JP4896558B2 - 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜に関する。
さらに詳しくは、太陽電池の封止樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)樹脂と優れた接着耐久性を示す太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム、およびそれを用いた太陽電池裏面保護膜に関する。
近年、太陽光発電システムは、クリーンエネルギーを利用する発電手段の一つとして、普及が進んでいる。太陽電池モジュールの構造は、例えば実開平6−38264号公報に記載があるように、一般的には、受光側のガラス基板と、裏面側の保護膜との間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充填した構造となっている。ここで、封止樹脂としては、透明性が高く、耐湿性が優れているという理由で、EVA樹脂が用いられる。
裏面の保護膜には、例えば特開平11−261085号公報、特開平11−186575号公報に、ポリエチレン系樹脂やポリエステル系樹脂シート、フッ素樹脂フィルムが用いられることが記載されている。しかし、このような保護膜はEVA樹脂との接着性が必ずしも十分でなく長期耐久性に不安が残るものである。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ディスプレイ部材用フィルムとして広く用いられており、太陽電池裏面保護膜としても優れた性能を有する。しかし、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸し、高度に配向結晶化したポリエステルフィルムは、その表面が不活性であり、EVA樹脂との接着性は極めて悪い。そこで、ポリエステルフィルムとEVA樹脂との接着性を改善することが検討されており、例えば特開2003−60218号公報には、スチレン・オレフィン共重合体樹脂からなる熱接着層を積層することが提案されている。
特開平11−261085号公報 特開平11−186575号公報 特開2003−60218号公報
しかし、従来の技術ではEVA樹脂との接着性向上の効果は十分でなく、特に大型の太陽光発電システムを構築する際には使用できないものである。また、二軸延伸したポリエステルフィルムは、延伸方向すなわちフィルムの面内方向に分子鎖が配向するため、フィルムの厚み方向の凝集力が弱まり層状に破壊しやすい傾向がある。このため、EVA樹脂とフィルムの接着力を保つことができたとしても、フィルムの層状剥離(デラミネーション)が発生し、耐久性が悪化するという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、優れた機械的性質、耐熱性および耐湿性を備えながら、EVA樹脂との接着耐久性に優れた太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位としてなるポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた易接着層からなり、ポリエステルフィルムが下記式(I)を満足するX線回折強度比を示し、該易接着層が(A)ガラス転移点が20〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂0〜90重量%と(B)オキサゾリン基含有ポリマーからなる架橋剤10〜100重量%より形成されたものであることを特徴とする、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムである。
Figure 0004896558
本発明によれば、優れた機械的性質、耐熱性および耐湿性を備えながら、EVA樹脂との接着耐久性に優れたポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる。本発明において「主たる繰り返し単位」とは全繰り返し単位100モル%あたり80モル%以上を意味する。ポリエステルフィルムのポリエステルは共重合ポリエステルであってもよく、耐熱性を損なわずにデラミネーションが起こりにくいフィルムを得る観点から共重合成分を共重合したポリエステルが好ましく、この目的から共重合成分の量は20モル%以下、好ましくは3〜15モル%であり、共重合成分としては、例えばイソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸といった芳香族ジカルボン酸成分、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオールといったジオール成分を例示することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、下記式(I)を満足するX線回折強度比を有する。
Figure 0004896558
上記式(I)のX線回折強度比が0.16未満であるとデラミネーションが起こりやすくなり、EVA樹脂とフィルムとの接着耐久性が低下する。このX線回折強度比が0.24を越えるとフィルムの耐熱性が低下することがあり、太陽電池の封止工程で変形するなどの不具合が発生することがある。
ポリエステルの分子量は、デラミネーションを防ぐためには高い方が好ましいが、分子量が高くなると延伸時にかかる応力が増大し、結果として面内方向への分子配向が高くなりやすいため、延伸倍率を下げるなど分子配向が起こりにくい延伸条件を選択するか、分子配向の起こりにくい共重合ポリエステルを用いるなどの工夫が必要となる。
ポリエステルには、製膜時のフィルムの巻取り性や、太陽電池用裏面保護膜加工工程におけるフィルムの搬送性等を良くするため、必要に応じて滑剤として微粒子を含有させてもよい。かかる微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子のいずれを用いてもよい。無機微粒子として、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛を例示することができる。有機微粒子として、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子を例示することができる。
ポリエステルフィルムには、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマー、オレフィン系アイオノマーのような樹脂も、機械的強度などのフィルム特性を損なわない範囲で含有させてもよい。また、太陽電池裏面保護膜として用いる際に表面反射率を向上したり意匠を整えるために、白色や黒色、また他の色に着色するために、染料や顔料を含有させてもよい。
[紫外線吸収剤]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルには、フィルムの耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤としては、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)を例示することができる。紫外線吸収剤を含有させる場合、その含有量は、ポリエステルと紫外線吸収剤の合計100重量%あたり好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.2〜3重量%である。0.1重量%未満であると紫外線劣化防止効果が小さく、5重量%を超えるとポリエステルフィルムの製膜特性が低下して好ましくない。
紫外線吸収剤のポリエステルへの添加方法としては、例えばポリエステル重合工程またはフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸といった方法を用いることができる。特にポリエステル重合度低下を防止する観点から、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、例えば化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法といった方法を採用して行うことができる。
[易接着層]
本発明においては、太陽電池の封止樹脂であるEVA樹脂との接着性を向上させる目的で、ポリエステルフィルムのうえに易接着層を設ける。易接着層は、片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。易接着層は、(A)ガラス転移点が20〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂またはアクリル樹脂、またはこれらの樹脂とポリビニルアルコールの混合物0〜90重量%と、(B)架橋剤10〜100重量%からなる固形分を含む塗料を用いて形成されたものであることが好ましい。架橋剤(B)としては、オキサゾリン基含有ポリマー、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、特にオキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。
易接着層は、公知のコーティング方法を用いて設けることができる。好ましくは、完全には延伸が完了していない延伸可能な状態のポリエステルフィルムに易接着層を構成する成分を含む水性塗液を塗布した後、乾燥、延伸し、熱処理することにより行う。この水性塗液の固形分濃度は、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
塗液の塗布対象となる延伸可能な状態のポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムである。このうちフィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸した一軸延伸フィルムが特に好ましい。
[製造方法]
本発明のX線回折強度比を満足するポリエステルフィルムを得るためには、用いるポリエステルの性質に応じてフィルム製造時の条件、特に延伸条件を制御する。例えばホモのポリエチレンテレフタレートを用いる場合は、フィルムの縦延伸倍率および横延伸倍率を比較的低い倍率で製造するとよい。このときの延伸倍率は好ましくは2倍〜3.5倍、さらに好ましくは2.2倍〜3.0倍である。長手方向と横方向の延伸は、同時2軸製膜機を用いて同時に延伸してもよく、この方法は高倍率でも配向の低いフィルムが得やすいことから、好ましい方法である。なお、ガラス転移温度をTgと略記する。
また、共重合ポリエステルを用いる場合には、ホモのポリエチレンテレフタレートを製造する場合と比較して高い延伸倍率で製造するとよく、縦延伸倍率および横延伸倍率は好ましくは3.0〜4.2倍、より好ましくは3.2〜3.8倍で製造するとよい。共重合比率が低い場合には比較的低い延伸倍率をとり、共重合比率が高い場合には比較的高い延伸倍率をとるとよい。
本発明におけるポリエステルフィルムの製造方法をさらに詳しく説明すると、例えば次のようにして製造することができる。まず、ポリエステルまたは共重合ポリエステルをダイからフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が2倍〜5倍、好ましくは2〜3.5倍、さらに好ましくは2.2〜3.0倍になるよう延伸し、易接着層の水性塗液を塗布し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が2〜5倍、好ましくは2〜3.5倍、さらに好ましくは2.2〜3.0倍になるように延伸する。このときの延伸温度は具体的には例えば90〜150℃である。フィルムを乾燥する場合の乾燥条件は、好ましくは90〜130℃で2〜10秒間である。そして、さらに熱固定する場合は例えば180〜250℃で2〜60秒間熱固定する。水性塗液を塗布する際の塗膜の厚さは好ましくは0.01〜1μm、塗布量は走行しているフィルム1m当り、例えば0.5〜20g、好ましくは1〜10gである。最終的に得られる易接着層の厚みは例えば0.01〜0.3μmであり、最終的に得られるフィルムの厚みは、例えば25〜300μm、好ましくは30〜250μmである。
なお、フィルムに水性塗液を塗布するに際して、通常の塗工工程、すなわち製膜し終えたフィルムにフィルムの製造工程と切り離した工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易く、好ましくない。かかる観点より、クリーンな雰囲気での塗布、すなわちフィルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布によれば、易接着層のフィルムへの密着性がさらに向上する。
塗液の塗布方法としては、例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法を単独または組合せて用いることができる。水性塗液は水分散液または乳化液として用いるのが好ましい。易接着層は、必要に応じてフィルムの片面のみに形成してもよいし両面に形成してもよい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理といった物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
加熱時の寸法安定性を高めるためには、例えば特開平57−57628号公報に示される熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、例えば特開平1−275031号公報に示されるフィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法を用いることができる。
[太陽電池裏面保護膜]
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、単独または2枚以上を貼り合わせて、太陽電池裏面保護膜として使用することができる。さらに、ガスバリア性を付与させる目的で、ガスバリア性を有するフィルムや箔を積層することが好ましい。ここでガスバリア性とは、水蒸気バリア性を意味し、JIS Z0208−73に準じて測定した水蒸気の透過率が、5g/(m・24h)以下である性質をいう。ガスバリア性を有するフィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリフッ化ビニリデンコートフィルム、酸化ケイ素蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム蒸着フィルムなどが例示でき、箔としては、アルミニウム箔、銅箔を例示することができる。これらのフィルムまたは箔は、本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムのEVA接着面の反対側に積層したり、またEVA樹脂接着側を外側にして2枚のポリエステルフィルムで挟みこむ構造をとることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃にて測定して求めた。
(2)X線回折強度比
X線源としてCu−Kα線を用いて、発散スリット1/2°、散乱スリット1/2°、受光スリット0.15mm、スキャンスピード1.000°/分の条件で測定し、Pseudo Voightピークモデルを用いた多重ピーク分離法により下記のポリエチレンテレフターレート結晶面からのX線回折強度を測定して下記式から求めた。
Figure 0004896558
(3)EVA樹脂との接着性
フィルムを20mm幅×100mm長にカットしたものを2枚、EVA樹脂シート(ハイシート工業(株)製 SOLAR EVA(R)SC4)を20mm幅×50mm長にカットしたものを1枚、それぞれ準備した。EVA樹脂シートがフィルムのほぼ中央に位置するよう、またフィルムの易接性を評価したい面がEVA側になるよう、フィルム/EVA樹脂シート/フィルムの順に重ねて、ヒートシーラー(テスター産業(株)製 TP−701−B)にてプレスを行った。圧着条件は、120℃・0.02MPaにて5分圧着後、150℃に昇温し、プレス圧を0.1MPaに上げて25分圧着する。熱圧着した試料を、23℃、50%RH雰囲気下において、JIS−Z0237に準じて、上下のクリップに未接着部のフィルムを挟み、剥離角180°、引張速度100mm/分で接着力を測定した。なお、EVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体の略称である。
◎:20N/20mm以上 ・・・接着性非常に良好
○:10N/20mm以上、20N/20mm未満・・・接着性良好
△:5N/20mm以上〜10N/20mm未満 ・・・接着性やや良好
×:5N/20mm未満 ・・・接着性不良
(4)EVAとの接着耐久性
上記(3)にて作成した熱圧着サンプルを、JIS−C8917−1998に準じて85℃・85%RHで1000時間処理した後に、上記(3)同様に接着力を評価し、処理前の接着力と比較して評価した。
◎:接着性保持率75%以上 ・・・接着耐久性非常に良好
○:接着性保持率50%以上、75%未満 ・・・接着性耐久性良好
△:接着性保持率25%以上、50%未満 ・・・接着性やや良好
×:接着性保持率25%未満 ・・・接着性不良
[実施例1]
着色剤として白色顔料A(ルチル型酸化チタン:テイカ株式会社製JR−405)を10重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.62)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。次いで縦方向に100℃で2.7倍に延伸した後、その両面に下記の塗剤Aをロールコーターで均一に塗布した。この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に110℃で3.0倍に延伸し、235℃で幅方向に2%収縮させながら熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.06μmであった。
<塗剤A>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル48部、イソフタル酸ジメチル14部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール31部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去し、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
次に、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、さらにモノマーであるメタクリル酸メチル30.1部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン21.9部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸39.4部、アクリルアミド8.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%重量のアクリルの水分散体を得た。
一方で、シリカフィラー(平均粒径:100nm)(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)を0.2重量%、濡れ剤として、ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)の0.3重量%添加した水溶液を作成した。
上記のポリエステルの水分散体10重量部、アクリルの水分散体5重量部と水溶液85重量部を混合して、塗剤Aを作成した。得られたポリエステルフィルムのX線回折強度比は0.17であった。このポリエステルフィルムを用いて、EVAとの接着性および接着耐久性を評価したところ、接着性◎、接着耐久性○で、ともに良好であった。
[実施例2]
着色剤として白色顔料A(ルチル型酸化チタン:テイカ株式会社製JR−405)を10重量%含有する、2,6−ナフタレンジカルボン酸を10モル%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.75)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。次いで縦方向に100℃で3.4倍に延伸した後、その両面に下記の塗剤Aをロールコーターで均一に塗布した。この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に110℃で3.6倍に延伸し、200℃で幅方向に2%収縮させながら熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.06μmであった。得られたフィルムのX線回折強度比は0.23であった。このポリエステルフィルムを用いて、EVAとの接着性および接着耐久性を評価したところ、接着性◎、接着耐久性◎で、ともに非常に良好であった。
[比較例1]
着色剤として白色顔料A(ルチル型酸化チタン:テイカ株式会社製JR−405)を10重量%含有するポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.66)を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。次いで縦方向に100℃で3.0倍に延伸した後、その両面に下記の塗剤Aをロールコーターで均一に塗布した。この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に110℃で3.1倍に延伸し、225℃で幅方向に4%収縮させながら熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。なお、塗膜の厚さは0.06μmであった。得られたポリエステルフィルムのX線回折強度比は0.13であった。このポリエステルフィルムを用いてEVAとの接着性および接着耐久性を評価したところ、接着性は◎で非常に良好であったが、接着耐久性は×でであり、ポリエステルフィルムのデラミネーションが観察された。
[比較例2]
塗剤Aを塗布しない以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmのポリエステルフィルムを作成した。ポリエステルフィルムのX線回折強度比は0.17であった。
このポリエステルフィルムを用いてEVAとの接着性および接着耐久性を評価したところ、接着性は×で不良であった。接着耐久性評価は実施しなかった。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有しながら、EVA樹脂との密着性に優れており、太陽電池裏面保護膜を構成する素材として有用である。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位としてなるポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた易接着層からなり、ポリエステルフィルムが下記式(I)を満足するX線回折強度比を示し、該易接着層が(A)ガラス転移点が20〜100℃の範囲であるポリエステル樹脂0〜90重量%と(B)オキサゾリン基含有ポリマーからなる架橋剤10〜100重量%より形成されたものであることを特徴とする、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
    Figure 0004896558
  2. 請求項1記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを含んでなる太陽電池裏面保護膜。
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