JP2000037836A - 金属板貼合せ成形加工用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ成形加工用白色積層ポリエステルフィルム

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JP2000037836A
JP2000037836A JP20665798A JP20665798A JP2000037836A JP 2000037836 A JP2000037836 A JP 2000037836A JP 20665798 A JP20665798 A JP 20665798A JP 20665798 A JP20665798 A JP 20665798A JP 2000037836 A JP2000037836 A JP 2000037836A
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polyester film
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Tetsuya Hasegawa
哲也 長谷川
Hirobumi Murooka
博文 室岡
Koji Kubo
耕司 久保
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製膜性に優れ、製膜工程でのロール摩耗が少
なく、かつ金属板と貼合せた後、製缶加工、例えば深絞
り加工して金属缶を成形するにあたり、ラミネート適
性、耐磨耗性、深絞り加工性、製缶後の耐衝撃性、耐熱
性、缶外面白度に優れたポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 ルチル型酸化チタンを10〜50重量%
含有する共重合ポリエステル層(B層)の両側にそれぞ
れルチル型酸化チタンを0〜15重量%含有する共重合
ポリエステル層(A層、C層)を積層したフィルムであ
って、各共重合ポリエステルフィルム層のポリマー部分
の固有粘度が(1)〜(3)式を満たし、かつ該積層フ
ィルムのX線回折強度比、密度差がそれぞれ(4)式、
(5)式を満たし、さらにMOR値が1.5以下の範囲
にあることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白色積
層ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ成形加
工用白色積層ポリエステルフィルムに関し、さらに詳し
くは金属板に貼合せた後フィルムが容器の外面となるよ
うに成形加工するのに有用な金属板成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐食防止として、一
般に塗装が施されている。近年、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で有機溶剤を使用せずに防錆性を
付与する方法として熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が
試みられている。即ち、ブリキ、ティンフリースチー
ル、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムを
ラミネートした後、絞り加工等により製缶する方法の検
討が進められている。
【0003】この熱可塑性樹脂フィルムとしてポリオレ
フィンフィルムやポリアミドフィルムを使用することが
試みられたが、成形加工性、耐熱性、保香性のすべてを
満足するにいたっていない。
【0004】そこでポリエステルフィルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がなされている。
【0005】すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板にラミネートし、製缶材料として用いる(特開昭
56−10451号公報、特開平1−192546号公
報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
【0006】しかし、本発明者らの検討ではいずれも充
分な特性が得られず、それぞれ次のような問題があるこ
とが明らかとなった。(A)については、二軸配向ポリ
エチレンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優
れるが、成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う
製缶加工ではフィルムに微少なクラックが発生し、極端
な場合には破断が発生する。(B)については、非晶性
もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエステルフィルム
であるため成形加工性は良好であるが保香性が劣り、ま
た製缶後の印刷、レトルト殺菌等の後処理、更には長期
保存により脆化しやすく、缶外部からの衝撃により割れ
やすいフィルムに変質する恐れがある。
【0007】(C)については、上記(A)と(B)の
中間領域で効力を発揮せんとするものであるが、未だ製
缶加工に適用可能な低配向には達していない。
【0008】また、金属容器の外面には印刷が施される
のが一般的であるが、印刷時にあらかじめ遮光の目的で
白色の塗料を下塗りし、その後印刷される。金属板にラ
ミネートする熱可塑性樹脂フィルムを白色遮光性のフィ
ルムとすることにより、白色塗料の下塗りを省略するこ
とができるが、上記(A)、(B)、(C)の方法にお
いて、白色顔料を添加して製造される白色フィルムで
は、それぞれの欠点が解消されず、缶外面の目的も達成
されない。さらに、隠蔽性向上のため酸化チタンを高濃
度に含有する白色フィルムでは、フィルム自体が脆くな
り延伸時の破断が多発し製膜性が悪化したり、フィルム
製膜時に使用するロールの磨耗が問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製膜
性、ロール磨耗性に優れ、かつ金属板と貼合せた後、製
缶加工、例えば深絞り加工して金属缶を成形するにあた
り、ラミネート適性、深絞り加工性、製缶後の耐衝撃
性、耐熱性、缶外面の白度に優れた金属板貼合せ成形加
工用白色積層ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径が
0.1〜0.5μmのルチル型酸化チタンを10〜50
重量%含有し、融点が210〜245℃でありかつポリ
マー部分の固有粘度が0.46〜0.66の共重合ポリ
エステル層(B層)、B層の一方の表面に積層した平均
粒径が0.1〜0.5μmのルチル型酸化チタンを0〜
15重量%含有し、融点が210〜245℃である共重
合ポリエステル層(A層)、およびB層のもう一方の表
面に積層した平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル型
酸化チタンを0〜15重量%含有し、融点が210〜2
45℃である共重合ポリエステル層(C層)からなる積
層ポリエステルフィルムであって、各共重合ポリエステ
ルフィルム層のポリマー部分の固有粘度が(1)〜
(3)式を満たし、かつ該積層フィルムのX線回折強
度、密度がそれぞれ(4)式、(5)式を満たし、さら
にMOR値が1.5以下の範囲にあることを特徴とする
金属板貼合せ成形加工用白色積層ポリエステルフィルム
である。
【0011】
【数2】
【0012】本発明におけるA層、B層、C層を構成す
る共重合ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテ
レフタレート共重合体、ポリエチレンイソフタレート共
重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート共重合
体、ポリブチレンテレフタレート共重合体が挙げられ
る。これらの中、ポリエチレンテレフタレート共重合体
が好ましい。
【0013】かかる共重合ポリエステルの共重合成分
は、酸成分でもアルコール成分でもよい。該酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸等の如き脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げる
ことができ、アルコール成分としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂
環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独又
は2種以上を使用することができる。これらの中、イソ
フタル酸、セバシン酸が好ましく、さらにイソフタル酸
が好ましい。
【0014】A層、B層、C層を構成する共重合ポリエ
ステルの共重合成分の種類と割合は互いに同一であって
も異なっていてもよい。
【0015】かかる共重合成分の割合は、その種類にも
よるが結果としてポリマー融点が210〜245℃、好
ましくは215〜235℃の範囲になる割合である。ポ
リマー融点が210℃未満では耐熱性が劣るため、製缶
後の印刷における加熱に耐えられなく好ましくない。一
方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が高くなり成形加工性が損なわれるため好ましくな
い。
【0016】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0017】本発明における共重合ポリエステルは、公
知の方法で製造することができる。例えば共重合ポリエ
チレンテレフタレートの製法としては、テレフタル酸、
エチレングリコールおよび共重合成分をエステル化反応
させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共
重合ポリエチレンテレフタレートとする方法、あるいは
ジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重
合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生
成物を重縮合反応させ共重合ポリエチレンテレフタレー
トとする方法を好ましく挙げることができる。なお、共
重合ポリエステルの製造の際に、必要に応じて他の添加
物たとえば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤等も添加することができる。特に白
度を向上させようとする場合、蛍光増白剤の添加は有効
である。
【0018】本発明においてB層を構成するポリマー部
分の固有粘度は0.46〜0.66であり、好ましくは
0.48〜0.64の範囲である。この固有粘度が0.
46に満たない場合、フィルム延伸時のフィルム破断が
多くなり、かつ得られたフィルムを金属板に貼合せた
後、容器に成形する時破断を生じやすい。また、0.6
6を超えるものは過剰品質であり、原料ポリマーの生産
性も落ちるので不経済である。
【0019】また、A層を構成するポリマー部分の固有
粘度(ηA)及びC層を構成するポリマー部分の固有粘
度(ηC)は、両者相互の関係およびB層を構成するポ
リマー部分の固有粘度(ηB)との関係において、前述
の(1)〜(3)式を満足することが必要である。これ
ら各層のポリマー部分の固有粘度の差(前述の(1)〜
(3)式の左辺)がすべて0.15未満であることが必
要であり、すべて0.12未満であることが好ましく、
すべて0.10未満であることがさらに好ましい。各層
のポリマー部分の固有粘度の差のうち少なくとも1つが
0.15以上であると、積層フィルムの各層で大きな配
向差を生じ、フィルムをラミネートする際ハンドリング
が困難となり、さらにはラミネートしわ等を生じるので
好ましくない。
【0020】ここで、A層、B層、C層のポリマー部分
の固有粘度の測定は、ο−クロロフェノールに溶解後、
遠心分離機により酸化チタン等のフィラーを取り除き3
5℃溶液にて測定して得られる値である。
【0021】本発明においてA層、B層、C層の共重合
ポリエステルに含有させるルチル型酸化チタンは、それ
ぞれ平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル型酸化チタ
ンである。この平均粒径は、好ましくはそれぞれ0.2
〜0.4μmである。平均粒径が0.1μm未満では、
共重合ポリエステル中に均一に分散させることが困難で
あり、白色隠蔽性も劣るようになる。平均粒径が0.5
μmより大きいルチル型酸化チタンは製造が困難であ
り、また製造されたものも粗大粒子が多く好ましくな
い。
【0022】前記ルチル型チタンはその純度が95%以
上のものが好ましい。95%未満であると高濃度で添加
した場合分散性が劣り、また共重合ポリエステルの分子
量を著しく低下させるため好ましくない。
【0023】本発明において、B層を構成する共重合ポ
リエステルへのルチル型酸化チタンの添加含有量は10
〜50重量%、好ましくは15〜40重量%である。こ
の含有量が10重量%に満たないと、フィルムの白色隠
蔽性が充分でなく、一方50重量%を超えると白色隠蔽
性が飽和して、より一層の効果の向上が見られず、かえ
ってフィルムが脆くなりフィルム延伸時のフィルム破断
が多くかつ、得られたフィルムを金属板に貼合せた後、
容器に成形する時破断を生じやすい。
【0024】また、A層、C層を構成する共重合ポリエ
ステルのルチル型酸化チタンの添加含有量は、それぞれ
0〜15重量%、好ましくはそれぞれ0〜10重量%、
更に好ましくはそれぞれ0〜6重量%である。この含有
量が15%を超えると、製膜工程でのロール磨耗が発生
し好ましくない。
【0025】本発明においては、ルチル型酸化チタンと
ともに他の白色顔料例えばアルミナ、炭酸カルシウム、
シリカ、硫酸バリウム、硫化亜鉛、アナターゼ型酸化チ
タン等を用いることができる。
【0026】本発明におけるルチル型酸化チタンは、共
重合ポリエステルへ添加する前に、精製プロセスを用い
て、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精
製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段として、例
えば乾式もしくは湿式遠心分離機等が挙げられる。な
お、これらの手段は2種類以上を併用し、段階的に精製
してもよい。
【0027】共重合ポリエステルにルチル型酸化チタン
を含有させるには各種の方法を用いることができる。そ
の代表的な方法として、下記のような方法を挙げること
ができる。 (ア)共重合ポリエステル合成時のエステル交換もしく
はエステル化反応の終了前に添加、もしくは重縮合反応
開始前に添加する方法。 (イ)共重合ポリエステルに添加し、溶融混練する方
法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、酸化チタン
を多量に添加したマスターペレットを製造し、酸化チタ
ン粒子を含有しない共重合ポリエステルと混練し、所定
量のルチル型酸化チタンを含有させる方法。
【0028】なお、(ア)のポリエステル合成時にルチ
ル型酸化チタンを添加する方法を用いる場合には、ルチ
ル型酸化チタンをグリコールに分散したスラリーとし
て、反応系に添加することが望ましい。
【0029】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、X線回折強度比が前述の
(4)式を満足することが必要である。このX線回折強
度比が0.22未満であると、フィルム中の酸化チタン
によりボイドが多数発生し、フィルム製膜時のフィルム
破断、成形加工性の低下を引き起こし、さらに前述の
(5)式を満足することができなくなるため好ましくな
い。逆に、X線回折強度比が0.4を超えるとフィルム
製膜時に厚み斑が発生しやすくなるため好ましくない。
【0030】ここで、X回折強度は、次の方法により測
定を行う。すなわち、X線源としてCuK−αを用い
て、発散スリット1/2°、散乱スリット1/2°、受
光スリット0.15mm、スキャンスピード1.000
°/分の条件で測定し、Pseudo Voight
ピールモデルを用いた多重ピール分離法により下記のX
線回折強度を測定し、X線回折強度比を計算する。
【0031】
【外1】
【0032】ただし、X線回折強度は各結晶面の回折ピ
ークの面積を求め、この面積をX線回折強度とする。ま
た、酸化チタン等の顔料に起因する反射ピーク(アナタ
ーゼ(101)、ルチル(110))が(100)面の
近くにあるが、これを除いて面積を求める。
【0033】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、見掛け密度(ρ1)と溶融・
急冷後の密度(ρ2)の差(ρ2−ρ1)が前述の(5)
式を満たす必要がある。(5)式を満たすことにより、
フィルムの製膜性を向上することができる。密度差(ρ
2−ρ1)が0.4を超えるとフィルム中のボイドが多く
なり、フィルムが脆くなるため延伸時のフィルム破断が
発生し生産性が低下するので好ましくない。また、得ら
れたフィルムを金属板に貼り合わせた後、容器に成形す
る際、破断やクラック、微小欠点を生じやすい。なお、
密度差(ρ2−ρ1)の下限値は、好ましくは−0.4、
さらに−0.2、特に−0.04である。
【0034】なお、密度(ρ1、ρ2)は、密度勾配管を
用いて測定する。さらに、溶融・急冷処理は、Du P
ont Instruments 910 DSCを利
用して、フィルムを昇温速度20℃/分で25℃から2
90℃まで昇温し、290℃で3分間溶融保持し、その
後、直ちに液体窒素を用いて急冷固化することにより実
施する。
【0035】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、MOR値が1.5以下である
必要があり、好ましくは1.45以下である。MOR値
が1.5を超えると、フィルムの面内異方性が大きくな
り、金属板に貼合せた後、容器に成形する際に微小クラ
ックや割れが発生するため好ましくない。
【0036】ここで、MOR値は神崎製紙(株)製分子配
向計MOA−2001Aを用い、マイクロ波を透過させ
たときの透過強度の最大値(XMAX)および最小値(X
MIN)の比(下記(6)式)をMOR値とした。 MOR値= XMAX/XMIN−−−(6)
【0037】このような、要件を満足するフィルムを製
造する方法の一例として、以下二軸延伸、特に逐次二軸
延伸による方法を説明するが本発明においてはこの方法
のみに限定されるものではない。
【0038】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、各層を構成するポリエステル
を別々に溶融してダイスより共押出し、固化前に積層融
着した後、直ちに急冷して実質的に非晶質の共重合ポリ
エステルシートを得る。次に、このシートをロール加
熱、赤外線加熱等で加熱して縦方向に延伸する。このと
き、延伸温度を共重合ポリエステルのガラス転移点(T
g)より20〜50℃高い温度とし、延伸倍率を2.5
〜3.6倍とすることが好ましい。また縦方向に延伸す
る際は、2回以上に分割して縦方向に延伸する方法が特
に好ましい。横方向の延伸は共重合ポリエステルのTg
より20℃以上高い温度から始め、ポリエステルの融点
(Tm)より100〜130℃低い温度まで昇温しなが
ら行うのが好ましい。横延伸の倍率は2.6〜3.7倍
とすることが好ましい。また、熱固定の温度は150℃
〜230℃の範囲で共重合ポリエステルポリマーの融点
に応じフィルム品質を調整すべく選択するのが好まし
い。また、各共重合ポリエステルを別々に溶融、押出し
てフィルム化し、未延伸状態または該延伸方法により延
伸後、積層融着させる方法などにより製造することもで
きる。
【0039】本発明のフィルムにおいては、上記縦延伸
を100〜120℃の温度で、2回以上に分けて延伸す
ることが、前述の特性範囲を満足する点において特に好
ましい。
【0040】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、好ましくは全体の厚みが6〜
75μmである。さらに10〜75μm、特に15〜5
0μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では加
工時に割れ等が生じやすくなり、一方75μmを超える
ものは過剰品質であって不経済である。
【0041】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムは、B層を芯層とし、B層の一方
の表面にA層を積層し、B層のもう一方の表面にC層を
積層した3層構造の積層フィルムである。
【0042】上記金属板貼合せ成形加工用白色積層ポリ
エステルフィルムにおいて、A層の厚み(XA)とB層
の厚み(XB)との比(XA/XB)およびC層の厚
(XC)とB層の厚み比( XC/XB)は、それぞれ0.
05〜1.0が好ましく、0.1〜0.7が更に好まし
い。
【0043】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積層
ポリエステルフィルムが貼合せられる金属板、特に製缶
用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、ア
ルミニウム等の板が適切である。金属板へのポリエステ
ルフィルムの貼合せは、例えば下記、の方法で行う
ことができる。 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムにあらかじめ接着剤層をプライマーコートし
ておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては
公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−
エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いること
ができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に説明す
る。なお、フィルムの特性は、以下の方法で測定、評価
した。
【0045】(1)製膜性 フィルムの製膜性について下記の基準で評価した。 ○:フィルム破断がほとんど発生せず安定製膜可能。 ×:フィルム破断が多数発生し製膜性が悪い。
【0046】(2)ロール磨耗性 幅1/2インチに裁断したフィルムにブレード(英国G
KI製工業用カミソリ試験機用ブレード)の刃先を垂直
にあて、更に1.5mm押し込み接触させて、温度20
℃、湿度60%の環境で、毎分60mの速さ、入り口テ
ンション60gで走行させた。フィルムを50m走行し
た後のブレードの磨耗量(W μm3)を走査型電子顕微
鏡(SEM)にて測定し、下記の基準で評価した。 〇:W<4.0×104μm3 ×:W≧4.0×104μm3
【0047】実施例および比較例で得られたフィルムを
260℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリース
チールの両面に貼合せ、水冷した後150mm径の円板
状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて3段階で深
絞り加工し、55mm径の側面無継目(以下缶と略す)
を作成した。
【0048】(3)ラミネート適性 ティンフリースチールに貼合せたフィルムを観察し、下
記の基準で評価した。 ○:しわの発生なくラミネート可能なもの ×:ラミネート時にしわが発生するもの さらに、これらの容器について以下の観察及び試験を行
い、各々下記の基準で評価した。
【0049】(4)深絞り加工性−1 ○:内外面ともフィルムに以上なく加工され、缶内外面
のフィルムに微小クラックや破断が認められない。 ×:缶内外面のフィルムの一部にフィルム破断が認めら
れる。
【0050】(5)深絞り加工性−2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内面フィルム面の
防錆性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極棒を挿
入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値
を測定する。以下、ERVと略す)において0.2mA
以下を示す。 ×:内外面とも異常はないが、ERV試験で電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
【0051】(6)耐衝撃割れ性 絞り成形が良好な缶について、水を満注し、各テストに
つき10個づつを高さ30cmから塩ビタイル床面に落
下した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、落下
後既にフィルムのひび割れが認められる。
【0052】(7)耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を210℃×5分間加熱保
持した後、(6)に記した耐衝撃割れ性評価を行った結
果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、21
0℃x5分間加熱後、既にひび割れが認められる。
【0053】(8)缶外面白度 フィルムとティンフリースチールとを貼合せる前に製缶
後に缶外面となるティンフリースチール面に、烏口を用
いて、長さ50mm幅がそれぞれ0.2mm、1.4m
mの黒線を記入しておいて製缶後、フィルムを通して黒
線を観察し、下記の基準で評価した。 ○:両黒線とも見えない。 △:一方の黒線はかすかに見えるが、他方の黒線は見え
ない。 ×:一方の黒線は見え、他方の黒線もかすかに見える。
【0054】[実施例1〜10、比較例1〜7]表1に
示す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレー
トに、表1に示す平均粒径のルチル型酸化チタンを表1
に示す量添加し、B層用の共重合ポリエステル組成物を
得た。一方、イソフタル酸を12モル%共重合した融点
が228℃の共重合ポリエチレンテレフタレートに平均
粒径0.24μmのルチル型酸化チタンを5重量%添加
したA層およびC層用の共重合ポリエステル組成物を作
成した。そしてこれらの共重合ポリエステル組成物を表
2に示す製膜条件で、それぞれ別々に溶融した後、互い
に隣接したダイから共押しして積層、融着させ、急冷、
固化して未延伸フィルムとし、次いで縦延伸、横延伸し
た後、熱固定して厚み20μm(A層;3μm、B層;
14μm、C層;3μm)の二軸配向フィルムを得た。
これらのフィルムの特性を表3および表4に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】[実施例11〜17、比較例8〜10]実
施例2において、A層およびC層用の共重合ポリエステ
ル組成物の共重合成分、ルチル型酸化チタン(平均粒
径、添加量)を表5に示す通り変更する以外は実施例2
と同じ方法で二軸配向フィルムを得た。これらのフィル
ムの特性を表6および表7に示す。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】[実施例18〜23、比較例11〜13]
実施例2において、A層、B層、C層を構成するポリマ
ー部分の固有粘度を表8に示す通り変更する以外は実施
例2と同じ方法で二軸配向フィルムを得た。これらのフ
ィルムの特性を表8および表9に示す。
【0064】なお、比較例11は、B層を構成するポリ
マー部分の固有粘度が低すぎ、製膜が困難であった。
【0065】
【表8】
【0066】
【表9】
【0067】[比較例14]実施例2において、B層に
添加する白色顔料として、ルチル型酸化チタンに代えて
平均粒径2.90μmの炭酸カルシウムを11重量%添
加する以外は実施例2と同じ方法で二軸配向フィルムを
得た。このフィルムは、深絞り加工性−2の評価におい
て「×」、さらに缶外面白度評価において「×」であり
総合評価は「×」であった。
【0068】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ成形加工用白色積
層ポリエステルフィルムは、製膜性に優れ、製膜工程で
のロール摩耗が少なく、かつ金属板と貼合せた後、製缶
加工、例えば深絞り加工して金属缶を成形するにあた
り、ラミネート適性、耐磨耗性、深絞り加工性、製缶後
の耐衝撃性、耐熱性、缶外面白度に優れたものであり、
金属容器被覆用として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 耕司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F100 AA21A AA21B AA21C AB01D AK41A AK41B AK41C AK41J AK42 AL01A AL01B AL01C BA03 BA04 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA16 BA27 DE01A DE01B DE01C EJ38 GB16 JA04A JA04B JA04C JA06A JA06B JA06C JA13 JA20 JJ03 JK01 JK09 JK10 YY00 YY00A YY00B YY00C 4J002 CF041 CF061 CF071 CF081 DE136 FD016 GF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル
    型酸化チタンを10〜50重量%含有し、融点が210
    〜245℃でありかつポリマー部分の固有粘度が0.4
    6〜0.66の共重合ポリエステル層(B層)、B層の
    一方の表面に積層した平均粒径が0.1〜0.5μmの
    ルチル型酸化チタンを0〜15重量%含有し、融点が2
    10〜245℃である共重合ポリエステル層(A層)、
    およびB層のもう一方の表面に積層した平均粒径が0.
    1〜0.5μmのルチル型酸化チタンを0〜15重量%
    含有し、融点が210〜245℃である共重合ポリエス
    テル層(C層)からなる積層ポリエステルフィルムであ
    って、各共重合ポリエステルフィルム層のポリマー部分
    の固有粘度が(1)〜(3)式を満たし、かつ該積層フ
    ィルムのX線回折強度、密度がそれぞれ(4)式、
    (5)式を満たし、さらにMOR値が1.5以下の範囲
    にあることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白色積
    層ポリエステルフィルム。 【数1】
  2. 【請求項2】 フィルムが金属板の容器外面となる表面
    に貼合せられる請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用
    白色積層ポリエステルフィルム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315282A (ja) * 2000-05-08 2001-11-13 Mitsubishi Polyester Film Copp 金属缶外面ラミネート用白色積層ポリエステルフィルム
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