JP7091737B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層を有する積層フィルムおよびその製造方法に関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料、フラットディスプレイ等に用いられる反射防止フィルム、拡散シート、プリズムシート等の光学フィルム、透明タッチパネルなど幅広く使用されている。
しかし、これらの用途においてポリエステルフィルム上に他の材料を塗布積層する場合に、使用される材料によっては接着性が悪いという欠点がある。
そこで、ポリエステルフィルムの表面に接着性を付与する方法の一つとして、ポリエステルフ
ィルムの表面に各種樹脂を塗布し、易接着性能を持つ塗布層を設ける方法が知られている。特にポリウレタン樹脂からなる塗布層を設けることで接着性の向上を図る手法が知られている。
上記の課題を解決するため、ポリエステルフィルム上に炭素-炭素2重結合を有するポリウレタン樹脂層を積層し、紫外線(UV)硬化型の上塗り層に対する接着性を付与する方法(特許文献1)や、炭素-炭素2重結合を有するポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物を用いた樹脂層を積層する方法(特許文献2)、ポリカーボネート構造を有するウレタンからなる樹脂層を積層し、上塗り層に対する接着性を付与する方法(特許文献3)などが提案されている。
特開2013-231136号公報 特開2014-128882号公報 特開2013-86499号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2では、UV硬化型の上塗り層に対して良好な接着性を有するが、熱硬化型の上塗り層に対して接着性は十分ではない。また、特許文献3のように、ポリカーボネート構造を有するウレタンからなる樹脂層によって、UV硬化型の上塗り層に対して接着性を確保し、ウレタン樹脂特有の課題である樹脂の黄変防止を達成しているが、特許文献1、特許文献2と同様に汎用接着性に課題がある。
そこで、本発明では上記の欠点を解消し、特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料に対して、汎用接着性を有し、さらに加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制することに加え、プリズムシート形成後の輝度にも優れた積層フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は次の構成からなる。すなわち、
[I]ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有する樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層が少なくとも一方の最表面にあり、前記樹脂層(X)側から測定した、波長400nm以上700nm以下の範囲における最小反射率が5.5%以上、7.0%以下であり、前記樹脂層(X)の膜厚が8nm以上、80nm以下である積層フィルム、
[II]前記樹脂層(X)が数平均粒子径3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)を含有する[I]に記載の積層フィルム、
[III]前記樹脂層(X)が芳香族ポリウレタン系樹脂を含有する[I]または[II]に記載の積層フィルム、
[IV]プリズムシート用易接着フィルムとして用いられる[I]~[III]のいずれかに記載の積層フィルム、
[V]ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)が設けられ、前記樹脂層が少なくとも一方の最表面にあり、前記樹脂層(X)側から測定した、波長400nm以上700nm以下の範囲における最小反射率が5.5%以上、7.0%以下であり、前記樹脂層(X)の膜厚が8nm以上、80nm以下である積層フィルムの製造方法であって、
ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を塗布し、加熱して得られる樹脂(α)からなる樹脂層(X)を形成せしめる工程を含む積層フィルムの製造方法、
[VI]前記樹脂組成物中における、イソシアネート化合物(B)の含有量が樹脂組成物の固形分重量全体に対して60~95質量%である[V]に記載の積層フィルムの製造方法、
[VII]前記イソシアネート化合物(B)が芳香族環を有するイソシアネートである請求項[V]または[VI]に記載の積層フィルムの製造方法、
[VIII]前記樹脂組成物中に、数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)を含有する請求項6~8のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法、
[IX]前記樹脂組成物中にメラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる1種以上の化合物(C)が含まれてなる[V]~[VIII]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法、
である。
本発明によれば、特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料に対して、汎用接着性を有し、さらに加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制し、プリズムシート形成後の輝度にも優れた積層フィルムを提供することができる。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムである。本発明の積層フィルムは、プリズム樹脂などの無溶剤塗料に対して、良好な汎用接着性を有し、当該積層フィルムをプリズムシートに用いると、プリズムシート形成後に優れた輝度を発現する。
(1)積層フィルム
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有する樹脂層(X)が設けられた積層フィルムであって、樹脂層(X)が積層された面の、400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率が5.5%以上、7.0%以下であることが必要である。
積層フィルムについて、樹脂層(X)が積層された面の、400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率が5.5%以上であると、積層フィルムをプリズムシートの基材に適用した際に、プリズムシートとして使用した際、プリズム樹脂などの無溶剤塗料に対して、汎用接着性を得ることができる。また、輝度を向上させるという効果も得ることができる。最小反射率が7.0%以下であることはポリエステルフィルムを基材として使用する上での樹脂素材の実質的な上限値となる。積層フィルムについて、樹脂層(X)が積層された面の、400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率を上記の範囲にする方法は特に限られるものでは無いが、樹脂層(X)の屈折率を高めたり、樹脂層(X)の厚みを薄く(例えば80nm以下に)すると、400nm以上、700nm以下の範囲における反射率を高くすることができ、樹脂層(X)の屈折率を低くしたり、樹脂層(X)の厚みを厚くすると、最小反射率を低くすることができる。400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率は、5.8%以上、6.7%以下であることがより好ましい。
(2)樹脂層(X)
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(X)は、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有することが必要である。樹脂層(X)は、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有することで、樹脂層(X)上に、特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際に、良好な汎用接着性を得ることができる。本発明において、樹脂層(X)が、ウレタン構造、ウレア構造を有しているかは、後述する方法により確認することができる。樹脂層(X)にウレタン構造、および/またはウレア構造を有させる方法は特に限られるものでは無いが、樹脂層(X)を構成する樹脂組成物に、芳香族ポリウレタン系樹脂を含有させることが好ましく挙げられる。芳香族ポリウレタン系樹脂を含有することで、特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際に、良好な汎用接着性だけでなく、さらに加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制することができる。なお、ウレタン構造、および/またはウレア構造は後述する樹脂(α)に含まれることが好ましいが、この限りではない。なお、ウレタン構造およびウレア構造をともに含むと、汎用接着性が向上するため、より好ましい。
また本発明の樹脂層(X)の膜厚は8nm以上、80nm以下であることが必要である。樹脂層(X)の膜厚は8nm以上とすることで、接着性に必要なウレタン構造、および/またはウレア構造を樹脂層(X)表面へ配置させることができる。一方、樹脂層(X)の膜厚を80nm以下にすることで、積層フィルムの400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率を容易に5.5%以上、7.0%以下とすることができる。より好ましくは、20nm以上70nm以下である。
なお、本発明の樹脂層(X)は、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を塗布し、加熱して得られる樹脂(α)を含有することが好ましい。また、金属酸化物粒子(A)やメラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)を含んでもよい。
(3)金属酸化物粒子(A)
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(X)は金属酸化物粒子(A)を含有していることが好ましい。金属酸化物粒子(A)を含有することで、樹脂層(X)の屈折率を高くすることができ、積層フィルムの、400nm以上、700nm以下の範囲における最小反射率を容易に5.5%以上、7.0%以下とすることができる。さらには、該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が後述する範囲であると、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が可視光の波長より十分小さいため、積層フィルムの透明性を高めることが可能となる。
本発明における金属酸化物粒子(A)とは、展性、延性に富み、電気および熱の良導体で、金属光沢をもつ元素、すなわち周期表において、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ヒ素(As)、テルル(Te)及びアスタチン(At)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素(すなわち、本発明において、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ヒ素(As)、テルル(Te)及びアスタチン(At)は金属元素に含まれない)の酸化物粒子を指す。さらに、本発明における金属酸化物粒子(A)は、前記周期表にてアルカリ土類金属類(2族)よりも右に位置する元素(アルカリ土類金属類(2族)は含まない)の酸化物粒子であることが好ましい。
このような金属酸化物粒子としては、干渉斑の抑制の観点から、高屈折率の金属酸化物粒子、このましくは屈折率1.6以上の金属酸化物粒子であるものが好適である。この高屈折率金属酸化物粒子としては、TiO、ZrO、ZnO、CeO、SnO、Sb、インジウムドープ酸化錫(ITO)、リンドープ酸化錫(PTO)、Y、La、Al、などが挙げられる。
これらの金属酸化物粒子は1種を単独で用いても良く、2種以上を組合せて用いてもよい。分散安定性や屈折率の観点から、酸化チタン粒子(TiO)および/または酸化ジルコニウム粒子(ZrO)が特に好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(X)に含有する金属酸化物粒子(A)は、数平均粒子径が3nm以上50nm以下であることが好ましい。ここで、該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径について説明する。ここで数平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により求めた粒子径をいう。倍率は50万倍とし、その画面に存在する10個の粒子の外径を、10視野について合計100個の粒子を測定した数平均粒子径である。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表す。なお、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を外径として求める。
該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が3nmよりも小さくなると、金属酸化物粒子同士のファンデルワールス力が非常に大きくなるため凝集しやすくなり、光が散乱する結果、透明性が低下することがある。一方、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が50nmよりも大きくなると、透明性の観点からは、光が散乱する起点となりヘイズが上昇したり、反射率が低下したりすることがある。該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径はより好ましくは15nm以上40nm以下である。
また、金属酸化物粒子(A)は、その表面の一部または全部にアクリル樹脂(D)を有する粒子(AD)であることが、より好ましい。樹脂層(X)が、かかる粒子(AD)を含有することにより、後述する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する際に、乾燥過程における金属酸化物粒子(A)や粒子(AD)の凝集を抑制し、更に透明性を向上することが可能となるためである。
ここで、本発明において、金属酸化物粒子(A)が、その表面に前記アクリル樹脂(D)を有する、とは、金属酸化物粒子(A)の表面の一部または全部にアクリル樹脂(D)が、吸着・付着していることをさす。
粒子(AD)の製造方法は特に限定されるものではないが、金属酸化物粒子(A)をアクリル樹脂(D)で表面処理する方法などを挙げることができ、具体的には、以下の(i)~(iv)の方法が例示される。なお、本発明において、表面処理とは、金属酸化物粒子(A)の表面の全部または一部にアクリル樹脂(D)を吸着・付着させる処理をいう。
(i)金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)をあらかじめ混合した混合物を溶媒中に添加した後、分散する方法。
(ii)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)を順に添加して分散する方法。
(iii)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)をあらかじめ分散し、得られた分散体を混合する方法。
(iv)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)を分散した後、得られた分散体に、アクリル樹脂(D)を添加する方法。
これらのいずれの方法によっても目的とする効果を得ることができる。
また、分散を行う装置としては、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ミーダー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等が使用できる。
また、分散方法としては、上記装置を用いて、回転軸を周速5~15m/sで回転させる。回転時間は5~10時間である。
また、分散時に、ガラスビーズ等の分散ビーズを用いることが分散性を高める点でより好ましい。ビーズ径は、好ましくは0.05~0.5mm、より好ましくは0.08~0.5mm、特に好ましくは0.08~0.2mmである。
混合、攪拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや攪拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
なお、金属酸化物粒子(A)の表面の全部または一部への、アクリル樹脂(D)の吸着・付着の有無は、次の分析方法により確認可能である。測定対象物(例えば、金属酸化物粒子(A)を含む樹脂組成物)を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数30000rpm、分離時間30分)、金属酸化物粒子(A)(及び金属酸化物粒子(A)の表面に吸着したアクリル樹脂(D))を沈降させた後、上澄み液を除去し、沈降物を濃縮乾固する。濃縮乾固した沈降物をX線光電子分光法(XPS)により分析し、金属酸化物粒子(A)の表面におけるアクリル樹脂(D)の有無を確認する。金属酸化物粒子(A)の表面に、金属酸化物粒子(A)の合計100質量%に対して、アクリル樹脂(D)が1質量%以上存在することが確認された場合、金属酸化物粒子(A)の表面に、アクリル樹脂(D)が吸着・付着しているものとする。
また、積層フィルムの樹脂層における、粒子(AD)の含有の有無は、積層フィルムの樹脂層側からアルゴンイオンにより1nm/minのエッチング速度(SiO換算)でエッチングしながらXPSを用いることにより、確認することができる。すなわち、金属酸化物粒子(A)の表面にアクリル樹脂(D)の存在が確認された場合、当該金属酸化物粒子(A)は粒子(AD)である。
本発明において用いられるアクリル樹脂(D)としては、下記式(1)で表されるモノマー単位(d-1)と、下記式(2)で表されるモノマー単位(d-2)と、下記式(3)で表されるモノマー単位(d-3)を有する樹脂が好ましく用いられる。
Figure 0007091737000001
(上記式(1)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また上記式(1)におけるnは、9以上34以下の整数を表す。)。
Figure 0007091737000002
(上記式(2)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、飽和の炭素環を2つ以上含む基を表す。)。
Figure 0007091737000003
(上記式(3)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、または、リン酸基を表す。)
本発明において用いられるアクリル樹脂(D)としては、式(1)で表されるモノマー単位(d-1)を有する樹脂であることが好ましい。
式(1)において、nが9未満のモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、水系溶媒(水系溶媒の詳細については、後述する。)中における金属酸化物粒子(A)の分散性が不安定となる場合がある。式(1)におけるnが9未満のモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、樹脂組成物中において金属酸化物粒子(A)が凝集または沈降したり、乾燥工程において金属酸化物粒子(A)が凝集したりすることがある。その結果、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。一方、式(1)におけるnが34を越えるモノマー単位を有するアクリル樹脂は、水系溶媒への溶解性が著しく低いので、水系溶媒中においてアクリル樹脂の凝集が起こりやすくなる。かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。また、凝集体は樹脂層の均一な形成を阻害するため、プリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際の接着性が低下することがある。
本発明において用いられるアクリル樹脂(D)が、式(1)で表されるモノマー単位(d-1)を有するための方法は特に限られるものではないが、下記式(4)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d’-1)を原料として用い、重合する方法が挙げられる。
該(メタ)アクリレートモノマー(d’-1)としては、好ましくは、下記式(4)におけるnが9以上34以下の整数で表される(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、より好ましくは11以上32以下の(メタ)アクリレートモノマー、更に好ましくは13以上30以下の(メタ)アクリレートモノマーである。
Figure 0007091737000004
(メタ)アクリレートモノマー(d’-1)は、式(4)におけるnが9以上34以下である(メタ)アクリレートモノマーであれば特に制限されないが、具体的にはデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、1-メチルトリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特にドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種で使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、本発明において用いられるアクリル樹脂(D)は、式(2)で表されるモノマー単位(d-2)を有する樹脂であることが好ましい。
式(2)において、飽和の炭素環を1つ含むモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、立体障害としての機能が不十分となり、樹脂組成物中において金属酸化物粒子(A)が凝集または沈降したり、乾燥工程において金属酸化物粒子(A)が凝集したりすることがある。
かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。また、凝集体は樹脂層の均一な形成を阻害するため、プリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際に、接着性が低下することがある。
本発明において用いられるアクリル樹脂(D)が、式(2)で表されるモノマー単位(d-2)を有するための方法は特に限られるものではないが、下記式(5)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d’-2)を原料として用い、重合する方法が挙げられる。
下記式(5)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d’-2)としては、架橋縮合環式(2つまたはそれ以上の環がそれぞれ2個の原子を共有して、結合した構造を有する)、スピロ環式(1個の炭素原子を共有して、2つの環状構造が結合した構造を有する)などの各種環状構造、具体的には、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ基などを有する化合物が例示でき、その中でも特にバインダーとの相溶性の観点から、ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0007091737000005
上記ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、イソボニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジシロクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にイソボニル(メタ)アクリレートが好ましい。
さらに、本発明において用いられるアクリル樹脂(D)は、式(3)で表されるモノマー単位(d-3)を有する樹脂であることが好ましい。
式(3)におけるR基が、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、リン酸基、のいずれも有しないモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、アクリル樹脂の水系溶媒中への相溶性が不十分となり、樹脂組成物中において、アクリル樹脂が析出したり、それに伴い金属酸化物粒子(A)が凝集または沈降したり、乾燥工程において金属酸化物粒子(A)が凝集したりすることがある。
かかる凝集体は、可視光の波長より大きいため、透明性の良好な積層フィルムを得ることができなくなる場合がある。また、凝集体は樹脂層の均一な形成を阻害するため、プリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際に、接着性が低下することがある。
本発明において用いられるアクリル樹脂(D)が、式(3)で表されるモノマー単位(d-3)を有するための方法は特に限られるものではないが、下記式(6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d’-3)を原料として用い、重合する方法が好ましい。
下記式(6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d’-3)として次の化合物が例示される。
Figure 0007091737000006
水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2、3-ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、あるいは、該モノエステル化物にε-カプロラプトンを開環重合した化合物などが挙げられ、特に2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などのα、β-不飽和カルボン酸、あるいは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと酸無水物とのハーフエステル化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
3級アミノ基含有モノマーとしては、N、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、などのN、N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN、N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、特にN、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、上記3級アミノ基含有モノマーにエピハロヒドリン、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤を作用させたものであり、具体的には、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2-(メタクリロイオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェートなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイドなどの(メタ)アクリロイルアミノアルキルトリアルキルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのテトラアルキル(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのトリアルキルベンジルアンモニウム(メタ9アクリレートなどが挙げられ、特に2-(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、ブチルアクリルアミドスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド-アルカンスルホン酸、あるいは、2-スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特に2-スルホエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸基含有アクリルモノマーとしては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の積層フィルムを製造する際には、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに、水系溶媒を含む樹脂組成物を塗布し、延伸、熱処理により結晶配向を完了させる方法が、好適に用いられる。高温での熱処理が可能であり、基材と樹脂層との接着力が向上することや、より均一で薄膜の樹脂層を設けることができるためである。この方法によって樹脂層を形成する場合には、アクリル樹脂(D)は水系溶媒に溶解、乳化、あるいは懸濁し得る水系のものが環境汚染や防爆性の点で好ましい。このような、水に溶解、乳化または懸濁が可能なアクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩等)との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合等の方法によって作製することができる。
重合開始剤としては特に限定されるものではないが一般的なラジカル重合開始剤、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物、または過酸化ベンゾイルやt-ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、あるいはアゾジイソブチロニトリル等のアゾ化合物が使用できる。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(X)における金属酸化物粒子(A)の含有量が、樹脂層(X)全体に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上25質量%以下である。金属酸化物粒子(A)の含有量を、樹脂層(X)全体に対して、5質量%以上、50質量%以下とすることで、該樹脂層の造膜性を損なうことなく、樹脂層の屈折率を向上することができる。
(4)イソシアネート化合物(B)
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層(X)は、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を加熱して得られる樹脂(α)から形成されることが好ましい。本発明で用いることのできるイソシアネート化合物(B)は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、1,6-ジイソシアネートヘキサン、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ポリオール変性ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3,3’-ビトリレン-4,4’ジイソシアネート、3,3’ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネートなどを用いることができる。特に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などのポリマーの末端や側鎖に、複数個のイソシアネート基を有する、高分子型のイソシアネート化合物を用いると、積層フィルムとしたときに、樹脂層の可撓性や強靭性が高まり好ましく用いることができる。
更に、イソシアネート基は水と反応し易いため、塗剤のポットライフなどの点で、イソシアネート基をブロック剤などでマスクしたブロックイソシアネート系化合物などを好適に用いることができる。ブロック剤は塗布後の加熱、乾燥工程の熱によって、該ブロック剤が揮散したりして、イソシアネート基が露出し、架橋反応を起こすシステムが代表的である。
また、イソシアネート基は単官能タイプでも多官能タイプでもよいが、多官能タイプのブロックポリイソシアネート系化合物の方が架橋密度を上げやすいなどの点で好適に用いることができる。好ましくは、分岐型ブロックイソシアネートが好ましい。ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などのポリマーの末端や側鎖に、複数個のイソシアネート基が分岐した状態で存在することにより、直鎖型ブロックイソシアネートよりも樹脂層(X)の架橋密度を向上させ、UV耐性のある樹脂層(X)を作成することができる。
さらに、イソシアネート化合物(B)は芳香族炭化水素構造を有することが好ましい。また、樹脂層(X)に、含有している芳香族ポリウレタン系樹脂が、芳香族炭化水素構造を有するイソシアネート化合物(B)から得られることが、樹脂層(X)の汎用接着性を有し、さらに加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制する点で好ましい。
イソシアネート化合物(B)が芳香族炭化水素構造を有することで、樹脂層(X)のUV耐性が向上し、加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制することができるだけでなく、プリズムシートとして用いる場合、樹脂(α)の屈折率を高めることでプリズムシートの輝度を向上させることができる。なお、ブロックイソシアネート基を2基以上有する低分子または高分子化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3モル付加物、ポリビニルイソシアネート、ビニルイソシアネート共重合体、ポリウレタン末端ジイソシアネート、トリレンジイソシアネートのメチルエチルケトンオキシムブロック体、ヘキサメチレンジイソシアネートの次亜硫酸ソーダブロック体、ポリウレタン末端ジイソシアネートのメチルエチルケトンオキシムブロック体、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3モル付加物へのフェノールブロック体などを用いることができる。
前記樹脂組成物中におけるイソシアネート化合物(B)の含有量は、樹脂組成物の固形分重量100質量%に対して、60質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、50質量%以上、85質量%以下である。イソシアネート化合物(B)の含有量を、樹脂組成物の固形分重量100質量%に対して、60質量%以上とすることで特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料を塗布した際に、良好な汎用接着性を得ることができる。一方、95質量%以下であることで、前述した金属酸化物粒子(A)や、後述するメラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)を樹脂(α)へ含有させることできる。
(5)樹脂(α)
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂(α)は、前述した金属酸化物粒子(A)、およびイソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を加熱したものを含有していることが好ましい。その他、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂や易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を、樹脂層(X)の特性を悪化させない程度に添加してもよい。
特に、プリズムシート用易接着フィルムとして用いる場合、樹脂(α)の屈折率を高めることでプリズムシートとして輝度が向上するため、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂は、屈折率が向上する多環芳香族炭化水素構造を有していることが好ましい。
(6)メラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)
本発明の積層フィルムにおいては、樹脂層(X)を形成する樹脂(α)に、イソシアネート化合物(B)以外に、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)を含有させることができる。化合物(C)の含有量は、樹脂層(X)を形成する樹脂(α)を100質量%とした際に、20質量%以上、90質量%以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムにおいて用いることのできるメラミン化合物(C)は、1分子中にトリアジン環、及びメチロール基をそれぞれ1つ以上有しているメラミン化合物を挙げることができる。かかるメラミン化合物(C)を用いることで、樹脂(α)にメチロール基同士の架橋構造を持たせることができる。
メラミン化合物としては具体的には、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に、低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を脱水縮合反応させてエーテル化した化合物などが好ましい。
メチロール化メラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
オキサゾリン化合物としては、オキサゾリン基またはオキサジン基を1分子当たり少なくとも1つ以上有するものであれば特に限定されないが、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーが好ましく、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリンを挙げることができる。
カルボジイミド化合物としては、例えば、下記式(7)で表されるカルボジイミド構造を1分子当たり少なくとも1つ以上有するものであれば特に限定されないが、耐湿熱接着性などの点で、1分子中に2つ以上を有するポリカルボジイミド化合物が特に好ましい。特に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などのポリマーの末端や側鎖に、複数個のカルボジイミド基を有する、高分子型のイソシアネート化合物を用いると、本発明の樹脂層をポリエステルフィルム上に設け、積層フィルムとしたときに、樹脂層の硬度向上やオリゴマー析出抑制性だけでなく、各種インキやハードコート剤などとの接着性や耐湿熱接着性、可撓性、強靭性が高まり好ましく用いることができる。
-N=C=N- 式(7)
カルボジイミド化合物の製造は公知の技術を適用することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物を触媒存在下で重縮合することにより得られる。ポリカルボジイミド化合物の出発原料であるジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環式ジイソシアネートなどを用いることができ、具体的にはトリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネートなどを用いることができる。更に本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド化合物の水溶性や水分散性を向上するために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加しても用いてもよい。
また他の化合物、例えば、アジリジン化合物、アミドエポキシ化合物、チタンキレートなどのチタネート系カップリング剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系化合物、アクリルアミド系化合物などを任意で用いることもできる。
(7)ポリエステルフィルム
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムである。ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン-2,6-ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン-2,6-ナフタレート、エチレン-α,β-ビス(2-クロロフェノキシ)エタン-4,4‘-ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。本発明では、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また熱可塑性樹脂フィルムに熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン-2,6-ナフタレートを用いることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシート又はフィルムを長手方向および長手方向に直行する幅方向に各々2.5~5倍程度延伸され、その後、熱処理を施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムが二軸配向していない場合には、積層フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなるので好ましくない。
また、ポリエステルフィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10~500μm、より好ましくは20~250μm、最も好ましくは30~150μmである。また、ポリエステルフィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
本発明の積層フィルムは、全光線透過率が88%以上であることが好ましい。積層フィルムの全光線透過率が88%以上あることで、例えばプリズム用易接着フィルムなどの光学フィルムとして好適に用いることができる。ポリエステルフィルムの実質的な全光線透過率の上限は94%であるため、88%以上94%未満であることが好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、ヘイズが0.3%以上3.0%未満であることが好ましい。積層フィルムのヘイズを上記の範囲とすることで、透明性が求められる光学フィルムへ好適に用いることができる。
(8)樹脂層(X)の形成方法
本発明の樹脂層(X)を形成させる方法は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を塗布して、加熱し、樹脂(α)を含む樹脂層(X)を形成せしめる工程によって得られるが好ましい。この形成方法において、樹脂(α)はイソシアネート化合物(B)に加えて、金属酸化物粒子(A)や、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)、イソシアネート化合物向けの架橋触媒、易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
また、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物をポリエステルフィルム上に塗布する際に、樹脂組成物には溶媒(D)が含まれていても良い。すなわち、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂(α)を溶媒(D)に溶解または分散せしめて、樹脂組成物とし、これをポリエステルフィルムに塗布しても良い。塗布後に、溶媒を乾燥させ、かつ加熱することで樹脂層(X)が積層されたフィルムを得ることができる。
ここで、水系溶媒(D)とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。本発明では、溶媒として水系溶媒(D)を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、加熱工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な樹脂層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
樹脂組成物のポリエステルフィルムへの塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができるが、好ましくはインラインコート法である。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムのAフィルム、Bフィルム、の何れかのフィルムに、樹脂組成物を塗布し、溶媒を蒸発させ、その後、ポリエステルフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸し、加熱し、ポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに、樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。この方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と、樹脂組成物の塗布と溶媒の乾燥、および加熱(すなわち、樹脂層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層の厚みをより薄くすることが容易である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、樹脂組成物を塗布し、溶媒を乾燥させ、その後、幅方向に延伸し、加熱する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による樹脂層の欠陥や亀裂が発生しづらく、透明性や平滑性に優れた樹脂層を形成できるためである。
一方、オフラインコート法とは、上記Aフィルムを一軸又は二軸に延伸し、加熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させた後のフィルム、またはAフィルムに、フィルムの製膜工程とは別工程で樹脂組成物を塗布する方法である。本発明では、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。
よって、本発明において最良の樹脂層(X)の形成方法は、水系溶媒(D)を用いた樹脂組成物を、ポリエステルフィルム上にインラインコート法を用いて塗布し、水系溶媒(D)を乾燥させ、加熱することによって形成する方法である。
(9)樹脂組成物の調整方法
樹脂組成物を作成する場合、溶媒は水系溶媒(D)を用いることが好ましい。樹脂組成物は、必要に応じて水分散化または水溶化したイソシアネート化合物(B)、必要に応じて金属酸化物粒子(A)やその他バインダー樹脂、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)および水系溶媒(D)を任意の順番で所望の重量比で混合、撹拌することで作製することができる。次いで必要に応じて易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を、樹脂組成物により設けた樹脂層の特性を悪化させない程度に任意の順番で混合、撹拌することができる。混合、撹拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや撹拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
(10)塗布方式
ポリエステルフィルムへの樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
(11)積層フィルム製造方法
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に、イソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物を塗布して、樹脂層(X)を形成せしめる工程を有する製造方法である。
以下に本発明の積層フィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを用いた場合を例として詳述するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80~120℃に加熱したロールで長手方向に2.5~5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製した樹脂組成物を塗布する。この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物のPETフィルムへの濡れ性を向上させ、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。
塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80~130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、塗液の溶媒を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1~5.0倍延伸する。引き続き150~250℃の加熱ゾーン(熱処理ゾーン)へ導き1~30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させるとともに、樹脂層の形成を完了させる。この加熱工程(熱処理工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3~15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層フィルムは透明且つ、特にプリズム樹脂のような無溶剤塗料に対して汎用接着性に優れたものになる。
(特性の測定方法および効果の評価方法)
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)全光線透過率・ヘイズの測定
一辺が5cmの正方形状の積層フィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、全光線透過率の測定はJIS「プラスチック透明材料の全光線透過率の試験方法」(K7361-1、1997年版)、ヘイズの測定はJIS「透明材料のヘーズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施する。それぞれの3点(3個)の全光線透過率およびヘイズの値を平均して、積層フィルムの全光線透過率およびヘイズの値とする。
(2)樹脂層(X)の膜厚
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、ポリエステルフィルム上の樹脂層の厚みを測定した。樹脂層の厚みは、TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から樹脂層の厚みを読み取った。合計で20点の樹脂層(X)の膜厚を測定して平均した値を樹脂層(X)の膜厚とした。
(3)数平均粒子径
金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により積層フィルムの断面構造を観察することにより求めた。倍率を50万倍とし、その画面内に存在する10個の粒子の外径を、10視野について合計100個の粒子を測定し、その平均粒子径を求めた。画面内に10個の粒子が存在しない場合は、同じ条件で別の箇所を観察し、その画面内に存在する粒子の外径を測定して、合計で100個の粒子の外径を測定して平均値とした。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
(4)反射率測定評価
A4カットサイズに裁断した積層フィルムを縦横それぞれ3分割し、合計9点を測定サンプルとして用いた。長辺側を長手方向とした。分光反射率の測定は、測定面(該樹脂層)の裏面に50mm幅の黒色光沢テープ(ヤマト(株)製 ビニ-ルテープNo.200-50-21:黒)を、気泡を噛みこまないようにサンプルとテープの長手方向を合わせて貼り合わせた後、約4cm角のサンプル片に切り出し、分光光度計(島津製作所(株)製 UV2450)で入射角5°での測定面(該樹脂層)の分光反射率を測定した。
サンプルを測定器にセットする方向は、測定器の正面に向かって前後の方向にサンプルの長手方向を合わせた。なお反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl板を用いた。反射率の測定範囲は、波長400nm~700nmが測定できる範囲を選択した。なお、測定値には、9点の平均値を用いた。
(5)初期接着性評価
無溶媒型UV硬化型樹脂を以下のように調整した。
・三洋化成(株)製“サンラッド” (登録商標)RC-610:60重量部
・三菱レイヨン(株)製“ダイヤビーム”(登録商標)UR-6530:20重量部
・日本化薬(株)製DPHA:20重量部。
無溶媒型UV硬化型樹脂、ワイヤーバーコート法で厚み約10μmになるように、積層フィルムの組成物層表面に塗布し、その後、照射強度120W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで、コンベア速度2m/分、積算強度約300mJ/cmでUV照射し、硬化させた。接着性評価は、後述のクロスカット法で行った。
<クロスカット法>
得られたUV硬化樹脂評価用サンプルに、JIS5600-5-6(1999年制定)に準拠し、カット間隔2mmで5×5の25マスの切れ目を入れる。次に、切れ目を入れた部分に、ニチバン18mmセロテープ(登録商標)(品番:CT-18S)を、切れ目が見えるようにしっかりと指でセロテープ(登録商標)を擦る。そして、樹脂層に対して約60°の角度でセロテープ(登録商標)を瞬間的に引き剥がす。マスの剥離数をカウントする。評価回数は5回とし、その平均値を求める。評価基準は以下のように定める。評価基準「A」「B」を良好な接着性と判定する。
A:マスの剥離数が1マス以下
B:マスの剥離数が1マスを超えて3マス以下
C:マスの剥離数が3マスを超えて5マス以下
D:マスの剥離数が5マスを超える。
(6)UV照射後の接着評価
前項(5)初期接着性評価で得られたUV硬化樹脂評価用サンプルを、UV硬化させる面の表面から12cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製 H03-L31)で、積算照射強度が500mJ/cm以上、1000mJ/cm以下となるように紫外線を照射し、硬化させる。その後、(5)で記載したクロスカット法によって接着評価をする。
(7)ウレタン構造、ウレア構造の確認方法
樹脂層(X)中に含まれるウレタン構造、および/またはウレア構造の確認方法は、特に特定の手法に限定されないが、以下のような方法が例示できる。例えば、フーリエ変換型赤外分光(FT-IR)と固体核磁気共鳴法(固体NMR)を併用する。FT-IRにより、ウレタン構造、および/またはウレア構造が有する各原子間の結合(例えば、アミド結合由来)に由来するピークの有無を確認する。次に、固体NMRにおいて、13C固体NMR、15N固体NMRからウレタン構造、および/またはウレア構造のC0、NHのピークの有無を確認する。さらに必要に応じて、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)により、ウレタン構造、および/またはウレア構造に由来する重量ピークの有無を確認し、総合的にウレタン構造、および/またはウレア構造が存在するか確認することが好ましい。尚、芳香族ポリウレタン系樹脂の確認方法も、ウレタン構造の同定は上記の方法で実施し、芳香族構造は、FT-IR、GC-MS、核磁気共鳴法(H-NMR)にて、総合的に確認する手法が好ましい。
(8)プリズムシート成形後の輝度測定評価
プリズムシートサンプルを以下のように作成した。前項(5)初期接着性評価で調整した無溶媒型UV硬化型樹脂組成物を、プリズムパターンに対応した金型あるいは樹脂型などの成形型に塗布し、無溶媒型UV硬化型樹脂組成物の表面を平滑化した後、積層フィルムの組成物層表面が無溶媒型UV硬化型樹脂組成物側になるよう重ね合わせ、UV照射して硬化させることによって形成した。UV照射条件は、照射強度120W/cmの紫外線ランプを用い、照射距離(ランプとインキ面の距離)12cmで、コンベア速度2m/分、積算強度約300mJ/cmとした。
表面輝度7000cd/mの性能を有するサイドライト型バックライトを用いた液晶表示装置を用いて、得られたプリズムシートサンプルをバックライトの上に、プリズムを設けた面が液晶表示部分に相対するように設置して、コニカミノルタセンシング社製CS-200を用いて輝度(cd/m)を測定し、下記式により相対輝度(%)を求める。
相対輝度(%)=(サンプルを置いた場合の測定値)/(光源のみの測定値)×100
評価基準は以下のように定める。評価基準「A」「B」を良好な輝度と判定する。
A:相対輝度が92.5%以上
B:相対輝度が90%以上92.5%未満
C:相対輝度が90%未満。
以下、実施例1~9、12、15~17は参考例とする。
(実施例1)
樹脂組成物を以下のように調整した。
・金属酸化物粒子(a-1):
酸化ジルコニア分散体(日産化学工業(株)“ナノユース”(登録商標)ZR-20AS・イソシアネート化合物(b-1):
メチルエチルケトン溶媒中で、ポリプロピレングリコール(平均分子量1100)100部に、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、平均分子量360)98部、ジメチロールプロピオン酸12.2部を添加し、反応槽系内温度75℃下で反応を行い、イソシアネート化合物を得た。次に系内温度55℃にてメチルエチルケトオキシム32部を添加し、ブロック化反応を行い、ブロック化イソシアネート化合物を得た。そのブロック化イソシアネート化合物をカセイソーダ水溶液(NaOH3.5部を水550部に溶解)で乳化した後、減圧下でメチルエチルケトン溶媒を留去して、ポリメリックMDI由来の芳香族炭化水素構造を有するイソシアネート化合物(b-1)を得た。
得られた金属酸化物粒子(a-1)、イソシアネート化合物(b-1)を表1に記載の質量部になるように調整し(合計100質量部)、さらに、ポリエステルフィルム上への塗布性を向上させるために、フッ素系界面活性剤(互応化学(株)製 プラスコート(登録商標)RY-2)を、樹脂組成物と溶媒(D)である水の合計100質量%に対して0.03質量%になるよう添加した。
・積層フィルム:
実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。
次いで、樹脂組成物を含む水溶液を一軸延伸フィルムにバーコートを用いて塗布厚み約6μmで塗布した。続いて、樹脂組成物(II)を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向の両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導いた。予熱ゾーンの雰囲気温度は90℃~100℃にし、樹脂(α)を含む水溶液に含まれる溶媒を乾燥させた。引き続き、連続的に100℃の延伸ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて235℃の熱処理ゾーンで20秒間熱処理を施し、樹脂層(X)を形成せしめ、ポリエステルフィルムの結晶配向の完了した積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの特性等を表に示す。得られた積層フィルムにおいて樹脂層(X)はウレタン構造及びウレア構造を有していた。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(実施例2、3)
金属酸化物粒子(A)とイソシアネート化合物(B)を表に記載の質量比に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(実施例4、5)
樹脂組成物の塗布厚みを変更し、樹脂層(X)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(実施例6)
樹脂組成物に、金属酸化物粒子(A)とイソシアネート化合物(B)以外に、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)として、メラミン化合物を加えた以外は実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・メラミン樹脂(DIC(株)製“WATERSOL”(登録商標) S-695)。
(実施例7)
芳香族炭化水素構造を有するイソシアネート化合物(B)を後述する(b-2)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。得られた積層フィルムにおいて樹脂層(X)はウレタン構造は有しており、ウレア構造は有していなかった。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・イソシアネート化合物(b-2):
第一工業製薬(株)製“スーパーフレックス”(登録商標) 860)。
(実施例8)
イソシアネート化合物(B)を後述する(b-3)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。得られた積層フィルムにおいて樹脂層(X)はウレタン構造は有しておらず、ウレア構造は有していた。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・イソシアネート化合物(b-3):
National Starch社製“Hydrovance”(N-(2-ヒドロキシエチル)ウレア)
(実施例9)
金属酸化物粒子(A)を数平均粒子径が50nmになるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(実施例10)
金属酸化物粒子(A)を数平均粒子径が3nmなるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
(実施例11)
金属酸化物粒子(A)を後述する(a-2)に変更し、数平均粒子径が20nmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
・金属酸化物粒子(a-2):
堺化学工業(株)製 酸化ジルコニウム粒子
(実施例12)
金属酸化物粒子(A)を数平均粒子径が20nmになるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
(実施例13)
金属酸化物粒子(A)を後述する(a-3)に変更し、数平均粒子径が20nmになるようにた以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
・金属酸化物粒子(a-3):
シーアイ化成(株)製“NanoTek”(TiO粒子)
(実施例14)
金属酸化物粒子(A)を数平均粒子径が30nmになるように変更した以外は、実施例12と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
(実施例15)
金属酸化物粒子(A)を後述する(a-4)に変更し数平均粒子径が20nmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・金属酸化物粒子(a-4):
堺化学工業(株)製“FINEX-50”(酸化亜鉛粒子)
(実施例16)
金属酸化物粒子(A)を数平均粒子径が40nmになるように変更した以外は、実施例14と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も優れるものであった。
(実施例17)
金属酸化物粒子(A)を後述する(a-5)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・金属酸化物粒子(a-5):
シーアイ化成(株)製“NanoTek”(インジウムドープ酸化錫)
(実施例18)
金属酸化物粒子(A)を(a-1)と(a-3)の2種併用に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た(粒子40質量部中、(a-1)と(a-3)は各20質量部)。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(実施例19)
金属酸化物粒子(A)に後述するアクリル樹脂(D)にて表面処理した以外は、実施例2と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。アクリル樹脂(D)で表面処理することで透明性が向上し、無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
・アクリル樹脂(D):
攪拌機、温度計、還流冷却管の備わった通常のアクリル樹脂反応槽に、溶剤としてイソプロピルアルコール100部を仕込み、加熱攪拌して100℃に保持した。
この中に、(メタ)アクリレート(d’-1)として、n=19のノナデシルメタクリレート40部、(メタ)アクリレート(d’-2)として、2個の環を有するイソボニルメタクリレート40部、その他水酸基を有する(メタ)アクリレート(d’-3)として、2-ヒドロキシエチルアクリレート20部からなる混合物を3時間かけて滴下した。そして、滴下終了後、100℃で1時間加熱し、次にt-ブチルパーオキシ2エチルヘキサエート1部からなる追加触媒混合液を仕込んだ。次いで、100℃で3時間加熱した後冷却し、アクリル樹脂(D)を得た。得られたアクリル樹脂(D)の構造式を以下に示す。(但し、この構造式は、その化学構造中にd’-1、d’-2、d’-3を有することを単に表しており、各構造単位の順序や数を規定するものではない。)
Figure 0007091737000007
(実施例20)
金属酸化物粒子(A)に実施例19に記載のアクリル樹脂(D)にて表面処理した以外は、実施例13と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。アクリル樹脂(D)で表面処理することで透明性が向上し、無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であり、さらにプリズムシート形成後に輝度も良好であった。
(比較例1)
イソシアネート化合物(B)を後述するポリエステル樹脂に変更した以外は実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例2と比較して、無溶剤樹脂に対して、初期接着性だけでなく、特にUV照射後の接着性が低下する結果であった。
・ポリエステル樹脂
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂の水分散体を調整した。
<共重合成分>
(ジカルボン酸成分)
2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル : 88モル%
5-スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム : 12モル%
(ジオール成分)
ビスフェノールS1モルに対して、
エチレンオキサイド2モルを付加した化合物 : 86モル%
1,3-プロパンジオール : 14モル%
(比較例2)
樹脂組成物の塗布厚みを変更し、樹脂層(X)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であったが、膜厚を大きくしたため最小反射率が低下し、さらにプリズムシート形成後の輝度も低下する結果であった。
(比較例3)
樹脂組成物の塗布厚みを変更し、樹脂層(X)の膜厚を表に記載の厚みに変更した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。無溶剤樹脂に対して、膜厚を小さくしたため、初期接着性、UV照射後の接着性ともに低下する結果であった。
(比較例4)
金属酸化物粒子(A)を後述するシリカ粒子に変更した以外は実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例2と比較して、無溶剤樹脂に対して、初期接着性、UV照射後の接着性ともに良好であったが、シリカ粒子を使用したため最小反射率が低下し、さらにプリズムシート形成後の輝度も低下する結果であった。
・シリカ粒子 日産化学工業(株)製コロイダルシリカ“スノーテックス(登録商標)OL”
Figure 0007091737000008
本発明は、特にプリズム樹脂などの無溶剤塗料に対して、汎用接着性を有し、さらに加工工程でのUV照射による接着性の低下を抑制し、良好な接着性を維持し、更にプリズムシート形成後に優れた輝度を発現する樹脂層を有する積層フィルムに関するものであり、ディスプレイやタッチパネル用途の光学用フィルム、特にプリズムシートへの利用が可能である。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有する樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(X)が少なくとも一方の最表面にあり、前記樹脂層(X)側から測定した、波長400nm以上700nm以下の範囲における最小反射率が5.5%以上、7.0%以下であり、前記樹脂層(X)の膜厚が8nm以上、80nm以下であり、前記樹脂層(X)が数平均粒子径3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)を含有し、前記金属酸化物粒子(A)がその表面の一部または全部にアクリル樹脂(D)を有する粒子(AD)である積層フィルム。
  2. ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、ウレタン構造、および/またはウレア構造を有する樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(X)が少なくとも一方の最表面にあり、前記樹脂層(X)側から測定した、波長400nm以上700nm以下の範囲における最小反射率が6.6%以上、7.0%以下であり、前記樹脂層(X)の膜厚が8nm以上、80nm以下である積層フィルム。
  3. 前記樹脂層(X)が芳香族ポリウレタン系樹脂を含有する請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. プリズムシート用易接着フィルムとして用いられる請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム
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