JP2000038462A - 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム

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JP2000038462A
JP2000038462A JP20665698A JP20665698A JP2000038462A JP 2000038462 A JP2000038462 A JP 2000038462A JP 20665698 A JP20665698 A JP 20665698A JP 20665698 A JP20665698 A JP 20665698A JP 2000038462 A JP2000038462 A JP 2000038462A
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film
metal plate
titanium oxide
ray diffraction
diffraction intensity
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Tetsuya Hasegawa
哲也 長谷川
Hirobumi Murooka
博文 室岡
Koji Kubo
耕司 久保
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板に貼合せた後容器の外面となるように
成形加工するのに有用な白色積層ポリエステルフィルム
を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル
型酸化チタンを3〜50重量%含有し、融点が210〜
245℃であり、かつポリマー部分の固有粘度が0.4
6〜0.66の共重合ポリエステルからなるフィルムで
あって、該フィルムのX線回折強度および密度がそれぞ
れ(1)式及び(2)式を満たし、さらにMOR値が
1.5以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加
工用白色ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ成形加
工用白色ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは
金属板に貼合せた後、フィルムが容器の外面となるよう
に成形加工するのに有用な白色ポリエステルフィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐食防止として、一
般に、塗装が施されている。近年、工程簡素化、衛生性
向上、公害防止等の目的で有機溶剤を使用せずに防錆性
を付与する方法として熱可塑性樹脂フィルムによる被覆
が試みられている。即ち、ブリキ、ティンフリースチー
ル、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムを
ラミネートしたあと絞り加工等により製缶する方法の検
討が進められている。
【0003】この熱可塑性樹脂フィルムとしてポリオレ
フィンフィルムやポリアミドフィルムを使用することが
試みられたが、成形加工性、耐熱性、保香性のすべてを
満足するには至っていない。
【0004】そこでポリエステルフィルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がなされている。
【0005】すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板にラミネートし、製缶材料として用いる(特開昭
56−10451号公報、特開平1−192546号公
報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
【0006】しかし、本発明者らの検討では、いずれも
充分な特性が得られず、それぞれ次の問題があることが
明らかとなった。
【0007】(A)については、二軸配向ポリエチレン
テレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優れるが、
成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う製缶加工
ではフィルムに微少なクラックが発生し、極端な場合に
は破断が発生する。
【0008】(B)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであるため成形
加工性は良好であるが保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌等の後処理、更には長期保存により脆
化しやすく、缶外部からの衝撃により割れやすいフィル
ムに変質する恐れがある。
【0009】(C)については、上記(A)と(B)の
中間領域で効力を発揮せんとするものであるが、未だ製
缶加工に適用可能な低配向には達していない。
【0010】また、金属容器の外面には印刷が施される
のが一般的であるが、印刷時にあらかじめ遮光の目的で
白色の塗料を下塗りし、その後印刷される。金属板にラ
ミネートする熱可塑性樹脂フィルムを白色遮光性のフィ
ルムとすることにより、白色塗料の下塗りを省略するこ
とができるが、上記(A)、(B)、(C)の方法にお
いて、白色顔料を添加して製造される白色フィルムで
は、それぞれの欠点が解消されず、缶外面の目的も達成
されない。さらに、隠蔽性向上のため酸化チタンを高濃
度に含有する白色フィルムでは、フィルム自体が脆くな
り延伸時の破断が多発し製膜性が悪化するという問題が
発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
加工性に優れ、隠蔽性が高くかつ製膜性に優れた金属板
貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルムを提供する
ことにある
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に達した。本
発明は、平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル型酸化
チタンを3〜50重量%含有し、融点が210〜245
℃であり、かつポリマー部分の固有粘度が0.46〜
0.66の共重合ポリエステルからなるフィルムであっ
て、該フィルムのX線回折強度および密度がそれぞれ
(1)式及び(2)式を満たし、さらにMOR値が1.
5以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用
白色ポリエステルフィルムである。
【0013】
【数2】
【0014】本発明における共重合ポリエステルとして
は、例えばポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリ
エチレンイソフタレート共重合体、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト共重合体が挙げられる。これらの中、ポリエチレンテ
レフタレート共重合体が好ましい。
【0015】かかる共重合ポリエステルの共重合成分
は、酸成分でもアルコール成分でもよい。該酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸等の如き脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げる
ことができ、アルコール成分としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂
環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独又
は2種以上を使用することができる。これらの中、イソ
フタル酸、セバシン酸が好ましく、特にイソフタル酸が
好ましい。
【0016】かかる共重合成分の割合は、その種類にも
よるが結果としてポリマー融点が210〜245℃、好
ましくは215〜235℃の範囲になる割合である。ポ
リマー融点が210℃未満では耐熱性が劣るため、製缶
後の印刷における加熱に耐えられなく好ましくない。一
方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が高くなり成形加工性が損なわれるため好ましくな
い。
【0017】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0018】本発明の共重合ポリエステルは、公知の方
法で製造することができる。例えば共重合ポリエチレン
テレフタレートの製法としては、テレフタル酸、エチレ
ングリコールおよび共重合成分をエステル化反応させ、
次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポ
リエチレンテレフタレートとする方法、あるいはジメチ
ルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分
をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を
重縮合反応させ共重合ポリエチレンテレフタレートとす
る方法を好ましく挙げることができる。なお、共重合ポ
リエステルの製造の際に、必要に応じて他の添加物たと
えば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤等も添加することができる。特に白度を
向上させようとする場合、蛍光増白剤の添加は有効であ
る。
【0019】本発明において、金属板貼合せ成形加工用
白色ポリエステルフィルムのポリマー部分の固有粘度は
0.46〜0.66であり、好ましくは0.48〜0.
64の範囲である。この固有粘度が0.46に満たない
場合、フィルム延伸時のフィルム破断が多くなり、かつ
得られた金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィ
ルムを金属板に貼合せた後、容器に成形する時破断を生
じやすい。また、0.66を超えるものは過剰品質であ
り、原料ポリマーの生産性も落ちるので不経済である。
【0020】ここで、固有粘度は、ο−クロロフェノー
ルに溶解後、遠心分離機により酸化チタン等のフィラー
を取り除き35℃溶液にて測定した値である。
【0021】本発明において、共重合ポリエステルに含
有させるルチル酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.
5μmである必要があり、好ましくは0.2〜0.4μ
mである。平均粒径が0.1μm未満では、共重合ポリ
エステル中に均一に分散させることが困難であり、白色
隠蔽性も劣るようになる。一方、平均粒径が0.5μm
より大きいルチル型酸化チタンは製造が困難であり、ま
た製造されたものも粗大粒子が多く、好ましくない。
【0022】前記ルチル型チタンはその純度が95%以
上のものが好ましい。95%未満であると高濃度で添加
した場合分散性が劣り、またポリエステルの分子量を著
しく低下させるため、好ましくない。
【0023】本発明において、白色ポリエステルフィル
ムへのルチル型酸化チタンの添加含有量は3〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%である。この含有量が
3重量%に満たないと、フィルムの白色隠蔽性が充分で
なく、一方50重量%を超えると白色隠蔽性が飽和し
て、より一層の効果の向上が見られず、かえってフィル
ムが脆くなりフィルム延伸時のフィルム破断が多く、か
つ得られたフィルムを金属板に貼合せた後、容器に成形
する時破断を生じやすい。
【0024】本発明においては、ルチル型酸化チタンと
ともに他の白色顔料例えばアルミナ、炭酸カルシウム、
シリカ、硫酸バリウム、硫化亜鉛、アナターゼ型酸化チ
タン等を併用することができる。
【0025】本発明におけるルチル型酸化チタンは、共
重合ポリエステルへ添加する前に、精製プロセスを用い
て、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精
製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段として、例
えば乾式もしくは湿式遠心分離機等が挙げられる。な
お、これらの手段は2種類以上を併用し、段階的に精製
してもよい。
【0026】共重合ポリエステルにルチル型酸化チタン
を含有させるには各種の方法を用いることができる。そ
の代表的な方法として、下記のような方法を挙げること
ができる。 (ア)共重合ポリエステル合成時のエステル交換もしく
はエステル化反応の終了前に添加、もしくは重縮合反応
開始前に添加する方法。 (イ)共重合ポリエステルに添加し、溶融混練する方
法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、酸化チタン
を多量に添加したマスターペレットを製造し、酸化チタ
ン粒子を含有しない共重合ポリエステルと混練し、所定
量のルチル型酸化チタンを含有させる方法。
【0027】なお、(ア)のポリエステル合成時にルチ
ル型酸化チタンを添加する方法を用いる場合には、ルチ
ル型酸化チタンをグリコールに分散したスラリーとし
て、反応系に添加することが望ましい。
【0028】本発明において、金属板貼合せ成形加工用
白色ポリエステルフィルムは、X線回折強度比が前記の
(1)式を満足することが必要である。X線回折強度比
が0.22よりも小さくなるとフィルム製膜時のフィル
ム破断による製膜性の低下、成形加工性の低下を引き起
こし好ましくない。逆に、X線回折強度比が0.4を超
えるとフィルム製膜時に厚み斑が発生しやすくなるため
好ましくない。
【0029】ここで、X線回折強度比は、次の方法によ
り測定を行う。X線源としてCuK−αを用い、発散ス
リット1/2°、散乱スリット1/2°、受光スリット
0.15mm、スキャンスピード1.000°/分の条
件で測定し、PseudoVoight ピールモデル
を用いた多重ピール分離法により、フィルム表面の下記
X線回折強度をそれぞれ測定し、両者の比をX線回折強
度比とする。
【0030】
【外1】
【0031】ただし、X線回折強度は各結晶面の回折ピ
ークの面積を求め、この面積をX線回折強度とする。ま
た、酸化チタン等の顔料に起因する反射ピーク(アナタ
ーゼ(101)、ルチル(110))が(100)面の
近くにあるが、これらを除いて面積を求める。
【0032】本発明における金属板貼合せ成形加工用白
色ポリエステルフィルムは、見掛け密度(ρ1)と溶融
・急冷後の密度(ρ2)の差(ρ2−ρ1)が前述の
(2)式を満たす必要がある。(2)式を満たすことに
より、フィルムの製膜性を向上することができる。密度
差(ρ2−ρ1)が0.4を超えるとフィルム中のボイド
が多くなり、フィルムが脆くなるため延伸時のフィルム
破断が発生し生産性が低下するので好ましくない。ま
た、得られたフィルムを金属板に貼り合わせた後、容器
に成形する際、破断やクラック、微小欠点を生じやす
い。なお、密度差(ρ2−ρ1)の下限値は、好ましくは
−0.4、さらに−0.2、特に−0.04である。
【0033】なお、密度(ρ1、ρ2)は、密度勾配管を
用いて測定する。さらに、溶融・急冷処理は、Du P
ont Instruments 910 DSCを利
用して、フィルムを昇温速度20℃/分で25℃から2
90℃まで昇温し、290℃で3分間溶融保持し、その
後、直ちに液体窒素を用いて急冷固化することにより実
施する。
【0034】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルムは、MOR値が1.5以下であり、好
ましくは1.45以下の範囲である。MOR値が1.5
を超えると、フィルムの面内異方性が大きくなり、金属
板に貼合せた後、容器に成形する際に微小クラックや割
れが発生するため好ましくない。
【0035】ここで、MOR値は神崎製紙(株)製分子配
向計MOA−2001Aを用い、マイクロ波を透過させ
たときの透過強度の最大値(XMAX)および最小値(X
MIN)の比(下記式(3))をMOR値とした。 MOR値= XMAX/XMIN−−−(3)
【0036】かかる要件を満足するフィルムを製造する
方法の一例として、以下二軸延伸、特に逐次二軸延伸に
よる方法を説明するが本発明においてはこの方法のみに
限定されるものではない。
【0037】共重合ポリエステルを溶融してダイスより
押出し、直ちに急冷して実質的に非晶質の共重合ポリエ
ステルシートを得る。次ぎに、このシートをロール加
熱、赤外線加熱等で加熱して縦方向に延伸する。このと
き、延伸温度を共重合ポリエステルのガラス転移点(T
g)より20〜60℃高い温度とし、延伸倍率を2.5
〜3.6倍とすることが好ましい。また縦方向に延伸す
る際は、2回以上に分割して縦方向に延伸する方法が特
に好ましい。横方向の延伸は共重合ポリエステルのTg
より20℃以上高い温度から始め、共重合ポリエステル
の融点(Tm)より90〜130℃低い温度まで昇温し
ながら行うのが好ましい。横延伸の倍率は2.6〜3.
7倍とすることが好ましい。また、熱固定の温度は15
0℃〜230℃の範囲で共重合ポリエステルポリマーの
融点に応じフィルム品質を調整すべく選択するのが好ま
しい。
【0038】特に、本発明のフィルムにおいては、上記
縦延伸を100〜120℃の温度で、2回以上に分けて
延伸することが好ましい。
【0039】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルムの厚みは、好ましくは6〜75μmで
ある。さらに好ましくは10〜75μm、特に好ましく
は15〜50μmであることが好ましい。厚みが6μm
未満では加工時に割れ等が生じやすくなり、一方75μ
mを超えるものは過剰品質であって不経済である。
【0040】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルムが貼合せられる金属板、特に製缶用金
属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミ
ニウム等の板が適切である。金属板へのポリエステルフ
ィルムの貼合せは、例えば下記、の方法で行うこと
ができる。 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムにあらかじめ接着剤層をプライマーコートし
ておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては
公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−
エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いること
ができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明する。実施例、比較例のフィルムの特性は、以下の方
法で測定、評価した。
【0042】(1)製膜性 フィルムの製膜性について下記の基準で評価した。 ○:フィルム破断がほとんど発生せず安定製膜可能。 ×:フィルム破断が多数発生し製膜性が悪い。 実施例および比較例で得られたフィルムを260℃に加
熱した板厚0.25mmのティンフリースチールの両面
に貼合せ、水冷した後150mm径の円板状に切り取
り、絞りダイスとポンチを用いて3段階で深絞り加工
し、55mm径の側面無継目(以下缶と略す)を作成し
た。これらの容器について以下の観察及び試験を行い、
各々下記の基準で評価した。
【0043】(2)深絞り加工性−1 ○:内外面ともフィルムに異常なく加工され、缶内外面
のフィルムに微小クラックや破断が認められない。 ×:缶内外面のフィルムの一部にフィルム破断が認めら
れる。
【0044】(3)深絞り加工性−2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内面フィルム面の
防錆性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極棒を挿
入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値
を測定する。以下、ERV試験と略す)において0.2
mA以下を示す。 ×:内外面とも異常はないが、ERV試験で電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
【0045】(4)耐衝撃割れ性 絞り成形が良好な缶について、水を満注し、各テストに
つき10個づつを高さ30cmから塩ビタイル床面に落
下した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、落下後既にフィルムのひび割れが認められる。
【0046】(5)耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を210℃×5分間加熱保
持した後、(3)に記した耐衝撃割れ性評価を行った結
果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているかあるい
は、210℃x5分間加熱後、既にひび割れが認められ
る。
【0047】(6)缶外面白度 フィルムとティンフリースチールとを貼合せる前に製缶
後に缶外面となるティンフリースチール面に、烏口を用
いて、長さ50mm、幅がそれぞれ0.1mm、1mm
の黒線を記入しておいて製缶後、白色フィルムを通して
黒線を観察し、下記の基準で評価した。 ○:両黒線とも見えない。 △:一方の黒線はかすかに見えるが、他方の黒線は見え
ない。 ×:一方の黒線は見え、他方の黒線もかすかに見える。
【0048】[実施例1〜13、比較例1〜6]表1に
示す共重合ポリエチレンテレフタレートに、表1に示す
平均粒径のルチル型酸化チタンを表1に示す量添加し、
共重合ポリエステル組成物を得た。これらの共重合ポリ
エステル組成物を275℃で溶融押出しした後、急冷、
固化して未延伸フィルムとし、次いで110℃、1.7
倍の条件で2回縦延伸し、120℃、3.0倍の条件で
横延伸し続いて180℃で熱固定して厚み20μmの二
軸配向フィルムを得た。これらのフィルムの特性を表2
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】[比較例7〜9]表3に示す組成の共重合
ポリエステルに、表3に示す平均粒径のルチル型酸化チ
タンまたは硫酸バリウムを表3に示す量添加し、共重合
ポリエステル組成物を得た。これらの共重合ポリエステ
ル組成物を275℃で溶融押出しした後、急冷固化して
未延伸フィルムを得た。次いで、表3に示す延伸条件で
製膜し、厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。これ
らのフィルムの特性を表4に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】以上の結果から本発明の実施例の金属板貼
合せ成形加工用白色ポリエステルフィルムは製膜性、深
絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性、缶外面白色度のす
べての特性において、比較例のフィルムより優れている
ことがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色ポ
リエステルフィルムは製膜性に優れ、かつ金属板と貼合
せた後、製缶加工、例えば深絞り加工して金属缶を成形
する際の深絞り加工性、製缶後の耐衝撃性、耐熱性、缶
外面白度に優れたものであり、金属容器外面に貼合せら
れるフィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 耕司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA46 AA82 AA84 AA88 AB06B AB18 AD06 AF29 BC02 CA01 4F100 AA21A AB01B AK41A AK42A BA02 DE01A EJ38A HB00A JA04A JA06A JA13 JA20A JD20 JJ03 JK10 JL01 JL10A YY00A 4J002 CF031 CF041 CF061 CF081 DE136 GF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル
    型酸化チタンを3〜50重量%含有し、融点が210〜
    245℃であり、かつポリマー部分の固有粘度が0.4
    6〜0.66の共重合ポリエステルからなるフィルムで
    あって、該フィルムのX線回折強度および密度がそれぞ
    れ(1)式及び(2)式を満たし、さらにMOR値が
    1.5以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加
    工用白色ポリエステルフィルム。 【数1】
  2. 【請求項2】 フィルムが金属板の容器外面となる表面
    に貼合せられる請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用
    白色ポリエステルフィルム。
JP20665698A 1998-07-22 1998-07-22 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム Pending JP2000038462A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268710A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜

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JP2007268710A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜

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