが加工性に優れるため好ましい。加えて、誘電体層として酸化インジウムや酸化錫は単一層または多層にて適用できる。かかる誘電体層の形成方法としては気相成長法が好ましく、なかでも真空蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法が特に好ましい。また、誘電体層は、前述の金属層をサンドウィチ状に挟む積層構成をとることにより、透明性の改良効果が増すのでより好ましい。かかる誘電体層の厚みは、熱線遮蔽層の光学特性を満足するように前述の金属層と併せて設定することが必要である。通常誘電体層の厚みは0nm〜750nmの範囲が好ましい。
また金属層の腐食を防ぐために、熱線反射層上に防錆効果のある透明樹脂を積層することが好ましい。さらにエッジ部分にも防錆処理を行なうことが好ましい。
本発明の表面保護フィルムにおいては、上記の紫外線遮蔽層、水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層の積層順序は特に限定する必要はなく、フィルムの片面にのみ任意の順序で積層したものであっても、両面に積層したものであっても、また、両面にそれぞれの層を積層したものであってもよい。また、必要に応じてそれぞれの層間の接着性を向上させる目的で接着層を設けてもよい。
特に、前記環状イミノエステル系紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの表面に、後述すると同じ易接着層を設け、この上に熱線遮蔽層を設け、さらに表面を平坦化するための前記樹脂層を設けた後に水蒸気遮蔽層を積層した構成を有するものが好ましい。
[易接着層]
本発明の表面保護フィルムは、上記構成に加えて、その少なくとも一方の最表層が、オキサゾリン基含有ポリマーを架橋剤とする易接着層で構成されていることが必要である。
ここでオキサゾリン基含有ポリマーとしては、特公昭63−48884号公報、特開平2−60941号公報、特開平2−99537号公報等に記載されている重合体を例示することができる。具体的には、下記式で表わされる付加重合性オキサゾリンおよび必要に応じて他のモノマーを共重合させて得られる重合体が挙げられる。
Figure 2006261288
式中のR、R、RおよびRは、それぞれ、水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル基、フェニル基および置換フェニル基から選ばれる置換基を示し、Rは付加重合性不飽和結合基を有する非環状有機基を示す。
かかる架橋剤は、1種のみでもあっても2種以上を併用してもよい。なお、該架橋剤の含有量は、該易接着層を形成するための塗液中の固形分重量を基準として10〜100重量%の範囲であればよい。架橋剤の含有量が10重量%未満になると、易接着層の凝集力が低下して特に高湿下での接着耐久性が低下しやすい。
本発明の易接着層を形成するための塗液には、上記の架橋剤の他に、ガラス転移点が20〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂またはアクリル樹脂、特にポリエステル樹脂からなる樹脂成分を含むことが好ましい。特に該樹脂のガラス転移点は30〜90℃の範囲にあることが好ましい。該ガラス転移点が20℃未満の場合には、フィルム同士のブロッキングが発生する場合があり、一方100℃を超える場合には、易接着層が脆くなって密着性が保てなくなる場合がある。
かかるガラス転移点が20〜100℃の範囲にあるポリエステル樹脂としては、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体とから形成される。すなわち、多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これらの酸成分を好ましくは2種以上用いて共重合ポリエステル樹脂を合成する。また、若干量であれば不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等や、p−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を併用することもできる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等が挙げられる。
一方、ガラス転移点が20〜100℃の範囲にあるアクリル樹脂としては、以下に例示するようなアクリルモノマーを重合してなるアクリル樹脂が挙げられる。このアクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基、スルホキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。
これらのなかで、水酸基を含むモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが2〜20モル%、好ましくは4〜15モル%含まれていることが好ましい。
なお、本発明の易接着層には、得られる表面保護フィルムの取扱い性を向上させたり、フィルム同士のブロッキングを防止する目的で、不活性な微粒子を添加することができる。かかる微粒子は、透明性に影響しない範囲において有機または無機の不活性微粒子が好ましく、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等を例示することができる。
さらに、より優れた易滑性を得る目的でワックスを添加することもできる。好ましく用いられるワックスとしては、具体例的にはカルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス等を例示することができる。なかでも、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。なお、塗液の取り扱いやすさおよび環境問題の観点から塗液は水性が好ましいので、水分散体を用いるのが好ましい。
本発明の易接着層には、上記の成分以外に、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を使用しても構わない。
本発明の表面保護フィルムにおいては、その少なくとも片面の最表層が上記の易接着層で形成されていればよく、例えば水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層を紫外線吸収性を有するポリエステルフィルムの片面に形成し、他方の面に易接着層を形成してもよく、また、これらの層を形成した上面に該易接着層を形成してもよい。勿論、両面の最表層を該易接着層で形成しても構わない。
なかでも、紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムの両面に易接着層を設け、次いでその片面に熱線遮蔽層および水蒸気遮蔽性を有する層を設けたものが特に好ましい。
ポリエステルフィルムの両面に前記易接着層を形成する際には、該フィルムは未延伸フィルムであっても、一軸延伸または二軸延伸されたものであってもよい。なかでも、未延伸フィルムに塗液を塗布した後に同時二軸延伸するか、または一軸タテ延伸フィルムに塗液を塗布した後にヨコ延伸して、熱処理する方法は、易接着層とフィルムとの接着性が向上するので好ましい。なお、塗液としては、取扱い性および作業環境の点から水性塗液(水分散液または乳化液)が好ましく、その固形分濃度は、2〜30重量%、特に5〜10重量%の範囲が適当である。
さらに、水性塗液の塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは塗液中に前記成分とは化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
好ましく用いられる界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する成分を基準として1〜10重量%含まれていることが好ましい。この範囲であれば塗液の表面張力を40mN/m以下とすることができ、均一に塗布することが可能となる。
ポリエステルフィルムに該水性液を塗布する場合は、通常の塗工工程、すなわち、二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムに、該フィルムの製造工程と切り離した工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易いので、よりクリーンな雰囲気での塗布、すなわちフィルム製造工程での塗布が好ましい。
塗布方法としては、公知の任意の塗布法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。塗布量は、0.5〜20g/m、特に1〜10g/mの範囲が適当である。なお、該易接着層は、前述のとおり必要に応じてフィルムの片面のみに形成してもよい。
塗液を塗布したポリエステルフィルムは、乾燥後、必要に応じて延伸熱処理工程に導かれるが、かかる処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことができる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜150℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は180〜250℃×2〜60秒である。
かかる処理後の二軸配向ポリエステルフィルムの厚さは50〜250μmであること、また易接着層の厚さは0.01〜1μmであることが好ましい。
〔表面保護フィルムの製造〕
本発明の表面保護フィルムは、例えば上記のように易接着層が設けられたポリエステルフィルムの少なくとも片面(好ましくは片面(易接着層が片面にしか設けられていない場合にはその反対面))に、必要に応じて前記紫外線吸収性を有する層を形成した後、熱線遮蔽層を設け、次いで、好ましくは表面を平坦化するための樹脂層を設けてから水蒸気遮蔽層を従来公知の方法で形成すればよい。なお、得られる積層フィルムの最表層が前記易接着層とは異なるものになる場合には、少なくとも一方の面に再度易接着層を形成すればよい。
このような構成を有する本発明の表面保護フィルムは、その全光線透過率(波長380〜780nmの範囲の透過率)は50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上であることが望ましい。該透過率が50%未満である場合には、太陽光エネルギーがシリコーン太陽電池表面まで十分到達せず、電気エネルギーへの変換効率が低下することとなる。
〔太陽電池積層体〕
以上に説明した本発明の表面保護フィルムで、シリコン太陽電池をEVA樹脂を介して挟み込んだ構造の太陽電池積層体は、従来のものと比較して優れた耐久性を有している。
なお、このような太陽電池積層体を製造には、フィルムおよびEVA樹脂をヒートシールにより加熱圧着させる必要がある。酢酸ビニルの共重合比率によってEVA樹脂の融点は異なるが、概ね加熱温度は90〜160℃の範囲、圧力は0.02〜0.2MPaの範囲、さらに加熱圧着時間は0.5〜300秒の範囲で、必要に応じて最適な条件を適宜選択すればよい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における各評価は下記の方法にしたがった。
(1)水蒸気透過率
JIS K7129に準じて測定した。
(2)紫外線遮蔽特性
紫外線領域の波長において、島津製作所 UV−3101PC型を使用して透過率を測定し、波長380nmにおける紫外線透過率を遮蔽特性とした。
380nmが 20.0%未満 :○
20.0%以上40.0未満:△
40.0%以上 :×
(3)EVAとの接着性
表面保護フィルムを20mm幅×100mm長にカットしたものを2枚、EVAシート(ハイシート工業(株)製 SOLAR EVA SC4)を20mm幅×50mm長にカットしたものを1枚、それぞれ準備する。EVAシートがフィルムのほぼ中央に位置するよう、またフィルムの易接着性を評価したい面がEVA側になるよう、フィルム/EVAシート/フィルムの順に重ねて、ヒートシーラー(テスター産業(株)製 TP−701−B)にてプレスを行う。圧着条件は、120℃、0.02MPaにて5分圧着後、150℃に昇温し、プレス圧を0.1MPaに上げて25分圧着する。熱圧着した試料を、23℃、50%RH雰囲気下において、JIS Z0237に準じて、上下のクリップに未接着部のフィルムを挟み、剥離角180°、引張速度100mm/分で接着力を測定した。
◎:20N/20mm以上・・・接着性非常に良好
○:10N/20mm以上、20N/20mm未満・・・接着性良好
△:5N/20mm以上、10N/20mm未満・・・接着性やや良好
×:5N/20mm未満・・・接着性不良
(4)表面粗さ(Ra、Rt)
Ra(中心線平均粗さ)およびRt(最大突起の高さ)は、JIS B0601で定義される値であり、WYKO CORPORATION NT−2000の非接触式表面粗さ計を用い、下記条件で測定した。
(a)測定エリア:0.0462μm
(b)測定倍率 :25倍
(5)近赤外線反射率
島津製作所 UV−3101PC型を用い、近赤外線領域(780〜2100nm)で測定し、積分近赤外線反射率をJIS A5759に基づき上記の波長範囲について計算した。
○:反射率50%以上
△:反射率30%以上50%未満
×:反射率30%未満
[実施例1]
下記式(化3)に示す紫外線吸収剤を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
Figure 2006261288
次いで縦方向に100℃で3.3倍に延伸した後、その両面に下記易接着層用塗液(濃度8%水性塗液)をロールコーターで均一に塗布した。
易接着層用塗液
架橋剤として、メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されているオキサゾリン基を有する重合体(Tg=50℃)、他の樹脂成分として、酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%で構成された共重合ポリエステル(Tg=43℃)、フィラーとして、平均粒径60nmのシリカ粒子、濡れ剤としてポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテルを使用し、これらの配合比を、架橋剤/他の樹脂/フィラー/濡れ剤=15重量%/75重量%/4重量%/6重量%とした。
塗布されたフィルムを95℃で乾燥し、次いで横方向に110℃で3.6倍に延伸した後、220℃で幅方向に3%収縮させて熱固定することにより、厚さ100μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.05μmであった。
得られたフィルムの片面に、厚さ10nmの酸化インジウム層(誘電体層:第1層)を設け、次にこの層の表面に厚さ12nmの銀薄膜層(金属層:第2層)を設け、さらにその表面に厚さ20nmの酸化インジウム層(誘電体層:第3層)を設けて熱線遮蔽層を形成した。なお、第1層〜第3層の形成は、何れも真空下(5×10−5Torr)でのスパッタリング法で実施した。
得られたフィルムの熱線遮蔽層の表面に、アルコキシシラン加水分解物(GE東芝シリコーン社製 SIオリゴマー)を、乾燥塗膜厚みが10μmとなるように公知のロールコーター法にて塗布した。得られた樹脂層の鉛筆表面硬度は3Hであった。次いで、該樹脂層の上に、水蒸気遮蔽層として厚さ100nmの酸化珪素膜を通常のスパッタリング法により形成して表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。次いで縦方向に100℃で3.3倍に延伸した後、その両面に実施例1で用いたと同じ易接着層用塗液をロールコーターで均一に塗布した。
塗布されたフィルムを95℃で乾燥し、次いで横方向に110℃で3.6倍に延伸した後、220℃で幅方向に3%収縮させて熱固定することにより、厚さ100μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.05μmであった。
得られたフィルムの片面に、実施例1と同様にして、熱線遮蔽層を設け、次いで、アルコキシシラン加水分解物(GE東芝シリコーン社製 SIオリゴマー)に5%の紫外線吸収剤(ベンゾフェノン)を添加した塗液を、乾燥塗膜厚みが10μmとなるように公知のロールコーター法にて塗布した。得られた樹脂層の鉛筆表面硬度は3Hであった。次いで、該樹脂層の上に、水蒸気遮蔽性を有する層として厚さ100nmの酸化珪素膜を通常のスパッタリング法により形成して表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート中に平均粒径が2μmのシリカ粒子を0.002重量%添加して製膜する以外は実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、アルコキシシラン加水分割物からなる塗膜を形成しない以外は実施例1と同様にした。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、熱線遮蔽層を設けない以外は実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2006261288
表1から明らかなように、本発明の表面保護フィルムはEVAとの接着性に優れ、紫外線遮蔽性、水蒸気遮蔽性および熱線遮蔽性にも優れているため、太陽電池の耐久性を向上させるための表面保護フィルムとして有用であることがわかる。
[実施例5]
実施例1の表面保護フィルムを使用し、EVAシート(ハイシート工業(株)製 SOLAR EVA SC4)を介してシリコン太陽電池素子(一般に市販されているシリコン太陽電池モジュールより素子利用)を図1に示すように挟み込んで太陽電池相当の積層体を形成した。得られた積層体は、従来のガラス表面保護材を使用したものと比較して軽量性および柔軟性に優れ、取扱い性が良好であり、また耐久性も良好なものであった。
以上に説明した本発明の表面保護フィルムは、紫外線遮蔽性、水蒸気遮蔽性および熱線遮蔽性に優れていると共にEVA樹脂との接着性も良好なため、耐久性に優れた太陽電池積層体を得るための表面保護フィルムとして極めて有用である。
本発明の太陽電池積層体の好ましい態様の一例を示す断面図である。

Claims (8)

  1. ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、少なくとも紫外線遮蔽層、水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層を有する積層フィルムからなり、かつ、該積層フィルムの少なくとも片方の最表層がオキサゾリン基含有ポリマーを架橋剤として含有する易接着層で構成されていることを特徴とする太陽電池用表面保護フィルム。
  2. 紫外線遮蔽層が、環状イミノエステル系紫外線吸収剤を含有するポリエステルフィルムからなるか、または、ベンゾフェノン骨格またはベンゾトリアゾール骨格を側鎖に有するアクリル樹脂を含有する樹脂層からなる請求項1記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  3. 紫外線吸収性を有するポリエステルフィルムの両面に、オキサゾリン基含有ポリマーを架橋剤とする易接着層が積層され、次いでその片面に水蒸気遮蔽層および熱線遮蔽層が積層されてなる請求項2記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  4. 水蒸気遮蔽層が積層される表面の表面粗さRaが5nm以下、最大突起高さRtが50nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  5. 水蒸気遮蔽層が積層される表面層がシロキサン結合を有する樹脂層であり、その鉛筆表面硬度が3H以上である請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  6. 水蒸気遮蔽層が金属酸化物より形成され、その水蒸気遮蔽性能が0.3g/m・day未満である請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  7. 熱線遮蔽層が、金、銀および銅の群から選択された少なくとも1種の金属またはその合金からなる金属層と、透明高屈折率誘電体であるTiO、Ta、ZrO、SnO、SiO、SiO、InおよびZnOの群から選択される少なくとも1種を主成分とする薄膜誘電体層を積層してなる、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池用表面保護フィルム。
  8. シリコン太陽電池を、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を介して、請求項1〜7のいずれかに記載の表面保護フィルムで挟み込んでなる太陽電池積層体。
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