JP2017068118A - 赤外線反射フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明フィルム基材の上に、第1金属酸化物層、赤外線反射層、第2金属酸化物層、及び透明保護層が、この順に積層され、第2金属酸化物層の厚さが30nm以下であり、第1金属酸化物層の厚さが第2金属酸化物層の厚さよりも薄く、第1金属酸化物層の厚さと第2金属酸化物層の厚さとの差が2nm以上である、赤外線反射フィルム。
【選択図】図1
Description
また、赤外線反射フィルムの放射率を低減させ、赤外線反射層によって遠赤外線を室内に反射させて、断熱性を持たせる試みもなされている。
赤外線反射層としては、赤外線の選択反射性を高める観点から、銀等が広く用いられており、金属酸化物層としては酸化インジウム錫(ITO)等が広く用いられている。これらの赤外線反射層や金属酸化物層は、耐擦傷性等の物理的強度が十分ではなく、さらには、熱、紫外線、酸素、水分、塩素(塩化物イオン)等の外部環境要因による劣化を生じ易い。そのため、一般には、赤外線反射層や金属酸化物層を保護する目的で、基材と反対側に保護層が設けられる。
本発明の上記態様においては、第1金属酸化物層の厚さが20nm未満であるのが好ましおい。
また、第1金属酸化物層が単層体とすることができる。
また、透明保護層側から測定した可視光反射率が11%以下であるのが望ましい。
また、透明保護層の厚さが20nm〜100nmの範囲内であるのが好ましい。
さらに、第2金属酸化物層と透明保護層との光路長の合計が100nm〜150nmの範囲内であるのが好ましい。
なお、透明フィルム基材の、第1金属酸化物層を積層した側と反対側の面に、粘着剤層を設けてもよい。
図1に示すように、赤外線反射フィルム1は、透明フィルム基材10の一方の主面上に、第1金属酸化物層11、赤外線反射層12、第2金属酸化物層13、及び透明保護層14が、この順に積層されたものである。赤外線反射フィルム1は、透明フィルム基材10と第1金属酸化物層11との間に、アンダーコートを有していてもよく、また、透明フィルム基材10の、第1金属酸化物層11を積層した側と反対側の主面に、粘着剤層16を有していてもよい。
透明フィルム基材10としては、可視光透過率が高く比較的薄い材料であれば、ガラスや樹脂などの任意の材料を使用することができ、例えば、可撓性の透明樹脂フィルム等を使用することができる。透明フィルム基材としては、可視光線透過率が80%以上のものが好適に用いられる。
透明フィルム基材10として特に樹脂材料を使用する場合、透明フィルム基材10の上に第1金属酸化物層11、赤外線反射層12、あるいは第2金属酸化物層13を形成される際に、高温での加工が行われる場合があるため、耐熱性に優れた樹脂材料を使用するのが好ましい。透明フィルム基材に使用する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
赤外線反射フィルムの機械的強度を高める等の目的で、透明フィルム基材10の第1金属酸化物層11を形成する方の主面の表面に、アンダーコート15として、ハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えばアクリル系、シリコーン系等の紫外線硬化型樹脂などからなる硬化被膜を、透明フィルム基材10に塗布することなどにより形成することができる。ハードコート層としては、硬度の高いものが好ましい。
赤外線反射層12は、可視光線を透過させる一方、近赤外線及び遠赤外線を反射するものであって、通常は金属層である。本発明においては、可視光線透過率と赤外線反射率を高める観点から、銀層又は銀合金層、アルミニウム層、金層などが好適に用いられる。
銀は高い自由電子密度を有するため、近赤外線・遠赤外線の高い反射率を実現することができ、赤外線反射層12を構成する層の積層数が少ない場合でも、遮熱効果及び断熱効果に優れる赤外線反射フィルムが得られる。
赤外線反射層12の製膜方法は特に限定されないが、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法、電子線蒸着法等のドライプロセスを好適に使用することができる。
第1金属酸化物層11、第2金属酸化物層13は、赤外線反射層12との界面における可視光線の反射量を制御して、高い可視光線透過率と赤外線反射率とを両立させる等の目的で設けられる。また、第1金属酸化物層11、第2金属酸化物層13は、赤外線反射層12の劣化を防止するための保護層としても機能し得る。赤外線反射層における反射及び透過の波長選択性を高める観点から、第1金属酸化物層11、第2金属酸化物層13の可視光に対する屈折率は、1.5以上が好ましく、1.6以上がより好ましく、1.7以上がさらに好ましい。特に、第2金属酸化物層13の可視光に対する屈折率は、2.0以上であるのが好ましい。
第1金属酸化物層11の厚さは、赤外線反射フィルムの低コスト化及び生産性の向上などの観点から、20nm未満であるのが好ましく、さらには15nm以下であるのが好ましい。第1金属酸化物層11の厚さは、薄いほど良いと考えられるが、3nm以上、さらには4nm以上あるのが望ましい。
第1金属酸化物層11は、単一又は複数の異なる金属酸化物からなる単層体又は1層より多数の層が積層された多層体から構成されるものとすることができる。赤外線反射フィルムのコスト及び生産性などの観点から、第1金属酸化物層11は、単層体であるのが好ましい。
図2に、本発明の一実施形態の赤外線反射フィルムの製造方法の一例を模式的に示す。図2に示されているような、真空ポンプVACにより真空状態を維持することのできる真空室21内に繰出ロール22、成膜ロール(キャンロール)23、及び巻取ロール24を備える巻取式スパッタ装置では、所望によりハードコート層を設けた透明フィルム基材10を、繰出ロール22から成膜ロール23を経由して巻取ロール24へ搬送し、その際、それぞれ直流電源DCに接続され、冷却ステージSTを備える第1金属酸化物層形成用ターゲット25、赤外線反射層形成用ターゲット26、及び第2金属酸化物層形成用ターゲット27を用いて、透明フィルム基材10(存在する場合にはハードコート層の表面)の上に、第1金属酸化物層11、赤外線反射層12、及び第2金属酸化物層13を、順次積層する。
特に第1金属酸化物層11及び第2金属酸化物層13に使用する材料として、ZTOを選択する場合、高い製膜レートを実現する観点から、金属と金属酸化物とを含有するターゲットを用いたDCスパッタ法により製膜するのが好ましい。ZTOは導電性が小さいため、酸化亜鉛と酸化錫のみを含有する焼結ターゲットは抵抗率が高く、DCスパッタにより製膜することは困難である。また、亜鉛と錫とを含有する金属ターゲットを用いた反応性スパッタは、酸素雰囲気下で行われるため、金属層である赤外線反射層12上にZTOを製膜する際に、製膜下地層となる赤外線反射層12が過剰な酸素によって酸化され、赤外線反射層12の特性が低下するという問題を生じ得る。そのため、特に、赤外線反射層12上に第2金属酸化物層13としてZTOからなる金属酸化物層を製膜する場合は、酸化亜鉛と酸化錫と金属とを焼結させたターゲットを用いたDCスパッタ法により製膜を行うのが好ましい。
ターゲットは、好ましくは0.1重量%〜20重量%、より好ましくは0.2重量%〜15重量%の金属を、酸化亜鉛及び/又は酸化錫とともに焼結することによって形成したものが好ましい。ターゲット形成時の金属含有量が過度に小さいと、ターゲットの導電性が不十分となるためにDCスパッタによる製膜が困難となったり、赤外線反射層12との密着性が低下したりする場合がある。ターゲット形成時の金属含有量が過度に大きいと、製膜時に酸化されない残存金属や、酸素量が化学量論組成に満たない金属酸化物の量が多くなり、金属酸化物層の可視光線透過率が低下する傾向がある。ターゲットに含まれる金属としては、亜鉛及び/又は錫が好ましいが、それ以外の金属としてはTi,Zr,Hf,Nb,Al,Ga,In,Tl,Ga等の金属を含むものであってもよい。
第2金属酸化物層13上には、金属酸化物層あるいは赤外線反射層の擦傷や劣化を防止する目的で、透明保護層14が設けられる。透明保護層14は、第2金属酸化物層13に直接接していてもよく、透明保護層14と第2金属酸化物層13との間に追加の他の層を設けてもよい。
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、(Y)は−OCO(CH2)5−基を表す。nは0又は1であり、pは1又は2である。)
透明フィルム基材10の第1金属酸化物層11を積層した側と反対側の面には、本発明の赤外線反射フィルム1を窓ガラス等に貼り合せるために用いる接着剤層16等が付設されていてもよい。接着剤層16としては、可視光線透過率が高く、透明フィルム基材10との屈折率差が小さいものが好適に用いられる。例えば、アクリル系の粘着剤(感圧接着剤)は、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性を示し、耐候性や耐熱性等に優れることから、透明フィルム基材10に付設される接着剤層16の材料として好適である。
本発明による赤外線反射フィルムは、赤外線反射フィルムの遮熱性及び赤外線反射フィルムを付設したガラス窓の熱割れ防止などの観点から、透明フィルム基材10側から測定した可視光反射率が11%を超え、さらには13%以上であるのが望ましい。透明フィルム基材10側から測定した可視光反射率がこのような範囲である場合には、赤外線反射フィルムを付設した窓を有する室内を夏涼しくしておくことが可能となるとともに、ガラス窓に熱が伝わりにくくなる。
なお、本明細書において、可視光線反射率は、赤外線反射フィルムの透明フィルム基材10側の面を、粘着剤層を介して厚み3mmのJIS R 3202:2011で規定するフロート板ガラスに貼りつけたものを試料として用い、この試料の透明保護層14側及びガラス側(すなわち透明フィルム基材10側)から入射角5°で光を入射し、波長380nm〜780nmの範囲の絶対反射率を分光光度計にて測定したのち、JIS A5759:2008に記載される可視光線透過率計算のための重価係数を用い、加重平均値を算出することにより求めた値を意味する。
この場合、本発明による赤外線反射フィルムにおいて、透明保護層14側から測定した反射光が、L*a*b*表色系において、a*及びb*がいずれも−5〜5の範囲内である色相を有するのが望ましい。
なお、本明細書において、色相は、赤外線反射フィルムの透明フィルム基材側の面を、粘着剤層を介して厚み3mmのJIS R 3202:2011で規定するフロート板ガラスに貼りつけたものを試料として用い、この試料の保護層側から入射角5°で光を入射し、波長380nm〜780nmの範囲の分光反射率を分光光度計にて、10度視野、標準光源としてD65を使用して測定し、JIS Z 8722:2009にて規定される三刺激値X、Y、Zを計算し、その三刺激値を用いて、JIS Z 8781−4:2013にて規定されるa*、b*を求めた値を意味する。
また、本発明による赤外線反射フィルムにおいて、透明保護層の厚さが20nm〜100nm、さらには40nm〜80nmの範囲内であるのが望ましい。
さらに、本発明による赤外線反射フィルムにおいて、第2金属酸化物層13と透明保護層14との光路長の合計が100nm〜150nm、さらには110nm〜140nmの範囲内であるのが望ましい。なお、本明細書において光路長は波長550nmにおける屈折率と厚さ(nm)の積で表される。
本発明の赤外線反射フィルムは、建物や乗り物等の窓、植物等を入れる透明ケース、冷凍もしくは冷蔵のショーケース等に貼着し、冷暖房効果の向上や急激な温度変化を防ぐために、好ましく使用することができる。
<各層の厚み>
赤外線反射層を構成する各層の厚みは、集束イオンビーム加工観察装置(日立製作所製、製品名「FB−2100」)を用いて、集束イオンビーム(FIB)法により試料を加工し、その断面を、電界放出形透過電子顕微鏡(日立製作所製、製品名「HF−2000」)により観察して求めた。基材上に形成されたハードコート層、及び透明保護層の厚みは、瞬間マルチ測光システム(大塚電子製、製品名「MCPD3000」)を用い、測定対象側から光を入射させた際の可視光の反射率の干渉パターンから、計算により求めた。なお、透明保護層の厚みが小さく、可視光域の干渉パターンの観察が困難なもの(厚み約65nm以下)については、上記赤外線反射層の各層と同様に、透過電子顕微鏡観察により厚みを求めた。
垂直放射率は、角度可変反射アクセサリを備えるフーリエ変換型赤外分光(FT−IR)装置(Varian製)を用いて、保護層側から赤外線を照射した場合の、波長5μm〜25μmの赤外光の正反射率を測定し、JIS R3107:1998(板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算出方法)に準じて求めた。
可視光線透過率及び日射吸収率は、分光光度計(日立ハイテク製 製品名「U−4100」)を用いて、JIS A5759:2008(建築窓ガラスフィルム)に準じて求めた。
可視光線反射率は、赤外線反射フィルムの透明フィルム基材側の面を、粘着剤層を介して厚み3mmのJIS R 3202:2011で規定するフロート板ガラスに貼りつけたものを試料として用い、この試料の保護層側及びガラス側から入射角5°で光を入射し、波長380nm〜780nmの範囲の絶対反射率を分光光度計(U−4100)にて測定したのち、JIS A5759:2008に記載される可視光線透過率計算のための重価係数を用い、加重平均値を算出することにより求めた。
遮蔽係数は、分光光度計(日立ハイテク製 製品名「U−4100」)を用いて、日射透過率τe及び日射反射率ρeを測定し、JIS A5759−2008(建築窓ガラスフィルム)A法により、遮蔽係数を算出した。
<色相>
色相は、赤外線反射フィルムの透明フィルム基材側の面を、粘着剤層を介して厚み3mmのJIS R 3202:2011で規定するフロート板ガラスに貼りつけたものを試料として用い、この試料の保護層側から入射角5°で光を入射し、波長380nm〜780nmの範囲の分光反射率を分光光度計(U4100)にて測定したのち、JIS Z 8722:2009にて規定される三刺激値X、Y、Zを計算した。その三刺激値を用いて、JIS Z 8781−4:2013にて規定されるa*、b*を求めた。なお、10度視野、標準光源としてD65を使用した。
各層の屈折率は、厚みが50μmの(東レ製、商品名「ルミラー U48」、可視光線透過率93%)の一方の面に、実施例・比較例で用いた金属酸化物材料を厚み30nm、樹脂材料は60nm形成し、多入射角分光エリプソメーターM−2000V(J.A.Woollam製)及び解析ソフトCompleteEASE(J.A.Woollam製)を用いて、波長550nmの屈折率を測定、解析を行った。なお、測定サンプルの材料形成面と反対側の面をサンドペーパー(#600)を用いて荒らし、裏面反射を消した。なお測定時間は5秒、入射角50、60、70°として、測定したPsi、Deltaの解析を行った。
(透明フィルム基材への金属酸化物層及び赤外線反射層の形成)
透明フィルム基材として、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製、商品名「ルミラー U48」、可視光線透過率93%)を用意し、その一方の面に、巻取式スパッタ装置を用いて、金属酸化物層及び赤外線反射層を形成した。具体的には、DCマグネトロンスパッタ法により、亜鉛−錫複合酸化物(ZTO)からなる膜厚8nmの第1金属酸化物層、Ag−Pd合金からなる膜厚12nmの赤外線反射層、ZTOからなる膜厚17nmの第2金属酸化物層を順次形成した。ZTO金属酸化物層の形成には、酸化亜鉛と酸化錫と金属亜鉛粉末とを、10:82.5:7.5の重量比(亜鉛と錫の原子比は30:70)で焼結させたターゲットを用い、電力密度:2.67W/cm2、基板温度80℃の条件でスパッタを行った。この際、スパッタ製膜室へのガス導入量を、Ar:O2が98:2(体積比)となるように調整した。金属層の形成には、銀:パラジウムを96:4の重量比で含有する金属ターゲットを用いた。ZTO層の屈折率は2.17であった。
第2金属酸化物層であるZTO層上に、アクリル系の紫外線硬化型樹脂からなる透明保護層を60nmの膜厚で形成した。具体的には、アクリル系ハードコート樹脂溶液(JSR製、商品名「オプスター Z7537」)をスピンコート法によりZTO層上に塗布し、60℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で超高圧水銀ランプにより積算光量400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させた。硬化後の透明保護層の波長550nmにおける屈折率は1.48であった。
第1金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第2金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
透明保護層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第2金属酸化物層の厚み及び透明保護層の材料を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。透明保護層の材料はアクリル系ハードコート樹脂溶液(JSR製、商品名「オプスター KZ6719」)を用いた。
透明保護層の材料を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。実施例9の透明保護層の材料はフッ素系ハードコート樹脂溶液(JSR製、商品名「オプスター JUA204」)を用いた。
第2金属酸化物層の厚み及び透明保護層の材料を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第1金属酸化物層及び第2金属酸化物層の材料として、ZTOに代えて、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)を用いたこと以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを得た。IZO層の形成には、スパッタターゲットとして、酸化インジウムと酸化亜鉛を、90:10の重量比で焼結させた酸化物ターゲットを用いた。その際、スパッタ製膜室へのガス導入量を、Ar:O2が95:5(体積比)となるように調整した。IZO層の屈折率は2.05であった。
第1金属酸化物層及び第2金属酸化物層の材料として、ZTOに代えて、ニオブ酸化物(Nb2Ox)を用いたこと以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを得た。Nb2Ox層の形成には、スパッタターゲットとして、Nb2Oxの酸化物ターゲットを用いた。その際、スパッタ製膜室へのガス導入量を、Ar:O2が100:0(体積比)となるように調整した。Nb2Ox層の屈折率は2.34であった。
第1金属酸化物層及び第2金属酸化物層の材料として、ZTOに代えて、チタン酸化物(TiOx)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で赤外線反射フィルムを得た。TiOx層の形成には、スパッタターゲットとして、TiOxの酸化物ターゲットが用いられた。この際、スパッタ製膜室へのガス導入量は、Ar:O2が100:0(体積比)となるように調整された。TiOx層の屈折率は2.35であった。
赤外線反射層の材料として、AgPdに代えて、AgAu合金を用いたこと以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを得た。赤外線反射層の形成には、銀:金を92:8の重量比で含有する金属ターゲットを用いた。
赤外線反射層の材料を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第1金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第2金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第1金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
第1金属酸化物層及び第2金属酸化物層の厚みを表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に赤外線反射フィルムを作製した。
これに対して、比較例1〜4の赤外線反射フィルムはいずれも遮蔽係数が高い。特に、比較例2の赤外線反射フィルムは屋内側可視光反射率が高く、顔映りの問題を生ずる。さらに、比較例1、2及び4の赤外線反射フィルムは、屋内側の反射光に着色がある。
10 透明フィルム基材
11 第1金属酸化物層
12 赤外線反射層
13 第2金属酸化物層
14 透明保護層
15 ハードコート層
16 接着剤層
21 真空室
22 繰出ロール
23 成膜ロール
24 巻取ロール
25 第1金属酸化物層用ターゲット
26 赤外線反射層用ターゲット
27 第2金属酸化物用ターゲット
VAC 真空ポンプ
DC 直流電源
ST 冷却ステージ
Claims (9)
- 透明フィルム基材の上に、第1金属酸化物層、赤外線反射層、第2金属酸化物層、及び透明保護層が、この順に積層された、赤外線反射フィルムであって、
前記第2金属酸化物層の厚さが30nm以下であり、
前記第1金属酸化物層の厚さが前記第2金属酸化物層の厚さよりも薄く、前記第1金属酸化物層の厚さと前記第2金属酸化物層の厚さとの差が2nm以上である、
ことを特徴とする、前記赤外線反射フィルム。 - 前記第1金属酸化物層の厚さが20nm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第1金属酸化物層が単層体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明フィルム基材側から測定した可視光反射率が11%を超えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明保護層側から測定した可視光反射率が11%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明保護層側から測定した反射光が、L*a*b*表色系において、a*及びb*がいずれも−5〜5の範囲内である色相を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明保護層の厚さが20nm〜100nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記第2金属酸化物層と前記透明保護層との光路長の合計が100nm〜150nmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
- 前記透明フィルム基材の、前記第1金属酸化物層を積層した側と反対側の面に、粘着剤層を設けたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の赤外線反射フィルム。
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