JP2003029040A - 光学用フィルム、位相差フィルム及びそれらの製造方法 - Google Patents

光学用フィルム、位相差フィルム及びそれらの製造方法

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JP2003029040A
JP2003029040A JP2001217829A JP2001217829A JP2003029040A JP 2003029040 A JP2003029040 A JP 2003029040A JP 2001217829 A JP2001217829 A JP 2001217829A JP 2001217829 A JP2001217829 A JP 2001217829A JP 2003029040 A JP2003029040 A JP 2003029040A
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Masahiro Hosoi
正広 細井
Tamiaki Nagoshi
民明 名越
Junichi Shibata
純一 芝田
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
Minoru Hirota
実 広田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐熱、高透明で、フィルム表面の微細な突
起や押し傷のない、光学特性を制御した光学用途のフィ
ルム、及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンとを共重合させたポリカー
ボネート樹脂よりなるフィルムであって、厚さが20〜
1000μm、全光線透過率が80%以上、かつ表面の
微小突起数が20個/平方mm以下である光学用フィル
ム。フィルムの走行方向の張力を2.5Kg/平方cm
以下とし、かつ雰囲気温度を(Tg−50)℃〜(Tg
−5)℃とする乾燥工程により製造する(ただし、Tg
はポリカーボネート樹脂のガラス転移点温度(℃)であ
る)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に透明で、
かつ高い耐熱性を有し、制御された光学特性を持つ光学
用フィルムに関する。より具体的には、特定の芳香族ポ
リカーボネートよりなり、液晶表示装置などの偏光を用
いた光学系に用いられる低位相差を有する等方性の光学
用フィルム、液晶ハ゜ネル用の位相差補償フィルム等として
有用な位相差フィルム、およびそれらの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、表示材料分野において、ノート型ハ゜ソ
コン、ワート゛フ゜ロセッサー、携帯情報端末などに代表されるよう
な小型・軽量という特徴を生かした液晶テ゛イスフ゜レイや、エレ
クトロルミネスセンステ゛スフ゜レイが多く用いられている。
【0003】この技術分野では耐熱性、光学透明性、等
方性並びに表面の均質性を生かした光学用カ゛ラスが表示装
置用基板材料として主として用いられてきた。
【0004】近年、液晶電極基板、エレクトロルミネスセンス素子用
電極基板等の一部が、特に、携帯機器のテ゛ィスフ゜レイ向け等
に、軽量化・透明性を生かして、各種フ゜ラスチックフィルムの応
用が検討され、実用化も進められている。
【0005】フ゜ラスチックフィルムのカ゛ラスに優れる点として、軽
い、割れない、フレキシブル、湾曲させることができ
る、透明、そして、厚みをある程度自由に変えることが
できるなどが知られている。表示装置用以外にも光学等
方性のフ゜ラスチックフィルムは偏光板の保護用フィルム、光テ゛イスクの表
面保護用フィルム等に用いることも提案されている。
【0006】従来、これらのフィルムとして、ビスフェ
ノールAからなるポリカーボネート(BPA-PC)樹脂を用
いたものが称揚されてきた。BPA-PCは高分子樹脂の中で
も比較的Tgが高く、耐熱性が高いプラスチックである
が、より高い耐熱性の要求される用途が増大している。
例えば、プラスチックの電極基板としてこのフィルムを
用いる場合、素子を異方導電フィルムを用いて熱圧着して配
線する工程があるが、高速生産のためにより高い温度で
の接続処理がなされたり、また、このようなプラスチッ
クフィルムの加工、例えば各種機能性被膜のコーテイン
グや電極膜などの性能向上にともない、加工温度や生産
速度をあげる場合が増大している。このような際に、こ
のプラスチック製のフィルムが熱変形を受けて、収縮し
たり、カールしたりするなどの不都合を生じることがあ
った。
【0007】一方、延伸配向されたBPA-PCフィルムも位相差
フィルムとして多用されているが、この用途においても、高
透明性、高耐熱性、高度均一性や、無欠点であることが
要求されている。この場合位相差フィルムが従来よりも使用
環境温湿度の高い、たとえば車載用の各種のテ゛ィスフ゜レイに
用いられるようになったためより耐熱性の高い材料で形
成された位相差フィルムが必要とされている。
【0008】また、BPA-PC樹脂はポリカーボネートの中
では、溶媒結晶化を比較的起こし易いという特徴を有す
る、このためか比較的厚いフィルムの表面には微小な突
起を形成しやすい。このため透明性に優れた比較的厚い
フィルムまたはシートを溶液製膜法で作るのが難しいと言う問
題もあった。フィルム基板を、例えば、液晶表示装置の電極
基板に用いる場合、液晶が封入された基板間距離をスペ
イサーによって一定に保つ必要がある、電極基板の剛性
が小さい場合にはこのスペイスを一定に保ち難い問題も
おこる場合がある。剛性はフィルムの厚みの3乗に比例する
からフィルムの厚みをより厚くすることによって解決するこ
とも考えられる。このような際にフィルム厚みを容易に厚く
出来ることは大きな利点になる。
【0009】BPA-PCの比較的厚いフィルムの裁断片等を
粉砕して溶媒に再溶解し、回収使用した場合、得られる
溶液の透明性が損なわれやすく、従ってフィルムの透明
性が向上しないという問題もある。フィルムを粉砕し、回収
のために溶媒に再溶解しても粉砕前のフィルムに生じた
微小な結晶は充分には溶解しない場合が多い。また、フィ
ルム粉砕時の発熱や剪断力によって溶媒に溶けにくいもの
ができることがある。これらが、溶液のヘース゛を上昇さ
せ、これから得られるフィルムの透明性を損ねることがあ
る。
【0010】得られたBPA-PCからなるフィルムの表面を
顕微鏡下で詳細に観察すると直径約1〜3μmの表面欠点
が数千個/1平方ミリメートル存在することがある。この欠点
の出現頻度は、フィルムの厚みを厚くするほど多く、支持体
に樹脂溶液が接触した面に多く、溶液製膜のキャスト工程に
おける製造条件にも幾分依存して変化する。
【0011】このような高分子樹脂に特有な特性(溶液
から結晶化し易い)から生じる欠点以外に、従来の製膜
では、製膜の工程中の軟らかいフィルム表面がローラー表面
に付着した微細な汚れや塵や埃に押されてできる形状が
比較的なだらかな、数百μmに及ぶ大きさの窪み状の欠
点を生じることがある。
【0012】これらの欠点(樹脂の溶媒結晶化により生
じたフィルム面の微細な突起や工程中のロール表面付着物な
どから発生する欠点を言う、後者を以後押し傷と称す
る)はプラスチック電極基板の金属電極薄膜に欠陥を生
じたり特性の不均一を生じる原因となる。また、光デイ
スクの表面保護フィルム用途においては信号の欠落の原
因になる。BPA-PCは多用されているが、上記のような問
題は解決されていないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
高耐熱、高透明で、フィルム表面の微細な突起や押し傷
のない、光学特性を制御した光学用途のフィルム、及び
その製造方法を提供することにある。
【0014】また本発明の他の目的は、耐熱性、表面
性、光学特性に優れた光学用フィルム、及び位相差フィ
ルムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討し、BPA-PCポリカーボネートの
製膜技術を改良して、特定の構造のポリカーボネートか
らなるフィルムが上記特性を有し、特に、優れた表面性
を有する光学用に好適なフィルムを与えることを見いだ
し本発明に到達したものである。
【0016】すなわち、本発明は次のとおりのものであ
る。 1. 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンとを共重合させたポリカーボネート
樹脂よりなるフィルムであって、厚さが20〜1000
μm、全光線透過率が80%以上、かつ表面の微小突起
数が20個/平方mm以下である光学用フィルム。
【0017】2. 波長589.3nmにおけるフィル
ム面内方向のレターデーション値(Re.1)が20n
m以下、かつフィルム面内の遅相軸角度の幅方向分布が
±10°以内である上記1の光学用フィルム。
【0018】3. 波長589.3nmにおけるフィル
ム厚み方向のレターデーション値(Re.2)が60n
m以下である上記1、2の光学用フィルム。
【0019】4. 塩化メチレンを溶媒として用いて流
延製膜法により製造されたものである上記1〜3の光学
用フィルム。
【0020】5. 9,9−ビス−(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポ
リカーボネート樹脂よりなり、厚さが20〜1000μ
m、全光線透過率が80%以上、かつ表面の微小突起数
が20個/平方mm以下である光学用フィルムを流延製
膜法により製造する方法であって、フィルムの走行方向
の張力を2.5Kg/平方cm以下とし、かつ雰囲気温
度を(Tg−50)℃〜(Tg−5)℃とする乾燥工程
を含むことを特徴とする光学用フィルムの製造方法(た
だし、Tgはポリカーボネート樹脂のガラス転移温度
(℃)である)。
【0021】6. 9,9−ビス−(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポ
リカーボネート樹脂よりなる位相差フィルムであって、
厚さが20〜1000μm、全光線透過率が80%以
上、フィルムの幅方向においてレターデーション値の分
布(R)が5nm以下でかつ微小斑(r)が2nm以下
であることを特徴とする位相差フィルム。
【0022】7. 波長589.3nmにおけるフィル
ム面内方向のレターデーション値(Re.1)が50n
m以上であることを特徴とする上記6の位相差フィル
ム。
【0023】8. 9,9−ビス−(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポ
リカーボネート樹脂よりなり、厚さが20〜1000μ
m、全光線透過率が80%以上、フィルムの幅方向にお
いてレターデーション値の分布(R)が5nm以下でか
つ微小斑(r)が2nm以下である位相差フィルムを製
造する方法であって、ポリカーボネート樹脂よりなり、
流延製膜法により製造し、かつ溶媒を0.5〜5重量%
含有したフィルムを用い、これを延伸することを特徴と
する位相差フィルムの製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明について更に詳しく説
明する。 (ポリカーボネート)本発明の光学用フィルムは、9,
9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレン(BCF)と2,2−ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)−プロパン(BPA)とを共重合させたポリ
カーボネート樹脂(以下、BCF−PCと言うことがあ
る)より実質的になる。
【0025】かかるポリカーボネート樹脂(BCF−P
C)は、モノマーとしてBCFとBPAとを共重合した
共重合体であり、この共重合体における組成は、BCF
20モル%ないし80モル%とし、BPAの割合を80
モル%ないし20モル%としたものが好適である。特に
BCFの割合を30モル%ないし70モル%、BPAの
割合を70モル%ないし30モル%としたものが耐熱性
や、得られるフィルムの特性の点から好ましい。
【0026】この共重合体において、フィルムの耐熱性とし
て、ガラス転移点温度(Tg)の値で評価すると、BC
F/BPAの共重合モル比が30/70の場合にTgは
195℃であり、BCF/BPA共重合モル比が70/
30の場合には230℃である。本発明で用いられるB
CF−PC樹脂は、BCFとBPAとの共重合比を変え
ることによって、Tgを変化させることが出来る。
【0027】本発明で用いられる上記ポリカーボネート
は耐熱性が高いので、フィルムを用途に応じた加工を施
す加工プロセスでの耐久性を高めるうえで有利である。
耐熱性の面からは、かかるポリカーボネートからなるフ
ィルムのTgが、通常180℃以上、好ましくは190
℃以上、さらに好ましくは200℃以上がよい。一般に
プラスチック電極基板を異方導電フィルムで処理する場
合、プラスチックフィルムのTgよりも30〜40℃低
い温度で処理する。本発明におけるポリカーボネートフ
ィルムを用いればBPA−PC(Tg=160℃)を用
いる場合と比べて処理温度を大幅に上げることができる
為、生産の効率と品質の安定に寄与できる。
【0028】この共重合体は、耐熱性、製膜性等を微妙
に制御するために、上記2つのモノマー以外に少量成分
(例えば全体の20モル%以下)として他のビスフェノ
ールが共重合されていてもよい。
【0029】(ポリカーボネートの分子量)本発明で用
いられるポリカーボネート(BCF−PC)の塩化メチ
レン溶液にて測定した比粘度は0.55以上、より好ましく
は0.60以上、さらに好ましくは0.62以上である。比粘度
は溶液の好ましい流動特性を得るためにある程度高いこ
とが必要である。しかし、比粘度が高すぎる,すなわ
ち、分子量が高すぎる場合には溶液粘度が高すぎる結果
となり、溶液製膜操作が難しくなるので好ましくない。
【0030】(フィルム特性)本発明における共重合ポ
リカーボネートからなる光学用フィルムは、厚さが20
〜1000μm、全光線透過率が80%以上、かつ表面
の微小突起数が20個/平方mm以下であることを特徴
とするものである。
【0031】フィルムの厚さについては、厚さが20〜
1000μmの範囲である。厚さが薄くなりすぎると取
り扱いに支障を生じるとともに、例えば、LCD等の電極
基板として使う際、基板の間隔を一定に保てないなどの
不都合を生じる、さらに、微少張力でフィルム自体が引
き延ばされ、位相差が増加(変化)しやすいという不具
合を生じる。
【0032】一方、厚くなりすぎると、ロールの形状で
連続的に取り扱うことが難しくなるという問題がある。
好ましい厚さは30〜750μmであり、さらに好まし
くは50〜500μmである。
【0033】また、厚さのばらつきは小さいほうが良
い。ばらつきはフィルム厚さにより変化するが、厚さに
対して、ばらつきの範囲は好ましくは5%以下、より好
ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。こ
こで、5%とは、厚さ100μmのフィルムにおいて厚
さの最大値と最小値の差が5μmであるとする。
【0034】全光線透過率については高い方が望ましく
80%以上である。光学用フィルムの全光線透過率が低
くなりすぎると、各種の光学用途のフィルムとして用い
るのが困難になる。全光線透過率は、全光線透過率およ
び特定波長での透過率のいずれも重要であるが、とくに
550nmでの光線透過率は、人間の視覚感度が最も高い
波長であるため重要である。この波長の透過率が低い
と、たとえ全光線透過率が高くても視覚的に暗くなりや
すい。また、波長400nm付近での光線透過率はやはり
高ければ高いほど良い。これはフィルムを例えば光デイ
スクの保護フィルム(膜)として用いた場合に光源の波長
400nm付近の光をよく透過させるためである。全光
線透過率は好ましくは85%以上である。
【0035】透明性の点においては光線透過率に関連す
るものとしてヘイズがある。ヘイズもLCD等の表示特
性に影響を与えることが多く、本発明の光学用フィルム
のヘイズは、好ましくは0.5%以下、より好ましくは
0.3%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
【0036】本発明によれば、本発明で用いられるポリ
カーボネートから溶液製膜されたフィルムには、驚くべ
きことに、比較的厚さの厚いものであっても表面の微細
突起がほとんど形成されないので、フィルムの表面は極
めて平坦である。本発明の光学用フィルムは、少なくと
も一方の表面の微小突起数が20個/平方mm以下、好
ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下であ
る。ここでかかる微小突起は円形とみなしたときに大き
さが直径で3μm程度以下のものをいう。大きさは小さ
い方が好ましいが、下限は約1μm程度である。本発明
者らの検討によれば、上記ポリカーボネートを用いてフ
ィルムを作成し、これを粉砕し、溶媒に再溶解してもそ
の溶液のヘーズがほとんど上昇しない(従って、これよ
り得られたフィルムのヘーズも上昇しない)ため回収フィ
ルムを無駄なく使用することができる。これは、本発明の
ポリカーボネートフィルムが塩化メチレンなどの溶媒か
ら結晶化を殆ど起こすことがなく、粉砕時にも熱や剪断
力による分子配向を起こしにくく、溶媒に溶解しにくい
構造のものを作らないためと考えられる。フィルム表面
の平坦性が優れるのは、このようなことが関係している
ものと推定される。また分子構造的には、9,9−ビス
−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
構造における、メチル基とフルオレン環との相互作用、
それらと溶媒との相互作用等が関係して分子同士の凝集
が起こりにくいことも予想されるが、詳細は不明であ
る。
【0037】例えば、上記ポリカーボネート(BCF/
BPA共重合比70/30)の18重量%塩化メチレン
溶液を鏡面研磨したステンレス板に(液膜)厚みを変え
てキャストし、室温下で自然乾燥させて得られたフィル
ムの顕微鏡表面観察をしたところ、フィルムの厚みが3
mm程度以上に厚くても微小突起や表面の白化は観察さ
れなかった。一方比較のために粘度平均分子量が380
00であるBPA−PCについて同様に検討した。この
場合にはフィルム厚みが約100μm以上では表面に微
小突起が数多く形成され、さらにフィルムが厚い場合に
は白化し、その表面が粗れる現象が起こった。
【0038】このように9,9−ビス−(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとをモノマー成
分とする共重合ポリカーボネートを用いると、後述する
耐熱性、透明性が良好で、表面の平坦性が極めて高い位
相差フィルムが提供される。
【0039】本発明の光学用フィルムは、光学等方性が
高いことも特徴であり、厚さと複屈折の積で表わされる
位相差(Re.1)としては、波長589.3nmにお
いて好ましくは20nm以下である。特に電極基板用途
などの高い等方性を要するフィルムとして用いる場合に
おいては、Re.1は10nm以下であることがより好
ましく、8nm以下であることがさらにより好ましく、
5nm以下が特に好ましい。この値は限りなくゼロに近
いのが理想である。
【0040】また、フィルム平面内の光軸のばらつき
は、位相差のばらつきや視野角特性のばらつきを大きく
するため、これを低く制御することが望まれる。本発明
の光学用フィルムはRe.1が20nm以下と小さく、
かつ光軸のばらつきが±10度以下であることが好まし
い。より好ましくは±5以下である。用途により許容値
が変動するが、光軸のばらつきが大きくなりすぎると、
本発明の光学用フィルムの主要な用途であるLCDに用
いるのが困難となる。ここで、フィルム平面内の光軸と
は、フィルム面内の遅相軸をいい、フィルム平面に平行
でかつ屈折率の最大の方向を意味する。
【0041】本発明の光学用フィルムは、前記特性に加
えて、フィルムの厚み方向のレターデーション値(R
e.2)が波長589.3nmにおいて60nm以下で
あると、三次元の等方性が高く液晶表示装置における視
野角特性が良好である。Re.2のより好ましい値は4
0nm以下であり、さらに好ましい値は20nm以下で
ある。
【0042】本発明の光学用フィルムは、表面性に優れ
ており、フィルムのRa(中心線平均表面粗さ)で表わ
した表面性が、好ましくは5nm以下、より好ましくは
3nm以下である。表面性が良好なので、光ディスク表
面を被覆する保護フィルム、液晶表示装置用基板として
好適である。
【0043】また本発明の光学用フィルムは、熱的に高
い安定性を有するので、特に光ディスク表面を被覆する
保護フィルム、液晶表示装置用基板、EL用基板用途に
好適である。この高い安定性の指標として、本発明の光
学用フィルムは160℃における熱寸法変化率が読み取
り顕微鏡で測定したときに、好ましくは0.08%以下であ
り、より好ましくは0.05%以下である。
【0044】(光学用フィルムの製造方法)次に、本発
明の光学用フィルムを製造する方法について述べる。本
発明の光学用フィルムの製法にはとくに限定はなく、例
えば溶液製膜法、熔融押出法等を挙げることができる
が、位相差が低く、光学等方性のフィルムを得やすいと
いう観点から、溶液製膜法が好適である。溶液製膜法
は、単に、フィルム中の異物が少ない、低位相差のフィ
ルムを得やすいというほかに、フィルムの表面性が良好
で厚さのばらつきが少なく、そして極めて平坦なフィル
ムを得ることができる点でもすぐれている。以下、この
溶液製膜法について詳述する。
【0045】(溶解溶媒)溶液製膜法に用いることので
きる溶媒は、公知の溶解溶媒から選択することができる
が、中でも、塩化メチレンや1,3-ジオキソラン、並びに
その混合物などが好適な溶媒である。また、アルコール
やキシレンなどのポリカーボネートの非溶媒を少量混合
して副溶媒として用いるのは好ましい方法である。これ
によって溶媒の蒸発速度を制御し、表面性のすぐれたフ
ィルムを得たり、フィルムを延伸するときの副溶媒とし
ての作用を得ることができる。これらの溶媒は、通常の
フィルム生産においては、水を極力含まないのが好まし
い。溶媒として塩化メチレンを用いる場合はその水分率
が50ppm以下、より好ましくは30ppm以下とす
るのが良い。この溶媒の脱水(乾燥)は通常知られてい
るモレキュラーシーブを充填させた脱水装置によって実
施できる。
【0046】溶液製膜法に用いる溶液のポリマー濃度と
しては、10〜40%(重量%、以下同様)の範囲が好
適である。溶液中の上記ポリカーボネートの濃度が低す
ぎるばあい、揮発すべき溶剤量が多くなるため効率的で
ない、また、溶液粘度が小さくなりすぎて、均質なフィ
ルムを得られないことがある。一方、溶液中のポリカー
ボネート濃度が高すぎる場合は、溶液粘度が高くなり、
均質な流延が行なわれにくくなるほか、溶液がゲル化し
やすくなり、フィルム中の異物の原因となることがある
ため好ましくない。溶液を流延する前に平均目開き1〜
10μm程度のフィルターを通すことが、溶液中の異物
やゲル状物をフィルムに混入させないために好ましい。
【0047】(溶液製膜の支持体)溶液製膜法において
上記溶液をキャストする支持体としては従来公知のもの
を適用できる。例えば、ポリエステルフィルムや、極め
て高度に研磨した面を持つスチールベルトをあげること
ができる。本発明の光学用フィルムにおいては表面を超
平坦な状態で得るためには後者を用いるのが特に好まし
い。充分に鏡面研磨したスチールベルトをキャスト支持
体として用いる場合、LCD用途等の基板表面を平坦に
することができ、表示斑を著しく低減することができ
る。支持体表面のRa(中心線平均表面粗さ)で表わし
た表面性は、好ましくは5nm以下、より好ましくは3
nm以下である。
【0048】(製膜工程)本発明の光学用フィルムは、
上記溶液を用いて、例えば次のような複数の工程を経る
ことにより製造することができる。
【0049】(工程1:流延〜乾燥1〜剥離)この工程
においては、一方向に走行する連続した支持体上に、B
CF−PCを溶解した上記溶液を連続的に流延する。こ
の結果該支持体上に液膜が形成される。ついで該液膜を
ある程度乾燥させ、溶媒を含むゲル状のフィルムとし、
その後該支持体よりかかるフィルムを剥離する。流延さ
れた液膜はいくつかの区画に仕切り各区画の乾燥条件
(熱風温度、風速など)を変えることができるオーブン
を用いて乾燥する。なお、乾燥の際の温度は液膜、フィ
ルム及びそれらの周辺の雰囲気の温度とし、雰囲気温度
は熱風の温度で代表する。
【0050】第1区画では、支持体上にキャスト直後の
液膜は極力表面の乱れが生じないように、いわゆるレベ
リング斑が生じないように乾燥する。加熱の方法は乾燥
効率を上げるために流延された液膜を、熱風で乾燥する
方法や支持体の反液膜面を熱媒で加熱する方法を取る。
取り扱いの容易さから熱風を用いるのが好ましい。
【0051】キャスト直後のベルト表面の温度、並びに
雰囲気の温度は樹脂の溶解溶媒の沸点以上に上げないよ
うにしなければならない。沸点以上に液膜の温度を上げ
ると溶媒の突沸による気泡がフィルムに発生する結果と
なる。溶媒が塩化メチレンの場合、その温度は40℃以
下、好ましくは30℃以下である。
【0052】次の第2区画では、40〜45℃とし、液
膜中の塩化メチレンの濃度が30〜35重量%程度にな
るまで乾燥して液膜の変形が起こらないようにするのが
よい。
【0053】第3区画においては45〜50℃とし、フ
ィルム中の溶媒量は20〜25重量%程度となるまで乾
燥するのがよい。
【0054】また、第4の区画においては、乾燥温度を
50〜55℃とし、このときのフィルム中の溶媒量(残
留溶媒量)を18〜24重量%とするのがよい。
【0055】第5の区画においては十分冷却し、例えば
13〜17℃として乾燥を進めたのちフィルムを支持体
より剥ぎ取るのがよい。
【0056】支持体より剥離するときのフィルム中の残
存溶媒量は支持体の種類やポリカーボネートの共重合組
成により最適量が異なるが、多くとも22重量%以下、
好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%
以下が本発明の光学用フィルムを得るのに適している。
特に35重量%を超す過大な溶媒量がフィルム中に残存
すると、支持体からの剥離がしにくくなるほか、フィル
ムの強度が不足し搬送により延伸を受けることがあるた
め好ましくない。
【0057】一方、支持体上でフィルムの乾燥を促進さ
せすぎると、溶媒蒸発に伴う収縮応力がフィルムに働く
ため、流延支持体からフィルムが自然に剥離して平面性
を損なってしまうので好ましくない。好ましい条件で支
持体から剥離したフィルムの屈折率を測定すると、nx
(フィルム走行方向の屈折率)、ny(走行方向に直交
直角の屈折率)、nz(厚み方向の屈折率)としたと
き、nxとnyとはほぼ等しく、nzがnxやnyより
も幾分小さくなっていて、光学的には比較的に等方性の
良いフィルムとなる。なお、剥離させるときフィルムに
過大な張力や不均一な張力をかけないように注意する。
例えば、スチールベルト支持体から剥離するときのフィ
ルムにかける張力はフィルムの厚み100μm、フィルムの幅1000mm
に換算すると、3〜7Kg/平方センチメートルである。
【0058】剥離の張力が低すぎる場合、支持体に密着
したフィルムを剥離して、搬送することは通常出来ない。ま
た、張力が高すぎる場合はフィルムが引き伸ばされながら支
持体から剥離することがあるので品質の均一なフィルムを得
ることが困難である。
【0059】流延、剥離工程を経たフィルムは上記のご
とく残存溶媒をかなり含んでいるため、この残存溶媒を
更に乾燥させ取り除く必要がある。
【0060】(工程2:乾燥2)支持体から剥離したフ
ィルムは残存溶媒をかなり含んでいる。かかるフィルム
を平面性を保ちながら更に乾燥させるために例えば一般
には、テンター法や、フロート法あるいはロール搬送法
が用いられる。この乾燥工程において、急激な乾燥(温
度上昇)は残存溶媒の突沸を招き気泡を生じるので、こ
の問題が起こらないよう段階的に温度を上昇させる必要
がある。フロート法あるいはロール搬送法はフィルムの
幅方向が固定されないため、溶媒蒸発によるフィルム幅
の収縮を伴いフィルムに皺を生じたりして、滑らかにフ
ィルムを搬送させることが難しい、特にロール搬送法で
はロールと軟弱なフィルムとが接触して走行するために
フィルムに押し傷等の表面欠点を生じやすい、このため
支持体より剥離した直後のフィルムを乾燥するためには
あまり適していない。
【0061】テンター法は、フィルムの両端をピンある
いはクリップで支え、ピンあるいはクリップ間隔を拡縮
制御することによって溶媒乾燥に伴うフィルム幅の収縮
を抑制して乾燥することができるので好ましい。
【0062】このテンター法により乾燥させたフィルム
の屈折率はnxがnyより幾分高くなり、nzが両者よ
り幾分低くなっている。即ち、フィルム走行方向の分子
配向が僅かに増大する。また、この工程を通過させたフ
ィルムの残存溶媒量を2〜8重量%とするように乾燥さ
せれば、僅かな張力では変形しにくくなり、また、フィ
ルムの表面硬度も高くなるので、次の工程3における乾
燥の際、ロール等の表面と接触しても押し傷等の表面欠
点を生じにくくなる他、ロール搬送がしやすくなる。
【0063】(工程3:乾燥3)本工程により、フィル
ム中の残存溶媒量が所望の値になるように乾燥させる。
本発明においては、上記工程2(特にテンター法)によ
り乾燥させたフィルムを更にロール懸垂型乾燥機(ロー
ル搬送乾燥機の一種)により乾燥させるのがよい。これ
は乾燥空気オーブンの中に多数のロールを上下に平行に
並べ、そこにフィルムを巻きかけて走行させるようにし
た構造の乾燥機である。一般には乾燥空気の温度を逐次
上げるようにオーブンをいくつかに分割させた構造のも
のとする。非常に等方性に優れたフィルムを得る場合に
は、この工程において、フィルムの最終の乾燥と屈折率
制御(光学特性制御)とを行なうことができる。
【0064】かかる等方性のフィルム(理想的には屈折
率nx,ny及びnzが等しいフィルム)を得るには、
比較的高い温度の下に低い張力で熱処理(乾燥)するこ
とが重要である。熱処理の温度は、本発明に用いるポリ
カーボネート樹脂のガラス転移温度をTgとするとき、
通常(Tg−50)℃〜(Tg−5)℃である。また、
そのときのフィルムに掛ける張力は、1m幅、フィルム
厚み100μmに換算すると2.5Kg/平方cm以
下、より好ましくは2Kg/平方cm以下である。張力
の下限は低い方がよいが0とすることは物理的に難し
く、現実的には0.5Kg/平方cmより大きく2.0
Kg/平方cm程度かそれ以下である。加熱の温度と張
力とはTgを考慮して決める必要がある。加熱温度を高
くして、かつ、張力を高くした場合フィルムは延伸され
る状態となり、等方性が損なわれる。また、張力を2.
5Kg/平方cm以下に下げることができても温度が低
すぎれば等方化の効果はなくなる。
【0065】ここでいうフィルムに掛ける張力とは、ロ
ール懸垂型乾燥機の個々のロールをフィルム搬送により
回転させるための全体の力のことである。従って個々の
ロールの回転抵抗を極力小さくする軸受けの構造とした
り、テンデンシー化(補助回転力を与えたロール)する
ことも必要である。搬送ロールの回転抵抗が高すぎる場
合にはロール上でフィルムが滑りスクラッチを発生させ
ることがある。また、フィルムの厚みが大きい場合は搬
送ロールの径も大きくするのが好ましい。この径が小さ
すぎるとフィルムの剛性のためにフィルムがロール表面
に充分に密着して走行しないため、フィルムに皺やスリ
キズを生じたりして、走行が出来なくなることがある。
搬送ロールの好ましい直径は100mm〜500mmで
ある。とりわけ100mm〜200mmが好ましい。搬
送ロールの表面は硬質クロムメッキし鏡面研磨したもの
とするのがよい。
【0066】フィルムの残存溶媒量が所望の値に達しな
い場合は、更に乾燥すればよい。ただし、このときフィ
ルムに掛ける張力と温度とは一度等方化されたフィルム
を変形させて、等方性を損なうような条件であってはな
らない。
【0067】等方化されたフィルムロールを得るには、
通常、この工程で処理されたフィルムを室温まで冷却
し、ついで、マスキングフィルムと共巻きしてフィルム
ロールを得るか、フィルムの両端にナーリングを付与し
てフィルムロールを得る。
【0068】なお、この工程で得られたフィルムを、つ
づいて更に延伸工程に付して延伸して位相差フィルムを
得る場合もあるが、その際にも、延伸前のフィルムが極
力等方化されていることは、均一なレターデーションの
位相差フィルムを得る上で重要である。
【0069】先に述べたフィルムの押し傷による表面欠
点は、通常この乾燥3の工程の初期で起こる場合が多
い。キャストされ、支持体から剥離された直後のフィル
ムは直ちにピンテンター(乾燥2)に通膜されるため、
その表面は直接ロール等の表面に接触しない状態で乾燥
される。このため、フィルム表面の押し傷は形成され難
い。
【0070】ピンテンターを通過したフィルムは乾燥3
の初期にあたる最初の区画に送りこまれる。この工程に
おいて、ある程度の量の溶媒を含んだフィルムがその表
面硬度が充分に高くない状態でロール表面(温度は雰囲
気の温度と同じ)に接触するが、このときロール表面に
僅かな埃、芥、などの異物が付着している場合には平坦
であったフィルム表面に押し傷が形成されることがあ
る。
【0071】溶媒を含んだフィルムの表面硬度と押し傷発生
の有無との関係を調べた結果では、表面硬度を鉛筆硬度
であらわせば、3Bよりも軟らかい場合に押し傷が生じ
やすいことが判明した。このため、乾燥3の工程に通膜
する直前のフィルムの表面硬度(鉛筆硬度)を2B以上
に硬くなるように乾燥2の工程で調整するのがよい。
【0072】かくして得られた本発明の光学用フィルム
は、フィルム表面に押し傷状の欠点が極めて少なく、高
度の平面性を有することも大きな特徴である。フィルム
表面に存在する押し傷状の欠点とは、打痕とも称される
欠点部分である。この欠点が本発明のような透明な光学
用フィルムにある場合は、この欠点部に蛍光灯などの光を斜
めから照射し、その反射光を目視することによって検出
することができる。この欠点の大きさは輪郭が鮮明では
なく高さも高くないため特定し難いが、かかる欠点部を
アルミ蒸着し、微分干渉顕微鏡で観察した場合には差渡し
が500μm以下、主に100〜500μm程度のほぼ
円形であった。この大きさの中で表面が緩やかにうねっ
た形状をしているのが観察された。また、この欠点の中
心部の表面には固いもので押し付けたと判断される傷が
見出される場合もあった。本発明の光学用フィルムは、
かかる押し傷状の欠点部分が、フィルム表面合わせて4
0個/平方メートル以下であり、好ましくは20個/平
方メートル以下、さらに好ましくは10個/平方メートル以下で
ある。
【0073】このように、本発明のフィルムは、平面
性、表面性、透明性が良好であり、厚み斑が小さく、耐
熱性に優れ、極めて光学的に等方性が高いものであり、
液晶表示装置における液晶セル用基板、後述の位相差フ
ィルム用原反フィルム、EL素子用基板、タッチパネル
用基板など、種々の光学用途に有用である。特に、高い
光学等方性、平面性、表面性を必要とする光ディスク表
面を被覆する保護フィルムとして好適である。
【0074】かくして得られた本発明のフィルムは、残
存溶媒量が0.3重量%以下のものは、LCD用基板、
高密度光デイスクの保護層並びにEL素子用基板等に好
適に用いることができ、残存溶媒量が0.5〜5重量%
のものは、後に示すような延伸工程に付して延伸を行な
うことにより、優れた光学特性をもつ位相差フィルムを
提供することができる。
【0075】(位相差フィルム)すなわち本発明によれ
ば、9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−プロパンとを共重合させたポリカーボネート
樹脂よりなる位相差フィルムが提供される。
【0076】かかる位相差フィルムを構成するポリカー
ボネートは、上記で述べたものと同じである。
【0077】かかる位相差フィルムは、厚さが20〜1
000μm、全光線透過率が80%以上、フィルムの幅
方向においてレターデーション値の分布(R)が5nm
以下でかつ微小斑(r)が2nm以下であることを特徴
とする。
【0078】フィルムの厚さ、全光線透過率、ヘイズ等
のフィルム特性については、前記したものを満足するも
のである。
【0079】かかる位相差フィルムの波長589.3n
mにおけるフィルム面内方向のレターデーション値は、
通常50nm以上である。またこの位相差フィルムをλ
/4板、λ/2板、並びにλ板として用いる場合は、か
かるレターデーション値は、148nm、280nm並
びに、575nm程度の位相差値である。
【0080】本発明の位相差フィルムは、マクロに見た
とき及びミクロに見たときのフィルム内におけるレター
デーションの斑が少なく、又小さいことが特徴である。
マクロな意味でのフィルムの幅方向におけるレターデー
ション値の分布Rは、好ましくは5nm以下、より好ま
しくは3nm以下、更に好ましくは2nm以下である。
【0081】またミクロな意味での位相差フィルムの幅
方向におけるレターデーション値の微小斑rは好ましく
は2nm以下、より好ましくは1nm以下である。
【0082】上記位相差フィルムを製造する方法は、特
に制限はないが、前記光学用フィルムを圧延または延伸
することにより製造することができる。位相差フィルム
は前記の等方性の光学用フィルム(無配向フィルム)を延伸
等の操作によりフィルム中のポリマー分子鎖が配向した
配向フィルムである。前記光学用フィルムは表面の平坦
性、表面性が高く、かつ極めて光学的に等方性が高いの
で、フィルム全体の位相差斑が小さく、品質が良好な位
相差フィルムが提供される。以下、前記光学用フィルム
を延伸工程を付して延伸することにより本発明の位相差
フィルムを製造する方法を述べる。
【0083】(工程4:延伸前フィルム予熱)本発明の位相
差フィルムを製造する際には、通常、前記乾燥3の工程
に引き続いて延伸前のフィルム予熱工程に通膜する。
【0084】この工程では、フィルムにその両面から熱
風を吹きつけて非接触加熱するフローテイング法を用い
る方法を好ましく挙げることができる。この非接触加熱
によってフィルム中の残存溶媒をさらに減らし、またフ
ィルム面内並びに厚み方向の均一性を上げたり、温度の
均一化を図る。
【0085】本発明のBCF−PCの場合この熱風温度
は、BCF−PC樹脂のTgを基準にすると(Tg−5
0)℃乃至(Tg+10)℃がよい。この加熱によりフ
ィルムの残存溶媒量を5重量%以下となるように調整す
る。
【0086】(工程5:延伸)この工程では、フィルム
にその両面から熱風を吹きつけて、非接触加熱するフロ
ーテイング法を用いるのがよい。この非接触加熱によっ
てフィルムが延伸される時にロール表面などでの接触に
よって発生することがあるスクラッチ等の表面欠点を生
じさせない製膜ができる。
【0087】延伸はフィルムの走行方向に行い、1段階
または2段階以上に分割して延伸する方法がレターデー
ションの均一化と光学特性(屈折率)の制御のために好
ましい。
【0088】延伸倍率は、BCF−PC樹脂のTgを基
準にすると(Tg−15)℃乃至(Tg−5)℃の雰囲
気温度で延伸するのがよい。また、次工程においてさら
に延伸を行なう場合には、雰囲気温度は(Tg−10)
℃乃至(Tg)℃とするのがよい。延伸倍率は特に制限
はないが、通常、1.1倍乃至4倍程度である。
【0089】(工程6:熱処理)延伸されたフィルム
は、一旦冷却後、あるいはひき続いて加熱して熱処理を
施すのがリターデ−ションの均一化等のために好適であ
る。この熱処理における雰囲気温度は、(Tg−10)℃
乃至(Tg+5)℃がよいが、この工程の温度は、上記
延伸工程における延伸温度よりも2〜20℃高くするの
が効果的である。また処理時間は通常10〜30秒であ
る。
【0090】この熱処理工程では、フィルムを緊張させ
て、行なうのがよい。具体的には、フィルムの走行方向
にフィルムの収縮応力に打ち勝つ程度の張力をかけるの
がよい。またフィルムの幅方向へは張力をかけなくて
も、ある程度かけてもよい。
【0091】さらに、この工程では、フィルムの走行方
向に積極的に張力をかけて、さらにフィルムを延伸して
もよい。延伸の倍率は所望のレターデーション値を得る
ために必要な倍率を選択すればよい。かかる延伸倍率と
しては、例えば、延伸工程及び熱処理工程での延伸を合
わせた総合延伸倍率を2倍とする場合、延伸工程で1.
5倍延伸したとき、熱処理工程の延伸倍率は1.33倍
となる。
【0092】しかし、一般のポリカーボネートを用いる
場合は、延伸フィルムのレターデーション値は延伸倍率
と温度からのみでは一義的には決まらない場合がある。
例えば、本発明において二段階に延伸する工程では、延
伸温度と倍率とが得られるフィルムのレターデーション
値に著しく影響するからである。このような場合は延伸
温度と延伸倍率とを所望のレターデーション値が得られ
るように試行錯誤によって決めることができる。
【0093】延伸を2段階で行い、延伸の温度と倍率と
を上記のごとく変えるのは、得られるフィルムの屈折率
が位相差フィルムに特に好ましい特性を与えるからであ
る。即ち、フィルムの一軸延伸によって、nx(延伸方
向の屈折率)は著しく大きくなり、nyは相対的に小さ
くなる、また、フィルム厚み方向の配向の程度を示すn
zが著しく小さくなる。この結果このような位相差フィ
ルムを表示装置に用いた場合、その見る角度によって視
野角特性が悪化する(レターデーション値が大きく変化
する)という問題がある。この改善のために、2段目の
延伸をより高い温度で実施し、延伸される高分子の分子
軸に沿う回転を自由にさせてnyとnzとを極力等しく
するようにフィルムの微細構造を制御するのがよい。
【0094】(工程7:冷却〜巻き取り)延伸終了後の
フィルムは冷却工程にて冷却し、構造を固定して後、通
常ロール状に巻き取る。この際の冷却はフィルムを延伸
又は熱処理の温度よりも5℃以上低く設定したロール表
面に接触させて実施すると、フィルムを急冷する際残る
波皺が消失するので特に好ましい。フィルムはナーリン
グ付与で巻き取るか、もしくはマスキングフィルムと共
巻きしてロール状に巻き上げて製品とする。
【0095】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実
施例における本発明の測定、効果の評価は次の方法によ
った。 (1)全光線透過率及びヘーズの測定 フィルムの幅方向3ヵ所からサンプルを採取した。サン
プルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁
度測定器COH−300Aを用いて測定した。各サンプ
ルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計
15点の平均値を全光線透過率とした。なおこの測定は
JISK7105に準ずるものである。
【0096】(2)フィルム中の含有溶媒量の測定 溶媒を含有したフィルム約5gを採取し、220℃の熱風
乾燥機で1時間乾燥させた後室温まで冷却した。その
際、当該乾燥前後の重量を化学天秤で精秤し、その変化
率を求めた。これにより固形分基準の溶媒含有量を求め
た。具体的には、フィルム(幅は約1m)を幅方向に5
等分して測定した。そしてこれを3回、別々の幅方向に
ついて実施し、その平均値を求める方法によった。当該
乾燥前の重量をa、乾燥冷却後の重量をbとした場合、
固形分基準の溶媒含有量の個々の測定値は、次式で表す
ことができる。 {(a−b)/b}×100%
【0097】(3)フィルムの中心線平均表面粗さ(R
a)の測定 中心線平均表面粗さ(Ra)とはJIS−B0601で
定義される値であり、本願明細書における数値は、
(株)小坂研究所の接触式表面粗さ計(Surfcorder、S
E−30C)を用いて測定した。Raの測定条件は下記
のとおりであった。 触針先端半径:2μm、測定の圧力:30mg、カット
オフ:0.08mm、測定長1.0mm。 データは、同一試料について5回繰り返し測定し、その
測定値(μm単位による小数点以下4桁目までの値)に
ついて、最も大きな値を一つ除き、残りの4つのデータ
の平均値の小数点以下5桁目を四捨五入して、少数点以
下4桁目までをnm単位で示した。
【0098】(4)面内レターデーション値(Re.
1)並びに遅相軸角度の測定 等方性フィルム(延伸前フィルム)については、幅方向
サンプル全幅についてレターデーション連続測定器(新
王子製紙(株))製の商品名KOBRA−21SDH)
により10mm間隔でレターデーション値と遅相軸角度と
を測定した。測定波長は589.3nmである。このデ
ータより測定サンプル全幅方向におけるレターデーショ
ン値の差を求めた。すなわち、フィルム全幅方向の範囲
のレターデーション値の最大値と最小値との範囲、Re.
1=最小値〜最大値で表示し、均一性の尺度(単位n
m)とした。
【0099】(5)厚み方向のレターデーション値(R
e.2)の測定 上記(4)項の測定と同様に全幅をサンプリングして、
フィルムの幅方向に5等分した。5等分したサンフ゜ルから測
定サンプル小片を切り出し、自動複屈折率測定装置(新
王子製紙製の商品名、KOBRA-21ADH)で測定した。フィ
ルムサンプルをその遅相軸または進相軸で回転させて入
射角度を変えてレターデーションを測定し、これらのデ
ータから屈折率nx、ny並びにnzを計算した。更に
これらの値から、Re.2=((nx+ny)/2−n
z)xd (単位nm)を計算した。ここで、dは測定
フィルムの厚みをあらわす。
【0100】(6)視野角特性の測定 自動複屈折率測定装置(新王子製紙(株)製の商品名
KOBRA−21ADH)を用いてフィルムの法線方向
のレターデーションRe(0)とフィルムの法線と40
度の相対角度で斜入射したときのレターデーションRe
(40)を測定し、その差の絶対値からレターデーショ
ンの変化率を求めた。 {|Re(0)−Re(40)|/Re(0)}×10
0 測定時のフィルムの斜め入射測定は遅相軸と進相軸の両
者について行い、その平均値を視野角特性として表示し
た。この変化率の小さな方が視野角特性に優れることを
意味する。
【0101】(7)熱寸法変化率 フィルムの幅方向3ヵ所からサンプルを採取した。測定
サンプルの大きさは幅10mm、測定の方向に150mm
とした。測定の方向はフィルムの走行方向と走行方向に
直角方向の2方向とした。測定の方向に標点間隔を100
mmとし、所定温度(160℃)の恒温槽にて無荷重下で
2時間処理した後、室温に取り出し冷却して後測定し
た。寸法の測定は、恒温恒湿下、23℃、65%RHの
条件下で、読取り顕微鏡を用いて実施した。寸法の変化
率は熱処理前後の寸法から次のように求めた。 熱寸法変化率={(処理前の寸法)−(処理後の寸
法)}/(処理前の寸法)×100%
【0102】(8)ガラス転移温度Tgの測定 フィルムサンプル約10mgを用い、加熱速度10℃/
minでDSC曲線(DSC測定装置はDSC V4 O
B DuPont2000を用いた)を求めた。この曲
線の立ち下がり(変曲点)部をガラス転移点温度Tgと
した。
【0103】(9)フィルム表面の押し傷状表面欠点 フィルム全幅で、長さ方向に1mのサンプルを採取し、
光を反射しないような黒色またはそれに近い色に着色し
たテーブル上にこのフィルムを置いた。フィルムに斜め
方向から蛍光灯の光を当て、その反射光でフィルム表面
を目視して微小の欠点を検出し、押し傷状欠点として数
を数えた。フィルムの特性の良否は欠点の大きさと、数
とで判定した。押し傷状であるかどうかはフィルムの欠
点部にアルミニウムを真空蒸着して微分干渉顕微鏡にて
検鏡した。この押し傷状欠点は大きさが約100〜500μm
程度のなだらかな突状(反対面は窪み状)になってい
た。窪み状になっている部分を拡大して観察すると、そ
の中央付近に引っかいた傷状の形態や微小な硬い異物が
フィルム面を押し付けて生じたような形態のものが見られる
場合があった。
【0104】(10)フィルム表面の微小突起状の表面
欠点 フィルムの幅方向で3個所サンプリングし、このサンプ
ルの両面にアルミニウムを真空蒸着した。これを微分干
渉顕微鏡、またはレーサ゛ー顕微鏡で観察し、大きさが直径
約1〜3μmの微小な突起の数を数えた)。微小な突起
の形状はほぼ丸い形をしていた。微小突起の発生頻度を
1平方ミリメートルあたりの数で表示した。
【0105】(11)フィルムの張力の測定 フィルムにかかる張力は、各工程の、特にフィルム引取
り側の箇所(フィルムの各工程の出口)でフィルム搬送
ロールの支持部にロードセルを設置して測定した。
【0106】(12)フィルムの厚み斑 フィルム全幅の厚み斑は、連続厚み計(アンリツ(株)
製 フィルムシックネステスター KG601A)を用
いて行なった。
【0107】(13)位相差フィルムの面内リターデー
ションの分布及び斑の測定 本発明の光学用フィルムを延伸することにより作成した
位相差フィルムについて、フィルム全幅を5mm間隔で
測定した。分布(R)はフィルム全幅を5mm間隔で測
定したレターデーション値の、最大値と最小値との差
(範囲、R)を求め、均一性の尺度(単位nm)とし
た。さらに、微小斑(r)は、あるレターデーション測
定値の次の隣りの点との間、すなわち、10mm間のレ
ターデーション値の差を求め、その最大値をフィルム微
小部分のレタデーションの最大値(微小斑r)とし、均
一性の尺度(単位nm)とした。これが大きい場合には
フィルムを偏光板に挟んで見るときにその部分が筋状の
色斑となって見える場合がある。測定のサンプル長は幅
方向は全長を、長さ方向の場合には1mとした。
【0108】[実施例1]ビスフェノールとして9、9
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンが113.4g(30モル%)、ビスフェノールAが159.6
g(70モル%)とホスゲンとから共重合ポリカーボネー
トを合成した。この共重合ポリカーボネート樹脂(BCF-
PC)の比粘度は、樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶
解し、20℃で測定した。比粘度ηspは0.61であった。こ
の樹脂を120℃で16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気に
より30℃まで冷却した。これを塩化メチレンに溶解し
て19重量%の溶液を作成した。この溶液を平均孔径3
ミクロンのフィルターに通し異物を除去した。更にこの
溶液の温度を15±0.5℃に調節して1500mm幅のコート
ハンガーダイに導入し、続いて、約1060μmの液膜とし
て、鏡面研磨したSUS−316Lよりなるベルト支持
体上に流延した。流延を開始する直前の支持体の温度
(表面温度)を9℃に設定した。流延されたフィルムを
次のようにして乾燥した。
【0109】(第1区画)乾燥の初期段階においては支
持体裏面に30℃の温風を吹きつけて加熱し、フィルム
の雰囲気温度を20℃としてフィルムの変形(レベリン
グ不良、液面の微小な浪打)が起こらないように注意し
て乾燥させた。(溶液製膜の場合、キャスト直後の状態
は溶液の膜、即ち液膜と呼ぶのが実際に近いが、ここで
はフィルムと呼ぶことにする)。(第2区画)ついで、
温風吹きつけにより、雰囲気温度を45℃とし、フィル
ム中の塩化メチレン濃度が35重量%程度になるまで乾
燥した。(第3区画)ついで、温風吹きつけにより、雰
囲気温度が50℃で乾燥し、フィルム中の溶媒量を25
重量%とした。更に、(第4区画)において、55℃の
雰囲気温度で乾燥した。この時のフィルム中の溶媒量を
20重量%とした。(第5区画)において、フィルムを
支持体と共に15℃の雰囲気で冷却した。この工程の終
了点におけるフィルム中の溶媒量は18重量%であっ
た。
【0110】次に、上記フィルムを支持体より室温下で
剥離した、剥離時のフィルムの引き取り張力はフィルム1m幅換
算で5Kgであった。フィルムを更にピンテンター方式の
乾燥機に送り込み乾燥しつつ搬送した。
【0111】ピンテンター乾燥機は6つのゾーンに分割
された方式のものを用いた。ピンテンター中において、
入口からフィルムの乾燥が進み、それにしたがってフィ
ルムの幅方向が収縮するので、この幅の収縮に合わせて
ピンテンターのレール幅も狭めるようにして乾燥させ
た。すなわち、ピンテンター工程の後半になるに従って
熱風温度を上昇させフィルムの乾燥を促進させた。この
際フィルムの分子配向が極力起こらない様にピンテンタ
ーのレール幅を設定するようにした。前半の熱風温度を
110℃、130℃、130℃とし、中間の4、5ゾーンの温度
を130℃、130℃として、この5ゾーン部でフィルムをピ
ン突き刺し部から切り離した。更に6ゾーンで120℃の
熱風温度とした。ピンテンターの出口において、室温の
冷風を吹き付けて冷却し、フィルムの引取り張力を6k
g/(1m幅相当)として引取った。このときのフィルム表
面の鉛筆硬度は両面共に1Bであった。
【0112】さらに引続き、ロール懸垂型の乾燥機へ通
膜した。このロール懸垂型乾燥機は3つの部屋に分割し
各部屋の熱風温度を変えることが出来るようにした。最
初の熱風温度を150℃、2番目の熱風温度を160℃
として、3番目の部屋の熱風温度を180℃とした。ロ
ール懸垂型乾燥機におけるフィルムの引取り張力を1.
8kg/平方cmとして引取った。
【0113】かくして得られたBCF―PCの等方性ポ
リカーボネートフィルムの特性は下記の通りであった。 フィルムの幅:1300mm、 フィルム厚み:200μm、 厚み斑:4μm、 160℃における熱寸法変化率:タテ、ヨコ共0.05
%、 全光線透過率:90.5%、 ヘーズ:0.13%、 残存溶媒量:0.3%、 表面粗さRa:フィルム両面共2.0nm、 表面の微小突起の数:フィルム両面共10個/1平方m
m、 表面の押し傷:2個/1平方メートル(両面合わせて) Tg:195℃、 レターデーション値Re.1:2〜5nm、Re.2:
19nm、 遅相軸角度の幅方向分布:−6度〜+6度。
【0114】[参考例1]実施例1においては、ピンテ
ンター乾燥(乾燥2)が済んだフィルムをロール懸垂型乾燥
機(乾燥3)に送りさらに乾燥させた。この工程におい
てロール懸垂型乾燥機に送り込む直前のフィルムの表面硬度
を変え、フィルム表面の押し傷の解消を図る実験を行なっ
た。実施例1と同様にして製膜を行ない、厚み250μmの
未延伸フィルムを作成した。ロール懸垂型入り直前のフィルム表
面硬度はこのフィルムが含有する塩化メチレンの量によって
決まるのではないかと推定されたので、ピンテンターの
乾燥温度を変えて、フィルム中に残存する塩化メチレン
の量を変えたフィルムをロール懸垂型乾燥機に通膜する実験
を行なった。この結果では残存塩化メチレンの多い、即
ち軟らかいと考えられるフィルムで押し傷が発生しやすい訳
ではなく、押し傷はフィルム表面の硬度が高いほうが発生し
難いことが解った。フィルムの表面硬度は硬度を変えた鉛筆
を準備し、これでフィルム表面を引っかいて測定した。フィルム
の表面硬度と含有塩化メチレンの量との関係はなさそう
であった。比較的厚みの厚いフィルムにおいてはフィルム中の塩
化メチレンが断面全体に均一に分布していないので表面
硬度は残存塩化メチレン量と一義的には関係しないもの
と思われる。この結果ロール懸垂型乾燥機に送られるフィ
ルムの表面硬度が2B以上に硬ければ押し傷は生じ難いこと
が解った。
【0115】[比較例1]ビスフェノールAのみをビス
フェノール成分とする芳香族ポリカーボネート樹脂(B
PA−PC)ペレット(帝人化成(株)製の「パンライ
トC−1400QJ」、粘度平均分子量38,000)
を120℃で16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気によ
り30℃まで冷却した。この芳香族ポリカーボネート樹
脂ペレットを塩化メチレンに溶解させ、18重量%の溶
液を準備した。この溶液を平均目開き7μmと1μmのフ
ィルターに通し異物を除去した。更にこの溶液の温度を
15±0.5℃に調節して1500mm幅のコートハンガーダ
イに導入し、続いて、液膜の厚みを変えて実施例1と同
じ製膜装置の支持体上に流延した。流延を開始する直前
の支持体の温度(表面温度)を9℃に設定した。流延さ
れたフィルム(液膜)をキャストオーブンの主に温度条件
を変えて乾燥させた。
【0116】得られたフィルムの厚みとフィルムの特性との関係
は下記の通りであった。すなわち、フィルムが比較的薄い10
0μm以下の場合には、フィルムの表面に微細な突起が少数し
か観察されなかったが、厚みが100μmを超えるとフィルムの
ベルト接触面に微細な突起が多数形成(ポリカーボネー
トの溶媒結晶化によって形成されたものと思われる)さ
れて、フィルムの表面ヘース゛が上昇するようになった。厚みを
増やすと共にこの影響によるヘーズが増大し、フィルム厚み
が150μm程度以上になるとフィルムが明らかに白濁し始め
た。この際にもフィルムは支持体に接触した面が著しく粗れ
ていた。このフィルム厚みにおいてキャストの液膜乾燥条件
を色々と変えてみても得られるフィルムはフィルムは透明性を損
なわれたままだった。このようにBPA-PCでは透明性に優
れ、厚みが厚く、しかも、フィルムの表面の微細な突起が存
在しないフィルムを得ることができなかった。
【0117】[実施例2、比較例2]ビスフェノール成
分として9、9−ビス(3−メチル、4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン253.3g(67モル%)、ビスフェ
ノールA75.2g(33モル%)とホスゲンとから共重合
ポリカーボネートを合成した。この共重合ポリカーボネ
ートの比粘度ηspは0.618であった。この樹脂を120℃で
16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気により30℃まで冷却
した。これを塩化メチレンに溶解して19Wt%の溶液を
作成した。この溶液を平均孔径3ミクロンのフィルター
に通し異物を除去した。更にこの溶液の温度を15±0.5
℃に調節して1500mm幅のコートハンガーダイに導入
し、続いて、約740μmの液膜として鏡面研磨したSU
S−316Lよりなるベルト支持体上に流延した。流延
を開始する直前の支持体の温度(表面温度)を9℃に設
定した。流延されたフィルムを実施例1と同様にして乾
燥し、支持体から剥ぎ取った。この工程の終了点におけ
るフィルム中の溶媒量は18重量%であった。以下実施
例1と同様にして、ピンテンター乾燥(乾燥2)を実施
した。さらに3つの部屋に分割し各部屋の熱風温度を変
えることが出来るようにしたロール懸垂型乾燥機(乾燥
3)により、最初の部屋の熱風温度を150℃、2番目の熱
風温度を170℃として、3番目の部屋の熱風温度を190℃
とした。ロール懸垂型乾燥機におけるフィルムの引取り張力
を2.0kg/平方cmとして引取った。
【0118】かくして、得られたBCF-PC共重合ポリカー
ボネートフィルムの特性は下記の通りであった。 フィルムの幅:1300mm フィルム厚み:140μm 残存溶媒量1.1重量%
【0119】この後フィルムをフロート方式の加熱装置に送
り延伸前の予熱温度を190℃とし、ついで、フロート方
式の延伸機により2段階に延伸した。得られるフィルム
のレターデーションが1/4λ(No.1)、1/2λ
(No.2)等に極力近くなるように延伸倍率と温度と
を精密に調整した。延伸条件並びに得られたフィルムの
特性を表1に示した。
【0120】表1でNo.1、No.2は実施例2、N
o.3は比較例2に対応する。比較例2は1回目の延伸
のみで製膜したものである。なお、得られたフィルムの
特性は、残存溶媒量がNo.1,2共に0.5重量%、
Tg:226℃であった。
【0121】
【表1】
【0122】この結果、No.1,No.2の場合、レ
ターデーションの斑R,rとも小さい優れた位相差フィ
ルムを得ることができた。一方比較例であるNo.3で
はレターデーション斑も視野角特性も大きく、位相差フ
ィルムとして好ましくないものであった。
【0123】
【発明の効果】本発明の光学用フィルムはレターデーシ
ョンが低く等方性に優れ、耐熱性、透明性に優れるもの
である。また微小な突起や押し傷状の微細な表面欠点を
極力少なくしたものであるため、液晶表示装置や、エレ
クトロルミネッセンス表示装置等の電極基板用フィル
ム、光デイスク用の保護フィルムなどとして有用である。ま
た、この光学用フィルムを延伸した延伸フィルムは、耐熱性
が著しく改良されたものであるため、屋外で使用される
例えば車載用の各種(液晶)表示装置、タッチパネル等
における位相差フィルム等の光学部品として極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 69:00 C08L 69:00 (72)発明者 芝田 純一 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 八幡 一雄 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 (72)発明者 広田 実 愛媛県松山市北吉田町77番地 帝人株式会 社松山事業所内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB44 BC03 BC09 BC22 4F071 AA50 AA80 AA86 AF15 AF30 AF35 AF45 BA02 BB02 BC01 BC02 BC12 BC14 BC16 4F205 AA28E AG01 AH73 AR04 AR06 GA07 GB02 GC07 GN19 GN21 GN24 GW21 4F210 AA28 AG01 AH73 AR04 AR06 QD01 QD04 QD16 QG01 QG18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロパンとを共重合させたポリカー
    ボネート樹脂よりなるフィルムであって、厚さが20〜
    1000μm、全光線透過率が80%以上、かつ表面の
    微小突起数が20個/平方mm以下である光学用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 波長589.3nmにおけるフィルム面
    内方向のレターデーション値(Re.1)が20nm以
    下、かつフィルム面内の遅相軸角度の幅方向分布が±1
    0°以内である請求項1記載の光学用フィルム。
  3. 【請求項3】 波長589.3nmにおけるフィルム厚
    み方向のレターデーション値(Re.2)が60nm以
    下である請求項1または2記載の光学用フィルム。
  4. 【請求項4】 塩化メチレンを溶媒として用いて流延製
    膜法により製造されたものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の光学用フィルム。
  5. 【請求項5】 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカ
    ーボネート樹脂よりなり、厚さが20〜1000μm、
    全光線透過率が80%以上、かつ表面の微小突起数が2
    0個/平方mm以下である光学用フィルムを流延製膜法
    により製造する方法であって、フィルムの走行方向の張
    力を2.5Kg/平方cm以下とし、かつ雰囲気温度を
    (Tg−50)℃〜(Tg−5)℃とする乾燥工程を含
    むことを特徴とする光学用フィルムの製造方法(ただ
    し、Tgはポリカーボネート樹脂のガラス転移点温度
    (℃)である)。
  6. 【請求項6】 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカ
    ーボネート樹脂よりなる位相差フィルムであって、厚さ
    が20〜1000μm、全光線透過率が80%以上、フ
    ィルムの幅方向においてレターデーション値の分布
    (R)が5nm以下でかつ微小斑(r)が2nm以下で
    あることを特徴とする位相差フィルム。
  7. 【請求項7】 波長589.3nmにおけるフィルム面
    内方向のレターデーション値(Re.1)が50nm以
    上であることを特徴とする請求項6記載の位相差フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 9,9−ビス−(3−メチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)フルオレンと2,2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカ
    ーボネート樹脂よりなり、厚さが20〜1000μm、
    全光線透過率が80%以上、フィルムの幅方向において
    レターデーション値の分布(R)が5nm以下でかつ微
    小斑(r)が2nm以下である位相差フィルムを製造す
    る方法であって、ポリカーボネート樹脂よりなり、流延
    製膜法により製造し、かつ溶媒を0.5〜5重量%含有
    したフィルムを用い、これを延伸することを特徴とする
    位相差フィルムの製造方法。
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