JP3190595B2 - 金属板貼合せ加工用白色積層ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ加工用白色積層ポリエステルフィルム

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JP3190595B2
JP3190595B2 JP8652697A JP8652697A JP3190595B2 JP 3190595 B2 JP3190595 B2 JP 3190595B2 JP 8652697 A JP8652697 A JP 8652697A JP 8652697 A JP8652697 A JP 8652697A JP 3190595 B2 JP3190595 B2 JP 3190595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ加工用
白色積層ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは
金属板に貼合せた後フィルムが容器の外面となるように
成形加工するのに有用な二軸配向白色積層ポリエステル
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐食防止として、一
般に塗装を施されている。最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で有機溶剤を使用せずに防錆性を
付与する手段として、熱可塑性樹脂フィルムによる被覆
が試みられている。
【0003】即ち、ブリキ、ティンフリースチール、ア
ルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネ
ートした後、絞り加工等により製缶する方法の検討が進
められている。
【0004】この熱可塑性樹脂フィルムとしてポリオレ
フィンフィルムやポリアミドフィルムが試みられたが、
成形加工性、耐熱性、保香性のすべてを満足するもので
はなかった。
【0005】そこでポリエステルフィルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフィルムがバランスのとれた特性
を有することから注目され、これをベースとしたいくつ
かの提案がなされている。すなわち、 (1)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板にラミネートし、製缶材料として用いる(特開昭
56−10451号公報、特開平1−192546号公
報)。 (2)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフィルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1−192545号公報、特開平2−5
7339号公報)。 (3)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフィルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64−22530号公報)。
【0006】しかし、いずれも十分な特性が得られず、
それぞれ次の問題がある。(1)については、二軸配向
ポリエチレンテレフタレートフィルムは耐熱性、保香性
に優れるが、成形加工性が不十分であり、大きな変形を
伴う製缶加工ではフィルムに微少なクラックが発生し、
極端な場合には破断が発生する。
【0007】(2)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフィルムであるため成形
加工性は良好であるが保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌等の後処理、更には長期保存により脆
化しやすく、缶外部からの衝撃により割れやすいフィル
ムに変質する恐れがある。
【0008】(3)については、上記(1)と(2)の
中間領域で効力を発揮せんとするものであるが、未だ製
缶加工に適用可能な低配向には達していない。
【0009】また、金属容器の外面には印刷が施される
のが一般的であるが、印刷時にあらかじめ遮光の目的で
白色の塗料を下塗りし、その後印刷される。金属板にラ
ミネートする熱可塑性樹脂フィルムとして白色遮光性の
フィルムをとすることにより、白色塗料の下塗りを省略
することができるが、上記(1)、(2)、(3)の方
法において、白色顔料を添加して製造される白色フィル
ムでは、それぞれの欠点が解消されない。さらに、隠蔽
性向上のため酸化チタンを高濃度に含有する白色フィル
ムでは、フィルム自体が脆くなり延伸時の破断が多発し
製膜性が悪化したり、フィルム製膜時に使用するロール
の磨耗が問題となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、隠蔽性
に優れかつロールの磨耗が起こりにくい製缶加工用白色
ポリエステルフィルムを開発すべく鋭意研究した結果、
本発明に達した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径が
0.1〜0.5μmのルチル型酸化チタンを10〜50
wt%含有し、融点が210〜245℃でありかつポリ
マー部分の固有粘度が0.46〜0.66の共重合ポリ
エステル層(B層)、B層の一方の表面に積層した平均
粒径が0.1〜0.5μmのルチル型酸化チタンを0〜
15wt%含有し、融点が210〜245℃である共重
合ポリエステル層(A層)、及びB層のもう一方の表面
に積層した平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル型酸
化チタンを0〜15wt%含有し、融点が210〜24
5℃である共重合ポリエステル層(C層)からなる積層
ポリエステルフィルムであって、各共重合ポリエステル
層のポリマー部分の固有粘度が(1)〜(3)式を満た
し、かつ該積層フィルムのX線回折強度、見掛け密度が
それぞれ(4)式、(5)式を満足することを特徴とす
る金属板貼合せ用白色積層ポリエステルフィルムであ
る。
【0012】
【数3】 |η−ηB|<0.15 ---(1) |ηC−ηB|<0.15 ---(2) |ηA−ηC|<0.15 ---(3)
【0013】
【数4】
【0014】本発明におけるA層、B層、C層を構成す
る共重合ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテ
レフタレート共重合体、ポリエチレンイソフタレート共
重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート共重合
体、ポリブチレンテレフタレート共重合体等が挙げられ
る。これらの中、ポリエチレンテレフタレート共重合体
が好ましい。
【0015】かかる共重合ポリエステルの共重合成分
は、酸成分でもアルコール成分でもよい。該酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボ
ン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げ
ることができ、アルコール成分としては、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き
脂環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独
又は2種以上を使用することができる。これらの中、イ
ソフタル酸、セバシン酸が好ましく、イソフタル酸がさ
らに好ましい。
【0016】A層、B層、C層を構成する共重合ポリエ
ステルの共重合成分の種類と割合は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。
【0017】かかる共重合成分の割合は、その種類にも
よるが結果としてポリマー融点が210〜245℃、好
ましくは215〜235℃の範囲になる割合である。ポ
リマー融点が210℃未満では耐熱性が劣るため、製缶
後の印刷における加熱に絶えられなく好ましくない。一
方、ポリマー融点が245℃を超えると、ポリマーの結
晶性が高くなり成形加工性が損なわれるため好ましくな
い。
【0018】ここで、共重合ポリエステルの融点測定
は、Du Pont Instruments 910
DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求
める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0019】本発明の共重合ポリエステルは、公知の方
法で製造することができる。例えば共重合ポリエチレン
テレフタレートの製法としては、テレフタル酸、エチレ
ングリコールおよび共重合成分をエステル化反応させ、
次いで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポ
リエチレンテレフタレートとする方法、あるいはジメチ
ルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分
をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を
重縮合反応させ共重合ポリエチレンテレフタレートとす
る方法を好ましく挙げることができる。なお、共重合ポ
リエステルの製造の際、必要に応じて他の添加物たとえ
ば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤等も添加することができる。特に白度を向上
させようとする場合、蛍光増白剤の添加は有効である。
【0020】本発明においてB層を構成するポリマー部
分の固有粘度は0.46〜0.66であり、好ましくは
0.48〜0.64である。この固有粘度が0.46に
満たない場合、フィルム延伸時のフィルム破断が多くな
り、かつ得られた二軸配向白色ポリエステルフィルムを
金属板に貼合せた後、容器に成形する際破断を生じやす
い。また、0.66を超えるものは過剰品質であり、原
料ポリマーの生産性も低下するので不経済である。
【0021】また、A層を構成するポリマー部分の固有
粘度(ηA)及びC層を構成するポリマー部分の固有粘
度(ηC)は、両者相互の関係及びB層を構成するポリ
マー部分の固有粘度(ηB)との関係において、前述の
(1)〜(3)式を満足することが必要である。これら
各層のポリマー部分の固有粘度の差(前述の(1)〜
(3)式の左辺)が全て0.12未満であることが好ま
しく、全て0.1未満であることがさらに好ましい。各
層のポリマー部分の固有粘度の差のうち少なくとも1つ
が0.15以上であると、積層フィルムの各層で大きな
配向差を生じ、フィルムをラミネートする際ハンドリン
グが困難となり、更にはラミネートしわ等を生じるので
好ましくない。
【0022】ここで、A層、B層、C層のポリマー部分
の固有粘度の測定は、ο−クロロフェノールに溶解後、
遠心分離機により酸化チタン等のフィラーを取り除き、
35℃の温度にて測定した。
【0023】本発明においてA層、B層、C層の共重合
ポリエステルに含有させるルチル型酸化チタンは、平均
粒径が0.1μm〜0.5μmのルチル型酸化チタンで
ある。この平均粒径は、好ましくは0.2〜0.4μm
である。平均粒径が0.1μm未満では、共重合ポリエ
ステル中に均一に分散させることが困難であり、白色隠
蔽性も劣るようになる。一方、平均粒径が0.5μmよ
り大きいルチル型酸化チタンは製造が困難であり、また
製造されたものも粗大粒子が多く好ましくない。
【0024】前記ルチル型酸化チタンはその純度が95
%以上のものが好ましい。この純度が95%未満である
と高濃度で添加した場合分散性が劣り、またポリエステ
ルの分子量を著しく低下させるため好ましくない。
【0025】本発明において、B層を構成する共重合ポ
リエステルへのルチル型酸化チタンの添加含有量は10
〜50wt%、好ましくは15〜40wt%である。こ
の含有量が10wt%に満たないとフィルムの白色隠蔽
性が十分でなく、一方50wt%を超えると白色隠蔽性
が飽和して、より一層の効果の向上が見られず、かえっ
てフィルムが脆くなりフィルム延伸時のフィルム破断が
多くなり、かつ得られた二軸配向白色ポリエステルフィ
ルムを金属板に貼合せた後、容器に成形する時破断を生
じやすい。
【0026】また、A層、C層を構成する共重合ポリエ
ステルへのルチル型酸化チタンの添加含有量は、それぞ
れ0〜15wt%、好ましくはそれぞれ0〜10wt
%、更に好ましくはそれぞれ0〜6wt%である。この
含有量が15wt%を超えると、製膜工程でのロール磨
耗が発生し好ましくない。
【0027】本発明においては、ルチル型酸化チタンと
ともに他の白色顔料、例えばアルミナ、炭酸カルシウ
ム、シリカ、硫酸バリウム、アナターゼ型酸化チタン等
を用いることができる。
【0028】本発明におけるルチル型酸化チタンは、共
重合ポリエステルへ添加する前に、精製プロセスを用い
て、粒径調整、粗大粒子除去を行うことが好ましい。精
製プロセスの工業的手段としては、粉砕手段としては例
えば乾式もしくは湿式遠心分離法等が挙げられる。な
お、これらの手段は2種類以上を併用し、段階的に精製
してもよい。
【0029】共重合ポリエステルにルチル型酸化チタン
を含有させるには各種の方法を用いることができる。そ
の代表的な方法として、下記のような方法を挙げること
ができる。
【0030】(ア)共重合ポリエステル合成時のエステ
ル交換反応もしくはエステル化反応の終了前に添加、も
しくは重縮合反応開始前に添加する方法。 (イ)共重合ポリエステルに添加し、溶融混練する方
法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、ルチル型酸
化チタンを多量に添加したマスターペレットを製造し、
ルチル型酸化チタンを含有しない共重合ポリエステルと
混練し、所定量のルチル型酸化チタンを含有させる方
法。
【0031】なお、(ア)のポリエステル合成時にルチ
ル型酸化チタンを添加する方法を用いる場合には、ルチ
ル型酸化チタンをグリコールに分散したスラリーとし
て、反応系に添加することが好ましい。
【0032】本発明において白色積層ポリエステルフィ
ルムは、X線回折強度比が前述の(4)式を満足するこ
とが必要である。このX線回折強度比が0.22未満で
あると、フィルム中の酸化チタンによりボイドが多数発
生し、フィルム製膜時のフィルム破断、成形加工性の低
下を引き起こし、さらに前述の(5)式を満足すること
ができなくなるため好ましくない。逆に、X線回折強度
比が0.4を超えるとフィルム製膜時に厚み斑が発生し
やすくなるため好ましくない。
【0033】ここで、X回折強度は、次の方法により測
定を行った。X線源としてCuK−αを用いて、発散ス
リット1/2°、散乱スリット1/2°、受光スリット
0.15mm、スキャンスピード1.000°/分の条
件で測定し、Pseudo Voight ピールモデ
ルを用いた多重ピール分離法により、フィルム表面に平
行な(100)面によるX線回折強度(f(100)
【0034】
【外1】
【0035】ただし、X線回折強度は各結晶面の回折ピ
ークの面積を求め、この面積をX線回折強度とした。な
お、酸化チタン等の顔料に起因する反射ピーク(アナタ
ーゼ(101)、ルチル(110))が(100)面の
近くにあるが、これらのピークを除いて面積を求めた。
【0036】本発明における、白色積層フィルムの見掛
け密度(ρ)は前述の(5)式を満たす必要がある。
(5)式を満足することにより、フィルムの製膜性の向
上を図ることができる。一方、見掛け密度と計算密度の
比(ρ/ρ0)が0.75未満ではフィルム中のボイドが
多くなり、フィルムが脆くなるため延伸時のフィルム破
断が発生しフィルムの生産性が低下するので好ましくな
い。また、得られた二軸配向白色積層ポリエステルフィ
ルムを、金属板に貼合せた後容器に成形するとき破断や
クラック、微小欠点を生じやすい問題がある。なお、白
色積層ポリエステルフィルムの見掛け密度は、密度勾配
管を用いて測定した。
【0037】このような要件を満足するフィルムを製造
する方法の一例として、以下二軸延伸、特に逐次二軸延
伸による方法を説明するが、本発明においてはこの方法
のみに限定されるものではない。
【0038】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、各層を構成するポリエステルを別々に溶融してダイ
スより共押出し、固化前に積層融着した後、直ちに急冷
して実質的に非晶質の共重合ポリエステルシートを得
る。次にこのシートをロール加熱、赤外線加熱等で加熱
して縦方向に延伸する。このとき、延伸温度を共重合ポ
リエステルのガラス転移点(Tg)より20〜50℃高
い温度とし、延伸倍率を2.5〜3.6倍とすることが
好ましい。また縦方向に延伸する際は、2回以上に分割
して縦方向に延伸する方法が特に好ましい。横方向の延
伸は共重合ポリエステルのTgより20℃以上高い温度
から始め、共重合ポリエステルの融点(Tm)より10
0〜130℃低い温度まで昇温しながら行うのが好まし
い。横延伸の倍率は2.6〜3.7倍とすることが好ま
しい。また、熱固定の温度は150℃〜230℃の範囲
で共重合ポリエステルの融点に応じフィルム品質を調整
すべく選択するのが好ましい。また、各共重合ポリエス
テルを別々に溶融、押出してフィルム化し、未延伸状態
または該延伸方法により延伸後、積層融着させる方法な
どにより製造することもできる。
【0039】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、好ましくは厚みが6〜75μmである。さらに10
〜75μm、特に15〜50μmであることが好まし
い。この厚みが6μm未満では加工時に割れ等が生じや
すくなり、一方、75μmを超えるものは過剰品質であ
って不経済である。
【0040】本発明の白色積層ポリエステルフィルム
は、B層を芯層とし、B層の一方の表面にA層を積層
し、B層のもう一方の表面にC層を積層した3層構造の
積層フィルムである。
【0041】上記白色積層ポリエステルフィルムにおい
て、A層の厚み(XA)とB層の厚み(XB)との比(X
A/XB)及びC層の厚み(XC)とB層の厚みとの比
(XC/XB)は、それぞれ0.05〜1.0が好まし
く、0.1〜0.7がさらに好ましい。
【0042】本発明の白色積層ポリエステルフィルムが
貼合せられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリ
キ、ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切
である。金属板へのポリエステルフィルムの貼合せは、
例えば下記、の方法で行うことができる。
【0043】金属板をフィルムの融点以上に加熱して
おいてフィルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフ
ィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムにあらかじめ接着剤層をプライマーコートし
ておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては
公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−
エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いること
ができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に説明す
る。
【0045】[実施例1〜7、比較例1〜7]表1に示
す成分を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート
に同表に示す平均粒径のルチル型酸化チタンを同表に示
す量添加して、A層、B層、C層用の共重合ポリエステ
ルを得た。これらの共重合ポリエステルを、表3に示す
製膜条件で、それぞれ別々に溶融した後互いに隣接した
ダイから共押出して積層、融着させ、急冷固化して未延
伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを表3に示す
条件で縦延伸し、横延伸し続いて熱固定して厚み20μ
mの二軸配向フィルムを得た。なお、実施例1、3、4
及び7については、縦延伸を行う際に延伸倍率1.7倍
で2回にわけて延伸を行った。これらのフィルムの特徴
を表4に示す。
【0046】なお、表4中の各層の固有粘度は、各層の
共重合ポリエステルをそれぞれ単独で押出して得られた
未延伸フィルムの値である。
【0047】[比較例8、9]イソフタル酸12mol
%を共重合したポリエチレンテレフタレートに、表2に
示す平均粒径のルチル型酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウムを表2に示す量添加し、表3に示す製膜条
件で溶融押出し、急冷固化して未延伸フィルムとし、次
いで該未延伸フィルムを縦延伸し、横延伸し続いて熱固
定して厚み20μmの二軸配向フィルムを得た。これら
のフィルムの特性を表4に示す。なお、表4中の各層の
固有粘度は、各層の共重合ポリエステルをそれぞれ単独
で押出して得られた未延伸フィルムの値である。
【0048】(1)製膜性 実施例1〜7、比較例1〜9に示したフィルムの製膜性
について下記の基準で評価した。 ○:フィルム破断がほとんど発生せず安定製膜可能。 ×:フィルム破断が多数発生し製膜性が悪い。
【0049】(2)磨耗性 温度20℃、湿度60%の環境で、上記実施例及び比較
例で得られたフィルムを幅1/2インチに裁断し、この
フィルムにブレード(英国GKI製工業用カミソリ試験
機用ブレード)の刃先を垂直にあて、更に1.5mm押
し込み接触させて、毎分60mの速さ、入り口テンショ
ン60gで走行させた。フィルムを50m走行させた後
のブレードの磨耗量(W)をSEMにて測定し、下記の
基準で評価した。 〇:W<4.0×104μm3 ×:W≧4.0×104μm3
【0050】実施例及び比較例で得られたフィルムを2
60℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリースチ
ールの両面に貼合せ、水冷した後150mm径の円板状
に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて3段階で深絞
り加工し、55mm径の側面無継目(以下缶と略す)を
作成した。この缶について以下の観察及び試験を行い、
各々下記の基準で評価した。
【0051】(3)ラミネート適正 ○:しわの発生なくラミネート可能なもの。 ×:ラミネート時にしわが発生するもの。
【0052】(4)深絞り加工性−1 ○:内外面ともフィルムに異常なく加工され、缶内外面
のフィルムに微小クラックや破断が認められない。 ×:缶内外面のフィルムの一部にフィルム破断が認めら
れる。
【0053】(5)深絞り加工性−2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内面フィルム面の
防錆性試験(1%NaCl水を缶内に満たし、電極棒を
挿入し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流
値を測定する。以下、ERV試験と略す。)において
0.2mA以下を示す。 ×:内外面とも異常はないが、ERV試験で電流値が
0.2mAを超え、通電箇所を拡大観察するとフィルム
に粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認められ
る。
【0054】(6)耐衝撃割れ性 深絞り成形性が良好であった缶について、水を満注し、
各テストにつき10個づつを高さ30cmから塩化ビニ
ール製タイル床面に落下させた後、缶内のERV試験を
行い、下記の基準で評価した。 ○:全10個について電流値が0.2mA以下である。 △:1〜5個について電流値が0.2mAを超える。 ×:6個以上について電流値が0.2mAを超えるか、
あるいは落下後既にフィルムのひび割れが認められる。
【0055】(7)耐熱脆化性 深絞り成形性が良好であった缶を210℃で5分間加熱
保持した後、(6)の耐衝撃割れ性評価を行い、下記の
基準で評価した。 ○:全10個について電流値が0.2mA以下である。 △:1〜5個について電流値が0.2mAを超える。 ×:6個以上について電流値が0.2mAを超えるか、
あるいは加熱後既にひび割れが認められる。
【0056】(8)缶外面白度 実施例及び比較例で得られた白色積層ポリエステルフィ
ルムとティンフリースチールとを貼合せる前に、製缶後
に缶外面となるティンフリースチール面に烏口を用い
て、長さが50mm、幅がそれぞれ0.2mm、1.4
mmの黒線を別々に記入しておいて、製缶後白色フィル
ムを通して黒線を観察した。下記の基準で評価した。 ○:両方の黒線とも見えない。 △:一方の黒線はかすかに見えるが、もう一方の黒線は
見えない。 ×:一方の黒線が見え、もう一方の黒線もかすかに見え
る。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】表4の結果から実施例の白色積層ポリエス
テルフィルムは、製膜性、耐磨耗性、ラミネート適正、
深絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性、缶外面白色度の
すべてに対して優れていることがわかる。
【0062】
【発明の効果】本発明の金属板貼り合わせ加工用白色積
層ポリエステルフィルムは、製膜性及び耐磨耗性に優
れ、かつ金属板と貼り合わせた後製缶加工、例えば深絞
り加工して金属缶を成形するにあたり、ラミネート適
性、耐磨耗性、深絞り加工性、製缶後の耐衝撃性、耐熱
性、缶外面白度に優れたものであり、金属容器外面被覆
材として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:16 B29L 9:00 (72)発明者 吉田 哲男 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 平6−39980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.1〜0.5μmのルチル
    型酸化チタンを10〜50wt%含有し、融点が210
    〜245℃でありかつポリマー部分の固有粘度が0.4
    6〜0.66の共重合ポリエステル層(B層)、B層の
    一方の表面に積層した平均粒径が0.1〜0.5μmの
    ルチル型酸化チタンを0〜15wt%含有し、融点が2
    10〜245℃である共重合ポリエステル層(A層)、
    及びB層のもう一方の表面に積層した平均粒径が0.1
    〜0.5μmのルチル型酸化チタンを0〜15wt%含
    有し、融点が210〜245℃である共重合ポリエステ
    ル層(C層)からなる積層ポリエステルフィルムであっ
    て、各共重合ポリエステル層のポリマー部分の固有粘度
    が(1)〜(3)式を満たし、かつ該積層フィルムのX
    線回折強度、見掛け密度がそれぞれ(4)式、(5)式
    を満足することを特徴とする金属板貼合せ用白色積層ポ
    リエステルフィルム。 【数1】 |ηA−ηB|<0.15 ---(1) |ηC−ηB|<0.15 ---(2) |ηA−ηC|<0.15 −−−(3) 【数2】
  2. 【請求項2】 フィルムが、金属板の容器外面となる表
    面に貼合せられる請求項1記載の金属板貼合せ加工用白
    色積層ポリエステルフィルム。
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