JP4723358B2 - ポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー光などにより情報の記録、再生、消去などを行う光デイスクの光透過層として用いる薄肉のポリカーボネートフィルムに関する。また、この光ディスクの光透過層用フィルムを溶融製膜法によって製造する方法に関する。
<光記録層と光透過層>
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、更に加工性に優れることから光学用途に広く利用されている。例えば、レーザー光を使用する光デイスクは、高密度、大容量の記録媒体として種々の研究、開発、商品化がおこなわれている。光デイスクに動画情報を含む大容量の記憶が可能なような種々の技術が開発されている。その一つに片面から情報を読み出す膜面入射方式の光デイスクの技術が提案され、特許文献1及び非特許文献1〜2等が公表されている。
膜面入射方式の光デイスクとは、上記の文献類に記載されたように主にポリカーボネート樹脂より形成されたディスク状に光記録層が付与された高密度記録媒体のことであり、光記録層は厚み約0.6〜1.1mmのディスク面上に形成される。さらにこの光記録層を保護するために、約0.01〜0.1mmの厚みのフィルムを光透過層として接着剤等で光記録層に付着(接着)させたものである。
本発明では光ディスクの信号記録層を光記録層と呼び、また、この光記録層を保護するための薄肉フィルムを光透過層用フィルムと呼ぶことにする。
<光透過層>
従来からポリカーボネート樹脂フィルムを製造する方法としては、溶融製膜法または溶液製膜法が採用されている。
特許文献2には、溶融キャスト法(実質的に溶液製膜法)により作製された樹脂シートを光透過層として用いること、その樹脂の一つとしてポリカーボネートを用いたること、該シートで、厚み斑、複屈折並びに残留溶媒等が制御された特性のものを用いて、光学記録媒体を製造する方法が提案されている。
また、特許文献3及び4には、ポリカーボネートを用い溶液製膜法によって光透過層用フィルムを製造することが記載されている。ここには、フィルムの厚み、厚み斑、熱寸法変化率、全光線透過率、含有溶媒量、面内レターデーション、厚み方向のレターデーションKの最大値、表面粗さなどが規定されている。
現在市販されている光透過層フィルムを貼り合せたディスクであるBlu−ray Discには、上記のような溶液製膜法によって製造されたポリカーボネートフィルムが使用されており、溶融法によって製造されたポリカーボネートフィルムは、複屈折を充分に小さくすることや厚み斑を充分に小さくすることが困難であり未だ使用されていない。
<溶液製膜法について>
なお、光ディスクの更なる高密度化が推進されている。例えば、一枚で2層の光記録層を備えた光ディスクの場合には、約50μmと約100μmの光透過層用フィルムが用いられている。50μmの光透過層用フィルムは光ディスクの内層部に、また、100μmの光透過層用フィルムは光ディスクの表層部にそれぞれ用いられる。
しかしながら、塩化メチレンを溶媒とする溶液製膜法においては、製造できるポリカーボネートフィルム厚みの点で制約がある。すなわち、ポリカーボネートを用いて溶液製膜する場合、ポリカーボネート(殊にビスフェノールA−PC)は溶媒の乾燥過程で結晶化して、透明で柔軟性のあるフィルムを得にくくなるという問題がある。
光ディスク基板として用いられているビスフェノールA−PC(粘度平均分子量が15,000)の塩化メチレン溶液からフィルムを製造しようとすると、50μm以上の厚い透明フィルムを作成することが難しい。そのため、溶液製膜法において光ディスク用の光透過層フィルムを作成する場合、結晶化の起こりにくい高分子量のポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量が35,000〜40,000程度)のものが用いられている。しかし、粘度平均分子量が15,000程度のポリカーボネートを射出成形して作成した光ディスクの基板と溶液製膜法により作成した高分子ポリカーボネートフィルムとでは、物性が異なるため、両者を貼り合せたディスクの品質は、特に長期の安定性には課題があるのが現状である。
一方、溶融製膜法であれば溶融したビスフェノールA−PCをフィルム状にして、急冷すれば溶融状態からの結晶化が防止できるから容易に高透明のフィルムを作ることができるという利点がある。
<従来の溶融製膜法に関する技術課題>
しかし、従来の方法で得られた溶融製膜法のフィルムを光透過層用フィルムに使うには、(i)厚み斑が十分に小さくない並びに(ii)得られるフィルムの複屈折・レターデーションの十分に小さいものが、広幅、長尺(大判)のフィルムで得られていない等の問題がある。
(i)厚み斑の問題
ビスフェノールA−PCの溶融押し出しフィルムの厚み斑には大別すると2種類あり、ひとつは走行方向の幅方向で見ると大きなうねり状の厚み斑であり、幅が約1mの溶融押し出しフィルムで、平均厚みが数十μmのフィルムを調べると、斑(厚みの最大値と最小値の差R)が数μm以上のものも見られる。
もう一つは、微細な筋状の欠点(本発明者らはこれをダイ筋やリップ筋と呼ぶことがある)である。押出しダイのエッジ部に傷がある場合は比較的強いほぼ連続した筋となってフィルム面に生じる。しかし、リップエッジを十分に整備してリップに傷がないダイを用いて、溶融押出しを実施した場合にも微小な走行方向の間歇的な筋が目視で検知されることがある。なお、このような微細な筋はフィルム面を連続して接触して厚みを測る連続厚み計では検出できないことが多い。ところが、フィルム面に平行光線を角度を変えながら斜め方向から投射してスクリーンに映して目視すると筋状の欠点が明瞭に見える。このようにして見える筋は高さが0.2μm(200nm)程度以下できわめて小さいものである。
溶融製膜法ではフィルムの冷却ロールへの密着・冷却固化法として、樹脂温度、エアーギャップ、冷却ロール温度をうまく組み合わせてフィルムを低複屈折の状態で製造する方法が開示されている。例えば特許文献5には、ポリカーボネートフィルムの厚み0.02〜2.0mmの範囲で、所定の複屈折を得るために、溶融押出成形条件を(i)樹脂温度300〜330℃、(ii)エアーギャップ80〜100mm、(iii)冷却ロール温度100〜140℃とすることが示されている。
また、特許文献6によれば、液晶表示パネル用電極基板に用いられるポリカーボネートフィルムを製造する方法として、フィルム両端部を冷却ドラムに密着及び/若しくは圧着させる方法が示されている。
しかしながら、これらのポリカーボネートの溶融押出製膜法では、押出しダイリップ先端と溶融樹脂が最初に冷却ロール面に接触するまでの距離(エアーギャップと呼んでいる)が長く、この空間で溶融樹脂膜はゆれ易くなっている。雰囲気の気流の乱れなどによって、このゆれは押出しフィルムが薄いほど起こりやすい。溶融樹脂はダイリップから流下して、幅も縮まりながらゆれる。これがもとになって、押出しフィルムの厚み斑をうねり状に悪くさせていると考えられる。また、このような溶融フィルムのゆれが、ダイ使用直前はシャープだったダイのリップエッジを微小に汚し、これが微小筋を発生させる原因となっていると考えられる。
(ii)Re低下技術
溶融製膜法において、レターデーション(複屈折)の小さいフィルムを得る技術が提案されている。
特許文献7では、非晶性熱可塑性樹脂の押出し成形において、フィルムに静電印加して冷却ロール上に密着固定することを特徴とする非旋光性の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法が開示されている。そして、この技術を実施する際には電極として、静電ワイヤーを用いることが記載されている。
また、特許文献8では、粘度平均分子量が14,000〜19,000の範囲にあるポリカーボネート樹脂を溶融押出しして通常厚さが0.1〜3mm程度で、押出し幅方向の複屈折が40nm以下のシートを得る製造方法が提案されている。
さらに、特許文献9では、粘度平均分子量が、14,000〜19,000のポリカーボネート樹脂よりなり、複屈折が20nm以下、反り率が0.5%以下で且つ厚みが0.1〜1mmである光学用ポリカーボネート樹脂シートの製造方法が記載されている。
しかしながら、これらの技術では光透過層に用いることができる程度に幅方向に均一な低いレターデーション(複屈折)を有するフィルムを安定して製造することはできない。すなわち、フィルムの幅方向の両端部がその中央部よりもレターデーションが大きくなる。この両端部のレターデーションが高い現象はダイリップから流下する溶融樹脂がその両端部で幅を狭めるように流れ、この状態で高分子が流動配向しやすいためであろうと推定される。
特開平08−235638号公報 片面12Gbyteの大容量光デイスク OplusE、20巻、No.2、183ページ(1998年2月) 並びに光デイスク及び周辺材料 98−2高分子光エレクトロニクス研究会講演要旨集 高分子学会高分子エレクトロニクス研究会(平成11年1月22日) 特開2002−074749号公報 特開2001−243658号公報 特開2001−243659号公報 特開平04−275129号公報 特開平08−171001号公報 特開昭60−214922号公報 特開平04−166319号公報 特開平10−217313号公報
本発明の目的は、光ディスクの光透過層用フィルムとして好ましい物性及び光学的特性を有するフィルムおよびかかるポリカーボネートフィルムの製造方法を提供することである。
本発明者らは、この目的を達成するために鋭意検討を行った結果、ポリカーボネートフィルムを溶融製膜して、光ディスク用の光透過層用フィルムとして物性及び光学的特性が良好なポリカーボネートフィルムを製造する方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
1.ポリカーボネート樹脂をダイから溶融押出し、冷却ロールを用いてフィルムを製造するに当たり、(i)フィルムの厚みt(μm)に対してダイリップの開度を5t〜25t(μm)の範囲とし、(ii)ダイと冷却ロール間のエアーギャップを10〜70mmの範囲とし、(iii)押出機のシリンダ及びダイの温度を、その温度で100(1/s)の剪断速度におけるポリカーボネート樹脂の溶融粘度が50〜600Pa・sの範囲となるように設定し、(iv)冷却ロールの温度を使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−45)〜(Tg−10)℃の範囲とすることを特徴とする、フィルムの厚みが10〜150μm、厚み斑が±3μm以下、全光線透過率が89%以上、100℃で24時間処理した後の熱寸法変化率が0.05〜0.8%の範囲であるポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
2.面内の複屈折率(Δn)の平均値が0.00001〜0.00017、厚み方向の複屈折率(Δnth)の平均値が0.00022以下である前項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
3.ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAを少なくとも50モル%有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂である前項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
4.ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が12,000〜19,000の範囲である前項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
5.フィルムを静電密着法によってロールに密着させ冷却する前項記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
6.冷却ロールが複数個であり、その複数個の冷却ロールの少なくとも最初の冷却ロールと2番目の冷却ロールの間ではフィルムを狭持加圧しない前項記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法
7.前項1に記載の製造方法によりポリカーボネート樹脂フィルムを得、得られたポリカーボネート樹脂フィルムを積層し、巻き上げたことを特徴とするフィルム巻層体の製造方法
が提供される。
本発明の製造方法により得られるポリカーボネート樹脂フィルムは、高度に平坦性に優れ、光学的歪みがほとんどなく、光学的な均質性が良好であり、光ディスクの光透過層用フィルムとして好適に使用され、工業的に生産性の高い光ディスクを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<光記録層および光ディスク基板>
光ディスクにおける光記録層は、読み出しだけ可能なROM型、読み出しと書き込みだけが可能なWORAM型、および読み出し、書き込み、消去が可能な書き換え可能型がある。ROM型には誘電体やALなどの光反射膜を利用するCD、CD−ROMやビディオディスク、また、書き込み型には有機色素やTeなどの無機材料を用いるCD−Rや一般の追記型ディスク、また、書き換え型にはTbFeCoに代表される光磁気記録媒体やGeTeSbに代表される相変化記録媒体が挙げられる。ただし本発明で使用される光ディスクの光記録層はこれらの材料に限られるものではない。
また、光ディスク基板用の樹脂は粘度平均分子量が15,000程度のポリカーボネート樹脂を成型したものが多用されている。これはポリカーボネート樹脂(一般にビスフェノールAから得られたポリカーボネート樹脂)の分子量を下げて溶融時の流動性を改良したものである。従って、樹脂の流動配向によって生じる光学的歪、複屈折を小さくできる上、記録信号を精細に刻むことができる(信号転写後のクリープ等により分子が動くことによる信号の劣化が少ない)などの利点を持っている。
<光透過層>
本発明は上記の光ディスクの光記録層を保護し、光透過層として用いるためのポリカーボネートフィルムである。
ポリカーボネート樹脂は、通常ジヒドロキシ成分とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。ジヒドロキシ成分の代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。なかでも、ビスフェノールAを好ましくは少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも60モル%、さらに好ましくは少なくとも75モル%、特に好ましくは少なくとも90モル%有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂である。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して通常10,000〜40,000の範囲、好ましくは11,000〜30,000の範囲であり、さらに好ましくは12,000〜19,000の範囲である。
光ディスク基板には粘度平均分子量15,000程度のポリカーボネート樹脂を使用することから、光透過層として用いるポリカーボネートフィルムが上述の範囲であれば、得られるフィルムが脆くなり難く、円盤状に打ち抜く際に端面にノッチを発生したりすることが少なくなる。また、溶融押出し時に異物が発生し難く、厚み斑を発生し難くなる点で好ましい。また、ロール状に巻き上げた後、ロールを解きほぐす際に、たとえばディスク状に打ち抜いて機械的に搬送する場合においても平面性が良好となり、記録層に貼り合わせる際にトラブルを生じ難くなるので好ましい。
最も好ましいポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の範囲は14,500〜17,500である。また、ポリカーボネート樹脂としては極力高分子量の異物や熱劣化物等が含まれないものを使用することが好ましい。
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
また、光透過層には光ディスク基板を形成するものと同一特性の(すなわち、同一原料で近似の粘度平均分子量を有する)ポリカーボネート樹脂からなるフィルムを用いるのが最適である。光透過層用フィルムの品質上の要求として、光記録層を有する光ディスク基板の物理特性と光透過層の物理特性を極力合わせることが好ましい。物理特性として、熱膨張率、吸湿膨張率、熱収縮率、粘弾性挙動等が挙げられる。光ディスク基板と光透過層の熱や吸湿による膨張特性、熱伸縮特性が異なる場合や、両者の粘弾性挙動が異なる場合には光記録層を有する光ディスク基板と光透過層とを貼りあわせた後の光ディスクが耐久性の促進テストや長期の経時変化によって不等に変形して歪んでしまいスキュー現象が起こる場合がある。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、厚みが10〜150μmの範囲であり、好ましくは10〜100μmの範囲である。この厚みは光ディスクの信号を最適状態で入出力するために重要である。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、厚み斑が±3μm以下であり、好ましくは±1.5μm以下である。厚み斑が大きくなると光学的歪が顕著となり、信号の入出力変動(ノイズ)が大きくなる。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、全光線透過率が89%以上であり、好ましくは90%以上である。光透過層を通しての光信号の劣化を防止するには全光線透過率は高いほど良く、89%未満では光信号の劣化が光ディスクとして許容できない場合がある。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、100℃で24時間処理した後の熱寸法変化率が0.05〜0.8%の範囲であり、好ましくは0.2〜0.6%の範囲である。熱寸法変化率がこの範囲にあると、射出成形にて作製した光記録層の基板と熱寸法変化率とバランスが良く、当該光透過層フィルムを貼り合せ作成した光ディスクの耐久性、長期の安定性が向上する。特に、光ディスクの昇温過程における反り変形が格段に小さくなる。また、140℃で1時間処理したときの熱寸法変化率は、好ましくは0.05〜0.25%であり、より好ましくは0.09〜0.25%である。ポリカーボネートのガラス転移温度近傍の140℃では、分子の配向緩和が生じ、それにより、寸法変化が生じる。しかし、この配向緩和による寸法変化率が大きくなると光記録層と光透過層との界面でのミクロな剥離が起こり易くなるので、なるべく小さく抑えることが望ましい。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、面内の複屈折率(Δn)の平均値が0.00001〜0.00017の範囲であり、好ましくは0.00001〜0.00011の範囲であり、より好ましくは0.00001〜0.00008の範囲であり、特に好ましくは0.00001〜0.00006の範囲である。面内の複屈折率が高くなると、読取り光の再生信号へのモジュレーションが大きくなり再生信号レベルが不安定化する。また、読取り光の再生信号へのモジュレーションを小さくし再生信号レベルを安定化するため、面内の複屈折率のフィルム面内でのばらつきは好ましくは0.00001〜0.00009であり、より好ましくは0.00001〜0.00007である。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムは、厚み方向の複屈折率(Δnth)の平均値が0.00022以下であり、好ましくは0.00015以下であり、より好ましくは0.00010以下である。上記特許文献1及び非特許文献1〜2等に記載されているように、動画情報の記録などの高密度光ディスク方式として提案されている膜面入射方式の光ディスクには、ピックアップ用対物レンズの開口数の大きなものが用いられている。従って、CD、DVD等の従来の光ディスクに比べて、レーザー光の斜め入射角が大きく、厚み方向の複屈折率の影響が増大している。この為、厚み方向の複屈折率が大きいと、再生信号のモジュレーションが小さくなり、再生信号レベルが不安定になる。
本発明の光ディスクの光透過層用フィルムには、安定剤、紫外線吸収剤、調色剤、帯電防止剤等を溶融製膜したフィルムの特性、例えば、フィルムの透明性などを損なわない範囲で含んでいても良い。
<光透過層用フィルムの製造方法>
次に、上記特性を有する光透過層用フィルムを製造する方法について具体的に説明する。
(溶融押出条件)
溶融押出しの際にポリカーボネート樹脂の熱劣化が生じない工夫を行うことが好ましい。例えば、溶融押出し前に原料を120℃程度で十分に乾燥して、押出し機のホッパーに投入し、このホッパーは外から加熱して110℃程度に保温する。こうして加水分解等化学反応による樹脂の劣化を防止する。このホッパー内の空気(酸素)が樹脂の熱劣化を促進させることを防ぐため、この雰囲気を熱窒素ガスで置換するか、熱窒素ガスを流通させる方法を採用する。
本発明者らは押出し工程のどの場所で熱劣化物が発生し易いのか、ポリカーボネート樹脂(具体的にはビスフェノールA−PC)の熱劣化がスクリュー押出し機からダイ押出しまでの工程間でどのような場所に起こるのかをスクリューを押出し機から抜き出して調べた。その結果、樹脂を最初にかみ込む供給口の部分、この部分で樹脂がスクリューの噛みこみ開始部とバレル間で粘着状となりスクリューに絡みついて、その後の樹脂の供給が阻害され、これがひどい場合は吐出変動を起こす。このような樹脂が長い時間滞留すると徐々に劣化して、茶色や黒色の熱劣化物を生じることが分かった。この樹脂の絡みつきはスクリューの噛込み部(供給部)のバレル部を水冷することによって防止できる。
また、押出し機の先端部とフィルターハウジングとを接続するフランジ部、溶融樹脂の導管、フィルターハウジングと押出しダイとを接続する溶融樹脂の導管やフィルターハウジングの構造が熱劣化物を極力生じないように設計することが重要である。このためには、まず、溶融樹脂の導管内で樹脂の局所的な滞留を起こさせないように急激に曲げるような構造としないなどの対策が挙げられる。
フィルターのハウジングは一般に円筒形をしていて、このハウジングの中に必要な濾過面積を持ったフィルターエレメントを多数枚組み合わせて納める構造となっている。この円筒形のフィルターハウジングを水平にセットして使用するのが一般的である。しかし、このフィルターは縦型とするほうが好ましい。横型(または水平型)であると、最初溶融樹脂をフィルターハウジングに注入する時に空気を押出すことが完全にはできずにハウジング内に空気溜りができる場合が多い。そしてこの空気溜りは樹脂を押出す時の高い圧力によって圧縮されて小さくなっている。このような高温下の空気溜りとポリカーボネート樹脂が接触して酸素による熱劣化が徐々に進む。また、滞留時間が長くなるとこの熱劣化物が滞留していて微小な劣化物が時々フィルターエレメントを通過して押出し樹脂中に放出され、フィルムの内部異物となる。この対策のひとつとしては、溶融樹脂を注入するフィルターハウジングを縦型にすることによって防ぐことができる。この場合空気溜り滞留はできにくいからフィルター内での熱劣化物は発生しにくくなる。溶融押出し立ち上げ時には一般にスクリュウ先端から樹脂を押出し、押出し機の先端には初期の熱劣化物を放流させて完全に流し出してしまってから、フィルターエレメントを組み込んだフィルターハウジングのポリマー導管部を押出し機先端に接続することが好ましい。
透明のプラスチック製のフィルターハウジング内へ高い粘性の水あめを流して、樹脂注入の模擬テストを実施した結果によればハウジング内で空気の滞留が起こるのが確認された。実際に高温でフィルター内へ樹脂を流した時にもこの滞留現象は起こっていることが推定された。そして、このハウジング内での空気の滞留(空気の滞留以外にも高温空気(酸素)と樹脂とが反応してできたガス状物が混合しているものと思われる)は押出し機運転の途中で例えば押出しの吐出量を下げるなどすると空気溜りの空気が膨張してその一部が気泡状になって吐出されることがある。このような場合には、ポリカーボネートの熱劣化物と劣化によって生じたガスによりフィルムの表面欠点が生じる。
ポリカーボネート樹脂ハンドブック(本間 精一編 1992年8月28日発行 日刊工業新聞社発行)によれば、ポリカーボネートを高温下で長時間滞留させることは避けなければならない。また、ポリカーボネート樹脂の空気中での炭酸ガス発生量と保持温度を調べた結果(処理時間30分)によれば260〜280℃の時は少ないが300℃以上の温度では急増する結果と、これが窒素雰囲気中ではさらに少なく340〜360℃でもきわめて微量の炭酸ガスが発生することが示されている。
このようにポリカーボネート樹脂の高温下での滞留時間が長い時の熱劣化は無視することができない。溶融押出し機の能力はフィルムの厚み、幅、製造速度(すなわち溶融樹脂の吐出量)がその製造に適切であるように、樹脂の押出し機から押出しダイ先端出口までの滞留時間を極力短くなるように決める必要がある。製造能力の増強などの対策をする場合は、樹脂を十分に溶かす能力と、熱劣化異物を発生させないような滞留時間として極力短時間とする必要がある。これらの兼ね合いで押出し機の吐出能力を決める。本発明で好適に用いられるビスフェノールA−PC樹脂(粘度平均分子量12,000〜19,000程度)を製膜する場合は樹脂の押出成形温度を270〜320℃とし、滞留時間を30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内とするのが好ましい。特に滞留時間が5〜10分であるようにするのが好ましい。滞留時間が短すぎる場合には、特に溶融押出しに用いる樹脂が結晶化しているような場合には未溶融物が残留して、フィルム中に異物欠点として出てくる場合がある。このようなものはゲル状異物として樹脂のフィルターエレメントを通過してしまう場合が多い。溶融温度と滞留時間を上記範囲にすることにより、ポリカーボネート樹脂の熱分解が抑えられる結果、熱劣化異物が発生し難くなる。
溶融押出し機としては、吐出量が最高130Kg/hr程度のものを選ぶことが好ましい。例えば、押出しダイの幅を1200mmとし、幅方向の特性が均一であるフィルム幅が1100mmありフィルム厚みが50μmのものを製造しようとする時には計算上ではフィルムの引取り速度が約30m/分である。そして、この時の吐出量は約130Kg/hrである。スクリューはポリカーボネートを溶融押出しするための通常のスクリユーまたは樹脂の溶融工程で固体と液体とを分離するようになした公知の二溝スクリユーのどちらでも用いることができる。スクリュー先端部では樹脂温度を連続的に測定して制御することが好ましい。
本発明においては、濾過用フィルターエレメントは従来公知のものを用いることができる。市販されている金属製の焼結金属型や極細金属繊維の集合体型などの耐熱、耐圧性のフィルターエレメントを用いることが好ましい。フィルターエレメントを使う場合には樹脂が滞留しても熱劣化等を促進させない材質を選択することも必要である。
また、使用する樹脂として光学ディスクグレードのポリカーボネート樹脂(例えば帝人化成(株)製AD−5503)が好ましい。光学ディスクグレードは異物に細心の注意を払って合成しているためポリマーそのものに異物が極めて少なく、この樹脂を溶融押出して光ディスクを製造する際にも異物の発生が殆ど無いため熱劣化物等をトラップするフィルターは精密なものを使わなくとも問題無いとされており、本発明に好適である。
(ダイ押出し条件)
溶融したポリカーボネート樹脂をダイから押出す際に、ダイリップから押出された樹脂フィルムは、エアーギャップ部(ダイ先端と冷却ロールとの間)での収縮や雰囲気空気の乱れなどの影響を受け、厚み斑やダイ筋が生じ易い。特に溶融粘度が低い場合(粘度平均分子量12,000〜19,000)は顕著である。従来のようなエアーギャップ(ダイ先端と冷却ロールとの間隔)を広く取った溶融製膜法では均一な製膜ができ難い。
本発明者らは溶融押出しのダイリップ先端と冷却ロールとの間隔を十分に狭くして溶融樹脂の空間でのゆれをなくすことによって、溶融製膜法により得たポリカーボネート樹脂フィルムに顕著に現れるうねり状の厚み斑と微小な筋状の欠点(ダイ筋)を発生させることが無く、所望の物性及び光学的特性を満足するポリカーボネート樹脂フィルムが得られることを見出した。
すなわち、押出しダイのダイリップ先端部と冷却ロール面との距離を5〜70mmの範囲とすることが好ましく、5〜50mmの範囲とすることがより好ましく、5〜30mmの範囲とすることがさらに好ましい。
また、押出機のシリンダ及びダイの温度を、その温度で100(1/s)の剪断速度におけるポリカーボネート樹脂の溶融粘度が50〜600Pa・sの範囲、好ましくは70〜300Pa・sの範囲となるように設定することが必要である。この範囲に押出機のシリンダ及びダイの温度を設定することにより、溶融押出されたポリカーボネートは、適度な流動性を示し、押出機、ダイ内部及びダイリップでの剪断応力が小さく抑えられる為、複屈折率、特に面内の複屈折率を小さくすることが可能となる。また、かかる粘度範囲で製膜すれば、シリンダ内、フィルター及びフィルターハウジング内での偏流、滞留が発生し難く、ゲル等の熱劣化異物の発生を抑制する効果もある。
ダイの構造については、特にその突出部分で周辺空気の異常な流動を起こし、フィルム厚み斑を生じる原因になるのでダイの凹凸構造も極力注意して無くすかまたは少なくするための対策をすることが好ましい。
ポリカーボネートの溶融押出しダイとしては、ダイの幅方向の中央部から樹脂を供給するタイプのT−ダイ(コートハンガー型ダイ)またはT−ダイを樹脂の流入部で二分した形状のダイとし、ダイの幅方向の一端部から樹脂を流入させるタイプのI−ダイ等従来公知のものを用いることができる。この際押出しダイで樹脂が吐出されるリップは十分にシャープ形状に仕上げることが好ましい。そして、リップは一般に用いられているような突き出し型ではなく、リップの下面とリップをダイ本体に固定する螺子や螺子孔等がある場合には目潰しして極力平面をなすようにすることが好ましい。平坦化するためにダイリップ下面に表面が鏡面の部材をはめ込む方法が好ましく採用される。こうすることによって、溶融吐出されるポリカーボネート樹脂の樹脂温度並びに流動性を幅方向で均一にすることができる。
そして、ダイの開度(リップ開度)は、フィルムの厚みt(μm)に対してダイリップの開度を5t〜25t(μm)の範囲、好ましくは10t〜20tの範囲とすることが必要である。かかる範囲にダイリップを調整することにより、吐出する樹脂がダイリップで受ける剪断応力が軽減され、複屈折率、特に面内の複屈折率を小さく抑えられる点で好ましい。また、このダイリップ開度の範囲は、フィルム厚みに対して、十分に広い為、フィルムがダイリップのキズや付着物等との接触により生じるダイ筋が軽減されるという効果もある。フィルムのダイ筋は、光ディスクのフォーカスエラーを悪化させる要因になるので、可能な限り少なくすることが求められる。
具体的には、100μmの厚みのフィルムを押出し製膜する場合は1mm〜2mm程度とすることが好適である。さらに、ダイの幅方向においては樹脂流入部から遠くなるにしたがってダイ開度が少しずつ大きくなるように設定することが好ましい。こうしてダイの幅方向においてダイリップにかかる圧力がほぼ均一になり、溶融樹脂が流れ易くなるように工夫する。実際はリップの開度を調整してからダイを使用する。溶融押出し開始後は、ダイのリップ部のボルトをフィルムの厚み(斑)の状態を見ながら、自動又は手動で調整するようにすると特に厚み斑を小さく良くする点で好ましい。
厚み斑の自動調整にはダイのリップボルトを機械的に回転させて、リップ間隙を調整する方式やダイリップに一定間隔で加熱装置をつけ、それらを個別に温度調整して溶融樹脂の粘度の温度変化を利用してフィルム厚みを調整する方式(温度リップ)を採ることができる。厚み斑の調整のし易さから、機械的なリップ開度調整法よりも温度リップを用いるのが好ましい。特に広幅のフィルムを製造する場合には機械的に動かす部分の無い温度リップを用いるのが好適である。
(冷却ロールについて)
ダイより押出した溶融樹脂フィルムの冷却方式としては、1個のロールのみを使用して冷却するもの、複数個のロールを使用して冷却するもののいずれも用いることができるが、フィルムを均一(厚み斑を悪くしない、筋状斑を出さない、複屈折率を大きくかつ不均一にしない等)に冷却するために、ロールの表面温度を均一に制御できるものを用いる必要がある。ロールの表面温度を均一に保つために、内部に冷却媒体として温度を制御した水を流し、冷却媒体を流す流路は向流とすることが好ましい。冷却ロールの温度は、使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−45)〜(Tg−10)℃の範囲であり、好ましくは(Tg−35)〜(Tg−15)℃の範囲である。冷却ロールの温度を使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度よりやや低い上記範囲とすることにより、冷却により生じる歪を抑えられる点で好ましい。これにより、冷却歪により生じる複屈折率を低減することが可能である。また、冷却ロール表面は、硬質クロームやセラミック等であり、表面が鏡面であるものを用いることが好ましい。
(溶融フィルムの冷却ロールへの冷却・密着方法及び複屈折の低下技術)
ダイより吐出されたフィルム状樹脂は、冷却ロール−ダイリップ間の流下の際に流れ方向の張力を受ける。一方、冷却ロールに接触し、冷却される際に熱収縮が生じるが、急速に固化する為、収縮が拘束され、幅方向に張力が生じる。この直交する張力をフィルムが受けることで、複屈折が生じるが、フィルム状樹脂の冷却ロールへの落下位置や静電密着により、張力のバランスを取ることで、複屈折を低下させることができる。
その具体的な方法を図より説明する。図1は本発明の方法を実施するに適した製造装置の一例を示す概略図である。図中の1はTダイス、2は第1冷却ロール、3は第2冷却ロール、4は第3冷却ロール、5は一対の引取りロールである。また、静電密着用のワイアーを使用することができる(図示せず)。Tダイス1のリップから冷却ロールまでの距離(エアギャップ)をa(mm)、樹脂を落下させる冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下位置と冷却ロールの頂点とのなす角度をb(°)と表す。
まず、Tダイス1のリップが第1冷却ロール2の頂点になるように設置し(b=0°)、そのエアギャップaが角度bを調整した後においても5〜70mmになるようにする。次に、溶融ポリカーボネート樹脂をTダイス1からフィルム状に押出す。押出された樹脂は、第1冷却ロール2によって受けられて冷却され、更に第2冷却ロール3、第3冷却ロール4へと受け継がれた後、引取りロール5によって引き取られる。ここで得られたフィルムの複屈折の大きさと分子配向の向きを測定する。エアギャップを同じ距離にした条件においても、溶融したフィルム状樹脂の粘度等の影響により面内複屈折率(Δn)は変動するため角度bや静電密着により配向のバランスを取ることが必要となる。
面内複屈折率(Δn)が0.00017を超える場合は、角度bを調整して、面内複屈折の低減を図ることができる。分子が幅方向に配向している際は、冷却ロール全体を下流方向に移動し、角度bを大きく取り、流れ方向により張力が掛かるようにする。 また、分子が流れ方向に配向している場合は、静電密着用のワイアーに電圧を掛け、静電密着により強制的に幅方向に張力を掛けるようにし、所望の面内複屈折(Δn)が得られるように調整する。静電密着については、フィルム全面を密着させる方法、およびフィルムの両端部のみ密着させる方法があるが、いずれの方法を用いてもよい。静電密着用のワイアーは、従来公知のSUS製の金属ワイアーを用い、この金属ワイアーをフィルム面上約4〜7mm離れた空間に適度な張力で張ればよい。両端部のみを静電密着させる場合は、両端部を除くフィルム面上に位置する金属ワイアーを絶縁性の物質(樹脂性の細管等)で覆ったものを用いる方法や端部に電圧を掛ける為の針状のピンを設置する方法などがある。金属ワイアー等の設置の位置や架ける電圧は試行錯誤で容易に決定することができる。静電界の電圧は数キロボルト〜10キロボルトであり、密着が良好に行われるときは数ミリアンペアーの電流が流れる。電源は直流電源を用い、静電ワイアーをプラスの電極に接続し、冷却ロール側をアースに接続する。この静電密着の条件はフィルムの厚み斑、表面欠点、面内の複屈折率(Δn)及び厚み方向の複屈折率(Δnth)の発生に影響する。電圧が低すぎる場合、静電密着が起こるところとそうでないところが斑に生じて、結果としてフィルムの厚み斑が極端に悪くなる。また、電圧が高すぎる場合は溶融状態から冷却されて固化するフィルムが絶縁破壊を起こして、フィルムの製造を中断せざるを得なくなる場合がある。
また、ダイリップの下面は凹凸がなく平坦化することが好ましい。ダイリップの下面を平坦化することによって静電気力が均一にフィルム密着力として働くようになる。
上述したようにエアーギャップa、ダイのリップとロールの水平距離bおよび静電密着方法を適切に選択することにより、面内の複屈折率(Δn)の低減が可能であるが、溶融樹脂の温度や冷却ロール温度等の条件により、状況は変わるので、その時の条件に合わせて、エアーギャップa、ダイのリップとロールの水平距離bおよび静電密着条件をうまくバランスさせて最適な条件を見つけることが重要である。
複数個の冷却ロールを用い、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間にダイより押出したフィルム状樹脂を流下させ、冷却させる方法を用いる際には、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間に適当な隙間をあけて、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間でフィルムに狭持加圧が掛からないようにすることが好ましい。より好ましくはフィルム状の溶融樹脂が第2の冷却ロールに接触から離れるまでの間、連続的に該フィルム状の溶融樹脂の片面がロールで冷却され、その反対面が側が空気で冷却される状態にする。第1冷却ロールと第2冷却ロールとの隙間をフィルム厚みと同程度としたバンク方式では、押出されたフィルム状の溶融樹脂に冷却過程で狭持圧が加わる、即ち、厚み方向に応力が加わる為、厚み方向の複屈折率(Δnth)が増大し、Δnthが0.00022以下にすることが困難になる。また、第1冷却ロールと第2冷却ロールの間で狭持加圧することで、厚み方向に分子配向が生じており、これにより配向緩和を起こす140℃で1hr処理した後の熱寸法変化率が0.25%を超えてしまう。
(フィルムの表面処理)
本発明のフィルムは、帯電防止剤の塗布やハードコート処理など公知の表面処理を施すことができる。
本発明に係るポリカーボネート樹脂フィルムは光デイスクの光透過層用として使用される。光記録層の表面に本発明の光透過層フィルムを積層した光ディスクは、取り扱う際の表面破損防止や傷付け防止のための処理が施されることが好ましい。このために本発明の光透過層フィルムの少なくとも片面に従来公知の方法により表面硬化処理(ハードコート処理)がされていても良い。また、コロナ処理及びアンカーコート処理によって、本発明のフィルム表面の表面エネルギーを上げて、接着性等を上昇させる処理等を公知の方法で適宜実施することができる。このようないわゆる後加工処理は、一度巻き上げたロールを別の工程で後加工処理し、再びプロテクトフィルムと共巻して巻き上げロールとし、次の加工工程へ送ることができる。
(フィルムの巻き取り並びにフィルム巻層体の形成)
本発明の光透過層用フィルムは幅約1m程度のロール状に巻き上げた巻層体の状態で、または、これを更にスリットしてより狭幅の巻き上げロールとして使用に供することができる。
ロール状に巻き上げる方法としては、(i)広幅フィルムの両端部に狭い幅で機械的または熱的などの方法で凹凸をつけて、それより内部のフィルム面を離間させて擦過を防ぎ巻き取るいわゆるナーリング付与巻取り、(ii)他の材料の狭幅フィルムと両端部のみを重ね巻きしてそれより内部のフィルム面を擦過から保護する共巻き(または重ね巻き)、(iii)他の高分子フィルムと本発明のフィルムとを全面重ね巻きする方法、(iv)表面に弱粘着層を持ったプロテクトフィルムと本発明の光透過層フィルムとを重ね巻きして使用に供する方法等を採用することができる。これらの光透過層用フィルム表面の保護方法は使用に供する条件などによって好ましい方法を選択する。フィルム巻上げロール(巻層体)のフィルムを光透過層として使用する前に、表面処理やロールを狭幅にスリットするような場合には、本発明の光透過層は片面に弱粘着性を持つようなプロテクトフィルムで表面を保護した状態で用いるのが好ましい。
プロテクトフィルムを用いた巻上げ体については上記特許文献3や特許文献4に記載されている。本発明の光透過層フィルムは一般にはプロテクトフィルムと弱く貼り付けられた状態で円盤状に打ち抜いて後、光ディスク製造装置の狭い搬送工程を通って搬送されて光ディスクの光記録層に貼り付けられる。この貼り付け工程において、打ち抜かれたフィルム状円盤がカールを起こして、搬送装置の構成物に引っかかりトラブルを生じることがあると指摘されている。そして、このカールが10mm以下であればこの問題は回避されることがわかっている。
一般的にはプロテクトフィルムはヤング率の低い、比較的やわらかいフィルムを基材として、表面が弱粘着性を持つように加工されたものが多用されている。これらのプロテクトフィルムを本発明のフィルム製造工程中において、フィルムに重ね巻きするが、まず、プロテクトフィルムを巻きだし機にセットして巻きだす。この際、巻きだし張力でプロテクトフィルムが引っ張られて変形しないように極力弱い力で巻きだすようにしなければならない。このようにして巻きだしたプロテクトフィルムを本発明の光透過層のフィルムに合流させて、プロテクトフィルムの粘着面を光透過層用フィルムの面に向けてニップロールで弱くニップして貼りあわせ、その後巻き取る。また、プロテクトフィルムと貼りあわせた複合体もやはり弱い巻取り張力で巻き取る。巻き取り時の温度や張力の条件が巻き上げロールを巻きだして円盤状に打ち抜いた後のカールの大小に影響する。さらに、巻芯(巻取りコア)としては、大きな径のものを用いできるだけ低い張力で巻き取り、巻き取り後のロールフィルムに保管時の巻締り力などによるいわゆる光透過層用フィルムの歪発生を極力小さくしなければならない。
カールを小さくするにはプロテクトフィルムとして変形しにくい、ヤング率の比較的高い二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムを用いることも出来る。
また、ロールを保管しておく際にいわゆる巻き締りによって光透過層のフィルムを微小に変形させたりするため、本発明のフィルムを巻きだして使用する際に、予備的に熱処理を実施して巻き上げ体として保管した時の光学的な歪を除去することもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例における本発明の測定、効果の評価は次の方法によった。
(1)粘度平均分子量の測定方法
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mは、濃度0.7g/dlの塩化メチレン溶液の20℃での粘度測定から極限粘度[η]を求め、下記式より算出した。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(2)フィルム厚みの測定方法
プロテクトフィルムを積層していないポリカーボネートフィルムの巻き取り方向の長さ50mm、全幅(1300mm)の長さの短冊状サンプルを、巻き取り方向に5箇所、50cm間隔で採取した。この短冊状サンプルの幅方向(巻き取り方向と直角方向)に沿って、その中心線上を50mm間隔でその厚みを計測した。厚みの計測には、(株)ミツトヨ製のマイクロメーターを用いた。そして測定点125点の厚みの平均値を求めて、これをフィルムの厚みとして表示した。また、これらの短冊状サンプルは、後述するフィルム厚み斑、面内の複屈折率(Δn)、及び厚み方向の複屈折率(Δnth)の測定にも用いた。
(3)フィルム厚み斑の測定方法
上記(2)のマイクロメーターによる測定方法では、測定点以外に存在する可能性のある厚み斑、例えば広幅の帯状や細い筋状の厚み斑を見逃す惧れがあるため、厚み斑をアンリツ(株)製フィルムシックネステスターKG601を用いて連続測定した。測定フィルムは(2)の測定で用いた5枚の全幅短冊状フィルムものを使用した。このそれぞれの厚み分布を上記フィルムシックネステスターで測定し、記録紙に記録した。かくして記録された厚みの最大値と最小値との差(厚みの範囲)を上記5枚のフィルム(5cm×1300mm)について求め、この内から厚みの範囲が最大であるものをこのフィルムの平均厚みからの厚み斑として表示した。尚、測定の順序としては、(2)の厚み測定の前に実施した。(2)の測定は、マイクロメーターによる接触式の評価であるので、サンプルにキズが入る可能性があるからである。
(4)熱寸法変化率
ポリカーボネートフィルムの幅方向(フィルム幅はほぼ1300mm)3ヵ所から適当な大きさの親サンプルを採取した。そして、更にこの各親サンプルより熱寸法変化率測定用サンプル6個ずつ、18個作成した。熱寸法変化率測定用サンプルの大きさは、各親サンプルから採取した6個の内3個については,フィルムの巻き取り方向を150mm、それに直角な方向を10mmとし、残りの3個については、フィルムの巻き取り方向を10mm、それに直角方向を150mmとした。そしてそれぞれのサンプルについて、150mm長さ方向に,熱寸法変化率測定のための標点を、100mm間隔で印した。かくして、フィルムの巻き取り方向9点、それに直角方向(幅方向)に9点の測定用サンプルを準備した。
測定用のサンプルを100℃の恒温槽にて無荷重下でつりさげて24時間処理した後、室温に取り出し冷却して後、標点間隔を測定した。寸法の測定は、恒温恒湿下、23℃、55%RHの条件下で、読取り顕微鏡を用いて実施した。寸法の変化率は100℃、24時間の熱処理前後の寸法から次のように、巻き取り方向の9点、幅方向の9点について求めた。そしてその最大値を熱寸法変化率として表示した。
熱寸法変化率=[{(処理前の寸法)−(処理後の寸法)}/(処理前の寸法)]×100(%)
(5)全光線透過率
ポリカーボネートフィルムの幅方向3ヵ所から約300mm平方のサンプルを採取した(フィルム幅はほぼ1.3m)。サンプルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁度測定器COH−300Aを用いて測定した。各サンプルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計15点の平均値を全光線透過率とした。
(6)面内の複屈折率(Δn)および厚み方向の複屈折率(Δnth)の測定
(2)の測定で用いた5枚の全幅短冊状フィルムを、(2)の測定箇所がほぼ中心にくるように50mm平方の測定サンプルを作成した。即ち、フィルム全幅方向の長さ1300mmから25個、短冊状サンプルが5枚あるので、全部で125個の測定用サンプルを得た。これらのサンプルにつき、王子計測器(株)製の複屈折測定機である商品名KOBRA−21ADHを用い、ポリカーボネートフィルムサンプルをその遅相軸または進相軸で回転させて入射角度を変えてレターデーションを測定した。各入射角度でのレターデションの値と測定箇所のフィルム厚みdから屈折率nx、ny並びにnzを計算した。更にこれらの値から面内の複屈折率Δn=|nx−ny|、Δnth=|((nx+ny)/2−nz)|(Δn及びΔnth共に絶対値で正の値)を計算した。
ここで、nxは巻き取り方向の屈折率を、nyは幅方向(巻き取り方向に直交する方向)の屈折率を、nzは厚み方向の屈折率を表す。
(7)光透過層用フィルムを貼り合せた光ディスクの反り量変化の評価
光透過層用フィルムを光記録層と貼り合せた光ディスク媒体の長期信頼性を評価するために、実際に光ディスク媒体を作成し、100℃で24時間の熱処理前後の反り変化量を評価した。
評価に用いた光ディスク媒体は、次のように作成した。まず、光記録層用樹脂として粘度平均分子量が15,000のポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)商品名AD−5503)を、光ディスク用射出成形機名機製作所(株)M35B−D−DMにより、外径120mmφ、内径15mmφ、厚み1.1mmの光記録層用の基板を作成した。尚、射出成形の際に、片面表面にデータ情報やトラッキングサーボ信号等が記録されたピットを形成するため、DVD−ROM用のスタンパーを金型に装着して成形した。次にその基板のピット面側に光反射膜を製膜するため、基板を高周波マグネトロンスパッタ装置の真空層内に固定し、5.3×10−5Paになるまで排気してから、光反射層としてAlCr膜をスパッタリングにより形成した。すなわち、ターゲットとして直径203mm、厚さ6mmの円盤状のAl97Cr(添字は原子%)を用い、真空層内にArガスを導入し、圧力0.067Paになるようにガス流量を調整した。放電電力500WsでAlCr合金からなる光反射層をDCスパッタリングによって100nm堆積した。こうして得られた基板をスパッタリング装置から取り出し、スピンコーターに取り付けた。そうしてディスクを回転させながら、紫外線硬化性のフェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂を塗布後、内径15mmφ、外径120mmφに切り出した厚さ90μmの光透過層用フィルムを貼り合せ、紫外線照射装置を通過させて樹脂を硬化させ光ディスク媒体を作成した。
この光ディスクを室温23℃、湿度50%RHの環境で2日間放置して、状態調整した後に、熱処理前の光ディスクの反り量を測定した。その後、光ディスク媒体を100℃の恒温槽に24時間処理し、恒温槽から取り出し、室温23℃、湿度50%RHの環境で2日間放置させた後、熱処理後の光ディスクの反り量を測定した。ディスクの反り量は、ジャパン・イー・エム(株)製の3次元形状測定器DLD−3000Uを用い、光ディスク媒体の中心から58mmの反り量を測定した。反り量は、半径方向の反り角で、角度で表示され、反り変化量は、100℃、24時間での熱処理前後の反り角の差(ΔTilt)で表した。
(8)ポリカーボネート樹脂の溶融粘度の測定
製膜に用いるポリカーボネート樹脂ペレットの溶融粘度は、(株)東洋精機製のキャピログラフ1Dで測定した。キャピラリーは、径1.0mm、長さ10mmのものを使用した。剪断速度が100s−1になるようにピストンスピードを調整し、任意の温度の溶融粘度を測定した。
[実施例1]
帝人化成(株)製のビスフェノールAのホモポリマーである、光学グレードのポリカーボネートペレット(商品名AD−5503、Tg;145℃、粘度平均分子量M;15,000)を減圧乾燥式の棚段乾燥機を用いて、120℃で3時間乾燥した。これを110℃に加熱した溶融押出機の加熱ホッパーに投入して、押出機シリンダ温度290℃で溶融押出しした。溶融ポリマーの異物を除去するためのフィルターは平均目開きが10μmのSUSの不織布製のディスク状のものを用いた。濾過後の溶融樹脂を290℃に設定したT−ダイにより、回転する冷却ロール面(表面温度120℃に設定)に押出した。用いた冷却ロールは直径が360mmφの3本ロール、ロール面長が1800mmであった。ロールの表面温度が均一になるように冷媒が流れるようにした構造のものを用いた。押出しダイのリップ幅は1500mm、リップ開度は2mmであった。ダイリップはその下面に凹凸がない平坦なものを用いた。
押出しダイから流下する樹脂を第1の冷却ロールの頂上部に流下するようにして巻き掛けた。ダイリップ先端部と冷却ロール面とのエアーギャップは15mmとし、第1冷却ロール上へのフィルム落下位置を冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下点と冷却ロール頂点のなす角度が20°になるようにした。かくして厚みが90μmのフィルムを冷却ロール回転速度10m/分で、テイクオフロールを介して引き取った。両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムとして、厚さが29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸、熱固定フィルム表面を弱粘着加工したプロテクトフィルムとともに500mを共巻して、巻層体を完成させた。
得られたフィルムの特性は以下のとおりであり、光透過層用途として優れたものであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±1.2μm
この厚み斑はフィルムの幅方向においてなだらかに変化するような斑であった。このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.50%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000042 最大値:0.000059 最小値 0.000021であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000079 最大値:0.000083 最小値 0.000039であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.07と小さく、信頼性の高いものであった。
[実施例2]
実施例1で用いたポリカーボネート樹脂、溶融押出し装置、フィルム冷却ロールを適用した。なお、本実施例2ではダイより溶融押出したフィルムの冷却ロールへの密着性を上げるため、フィルム全幅を静電密着法を用いて冷却ロール面に密着させた。静電密着のための電極には太さ約180μmφのSUSのピアノ線を清浄に磨いたものを用いた。このピアノ線に直流電源のプラス電極をつなぎ、冷却ドラム側は接地した。印加電圧は7KVとした。また、ダイリップ先端部と冷却ロール面とのエアーギャップは10mmとし、第1冷却ロール上へのフィルム落下位置を冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下点と冷却ロール頂点のなす角度が10°になるようにした。かくして厚みが90μmのフィルムを冷却ロール回転速度10m/分で、テイクオフロールを介して引き取った。両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムとして、厚さが29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸、熱固定フィルム表面を弱粘着加工したプロテクトフィルムとともに500mを共巻して、巻層体を完成させた。
得られたフィルムの特性は以下のとおりであり、光透過層用途として優れたものであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±0.8μm
この厚み斑はフィルムの幅方向においてなだらかに変化するような斑であった。このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.36%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000066 最大値:0.000088 最小値 0.000045であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000072 最大値:0.000088 最小値 0.000052であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.08と小さく、信頼性の高いものであった。
[実施例3]
実施例1で用いたポリカーボネート樹脂、溶融押出し装置、フィルム冷却ロールを適用した。本実施例3では、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間にダイより押出したフィルム状樹脂を流下させ、冷却させる方法を用いた。ダイリップ開度は1mmとし、押出機シリンダ温度及びダイ温度を270℃、冷却ロールの温度を125℃に設定した。このときのエアーギャップは40mm、第2冷却ロール上へのフィルム落下位置を冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下点と冷却ロール頂点のなす角度が90°になるようにした。第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間に適当な隙間をあけて、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間でフィルムに狭持加圧が掛からないようにした。両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムとして、厚さが29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸、熱固定フィルム表面を弱粘着加工したプロテクトフィルムとともに500mを共巻して、巻層体を完成させた。
得られたフィルムの特性は以下のとおりであり、光透過層用途として優れたものであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±2.8μm
この厚み斑はフィルムの幅方向においてなだらかに変化するような斑であった。このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.26%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000092 最大値:0.00012 最小値 0.000077であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000075 最大値:0.000083 最小値 0.000063であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.12と小さく、信頼性の高いものであった。
[実施例4]
実施例1で用いたポリカーボネート樹脂、溶融押出し装置、フィルム冷却ロールを適用した。本実施例4では、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間にダイより押出したフィルム状樹脂を流下させ、冷却させる方法を用いた。第1の冷却ロールと第2の冷却ロールとの隙間をフィルム厚みと同程度としたバンク方式により、フィルムを製膜した。本実施例のリップ開度、押出機シリンダ、ダイ及び冷却ロールの温度、エアーギャップ並びに第2冷却ロール上へのフィルム落下位置は実施例3と同じになるように設定した。すなわち、第1の冷却ロールと第2の冷却ロールの間で樹脂に狭持圧を加えて製膜した。両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムとして、厚さが29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸、熱固定フィルム表面を弱粘着加工したプロテクトフィルムとともに500mを共巻して、巻層体を完成させた。
得られたフィルムの特性は以下のとおりであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±0.9μm
この厚み斑はフィルムの幅方向においてなだらかに変化するような斑であった。このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.09%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000074 最大値:0.0010 最小値 0.000047であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.00183 最大値:0.00201 最小値 0.00161であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.30であった。
[実施例5]
粘度平均分子量18,000(Tg148℃)のポリカーボネートペレットを用いた以外は実施例2と全く同様の製造条件にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性は下記のとおりであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±2.7μm
この厚み斑はフィルムの幅方向においてなだらかに変化するような斑であった。このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.30%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000142 最大値:0.000162 最小値 0.000111であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000155 最大値:0.000195 最小値 0.000102であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.15と信頼性の高いものであった。
[比較例1]
以下のような溶液製膜法で光透過層用のフィルムを作成した。
帝人化成(株)製のビスフェノールAのホモポリマーである、高粘度グレードのポリカーボネートペレット(商品名C−1400QJ、粘度平均分子量M;38,000)を120℃で16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気により、30℃まで冷却した。これを塩化メチレンに溶解して18重量%の溶液を作成した。この溶液を平均孔径3μmのフィルターに通し異物を除去した。更にこの溶液を温度を15±0.5℃に調整して1500mm幅のコートハンガーダイに導入し、続いて、約550μmの液膜として、鏡面研磨したSUS−316Lよりなるベルト支持体上に流延した。流延開始する直前の支持体の温度
(表面温度)を9℃に設定した。流延されたフィルムを次のように乾燥した。
(第1区間)乾燥の初期段階において支持体裏面に30℃の温風を吹きつけて加熱し、ポリカーボネートフィルムの雰囲気温度を20℃としてポリカーボネートフィルムの変形(レベリング不良)が起こらないように注意して乾燥させた。
(第2区画)次いで、温風吹きつけにより、雰囲気温度を45℃とし、ポリカーボネートフィルム中の塩化メチレン濃度が35重量%程度になるまで乾燥した。
(第3区画)次いで、温風吹きつけにより、雰囲気温度を50℃として乾燥し、ポリカーボネート中の溶媒量を25重量%とした。
(第4区画)この区画において、55℃の雰囲気温度で乾燥し、ポリカーボネートフィルム中の溶媒量を20重量%とした。
(第5区画)この区画においてポリカーボネートフィルムを支持体と共に15℃の雰囲気で冷却した。この工程の終了点におけるポリカーボネートフィルム中の溶媒量は18重量%であった。
次に、ポリカーボネートフィルムを支持体より剥離した。剥離したポリカーボネートフィルムを更にピンテンター方式の乾燥機に送り込み、乾燥しつつ搬送した。
ピンテンターにおいてはポリカーボネートフィルムの両端部をピンで把持してポリカーボネートフィルムを搬送させた。ピンテンターが6つのゾーンに分割された方式のものを用いた。ピンテンター中において、入口からポリカーボネートフィルムの乾燥が進み、それにしたがって幅が収縮するので、この幅の収縮に合わせてピンテンターのレール幅も狭めるようにして乾燥させた。ピンテンター工程の後半になるに従って熱風温度を上昇させポリカーボネートフィルムの乾燥を促進させた。この際ポリカーボネートフィルムの分子配向が極力起こらないようにピンテンターのレール幅を設定するようにした。前半3ゾーンの熱風温度を90℃、110℃、120℃とし、中間の4、5ゾーンの温度を130℃として、この5ゾーン部でポリカーボネートフィルムをピン突き刺し部から切り離した。更に6ゾーンで135℃の熱風温度とした。
ピンテンターの出口において、ほぼ室温下でポリカーボネートフィルムの引取り張力を0.49MPaとして引き取った。さらに引き続き、ロール懸垂型の乾燥機へ通膜した。このロール懸垂型乾燥機は2つの部屋に分割し、前部の熱風温度を135℃、後部の熱風温度を140℃として、引取り張力を0.15MPaとして引き取った。両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムとして、厚さが29μmのポリエチレンテレフタレートの二軸延伸、熱固定フィルム表面を弱粘着加工したプロテクトフィルムとともに500mを共巻して、巻層体を完成させた。
得られたフィルムの特性は以下のとおりであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±0.7μm
このフィルムには筋状の斑または筋状の表面欠点は検出されなかった。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.01%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000032 最大値:0.000043最小値 0.000013であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000940 最大値:0.000960 最小値 0.000910であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.80と反り変化量が大きかった。
[比較例2]
実施例1で用いたポリカーボネート樹脂、溶融押出し装置、フィルム冷却ロールを適用した。本比較例2では押出機シリンダ温度及びダイ温度を270℃、冷却ロールの温度を90℃に設定した。また、ダイリップ先端部と冷却ロール面とのエアーギャップ120mmとし、第1冷却ロール上へのフィルム落下位置を冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下点と冷却ロール頂点のなす角度が90°になるようにした。それ以外の条件は、実施例1と同条件で運転し、フィルムを得た。得られたフィルムの光学特性は以下のようであった。
フィルム厚み並びに厚み斑;平均厚みは90μm、厚み斑範囲は±4.2μm
この厚み斑はフィルムの流れ方向に周期的に斑が生じていた。
フィルムの全光線透過率は、91%であった。
100℃、24hrでのフィルムの熱寸法変化率は、0.22%であった。
面内の複屈折率(Δn)は、平均値:0.000210 最大値:0.000232 最小値 0.000124であった。
厚み方向の複屈折率(Δnth)は、平均値:0.000120 最大値:0.000214 最小値 0.000092であった。
得られたフィルムで作成した光ディスク媒体の100℃、24hrの熱処理前後の反り変化量(ΔTilt)は、0.13であった。
Figure 0004723358
Figure 0004723358
本発明で使用される製膜装置の概略図を示す。
符号の説明
1:Tダイス
2:第1冷却ロール
3:第2冷却ロール
4:第3冷却ロール
5:引取ロール
a:エアギャップ
b:冷却ロールの中心を支点とした冷却ロールへのフィルムの落下点と冷却ロール頂点のなす角度

Claims (7)

  1. ポリカーボネート樹脂をダイから溶融押出し、冷却ロールを用いてフィルムを製造するに当たり、(i)フィルムの厚みt(μm)に対してダイリップの開度を5t〜25t(μm)の範囲とし、(ii)ダイと冷却ロール間のエアーギャップを10〜70mmの範囲とし、(iii)押出機のシリンダ及びダイの温度を、その温度で100(1/s)の剪断速度におけるポリカーボネート樹脂の溶融粘度が50〜600Pa・sの範囲となるように設定し、(iv)冷却ロールの温度を使用するポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して(Tg−45)〜(Tg−10)℃の範囲とすることを特徴とする、フィルムの厚みが10〜150μm、厚み斑が±3μm以下、全光線透過率が89%以上、100℃で24時間処理した後の熱寸法変化率が0.05〜0.8%の範囲であるポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  2. 面内の複屈折率(Δn)の平均値が0.00001〜0.00017、厚み方向の複屈折率(Δnth)の平均値が0.00022以下である請求項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  3. ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAを少なくとも50モル%有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂である請求項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  4. ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が12,000〜19,000の範囲である請求項1記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  5. フィルムを静電密着法によってロールに密着させ冷却する請求項記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  6. 冷却ロールが複数個であり、その複数個の冷却ロールの少なくとも最初の冷却ロールと2番目の冷却ロールの間ではフィルムを狭持加圧しない請求項記載のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法。
  7. 請求項1に記載の製造方法によりポリカーボネート樹脂フィルムを得、得られたポリカーボネート樹脂フィルムを積層し、巻き上げたことを特徴とするフィルム巻層体の製造方法
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