JP6630637B2 - 多層構造体およびその製造方法、それを用いた包装材および製品、ならびに電子デバイスの保護シート - Google Patents
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Description
求められている。
本発明の多層構造体は、基材(X)と、前記基材(X)上に積層された層(Z)と、前記層(Z)上に積層された層(Y)とを含む。層(Y)は、アルミニウムを含む化合物(A)(以下、単に「化合物(A)」ともいう)とリン化合物(B)との反応生成物(D)を含む。層(Z)は、樹脂骨格中にシラノール基を有するポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)との反応生成物を含む。以下の説明において、特に注釈がない限り、「多層構造体」という語句は基材(X)と層(Z)と層(Y)とを含む多層構造体を意味する。
基材(X)の材質は、特に制限されず、様々な材質からなる基材を用いることができる。基材(X)の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂;布帛、紙類等の繊維集合体;木材;ガラス等が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂および繊維集合体が好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。基材(X)の形態は、特に制限されず、フィルムまたはシート等の層状であってもよい。基材(X)としては、熱可塑性樹脂フィルムおよび紙からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、熱可塑性樹脂フィルムを含むものがより好ましく、熱可塑性樹脂フィルムであることがさらに好ましい。
層(Z)は、樹脂骨格中にシラノール基を有するポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)の反応生成物を含む。ポリオール系樹脂(K)は、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、およびポリウレタン系樹脂のいずれかを含む。イソシアネート系硬化剤(L)は、イソシアネート基を有する成分の単独もしくは混合物である。ポリオール系樹脂(K)、イソシアネート系硬化剤(L)について以下に説明する。
ポリオール系樹脂(K)は、基材(X)と層(Y)との接着強度および耐水性の点から、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、およびポリウレタン系樹脂が好ましく、特に好ましくはポリウレタン系樹脂である。なお、層(Z)には、本発明の作用を阻害しない範囲で、添加剤等の他の成分を含有してもよい。
イソシアネート系硬化剤(L)は、イソシアネート成分の単独、またはイソシアネート成分とポリオール系樹脂に類する構造(前記ポリオール系樹脂(K)は除いていてもよい)をもつ高分子量成分との混合物である。硬化剤(L)に含まれるイソシアネート成分は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネート化合物である。ポリイソシアネート成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエン−2,4−ジイソシアネート(TDI)、トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート(TTI)、パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXDI)、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI)、2,4−トリレンダイマー(TT)、1,5−ナフタレンジイルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート(HMDI)、メタキシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、等のポリイソシアネート化合物等のモノマー、これらのモノマーの重合体、またはこれらのモノマーもしくはポリマーの変性体等が挙げられる。
アンカーコートによるレトルト処理後の密着性は、接着強度だけでなく加熱時の収縮率も関与する。アンカーコートの収縮率は基材(X)および無機層(層(Y)等)の収縮率に近いほど密着性が高い。適正な収縮率は基材(X)によって異なり、収縮率はポリオール樹脂(K)およびイソシアネート系硬化剤(L)の混合比によって調整することができ、またはポリオール樹脂(K)およびイソシアネート系硬化剤(L)以外の第3成分を添加することによっても調整することができる。第3成分はポリオール樹脂(K)およびイソシアネート系硬化剤(L)と同一の溶媒に溶解するものであり、シラノール基を有するポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)と溶媒とを含むコーティング液(R)の塗工性を悪化させないものであればよい。例えば、水を主とする溶媒の場合、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
層(Y)は、化合物(A)とリン化合物(B)の反応生成物(D)を含む。化合物(A)はアルミニウムを含有する化合物である。リン化合物(B)は、リン原子を含有する官能基を有する。リン化合物(B)は、無機リン化合物(BI)および/または有機リン化合物(BO)である。化合物(A)、リン化合物(B)について以下に説明する。
化合物(A)は、アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)(以下、単に「金属酸化物(Aa)」ともいう)が好ましい。
アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)は、通常、粒子の形態で無機リン化合物(BI)と反応させる。
無機リン化合物(BI)との反応の制御が容易になり、得られる多層構造体のガスバリア性が優れることから、化合物(E)は、下記一般式〔I〕で表される化合物(Ea)を少なくとも1種含むことが好ましい。
式中、R1は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、NO3、置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアシロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数5〜15のβ−ジケトナト基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアシル基を有するジアシルメチル基である。R2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である。kは1〜3の整数である。R1が複数存在する場合、R1は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。R2が複数存在する場合、R2は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
式中、M1は、アルミニウム以外の金属原子であって周期表の2〜14族に属する金属原子から選ばれる少なくとも1種の金属原子である。R3は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、NO3、置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアシロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数3〜9のアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数5〜15のβ−ジケトナト基、または置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアシル基を有するジアシルメチル基である。R4は、置換基を有していてもよい炭素数1〜9のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜9のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である。mは1〜nの整数である。nはM1の原子価に等しい。R3が複数存在する場合、R3は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。R4が複数存在する場合、R4は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
リン化合物(B)は、リン原子を含有する官能基を有する。リン化合物(B)は、無機リン化合物(BI)および/または有機リン化合物(BO)であり、無機リン化合物(BI)が好ましい。
無機リン化合物(BI)は、金属酸化物(Aa)と反応可能な部位を含有し、典型的には、そのような部位を複数含有する。無機リン化合物(BI)としては、そのような部位(原子団または官能基)を2〜20個含有する化合物が好ましい。そのような部位の例には、金属酸化物(Aa)の表面に存在する官能基(例えば、水酸基)と縮合反応可能な部位が含まれる。そのような部位としては、例えば、リン原子に直接結合したハロゲン原子、リン原子に直接結合した酸素原子等が挙げられる。金属酸化物(Aa)の表面に存在する官能基(例えば、水酸基)は、通常、金属酸化物(Aa)を構成する金属原子(M)に結合している。
有機リン化合物(BO)が有するリン原子を含む官能基としては、例えば、リン酸基、亜リン酸基、ホスホン酸基、亜ホスホン酸基、ホスフィン酸基、亜ホスフィン酸基、およびこれらから誘導される官能基(例えば、塩、(部分)エステル化合物、ハロゲン化物(例えば、塩化物)、脱水物)等が挙げられ、中でもリン酸基およびホスホン酸基が好ましく、ホスホン酸基がより好ましい。
反応生成物(D)は、アルミニウムを含む化合物(A)とリン化合物(B)との反応で得られる。アルミニウムを含む化合物(A)とリン化合物(B)とさらに他の化合物とが反応することで生成する化合物も反応生成物(D)に含まれる。反応生成物(D)としては、アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)とリン化合物(B)とが反応してなる反応生成物(Da)、アルミニウムを含む化合物(A)と無機リン化合物(BI)とが反応してなる反応生成物(Db)、アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)と無機リン化合物(BI)とが反応してなる反応生成物(Dc)が好ましく、アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)と無機リン化合物(BI)とが反応してなる反応生成物(Dc)がより好ましい。
多層構造体は、さらに無機蒸着層を含んでもよい。無機蒸着層は、無機物を蒸着することによって形成することができる。無機物としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム)、金属酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム)、金属窒化物(例えば、窒化ケイ素)、金属窒化酸化物(例えば、酸窒化ケイ素)、または金属炭化窒化物(例えば、炭窒化ケイ素)等が挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、または窒化ケイ素で形成される無機蒸着層は、酸素あるいは水蒸気に対するバリア性が優れる観点から好ましい。本発明の多層構造体中の層(Y)は、アルミニウムを含有する無機蒸着層を含んでいてもよい。例えば、層(Y)は、アルミニウムの蒸着層(Ac)および/または酸化アルミニウムの蒸着層(Ad)を含んでいてもよい。
高分子化合物(F)は、例えば、エーテル結合、カルボニル基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、およびカルボキシル基の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する重合体(Fa)であってもよい。
本発明の多層構造体について説明した事項は本発明の製造方法に適用できるため、重複する説明を省略する場合がある。また、本発明の製造方法について説明した事項は、本発明の多層構造体に適用できる。
工程(I)では、樹脂骨格中にシラノール基を有するポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)と溶媒とを含むコーティング液(R)を基材(X)上に塗工することによって層(Z)を形成する。コーティング液(R)は、ポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)と溶媒を混合することによって得られる。
工程(II)では、アルミニウムを含む化合物(A)とリン化合物(B)と溶媒とを含むコーティング液(S)を層(Z)上に塗工することによって反応生成物(D)前駆体を含む層(Y)の前駆体層を形成する。コーティング液(S)は、アルミニウムを含む化合物(A)、リン化合物(B)および溶媒を混合することによって得られる。層(Y)が、アルミニウムの蒸着層(Ac)または酸化アルミニウムの蒸着層(Ad)を含む場合には、それらの層は上述した一般的な蒸着法によって形成できる。以下、好適な実施態様として、金属酸化物(Aa)、無機リン化合物(BI)、および溶媒を用いる態様を用いて説明する。
工程(III)では、工程(II)で形成された層(Y)の前駆体層を、140℃以上の温度で熱処理することによって層(Y)を形成する。本発明では、上述した特定の溶媒含有率および平均粒子径を有する層(Y)前駆体を140℃以上の温度で熱処理することが、より優れたバリア性能を得るために重要である。工程(III)の熱処理温度は、工程(II)の乾燥温度よりも高いことが好ましい。
前記製造方法において有機リン化合物(BO)を用いる場合であって、かつ工程(II)に用いるコーティング液(S)に有機リン化合物(BO)を含まない場合、工程(II’)では、有機リン化合物(BO)および溶媒を混合することによって得たコーティング液(T)(第2コーティング液)を工程(III)で得た層(Y)上に塗工してもよい。工程(II’)では、有機リン化合物(BO)および溶媒を混合することによって得たコーティング液(T)(第2コーティング液)を工程(III)の第1熱処理工程(III−1)後の層(Y)上に塗工した後に続いて工程(III)の第2熱処理工程(III−2)に供することが好ましい。
本発明の多層構造体は、例えば、基材(X)に層(Z)を介して層(Y)を積層させた後に、さらに他の層(J)を直接または接着層を介して押出しコートラミネート法により形成することによって、押出しコートラミネートにより形成された層をさらに有することができる。本発明で用いることができる押出しコートラミネート法に特に限定はなく、公知の方法を用いてもよい。典型的な押出しコートラミネート法では、溶融した熱可塑性樹脂をTダイに送り、Tダイのフラットスリットから取り出した熱可塑性樹脂を冷却することによって、ラミネートフィルムが製造される。
本発明の多層構造体において、層(Z)以外に、さらに接着層(G)を用いて、層(Y)と他の部材(例えば、他の層(J)等)との接着性を高めることができる場合がある。接着層(G)は、接着性樹脂から構成されていてもよい。該接着性樹脂としては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを混合し反応させる2液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。接着層(G)に用いるポリオール成分は、ポリオール系樹脂(K)とは異なる。また、アンカーコーティング剤または接着剤に、公知のシランカップリング剤等の少量の添加剤を加えることによって、さらに接着性を高めることができる場合がある。シランカップリング剤としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基等の反応性基を有するシランカップリング剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。層(Y)と他の部材とを接着することによって、本発明の多層構造体に対して印刷またはラミネート等の加工を施す際に、ガスバリア性または外観の悪化をより効果的に抑制することができ、さらに、本発明の多層構造体を用いた包装材の落下強度を高めることができる。接着層(G)の厚さは0.01〜10.0μmが好ましく、0.03〜5.0μmがより好ましい。
本発明の多層構造体は、様々な特性(例えば、ヒートシール性、バリア性、力学物性)を向上させるために、他の層(J)を含んでもよい。このような本発明の多層構造体は、例えば、基材(X)に層(Z)を介して層(Y)を積層させた後に、さらに該他の層(J)を直接または接着層を介して接着または形成することによって製造できる。他の層(J)としては、例えば、インク層;ポリオレフィン層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層等の熱可塑性樹脂層等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の多層構造体の構成の具体例を以下に示す。多層構造体は基材(X)、層(Z)、層(Y)以外の他の部材(例えば、接着層(G)、他の層(J))を有していてもよいが、以下の具体例において、層(Z)および他の部材の記載は省略している。層(Z)は基材(X)上に積層され、層(Y)は層(Z)上に積層されるものである。また、以下具体例を複数層積層したり組み合わせたりしてもよい。
(1)層(Y)/ポリエステル層、
(2)層(Y)/ポリエステル層/層(Y)、
(3)層(Y)/ポリアミド層、
(4)層(Y)/ポリアミド層/層(Y)、
(5)層(Y)/ポリオレフィン層、
(6)層(Y)/ポリオレフィン層/層(Y)、
(7)層(Y)/水酸基含有ポリマー層、
(8)層(Y)/水酸基含有ポリマー層/層(Y)、
(9)層(Y)/紙層、
(10)層(Y)/紙層/層(Y)、
(11)層(Y)/無機蒸着層/ポリエステル層、
(12)層(Y)/無機蒸着層/ポリアミド層、
(13)層(Y)/無機蒸着層/ポリオレフィン層、
(14)層(Y)/無機蒸着層/水酸基含有ポリマー層、
(15)層(Y)/ポリエステル層/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(16)層(Y)/ポリエステル層/層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(17)ポリエステル層/層(Y)/ポリエステル層/層(Y)/無機蒸着層/水酸基含有ポリマー層/ポリオレフィン層、
(18)ポリエステル層/層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(19)層(Y)/ポリアミド層/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(20)層(Y)/ポリアミド層/層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(21)ポリアミド層/層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(22)層(Y)/ポリオレフィン層/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(23)層(Y)/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(24)ポリオレフィン層/層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(25)層(Y)/ポリオレフィン層/ポリオレフィン層、
(26)層(Y)/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(27)ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(28)層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(29)層(Y)/ポリエステル層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(30)ポリエステル層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(31)層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(32)層(Y)/ポリアミド層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(33)ポリアミド層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(34)層(Y)/ポリエステル層/紙層、
(35)層(Y)/ポリアミド層/紙層、
(36)層(Y)/ポリオレフィン層/紙層、
(37)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(38)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリアミド層/ポリオレフィン層、
(39)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(40)紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(41)ポリオレフィン層/紙層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(42)紙層/層(Y)/ポリエステル層/ポリオレフィン層、
(43)紙層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(44)層(Y)/紙層/ポリオレフィン層、
(45)層(Y)/ポリエステル層/紙層/ポリオレフィン層、
(46)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層/水酸基含有ポリマー層、
(47)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層/ポリアミド層、
(48)ポリオレフィン層/紙層/ポリオレフィン層/層(Y)/ポリオレフィン層/ポリエステル層、
(49)無機蒸着層/層(Y)/ポリエステル層、
(50)無機蒸着層/層(Y)/ポリエステル層/層(Y)/無機蒸着層、
(51)無機蒸着層/層(Y)/ポリアミド層、
(52)無機蒸着層/層(Y)/ポリアミド層/層(Y)/無機蒸着層、
(53)無機蒸着層/層(Y)/ポリオレフィン層、
(54)無機蒸着層/層(Y)/ポリオレフィン層/層(Y)/無機蒸着層
本発明の多層構造体およびこれを用いた包装材は、レトルト処理時にフィルム屈曲部において高い密着性を有する。また、本発明の多層構造体およびこれを用いた包装材は、ガスバリア性および水蒸気バリア性に優れるとともに、耐レトルト性に優れる。そのため、本発明の多層構造体およびこれを用いた包装材は、様々な用途に適用できる。
本発明の包装材は、基材(X)と、基材(X)上に積層された層(Z)と、前記層(Z)上に積層された層(Y)とを含む多層構造体を含む。包装材は、多層構造体のみによって構成されてもよい。すなわち、以下の説明において、「包装材」を「多層構造体」に読み替えてもよい。また、典型的には、「包装材」を「包装」と読み替えることが可能である。包装材は、多層構造体と他の部材とによって構成されてもよい。
本発明の多層構造体を含む包装材は、縦製袋充填シール袋であってもよい。一例を図1に示す。図1に示す縦製袋充填シール袋10は、本発明の多層構造体11が、2つの端部11aと胴体部11bとの三方でシールされることによって形成されている。縦製袋充填シール袋10は、縦型製袋充填機により製造できる。縦型製袋充填機による製袋には様々な方法が適用されるが、いずれの方法においても、内容物は袋の上方の開口からその内部へと供給され、その後にその開口がシールされて縦製袋充填シール袋が製造される。縦製袋充填シール袋は、例えば、上端、下端、および側部の三方においてヒートシールされた1枚のフィルム材により構成される。本発明による包装容器としての縦製袋充填シール袋は、レトルト処理時にフィルム屈曲部において高い密着性を有する。また、本発明による包装容器としての縦製袋充填シール袋は、ガスバリア性および水蒸気バリア性に優れ、レトルト処理後にもバリア性能が維持されるため、該縦製袋充填シール袋によれば、内容物の品質劣化を長期間にわたって抑制できる。
本発明の多層構造体を含む包装材はパウチであってもよい。一例を図2に示す。図2の平パウチ20は、2枚の多層構造体11が、その周縁部11cで互いに接合されることによって形成されている。本明細書において、「パウチ」という語句は、主として食品、日用品または医薬品を内容物とする、フィルム材を壁部材として備えた容器を意味する。パウチは、例えば、その形状および用途から、スパウト付きパウチ、チャックシール付きパウチ、平パウチ、スタンドアップパウチ、横製袋充填シールパウチ、レトルトパウチ等が挙げられる。パウチは、多層構造体と、少なくとも1層の他の層(J)とを積層することによって形成してもよい。本発明による包装容器としてのパウチは、レトルト処理時にフィルム屈曲部において高い密着性を有する。また、本発明による包装容器としてのパウチは、ガスバリア性および水蒸気バリア性に優れ、レトルト処理後においてもそのバリア性能が維持される。そのため該パウチを用いることによって、輸送後あるいは長期保存後においても、内容物の変質を防ぐことが可能である。また、該パウチの一例では、透明性を良好に保持できるため、内容物の確認、劣化による内容物の変質の確認が容易である。
本発明の多層構造体を含む包装材は、輸液バッグであってもよい。輸液バッグは、輸液製剤をその内容物とする容器であり、輸液製剤を収容するための内部と外部とを隔てる隔壁としてフィルム材(本発明の多層構造体)を備える。一例を図3に示す。図3に示されるように、輸液バッグ401は、内容物を収容するバッグ本体431に加え、バッグ本体431の周縁部412に口栓部材432を備えていてもよい。口栓部材432は、バッグ本体431の内部に収容された輸液類を取り出す経路として機能する。また、輸液バッグは、バッグを吊り下げるために、口栓部材432が取り付けられた周縁部412の反対側の周縁部411に吊り下げ孔433を備えていてもよい。バッグ本体431は、2枚のフィルム材410a、410bがその周縁部411、412、413、414において互いに接合されることによって形成されている。フィルム材410a、410bは、バッグ本体431の周縁部411、412、413、414に囲まれた中央部において、バッグ内部とバッグ外部とを隔てる隔壁420として機能する。本発明による包装容器としての輸液バッグは、レトルト処理時にフィルム屈曲部において高い密着性を有する。また、本発明による包装容器としての輸液バッグは、ガスバリア性に優れ、熱水処理等の加熱処理後にもそのガスバリア性が維持される。そのため、該輸液バッグによれば、加熱殺菌処理前、加熱殺菌処理中、加熱殺菌処理後、輸送後、保存後においても、充填されている液状医薬品が変質することを防止できる。
本発明の多層構造体を含む包装材は、インモールドラベル容器であってもよい。インモールドラベル容器は、容器本体と、容器本体の表面に配置された本発明の多層ラベル(多層構造体)とを含む。容器本体は、型の内部に溶融樹脂を注入することによって形成される。容器本体の形状に特に限定はなく、カップ状、ボトル状等であってもよい。
前記した包装材を少なくとも一部に用いる本発明の製品は、真空断熱体であってもよい。真空断熱体は、被覆材と、被覆材により囲まれた内部に配置された芯材とを備える断熱体であり、芯材が配置された内部は減圧されている。真空断熱体は、ウレタンフォームからなる断熱体による断熱特性と同等の断熱特性を、より薄くより軽い断熱体で達成することを可能にする。本発明の真空断熱体は、冷蔵庫、給湯設備および炊飯器等の家電製品用の断熱材;壁部、天井部、屋根裏部および床部等に用いられる住宅用断熱材、車両屋根材、自動販売機等の断熱パネル;蓄熱機器、ヒートポンプ応用機器等の熱移動機器等に利用できる。被覆材として用いられる本発明の多層構造体は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層および無機蒸着層を含むことも好ましく、例えば、ポリエステル層/層(Y)/ポリエステル層/層(Y)/無機蒸着層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/ポリオレフィン層の構成を有していてもよい。
本発明の多層構造体を含む包装材は、電子デバイスにも使用できる。本発明の電子デバイスの一例について、一部断面図を図8に示す。図8の電子デバイス40は、電子デバイス本体41と、電子デバイス本体41を封止するための封止材42と、電子デバイス本体41の表面を保護するための保護シート(多層構造体)43と、を備える。封止材42は、電子デバイス本体41の表面全体を覆う。保護シート43は、電子デバイス本体41の一方の表面上に、封止材42を介して配置されている。保護シート43が配置された表面とは反対側の表面にも、保護シート43が配置されてもよい。その場合、その反対側の表面に配置される保護シートは、保護シート43と同じものであってもよいし異なっていてもよい。保護シート43は、封止材42等の他の部材を介して電子デバイス本体41上に配置されていてもよく、電子デバイス本体41の表面に直接配置されていてもよい。
1)PET12:延伸ポリエチレンレテフタレートフィルム;東レ株式会社製、「ルミラー P60」(商品名)、厚さ12μm
2)PET50:エチレン−酢酸ビニル共重合体との接着性を向上させたポリエチレンテレフタレートフィルム;東洋紡株式会社製、「シャインビーム Q1A15」(商品名)、厚さ50μm
3)ONY:延伸ナイロンフィルム;ユニチカ株式会社製、「エンブレム ONBC」(商品名)、厚さ15μm
4)CPP60:無延伸ポリプロピレンフィルム;三井化学東セロ株式会社製、「RXC−21」(商品名)、厚さ60μm
5)CPP70:無延伸ポリプロピレンフィルム;三井化学東セロ株式会社製、「RXC−21」(商品名)、厚さ70μm
6)CPP100:無延伸ポリプロピレンフィルム;三井化学東セロ株式会社製、「RXC−21」(商品名)、厚さ100μm
7)2液型接着剤:「タケラック」(登録商標)「A−520」(銘柄);三井化学株式会社製と「タケネート」(登録商標)「A−50」(銘柄);三井化学株式会社製
収束イオンビーム(FIB)を用いて多層構造体を切削し、断面観察用の切片を作製した。作製した切片を試料台座にカーボンテープで固定し、加速電圧30kVで30秒間白金イオンスパッタを行った。電界放出形透過型電子顕微鏡を用いて多層構造体の断面を観察し、各層の厚さを算出した。測定条件は以下の通りとした。
装置:日本電子株式会社製JEM−2100F
加速電圧:200kV
倍率:250,000倍
基材(X)/層(Z)/層(Y)の順に塗工した多層構造体上に接着層を形成し、該接着層上にONYをラミネートすることによって積層体を得た。次に、該積層体のONY上に接着層を形成した後、該接着層上に、CPP70をラミネートし、40℃で5日間静置してエージングした。前記2つの接着層はそれぞれ、乾燥後の厚さが3μmとなるようにバーコーターを用いて2液型接着剤を塗工し、乾燥させることによって形成した。このようにして得た基材(X)/層(Z)/層(Y)/接着層/ONY/接着層/CPPを、CPPを接触面として2枚重ね、130℃で熱ラミネートした。次に160mm×40mmの短冊を切り出し、20mm感覚で計14箇所に直径6mmの穴を開けた。該短冊を8.5mmの曲率半径で長尺方向に巻き、端部をホッチキスで固定することで円筒形にした。続いて得られた円筒を以下の条件でレトルト処理(熱水貯湯式)を行った。
レトルト処理装置:株式会社日阪製作所製 フレーバーエースRSC−60
温度:130℃
時間:30分間
圧力:2.5atm
1サンプルにつき同様の穴あき円筒を4つ作製した。レトルト処理後にデラミネーションが生じた穴の数をカウントし穴の総計(56箇所)で除することによりデラミ発生率(%)を算出した。
基材(X)上にコーティング液(R)を塗布、乾燥した際、コーティング液(R)中の沈殿物や、コーティング液(R)の濡れ性が低い場合乾燥中に液滴が発生し、層(Z)の膜厚が不均一となり、外観上白点や円形の乾燥痕が発生する。この白点や円形の乾燥痕の有無を判定基準とし、全面に存在しない場合を「○」、存在する場合を「×」とした。
主剤として、樹脂骨格中にシラノール基を有するポリウレタン系樹脂「タケラックWS−5000」(固形分30.0質量%、三井化学株式会社製;以下、「WS−5000」と略する)9.5質量部と水70.9質量部を混合して溶液を得た。該溶液に、イソシアネート系硬化剤「タケネートWD−725」(うちポリエステル系樹脂99.4質量部、イソシアネート成分(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI))0.6質量部、三井化学株式会社製;以下、「WD−725」と略する)を0.14質量部添加し、1時間撹拌した。ここにメタノール19.4質量部を添加しさらに30分間撹拌し、コーティング液(R−1)を得た。該コーティング液(R−1)における、ポリオール成分:イソシアネート成分(固形分重量比)=3500:1であり、固形分濃度は3.3質量%であった。
主剤として、「WS−5000」10.0質量部と水70.6質量部を混合し1時間撹拌して溶液を得た。該溶液にメタノール19.4質量部を添加しさらに30分間撹拌し、コーティング液(CR−1)を得た。該コーティング液(CR−1)にはイソシアネート成分は含有していない。
主剤として、「WS−5000」1.7質量部と水76.4質量部を混合して溶液を得た。該溶液に、「WD−725」を2.49質量部添加し、1時間撹拌し、次いで、メタノール19.4質量部を添加しさらに30分間撹拌し、コーティング液(CR−2)を得た。該コーティング液(CR−2)における、ポリオール成分:イソシアネート成分(固形分重量比)=200:1であった。
蒸留水230質量部を撹拌しながら70℃に昇温した。その蒸留水に、トリイソプロポキシアルミニウム88質量部を1時間かけて滴下し、液温を徐々に95℃まで上昇させ、発生するイソプロパノールを留出させることによって加水分解縮合を行った。得られた液体に、60質量%の硝酸水溶液4.0質量部を添加し、95℃で3時間撹拌することによって加水分解縮合物の粒子の凝集体を解膠させた。その後、その液体を、固形分濃度が酸化アルミニウム換算で10質量%になるように濃縮し、溶液を得た。こうして得られた溶液22.50質量部に対して、蒸留水54.29質量部およびメタノール18.80質量部を加え、均一になるように撹拌することによって、分散液を得た。続いて、液温を15℃に維持した状態で分散液を攪拌しながら85質量%のリン酸水溶液4.41質量部を滴下して加え、粘度が1,500mPa・sになるまで15℃で攪拌を続け、目的のコーティング液(S−1)を得た。該コーティング液(S−1)における、アルミニウム原子とリン原子とのモル比は、アルミニウム原子:リン原子=1.15:1.00であり、固形分濃度は6.0質量%であった。
<実施例1−1>
まず、基材(X)として、PET12(以下、「X−1」と略称することがある)を準備した。この基材上に、乾燥後の厚さが60nmとなるようにバーコーターを用いてコーティング液(R−1)を塗工した。塗工後のフィルムを140℃で3分間乾燥させて、基材上に層(Z−1−1)を形成した。続いて、乾燥後の厚さが0.3μmとなるようにバーコーターを用いてコーティング液(S−1)を塗工した。塗工後のフィルムを、120℃で3分間乾燥させて、基材上に層(Y−1)の前駆体を形成した。このようにして、基材(X−1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)前駆体という構造を有する構造体を得た。続いて、前記構造体を180℃で1分間熱処理することによって層(Y−1)を形成した。このようにして、基材(X−1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)という構造を有する多層構造体(1−1)を得た。
実施例1−1で得た多層構造体(1−1)を用いて真空断熱体を作製した。具体的には、まず、多層構造体(1−1)を用いて、レトルト折り曲げ試験で作製した、基材(X−1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)/接着層/ONY/接着層/CPPという構造の多層構造体(1−2)から、所定の形状に2枚切り出した。次に、CPP層が内側となるように2枚の多層構造体(1−2)を重ね合わせ、長方形の3辺をヒートシールすることによって袋を形成した。次に、袋の開口部から断熱性の芯材を充填し、真空包装機(Frimark GmbH製VAC−STAR 2500型)を用いて、温度20℃で内部圧力10Paの状態で袋を密封した。このようにして、真空断熱体を問題なく作製できた。なお、断熱性の芯材には120℃で4時間乾燥したシリカ微粉末を用いた。
実施例1−1で得た多層構造体(1−1)を用いて太陽電池モジュールを作製した。具体的には、まず、厚さ50μmのアクリル樹脂フィルム上に接着層を形成した後、これと多層構造体(1−1)とをラミネートすることによって積層体を得た。続いて、該積層体の多層構造体(1−1)上に接着層を形成した後、該積層体とPET50とをラミネートした。このようにして、PET/接着層/基材(X−1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)/接着層/アクリル樹脂フィルム、という構成を有する保護シート(1−3)を得た。
また、別途、10cm角の強化ガラス上に設置されたアモルファスシリコン太陽電池セルを、厚さ450μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムで挟み込んだ。
次に、そのフィルム上に、保護シート(1−3)のPET層が外側となるように保護シート(1−3)を貼り合わせることによって、太陽電池モジュールを作製した。貼り合わせは、150℃で真空引きを3分間行った後、9分間圧着を行うことによって実施した。このようにして作製された太陽電池モジュールは、良好に作動し、長期に亘って良好な電気出力特性を示した。
コーティング液(R−1)に代えて、コーティング液(CR−1)および(CR−2)を使用したこと以外は実施例1−1の多層構造体(1−1)の作製と同様にして、多層構造体(C1−1)および(C1−2)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例1−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率測定を実施した。結果を表1に示す。
<実施例2−1>
まず、基材(X)として、PET12(X−1)を準備した。この基材上に、乾燥後の厚さが60nmとなるようにバーコーターを用いてコーティング液(R−1)を塗工した。塗工後のフィルムを140℃で3分間乾燥させて、基材上に層(Z−2−1)を形成した。続いて、乾燥後の厚さが0.3μmとなるようにバーコーターを用いてコーティング液(S−1)を塗工した。塗工後のフィルムを、110℃で3分間乾燥させて、基材上に層(Y−2)の前駆体を形成した。このようにして、基材(X−1)/層(Z−2−1)/層(Y−2)前駆体という構造を有する構造体を得た。続いて、前記構造体を160℃で1分間熱処理した後、220℃で1分間熱処理することによって層(Y−2)を形成した。このようにして、基材(X−1)/層(Z−2−1)/層(Y−2)という構造を有する多層構造体(2−1)を得た。
コーティング液(R−1)の混合比をWS−5000:WD−725:水:メタノール=8.3:0.50:71.8:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分:イソシアネート成分=1000:1(実施例2−2)またはコーティング液(R−1)の混合比をWS−5000:WD−725:水:メタノール=5.3:1.42:73.9:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分:イソシアネート成分=350:1(実施例2−3)に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(2−2)および(2−3)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)の乾燥後の厚さを200nm(実施例2−4)またはコーティング液(R−1)の乾燥後の厚さを10nm(実施例2−5)に変更したこと以外は実施例2−2の多層構造体(2−2)の作製と同様にして、多層構造体(2−4)および(2−5)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)に第3成分としてPVA117(株式会社クラレ製)(実施例2−6)またはPEG20,000(三洋化成株式会社製)(実施例2−7)を添加し、WS5000:WD725:第3成分:水:メタノール=7.5:0.45:0.30:72.3:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分(第3成分を除く):イソシアネート成分=1000:1に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(2−6)および(2−7)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)の塗工および乾燥を行わず基材(X−1)に直接コーティング液(S−1)を塗工および乾燥することを除いて実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−1)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)中にイソシアネート系硬化剤(L)を添加せず、WS−5000:水:メタノール=10.0:70.6:19.4(質量比)に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−2)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)中にポリオール系樹脂(K)を添加せず、WD−725:水:メタノール=3.0:77.6:19.4(質量比)に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−3)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。表2中のポリオール成分と硬化成分との固形分比は、WD−725に含まれるポリオール成分とイソシアネート成分の固形分比(重量比)を表す。
コーティング液(R−1)の混合比をWS−5000:WD−725:水:メタノール=1.7:2.49:76.4:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分:イソシアネート成分=200:1に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−4)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)中のWS−5000の代わりに樹脂骨格中にシラノール基を含有しないポリウレタン樹脂(商品名:W5030、三井化学株式会社製)を使用したこと以外は実施例2−2の多層構造体(2−2)の作製と同様にして、多層構造体(C2−5)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)中のタケネートWD−725の代わりに、カルボジイミド基を硬化成分とするカルボジライトV−02(日清紡ケミカル株式会社製)(比較例2−6)またはオキサゾリン基を硬化成分とするエポクロスWS−700(日本触媒株式会社製)(比較例2−7)を使用し、WS−5000:硬化成分(V−02もしくはWS−700):水:メタノール=10.0:0.003:70.6:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分(第3成分を除く):硬化成分=1000:1に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−6)および(C2−7)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)の乾燥後の層(Z)の厚さを350nmに変更したこと以外は実施例2−2の多層構造体(2−2)の作製と同様にして、多層構造体(C2−8)を作製した。得られた多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。
コーティング液(R−1)中のWS−5000の代わりに樹脂骨格中にシラノール基を含有しないポリウレタン樹脂(商品名:W5030、三井化学株式会社製)を使用し、かつ第3成分としてアミノ基を含有するシランカップリング剤KBM903(信越化学工業製)(比較例2−9)またはエポキシ基を含有するシランカップリング剤ECET(和光純薬工業製)(比較例2−10)を添加し、W5030:WD725:第3成分:水:メタノール=8.2:0.49:0.06:71.9:19.4(質量比)、すなわちポリオール成分(第3成分を除く):イソシアネート成分=1000:1に変更したこと以外は実施例2−1の多層構造体(2−1)の作製と同様にして、多層構造体(C2−9)および(C2−10)を作製した。得られた各多層構造体について、実施例2−1と同様にレトルト折り曲げ試験によるデラミ発生率を測定した。結果を表2に示す。なお、比較例2−9のおいてはコーティング液(R)にて沈殿が発生し、塗工した場合液はじきが生じ膜厚が著しく不均一になった。
<実施例3−1>
実施例1−1で作製した多層構造体(1−1)上に接着層を形成し、該接着層上にONYをラミネートすることによって積層体を得た。次に、該積層体のONY上に接着層を形成した後、該接着層上に、CPP70をラミネートし、40℃で5日間静置してエージングし、多層構造体(1−1−1)を得た。前記2つの接着層はそれぞれ、乾燥後の厚さが3μmとなるようにバーコーターを用いて2液型接着剤を塗工し、乾燥させることによって形成した。多層構造体(1−1−1)を幅400mmに裁断し、CPP層が互いに接触してヒートシールされるように縦型製袋充填包装機(オリヒロ株式会社製)に供給した。縦型製袋充填包装機によって、図1に示したような合掌貼りタイプの縦製袋充填シール袋(3−1−3)(幅160mm、長さ470mm)を作製した。縦製袋充填シール袋(3−1−3)をヒートシールすることによってパウチを作製し、水300mLをパウチ内に充填した。続いて、得られたパウチに対して、下記の条件にてレトルト処理(熱水貯湯式)を行った結果、破袋およびデラミネーションの発生無く良好な外観を保持した。
レトルト処理装置:株式会社日阪製作所製 フレーバーエースRSC−60
温度:130℃
時間:30分間
圧力:3.1atm
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例3−1の縦製袋充填シール袋(3−1−3)の作製と同様にして、縦製袋充填シール袋(C3−1−3)〜(C3−2−3)を作製した。そして、得られた縦製袋充填シール袋(C3−1−3)〜(C3−2−3)について、実施例3−1と同様のレトルト処理を行った結果、著しいデラミネーションが発生した。
<実施例4−1>
実施例3−1で作製した多層構造体(1−1−1)を幅120mm×120mmに裁断し、CPP層が内側になるように2枚の多層構造体を重ね合わせ、長方形の3辺をヒートシールすることによって平パウチ(4−1−3)を形成した。その平パウチに水100mLを充填した。続いて、得られた平パウチに対して、実施例3−1と同一の条件でレトルト処理(熱水貯湯式)を行った結果、破袋およびデラミネーションの発生が無く良好な外観を保持した。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例4−1の平パウチ(4−1−3)の作製と同様にして、平パウチ(C4−1−3)〜(C4−2−3)を作製した。そして、得られた各平パウチについて、実施例4−1と同様のレトルト処理を行った結果、著しいデラミネーションが発生した。
<実施例5−1>
実施例3−1で作製した多層構造体(1−1−1)から、120mm×100mmの多層構造体を2枚切り出した。続いて、切り出した2枚の多層構造体を、CPP層が内側になるように重ね合わせ、周縁をヒートシールするとともに、ポリプロピレン製のスパウト(口栓部材)をヒートシールによって取り付けた。このようにして、図3と同様の構造を備えた輸液バッグ(5−1−3)を作製した。輸液バッグ(5−1−3)に水100mLを充填し、実施例3−1と同一の条件でレトルト処理(熱水貯湯式)を行った結果、破袋およびデラミネーションの発生無く良好な外観を保持した。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例5−1の輸液バッグ(5−1−3)の作製と同様にして、輸液バッグ(C5−1−3)〜(C5−2−3)を作製した。そして、得られた各輸液バッグについて、実施例5−1と同様のレトルト処理を行った結果、著しいデラミネーションが発生した。
<実施例6−1>
実施例3−1で作製した多層構造体(1−1−1)から、直径100mmの円形の多層構造体を切り取り、容器用の蓋材とした。また、容器本体として、フランジ付きの容器(東洋製罐株式会社製、「ハイレトフレックス」(登録商標)、「HR78−84」(商品名))を準備した。この容器は、上面の直径が78mmで高さが30mmのカップ形状を有する。容器の上面は解放されており、その周縁に形成されたフランジ部の幅は6.5mmである。容器は、オレフィン層/スチール層/オレフィン層の3層の積層体によって構成されている。次に、上記容器本体に水をほぼ満杯に充填し、蓋材をフランジ部にヒートシールすることによって、蓋付き容器(6−1−3)を得た。このとき、蓋材のCPP層がフランジ部に接触するように配置して蓋材をヒートシールした。蓋付き容器(6−1−3)を、実施例3−1と同一の条件でレトルト処理(熱水貯湯式)を行った結果、容器の破損およびデラミネーションの発生が無く良好な外観を保持した。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例6−1の蓋材(6−1−3)の作製と同様にして、蓋材(C6−1−3)〜(C6−2−3)を作製した。得られた各蓋材について、実施例6−1と同様のレトルト処理を行った結果、蓋部に著しいデラミネーションが発生した。
<実施例7−1>
2枚のCPP100のそれぞれに、乾燥後の厚さが3μmとなるようにバーコーターを用いて2液型接着剤を塗工して乾燥させた。2液型接着剤には、三井化学株式会社製の「タケラック」(登録商標)の「A−525S」と三井化学株式会社製の「タケネート」(登録商標)の「A−50」とからなる2液反応型ポリウレタン系接着剤を用いた。次に、2枚のCPPと実施例1−1の多層構造体(1−1)とをラミネートし、40℃で5日間静置してエージングした。このようにして、CPP/接着層/基材(X−1)/層(Z−1)/層(Y−1)/接着層/CPPという構造を有する多層ラベル(7−1−2)を得た。
<実施例8−1>
実施例1−1において多層構造体(1−1)上の層(Y)上に接着層を形成した後、ポリエチレン樹脂(密度;0.917g/cm3、メルトフローレート;8g/10分)を厚さが20μmになるように該接着層上に295℃で押出しコートラミネートした。このようにして、基材(X―1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)/接着層(G)/ポリエチレンという構造を有するラミネート体(8−1−2)を得た。上記の接着層(G)は、乾燥後の厚さが0.3μmとなるようにバーコーターを用いて2液型接着剤を塗工し、乾燥させることによって形成した。この2液型接着剤には、三井化学株式会社製の「タケラック」(登録商標)の「A−3210」と三井化学株式会社製の「タケネート」(登録商標)の「A−3070」とからなる2液反応型ポリウレタン系接着剤を用いた。ラミネート体(8−1−2)を、実施例3−1と同一の条件でレトルト処理(熱水貯湯式)を行った結果、デラミネーションの発生が無く良好な外観を保持した。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例8−1と同様にして、ラミネート体(C8−1−2)〜(C8−2−2)を作製した。得られた各ラミネート体について、実施例8−1と同様のレトルト処理を行った結果、蓋部に著しいデラミネーションが発生した。
<実施例9−1>
実施例4−1で作製した平パウチ(4−1−3)に1.5%エタノール水溶液500mLを充填し、レトルト処理装置(日阪製作所製、フレーバーエースRCS−60)を使用して、120℃、2.5atmで30分間熱水中においてレトルト処理を行った結果、デラミネーションの発生が無く良好な外観を保持した。
1.5%エタノール水溶液500mLの代わりに他の充填物500mLを平パウチ(4−1−3)に充填したことを除き、実施例9−1と同様にレトルト処理を行った。そして、レトルト処理後の平パウチから測定用サンプルを切り出し、該サンプルの酸素透過度を測定した。他の充填物として、1.0%エタノール水溶液(実施例9−2)、食酢(実施例9−3)、pH2のクエン酸水溶液(実施例9−4)、食用油(実施例9−5)、ケチャップ(実施例9−6)、醤油(実施例9−7)、および、しょうがペースト(実施例9−8)を用いた。いずれの場合も、レトルト処理後のサンプルの酸素透過度は、0.2mL/(m2・day・atm)であった。さらに、実施例7−1で作製した蓋付き容器(7−1−3)にみかんシロップをほぼ満杯に充填し、実施例9−1と同様にレトルト処理を行った(実施例9−9)。レトルト処理後はデラミネーションの発生が無く良好な外観を保持した。
<実施例10−1>
CPP60上に、実施例7−1で用いた2液型接着剤を乾燥後の厚さが3μmとなるように塗工し、乾燥させることによって接着層を形成した。このCPPと実施例3−1で作製した多層構造体(1−1−1)のPET層とを貼り合せることによって積層体(10−1−1)を得た。続いて、ONYの上に、前記2液反応型ポリウレタン系接着剤を乾燥後の厚さが3μmとなるように塗工し、乾燥させることによって接着層を形成した。そして、このONYと積層体(10−1−1)とを貼り合わせることによって、CPP/接着層/多層構造体/接着層/ONY、という構造を有する多層構造体(10−1−2)を得た。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例10−1の真空断熱体(10−1−3)の作製と同様にして、真空断熱体(C10−1−3)〜(C10−2−3)を作製した。得られた各真空断熱体を40℃、15%RHの条件下において360日間放置した後、ピラニー真空計を用いて真空断熱体の内部の圧力を測定した結果、1000Paであった。
<実施例11−1>
実施例1−1で作製した多層構造体(1−1)上に接着層を形成し、該接着層上にアクリル樹脂フィルム(厚さ50μm)をラミネートすることによって積層体を得た。続いて、該積層体の多層構造体(1−1)上に接着層を形成した後、PET50をラミネートした。このようにして、PET/接着層/基材(X−1)/層(Z−1−1)/層(Y−1)/接着層/アクリル樹脂フィルム、という構成を有する保護シート(11−1−1)を得た。前記2つの接着層はそれぞれ、2液型接着剤を乾燥後の厚さが3μmとなるように塗工し、乾燥させることによって形成した。2液型接着剤には、三井化学株式会社製の「タケラック」(登録商標)の「A−1102」と三井化学株式会社製の「タケネート」(登録商標)の「A−3070」とからなる2液反応型ポリウレタン系接着剤を用いた。
実施例3−1中の多層構造体(1−1)に代えて、比較例2−2および比較例2−4で作製した(C2−2)および(C2−4)を使用したこと以外は実施例11−1の保護シート(11−1−1)の作製と同様にして、保護シート(C11−1−1)〜(C11−2−1)を作製した。保護シート(C11−1−1)のダンプヒート試験の結果、層間が一部剥離していることを確認した。
Claims (12)
- 基材(X)と、前記基材(X)上に積層された層(Z)と、前記層(Z)上に積層された層(Y)とを含み、
層(Z)は、樹脂骨格中にシラノール基を有するポリオール系樹脂(K)とイソシアネート系硬化剤(L)との反応生成物を含み、
ポリオール系樹脂(K)およびイソシアネート系硬化剤(L)に含まれるポリオール成分とイソシアネート成分が固形分重量比でポリオール成分:イソシアネート成分=4000:1〜300:1の範囲にあり、
層(Z)の厚さが1〜200nmの範囲にあり、
層(Y)がアルミニウムを含む化合物(A)とリン化合物(B)との反応生成物(D)を含む、多層構造体。 - 前記ポリオール系樹脂(K)が、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、およびポリウレタン系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の多層構造体。
- 前記アルミニウムを含む化合物(A)が、アルミニウムを含む金属酸化物(Aa)であり、前記リン化合物(B)が、無機リン化合物(BI)である、請求項1または2に記載の多層構造体。
- 樹脂骨格中にシラノール基を有するポリオール系樹脂(K)、イソシアネート系硬化剤(L)、および溶媒を含むコーティング液(R)を基材(X)上に塗工した後溶媒を除去し層(Z)を形成する工程(I)と、
アルミニウムを含む化合物(A)、リン化合物(B)、および溶媒を含むコーティング液(S)を層(Z)上に塗工した後溶媒を除去し層(Y)前駆体を形成する工程(II)と、
前記層(Y)前駆体を熱処理することで層(Y)を形成する工程(III)とを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層構造体を含む、包装材。
- 押出しコートラミネートにより形成された層をさらに有する、請求項5に記載の包装材。
- 縦製袋充填シール袋、真空包装袋、パウチ、ラミネートチューブ容器、輸液バッグ、紙容器、ストリップテープ、容器用蓋材、またはインモールドラベル容器である、請求項5または6に記載の包装材。
- 請求項5〜7のいずれか1項に記載の包装材が少なくとも一部に用いられている、製品。
- 製品が内容物を含み、前記内容物が芯材であり、前記製品の内部が減圧されており、真空断熱体として機能する、請求項8に記載の製品。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層構造体を含む、電子デバイスの保護シート。
- 光電変換装置、情報表示装置、または照明装置の表面を保護する保護シートである、請求項10に記載の電子デバイスの保護シート。
- 請求項10または11に記載の保護シートを有する電子デバイス。
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