JPH11209483A - 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム - Google Patents
金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルムInfo
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- JPH11209483A JPH11209483A JP1102598A JP1102598A JPH11209483A JP H11209483 A JPH11209483 A JP H11209483A JP 1102598 A JP1102598 A JP 1102598A JP 1102598 A JP1102598 A JP 1102598A JP H11209483 A JPH11209483 A JP H11209483A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属板に貼合せた後容器の外面となるように
成形加工するのに有用なポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 硫化亜鉛を5〜40重量%含有し、融点
が210〜245℃でありかつポリマー部分の固有粘度
が0.46〜0.66の共重合ポリエステルフィルムで
あることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルム。
成形加工するのに有用なポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 硫化亜鉛を5〜40重量%含有し、融点
が210〜245℃でありかつポリマー部分の固有粘度
が0.46〜0.66の共重合ポリエステルフィルムで
あることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ成形加
工用白色ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは
金属板に貼合せた後フィルムが容器の外面となるように
成形加工するのに有用な金属板貼合せ成形加工用白色ポ
リエステルフィルムに関する。
工用白色ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは
金属板に貼合せた後フィルムが容器の外面となるように
成形加工するのに有用な金属板貼合せ成形加工用白色ポ
リエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐食防止として、一
般に塗装を施されている。最近は工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で有機溶剤を使用せずに防錆性を
付与する方法として熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が
試みられている。
般に塗装を施されている。最近は工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で有機溶剤を使用せずに防錆性を
付与する方法として熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が
試みられている。
【0003】即ち、ブリキ、ティンフリースチール、ア
ルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネ
ートした後、絞り加工等により製缶する方法の検討が進
められている。
ルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネ
ートした後、絞り加工等により製缶する方法の検討が進
められている。
【0004】この熱可塑性樹脂フィルムとしてポリオレ
フィンフィルムやポリアミドフィルムが試みられたが、
成形加工性、耐熱性、保香性のすべてを満足するもので
ない。
フィンフィルムやポリアミドフィルムが試みられたが、
成形加工性、耐熱性、保香性のすべてを満足するもので
ない。
【0005】そこでポリエステルフィルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がなされている。すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板にラミネートし、製缶材料として用いる(特開昭
56−10451号公報、特開平1−192546号公
報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がなされている。すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板にラミネートし、製缶材料として用いる(特開昭
56−10451号公報、特開平1−192546号公
報)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
【0006】しかし、本発明者らの検討ではいずれも充
分な特性が得られず、それぞれ次の問題のあることが明
らかとなった。(A)については、二軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優れる
が、成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う製缶
加工ではフィルムに微少なクラックが発生し、極端な場
合には破断が発生する。(B)については、非晶性もし
くは極めて低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであ
るため成形加工性は良好であるが保香性が劣り、また製
缶後の印刷、レトルト殺菌等の後処理、更には長期保存
により脆化しやすく、缶外部からの衝撃により割れやす
いフィルムに変質する恐れがある。(C)については、
上記(A)と(B)の中間領域で効力を発揮せんとする
ものであるが、未だ製缶加工に適用可能な低配向には達
していない。
分な特性が得られず、それぞれ次の問題のあることが明
らかとなった。(A)については、二軸配向ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性に優れる
が、成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う製缶
加工ではフィルムに微少なクラックが発生し、極端な場
合には破断が発生する。(B)については、非晶性もし
くは極めて低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであ
るため成形加工性は良好であるが保香性が劣り、また製
缶後の印刷、レトルト殺菌等の後処理、更には長期保存
により脆化しやすく、缶外部からの衝撃により割れやす
いフィルムに変質する恐れがある。(C)については、
上記(A)と(B)の中間領域で効力を発揮せんとする
ものであるが、未だ製缶加工に適用可能な低配向には達
していない。
【0007】また、金属容器の外面には印刷が施される
のが一般的であるが、印刷時にあらかじめ遮光の目的で
白色の塗料を下塗りし、その後印刷される。金属板にラ
ミネートする熱可塑性樹脂フィルムを白色遮光性のフィ
ルムとすることにより、白色塗料の下塗りを省略するこ
とができるが、上記(A)、(B)、(C)の方法にお
いて、白色顔料を添加して製造される白色フィルムで
は、それぞれの欠点が解消されず、缶外面の目的も達成
されない。さらに、隠蔽性向上のため酸化チタンを高濃
度に含有する白色フィルムでは、フィルム自体が脆くな
り延伸時の破断が多発し製膜性が悪化するという問題が
ある。
のが一般的であるが、印刷時にあらかじめ遮光の目的で
白色の塗料を下塗りし、その後印刷される。金属板にラ
ミネートする熱可塑性樹脂フィルムを白色遮光性のフィ
ルムとすることにより、白色塗料の下塗りを省略するこ
とができるが、上記(A)、(B)、(C)の方法にお
いて、白色顔料を添加して製造される白色フィルムで
は、それぞれの欠点が解消されず、缶外面の目的も達成
されない。さらに、隠蔽性向上のため酸化チタンを高濃
度に含有する白色フィルムでは、フィルム自体が脆くな
り延伸時の破断が多発し製膜性が悪化するという問題が
ある。
【0008】また、酸化チタンの如きモース硬度が高い
白色顔料を用いた場合、フィルム製膜時にフィルムと接
触するロールの摩耗が発生し問題となる。
白色顔料を用いた場合、フィルム製膜時にフィルムと接
触するロールの摩耗が発生し問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の目的は、耐
摩耗性、製膜性、隠蔽性、成形加工性に優た金属板貼合
せ成形加工用白色ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
摩耗性、製膜性、隠蔽性、成形加工性に優た金属板貼合
せ成形加工用白色ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、硫化亜鉛を5
〜40重量%含有し、融点が210〜245℃でありか
つポリマー部分の固有粘度が0.46〜0.66の共重
合ポリエステルフィルムであることを特徴とする金属板
貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルムである。
〜40重量%含有し、融点が210〜245℃でありか
つポリマー部分の固有粘度が0.46〜0.66の共重
合ポリエステルフィルムであることを特徴とする金属板
貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルムである。
【0011】本発明における共重合ポリエステルとして
は、例えばポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリ
エチレンイソフタレート共重合体、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト共重合体が挙げられる。これらの中、ポリエチレンテ
レフタレート共重合体が好ましい。
は、例えばポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリ
エチレンイソフタレート共重合体、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト共重合体が挙げられる。これらの中、ポリエチレンテ
レフタレート共重合体が好ましい。
【0012】かかる共重合ポリエステルの共重合成分
は、酸成分でもアルコール成分でもよい。該酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸等の如き脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げる
ことができ、アルコール成分としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂
環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独又
は2種以上を使用することができる。これらの中、イソ
フタル酸、セバシン酸が好ましく、さらにイソフタル酸
が好ましい。
は、酸成分でもアルコール成分でもよい。該酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸等の如き脂肪族カルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げる
ことができ、アルコール成分としては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂
環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独又
は2種以上を使用することができる。これらの中、イソ
フタル酸、セバシン酸が好ましく、さらにイソフタル酸
が好ましい。
【0013】かかる共重合成分の割合は、その種類にも
よるが結果としてポリマー融点が210〜245℃、好
ましくは215〜235℃の範囲になる割合である。ポ
リマー融点が210℃未満では耐熱性が劣るため、製缶
後の印刷における加熱に耐えられなく好ましくない。一
方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が高くなり成形加工性が損なわれるため好ましくな
い。
よるが結果としてポリマー融点が210〜245℃、好
ましくは215〜235℃の範囲になる割合である。ポ
リマー融点が210℃未満では耐熱性が劣るため、製缶
後の印刷における加熱に耐えられなく好ましくない。一
方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が高くなり成形加工性が損なわれるため好ましくな
い。
【0014】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0015】本発明における共重合ポリエステルは、公
知の方法で製造することができる。例えば共重合ポリエ
チレンテレフタレートの製法としては、テレフタル酸、
エチレングリコールおよび共重合成分をエステル化反応
させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共
重合ポリエチレンテレフタレートとする方法、あるいは
ジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重
合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生
成物を重縮合反応させ共重合ポリエチレンテレフタレー
トとする方法を好ましく挙げることができる。なお、共
重合ポリエステルの製造の際に、必要に応じて他の添加
物たとえば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤等も添加することができる。特に白
度を向上させようとする場合、蛍光増白剤の添加は有効
である。
知の方法で製造することができる。例えば共重合ポリエ
チレンテレフタレートの製法としては、テレフタル酸、
エチレングリコールおよび共重合成分をエステル化反応
させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共
重合ポリエチレンテレフタレートとする方法、あるいは
ジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重
合成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生
成物を重縮合反応させ共重合ポリエチレンテレフタレー
トとする方法を好ましく挙げることができる。なお、共
重合ポリエステルの製造の際に、必要に応じて他の添加
物たとえば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤等も添加することができる。特に白
度を向上させようとする場合、蛍光増白剤の添加は有効
である。
【0016】本発明のフィルムの固有粘度は0.46〜
0.66であり、好ましくは0.48〜0.64の範囲
である。この固有粘度が0.46に満たない場合、フィ
ルム延伸時のフィルム破断が多くなり、かつ得られたフ
ィルムを金属板に貼合せた後、容器に成形する時破断を
生じやすい。また、0.66を超えるものは過剰品質で
あり、原料ポリマーの生産性も落ちるので不経済であ
る。
0.66であり、好ましくは0.48〜0.64の範囲
である。この固有粘度が0.46に満たない場合、フィ
ルム延伸時のフィルム破断が多くなり、かつ得られたフ
ィルムを金属板に貼合せた後、容器に成形する時破断を
生じやすい。また、0.66を超えるものは過剰品質で
あり、原料ポリマーの生産性も落ちるので不経済であ
る。
【0017】ここで、フィルムの固有粘度の測定は、O
−クロロフェノールに溶解後、遠心分離機により酸化チ
タン等のフィラーを取り除き35℃溶液にて測定した。
−クロロフェノールに溶解後、遠心分離機により酸化チ
タン等のフィラーを取り除き35℃溶液にて測定した。
【0018】本発明において、共重合ポリエステルに含
有させる硫化亜鉛の平均粒径は0.1〜0.5μmが好
ましく、0.2〜0.4μmがさらに好ましい。平均粒
径が0.1μm未満では、共重合ポリエステル中に均一
に分散させることが困難であり、白色隠蔽性も劣ること
がある。平均粒径が0.5μmより大き場合十分な隠蔽
性を得られないばかりか、製造が困難である上、製造さ
れたものも粗大粒子が多くなることがある。
有させる硫化亜鉛の平均粒径は0.1〜0.5μmが好
ましく、0.2〜0.4μmがさらに好ましい。平均粒
径が0.1μm未満では、共重合ポリエステル中に均一
に分散させることが困難であり、白色隠蔽性も劣ること
がある。平均粒径が0.5μmより大き場合十分な隠蔽
性を得られないばかりか、製造が困難である上、製造さ
れたものも粗大粒子が多くなることがある。
【0019】本発明のフィルムへの硫化亜鉛の含有量は
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
この含有量が5重量%に満たないと、フィルムの白色隠
蔽性が充分でなく、他方40重量%を超えると白色隠蔽
性が飽和して、より一層の効果の向上が見られず、かえ
ってフィルムが脆くなりフィルム延伸時のフィルム破断
が多くかつ、得られたフィルムを金属板に貼合せた後、
容器に成形する時破断を生じやすいので好ましくない。
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
この含有量が5重量%に満たないと、フィルムの白色隠
蔽性が充分でなく、他方40重量%を超えると白色隠蔽
性が飽和して、より一層の効果の向上が見られず、かえ
ってフィルムが脆くなりフィルム延伸時のフィルム破断
が多くかつ、得られたフィルムを金属板に貼合せた後、
容器に成形する時破断を生じやすいので好ましくない。
【0020】本発明においては、硫化亜鉛とともに他の
白色顔料例えば、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカ、
硫酸バリウム、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化
チタン等を用いることができる。
白色顔料例えば、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカ、
硫酸バリウム、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化
チタン等を用いることができる。
【0021】共重合ポリエステルに硫化亜鉛を含有させ
るには各種の方法を用いることができる。その代表的な
方法として、下記のような方法を挙げることができる。 (ア)共重合ポリエステル合成時のエステル交換もしく
はエステル化反応の終了前に添加、もしくは重縮合反応
開始前に添加する方法。 (イ)共重合ポリエステルに添加し、溶融混練する方
法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、硫化亜鉛を
多量に添加したマスターペレットを製造し、粒子を含有
しない共重合ポリエステルと混練し、所定量の硫化亜鉛
を含有させる方法。
るには各種の方法を用いることができる。その代表的な
方法として、下記のような方法を挙げることができる。 (ア)共重合ポリエステル合成時のエステル交換もしく
はエステル化反応の終了前に添加、もしくは重縮合反応
開始前に添加する方法。 (イ)共重合ポリエステルに添加し、溶融混練する方
法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、硫化亜鉛を
多量に添加したマスターペレットを製造し、粒子を含有
しない共重合ポリエステルと混練し、所定量の硫化亜鉛
を含有させる方法。
【0022】なお、(ア)のポリエステル合成時に硫化
亜鉛を添加する方法を用いる場合には、硫化亜鉛をグリ
コールに分散したスラリーとして、反応系に添加するこ
とが望ましい。
亜鉛を添加する方法を用いる場合には、硫化亜鉛をグリ
コールに分散したスラリーとして、反応系に添加するこ
とが望ましい。
【0023】このような、要件を満足するフィルムを製
造する方法の一例として、以下二軸延伸、特に逐次二軸
延伸による方法を説明するが本発明においてはこの方法
のみに限定されるものではない。
造する方法の一例として、以下二軸延伸、特に逐次二軸
延伸による方法を説明するが本発明においてはこの方法
のみに限定されるものではない。
【0024】例えば逐次二軸延伸の場合、共重合ポリエ
ステルを溶融してダイスより押出し、直ちに急冷して実
質的に非晶質の共重合ポリエステルシートを得る。次
に、このシートをロール加熱、赤外線加熱等で加熱して
縦方向に延伸する。このとき、延伸温度を共重合ポリエ
ステルのガラス転移点(Tg)より20〜60℃高い温
度とし、延伸倍率を2.5〜3.6倍とすることが好ま
しい。また縦方向に延伸する際は、2回以上に分割して
縦方向に延伸する方法が特に好ましい。横方向の延伸は
共重合ポリエステルのTgより20℃以上高い温度から
始め、ポリエステルの融点(Tm)より90〜130℃
低い温度まで昇温しながら行うのが好ましい。横延伸の
倍率は2.6〜3.7倍とすることが好ましい。また、
熱固定の温度は150℃〜230℃の範囲で共重合ポリ
エステルポリマーの融点に応じフィルム品質を調整すべ
く選択するのが好ましい。
ステルを溶融してダイスより押出し、直ちに急冷して実
質的に非晶質の共重合ポリエステルシートを得る。次
に、このシートをロール加熱、赤外線加熱等で加熱して
縦方向に延伸する。このとき、延伸温度を共重合ポリエ
ステルのガラス転移点(Tg)より20〜60℃高い温
度とし、延伸倍率を2.5〜3.6倍とすることが好ま
しい。また縦方向に延伸する際は、2回以上に分割して
縦方向に延伸する方法が特に好ましい。横方向の延伸は
共重合ポリエステルのTgより20℃以上高い温度から
始め、ポリエステルの融点(Tm)より90〜130℃
低い温度まで昇温しながら行うのが好ましい。横延伸の
倍率は2.6〜3.7倍とすることが好ましい。また、
熱固定の温度は150℃〜230℃の範囲で共重合ポリ
エステルポリマーの融点に応じフィルム品質を調整すべ
く選択するのが好ましい。
【0025】本発明のフィルムは、好ましくは厚みが6
〜75μmである。さらに10〜75μm、特に15〜
50μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では
加工時に割れ等が生じやすくなり、一方75μmを超え
るものは過剰品質であって不経済である。
〜75μmである。さらに10〜75μm、特に15〜
50μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では
加工時に割れ等が生じやすくなり、一方75μmを超え
るものは過剰品質であって不経済である。
【0026】本発明の白色ポリエステルフィルムが貼合
せられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、
ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切であ
る。金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、例え
ば下記、の方法で行うことができる。
せられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、
ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切であ
る。金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、例え
ば下記、の方法で行うことができる。
【0027】金属板をフィルムの融点以上に加熱して
おいてフィルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフ
ィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
おいてフィルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフ
ィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
【0028】フィルムにあらかじめ接着剤層をプライ
マーコートしておき、この面と金属板を貼合せる。接着
剤層としては公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着
剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤
等を用いることができる。
マーコートしておき、この面と金属板を貼合せる。接着
剤層としては公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着
剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤
等を用いることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に説明す
る。なお、フィルムの特性は、以下の方法で測定、評価
した。
る。なお、フィルムの特性は、以下の方法で測定、評価
した。
【0030】(1)共重合ポリエステルの融点 Du Pont Instruments 910 D
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0031】(2)共重合ポリエステルの固有粘度 フィルムをο−クロロフェノールに溶解後、遠心分離機
により酸化チタン等のフィラーを取り除き、35℃の温
度にて測定した。なお、各層の固有粘度は、各層の共重
合ポリエステルをそれぞれ単独で押出して得られた未延
伸フィルムの値である。
により酸化チタン等のフィラーを取り除き、35℃の温
度にて測定した。なお、各層の固有粘度は、各層の共重
合ポリエステルをそれぞれ単独で押出して得られた未延
伸フィルムの値である。
【0032】(3)粒子の平均粒径 粒子表面に金属を蒸着した後、電子顕微鏡にて1万〜3
万倍に拡大した像から、長径、短径、面積円相当径を求
めた。平均粒径は、面積円相当径の平均値とした。
万倍に拡大した像から、長径、短径、面積円相当径を求
めた。平均粒径は、面積円相当径の平均値とした。
【0033】(4)磨耗性 温度20℃、湿度60%RHの環境で、幅1/2インチ
に裁断したフィルムにブレード(英国GKI製工業用カ
ミソリ試験機用ブレード)の刃先を垂直にあて、更に
1.5mm押し込み接触させて、毎分60mの速さ、入
り口テンション60gで走行させた。フィルムを50m
走行した後のブレードの磨耗量(W μm3)を走査型電
子顕微鏡(SEM)にて測定し、下記の基準で評価し
た。 〇:W<4.0×104μm3 ×:W≧4.0×104μm3
に裁断したフィルムにブレード(英国GKI製工業用カ
ミソリ試験機用ブレード)の刃先を垂直にあて、更に
1.5mm押し込み接触させて、毎分60mの速さ、入
り口テンション60gで走行させた。フィルムを50m
走行した後のブレードの磨耗量(W μm3)を走査型電
子顕微鏡(SEM)にて測定し、下記の基準で評価し
た。 〇:W<4.0×104μm3 ×:W≧4.0×104μm3
【0034】実施例および比較例で得られたフィルムを
260℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリース
チールの両面に貼合せ、水冷した後150mm径の円板
状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて3段階で深
絞り加工し、55mm径の側面無継目(以下缶と略す)
を作成した。これらの缶について、以下の試験を行い、
それぞれの基準で評価した。
260℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリース
チールの両面に貼合せ、水冷した後150mm径の円板
状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて3段階で深
絞り加工し、55mm径の側面無継目(以下缶と略す)
を作成した。これらの缶について、以下の試験を行い、
それぞれの基準で評価した。
【0035】(5)深絞り加工性−1 ○:内外面ともフィルムに異常なく加工され、缶内外面
のフィルムに微小クラックや破断が認められない。 ×:缶内外面のフィルムの一部にフィルム破断が認めら
れる。
のフィルムに微小クラックや破断が認められない。 ×:缶内外面のフィルムの一部にフィルム破断が認めら
れる。
【0036】(6)深絞り加工性−2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内面フィルム面の
防錆性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極棒を挿
入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値
を測定する。以下、ERVと略す)において0.2mA
以下を示す。 ×:内外面とも異常はないが、ERV試験で電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
防錆性試験(1%NaCl水を缶内にいれ、電極棒を挿
入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値
を測定する。以下、ERVと略す)において0.2mA
以下を示す。 ×:内外面とも異常はないが、ERV試験で電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
【0037】(7)耐衝撃割れ性 絞り成形が良好な缶について、水を満注し、各テストに
つき10個づつを高さ30cmから塩ビタイル床面に落
下した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、落下
後既にフィルムのひび割れが認められる。
つき10個づつを高さ30cmから塩ビタイル床面に落
下した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、落下
後既にフィルムのひび割れが認められる。
【0038】(8)耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を210℃×5分間加熱保
持した後、(7)に記した耐衝撃割れ性評価を行った結
果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、21
0℃×5分間加熱後、既にひび割れが認められる。
持した後、(7)に記した耐衝撃割れ性評価を行った結
果、 ○:全10個について0.2mA以下である。 △:1〜5個について0.2mAを超えている。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、21
0℃×5分間加熱後、既にひび割れが認められる。
【0039】(9)缶外面白度 フィルムとティンフリースチールとを貼合せる前に製缶
後に缶外面となるティンフリースチール面に、烏口を用
いて、長さ50mm幅がそれぞれ0.1mm、1mmの
黒線を記入しておいて製缶後、フィルムを通して黒線を
観察し、下記の基準で評価した。 ○:両黒線とも見えない。 △:一方の黒線はかすかに見えるが、他方の黒線は見え
ない。 ×:一方の黒線は見え、他方の黒線もかすかに見える。
後に缶外面となるティンフリースチール面に、烏口を用
いて、長さ50mm幅がそれぞれ0.1mm、1mmの
黒線を記入しておいて製缶後、フィルムを通して黒線を
観察し、下記の基準で評価した。 ○:両黒線とも見えない。 △:一方の黒線はかすかに見えるが、他方の黒線は見え
ない。 ×:一方の黒線は見え、他方の黒線もかすかに見える。
【0040】[実施例1〜7、比較例1〜7]表1に示
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
に同表に示す白色顔料を同表に示す量添加し、共重合ポ
リエステルを得た。これらの共重合ポリエステルを同表
に示す製膜条件で、溶融した後急冷固化して未延伸フィ
ルムとし、次いで該未延伸フィルムを同表に示す条件で
縦延伸し、横延伸し続いて熱固定して厚み22μmの二
軸配向フィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示
す。
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
に同表に示す白色顔料を同表に示す量添加し、共重合ポ
リエステルを得た。これらの共重合ポリエステルを同表
に示す製膜条件で、溶融した後急冷固化して未延伸フィ
ルムとし、次いで該未延伸フィルムを同表に示す条件で
縦延伸し、横延伸し続いて熱固定して厚み22μmの二
軸配向フィルムを得た。このフィルムの特性を表2に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から実施例のフィルムは、製膜
性、耐摩耗性、深絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性、
缶外面白色度のすべてに対して優れていることがわか
る。
性、耐摩耗性、深絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性、
缶外面白色度のすべてに対して優れていることがわか
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の金属板貼り合わせ成形加工用白
色ポリエステルフィルムは、製膜性および耐摩耗性に優
れ、かつ金属板と貼り合わせた後製缶加工例えば深絞り
加工して金属缶を成形するにあたり、深絞り加工性、製
缶後の耐衝撃性、耐熱性、缶外面白度に優れたものであ
り、金属容器用途として極めて有用である。
色ポリエステルフィルムは、製膜性および耐摩耗性に優
れ、かつ金属板と貼り合わせた後製缶加工例えば深絞り
加工して金属缶を成形するにあたり、深絞り加工性、製
缶後の耐衝撃性、耐熱性、缶外面白度に優れたものであ
り、金属容器用途として極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/02 C08L 67/02 (72)発明者 吉田 哲男 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内
Claims (3)
- 【請求項1】 硫化亜鉛を5〜40重量%含有し、融点
が210〜245℃でありかつポリマー部分の固有粘度
が0.46〜0.66の共重合ポリエステルフィルムで
あることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用白色ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項2】 硫化亜鉛の平均粒径が0.1〜0.5μ
mである請求項1記載の金属板貼合せ成形加工用白色ポ
リエステルフィルム。 - 【請求項3】 フィルムが金属板の容器外面となる表面
に貼合せられる請求項1または2記載の金属板貼合せ成
形加工用白色ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1102598A JPH11209483A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1102598A JPH11209483A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209483A true JPH11209483A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=11766569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1102598A Pending JPH11209483A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 金属板貼合せ成形加工用白色ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209483A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000058087A1 (fr) * | 1999-03-25 | 2000-10-05 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Tole de metal enduite de resine de polyester, et boite de conserve utilisant cette tole |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP1102598A patent/JPH11209483A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000058087A1 (fr) * | 1999-03-25 | 2000-10-05 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Tole de metal enduite de resine de polyester, et boite de conserve utilisant cette tole |
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