JP2001138464A - 光学用易接着フィルム - Google Patents
光学用易接着フィルムInfo
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- JP2001138464A JP2001138464A JP32605899A JP32605899A JP2001138464A JP 2001138464 A JP2001138464 A JP 2001138464A JP 32605899 A JP32605899 A JP 32605899A JP 32605899 A JP32605899 A JP 32605899A JP 2001138464 A JP2001138464 A JP 2001138464A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた透明性、易接着性を有し、且つキズが
少なく、さらに、プリズムレンズ加工工程などの後工程
において優れた耐スクラッチ性を有する光学用易接着フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレ
タン系樹脂からなる易接着層が少なくとも片面に積層さ
れている二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記
フィルム表面に高さが1μm以上の突起が10個/m2
以下であり、且つキズの最大高さと最大深さの山谷距離
をCμm、本文中で規定されるキズの長さL(mm)×
幅W(mm)の積をS(mm2)としたとき、C×Sが
0.2以上のキズが10ヶ/m2以下であることを特徴
とする光学用易接着フィルム。上記でいうキズの長さ及
び幅とは、50μm以内に近接するキズの凹凸は同一の
キズとし、それらのキズを覆う長方形の長さ及び幅のこ
とである。
少なく、さらに、プリズムレンズ加工工程などの後工程
において優れた耐スクラッチ性を有する光学用易接着フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレ
タン系樹脂からなる易接着層が少なくとも片面に積層さ
れている二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記
フィルム表面に高さが1μm以上の突起が10個/m2
以下であり、且つキズの最大高さと最大深さの山谷距離
をCμm、本文中で規定されるキズの長さL(mm)×
幅W(mm)の積をS(mm2)としたとき、C×Sが
0.2以上のキズが10ヶ/m2以下であることを特徴
とする光学用易接着フィルム。上記でいうキズの長さ及
び幅とは、50μm以内に近接するキズの凹凸は同一の
キズとし、それらのキズを覆う長方形の長さ及び幅のこ
とである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用易接着フィル
ムに関し、特に優れた透明性、易接着性を有し、かつキ
ズの少ない光学用易接着フィルムに関するものである。
ムに関し、特に優れた透明性、易接着性を有し、かつキ
ズの少ない光学用易接着フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】二軸配向ポリエステルフィルムは優れた透
明性、寸法安定性、耐薬品性から各種光学用フィルムと
して多く利用されている。特に、液晶表示装置に用いら
れるプリズムレンズシート用のベースフィルムやタッチ
パネル用ベースフィルム、バックライト用ベースフィル
ム、AR(アンチリフレクション)フィルム用のベース
フィルムやCRT用の破砕防止フィルムの用途は、優れ
た強度、寸法安定性が要求されるため、100μm以上
の比較的厚手のフィルムが好適に用いられる。この様な
光学用フィルムに用いられるフィルムは、優れた透明性
とプリズムレンズ加工やハードコート加工、AR加工な
どの後加工時にフィルムに積層する対象物に対し優れた
易接着性が要求されているほか、フィルム表面の微小な
キズも光学的な欠点となるため極力少ないことが望まれ
ている。
明性、寸法安定性、耐薬品性から各種光学用フィルムと
して多く利用されている。特に、液晶表示装置に用いら
れるプリズムレンズシート用のベースフィルムやタッチ
パネル用ベースフィルム、バックライト用ベースフィル
ム、AR(アンチリフレクション)フィルム用のベース
フィルムやCRT用の破砕防止フィルムの用途は、優れ
た強度、寸法安定性が要求されるため、100μm以上
の比較的厚手のフィルムが好適に用いられる。この様な
光学用フィルムに用いられるフィルムは、優れた透明性
とプリズムレンズ加工やハードコート加工、AR加工な
どの後加工時にフィルムに積層する対象物に対し優れた
易接着性が要求されているほか、フィルム表面の微小な
キズも光学的な欠点となるため極力少ないことが望まれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが一般にポリエ
ステルフィルムは概して他の材料、例えばアクリレート
を主成分とするプリズムレンズやハードコートとの接着
性が悪い。このため、ポリエステルフィルムの表面に、
ポリウレタン樹脂等よりなる易接着層を形成したもの
が、各種提案されている(例えば特開平6−34004
9号公報)。しかし、ポリウレタン樹脂よりなる易接着
層を形成したものでは、ハードコート層などの外層との
接着力は向上するものの、基材であるポリエステルフィ
ルムとの接着力が十分でなく、結果的に外層との十分な
接着性が得られないという問題があった。
ステルフィルムは概して他の材料、例えばアクリレート
を主成分とするプリズムレンズやハードコートとの接着
性が悪い。このため、ポリエステルフィルムの表面に、
ポリウレタン樹脂等よりなる易接着層を形成したもの
が、各種提案されている(例えば特開平6−34004
9号公報)。しかし、ポリウレタン樹脂よりなる易接着
層を形成したものでは、ハードコート層などの外層との
接着力は向上するものの、基材であるポリエステルフィ
ルムとの接着力が十分でなく、結果的に外層との十分な
接着性が得られないという問題があった。
【0004】さらに、光学用フィルムの光学欠点の要求
レベルは近年益々厳しくなってきており、通常の目視で
観察されるようなキズがないことは当たり前品質となっ
ており、現在では通常の蛍光燈下での目視観察では見つ
からない微小なキズも極力低減させることが必要となっ
てきている。これは、基材フィルムに微小なキズがある
と、後工程でのレンズ加工によって拡大されるため、微
小で精密な画素の表示欠陥の原因となる場合がある。高
透明なフィルムを得るためには基材フィルム中に易滑性
を付与するための粒子が少ないか含まない方が望ましい
が、粒子含有量が少なく透明性が高い程、微小なキズに
よる光学欠点はより鮮明となる傾向にある。
レベルは近年益々厳しくなってきており、通常の目視で
観察されるようなキズがないことは当たり前品質となっ
ており、現在では通常の蛍光燈下での目視観察では見つ
からない微小なキズも極力低減させることが必要となっ
てきている。これは、基材フィルムに微小なキズがある
と、後工程でのレンズ加工によって拡大されるため、微
小で精密な画素の表示欠陥の原因となる場合がある。高
透明なフィルムを得るためには基材フィルム中に易滑性
を付与するための粒子が少ないか含まない方が望ましい
が、粒子含有量が少なく透明性が高い程、微小なキズに
よる光学欠点はより鮮明となる傾向にある。
【0005】例えば、特開平9−183201号公報に
は、ポリエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも
片面に界面活性剤含有層を設け、その潤滑効果により、
長さ20mm以上かつ最大深さ0.5μm以上の目視で
目立つキズの発生を極力抑制したポリエステル系光学用
フィルムが開示されているが、界面活性剤による潤滑効
果のみでは、目視観察では見つからないほどの微小なキ
ズを低減することができないことが明らかとなった。
は、ポリエステル系樹脂からなるフィルムの少なくとも
片面に界面活性剤含有層を設け、その潤滑効果により、
長さ20mm以上かつ最大深さ0.5μm以上の目視で
目立つキズの発生を極力抑制したポリエステル系光学用
フィルムが開示されているが、界面活性剤による潤滑効
果のみでは、目視観察では見つからないほどの微小なキ
ズを低減することができないことが明らかとなった。
【0006】すなわち、本発明の目的は、前記問題点に
鑑み、優れた透明性、易接着性を有し、且つキズが少な
く、さらに、プリズムレンズ加工工程などの後工程にお
いて優れた耐スクラッチ性を有する光学用易接着フィル
ムを提供することにある。
鑑み、優れた透明性、易接着性を有し、且つキズが少な
く、さらに、プリズムレンズ加工工程などの後工程にお
いて優れた耐スクラッチ性を有する光学用易接着フィル
ムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、以
下の達成手段により達成される。 A.共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂
からなる易接着層が少なくとも片面に積層されている二
軸配向ポリエステルフィルムであって、前記フィルム表
面に高さが1μm以上の突起が10個/m2以下であ
り、且つキズの最大高さと最大深さの山谷距離をCμ
m、キズの長さL(mm)×幅W(mm)の積をS(m
m2)としたとき、C×Sが0.2以上のキズが10ヶ
/m2以下であることを特徴とする光学用易接着フィル
ム。上記でいうキズの長さ及び幅とは、50μm以内に
近接するキズの凹凸は同一のキズとし、それらのキズを
覆う長方形の長さ及び幅のことである。 B.A記載の易接着層上に光硬化型アクリル系コート層
を設けた時の接着性が85%以上であることを特徴とす
る光学用易接着フィルム。上記でいう接着性とは、JI
S−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法に基
づき、下記式から求めた値を意味する。 接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100 C.前記易接着層の三次元中心面平均表面粗さ(SR
a)が0.002〜0.010μmでありフィルムの全
光線透過率が90%以上であることを特徴とするAまた
はB記載の光学用易接着フィルム。 D.前記二軸配向ポリエステルフィルムの厚さが100
μm以上であることを特徴とするA乃至C記載の光学用
易接着フィルム。
下の達成手段により達成される。 A.共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂
からなる易接着層が少なくとも片面に積層されている二
軸配向ポリエステルフィルムであって、前記フィルム表
面に高さが1μm以上の突起が10個/m2以下であ
り、且つキズの最大高さと最大深さの山谷距離をCμ
m、キズの長さL(mm)×幅W(mm)の積をS(m
m2)としたとき、C×Sが0.2以上のキズが10ヶ
/m2以下であることを特徴とする光学用易接着フィル
ム。上記でいうキズの長さ及び幅とは、50μm以内に
近接するキズの凹凸は同一のキズとし、それらのキズを
覆う長方形の長さ及び幅のことである。 B.A記載の易接着層上に光硬化型アクリル系コート層
を設けた時の接着性が85%以上であることを特徴とす
る光学用易接着フィルム。上記でいう接着性とは、JI
S−K5400の8.5.1記載に準じた試験方法に基
づき、下記式から求めた値を意味する。 接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100 C.前記易接着層の三次元中心面平均表面粗さ(SR
a)が0.002〜0.010μmでありフィルムの全
光線透過率が90%以上であることを特徴とするAまた
はB記載の光学用易接着フィルム。 D.前記二軸配向ポリエステルフィルムの厚さが100
μm以上であることを特徴とするA乃至C記載の光学用
易接着フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学用易接着フィ
ルムにおける実施の形態を説明する。本発明の基材フィ
ルムである二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート又はこれらの樹脂の
構成成分を主成分とする共重合体が用いられるが、中で
もポリエチレンテレフタレートから形成された二軸配向
フィルムが特に好適である。
ルムにおける実施の形態を説明する。本発明の基材フィ
ルムである二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート又はこれらの樹脂の
構成成分を主成分とする共重合体が用いられるが、中で
もポリエチレンテレフタレートから形成された二軸配向
フィルムが特に好適である。
【0009】二軸配向ポリエステルフィルムを形成する
樹脂として、ポリエステル共重合体を用いる場合、その
ジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット
酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;
p−キシレングリコール等の芳香族グリコール;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;
平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコ
ール等が用いられる。好ましい共重合体の比率は20%
未満である。20%以上ではフィルム強度、透明性、耐
熱性が劣る場合がある。また、上記ポリエステル系樹脂
には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤と
して、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙
げられる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムには、易滑性付与を目的とした粒子は実質的に含有し
ていない。
樹脂として、ポリエステル共重合体を用いる場合、その
ジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット
酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;
p−キシレングリコール等の芳香族グリコール;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;
平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコ
ール等が用いられる。好ましい共重合体の比率は20%
未満である。20%以上ではフィルム強度、透明性、耐
熱性が劣る場合がある。また、上記ポリエステル系樹脂
には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤と
して、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤等が挙
げられる。また、本発明の二軸配向ポリエステルフィル
ムには、易滑性付与を目的とした粒子は実質的に含有し
ていない。
【0010】本発明の光学易接着フィルムの易接着層
は、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
積層されており、未延伸または一軸延伸後のポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に易接着層を設け、その後
少なくとも一軸方向に延伸・熱固定処理するインライン
コート法により積層することが好ましい。インラインコ
ート法により積層された易接着層に、適切な粒径の微粒
子を含有させ、易接着層表面に凹凸を形成させることに
より、良好な滑り性、巻き取り性、耐スクラッチ性を付
与することができる。このため、二軸配向ポリエステル
フィルム中に微粒子を含有させる必要がなく、高透明性
を保持することができる。
は、二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
積層されており、未延伸または一軸延伸後のポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に易接着層を設け、その後
少なくとも一軸方向に延伸・熱固定処理するインライン
コート法により積層することが好ましい。インラインコ
ート法により積層された易接着層に、適切な粒径の微粒
子を含有させ、易接着層表面に凹凸を形成させることに
より、良好な滑り性、巻き取り性、耐スクラッチ性を付
与することができる。このため、二軸配向ポリエステル
フィルム中に微粒子を含有させる必要がなく、高透明性
を保持することができる。
【0011】本発明でいう易接着とは、実施例に記載の
方法にしたがって測定したときに得られるアクリレート
製コート層との接着性が85%以上有するものを意味
し、好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95
%以上である。
方法にしたがって測定したときに得られるアクリレート
製コート層との接着性が85%以上有するものを意味
し、好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95
%以上である。
【0012】本発明の光学用易接着フィルムの易接着層
は、主な樹脂成分として、共重合ポリエステル系樹脂及
びポリウレタン系樹脂から構成されている。共重合ポリ
エステル系樹脂単独では、ポリエステル系基材フィルム
との接着性は十分であるが、プリズムレンズやハードコ
ートに用いられるアクリル系樹脂との接着性に劣る傾向
がある。また、ポリウレタン系樹脂単独ではアクリレー
ト系樹脂との接着性には優れるが、ポリエステル系基材
フィルムとの接着性に劣る傾向がある。
は、主な樹脂成分として、共重合ポリエステル系樹脂及
びポリウレタン系樹脂から構成されている。共重合ポリ
エステル系樹脂単独では、ポリエステル系基材フィルム
との接着性は十分であるが、プリズムレンズやハードコ
ートに用いられるアクリル系樹脂との接着性に劣る傾向
がある。また、ポリウレタン系樹脂単独ではアクリレー
ト系樹脂との接着性には優れるが、ポリエステル系基材
フィルムとの接着性に劣る傾向がある。
【0013】本発明の易接着層に好適に使用される共重
合ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分と分
岐したグリコール成分を構成成分とするものが好まし
い。前記の分岐したグリコール成分とは、例えば、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパン
ジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,
3−プロパンジオールなどが挙げられる。
合ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分と分
岐したグリコール成分を構成成分とするものが好まし
い。前記の分岐したグリコール成分とは、例えば、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル
−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2
−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2
−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパン
ジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,
3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0014】上記の分岐したグリコール成分は、全グリ
コール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合
で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含有され
る。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレ
ンリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールなどを用いても良い。
コール成分の中に、好ましくは10モル%以上の割合
で、さらに好ましくは20モル%以上の割合で含有され
る。上記化合物以外のグリコール成分としては、エチレ
ンリコールが最も好ましい。少量であれば、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオールまたは1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールなどを用いても良い。
【0015】共重合ポリエステル系樹脂に構成成分とし
て含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他
のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,
6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸
を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分の
ほかに、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフ
タル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好まし
い。例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジ
カルボン酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソ
フタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
て含有される、ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸およびイソフタル酸が最も好ましい。少量であれば他
のジカルボン酸、特に、ジフェニルカルボン酸及び2,
6−ナルタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸
を加えて共重合させてもよい。前記ジカルボン酸成分の
ほかに、水分散性を付与させるため、5−スルホイソフ
タル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好まし
い。例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸、4−スルホナフタレンイソフタル酸−2,7−ジ
カルボン酸および5−(4−スルフォフェノキシ)イソ
フタル酸及びその塩類等を挙げることができる。
【0016】本発明の光学用易接着フィルムの易接着層
に好適に使用されるポリウレタン樹脂としては、例え
ば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であっ
て、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下ブロ
ックと言う)した、熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙
げられる。上記イソシアネート基のブロック化剤として
は、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノー
ル類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メ
チレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイソ
シアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるいは
水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット過
程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロッ
ク化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂
は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエ
ステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等
とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため
耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完
了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤
がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
に好適に使用されるポリウレタン樹脂としては、例え
ば、ブロック型イソシアネート基を含有する樹脂であっ
て、末端イソシアネート基を親水性基で封鎖(以下ブロ
ックと言う)した、熱反応型の水溶性ウレタンなどが挙
げられる。上記イソシアネート基のブロック化剤として
は、重亜硫酸塩類及びスルホン酸基を含有したフェノー
ル類、アルコール類、ラクタム類オキシム類及び活性メ
チレン化合物類等が挙げられる。ブロック化されたイソ
シアネート基はウレタンプレポリマーを親水化あるいは
水溶化する。フィルム製造時の乾燥あるいは熱セット過
程で、上記樹脂に熱エネルギーが与えられると、ブロッ
ク化剤がイソシアネート基からはずれるため、上記樹脂
は自己架橋した編み目に混合した水分散性共重合ポリエ
ステル樹脂を固定化するとともに、上記樹脂の末端基等
とも反応する。塗布液調整中の樹脂は親水性であるため
耐水性が悪いが、塗布、乾燥、熱セットして熱反応が完
了すると、ウレタン樹脂の親水基すなわちブロック化剤
がはずれるため、耐水性が良好な塗膜が得られる。
【0017】上記ブロック化剤の内、熱処理温度、熱処
理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、
重亜硫酸塩類が最も好ましい。上記樹脂において使用さ
れる、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、
(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機
ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個
の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000
の化合物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは、(3)
分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤
を反応せしめて得られる、末端イソシアネート基を有す
る化合物である。
理時間が適当で、工業的に広く用いられるものとして、
重亜硫酸塩類が最も好ましい。上記樹脂において使用さ
れる、ウレタンプレポリマーの化学組成としては、
(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する、有機
ポリイソシアネート、あるいは分子内に少なくとも2個
の活性水素原子を有する分子量が200〜20,000
の化合物、(2)分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する、有機ポリイソシアネート、あるいは、(3)
分子内に少なくとも2個活性水素原子を有する鎖伸長剤
を反応せしめて得られる、末端イソシアネート基を有す
る化合物である。
【0018】上記(1)の化合物として一般に知られて
いるのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を
含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエ
ーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオー
ル等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、
例えば、エチレンオキシド及び、プロピレンオキシド等
アルキレンオキシド類、あるいはスチレンオキシドおよ
びエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそ
れらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコ
ールへの付加重合を行って得られた化合物がある。
いるのは、末端又は分子中に2個以上のヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を
含むものであり、特に好ましい化合物としては、ポリエ
ーテルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオー
ル等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、
例えば、エチレンオキシド及び、プロピレンオキシド等
アルキレンオキシド類、あるいはスチレンオキシドおよ
びエピクロルヒドリン等を重合した化合物、あるいはそ
れらのランダム重合、ブロック重合あるいは多価アルコ
ールへの付加重合を行って得られた化合物がある。
【0019】ポリエステルポリオール及びポリエーテル
エステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは
分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、
フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不
飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽
和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエ
チレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれら
アルコール類の混合物とを縮合することにより得ること
ができる。
エステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは
分岐状の化合物が挙げられる。コハク酸、アジピン酸、
フタル酸及び無水マレイン酸等の多価の飽和あるいは不
飽和カルボン酸、あるいは該カルボン酸無水物等と、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール及びトリメチロールプロパン等の多価の飽
和及び不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエ
チレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれら
アルコール類の混合物とを縮合することにより得ること
ができる。
【0020】さらに、ポリエステルポリオールとして
は、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステ
ル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、
あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシ
ドあるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエ
ーテルエステル類も使用することができる。
は、ラクトン及びヒドロキシ酸から得られるポリエステ
ル類、またポリエーテルエステルポリオールとしては、
あらかじめ製造されたポリエステル類にエチレンオキシ
ドあるいはプロピレンオキシド等を付加せしめたポリエ
ーテルエステル類も使用することができる。
【0021】上記(2)の有機ポリイソシアネートとし
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の
脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、ある
いはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロー
ルプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネー
ト類が挙げられる。
ては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4
−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族
ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の
脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、ある
いはこれらの化合物を単一あるいは複数でトリメチロー
ルプロパン等とあらかじめ付加させたポリイソシアネー
ト類が挙げられる。
【0022】上記(3)の少なくとも2個の活性水素を
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6
−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等
の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエ
タノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノア
ルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリ
コール類、あるいは水が挙げられる。
有する鎖伸長剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6
−ヘキサンジオール等のグリコール類、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等
の多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、およびピペラジン等のジアミン類、モノエ
タノールアミンおよびジエタノールアミン等のアミノア
ルコール類、チオジエチレングルコール等のチオジグリ
コール類、あるいは水が挙げられる。
【0023】ウレタンプレポリマーを合成するには通
常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシ
アネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは
70〜120℃の温度において、5分〜数時間反応させ
る。活性水素原子に対するイソシアネート基の比は、1
以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポ
リマー中に遊離のイソシアネート基が残存することが必
要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含有量は
10重量%以下であればよいが、ブロック化された後の
ウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量
%以下であるのが好ましい。
常、上記鎖伸長剤を用いた一段式あるいは多段式イソシ
アネート重付加方法により、150℃以下、好ましくは
70〜120℃の温度において、5分〜数時間反応させ
る。活性水素原子に対するイソシアネート基の比は、1
以上であれば自由に選べるが、得られるウレタンプレポ
リマー中に遊離のイソシアネート基が残存することが必
要である。さらに、遊離のイソシアネート基の含有量は
10重量%以下であればよいが、ブロック化された後の
ウレタンポリマー水溶液の安定性を考慮すると、7重量
%以下であるのが好ましい。
【0024】得られた上記ウレタンプレポリマーは、好
ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫
酸塩水溶液と混合し、5分〜1時間、よく攪拌しながら
反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが好
ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱反
応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する
際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜2
00℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解
離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プレ
ポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応に
よってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官能
基への付加を起こす性質を有するようになる。
ましくは重亜硫酸塩を用いてブロック化を行う。重亜硫
酸塩水溶液と混合し、5分〜1時間、よく攪拌しながら
反応を進行させる。反応温度は60℃以下とするのが好
ましい。その後、水で希釈して適当な濃度にして、熱反
応型水溶性ウレタン組成物とする。該組成物は使用する
際、適当な濃度および粘度に調製するが、通常80〜2
00℃前後に加熱すると、ブロック剤の重亜硫酸塩が解
離し、活性なイソシアネート基が再生するために、プレ
ポリマーの分子内あるいは分子間で起こる重付加反応に
よってポリウレタン重合体が生成したり、また他の官能
基への付加を起こす性質を有するようになる。
【0025】上記に説明したブロック型イソシアネート
基を含有する樹脂(B)の1例としては、第一工業製薬
(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。
エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネー
ト基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水
性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するた
め、水溶性となっている。
基を含有する樹脂(B)の1例としては、第一工業製薬
(株)製の商品名エラストロンが代表的に例示される。
エラストロンは、重亜硫酸ソーダによってイソシアネー
ト基をブロックしたものであり、分子末端に強力な親水
性を有する、カルバモイルスルホネート基が存在するた
め、水溶性となっている。
【0026】本発明で好適に使用される、分岐したグリ
コール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A)お
よびブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)
を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(A)と樹脂
(B)の重量比は(A):(B)=90:10〜10:
90が好ましく、更に好ましくは(A):(B)=8
0:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対す
る上記樹脂(A)の割合が10重量%未満では、基材フ
ィルムへの塗布性が不良となりやすく、表面層と該フィ
ルムとの間の接着性が不十分となりやすい。固形分重量
に対する上記樹脂(B)の割合が10重量%未満の場合
には、UV硬化タイプのハードコートにおいては実用性
のある接着性が得られない傾向がある。
コール成分を含有する共重合ポリエステル樹脂(A)お
よびブロック型イソシアネート基を含有する樹脂(B)
を混合して塗布液を調製する場合、樹脂(A)と樹脂
(B)の重量比は(A):(B)=90:10〜10:
90が好ましく、更に好ましくは(A):(B)=8
0:20〜20:80の範囲である。固形分重量に対す
る上記樹脂(A)の割合が10重量%未満では、基材フ
ィルムへの塗布性が不良となりやすく、表面層と該フィ
ルムとの間の接着性が不十分となりやすい。固形分重量
に対する上記樹脂(B)の割合が10重量%未満の場合
には、UV硬化タイプのハードコートにおいては実用性
のある接着性が得られない傾向がある。
【0027】本発明において、易接着層形成のための塗
布液に水性塗布液を用いるのが好ましい。該水性塗布液
の組成物には、易接着性を消失しない限りにおいて、帯
電防止剤、紫外線吸収防止剤、可塑剤、無機及び/又は
有機の不活性粒子、顔料、有機潤滑剤、抗菌剤等の種々
の添加剤を混合してもよい。さらに、塗布液が水性であ
るため、その寄与効果を消失しない限りにおいて、性能
向上のために、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエ
マルジョン等を塗布液に添加してもよい。
布液に水性塗布液を用いるのが好ましい。該水性塗布液
の組成物には、易接着性を消失しない限りにおいて、帯
電防止剤、紫外線吸収防止剤、可塑剤、無機及び/又は
有機の不活性粒子、顔料、有機潤滑剤、抗菌剤等の種々
の添加剤を混合してもよい。さらに、塗布液が水性であ
るため、その寄与効果を消失しない限りにおいて、性能
向上のために、他の水溶性樹脂、水分散性樹脂およびエ
マルジョン等を塗布液に添加してもよい。
【0028】本発明で使用される水性塗布液には、熱架
橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例え
ば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性
物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用い
られる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ
性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例え
ば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性
物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質が用い
られる。また水溶液のpHを調節するために、アルカリ
性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。
【0029】上記水性塗布液を基材フィルム表面に塗布
する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均
一にコートするために、公知のアニオン性活性剤および
ノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることが
できる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、
イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等の
アルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未
満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満
であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範
囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類
とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とす
る。
する際には、該フィルムへの濡れ性を上げ、塗布液を均
一にコートするために、公知のアニオン性活性剤および
ノニオン性の界面活性剤を必要量添加して用いることが
できる。塗布液に用いる溶剤は、水の他にエタノール、
イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコール等の
アルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%未
満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未満
であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な範
囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール類
とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とす
る。
【0030】有機溶剤の添加量が50重量%未満であれ
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の
濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するた
めに、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには
火災などの危険性も考えられる。
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%以上では、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液の
濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下するた
めに、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらには
火災などの危険性も考えられる。
【0031】また、易接着層の塗布量(フィルム単位面
積当りの固形分重量)は、0.05〜0.50g/m2
が好ましい。塗布量が0.05g/m2未満であると、
接着性が不十分となる。塗布量が0.50g/m2を超
えると、全光線透過率が低下し、好ましくない。
積当りの固形分重量)は、0.05〜0.50g/m2
が好ましい。塗布量が0.05g/m2未満であると、
接着性が不十分となる。塗布量が0.50g/m2を超
えると、全光線透過率が低下し、好ましくない。
【0032】本発明の光学易接着フィルムの全光線透過
率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは
92%以上である。全光線透過率が90%未満である
と、フィルムをLCD用のレンズフィルムや、バックラ
イト用ベースフィルム等に用いた場合、画面の鮮明度が
低下するので好ましくない。
率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは
92%以上である。全光線透過率が90%未満である
と、フィルムをLCD用のレンズフィルムや、バックラ
イト用ベースフィルム等に用いた場合、画面の鮮明度が
低下するので好ましくない。
【0033】基材フィルムには、一般に、滑り性を良好
にするために不活性粒子が含有されるが、これらの粒子
はポリエステルフィルムの透明性を阻害する。そのた
め、基材フィルム中に不活性粒子を実質上含有させず
に、易接着層に耐スクラッチ性、滑り性、巻き性を向上
させるために、易接着層にのみ不活性粒子を含有させる
ことが好ましい。その際に、これらの粒子は透明性を確
保するために、可視光線の波長以下の極めて平均粒径が
小さい粒子を用いる必要がある。しかし、このような平
均粒径の小さい微細粒子のみでは、透明性は確保できる
ものの、プリズムレンズ加工工程等の後工程において接
触するロールによってフィルム表面に傷がつきやすい
(以下スクラッチ性と言う)傾向がある。
にするために不活性粒子が含有されるが、これらの粒子
はポリエステルフィルムの透明性を阻害する。そのた
め、基材フィルム中に不活性粒子を実質上含有させず
に、易接着層に耐スクラッチ性、滑り性、巻き性を向上
させるために、易接着層にのみ不活性粒子を含有させる
ことが好ましい。その際に、これらの粒子は透明性を確
保するために、可視光線の波長以下の極めて平均粒径が
小さい粒子を用いる必要がある。しかし、このような平
均粒径の小さい微細粒子のみでは、透明性は確保できる
ものの、プリズムレンズ加工工程等の後工程において接
触するロールによってフィルム表面に傷がつきやすい
(以下スクラッチ性と言う)傾向がある。
【0034】かかる粒子の例としては、炭酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二
酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の
無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有
機粒子を挙げることができる。なかでもシリカ粒子はポ
リエステル樹脂と屈折率が比較的近く、高透明のフィル
ムを得やすいため最も好適である。
ム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二
酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の
無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有
機粒子を挙げることができる。なかでもシリカ粒子はポ
リエステル樹脂と屈折率が比較的近く、高透明のフィル
ムを得やすいため最も好適である。
【0035】本発明では、易接着層に2種類の粒子(粒
子A及び粒子B)を含有させることが好ましい。粒子A
の平均粒径は20〜300nmが好ましく、さらに好ま
しくは30〜100nmである。粒子Aの平均粒径が2
0nm未満であると、耐スクラッチ性が悪化する傾向が
ある。一方、粒子Aの平均粒径が300nmを超える
と、全光線透過率が低くなる傾向がある。
子A及び粒子B)を含有させることが好ましい。粒子A
の平均粒径は20〜300nmが好ましく、さらに好ま
しくは30〜100nmである。粒子Aの平均粒径が2
0nm未満であると、耐スクラッチ性が悪化する傾向が
ある。一方、粒子Aの平均粒径が300nmを超える
と、全光線透過率が低くなる傾向がある。
【0036】本発明では、粒子Aのみでは不十分な耐ス
クラッチ性をさらに向上させるために粒子Bを添加する
ことが好ましい。粒子Bの平均粒径は300〜1000
nmが好ましく、さらに好ましくは400〜800nm
である。粒子Bの平均粒径が300nm未満であると、
耐スクラッチ性が悪化する傾向がある。一方、粒子Bの
平均粒径が1000nmを超えると、全光線透過率が低
くなる傾向がある。また、粒子Bは一次粒子が凝集した
凝集粒子であることが好ましく、凝集状態での平均粒径
と一次粒子との平均粒径の比を6倍以上とすることが耐
スクラッチ性の点から好ましい。
クラッチ性をさらに向上させるために粒子Bを添加する
ことが好ましい。粒子Bの平均粒径は300〜1000
nmが好ましく、さらに好ましくは400〜800nm
である。粒子Bの平均粒径が300nm未満であると、
耐スクラッチ性が悪化する傾向がある。一方、粒子Bの
平均粒径が1000nmを超えると、全光線透過率が低
くなる傾向がある。また、粒子Bは一次粒子が凝集した
凝集粒子であることが好ましく、凝集状態での平均粒径
と一次粒子との平均粒径の比を6倍以上とすることが耐
スクラッチ性の点から好ましい。
【0037】さらに、易接着層中の粒子Aと粒子Bの含
有量比(A/B)を5〜30とし、かつ粒子Bの含有量
を易接着層の固形分に対し0.1〜1重量%とすること
は、易接着層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SR
a)を0.002〜0.010μmとするのに好適であ
り、上記範囲になるようそれぞれの粒子含有量を設定す
ることが必要である。特に、易接着層の固形分に対し、
粒子Bの含有量が1重量%を超えると、全光線透過率の
低下が著しくなる。上記に記載した易接着層の固形分と
は、樹脂A、樹脂B、粒子A、及び粒子Bの固形分量の
総和を意味する。易接着層中に含有させる不活性粒子と
して、2種類の粒径及び形態の異なるシリカ粒子を用
い、粒子Aとして球状単分散シリカを、粒子Bとして凝
集体シリカをそれぞれ前記範囲内の含有量及びその比率
とし、さらに塗布量を前記範囲内にすることは、全光線
透過率と耐スクラッチ性を両立させるのに特に好適であ
る。
有量比(A/B)を5〜30とし、かつ粒子Bの含有量
を易接着層の固形分に対し0.1〜1重量%とすること
は、易接着層表面の三次元中心面平均表面粗さ(SR
a)を0.002〜0.010μmとするのに好適であ
り、上記範囲になるようそれぞれの粒子含有量を設定す
ることが必要である。特に、易接着層の固形分に対し、
粒子Bの含有量が1重量%を超えると、全光線透過率の
低下が著しくなる。上記に記載した易接着層の固形分と
は、樹脂A、樹脂B、粒子A、及び粒子Bの固形分量の
総和を意味する。易接着層中に含有させる不活性粒子と
して、2種類の粒径及び形態の異なるシリカ粒子を用
い、粒子Aとして球状単分散シリカを、粒子Bとして凝
集体シリカをそれぞれ前記範囲内の含有量及びその比率
とし、さらに塗布量を前記範囲内にすることは、全光線
透過率と耐スクラッチ性を両立させるのに特に好適であ
る。
【0038】一方、ポリエステルフィルムの製膜は、ポ
リエステルのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出
し機に供給しダイスよりシート状に溶融押し出しし、冷
却固化せしめて未延伸ポリエステルシートを製膜する。
引き続きこれを逐次又は同時延伸して製膜される。
リエステルのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出
し機に供給しダイスよりシート状に溶融押し出しし、冷
却固化せしめて未延伸ポリエステルシートを製膜する。
引き続きこれを逐次又は同時延伸して製膜される。
【0039】上記溶融押し出し工程において、原料樹脂
中に含まれている異物及び原料供給ラインなどからの外
部コンタミ物を除去するために、溶融押出しの際に溶融
樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で高精度濾過を
行うことは、フィルム表面に高さが1μm以上の突起が
10個/m2以下であり、且つキズの最大高さと最大深
さの山谷距離をCμm、本文中で規定されるキズの長さ
L(mm)×幅W(mm)の積をS(mm2)としたと
き、C×Sが0.2以上のキズが10ヶ/m2以下とす
るのに有効である。これは、未延伸ポリエステルシート
内部の表層近くに異物が含有している場合、延伸工程で
高さ1μm以上の突起となる場合があり、縦延伸時に応
力が加わり異物が脱落してロールに付着し、この付着物
によりフィルム表面にキズをつけたり、あるいはこの突
起が後の製膜工程中にあるロール群に微小なキズをつ
け、このロールに付いたキズが元でさらには製膜中のフ
ィルムにキズをつけるためである。上記でいうキズの長
さ及び幅とは、50μm以内に近接するキズの凹凸は同
一のキズとし、それらのキズを覆う長方形の長さ及び幅
のことである。
中に含まれている異物及び原料供給ラインなどからの外
部コンタミ物を除去するために、溶融押出しの際に溶融
樹脂が約280℃に保たれた任意の場所で高精度濾過を
行うことは、フィルム表面に高さが1μm以上の突起が
10個/m2以下であり、且つキズの最大高さと最大深
さの山谷距離をCμm、本文中で規定されるキズの長さ
L(mm)×幅W(mm)の積をS(mm2)としたと
き、C×Sが0.2以上のキズが10ヶ/m2以下とす
るのに有効である。これは、未延伸ポリエステルシート
内部の表層近くに異物が含有している場合、延伸工程で
高さ1μm以上の突起となる場合があり、縦延伸時に応
力が加わり異物が脱落してロールに付着し、この付着物
によりフィルム表面にキズをつけたり、あるいはこの突
起が後の製膜工程中にあるロール群に微小なキズをつ
け、このロールに付いたキズが元でさらには製膜中のフ
ィルムにキズをつけるためである。上記でいうキズの長
さ及び幅とは、50μm以内に近接するキズの凹凸は同
一のキズとし、それらのキズを覆う長方形の長さ及び幅
のことである。
【0040】溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材
は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の
場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝
集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。溶
融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)は15μm以下が好ましい。濾
材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以
上の異物の除去が不十分となりやすい。濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)が15μm以下の濾材を使用し
て溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより生産性が低下
する場合があるが、微小なキズを少なくし、かつ全光線
透過率の高い光学用フィルムを得るには極めて好適であ
る。
は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の
場合、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝
集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。溶
融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)は15μm以下が好ましい。濾
材の濾過粒子サイズが15μmを超えると、20μm以
上の異物の除去が不十分となりやすい。濾過粒子サイズ
(初期濾過効率95%)が15μm以下の濾材を使用し
て溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより生産性が低下
する場合があるが、微小なキズを少なくし、かつ全光線
透過率の高い光学用フィルムを得るには極めて好適であ
る。
【0041】また、厚手のフィルムの表面は薄手のフィ
ルムより急冷となりにくく、結晶化が進む傾向にあるた
め、未延伸シート作成時フィルム全体を急冷することが
必要となる。未延伸シートを冷却する方法としては、溶
融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート上に押し
出し、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させなが
ら、急冷してシートとする公知の方法が適用できる。こ
のシート状物のエア面(冷却ドラムと接触する面との反
対面)を冷却する方法としては、高速気流を吹きつけて
冷却する方法が有効である。
ルムより急冷となりにくく、結晶化が進む傾向にあるた
め、未延伸シート作成時フィルム全体を急冷することが
必要となる。未延伸シートを冷却する方法としては、溶
融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート上に押し
出し、シート状溶融物を回転冷却ドラムに密着させなが
ら、急冷してシートとする公知の方法が適用できる。こ
のシート状物のエア面(冷却ドラムと接触する面との反
対面)を冷却する方法としては、高速気流を吹きつけて
冷却する方法が有効である。
【0042】次に、本発明の光学用易接着フィルムの製
造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略称する)を例にして説明するが、当然これに限
定されるものではない。易滑性付与を目的とした不活性
粒子を実質的に含有していないPETのペレットを十分
に真空乾燥した後、押出し機に供給し、約280℃でシ
ート状に溶融押出しし、冷却固化せしめて未延伸PET
シートを製膜する。この際、溶融樹脂が約280℃に保
たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去する
ために前記高精度濾過を行う。上記の「不活性粒子を実
質的に含有していないPET」とは、PET中の不活性
粒子濃度が、蛍光X線で分析した際に検出限界よりも少
ない濃度のことを意味する。
造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略称する)を例にして説明するが、当然これに限
定されるものではない。易滑性付与を目的とした不活性
粒子を実質的に含有していないPETのペレットを十分
に真空乾燥した後、押出し機に供給し、約280℃でシ
ート状に溶融押出しし、冷却固化せしめて未延伸PET
シートを製膜する。この際、溶融樹脂が約280℃に保
たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去する
ために前記高精度濾過を行う。上記の「不活性粒子を実
質的に含有していないPET」とは、PET中の不活性
粒子濃度が、蛍光X線で分析した際に検出限界よりも少
ない濃度のことを意味する。
【0043】得られた未延伸シートを、80〜120℃
に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸し
て、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルム
の端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱さ
れた熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0
倍に延伸する。引き続き200〜240℃の熱処理ゾー
ンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完
了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向
及び/又は長手方向に3〜10%の弛緩処理を施しても
よい。
に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸し
て、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルム
の端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱さ
れた熱風ゾーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0
倍に延伸する。引き続き200〜240℃の熱処理ゾー
ンに導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完
了させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向
及び/又は長手方向に3〜10%の弛緩処理を施しても
よい。
【0044】上記塗布液を塗布する際には、塗布液中の
粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液
が精密濾過されるように濾材を配置することが、本発明
で規定したキズを好ましい。塗布液を精密濾過するため
の濾材は、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が
25μm以下のものを用いることが好ましい。濾過粒子
サイズが25μmを超えると、粗大凝集物の除去が不十
分となりやすい。そのため、濾過で除去できなかった粗
大凝集物は、微小なキズを発生させるための起因となっ
たり、塗布乾燥後の一軸延伸又は二軸延伸工程での延伸
応力により広がって、100μm以上の凝集物として認
識され、フィルムの全光線透過率を低下させる原因とも
なる。
粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液
が精密濾過されるように濾材を配置することが、本発明
で規定したキズを好ましい。塗布液を精密濾過するため
の濾材は、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が
25μm以下のものを用いることが好ましい。濾過粒子
サイズが25μmを超えると、粗大凝集物の除去が不十
分となりやすい。そのため、濾過で除去できなかった粗
大凝集物は、微小なキズを発生させるための起因となっ
たり、塗布乾燥後の一軸延伸又は二軸延伸工程での延伸
応力により広がって、100μm以上の凝集物として認
識され、フィルムの全光線透過率を低下させる原因とも
なる。
【0045】塗布液を精密濾過するための濾材のタイプ
は、上記性能を有していれば特に限定はなく、例えば、
フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられ
る。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記性
能を有しかつ塗布液に悪影響を及ばさない限り特に限定
はなく、例えば、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロン等が挙げられる。
は、上記性能を有していれば特に限定はなく、例えば、
フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が挙げられ
る。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記性
能を有しかつ塗布液に悪影響を及ばさない限り特に限定
はなく、例えば、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロン等が挙げられる。
【0046】この工程中の任意の段階でポリエステルフ
ィルムの少なくとも片面に、前記の共重合ポリエステル
及びポリウレタン樹脂の水溶液を塗布する。上記水性塗
布液を塗布するには、公知の任意の方法で行うことがで
きる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・
コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバー
コート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカ
ーテン・コート法などが挙げられ、これらの方法を単独
であるいは組み合わせて行うことができる。
ィルムの少なくとも片面に、前記の共重合ポリエステル
及びポリウレタン樹脂の水溶液を塗布する。上記水性塗
布液を塗布するには、公知の任意の方法で行うことがで
きる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・
コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバー
コート法、パイプドクター法、含浸・コート法およびカ
ーテン・コート法などが挙げられ、これらの方法を単独
であるいは組み合わせて行うことができる。
【0047】上記水性塗布液を塗布する工程は、通常の
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好まし
くは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布す
る。未延伸あるいは一軸延伸後のポリエステルフィルム
基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸する場合、
塗布後の乾燥工程では水等の溶剤分のみを取り除きかつ
塗布層の架橋反応が進行しない温度及び時間を選定する
ことが重要である。乾燥温度は70〜140℃で行うこ
とが好ましく、乾燥時間は塗布液及び塗布量に応じて調
整するが、温度(℃)と時間(秒)の温度積として300
0以下が好ましい。
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好まし
くは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布す
る。未延伸あるいは一軸延伸後のポリエステルフィルム
基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸する場合、
塗布後の乾燥工程では水等の溶剤分のみを取り除きかつ
塗布層の架橋反応が進行しない温度及び時間を選定する
ことが重要である。乾燥温度は70〜140℃で行うこ
とが好ましく、乾燥時間は塗布液及び塗布量に応じて調
整するが、温度(℃)と時間(秒)の温度積として300
0以下が好ましい。
【0048】水性塗布液中の固形分濃度は、30重量%
以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%
以下である。該水性塗布液が塗布・乾燥されたフィルム
は、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこ
で加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、
ポリエステル系積層フィルムとなる。インキとの良好な
密着性を得るためには、熱処理工程において100℃以
上でかつ1分間以上熱処理し、また熱処理後の易接着層
の塗布量を0.05g/m2以上となるように塗工する
ことが好ましい。
以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%
以下である。該水性塗布液が塗布・乾燥されたフィルム
は、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこ
で加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、
ポリエステル系積層フィルムとなる。インキとの良好な
密着性を得るためには、熱処理工程において100℃以
上でかつ1分間以上熱処理し、また熱処理後の易接着層
の塗布量を0.05g/m2以上となるように塗工する
ことが好ましい。
【0049】本発明における二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの厚みは、100μm以上であることが好ましく、
さらに好ましいのは100〜300μmであり、特に好
ましいのは100〜250μmである。フィルム厚みが
100μm未満では剛性が不十分となる傾向がある。ま
た、フィルムヘーズ値は1.0%以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは
0.6%以下である。フィルムヘーズ値が1.0%を超
えると、該フィルムをLCD用のレンズフィルムや、ブ
ラウン管用ARフィルム等に用いた場合、画面の鮮明度
が低下する傾向があるので好ましくない。
ルムの厚みは、100μm以上であることが好ましく、
さらに好ましいのは100〜300μmであり、特に好
ましいのは100〜250μmである。フィルム厚みが
100μm未満では剛性が不十分となる傾向がある。ま
た、フィルムヘーズ値は1.0%以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは0.8%以下、特に好ましくは
0.6%以下である。フィルムヘーズ値が1.0%を超
えると、該フィルムをLCD用のレンズフィルムや、ブ
ラウン管用ARフィルム等に用いた場合、画面の鮮明度
が低下する傾向があるので好ましくない。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、当然、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。実施例及び比較例中の「部」は、特に断らない限
り、「重量部」のことである。また、本明細書中の特性
の評価は下記の方法によった。
が、当然、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。実施例及び比較例中の「部」は、特に断らない限
り、「重量部」のことである。また、本明細書中の特性
の評価は下記の方法によった。
【0051】実施例1 (1)塗布液の調整 本発明に用いる塗布液は、次の方法にしたがって調製し
た。ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタ
レート95部、エチレングリコール35部、ネオペンチ
ルグリコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化
アンチモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3
時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸6.0部を添加し、240℃
で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で
減圧下(13〜0.3hPa)で2時間かけて重縮合反
応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポリエス
テル樹脂を得た。
た。ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタ
レート95部、エチレングリコール35部、ネオペンチ
ルグリコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化
アンチモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3
時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸6.0部を添加し、240℃
で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で
減圧下(13〜0.3hPa)で2時間かけて重縮合反
応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポリエス
テル樹脂を得た。
【0052】得られたポリエステル樹脂(A)の30%
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一工
業製薬製:商品名Cat64)を0.5部、水を47.
8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞれ混
合し、さらにアニオン性界面活性剤を1重量%、球状シ
リカ粒子(日産化学工業社製:スノーテックスOL)を
5重量%添加し塗布液とした。(以下、塗布液ABと略
記する。)
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一工
業製薬製:商品名Cat64)を0.5部、水を47.
8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞれ混
合し、さらにアニオン性界面活性剤を1重量%、球状シ
リカ粒子(日産化学工業社製:スノーテックスOL)を
5重量%添加し塗布液とした。(以下、塗布液ABと略
記する。)
【0053】(2)易接着フィルムの製膜 実施例原料ポリマーとして、固有粘度が0.62dl/
gで、かつ粒子を実質上含有していないポリエチレンテ
レフタレート樹脂ペレットを、135℃で6時間減圧乾
燥(1.3hPa)した。その後、押し出し機に供給
し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温
度15℃に保った回転冷却ドラム上で急冷固化し、厚さ
1400μmのキャストフィルムを得た。この時、この
キャストフィルムのエア面(冷却ドラムと接触する面と
の反対面)を温度15℃の高速気流を吹きつけて冷却し
た。この際、溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒
子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレ
ス製焼結濾材を用いた。次に、このキャストフィルムを
加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加
熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5
倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。その後、前
記塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が2
5μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過
し、リバースロール法で一軸配向PETフィルムの片面
に塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持
してテンターの予熱ゾーンにおいて80℃で20秒間塗
布層を乾燥させた後、横延伸ゾーンで幅方向に130℃
で4.0倍に延伸した。続いて240℃で熱固定を行
い、さらに200℃で3%の横緩和を行い、厚さ188
μmの二軸配向PETフィルムを得た。また、塗布量は
固形分量として0.10g/m2であった。結果を表1
に示す。
gで、かつ粒子を実質上含有していないポリエチレンテ
レフタレート樹脂ペレットを、135℃で6時間減圧乾
燥(1.3hPa)した。その後、押し出し機に供給
し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温
度15℃に保った回転冷却ドラム上で急冷固化し、厚さ
1400μmのキャストフィルムを得た。この時、この
キャストフィルムのエア面(冷却ドラムと接触する面と
の反対面)を温度15℃の高速気流を吹きつけて冷却し
た。この際、溶融樹脂の異物除去用濾材として、濾過粒
子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレ
ス製焼結濾材を用いた。次に、このキャストフィルムを
加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加
熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5
倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。その後、前
記塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が2
5μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過
し、リバースロール法で一軸配向PETフィルムの片面
に塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持
してテンターの予熱ゾーンにおいて80℃で20秒間塗
布層を乾燥させた後、横延伸ゾーンで幅方向に130℃
で4.0倍に延伸した。続いて240℃で熱固定を行
い、さらに200℃で3%の横緩和を行い、厚さ188
μmの二軸配向PETフィルムを得た。また、塗布量は
固形分量として0.10g/m2であった。結果を表1
に示す。
【0054】比較例1 実施例1で得られたポリエステル樹脂(A)の30%水
分散液を33.5部、水を47.8部およびイソプロピ
ルアルコール18.7部をそれぞれ混合し、さらにアニ
オン性界面活性剤を1重量%、球状シリカ粒子(日産化
学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し塗
布液とした(以下該塗布液Aとする)以外は、実施例1
と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。結果
を表1に示す。
分散液を33.5部、水を47.8部およびイソプロピ
ルアルコール18.7部をそれぞれ混合し、さらにアニ
オン性界面活性剤を1重量%、球状シリカ粒子(日産化
学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し塗
布液とした(以下該塗布液Aとする)以外は、実施例1
と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得た。結果
を表1に示す。
【0055】比較例2 重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有
する自己架橋型ポリウレタン樹脂(B)の20%水溶液
(第一工業製薬製:商品名エラストロンH−3)を50
部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品Cat
64)を0.5部、水を37.8部およびイソプロピル
アルコールを11.7部、それぞれ混合し、さらにアニ
オン性界面活性剤を1重量%、球状シリカ粒子(日産化
学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し、
塗布液(以下該塗布液Bとする)とした以外は、実施例
1と同様の方法で厚さ125μmフィルムを得た。結果
を表1に示す。
する自己架橋型ポリウレタン樹脂(B)の20%水溶液
(第一工業製薬製:商品名エラストロンH−3)を50
部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品Cat
64)を0.5部、水を37.8部およびイソプロピル
アルコールを11.7部、それぞれ混合し、さらにアニ
オン性界面活性剤を1重量%、球状シリカ粒子(日産化
学工業社製:スノーテックスOL)を5重量%添加し、
塗布液(以下該塗布液Bとする)とした以外は、実施例
1と同様の方法で厚さ125μmフィルムを得た。結果
を表1に示す。
【0056】比較例3 異物除去用濾材として濾過粒子サイズ(初期濾過効率9
5%)20μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は
実施例1と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得
た。結果を表1に示す。
5%)20μmのステンレス製焼結濾材を用いた以外は
実施例1と同様の方法で厚さ125μmのフィルムを得
た。結果を表1に示す。
【0057】比較例4 このキャストフィルムのエア面(冷却ドラムと接触する
面との反対面)を温度25℃の高速気流を吹きつけて冷
却した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ125μm
のフィルムを得た。結果を表1に示す。
面との反対面)を温度25℃の高速気流を吹きつけて冷
却した以外は、実施例1と同様の方法で厚さ125μm
のフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0058】比較例5 塗布液の調整において、球状シリカ粒子の代りに、平均
粒径1400nm(富士シリシア社製310番)の凝集
体シリカ粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法で
光学用易接着フィルムを得た。結果を表1に示す。
粒径1400nm(富士シリシア社製310番)の凝集
体シリカ粒子を用いた以外は、実施例1と同様の方法で
光学用易接着フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0059】(評価方法)以下に本発明で用いた評価方
法について説明する。 (1)アクリレート製コート層との接着性 実施例及び比較例で得たフィルムの易接着層面に、大日
精化社製ハードコート剤(セイカビームEXF01
(B))を#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1
分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で200mJ
/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件
下で、厚み3μmのハードコート層を形成した。得られ
たフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準
じた試験方法で接着性を求めた。具体的には、易接着層
を貫通して基材フィルムに達する100個の升目状の切
り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付け
た。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405
番;24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け、消し
ゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がし
て目視により下記の式から接着性を求めた。接着性
(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
法について説明する。 (1)アクリレート製コート層との接着性 実施例及び比較例で得たフィルムの易接着層面に、大日
精化社製ハードコート剤(セイカビームEXF01
(B))を#8ワイヤバーを用いて塗布し、70℃で1
分間乾燥し溶剤を除去した後、高圧水銀灯で200mJ
/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件
下で、厚み3μmのハードコート層を形成した。得られ
たフィルムをJIS−K5400の8.5.1記載に準
じた試験方法で接着性を求めた。具体的には、易接着層
を貫通して基材フィルムに達する100個の升目状の切
り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付け
た。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製405
番;24mm幅)を升目状の切り傷面に張り付け、消し
ゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がし
て目視により下記の式から接着性を求めた。接着性
(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
【0060】(2)突起及びキズの検出方法 以下に説明する光学欠点検出装置により、250mm×
250mmのフィルム片16枚について、光学的に50
μm以上の大きさと認識される突起を検出した。 (光学欠点の検出原理)投光器として20W×2灯の蛍
光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット
幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線
上と測定すフィルム面の鉛直方向となす角度を12度で
入射すると、そこに突起またはキズが存在すると光り輝
き、その光量をXYテーブル上方500mmに配置した
CCDイメージセンサカメラで電気信号に変換し、その
電気信号を増幅し、微分してスレッシュホールレベルと
コンパレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力す
る。また、CCDイメージセンサカメラから入力された
ビデオ信号を画像手順により突起およびキズの大きさを
計測し設定された大きさの欠点の位置を表示する。
250mmのフィルム片16枚について、光学的に50
μm以上の大きさと認識される突起を検出した。 (光学欠点の検出原理)投光器として20W×2灯の蛍
光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット
幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線
上と測定すフィルム面の鉛直方向となす角度を12度で
入射すると、そこに突起またはキズが存在すると光り輝
き、その光量をXYテーブル上方500mmに配置した
CCDイメージセンサカメラで電気信号に変換し、その
電気信号を増幅し、微分してスレッシュホールレベルと
コンパレータで比較して、光学欠点の検出信号を出力す
る。また、CCDイメージセンサカメラから入力された
ビデオ信号を画像手順により突起およびキズの大きさを
計測し設定された大きさの欠点の位置を表示する。
【0061】(3)キズの大きさの測定方法 前述の光学欠点検出装置より検出した欠点部分から、キ
ズによる欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り
取って、スケール付き顕微鏡で、フィルム面に対して垂
直方向から観察する。この際、50μm以内に近接する
キズの凹凸は同一のキズとし、それらのキズを覆う長方
形の長さ及び幅を、本発明で規定する傷の長さ及び幅と
定義する。(肉眼では同一と判断されても、顕微鏡で見
ると離れている場合が有るが、キズの長さと幅は上記定
義により求める)この様にして、キズの長さ及び幅を測
定した。
ズによる欠点を選び出した。さらに適当な大きさに切り
取って、スケール付き顕微鏡で、フィルム面に対して垂
直方向から観察する。この際、50μm以内に近接する
キズの凹凸は同一のキズとし、それらのキズを覆う長方
形の長さ及び幅を、本発明で規定する傷の長さ及び幅と
定義する。(肉眼では同一と判断されても、顕微鏡で見
ると離れている場合が有るが、キズの長さと幅は上記定
義により求める)この様にして、キズの長さ及び幅を測
定した。
【0062】(4)フィルム表面の突起高さ及びキズ最
大高さと深さの測定 前述の光学欠点検出装置を用い、検出した欠点部分を突
起とキズに分類し非接触式三次元粗さ計(マイクロマッ
プ社製550)を使用して測定した。測定条件はWAV
Eモード、対物レンズ10倍とした。
大高さと深さの測定 前述の光学欠点検出装置を用い、検出した欠点部分を突
起とキズに分類し非接触式三次元粗さ計(マイクロマッ
プ社製550)を使用して測定した。測定条件はWAV
Eモード、対物レンズ10倍とした。
【0063】(5)キズの個数 評価方法(3)からキズの長さL(mm)×幅W(m
m)の積S(mm2)を求め、さらに評価方法(4)か
らキズの最大高さと最大深さの山谷距離C(μm)を求
め、C×Sが0.2以上となるキズの個数(ヶ/m2)
を求めた。
m)の積S(mm2)を求め、さらに評価方法(4)か
らキズの最大高さと最大深さの山谷距離C(μm)を求
め、C×Sが0.2以上となるキズの個数(ヶ/m2)
を求めた。
【0064】(6)フィルムヘイズ値の測定 JIS−K7105に準じ、ヘイズメーター(東京電色
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
【0065】(7)三次元中心面平均表面粗さ(SR
a) 易接着層表面の三次元中心面平均粗さ(SRa)は、小
坂研究所社製の触針式三次元表面粗さ計(ET−30H
K)および三次元粗さ解析装置(SPA−11)を用
い、触針先端半径:2μm、触針荷重:20mg、カッ
トオフ値:0.08mm、測定長さ:1mm、送り速
さ:100μm/秒、送りピッチ:2μmの条件下で測
定した。
a) 易接着層表面の三次元中心面平均粗さ(SRa)は、小
坂研究所社製の触針式三次元表面粗さ計(ET−30H
K)および三次元粗さ解析装置(SPA−11)を用
い、触針先端半径:2μm、触針荷重:20mg、カッ
トオフ値:0.08mm、測定長さ:1mm、送り速
さ:100μm/秒、送りピッチ:2μmの条件下で測
定した。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明の光学用易接着フィルムは、優れ
た透明性、易接着性を有し、且つ目視で観察されるキズ
は勿論のこと、目視での観察が困難なキズも少ないた
め、各種光学用部材の全般にわたり使用される光学用フ
ィルムとして、特にプリズムシート用のベースフィルム
やバックライト用ベースフィルムとして有用である。
た透明性、易接着性を有し、且つ目視で観察されるキズ
は勿論のこと、目視での観察が困難なキズも少ないた
め、各種光学用部材の全般にわたり使用される光学用フ
ィルムとして、特にプリズムシート用のベースフィルム
やバックライト用ベースフィルムとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21A AA21C AA21H AK41A AK41B AK41C AK41J AK51A AK51C AL01A AL01C BA02 BA03 BA06 BA16 CC00A CC00C DE01A DE01C DE01H EJ38B GB41 GB90 JA20B JK14 JK15 JK15A JK15C JL11A JL11C JN01 YY00 YY00A YY00B YY00C
Claims (4)
- 【請求項1】 共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレ
タン系樹脂からなる易接着層が少なくとも片面に積層さ
れている二軸配向ポリエステルフィルムであって、前記
フィルム表面に高さが1μm以上の突起が10個/m2
以下であり、且つキズの最大高さと最大深さの山谷距離
をCμm、本文中で規定されるキズの長さL(mm)×
幅W(mm)の積をS(mm2)としたとき、C×Sが
0.2以上のキズが10ヶ/m2以下であることを特徴
とする光学用易接着フィルム。上記でいうキズの長さ及
び幅とは、50μm以内に近接するキズの凹凸は同一の
キズとし、それらのキズを覆う長方形の長さ及び幅のこ
とである。 - 【請求項2】 請求項1記載の易接着層上に光硬化型ア
クリル系コート層を設けた時の接着性が85%以上であ
ることを特徴とする光学用易接着フィルム。上記でいう
接着性とは、JIS−K5400の8.5.1記載に準
じた試験方法に基づき、下記式から求めた値を意味す
る。 接着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100 - 【請求項3】 前記易接着層の三次元中心面平均表面粗
さ(SRa)が0.002〜0.010μmでありフィ
ルムの全光線透過率が90%以上であることを特徴とす
る請求項1または2記載の光学用易接着フィルム。 - 【請求項4】 前記二軸配向ポリエステルフィルムの厚
さが100μm以上であることを特徴とする請求項1乃
至3記載の光学用易接着フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32605899A JP2001138464A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 光学用易接着フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32605899A JP2001138464A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 光学用易接着フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001138464A true JP2001138464A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18183649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32605899A Pending JP2001138464A (ja) | 1999-11-16 | 1999-11-16 | 光学用易接着フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001138464A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003029040A (ja) * | 2001-07-18 | 2003-01-29 | Teijin Ltd | 光学用フィルム、位相差フィルム及びそれらの製造方法 |
JP2010256913A (ja) * | 2010-06-04 | 2010-11-11 | Teijin Chem Ltd | 光学用フィルムの製造方法、および光学用フィルム |
JP2015212100A (ja) * | 2014-01-07 | 2015-11-26 | 三菱樹脂株式会社 | 積層ポリエステルフィルム |
JP2017145398A (ja) * | 2016-02-16 | 2017-08-24 | 東レ株式会社 | 透明導電性基板用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
CN116990310A (zh) * | 2023-09-27 | 2023-11-03 | 中国水利水电第九工程局有限公司 | 一种基于数据分析的墙体混凝土裂缝监测预警系统 |
-
1999
- 1999-11-16 JP JP32605899A patent/JP2001138464A/ja active Pending
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