JP5621642B2 - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、密着性と外観性に優れた易接着性ポリエステルフィルムに関する。詳しくは、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、光拡散シート、レンズシート、近赤外線遮断フィルム、透明導電性フィルム、防眩フィルムなどの光学機能性フィルムの基材として好適な易接着性ポリエステルフィルムに関する。
一般に、液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイの部材として用いられる光学機能性フィルムの基材には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリオレフィン等からなる透明な熱可塑性樹脂フィルムが用いられている。
前記の熱可塑性樹脂フィルムを各種光学機能性フィルムの基材として用いる場合には、各種用途に応じた機能層が積層される。例えば、液晶ディスプレイでは、表面の傷つきを防止する保護膜(ハードコート層)、外光の映り込みを防止する反射防止層(AR層)、光の集光や拡散に用いられるプリズム層、輝度を向上する光拡散層等の機能層が挙げられる。このような基材の中でも、特に、ポリエステルフィルムは、優れた透明性、寸法安定性、耐薬品性に優れ、比較的安価であるため各種光学機能性フィルムの基材として広く使用されている。
一般に、二軸配向ポリエステルフィルム表面は高度に結晶配向しているため、各種塗料、接着剤、インキなどとの密着性が乏しいという欠点がある。このため、従来から二軸配向ポリエステルフィルム表面に種々の方法で易接着性を付与する方法が提案されてきた。
例えば、基材のポリエステルフィルムの表面に、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アクリルグラフトポリエステルなどの各種樹脂を主たる構成成分とする塗布層を設けることにより、基材フィルムに易接着性を付与する方法が知られている(特許文献1〜4)。この塗布法の中でも、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに、前記樹脂の溶液または樹脂を分散媒で分散させた分散体を含有する水性塗布液を基材フィルムに塗工し、乾燥後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を施して、ポリエステルフィルムの配向を完了させる方法(いわゆる、インラインコート法)や、ポリエステルフィルムの製造後、該フィルムに水系または溶剤系の塗布液を塗布後、乾燥する方法(いわゆる、オフラインコート法)が工業的に実施されている。
また、特許文献5、6では、接着性向上の点から塗布液に樹脂とイソシアネート架橋剤を添加した易接着性ポリエステルフィルムも開示されている。
特開2000−141574号公報 特許第3900191号公報 特開2007−253512号公報 特開2009−220376号公報 特許第4130964号公報 特開2009−178955号公報
近年、タブレットPCやスマートフォンなどの携帯情報端末の発達により、ディスプレイの高精細化、軽量化や高い意匠性が求められている。例えば、アイコンシートなど従来はガラス素材が用いられた部材もフィルムへの置き換えが進んでいる。このような部材には意匠性の点から縁面部分などの一部を金属蒸着などにより鏡面様の金属光沢処理を施す場合がある。しかしながら、このような態様ではフィルムそのものでは視認上、全く問題がないものであっても、鏡面処理などの意匠を付与した際に微小な塗布面凹凸が観察されることがあった。
さらに、地球環境負荷の低減のためディスプレイを有する家電製品などで、従来以上の長寿命化が期待されている。そのため、部材として用いられる光学機能性フィルムにおいても、高温高湿下でも長期間、密着性を保持することが必要であると考えられた。しかしながら、上記特許文献に開示されるような易接着性フィルムは、当初は良好な密着性を示すものの、高温高湿下の長期間の使用においては密着強度の低下は避けられず、初期性能が長期間維持しないという問題があった。
また、光学設計の精密化に伴い、光学機能層を構成する光硬化型樹脂として屈折率や強度の異なる多様な樹脂組成物種が用いられるようになりつつある。そのため、多様な光硬化型樹脂に対しても同程度の密着性を示す汎用性の高い易接着性フィルムが望ましい。
本発明は上記課題に鑑み、密着性と外観性に優れ、さらに好適には、多様な光学樹脂組成物に対しても良好な密着性を有する易接着性ポリエステルフィルムを提供するものである。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である塗布層を用いることにより、密着性と外観性が向上することを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、前記の課題は、以下の解決手段により達成することができる。
(1)少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、前記塗布層が、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂であり、前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、易接着性ポリエステルフィルム。
)前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55である前記易接着性ポリエステルフィルム。
)前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜9/1である、前記易接着性ポリエステルフィルム。
)前記易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる易接着性ポリエステルフィルムロール。
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、密着性と外観性に優れ、さらに好適には、多様な光学樹脂組成物に対しても良好な密着性を有する。そのため、本発明の易接着製ポリエステルフィルムはディスプレイなどの光学部材のベースフィルムとして好適である。
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート、および共重合成分として、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分などを共重合したポリエステル樹脂などを用いることができる。
本発明で好適に用いられるポリエステル樹脂は、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。これらのポリエステル樹脂の中でも、物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。また、これらのポリエステルフィルムは二軸延伸することで耐薬品性、耐熱性、機械的強度などを向上させることができる。
また、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムは、単層であっても複層であってもかまわない。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、これらの各層には、必要に応じて、ポリエステル樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。
また、フィルムの滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性や、耐摩耗性、耐スクラッチ性などの摩耗特性を改善するために、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を含有させる場合がある。しかしながら、本発明のフィルムは光学用部材の基材フィルムとして用いるため、高度な透明性を維持しながらハンドリング性に優れていることが要求される。具体的には、光学用部材の基材フィルムとして使用する場合、易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上であることが好ましく、87%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましく、89%以上がよりさらに好ましく、90%以上が特に好ましい。
また、高い鮮明度のためには、基材フィルム中への不活性粒子の含有量はできるだけ少ない方が好ましい。したがって、フィルムの表層のみに粒子を含有させた多層構成にするか、あるいは、フィルム中に実質的に粒子を含有させず、塗布層にのみ微粒子を含有させることが好ましい実施態様である。
特に、透明性の点から、ポリエステルフィルム中に不活性粒子を事実上含有させない場合は、フィルムのハンドリング性を向上させるために、無機及び/または耐熱性高分子粒子を水系塗布液中に含有させ、塗布層表面に凹凸を形成させることも好ましい。
なお、「不活性粒子が実質上含有されていない」とは、例えば、無機粒子の場合、蛍光X線分析で粒子に由来する元素を定量分析した際に、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、最も好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。これは積極的に粒子を基材フィルム中に添加させなくても、外来異物由来のコンタミ成分や、原料樹脂あるいはフィルムの製造工程におけるラインや装置に付着した汚れが剥離して、フィルム中に混入する場合があるためである。
(塗布層)
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、ウレタン樹脂と、解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を有することが重要である。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する
上記特許文献のように、易接着性を付与するために柔軟なウレタン樹脂は好適に用いられるが、塗布層の密着性を向上させる点から架橋構造を積極的に導入し、強硬な塗布層にすることが望ましいと考えられていた。そこで、特許文献5、6のように、架橋剤として、イソシアネートを使用した例が提案されている。しかし、これらの架橋剤は、反応性が高いため水系の塗布液中で水と反応して架橋反応性を喪失したり、ウレタン樹脂と反応し、凝集物が生じやすい傾向がある。そのため、いわゆるポットライフが短く、長期間安定的に塗向することは困難であった。そこで、特許文献2のように、熱付加により解離するブロック剤で官能基をブロックしたイソシアネートが用いられる場合がある。しかしながら、未解離のブッロク剤の影響により、高温高湿下で密着性(耐湿熱性)など高い密着性が要求される場合は十分な接着性が得られない場合があった。
さらに、鏡面処理などを施した場合に視認される微小な塗布面凹凸の鋭意検討したことろ、驚くべきことに、このような微小塗布面凹凸は上記のようなブロックイソシアネートに起因することがわかった。これは、解離したブロック剤が高温により揮発する際に塗布面に微小な凹凸状のピンホールが形成されるためと考えられた。
そこで、本発明者は鋭意検討した結果、ウレタン樹脂と、解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを主成分とする塗布層を採用することにより、優れた密着性と外観性とが得られることを見出した。すなわち、解離温度が上記温度を超える場合は、熱付加によるブロック剤の解離が不十分となり十分な架橋構造が得られず密着性、特に耐湿熱性が低下するものと考えられる。また、ブロック剤の沸点が上記温度を下回る場合は、塗布層に残存じたブロック剤が熱付加により揮発し、塗布外観が低下するものと考えられる。
本発明は、上記態様により、ハードコート層、レンズ層、さらに他の光学機能層との高温高湿下での密着性(耐湿熱性)を向上させることができる。さらに、本発明の構成を以下に詳細する。
(ウレタン樹脂)
本発明のウレタン樹脂は、構成成分として、少なくともポリオール成分、ポリイソシアネート成分を含み、さらに必要に応じて鎖延長剤を含む。本発明のウレタン樹脂は、これら構成成分が主としてウレタン結合により共重合された高分子化合物である。
ポリオール成分としては、多価カルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等)の反応から得られるポリエステルポリオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等ポリエーテルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類やポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などが挙げられる。なかでも、本発明のウレタン樹脂の構成成分であるポリオール成分には、耐熱、耐加水分解性に優れる脂肪族系ポリカーボネートポリオールを含有することが好ましい。本発明の光学用途においては、黄変防止の点からも脂肪族系ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
ウレタン樹脂の構成成分として脂肪族系ポリカーボネート成分を含む場合は、光学機能層として適用可能な光硬化型樹脂を広くする点から、塗布層の赤外分光法による測定される脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55とすることが好ましい。
ベースフィルムに光学機能層を積層した場合、光学機能層を構成する光硬化型樹脂の硬化時の収縮や高温高湿処理時の膨潤により、光学機能層と塗布層との間に強い応力が生じる。係る積層フィルムを高温高湿下においた場合、光硬化型樹脂に含まれる溶媒による溶解または膨潤や加水分解により、塗布層の劣化が進行する。その結果、上記応力に耐え切れず、光学機能層が剥離し、密着性が低下すると考えられた。そのため、高温高湿下での密着性を高度に保持するためには、従来考えられてきたように、単に塗布層を強固に架橋したり、耐加水分解性を付与するだけでなく、上記応力に耐えうる柔軟性を備えることが望ましいと考えられる。しかし、単に柔軟性を有するだけでは、耐溶剤性や強度の点で問題がある。そのためこれら相反する特性を両立させることが最も望ましい。そこで、ウレタン樹脂として上記赤外分光特性を有する構成を採用することで、柔軟性と耐久性とを好適に両立を図ることができる。これにより、光硬化型樹脂の硬化時の収縮や高温高湿処理時の膨潤による応力を緩和することができるため、様々な光硬化型樹脂等で良好な密着性を得ることができ、その後の高温高湿の環境下でも、塗布層に残留した溶剤や希釈モノマーによる溶解、膨潤や加水分解などの塗布層の劣化を防止できると考えている
ここで、1460cm−1付近の吸光度(A1460)は、脂肪族系ポリカーボネート成分に含まれるメチレン基のC−H結合に特有の変角振動に由来する。よって、1460cm−1付近の吸光度(A1460)の大きさは塗布層に存在するウレタン樹脂を構成する脂肪族系ポリカーボネートポリオール成分量に依存する。一方、1530cm−1付近の吸光度(A1530)は、ウレタン成分に含まれるN−H結合に特有の変角振動に由来する。よって、1530cm−1付近の吸光度(A1530)の大きさは塗布層に存在するウレタン樹脂を構成するウレタン成分量(ウレタン結合数)に依存する。また、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、1530cm−1付近の吸光度(A1530)の大きさは塗布層に存在するウレタン樹脂と架橋剤量の総和としてのウレタン成分量(ウレタン結合数)に依存する。そのため、これらの吸光度比率(A1460/A1530)は、それぞれ異なる特性を有する両成分を特定の割合で共存していることを示すものである。本発明では、前記比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55であるが、前記比率(A1460/A1530)の下限は好ましくは0.45であり、より好ましくは0.50である。また、前記比率(A1460/A1530)の上限は好ましくは1.50であり、より好ましくは1.40であり、さらに好ましくは1.30であり、よりさらに好ましくは1.20である。前記比率(A1460/A1530)が、0.40未満の場合は、強硬なウレタン成分が多くなりすぎ、塗布層の応力緩和が低下するため耐湿熱性が低下する場合がある。また、前記比率(A1460/A1530)が、1.55を越える場合は、柔軟な脂肪族系ポリカーボネートの脂肪族成分が多くなりすぎ、塗布層の耐溶剤性が低下するため耐湿熱性が低下する場合がある。
脂肪族系ポリカーボネートポリオールとしては、脂肪族系ポリカーボネートジオール、脂肪族系ポリカーボネートトリオールなどが挙げられるが、好適には脂肪族系ポリカーボネートジオールを用いることができる。本発明のウレタン樹脂の構成成分である脂肪族系ポリカーボネートジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類の1種または2種以上と、例えば、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲンなどのカーボネート類とを反応させることにより得られる脂肪族系ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量としては、好ましくは1500〜4000であり、より好ましくは2000〜3000である。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が小さい場合は、相対的にウレタン樹脂を構成する脂肪族系ポリカーボネート成分の比率が小さくなる。そのため、前記比率(A1460/A1530)を前述の範囲にするためには、脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量を上記範囲で制御することができる。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が大きいと、脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)が増加し、脂肪族成分が増加してしまうため、耐溶剤性が低下し、密着性が低下する場合がある。脂肪族系ポリカーボネートジオールの数平均分子量が小さいと強硬なウレタン成分が増加し、光硬化型樹脂等の収縮、膨潤による応力を緩和できなくなり、密着性が低下する場合がある。
本発明のウレタン樹脂の構成成分であるポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。芳香族イソシアネートを使用した場合、黄変の問題があり、高い透明性が要求される光学用としては、好ましくない場合がある。また、脂肪族系と比較して、強硬な塗膜になるため、光硬化型樹脂等の収縮、膨潤による応力を緩和できなくなり、密着性が低下する場合がある。
前記比率(A1460/A1530)は、鎖延長剤によっても調整することができる。本発明の用いることができる。鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノアルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリコール類、あるいは水が挙げられる。ただし、主鎖の短い鎖延長剤を用いると、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)が増し、塗布層の柔軟性が低下する場合がある。よって、鎖延長剤としては主鎖の長いものが好ましい。また、塗布層の柔軟性を付与する点では、脂肪族系で主鎖の炭素数が4〜10の長さのジオールやジアミンの鎖延長剤が好ましい。これらの点から、本発明に用いる鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレンジアミンなどが好適である。
本発明の塗布層は、水系の塗布液を用い後述のインラインコート法により設けることが好ましい。そのため、本発明のウレタン樹脂は水溶性であることが望ましい。なお、前記の「水溶性」とは、水、または水溶性の有機溶剤を50質量%未満含む水溶液に対して溶解することを意味する。
ウレタン樹脂に水溶性を付与させるためには、ウレタン分子骨格中にスルホン酸(塩)基又はカルボン酸(塩)基を導入(共重合)することができる。スルホン酸(塩)基は強酸性であり、その吸湿性能により耐湿性を維持するのが困難な場合があるので、弱酸性であるカルボン酸(塩)基を導入するのが好適である。また、ポリオキシアルキレン基などのノニオン性基を導入することもできる。
ウレタン樹脂にカルボン酸(塩)基を導入するためには、例えば、ポリオール成分として、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などのカルボン酸基を有するポリオール化合物を共重合成分として導入し、塩形成剤により中和する。塩形成剤の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのN−アルキルモルホリン類、N−ジメチルエタノールアミン、N−ジエチルエタノールアミンなどのN−ジアルキルアルカノールアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるし、2種以上併用することもできる。
水溶性を付与するために、カルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物を共重合成分として用いる場合は、ウレタン樹脂中のカルボン酸(塩)基を有するポリオール化合物の組成モル比は、ウレタン樹脂の全ポリイソシアネート成分を100モル%としたときに、3〜60モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることが好ましい。前記組成モル比が3モル%未満の場合は、水分散性が困難になる場合がある。また、前記組成モル比が60モル%を超える場合は、耐水性が低下するため耐湿熱性が低下する場合がある。
本発明のウレタン樹脂のガラス転移点温度は30℃未満が好ましく、より好ましくは0℃未満である。ガラス転移点温度が30℃未満の場合は塗布層の応力緩和の点から好適な柔軟性を奏しやすく好ましい。
前記ウレタン樹脂は架橋剤に対して、10質量%以上90質量%以下含有することが好ましい。特に、レンズ層のように高い密着性が求められる場合、より好ましくは20質量%以上80質量%以下である。ウレタン樹脂の含有量が多い場合には、高温高湿下での密着性が低下し、逆に、含有量が少ない場合には、初期での密着性が低下する。
本発明のウレタン樹脂には耐溶剤性を向上させるために、架橋剤の添加に加えてウレタン樹脂自体に自己架橋基を導入しても良い。これにより、樹脂の架橋度が増し、耐溶剤性が向上する。本発明に用いる自己架橋基としては特に限定されないが、水系塗布液中でも比較的安定性なシラノール基を好適に用いることができる。
本発明のウレタン樹脂は、接着性を向上させるために2種類以上含有させても良い。
本発明のウレタン樹脂以外の樹脂でも、密着性を向上させるために含有させても良い。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
(ブロックイソシアネート)
本発明において、塗布層中に解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロックイソシアネートを含有させる必要がある。ブロックイソシアネートはポリイソシアネートとブッロク剤を反応させることで得られる。なお、解離温度、沸点は示差熱分析により測定することができる。
ブロックイソシアネートの解離温度は130℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましく、120℃以下がよりさらに好ましい。ブロック剤は塗布液の塗布後の乾燥工程やインラインコート法の場合はフィルム製膜工程における熱付加により官能基と解離し、再生イソシアネート基が生成される。そのため、ウレタン樹脂などとの架橋反応が進行し、常温、高温高湿下での接着性が向上する。ブロックイソシアネートの解離温度が上記温度以下である場合は、ブロック剤の解離が十分進行するため、接着性、特に耐湿熱性が良好となる。解離温度の上限は、塗布液の安定化のため室温以上であれば特に限定しないが、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。
ブロック剤は活性水素を分子内に1個有する化合物が好適に用いられる。この場合、解離温度を上記のように比較的低くするためには、高い電子密度が得られるブロック剤を採用することが好ましい。例えば、分子内に複素環やそれに類似した構造を有するブロック剤などが好適に用いられる。
ブロック剤の沸点は180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、210℃以上がよりさらに好ましい。ブロック剤の沸点が高い程、塗布液の塗布後の乾燥工程やインラインコート法の場合はフィルム製膜工程における熱付加によってもブロック剤の揮発が抑制され、微小な塗布面凹凸による塗布面外観欠点が良好になり、塗布外観や透明性が向上する。ブロック剤の沸点の上限は特に限定しないが、生産性の点から300℃程度が上限であると思われる。沸点は分子量と関係するため、ブロック剤の沸点を高くするためには、分子量の大きなブロック剤を用いることが好ましく、ブロック剤の分子量は50以上が好ましく、60以上がより好ましく、80以上がさらに好ましい。
本発明のブロックイソシアネートに用いる解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上であるブロック剤としては、
重亜硫酸塩系化合物:重亜硫酸ソーダなど、
ピラゾール系化合物:3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ブロモー3,5−ジメチルピラゾール、4−ニトロー3,5−ジメチルピラゾールなど、
活性メチレン系:マロン酸ジエステル(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジ2−エチルヘキシル)等。
トリアゾール系化合物:1,2,4−トリアゾールなど
が挙げられる。なかでも、耐湿熱性、黄変の点から、ピラゾール系化合物が好ましい。
本発明のブロックイソシアネートの前駆体であるポリイソシアネートは、ジイソシアネートを導入して得られる。例えば、ジイソシアネートのウレタント変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類が挙げられる。透明性、接着性、耐湿熱性の点から、脂肪族、脂環式イソシアネートやこれらの変性体が好ましい。芳香族イソシアネートを使用した場合、黄変の問題があり、高い透明性が要求される光学用としては、好ましくない場合がある。また、脂肪族系と比較して、強硬な塗膜になるため、光硬化型樹脂等の収縮、膨潤による応力を緩和できなくなり、密着性が低下する場合がある。
本発明のブロックイソシアネートは、水溶性、または、水分散性を付与するために前駆体であるポリイソシアネートに親水基を導入することができる。親水基としては、(1)ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩やジアルキルアミノアルキルアミンの四級アンモニウム塩など、(2)スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩など、(3)アルコキシ基で片末端封鎖されたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。親水性部位を導入した場合は(1)カチオン性、(2)アニオン性、(3)ノニオン性となる。なかでも、他の水溶性樹脂はアニオン性のものが多いため、容易に相溶できるアニオン性やノニオン性が好ましい。また、アニオン性は他の樹脂との相溶性に優れ、ノニオン性はイオン性の親水基をもたないため、耐湿熱性を向上させるためにも好ましい。また、アニオン性やカチオン性のものは他の樹脂と凝集、もしくは自己凝集し、透明性や外観性に影響する場合があるため、上記のなかでもノニオン性のものがより好ましい。
アニオン性の親水基としては、ポリイソシアネートに導入するための水酸基、親水性を付与するためのカルボン酸基を有するものが好ましい。例えば、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、オキシ酪酸、オキシ吉草酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、カルボン酸基を有するポリカプロラクトンが挙げられる。カルボン酸基を中和するには、有機アミン化合物が好ましい。例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミンなどの炭素数1から20の直鎖状、分岐状の1,2または3級アミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、ピリジンなどの環状アミン、モノイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの水酸基含有アミンなどが挙げられる。
ノニオン性の親水基としては、アルコキシ基で片末端封鎖されたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの繰り返し単位が3〜50が好ましく、より好ましくは、5〜30である。繰り返し単位が小さい場合は、樹脂との相溶性が悪くなり、ヘイズが上昇し、大きい場合は、高温高湿下の接着性が低下する場合がある。
本発明のブロックイソシアネートは水分散性向上のために、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性界面活性剤を添加することができる。例えばポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン系、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカチオン系、カルボン酸アミン塩、スルホン酸アミン塩、硫酸エステル塩等の界面活性剤などが挙げられる。
また、水以外にも水溶性の有機溶剤を含有することができる。例えば、反応に使用した有機溶剤やそれを除去し、別の有機溶剤を添加することもできる。
塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)は1/9〜9/1が好ましく、1/9〜8/2がより好ましく、2/8〜6/4がよりさらに好ましい。また、塗布層の固形成分中のブロックイソシアネートの含有量としては、10質量%以上90質量%以下が好ましい。より好ましくは、20質量%以上80質量%以下である。少ない場合には、塗布層の耐溶剤性が低下し、高温高湿下での密着性が低下し、多い場合には、塗布層の樹脂の柔軟性が低下し、常温、高温高湿下での密着性が低下する。ブロックイソシアネートは2種類以上を組み合わせても良いし、2種類以上のブロック剤を組合せも良い。その際は、少なくとも1種のブロックイソシアネートは本発明の規定を満足する必要がある。
本発明において、塗膜強度を向上させるために、2種類の架橋剤を混合させても良い。混合させる架橋剤としては、メラミン系、エポキシ系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等が挙げられる。塗液の経時安定性、高温高湿処理下の密着性向上効果からカルボジイミド系、オキサゾリン系が好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用される。
(添加剤)
本発明において、塗布層中に粒子を含有させることもできる。粒子は(1)シリカ、カオリナイト、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、等の無機粒子、(2)アクリルあるいはメタアクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、ナイロン、スチレン/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリスチレン/アクリル系、ポリスチレン/イソプレン系、ポリスチレン/イソプレン系、メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート系、メラミン系、ポリカーボネート系、尿素系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、ジアリルフタレート系、ポリエステル系等の有機粒子が挙げられる。
前記粒子は、平均粒径が1〜500nmのものが好適である。平均粒子径は特に限定されないが、フィルムの透明性を維持する点から1〜100nmであれば好ましい。
前記粒子は、平均粒径の異なる粒子を2種類以上含有させても良い。
なお、上記の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、塗布層の断面に存在する10ヶ以上の粒子の最大径を測定し、それらの平均値として求めることができる。
粒子の含有量としては、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。少ない場合は、十分な耐ブロッキング性を得ることができない。また、対スクラッチ性が悪化してしまう。多い場合は、塗布層の透明性が悪くなるだけでなく、塗膜強度が低下する。
塗布層には、コート時のレベリング性の向上、コート液の脱泡を目的に界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系などいずれのものでも構わないが、シリコン系、アセチレングリコール系又はフッ素系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、光学機能層との密着性を損なわない程度の範囲、例えば、塗布液中に0.005〜0.5質量%の範囲で含有させることも好ましい。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、ヘイズ値が2.0%以下であることが好ましく、より好ましくは1.8%以下であり、さらに好ましくは1.5%以下である。なお、高い透明性を得るためには、前記ウレタン樹脂の平均粒子系を小さくすることが好ましい。これにより樹脂の分散性・相溶性が向上し、高い透明性が得られる。透明性の点から、塗布層に用いるウレタン樹脂の平均粒子系は150nm以下が好ましく、より好ましくは、100nm以下である。
塗布層に他の機能性を付与するために、封止材との接着性を損なわない程度の範囲で、各種の添加剤を含有させても構わない。前記添加剤としては、例えば、蛍光染料、蛍光増白剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、抑泡剤、消泡剤、防腐剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を設ける方法としては、溶媒、粒子、樹脂を含有する塗布液をポリエステルフィルムに塗布、乾燥する方法が挙げられる。溶媒として、トルエン等の有機溶剤、水、あるいは水と水溶性の有機溶剤の混合系が挙げられるが、好ましくは、環境問題の点から水単独あるいは水に水溶性の有機溶剤を混合したものが好ましい。
(易接着性ポリエステルフィルムの製造)
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、当然これに限定されるものではない。
塗布層は、製膜したフィルムもしくはフィルム製造工程の任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、塗布液を塗布し、形成する。特に、ブロック剤の解離のために高い熱付加が可能なフィルム製増工程での塗布(インラインコート法)が好ましい。塗布層はPETフィルムの両面に形成させても特に問題はない。塗布液中の樹脂組成物の固形分濃度は、2〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは4〜15重量%である。
塗布液をPETフィルムに塗布するための方法は、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ダイコーター法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法、カーテンコート法、などが挙げられる。これらの方法を単独で、あるいは組み合わせて塗工する。
インラインコート法による場合、塗布層は未延伸あるいは一軸延伸後のPETフィルムに前記塗布液を塗布、乾燥した後、少なくとも一軸方向に延伸し、次いで熱処理を行って形成させる。
本発明において、最終的に得られる塗布層の厚みは20〜350nm、乾燥後の塗布量は、0.02〜0.5g/mであることが好ましい。塗布層の塗布量が0.02g/m未満であると、接着性に対する効果がほとんどなくなる。一方、塗布量が0.5g/mを越えると、ヘイズが増加してしまう。
基材となるフィルムは、PETフィルムを例にすると、以下のようにして得ることができる。PET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、PET樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことが好ましい。
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱されたテンター内の熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸し、テンター内の熱処理ゾーンに導き、熱処理を行う。本発明のブロックイソシアネートが熱付加により好適にブロック剤が解離するために、熱処理の際のテンター内の最高温度および熱処理時間は160℃以上、1秒以上が好ましく、180℃以上、5秒以上がより好ましい。また、ブロック剤の揮発を好適に抑制するために、熱処理の際のテンター内の最高温度および熱処理温度は250℃以下、60秒以下が好ましく、240℃以下、50秒以下がより好ましい。なお、上記熱処理時間は延伸後におけるテンター内の熱処理ゾーンから冷却ゾーンまでの滞在時間をいう。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる易接着性ポリエステルフィルムロールも本発明の好適な態様である。本発明の塗布層は、架橋剤の添加により耐ブロッキング性が良好なため、生産性向上のためにロール体とした場合であっても好適に用いることができる。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムの厚さは特に限定されないが、25〜500μmの範囲で、使用する用途の規格に応じて任意に決めることができる。易接着性ポリエステルフィルムの厚みの上限は、400μmが好ましく、特に好ましくは350μmである。一方、フィルム厚みの下限は、50μmが好ましく、特に好ましくは75μmである。フィルム厚みが25μm未満では、機械的強度が不十分となりやすい。一方、フィルム厚みが500μmを超えるとロール状に巻き取ることが困難になりやすい。
本発明の易接着性ポリエステルフィルムをロールとする場合には、その巻き長及び幅は、当該フィルムロールの用途により適宜決定される。フィルムロールの巻き長は1500m以上が好ましく、より好ましくは1800m以上である。また、巻き長の上限としては5000mが好ましい。また、フィルムロールの幅は500mm以上であることが好ましく、より好ましくは800mmである。なお、フィルムロールの幅の上限としては2000mmが好ましい。
(光学用積層フィルム)
本発明の光学用積層ポリエステルフィルムは、前述のポリエステルフィルムの塗布層の少なくとも片面に、ハードコート層、光拡散層、レンズ層、電磁波吸収層、近赤外線遮断層、透明導電層から選択される、少なくとも1層の光学機能層を積層することにより得られる。なお、前記レンズ層としては特に形状を問わないが、例えば、プリズム状レンズ、フレネル状レンズ、マイクロレンズなどが好適に適用できる。
前記光学機能層に用いられる材料は特に限定されるものではなく、乾燥、熱、化学反応、もしくは電子線、放射線、紫外線のいずれかを照射することによって重合、および/または反応する樹脂化合物を用いることができる。このような、硬化性樹脂としては、メラミン系、アクリル系、シリコン系、ポリビニルアルコール系の硬化性樹脂が挙げられるが、高い表面硬度もしくは光学設計を得る点で光硬化性型のアクリル系硬化性樹脂が好ましい。このようなアクリル系硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレート系モノマーやアクリレート系オリゴマーを用いることができ、アクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。これらアクリル系硬化性樹脂に反応希釈剤、光重合開始剤、増感剤などを混合することで、前記光学機能層を形成するためのコート用組成物を得ることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、前記光学用途以外でも良好な接着強度が得られうる。具体的には、写真感光層、ジアゾ感光層、マット層、磁性層、インクジェットインキ受容層、ハードコート層、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、印刷インキやUVインキ、ドライラミネートや押し出しラミネート等の接着剤、金属あるいは無機物またはそれらの酸化物の真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、プラズマ重合等で得られる薄膜層、有機バリアー層等が挙げられる。
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
(1)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
(2)解離温度、沸点
ブロックイソシアネートの解離温度は示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)によりDSC分析にて測定し、ブロック剤の沸点は熱重量・示差熱分析(TG/DTA)により測定した。なお、沸点の測定は1気圧下で行なった。
(3)ガラス転移点温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
(4)赤外分光法による吸光度測定
得られた易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
(測定条件)
装置:FT−IR分析装置SPECTRA TECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
(5)易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率
得られた易接着性ポリエステルフィルムの全光線透過率はJIS K 7105に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
(6)易接着性ポリエステルフィルムのヘイズ
得られた易接着性ポリエステルフィルムのヘイズはJIS K 7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
(7)接着性
得られた光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ハードコート層または光硬化型アクリル層または光硬化型ウレタン/アクリル層面(以下、光学機能層)に、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、光学機能層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をつける。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープを光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から引き剥がす作業を5回行った後、光学用積層ポリエステルフィルムの光学機能層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式から光学機能層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
(8)耐湿熱性
得られた光学用積層ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で80℃、95%RHの環境下48時間放置した。次いで、光学用積層ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で12時間放置した。その後、前記(7)と同様の方法で光学機能層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%、または、光学機能層の材破
○:99〜90%
△:89〜70%
×:69〜0%
(9)外観性
ハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムのハードコート層面に約100Å厚みの金属(Al)蒸着を施した。金属蒸着面を下に、ブロムライト(VIDEO LIGHT VLG301 100V 300W LPL社製)を用いてフィルム面に対して約10°から45°の範囲で照射し、目視観察により次の5段階で評価した。
○:塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感がなく、クリアな鏡面感がある
△:塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感があまりない。
×: 塗布面微小突起に起因する塗布層面のチラチラ感がある。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−1の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−2の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート29.14質量部、ジメチロールブタン酸7.57質量部、数平均分子量3000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール173.29質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン5.17質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−2)を調製した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−3の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジシクロヘキシルジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸11.12質量部、ヘキサンジオール1.97質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール143.40質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450質量部を添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−3)を調製した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするシラノール基含有ウレタン樹脂A−4の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート38.41質量部、ジメチロールプロパン酸6.95質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール158.99質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン4.37質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次にγ―(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン3.84質量部、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール1.80質量部と水450質量部を添加して、ポリウレタンプレポリマー溶液を滴下して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分30%の水溶性シラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)を調製した。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−5の重合)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−5)を得た。
(脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂A−6の重合)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量5000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−6)を得た。
(ポリエステルポリオールを構成成分とするウレタン樹脂の重合A−7)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエステルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−7)を得た。
(ポリエーテルポリオールを構成成分とするウレタン樹脂の重合A−8)
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエーテルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂(A−8)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−1の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)52.21質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)20.72質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.08質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−2の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたビウレット構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネート24A−100)52.54質量部にポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 1000)19.78質量部素雰囲気下、70℃で5時間保持した。その後、3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)27.67質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、ジプロピレングリコールジメチルエーテル25質量部、水125質量部を加え、30℃で高速攪拌し、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−3の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)66.04質量部、N−メチルピロリドン17.50質量部に3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)25.19質量部を滴下し、素雰囲気下、70℃で1時間保持した。その後、ジメチロールプロパン酸5.27質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認後、N,N−ジメチルエタノールアミン5.59質量部、水132.5質量部を加え、固形分40質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−4の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をマロン酸ジエチル(解離温度:120℃、沸点199℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−5の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)を得た。
(ブロックポリイソシアネート架橋剤B−6の重合)
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)の3,5−ジメチルピラゾール(解離温度:120℃、沸点:218℃)をメチルエチルケトオキシム(解離温度:140℃、沸点:152℃)に変更した以外は、同様の方法で固形分40%のブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)を得た。
実施例1
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 53.66質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 11.29質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 4.23質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
(2)易接着性ポリエステルフィルムの製造
フィルム原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/gで、かつ粒子を実質上含有していないPET樹脂ペレットを、133Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った回転冷却金属ロール上で急冷密着固化させ、未延伸PETシートを得た。
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
次いで、前記塗布液をロールコート法でPETフィルムの片面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/mになるように調整した。引続いてテンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、熱処理ゾーンにおいて最高温度230℃で20秒間の熱処理を行い、さらに230℃で10秒間3%の幅方向の弛緩処理を行なった。両端をトリミングし、巻き取り装置にて巻き取り、さらにこれを幅方向に2等分してスリットし、幅1300mm、フィルム長さ3000m、フィルム厚さ100μmのフィルムロールを得た。得られた易接着性ポリエステルフィルムについての評価結果を表1に示す。
(3)光学用積層ポリエステルフィルムの製造
(ハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルム)
前記の易接着性ポリエステルフィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(E)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層を有する光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
ハードコート層形成用塗布液(E)
メチルエチルケトン 65.00質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 27.20質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレンジアクリレート 6.80質量%
(新中村化学製A−400)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
(光硬化型ウレタン/アクリル層を有する光学用積層ポリエステルフィルム)
清浄に保った厚さ1mmのSUS板上(SUS304)に、下記光硬化型アクリル系塗布液を約5gのせ、フィルム試料の塗布層面と光硬化型アクリル系塗布液が接するように重ね合わせ、フィルム試料の上から幅10cm、直径4cmの手動式荷重ゴムローラーで光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を引き延ばすように圧着した。次いで、フィルム面側から、高圧水銀灯を用いて500mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化型ウレタン/アクリル樹脂を硬化させた。厚み20μmの光硬化型ウレタン/アクリル層を有するフィルム試料をSUS板から剥離し、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)
光硬化型アクリル樹脂 67.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型ウレタン/アクリル樹脂 20.00質量%
(新中村化学製U−6HA)
光硬化型アクリル樹脂 10.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
(光硬化型アクリル層を有する光学用積層ポリエステルフィルム)
光硬化型ウレタン/アクリル層を有する光学用積層ポリエステルフィルムの光硬化型ウレタン/アクリル系塗布液(F)を光硬化型アクリル系塗布液(G)に変更した以外は同様にして、光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
光硬化型アクリル系塗布液(G)
光硬化型アクリル樹脂 77.00質量%
(新中村化学製A−BPE−4)
光硬化型アクリル樹脂 20.00質量%
(新中村化学製AMP−10G)
光重合開始剤 3.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
比較例1
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.04質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 16.13質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
比較例2
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−5)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
ブロックポリイソシアネート水分散液をブロックポリイソシアネート水分散液(B−6)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例4
ブロックポリイソシアネート水分散液をヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート水分散液(旭化成ケミカルズ製WT30−100)に変更し、塗布液を作成して24時間後に塗布した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例2
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例3
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例4
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.25質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 14.51質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 1.41質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例5
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 53.46質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 12.90質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 2.81質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例6
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.06質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 8.06質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 7.05質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例7
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.66質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 3.23質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 11.28質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例8
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 54.87質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 1.61質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B) 12.69質量%
粒子 0.71質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.07質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
実施例9
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例10
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例11
ポリウレタン樹脂をシラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例12
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例13
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−8)に変更した以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例14
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−2)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例15
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−3)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例16
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1)をブロックポリイソシアネート水分散液(B−4)に変更した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例17
塗布液を作成して、24時間後に塗布した以外は実施例1と同様にして光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例18
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして易接着性ポリエステルフィルムおよび光学用積層ポリエステルフィルムを得た。
水 61.83質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂(A−1) 5.64質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(B−1) 2.12質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
粒子 0.04質量%
(平均粒径450nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.02質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
Figure 0005621642
本発明の易接着ポリエステルフィルムは、光学機能層との密着性及び高温高湿下での密着性(耐湿熱性)に優れるため、特に光学用途に好適であり、ディスプレイなどに主として用いられる、ハードコートフィルム及び該フィルムを用いた反射防止フィルム、光拡散シート、レンズシート、近赤外線遮断フィルム、透明導電性フィルム、防眩フィルム、などの光学機能性フィルムの基材フィルムとして好適である。

Claims (4)

  1. 少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、
    前記塗布層が、ウレタン樹脂とブロックイソシアネートを主成分とし、
    前記ウレタン樹脂が、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂であり、
    前記ブロックイソシアネートの解離温度が130℃以下、かつ、ブロック剤の沸点が180℃以上である、易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近のピークの吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近のピークの吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.40〜1.55である、請求項に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 前記塗布層中のウレタン樹脂とブロックイソシアネートの質量比(ウレタン樹脂/ブロックイソシアネート)が1/9〜9/1である、請求項1又は2に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の易接着性ポリエステルフィルムを巻き取ってなる易接着性ポリエステルフィルムロール。
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