JP2001129948A - 光学用易接着フィルム - Google Patents
光学用易接着フィルムInfo
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Abstract
光学用易接着フィルムを提供する。 【解決手段】 厚さ100μm以上の二軸配向ポリエス
テルフィルムを基材とし、前記基材の少なくとも片面に
高分子易接着層を形成したフィルムであって、前記基材
フィルムの縦及び横の屈折率が1.55〜1.70であ
り、易接着層の屈折率と基材フィルムの屈折率とが下記
(1)式を満足することを特徴とする光学用易接着フィ
ルム。 (Nx−Nc)2+(Ny−Nc)2≦0.03 …(1) ここで、Nx及びNyはそれぞれ基材フィルムの縦方向
及び横方向の屈折率であり、Ncは易接着層の屈折率で
ある。
Description
ルムに関し、詳しくはLCDに用いられるプリズムレン
ズシート用のベースフィルム、ハードコート加工やAR
(アンチリフレクション;防眩)フィルム用のベースフ
ィルム、及びCRT用の破砕防止フィルムなどの光学用
途に好適な二軸配向易接着ポリエステルフィルムに関す
る。
明性、寸法安定性、耐薬品性から各種光学用フィルムと
して多く利用されている。特に、LCDに用いられるプ
リズムレンズシート用のベースフィルム、ハードコート
加工やAR(アンチリフレクション;防眩)フィルム用
のベースフィルム、及びCRT用の破砕防止フィルムに
使用される場合には、優れた強度、寸法安定性が要求さ
れるため、100μm以上の比較的厚手のフィルムが好
適に用いられる。この様な光学用フィルムに用いられる
フィルムは、後加工のプリズムレンズ加工やハードコー
ト加工、AR加工に対する優れた易接着性が要求される
ほか、光学的な欠点の原因となるフィルム中に含まれる
微小な異物も極力少ないことが望まれる。又、優れた透
明性も要求される。
エステルフィルムは概して他の材料、例えばアクリレー
トを主成分とするプリズムレンズやハードコートとの接
着性が悪い。また、易滑性を改良するために、フィルム
中に粒子を含有させ、フィルム表面に凹凸を付与するこ
とが一般に行われているが、これらの粒子の存在はフィ
ルムの透明性を阻害する原因となっている。したがっ
て、高透明なフィルムを得るためには、基材フィルム中
に易滑性を付与するための粒子の含有量を少なくする
か、または含有させないことが望ましい。
率によっても、フィルム表面で反射する光とフィルム裏
面で反射する光の干渉によって光の透過率が異なり、易
接着性に優れても光線透過率が低下するという問題が有
った。
み、少なくとも片面に易接着層が必要な光学用フィルム
用途において、易接着性を有し、且つ優れた透明性を有
する光学用易接着フィルムを提供することにある。
に鋭意研究を重ねた結果、優れた易接着性を有し、且つ
高透明な光学用易接着フィルムを得るに至った。すなわ
ち本発明は次の構成を有する。
ステルフィルムを基材とし、前記基材の少なくとも片面
に高分子易接着層を形成したフィルムであって、前記基
材フィルムの縦及び横の屈折率が1.55〜1.70で
あり、易接着層の屈折率と基材フィルムの屈折率とが下
記(1)式を満足することを特徴とする光学用易接着フ
ィルム。 (Nx−Nc)2+(Ny−Nc)2≦0.03 …(1) ここで、 ここで、Nx及びNyはそれぞれ基材フィル
ムの縦方向及び横方向の屈折率であり、Ncは易接着層
の屈折率である。 B.前記高分子易接着層が共重合ポリエステル系樹脂及
びポリウレタン系樹脂からなることを特徴とするA記載
の光学用易接着フィルム。 C.前記高分子易接着層に粒子を含むことを特徴とする
AまたはB記載の光学用易接着フィルム。 D.前記フィルムのヘイズ値が1.0%以下であること
を特徴とするA乃至C記載の光学用易接着フィルム。 E.前記フィルムの厚み変動率が3%以下であることを
特徴とするA乃至D記載の光学用易接着フィルム。
ルムにおける実施の形態を説明する。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、若し
くはこれらの樹脂の構成ポリマー成分を主成分とする共
重合体が用いられるが、そのなかでもポリエチレンテレ
フタレートが特に好適である。
成分としてはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及び
2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、トリメリロット酸及びピロメリロット酸等の多官能
カルボン酸等が用いられる。また、グリコール成分とし
てはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、プロピレングリコール及びネオペ
ンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;p−キシレン
グリコール等の芳香族グリコール;1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等の脂環族グリコール;平均分子量が
150〜20000のポリエチレングリコール等が用い
られる。好ましい共重合体の比率は20%未満である。
20%以上はフィルム強度、透明性、耐熱性が劣る場合
がある。
の添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、例
えば、帯電防止剤、UV吸収剤、抗菌剤、安定剤等が挙
げられる。さらに、本発明のポリエステル系基材フィル
ムには、易滑性付与を目的とした粒子を実質上含有して
いないことが好ましい。フィルム中に実質上粒子を含有
していないとは、粒子の含有量が蛍光X線分析で分析し
た際に検出限界以下となることを意味する。本発明にお
いて、インラインで積層される易接着層に均一な粒径を
有する微小粒子を含有させ、フィルム表面に凹凸を形成
させることが好ましい。すなわち、粒子を含有する易接
着層でフィルムの滑り性を改良し、良好な巻き取り性、
耐擦傷性を付与することができるため、ポリエステル系
基材フィルム中に粒子を含有させる必要はない。
脂ペレットの固有粘度は、0.45〜0.70dl/g
の範囲が好ましい。固有粘度が0.45dl/gよりも
低いと、製膜時に破断が多発しやすくなる。一方、0.
70dl/gより大きいと、濾圧上昇が大きくなり高精
度濾過が困難となる。
強度を一定以上に保ち、厚み変動のレベルと透明性を確
保する為に、縦及び/又は横の延伸倍率を適度に選択す
る必要が有る。厚み変動率が大きいと、基材フィルムを
ロールに巻き取って、次の工程の加工を行うまでに、経
時的に厚み変動部分に歪が生じる事が知られている。特
に、LCDに用いられるプリズムレンズシート用のベー
スフィルム、ハードコート加工やAR(アンチリフレク
ション;防眩)フィルム用のベースフィルム、及びCR
T用の破砕防止フィルム等の光学用途に用いる場合に
は、この歪の影響が大きく出るため、厚み変動率の少な
いフィルムが要求される。
ら光学用途に用いるためには、フィルムの透明性を犠牲
にせずに延伸する必要が有る。この点から、フィルムの
縦方向及び横方向の屈折率は1.55〜1.70である
ことが必要であり、1.60〜1.70が好ましい。こ
の範囲を外れると、厚み変動率は大きくなり好ましくな
い。屈折率を前記範囲内にするための方法としては、縦
延伸条件と横延伸条件の温度、倍率条件により選択する
事が可能である。
用する際に、コート層の屈折率がベースフィルムの屈折
率と異なると、その界面での光の反射が起こり易くな
り、透過光強度が低下する。
ト層の屈折率をベースフィルムの屈折率に近づける事が
重要であり、コート層の屈折率と基材フィルムの屈折率
とを下記(1)式を満足させることが必要である。 (Nx−Nc)2+(Ny−Nc)2≦0.03 …(1) ここで、Nx及びNyはそれぞれ基材フィルムの縦方向
及び横方向の屈折率であり、Ncは易接着層の屈折率で
ある。また、コート層の屈折率と基材フィルムの屈折率
とを下記(2)式を満足させることが好ましい。 (Nx−Nc)2+(Ny−Nc)2≦0.02 …(2)
着層に用いる樹脂の種類と易接着層に含有させる粒子な
らびに他の添加物の屈折率を選択することが重要であ
る。そのためには、易接着層として、共重合ポリエステ
ル系樹脂及びポリウレタン系樹脂からなる易接着層を用
いることが好ましい。
易接着層を構成する共重合ポリエステル系樹脂及びポリ
ウレタン系樹脂からなる樹脂成分と屈折率の近い粒子を
易接着層に含有させ、フィルム表面に適度な突起を形成
させることが好ましい。粒子の屈折率が、易接着層を構
成する樹脂の屈折率と0.1以上異なる粒子の場合に
は、粒径にもよるが透明性を損なう原因となることがあ
る。本発明で使用することのできる粒子としては、炭酸
カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タ
ルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化
カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブ
デン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウ
ム等の有機粒子を挙げることができる。中でもシリカが
易接着層の樹脂と屈折率が比較的近く、高い透明性が得
られやすいため最も好適である。また、易接着層を構成
する樹脂よりも屈折率の高い無機酸化物粒子と屈折率の
小さな無機酸化物粒子を複合させた複合無機酸化物粒子
を使用することも好適である。このような粒子として
は、例えばアルミナ−シリカ複合酸化物粒子があり、原
料のアルミナとシリカの組成を適正化することで易接着
層を構成する樹脂と同程度の屈折率のものを得ることが
できる。
は、主な樹脂成分として、共重合ポリエステル系樹脂及
びポリウレタン系樹脂からなる易接着層を用いる。共重
合ポリエステル系樹脂単独では、ポリエステル系基材フ
ィルムとの接着性は十分であるが、プリズムレンズやハ
ードコートに用いられるアクリレート系樹脂との接着性
に劣る。また、ポリウレタン系樹脂単独では、アクリレ
ート系樹脂との接着性には優れるが、ポリエステル系基
材フィルムとの接着性に劣る。
テル系樹脂とは、分岐したグリコール成分を構成成分と
する。分岐したグリコール成分とは、例えば2,2−ジ
メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−
ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−
プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2
−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、
2、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エ
チル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2、2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパン
ジオール、及び2、2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プ
ロパンジオールなどが挙げられる。
コール成分の中に10モル%以上の割合で含有させるこ
とが好ましく、特に好ましくは20モル%以上の割合で
ある。上記化合物以外のグリコール成分としてはエチレ
ングリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオールまたは1,4シクロヘキサンジメ
タノールなどを用いても良い。
て含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他
のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,
6−ナルタレンジカルボン酸の芳香族ジカルボン酸を加
えて共重合させてもよい。上記ジカルボン酸成分の他
に、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフタル
酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好ましく、例
えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジカルボン
酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソフタル酸
及びその塩類等を挙げることができる。
に用いるポリウレタン樹脂とは、例えばブロック型イソ
シアネート基を含有する樹脂であって、末端イソシアネ
ート基を親水性基で封鎖(以下ブロックと言う)した、
熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙げられる。
ては、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノ
ール類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性
メチレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイ
ソシアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるい
は水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット
過程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロ
ック化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹
脂は自己架橋した編み目に混入した水分散性共重合ポリ
エステル樹脂を固定化するとともに上記樹脂の末端基等
とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため
耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完
了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤
がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。上記
ブロック化剤の内、熱処理温度、熱処理時間が適当で、
工業的に広く用いられるものとしては重亜硫酸塩類が最
も好ましい。
ポリマーの化学組成としては、(1)分子内に2個以上
の活性水素原子を有する、有機ポリイソシアネート、あ
るいは分子内に少なくとも2個の活性水素原子を有する
分子量が200〜20,000の化合物、(2)分子内
に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイソ
シアネート、あるいは、(3)分子内に少なくとも2個
活性水素原子を有する鎖伸長剤を反応せしめて得られ
る、末端イソシアネート基を有する化合物である。
いるのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を
含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエ
ーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオー
ル等が挙げられる。
エチレンオキシド及び、プロピレンオキシド等アルキレ
ンオキシド類、あるいはスチレンオキシドおよびエピク
ロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそれらのラ
ンダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコールへの
付加重合を行って得られた化合物が挙げられる。
エステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは
分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、
フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不
飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽
和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエ
チレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれら
アルコール類の混合物とを縮合することにより得ること
ができる。
は、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステ
ル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、
あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシ
ドあるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエ
ーテルエステル類も使用することができる。
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネー
ト及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート
類、あるいはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリ
メチロールプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソ
シアネート類が挙げられる。
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6
−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等
の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエ
タノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノア
ルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリ
コール類、あるいは水が挙げられる。上記(3)のウレ
タンポリマーを合成するには通常、上記鎖伸長剤を用い
た一段式あるいは多段式イソシアネート重付加方法によ
り、150℃以下、好ましくは70〜120℃の温度に
おいて、5分ないし数時間反応させる。活性水素原子に
対するイソシアネート基の比は、1以上であれば自由に
選べるが、得られるウレタンプレポリマー中に遊離のイ
ソシアネート基が残存することが必要である。
10重量%以下であればよいが、ブロック化された後の
ウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量
%以下であることが好ましい。得られた上記ウレタンプ
レポリマーは、好ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック
化を行う。重亜硫酸塩水溶液と混合し、約5分〜1時
間、よく攪拌しながら反応を進行させる。反応温度は6
0℃以下とするのが好ましい。その後、水で希釈して適
当な濃度にして、熱反応型水溶性ウレタン組成物とす
る。該組成物は使用する際、適当な濃度および粘度に調
製するが、通常80〜200℃前後に加熱すると、ブロ
ック剤の重亜硫酸塩が解離し、活性なイソシアネート基
が再生するために、プレポリマーの分子内あるいは分子
間で起こる重付加反応によってポリウレタン重合体が生
成したり、また他の官能基への付加を起こす性質を有す
るようになる。
基を含有する樹脂(B)の1例としては、第一工業製薬
(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。
エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネー
ト基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水
性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するた
め、水溶性となっている。
成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A)およびブ
ロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)を混合
して塗布液を調製する場合、樹脂(A)と樹脂(B)の
重量比は(A):(B)=90:10〜10:90が好
ましく、更に好ましくは(A):(B)=80:20〜
20:80の範囲である。塗布層の固形分重量に対する
上記樹脂(A)の割合が10%未満では、基材ポリエス
テルフィルムへの塗布性が不十分なため、塗布層と基材
ポリエステルフィルムとの間の接着性が不十分となる。
また、塗布層の固形分重量に対する上記樹脂(B)の割
合が10%未満の場合には、UV硬化タイプのハードコ
ートにおいては実用性のある接着性が得られない。
橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例え
ば無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性物
質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用いら
れる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ性
物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均
一にコートするために、公知のアニオン性活性剤および
ノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることが
できる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、
イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等の
アルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未
満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満
であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範
囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類
とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とする
ことが好ましい。
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%を越えると、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液
の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下する
ために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらに
は火災などの危険性も考えられる。
積当りの固形分重量)は、0.05〜0.50g/m2
が好ましい。塗布量が0.05g/m2未満であると、
接着性が不十分となる。塗布量が0.50g/m2を超
えると、全光線透過率が低下し、好ましくない。
率は90%以上であることが好ましく、91%以上がさ
らに好ましく、特に好ましくは92%以上である。全光
線透過率が90%未満であると、フィルムをタッチパネ
ル用ベースフィルムや、AR(アンチリフレクション;
防眩)フィルム用ベースフィルム等に用いた場合、画面
の鮮明度が低下しやすくなるため好ましくない。本発明
の光学易接着フィルムの全光線透過率を90%以上にす
るためには、前述したように基材フィルム中に易滑性付
与のための粒子を含有させないことが好ましい。本発明
では二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
易接着層が形成される。光学用途に応じては、両面に易
接着層を形成させても良い。両面に易接着層を形成させ
る光学用途としては、タッチパネル用ベースフィルム、
AR(アンチリフレクション;防眩)フィルム、CRT
用の破砕防止フィルム等が挙げられる。
ための濾材は、濾過粒子サイズ25μm以下(初期濾過
効率95%)であることが必要である。25μm以上で
は粗大凝集物が十分除去できず、除去できなかった多く
の粗大凝集物は塗布、乾燥後一軸延伸、あるいは二軸延
伸した際に易接着層に粒子の粗大凝集物が広がって10
0μm以上の凝集物として認識され結果として多くの光
学欠点が発生する。塗布液を精密濾過するための濾材の
タイプは上記性能を有していれば特に限定されないが例
えばフィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げら
れる。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は上記性
能を有し、且つ塗布液に悪影響を及ばさなければ特に限
定はされないが、例えばステンレス、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
消失しない範囲で、帯電防止剤、紫外線吸収防止剤、抗
菌剤、可塑剤、顔料、有機フィラーおよび潤滑剤等の種
々の添加剤を含有させてもよい。さらに、塗布液が水性
であるため、その寄与効果を消失しない範囲で、性能向
上のために、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエマ
ルジョン等を塗布液に添加してもよい。
ルムは、100μm以上のフィルム厚みであるが、フィ
ルムのヘーズ値が1.0%以下であることが好ましく、
さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.6
%以下である。フィルムのヘーズ値が2.0%を超える
と、当該フィルムをLCD用のレンズフィルムや、ブラ
ウン管用ARフィルム等に用いた場合、画面の鮮明度が
低下しやすくなるので好ましくない。
フィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略称する)を例にして説明するが、
当然これに限定されるものではない。実質的に易滑性付
与を目的とした粒子を含有しないPETのペレットを十
分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃
でシート状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸
PETシートを製膜する。この際溶融樹脂が約280℃
に保たれた任意の場所で樹脂中に含まれる異物を除去す
るために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用
いられる濾材は特に限定はされないが、ステンレス焼結
体の濾材を使用した場合、Si、Ti、Sb、Ge、C
u、を主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能
に優れ好適である。
効率95%)は、10μm以下が好ましい。濾材の濾過
粒子サイズ(初期濾過効率95%)10μmを越える
と、15μm以上の異物が十分除去できなくなる。濾材
の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)として10μ
m以下の濾材を使用して、溶融樹脂の高精度濾過を行う
ことにより生産性が低下する場合があるが、光学欠点の
少ない光学用フィルムを得るには必要不可欠である。
れた方法が取られるが、溶融物を回転冷却ドラム上にダ
イスからシート上に押し出し、シート状溶融物を回転冷
却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知
の方法が適用することができる。例えば、シート状溶融
物にエアナイフを使用する方法や静電荷を印荷する方法
等が好適である。これらの方法では後者の静電荷印荷法
が厚み均一性の点から特に好適である。このシート状物
のエア面の冷却をする方法としては、公知の方法が適用
することができ、例えばシート面に槽内の冷却用液体に
接触させる方法、シートエア面にスプレーノズルで蒸散
する液体を塗布する方法や高速気流を吹きつけて冷却す
る方法を併用しても良い。
細な異物で有っても、キャスティング工程の冷却過程に
おいて異物の周囲で結晶化が進み、これが次に述べる延
伸工程において延伸の不均一性を引き起こしやすくな
る。この延伸の不均一性により、微小な厚みの差異を生
じせしめ、レンズ状態の部分が形成される。この部分で
は、光がレンズが有るかの様に屈折又は散乱し、肉眼で
観察した際に実際の異物よりも大きく見える様になる。
この微小な厚みの差は、凸部の高さと凹部の深さとして
観測することができる。凸部の高さが1μm以上にな
る、または凹部の深さが0.5μm以上になると、レン
ズ効果により径が20μmの大きさのものであっても、
肉眼的には50μm以上の大きさとして認識され、さら
には100μm以上の大きさの光学欠点として認識され
る場合もある。高透明なフィルムを得るためには、基材
フィルム中に易滑性を付与するための粒子が少ないか含
まない方が望ましいが、粒子添加量が少なく透明性が高
い程、微小な凹凸による光学欠点はより鮮明となる傾向
にある。また、厚手のフィルムは表面の冷却が薄手のフ
ィルムより急冷になりにくく、また結晶化が進む傾向に
あり、いっそうこの問題は大きい。
加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸し
て、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルム
の端部をクリップで把持しながら、80〜180℃に加
熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜
5.0倍に延伸する。引き続き160〜240℃の熱処
理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配
向を完了させる。この熱処理工程中で必要に応じて幅方
向あるいは長手方向に1〜12%の弛緩処理を施しても
よい。
ィルムの両面に、前述した水溶性共重合ポリエステルの
水溶液を塗布する。上記水性塗布液を塗布するには、公
知の任意の方法で行うことができる。例えばリバースロ
ール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイ
フコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクタ
ー法、含浸・コート法およびカーテン・コート法などが
挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて
行うことができる。
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布することが好ましい。さらに好ましくは、結晶配向
が完了する前の基材フィルムに塗布する。水溶液中の固
形分濃度は通常30重量%以下であり、好ましくは10
重量%以下である。該水性塗布液は、走行しているフィ
ルム1m2 あたり0.04〜5g、好ましくは0.2〜
4gが付着されるように塗工される。該水性塗布液が塗
布されたフィルムは、延伸および熱固定のためにテンタ
ーに導かれ、そこで加熱されて、熱架橋反応により安定
な被膜を形成し、ポリエステル系積層フィルムとなる。
プリズムレンズ加工やハードコート加工、AR加工に対
する優れた接着性を得るためには、この時のコート量が
フィルム1m2あたり0.05g以上であって、100
℃で1分間以上の熱処理が必要である。
が、当然、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1) (1)塗布液の調整 本発明に用いる塗布液を以下の方法に従って調製した。
ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタレー
ト95部、エチレングリコール35部、ネオペンチルグ
リコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化アン
チモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3時間
かけてエステル交換反応を行った。次に5-ナトリウムイ
ソフタル酸6.0部を添加し、240℃で1時間かけて
エステル化反応を行った後、250℃で減圧下(133
3〜27Pa)で2時間かけて重縮合反応を行い、分子
量19500、軟化点60℃のポリエステル樹脂を得
た。
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名 エラ
ストロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一
工業製薬製:商品名 Cat64)を0.5部、水を4
7.8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞ
れ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10%水溶液
を0.6部、コロイダルシリカ粒子(日産化学工業社
製:スノーテックスOL)を5重量%添加し塗布液とし
た。(以下、塗布液ABと略記する。)
リエチレンテレフタレート樹脂の粒子を含有しないペレ
ットを135℃で6時間減圧乾燥(133Pa)した
後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融
押し出して、表面温度20℃に保った金属ロール上で急
冷固化し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得
た。この時、溶融樹脂の異物除去用濾材として濾過粒子
サイズ(初期濾過効率95%)が10μmのステンレス
製焼結濾材を用いた。次に、このキャストフィルムを加
熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱
し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍
延伸して一軸配向PETフィルムを得た。その後前記塗
布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μ
mのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リ
バースロール法で片面に塗布、乾燥した。この時のコー
ト量は0.07g/m2であった。塗布後引き続いて、
フィルムの端部をクリップで把持して130℃に加熱さ
れた熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に4.0倍に延伸
し、厚さ100μmのフィルムを得た。
さが1750μm、製膜後の厚さが125μmであるこ
と以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。
テル樹脂(A)の30%水分散液を33.5部、水を4
7.8部およびイソプロピルアルコール18.7部をそ
れぞれ混合し、さらにアニオン系界面活性剤の10%水
溶液を0.6部、コロイダルシリカ粒子(日産化学工業
社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し塗布液と
した(以下、塗布液Aとする)以外は実施例1と同様の
方法で厚さ100μmのフィルムを得た。
例1のポリエステル樹脂(A)の30%水分散液を30
部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を
含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂(B)の20%水
溶液(第一工業製薬製:商品名 エラストロンH−3)
を5部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品名
Cat64)を0.5部、水を59.5部およびイソ
プロピルアルコールを5部、それぞれ混合し、さらにア
ニオン系界面活性剤の10%水溶液を0.6部、コロイ
ダルシリカ粒子(日産化学工業社製:スノーテックスO
L)を5重量%添加し塗布液とした。(以下、塗布液B
Aと略記する。) この液を塗布液とした以外は実施例1と同様の方法で1
00μmのフィルムを得た。
トフィルムから長手方向に2.8倍延伸した以外は実施
例1と同様の方法で100μmのフィルムを得た。
法について説明する。 (1)光硬化型アクリル系コート層との接着性 実施例及び比較例で得たフィルムの表面に、下記の組成
のハードコート剤を#8ワイヤバーを用い塗布し、70
℃で1分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で80
w/cm、照射距離15cm、5m/分の条件下で、2
μmのハードコート層を形成した。得られたフィルムを
JIS−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法
で接着性を求めた。具体的には易接着層を貫通して、基
材フィルムに達する100個の升目状の切り傷を隙間間
隔2mmのカッターガイドを用いて付け、セロハン粘着
テープ(ニチバン社製405番,24mm幅)を升目状
の切り傷面に張り付け、消しゴムでこすって完全に付着
させた後、垂直に引き剥がして目視により下記の式から
接着性を求めた。 接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100 ○:90%以上 ×:90%未満
製作所製 3L型)を用いて測定した。 B.コート層の屈折率 エリプソメータ(AEP-100B、(株)島津製作所製)を用
いて測定した。
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
式会社製を用いて連続的に測定し、下記の式から厚み変
動率を求めた。 厚み変動率(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚
み]×100
評価結果を表1に示す。
ズムレンズシート用のベースフィルム、ハードコート加
工やAR(アンチリフレクション)フィルム用のベース
フィルム、及びCRT用の破砕防止フィルムプリズム加
工やAR加工に対する優れた透明性と接着性を有し光学
用フィルムとして好適に用いられる。
Claims (5)
- 【請求項1】 厚さ100μm以上の二軸配向ポリエス
テルフィルムを基材とし、前記基材の少なくとも片面に
高分子易接着層を形成したフィルムであって、前記基材
フィルムの縦及び横の屈折率が1.55〜1.70であ
り、易接着層の屈折率と基材フィルムの屈折率とが下記
(1)式を満足することを特徴とする光学用易接着フィ
ルム。 (Nx−Nc)2+(Ny−Nc)2≦0.03 …(1) ここで、Nx及びNyはそれぞれ基材フィルムの縦方向
及び横方向の屈折率であり、Ncは易接着層の屈折率で
ある。 - 【請求項2】 前記高分子易接着層が共重合ポリエステ
ル系樹脂及びポリウレタン系樹脂からなることを特徴と
する請求項1記載の光学用易接着フィルム。 - 【請求項3】 前記高分子易接着層に粒子を含むことを
特徴とする請求項1または2記載の光学用易接着フィル
ム。 - 【請求項4】 前記フィルムのヘイズ値が1.0%以下
であることを特徴とする請求項1乃至3記載の光学用易
接着フィルム。 - 【請求項5】 前記フィルムの厚み変動率が3%以下で
あることを特徴とする請求項1乃至4記載の光学用易接
着フィルム。
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