JP2011168053A - 光学用易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤を主成分とした塗布層を有し、前記ウレタン樹脂が、脂肪族ポリカーボネートジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長剤を構成成分として含み、前記鎖延長剤が炭素数4〜10の脂肪族系ジオールもしくは炭素数4〜10の脂肪族系ジアミンであり、赤外分光法による測定で、脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近/ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度の比率が0.40〜1.55とする。
【選択図】なし
Description
(1)少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤を主成分とし、前記ウレタン樹脂が、脂肪族ポリカーボネートジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長剤を構成成分として含み、前記鎖延長剤が炭素数4〜10の脂肪族系ジオールもしくは炭素数4〜10の脂肪族系ジアミンであり、前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55であることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(2)前記架橋剤が、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(3)前記塗布層中の脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤の質量比(ウレタン樹脂/架橋剤)が1/9〜9/1である、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(4)ポリエステルフィルムのヘイズが2.5%以下である、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(5)前記塗布層の乾燥後塗布量が0.02〜0.5g/m2である、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(6)前記ウレタン樹脂が、脂肪族ポリカーボネートジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長剤を構成成分として含み、脂肪族ポリカーボネートジオールの数平均分子量が1500〜4000である、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(7)前記ウレタン樹脂が、構成成分としてカルボン酸基もしくはカルボン酸塩基を有するポリオールを全ポリイソシアネート中3〜60モル%含む、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(8)前記ウレタン樹脂のカラス転移点温度が0℃未満である、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(9)前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤と粒子と界面活性剤からなる、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(10)前記塗布層がインラインコート法により形成されたものである、前記光学用易接着性ポリエステルフィルム。
(11)前記光学用易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される少なくとも1層の光学機能層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルム。
(12)前記光学機能層がアクリル系硬化樹脂からなる、前記光学用積層ポリエステルフィルム。
(13)前記光学用易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる光学用易接着性ポリエステルフィルムロール。
本発明で基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂などを用いることができる。
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムには、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤を主成分とした塗布層が形成され、赤外分光法による測定で、前記塗布層の脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55であることが重要である。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する。
本発明のウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明のウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。本発明では、ウレタン樹脂の構成成分として脂肪族系ポリカーボネートポリオールを有することを特徴とする。本発明の塗布層に脂肪族系ポリカーボネートを構成成分とするウレタン樹脂を含有させることで、耐湿熱性を向上させることができる。なお、これらウレタン樹脂の構成成分は、核磁気共鳴分析などにより特定することが可能である。
本発明において、塗布層中に架橋剤を含有させる必要がある。架橋剤を含有させることにより、高温高湿下での密着性を更に向上させることが可能になる。架橋剤としては、カルボン酸基、水酸基、アミノ基などと反応して、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合を形成するものが高温高湿処理で劣化しにくいため好ましい。逆に、エステル結合、エーテル結合を伴う場合は加水分解性を有する場合があり好ましくない。本発明で好適に用いられる架橋剤としては、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等が挙げられる。これらの中で、塗液の経時安定性、高温高湿処理下の密着性向上効果からイソシアネート系、カルボジイミド系、が好ましい。さらに、塗布層に適度な柔軟性を奏し、塗布層の応力緩和作用を好適に付与する点で、イソシアネート系架橋剤を用いることが特に好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用される。
本発明において、塗布層中に粒子を含有させることもできる。粒子は(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
本発明の光学用易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される、少なくとも1層の光学機能層を積層することにより得られる。なお、前記レンズ層としては特に形状を問わないが、例えば、プリズム状レンズ、フレネル状レンズ、マイクロレンズなどが好適に適用できる。
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
装置:FT−IR分析装置SPECTRA TECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率はJIS K 7105に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
得られた光学用易接着性ポリエステルフィルムのヘイズはJIS K 7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
得られた光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ハードコート層または光硬化型アクリル層または光硬化型ウレタン/アクリル層面(以下、光学機能層)に、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、光学機能層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をつける。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープを光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から引き剥がす作業を5回行った後、光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式から光学機能層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
得られた光学用積層ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で80℃、95%RHの環境下48時間放置した。次いで、光学用積層ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で12時間放置した。その後、前記(6)と同様の方法で光学機能層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート29.14質量部、ジメチロールブタン酸7.57質量部、数平均分子量3000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール173.29質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン5.17質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−2)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸11.12質量部、ヘキサンジオール1.97質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール143.40質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−3)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート38.41質量部、ジメチロールプロパン酸6.95質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール158.99質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン4.37質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次にγ―(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン3.84質量部、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール1.80質量部と水450gを添加して、ポリウレタンプレポリマー溶液を滴下して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分30%の水溶性シラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)を調製した。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−5)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量5000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−6)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエステルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−7)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエーテルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−8)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B)を得た。
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに水性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学製)32質量部、およびメタクリル酸メチルー32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(C)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168質量部とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(M400、平均分子量400)220質量部を仕込み、120℃で1時間、撹拌し、更に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート26質量部とカルボジイミド化触媒として3−メチルー−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド3.8質量部(全イソシイアネートに対し2重量%)を加え、窒素気流下185℃で更に5時間撹拌した。反応液の赤外スペクトルを測定し、波長2200〜2300cm−1の吸収が消失したことを確認した。60℃まで放冷し、イオン交換水を567質量部加え、固形分40質量%のカルボジイミド水溶性樹脂(D)を得た。
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 55.62質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 11.29質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 2.26質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
(ハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルム)
前記の光学用易接着性ポリエステルフィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(E)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ハードコート層形成用塗布液(E)
メチルエチルケトン 65.00質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 27.20質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 6.80質量%
(新中村化学製A−400)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
清浄に保った厚さ1mmのSUS板上(SUS304)に、下記光硬化型アクリル系塗布液を約5gのせ、フィルム試料の塗布層面と光硬化型アクリル系塗布液が接するように重ね合わせ、フィルム試料の上から幅10cm、直径4cmの手動式荷重ゴムローラーで光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を引き延ばすように圧着した。次いで、フィルム面側から、高圧水銀灯を用いて500mJ/cm2の紫外線を照射し、光硬化型ウレタン/アクリル樹脂を硬化させた。厚み20μmの光硬化型ウレタン/アクリル層を有するフィルム試料をSUS板から剥離し、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)
光硬化型アクリル樹脂 67.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型アクリル樹脂 15.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光硬化型ウレタン/アクリル樹脂 15.00質量%
(新中村化学製U−6HA)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
光硬化型ウレタン/アクリル層を有する光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を光硬化型アクリル系塗布液(G)に変更した以外は同様にして、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型アクリル系塗布液(G)
光硬化型アクリル樹脂 67.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型アクリル樹脂 30.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−8)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.04質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 16.13質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.91質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 14.51質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 0.75質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.76質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 12.90質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 1.51質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 57.35質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 8.06質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 3.76質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 59.92質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 3.23質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 6.02質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 60.79質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 1.61質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 6.77質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をシラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(B)をオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(C)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(C)をカルボジイミド水溶性樹脂(D)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ブロックポリイソシアネート水分散液(C)をイミノ・メチロールメラミン(固形分濃度70質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして光学用易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 62.82質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 5.64質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 1.13質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.04質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.02質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
Claims (10)
- 少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、
前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤を主成分とし、
前記ウレタン樹脂が、脂肪族ポリカーボネートジオールと、ポリイソシアネートと、鎖延長剤を構成成分として含み、前記鎖延長剤が炭素数4〜10の脂肪族系ジオールもしくは炭素数4〜10の脂肪族系ジアミンであり、
前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55であることを特徴とする光学用易接着性ポリエステルフィルム。 - 前記架橋剤が、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層中の脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤の質量比(ウレタン樹脂/架橋剤)が1/9〜9/1である、請求項1または2に記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムのヘイズが2.5%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層の乾燥後塗布量が0.02〜0.5g/m2である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂と架橋剤と粒子と界面活性剤からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- 前記塗布層がインラインコート法により形成されたものである、請求項1〜6のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載する光学用易接着性ポリエステルフィルムの前記塗布層に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される少なくとも1層の光学機能層を積層してなる光学用積層ポリエステルフィルム。
- 前記光学機能層がアクリル系硬化樹脂からなる、請求項8に記載の光学用積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学用易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる光学用易接着性ポリエステルフィルムロール。
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