JP2009098347A - ホログラム記録媒体用ギャップ層およびホログラム記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、低複屈折、表面平滑性が良好なポリカーボネート樹脂よりなる光学フィルムをホログラム記録媒体に用いることにより、サーボ信号光とホログラム信号光が混合されることなく、良好なエラーレートを示すホログラム記録媒体を提供すること。
【解決手段】二次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光を重ね合わせ、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有し、支持体となる第二の基板、反射層、ギャップ層、フィルタ層、保護層、記録層、光透過性の第一の基板より構成されるホログラム記録媒体において、該ギャップ層が、ポリカーボネート樹脂を溶融押出しして作成した光学用フィルムであって、フィルムの厚みが10〜150μm、厚み斑が±2μm以下、140℃で1hr熱処理後の熱寸法変化率が0.08%以下、全光線透過率が89%以上、面内レターデーションが1〜15nm、厚み方向のレターデーションが100nm以下、中心線平均表面粗さが両面共に1〜5nmの範囲であることを特徴とするホログラム記録媒体を構成するギャップ層用フィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、複屈折が低く、表面平滑性が良好なポリカーボネート樹脂からなる光学フィルムを用いたホログラム記録媒体用ギャップ層及びホログラム記録媒体に関する。
三次元的な情報記録が可能なホログラム記録媒体は、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などに比べ、大容量・高速転送を実現可能な光記録技術の一つである。
ホログラムの記録再生方式は二次元イメージとして情報を付与された情報光と参照光を照射し干渉させ、形成された干渉パターンを利用して記録層内部に屈折率等の光学特性分布を生じさせることで情報を記録する。再生時は参照光のみを照射することにより、記録した干渉パターンに対応した光学特性分布を有する再生光が得られる。
ホログラム記録媒体の記録層としては、一般的にラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤に加え、三次元架橋ポリマーマトリクスを有する構成が知られている(例えば特許文献1)。三次元架橋ポリマーマトリクスは、ラジカル重合性化合物の過剰な移動を抑制し、記録層において、明部に相当する箇所および暗部に相当する箇所の体積変化を抑制する機能を有している。三次元架橋ポリマーマトリクスの材料としては、エポキシ化合物、カチオン重合性モノマーを由来とした反応硬化物などが挙げられる(例えば特許文献2参照)。
また、ホログラム記録媒体の構成としては、種々検討されているが、図1に示すホログラム記録媒体が提案されている。(例えば特許文献3,4,5)支持体となる第二の基板1表面にサーボピットパターン8を設け、このサーボピットパターン8表面に金属反射膜からなる反射層2を積層する。更に、反射層2とフィルタ層4の間に、第二の基板1の平坦化を目的にギャップ層3を設ける。そして、フィルタ層4上に、保護層5、)記録層6、光透過性の第一の基板7を順に積層することにより作製される。
ホログラム記録媒体を構成するギャップ層3に用いられる基材としては、ビスフェノールAから得られるポリカーボネート樹脂(以下PC−A)から形成される光学フィルムが提案されている。従来からポリカーボネート樹脂フィルムを製造する方法としては、溶融製膜法または溶液製膜法が採用されている。
特許文献6には、溶融キャスト法(実質的に溶液製膜法)により作製された樹脂シートを光透過層として用いること、その樹脂の一つとしてポリカーボネートを用いたること、該シートで、厚み斑、複屈折並びに残留溶媒等が制御された特性のものを用いて、光学記録媒体を製造する方法が提案されている。
また、特許文献7及び8には、ポリカーボネートを用い溶液製膜法によって光透過層用フィルムを製造することが記載されている。ここには、フィルムの厚み、厚み斑、熱寸法変化率、全光線透過率、含有溶媒量、面内レターデーション、厚み方向のレターデーションの最大値、表面粗さなどが規定されている。
溶液製膜法によれば光記録層用フィルムとして品質の優れたものが得られるという利点がある。しかしながら、塩化メチレンを溶媒とする溶液製膜法においては、製造できるポリカーボネートフィルム厚みの点で制約がある。すなわち、ポリカーボネートを用いて溶液製膜する場合、ポリカーボネート(殊にビスフェノールA−PC)は溶媒の乾燥過程で結晶化して、透明で柔軟性のあるフィルムを得にくくなるという問題がある。光ディスク基板として用いられているビスフェノールA−PC(粘度平均分子量が15,000)の塩化メチレン溶液からフィルムを製造しようとすると、50μm以上の厚い透明フィルムを作成することが難しい。この結果から本発明で要求されるような、光透過層用フィルムの厚みが約10〜150μmの範囲のものすべてをカバーするようなものは溶液製膜法で製造することが難しいことがわかっている。
一方、溶融製膜法であれば溶融したビスフェノールA−PCをフィルム状にして、急冷すれば溶融状態からの結晶化が防止できるため厚みに制約がなく高透明のフィルムを作ることができるという利点がある。しかしながら、溶融製膜法では複屈折を十分に小さくするのが難しく、厚み斑が不十分、並びに表面欠点が多い等の問題点を解消できていないため、満足な特性が得られていないのが現状である。
特開平11−161137号公報 特開2005−107312号公報 特開2004−265472号公報 特開2007−093799号公報 特開2007−079164号公報 特開2002−074749号公報 特開2001−243658号公報 特開2001−243659号公報
本発明の目的は、ホログラム記録媒体のギャップ層として好ましい物性および光学的特性を有するホログラム記録媒体を提供することである。
上記課題を解決する為に、本発明よれば次のものが提供される。
1.二次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光を重ね合わせ、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有し、支持体となる第二の基板、反射層、ギャップ層、フィルタ層、保護層、記録層、光透過性の第一の基板より構成されるホログラム記録媒体において、該ギャップ層が、ポリカーボネート樹脂を溶融押出しして作成した光学用フィルムであって、
(1)フィルムの厚みが10〜150μm、
(2)厚み斑が±2μm以下、
(3)140℃で1hr熱処理後の熱寸法変化率が0.08%以下、
(4)全光線透過率が89%以上、
(5)面内レターデーションが1〜15nm、
(6)厚み方向のレターデーションが100nm以下、
(7)中心線平均表面粗さが両面共に1〜5nmの範囲であることを特徴とするホログラム記録媒体用ギャップ層。
2.ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA を少なくとも50モル% 有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
3.ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が13,000〜30,000の範囲である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
4.(1)最大長が10μm以上および高さが3μm以上の表面欠点が10個/平方メートル以下であり、
(2)最大長が20μm以上の塊状の内部異物が5個/平方メートル以下であり、且つ(3)最大長が200μm以上の打痕状の表面欠点が1個/平方メートル以下である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
5.情報光および参照光が、情報光の光軸と参照光の光軸が同軸になるように照射されるホログラム記録方式に用いられる請求項1〜4記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
6.第二の基板が、サーボ情報を検出するために形成されたサーボピットパターンを有する請求項1〜5記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
7.第二の基板が、サーボピットパターン上に反射膜を形成されてなる請求項1〜6記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
8.反射層が金属反射膜である請求項1〜7記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
9.フィルタ層と反射層との間に、ギャップ層を設け、第二の基板表面を平坦化することを特徴とする請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
10.ギャップ層形成工程が、光学用フィルムを貼り付けることにより形成する請求項1〜9記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
11.フィルタ層が、ダイクロイックミラーからなる層、またはコレステリック液晶からなる層であり、波長選択性能を有する請求項1〜10記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
12.フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する請求項1〜10記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
13.フィルタ層上に保護層、記録層、光透過性の第一の基板を形成してなる請求項1〜12記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
14.第一の基板及び第二の基板がポリカーボネート樹脂またはガラスである請求項1〜13記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
15.情報光と参照光を照射し、干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録する方式であって、記録した干渉パターンの位置情報を、情報光及び参照光とは異なる波長のサーボ用光を照射し、該サーボ用光の焦点距離により検出する方式を利用してなる請求項1〜14記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
16.請求項1〜15記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層を有するホログラム記録媒体。
本発明を以下詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明においてポリカーボネート樹脂は、通常ジヒドロキシ成分とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。ジヒドロキシ成分の代表的な例としては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。なかでも、ビスフェノールAを好ましくは少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも60モル%、さらに好ましくは少なくとも75モル%、特に好ましくは少なくとも90モル%有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂であるカーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
(粘度平均分子量)
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表し、通常10,000〜40,000の範囲、好ましくは13,000〜30,000の範囲であり、さらに好ましくは14,000〜19,000の範囲である。
光ディスク基板には粘度平均分子量15,000程度の光学用ポリカーボネート樹脂が使用されることから、ギャップ層として用いるポリカーボネートフィルムが上述の範囲であれば、得られるフィルムが脆くなり難く、円盤状に打ち抜く際に端面にノッチを発生したりすることが少なくなる。また、溶融押出し時に異物が発生し難く、厚み斑を発生し難くなる点で好ましい。さらに、得られるフィルムの高分子が緩和し易い傾向があるためその後の熱処理時にレターデーション値が低下し易く、また、ロール状に巻き上げた後、ロールを解きほぐす際に、たとえばディスク状に打ち抜いて機械的に搬送する場合においても平面性が良好となり、記録層に貼り合わせる際にトラブルを生じ難くなるので好ましい。
最も好ましいポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の範囲は14,500〜17,500である。また、ポリカーボネート樹脂としては極力高分子量の異物や熱劣化物等が含まれないものを使用することが好ましい。
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度を表す。)
<光学フィルムの製造方法>
次に、このポリカーボネート樹脂を用いてホログラムギャップ層用フィルムを製造する方法について具体的に説明する。
(溶融押出条件)
溶融押出しの際にポリカーボネート樹脂の熱劣化が生じない工夫を行うことが好ましい。例えば、溶融押出し前に原料を120℃程度で十分に乾燥して、押出し機のホッパーに投入し、このホッパーは外から加熱して110℃程度に保温する。こうして加水分解等化学反応による樹脂の劣化を防止する。このホッパー内の空気(主に酸素)が樹脂の熱劣化を促進させるため、この雰囲気を窒素ガスで置換するか、窒素ガスを流通させる方法を採用する。
本発明者らは押出し工程のどの場所で熱劣化物が発生し易いのか、ポリカーボネート樹脂(具体的にはビスフェノールA−PC)の熱劣化がスクリュー押出し機からダイ押出しまでの工程間でどのような場所に起こるのかをスクリューを押出し機から抜き出して調べた。その結果、樹脂を最初に噛みこむ供給口の部分、この部分で樹脂がスクリューの噛みこみ開始部とバレル間で粘着状となりスクリューに絡みついて、その後の樹脂の供給が阻害され、これがひどい場合は吐出変動を起こす。このような樹脂が長い時間滞留すると徐々に劣化して、茶色や黒色の熱劣化物を生じることが分かった。この樹脂の絡みつきはスクリューの噛こみ部(供給部)のバレル部を水冷することによって防止できる。
また、押出し機の先端部とフィルターハウジングとを接続するフランジ部、溶融樹脂の導管、フィルターハウジングと押出しダイとを接続する溶融樹脂の導管やフィルターハウジングの構造が熱劣化物を極力生じないように設計することが重要である。このためには、まず、溶融樹脂の導管内で樹脂の局所的な滞留を起こさせないように急激に曲げるような構造としないなどの対策が挙げられる。
フィルターハウジングは一般に円筒形をしていて、このハウジングの中に必要な濾過面積を持ったフィルターエレメントを多数枚組み合わせて納める構造となっている。この円筒形のフィルターハウジングを水平にセットして使用するのが一般的である。しかし、このフィルターは縦型とするほうが好ましい。横型(または水平型)であると、最初に溶融樹脂をフィルターハウジングに注入する際に、完全に空気を押出すことができずにハウジング内に空気溜りができる場合が多い。そして、この空気溜りは樹脂を押出す時の高い圧力によって圧縮されて小さくなる。このような高温下の空気溜りと溶融したポリカーボネート樹脂が接触して酸素による熱劣化が徐々に進む。また、滞留時間が長くなるとこの熱劣化物が滞留していて微小な劣化物が時々フィルターエレメントを通過して押出し樹脂中に放出され、フィルムの内部異物となる。この対策の一つとして、溶融樹脂を注入するフィルターハウジングを縦型にすることによって防ぐことができる。この場合空気溜り滞留はできにくいからフィルター内での熱劣化物は発生しにくくなる。溶融押出し立ち上げ時には一般にスクリュー先端から樹脂を押出し、押出し機の先端には初期の熱劣化物を放流させて完全に流し出してしまってから、フィルターエレメントを組み込んだフィルターハウジングのポリマー導管部を押出し機先端に接続することが好ましい。
透明のプラスチック製のフィルターハウジング内へ高い粘性の水あめを流して、樹脂注入の模擬テストを実施した結果によればハウジング内で空気の滞留が起こるのが確認された。実際に高温でフィルター内へ樹脂を流した時にもこの滞留現象は起こっていることが推定された。そして、このハウジング内での空気の滞留(空気の滞留以外にも高温空気(酸素)と樹脂とが反応してできたガス状物が混合しているものと思われる)は押出し機運転の途中で例えば押出しの吐出量を下げるなどすると空気溜りの空気が膨張してその一部が気泡状になって吐出されることがある。このような場合には、ポリカーボネートの熱劣化物と劣化によって生じたガスによりフィルムの表面欠点が生じる。
ポリカーボネート樹脂の空気中での炭酸ガス発生量と保持温度を調べた結果(処理時間30分)によれば260〜280℃の時は少ないが300℃以上の温度では急増する結果と、これが窒素雰囲気中ではさらに少なく340〜360℃でもきわめて微量の炭酸ガスが発生することが示されている。
このようにポリカーボネート樹脂の高温下での滞留時間が長い時の熱劣化は無視することができない。溶融押出し機の能力はフィルムの厚み、幅、製造速度(すなわち溶融樹脂の吐出量がその製造に適切であるように、樹脂の押出し機から押出しダイ先端出口までの滞留時間を極力短くなるように決める必要がある。製造能力の増強などの対策をする場合は、樹脂を十分に溶かす能力と、熱劣化異物を発生させないような滞留時間として極力短時間とする必要がある。これらの兼ね合いで押出し機の吐出能力を決める。本発明で好適に用いられるビスフェノールA−PC樹脂(粘度平均分子量14,000〜19,000程度)を製膜する場合は樹脂の押出成形温度を270〜320℃とし、滞留時間を30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内とするのが好ましい。特に滞留時間が5〜10分であるようにするのが好ましい。滞留時間が短すぎる場合には、特に溶融押出しに用いる樹脂が結晶化しているような場合には未溶融物が残留して、フィルム中に異物欠点として出てくる場合がある。このようなものはゲル状異物として樹脂のフィルターエレメントを通過してしまう場合が多い。溶融温度と滞留時間を上記範囲にすることにより、ポリカーボネート樹脂の熱分解が抑えられる結果、熱劣化異物が発生し難くなる。
溶融押出し機としては、吐出量が最高130Kg/hr程度のものを選ぶことが好ましい。例えば、押出しダイの幅を1200mmとし、幅方向の特性が均一であるフィルム幅が1100mmありフィルム厚みが50μmのものを製造しようとする時には計算上ではフィルムの引取り速度が約30m/分である。そして、この時の吐出量は約130Kg/hrである。スクリューはポリカーボネートを溶融押出しするための通常のスクリユーまたは樹脂の溶融工程で固体と液体とを分離するようになした公知の二溝スクリユーのどちらでも用いることができる。スクリュー先端部では樹脂温度を連続的に測定して制御することが好ましい。
また、溶融樹脂の流量を精密に制御できるギヤーポンプを通すことによって、フィルムの特に長さ方向(走行方向)の厚み変動を抑えることができる。
本発明においては、濾過用フィルターエレメントは従来公知のものを用いることができる。市販されている金属製の焼結金属型や極細金属繊維の集合体型などの耐熱、耐圧性のフィルターエレメントを用いることが好ましい。フィルターエレメントを使う場合には樹脂が滞留しても熱劣化等を促進させない材質を選択することも必要である。
また、使用する樹脂として光学ディスクグレードのポリカーボネート樹脂(例えば、帝人化成(株)製パンライトAD−5503)が好ましい。光学ディスクグレードは異物に細心の注意を払って製造しているためポリマーそのものに異物が極めて少なく、この樹脂を溶融押出して光ディスクを製造する際にも異物の発生が殆ど無いため熱劣化物等をトラップするフィルターは精密なものを使わなくとも問題無いとされており、本発明に好適である。濾過装置とダイとを接続するポリマー導管内において、ダイの直前に、ミキサーを用いて、樹脂の温度、粘度を均一にするとさらに厚み斑を良化させることができる。
(ダイ押出し条件)
溶融したポリカーボネート樹脂をダイから押出す際に、ダイリップから押出された樹脂フィルムは、エアーギャップ部(ダイ先端と冷却ロールとの間)での収縮や雰囲気空気の乱れなどの影響を受け、厚み斑やダイ筋が生じ易い。特に溶融粘度が低い場合(粘度平均分子量14,000〜19,000)は顕著である。従来のようなエアーギャップ(ダイ先端と冷却ロールとの間隔)を広く取った溶融製膜法では均一な製膜ができ難い。
本発明者らは溶融押出しのダイリップ先端と冷却ロールとの間隔を十分に狭くして溶融樹脂の空間でのゆれをなくすことによって、溶融製膜法により得たポリカーボネート樹脂フィルムに顕著に現れるうねり状の厚み斑と微小な筋状の欠点(ダイ筋)を発生させることが無く、所望の物性及び光学的特性を満足するポリカーボネート樹脂フィルムが得られることを見出した。
すなわち、押出しダイのダイリップ先端部と冷却ロール面との距離(ダイギャップ)を10〜30mmの範囲とすることが好ましく、15〜30mmの範囲とすることがより好ましい。
また、ダイの構造も、特にその突出部分で周辺空気の異常な流動を起こし、フィルム厚み斑を生じる原因になるのでダイの凹凸構造も極力注意して無くすかまたは少なくするための対策をすることが好ましい。
ポリカーボネートの溶融押出しダイとしては、ダイの幅方向の中央部から樹脂を供給するタイプのT−ダイ(コートハンガー型ダイ)またはT−ダイを樹脂の流入部で二分した形状のダイとし、ダイの幅方向の一端部から樹脂を流入させるタイプのI−ダイ等従来公知のものを用いることができる。この際押出しダイで樹脂が吐出されるリップは十分にシャープ形状に仕上げることが好ましい。そして、リップは一般に用いられているような突き出し型ではなく、リップの下面とリップをダイ本体に固定する螺子や螺子孔等がある場合には目潰しして極力平面をなすようにすることが好ましい。平坦化するためにダイリップ下面に表面が鏡面の部材をはめ込む方法が好ましく採用される。こうすることによって、溶融吐出されるポリカーボネート樹脂の樹脂温度並びに流動性を幅方向で均一にすることができる。
そして、ダイの開度(リップ開度)は、例えば、100μmの厚みのフィルムを押出し製膜する場合は1mm〜2mm程度とすることが好適である。さらに、ダイの幅方向においては樹脂流入部から遠くなるにしたがってダイ開度が少しずつ大きくなるように設定することが好ましい。こうしてダイの幅方向においてダイリップにかかる圧力がほぼ均一になり、溶融樹脂が流れ易くなるように工夫する。実際はダイを使用前にリップの開度を調整してから使用する。溶融押出し開始後は、ダイのリップ部のボルトをフィルムの厚み(斑)の状態を見ながら、自動又は手動で調整するようにすると特に厚み斑を小さく良くする点で好ましい。厚み斑の自動調整にはダイのリップボルトを機械的に回転させて、リップ間隙を調整する方式やダイリップに一定間隔で加熱装置をつけ、それらを個別に温度調整して溶融樹脂の粘度の温度変化を利用してフィルム厚みを調整する方式(温度リップ)を採ることができる。厚み斑の調整のし易さから、機械的なリップ開度調整法よりも温度リップを用いるのが好ましい。特に広幅のフィルムを製造する場合には機械的に動かす部分の無い温度リップを用いるのが好適である。
(冷却ロールについて)
ダイより押出した溶融樹脂フィルムを均一(厚み斑を悪くしない、筋状斑を出さない、レターデーションを大きくかつ不均一にしない等)に回転する冷却ロール面上に押し出す。この際に用いる冷却ロール(冷却装置)は直径300mm程度の小径ロールを数本組み合わせた方式のものや、直径800mm程度の大径のロールで冷却する方法など公知の方法を適用できる。
この冷却ロールの表面温度を均一にするためにロールの内部に冷却媒体として温度を制御した水を流し冷却することができる。均一に冷却するための冷却媒体を流す流路は向流とすることが好ましい。水温は20℃〜70℃であることが好ましい。冷却ロール表面は硬質クロームメッキ等を施し、それをさらに超仕上げ(スーパーフィニッシユ)した、表面が鏡面であるものを用いることが好ましい。このような表面の表面粗さRaは約1〜5nmである。溶融ポリカーボネート樹脂はこの超鏡面に吐出され密着され冷却されるから、フィルム表面の表面粗さはこの冷却ロールの表面粗さを転写する。この冷却ロールの表面は表面粗さをこのように維持するだけではなく、表面に傷や付着物をつけないように維持する。なお、次工程の冷却したフィルムを引き取る引取りロール表面も傷や付着物のない平坦な表面とする。本発明の光透過層用フィルムの表面粗さRaは両面ともに1〜5nmの範囲である。
ロールの直径は800mm程度、ロールの面長は1500mm程度のものとするのが好ましい。ロールの直径が800mm程度の場合、例えば、100μm厚みのフィルムを毎分数十メートルの速度で冷却できる。
(溶融フィルムの冷却ロールへの密着冷却法)
ダイから押出した溶融樹脂は冷却ロール上で固化されフィルムを作製する。この際、上述したように押出しダイのダイリップ先端部と冷却ロール面との距離を10〜30mmの範囲とすることが好ましい。ダイリップから吐出された樹脂は冷却ロールのほぼ頂点に流下するようにする。
フィルムを冷却ロールに密着させて均一に冷却するために、本発明ではフィルムを全幅に渡り静電密着法によって冷却ロールに密着させ、フィルムを急冷固化させる方法が好ましく採用される。静電密着のためにはプラス極に従来公知のSUS製の金属ワイアーを用いることができる。この金属ワイアーをフィルム面上約4〜7mm離れた空間に適度な張力で張ればよい。金属ワイアーの設置位置や架ける電圧は試行錯誤で容易に決めることができる。この静電密着の条件はフィルムの厚み斑や表面欠点の発生に影響する。静電界の電圧は数キロボルト〜10キロボルトである、密着が良好に行われるときは数ミリアンペアーの電流が流れる。電圧が低すぎる場合、静電密着が起こるところとそうでないところが斑状に生じて、結果としてフィルムの厚み斑が極端に悪くなる。また、電圧が高すぎる場合は溶融状態から冷却されて固化するフィルムが絶縁破壊を起こして、フィルムの製造を中断せざるを得なくなる場合がある。電源は直流電源を用い、静電ワイアーをプラスの電極に接続し、冷却ロール側をアースに接続する。本発明ではフィルムの静電密着の調整範囲を広げ、その効果を安定化させるためにポリカーボネート中に例えばNaイオン等の金属イオンを、フィルムの光学特性を劣化させない程度の微量加えても良い。
また、ダイリップの下面は凹凸がなく平坦化することが好ましい。ダイリップの下面を平坦化することによって静電気力が均一にフィルム密着力として働くようになる。
フィルムを冷却ロールに密着させて均一に冷却するために、本発明では冷却ロール表面に液体を塗り、その液体薄膜上に溶融フィルムを押出しロールに密着させ冷却して引き取る方法も好ましく採用される。ダイと冷却ロールの配置は静電密着法と同様にして、例えば、ロールコーターにより数μm程度〜数十μmの厚みを示す水よりなる薄膜を冷却ロール表面に塗布して、その水膜面上に高分子フィルムを密着させて冷却固化させる。
水膜が厚すぎる場合は冷却固化された高分子フィルムがロール面上を滑るので引取りがうまく行かないので注意する。また、水膜が薄すぎる場合はフィルム表面が冷却ロールに接着して取り除くのが難しくなる。水膜の厚みは試行錯誤法によって決めることができる。
本発明においては、冷却ロールへの全面静電密着法と全面水塗布法を併用しても良い。
これらの併用の場合は静電密着に使う冷却ロール表面と静電ワイアー間に架ける電圧を下げることができるので、密着時のフィルムが薄い時などのようにフィルムが絶縁破壊を起こし易いような条件では均一密着の範囲を更に広げることができる。
こうして得られた溶融押出しフィルムは幅方向の大きなうねり状の厚み斑が無いばかりか、筋状の表面欠点も無い。特に冷却ロールに水を塗布して製膜した場合にはダイ筋などの欠点がないフィルムを作ることができる。これは、この密着の雰囲気に水が存在することによってダイリップ先端などに付着したポリカーボネートが加水分解されて取り除かれるためではないかと思われる。
(フィルム引取り並びに複屈折の低下方法)
冷却ロールで冷却された溶融押出しフィルムは通常引取りロールを介して引き取られる。得られたフィルムは、幅方向の中央部の面内レターデーション(複屈折)が比較的小さくても、その両端に近いところの複屈折が大きくなる、いわゆる鍋底型のレターデーション分布になることが多い。これはポリマーの流動配向による複屈折が押出しの幅方向で異なっているためと推定される。ダイ先端部と冷却ロールとの間隔を本発明のように狭くしても、エアーギャップ間でのダイから押出されたポリカーボネート樹脂フィルムの狭まりを完全に無くすことはできず、ポリカーボネートの流動配向によって複屈折を生じるから、フィルム幅方向でこのレターデーションを小さくかつ均一にすることは難しい。従って、次工程でフィルムの熱処理を行うことが好ましい。かかる熱処理を行うことによって、フィルム幅が1,000〜1,500mmでその幅方向全てにおいて、レターデーションが10nmより小さいフィルムを得ることができる。
(熱処理工程)
フィルムの熱処理はフィルムを搬送しながら所望温度の熱風を調整した熱処理装置に通す方法が好ましく採用される。この工程を行うことにより、簡便に溶融押出しフィルムの複屈折(レターデーション値)をギャップ層用ポリカーボネートフィルムの所望の値まで小さくすること並びにフィルムの面内で均一にすることができる。
熱処理温度は溶融押出しされたポリカーボネート樹脂のガラス転移温度をTgとするとき、(Tg−10)℃〜Tg℃の範囲とすることが好ましく、(Tg−10)℃〜(Tg−2)℃の範囲とすることがより好ましい。たとえば、ビスフェノールAを繰り返し単位とするポリカーボネート樹脂では、137〜147℃が好適である。
また、その際フィルムにかかる張力(搬送張力)は低いほど好ましい。そして、この熱処理前のレターデーションが低い場合にはより高い熱処理温度とより低い搬送張力の条件を選択する。より詳細には、熱処理時のフィルム断面積あたりの張力は0.5〜3Kg/平方センチメートル、好ましくは0.5〜2.8Kg/平方センチメートル、より好ましくは0.5〜2.5Kg/平方センチメートル、さらに好ましくは0.5〜1.8Kg/平方センチメートルである。張力は低ければ低いほど好ましいが、フィルムを搬送するのでゼロにすることはできず、1Kg/平方センチメートル以上がより好ましい。また、熱処理時間は我々の実験によれば処理するフィルムの全断面の温度が加熱する熱風の温度とほぼ同じになるまで加熱できれば充分である。厚み100μmのポリカーボネートフィルムを熱風で加熱する時の概算によれば、熱風とその熱風中に導入されたフィルムとがほぼ同じ温度になる加熱時間は約30秒である。したがって、少なくとも30秒以上の時間フィルムが滞留することができるような熱風オーブンの大きさとすることが必要である。また、熱処理時間は1時間以内で充分である。
<光学フィルムの厚み>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、厚みが10〜150μmの範囲であり、好ましくは10〜100μmの範囲である。この厚みは照射位置情報のサーボ信号を最適状態で入出力するために重要である。
<光学フィルムの厚み斑>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、厚み斑が±2μm以下であり、好ましくは±1.5μm以下である。厚み斑が大きくなると光学的歪が顕著となり、サーボ信号の入出力変動(ノイズ)が大きくなる。この厚み斑の測定方法は、たとえば、連続厚み計(アンリツ(株)製フィルムシックネステスター、型式KG601A)を用いることができる。
<光学フィルムの熱寸法変化率>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、140℃で1hr熱処理後の熱寸法変化率が0.08%以下であり、好ましくは0.07%以下である。熱寸法変化率が大きくなるとフィルタ層とギャップ層との界面でのミクロな剥離が起こり易くなる。
この測定方法は、たとえば、フィルムの幅方向3箇所からサンプルを採取し、測定サンプルの大きさは幅10mm、測定の方向に150mmとする。そして、測定の方向はフィルムの走行方向と走行方向に直角方向の2方向とする。測定の方向に標点間隔を100mmとし、所定温度(140℃)の恒温槽にて無負荷下で2時間処理した後、室温に取り出し冷却した後測定する。寸法の変化は、恒温恒湿下、23℃、65%RHの条件下で、読み取り顕微鏡を用いて実施した。寸法の変化率は熱処理前後の寸法から次のように求めることができる。
熱寸法変化率={(処理前の寸法)−(処理後の寸法)}/(処理前の寸法)×100%
<光学フィルムの全光線透過率>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、全光線透過率が89%以上であり、好ましくは90%以上である。ギャップ層を通してのサーボ信号の劣化を防止するには全光線透過率は高いほど良く、89%未満ではサーボ信号の劣化が許容できない場合がある。
この測定方法は、たとえば、JISK7105に準拠して実施し、フィルムの幅方向3箇所からサンプルを採取し、サンプルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁度測定機COH−300Aを用いて測定した。各サンプルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計15点の平均値を全光線透過率とすることができる。
<光学フィルムの面内レターデーション>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、面内レターデーションが1〜15nmの範囲であり、好ましくは1〜10nmの範囲であり、より好ましくは1〜7nmの範囲であり、特に好ましくは1〜5nmの範囲である。面内レターデーションが高くなると、モジュレーションが大きくなりサーボ信号レベルが不安定化する。また、モジュレーションを小さくしサーボ信号レベルを安定化するため、面内レターデーションのフィルム面内でのばらつきは好ましくは1〜8nmであり、より好ましくは1〜6nmである。
この測定方法は、たとえば、等方性フィルム(延伸前フィルム)については、幅方向サンプル全幅について複屈折率測定装置(王子計測社製の商品名KOBRA WFD)により10mm間隔でレターデーション値を計測する。測定波長は589.3nmである。このデータより測定サンプル全幅方向におけるレターデーション値の差を求めた。すなわち、フィルム全幅方向のレターデーション値の最大値と最小値との範囲、Re.1=最小値〜最大値で表示し、均一性の尺度(単位nm)とすることができる。
<光学フィルムの厚み方向のレターデーション>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、厚み方向のレターデーションが100nm以下であり、好ましくは80nm以下である。なお、この厚み方向のレターデーションは後述する測定方法で求められたK値の最大値(0nm以上の値)を意味する。K値の最大値が大きくなるとノイズが増大する。
この測定方法は、たとえば、上記の光学フィルムの面内レターデーションの測定と同様に全幅をサンプリングして、フィルムの幅方向に5等分する。5等分したサンプルから測定サンプル小片を切り出し、複屈折率測定装置(王子計測社製の商品名KOBRA WFD)で計測した。該フィルムサンプルをその遅相軸または進相軸で回転させて入射角度を変えてレターデーションを測定し、これらのデータから屈折率nx、ny並びにnzを計算する。更にこれらの値から、Re.2=((nx+ny)/2−nz)×d(単位:nm)を計算した。ここで、dは測定フィルムの厚みを表す。
<光学フィルムの表面粗さ>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、中心線平均表面粗さが両面共に1〜5nmの範囲であり、好ましくは1〜3nmの範囲である。中心線平均表面粗さが大きすぎると表面凹凸部が光を散乱させる結果ノイズが増大する。
この測定方法は、たとえば、中心線平均表面粗さ(Ra)とはJIS−B0601で定義される値であり、(株)小坂研究所の接触式表面粗さ計(サーフコーダー、型式SE−30C)を用いて測定した。Ra測定条件は下記のとおりである。
触針先端半径:2μm、測定圧力:30mg、カットオフ:0.08mm、
測定長:1.0mm。
データは、同一試料について5回繰り返し測定し、その測定値(μm単位による小数点以下4桁目までの値)について、最も大きな値を一つ除き、残り4つのデータにおける平均値の少数点以下5桁目を四捨五入して、小数点以下4桁目までをnm単位で示すことができる。
<光学フィルムの表面欠点・内部異物>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、ノイズを防止するために表面欠点や内部異物が少ないものが好ましい。すなわち、最大長が10μm以上および高さが3μm以上の表面欠点が10個/平方メートル以下、好ましくは5個/平方メートル以下であり、最大長が20μm以上の塊状の内部異物が5個/平方メートル以下、好ましくは3個/平方メートル以下であり、且つ最大長が200μm以上の打痕状の表面欠点が1個/平方メートル以下、好ましくは0個/平方メートルである。表面欠点の高さはフィルム上にフィルタ層を積層する際に問題になることがある。このようなフィルム表面の突起は冷却ロールやフィルム搬送ロールの傷(大部分はくぼみ状のもの)が原因で、フィルム面にそれが転写されて突起となる。打痕は比較的なだらかな凹み状となっていて深さは浅い場合が多い。フィルム面上の強い打痕は走査型電子顕微鏡観察すると欠点のほぼ中央部に割れめができたり、そこに微小な異物が付着していたりする。一般に200μm未満の小さな打痕はフィルタ層積層時に発生する熱によって歪みが緩和し、消失する。
これらの測定方法は、たとえば、ポリカーボネートフィルムを約1平方メートルサンプリング(フィルム1.3m幅×押出し方向長さ約1m)して、測定に供する。
(i)熱劣化物等の塊状異物
サンプリングしたフィルムを塩化メチレンに溶解させて、低濃度(1重量%)のポリカーボネート溶液としこの異物を10μmフィルターで濾別する。このものを顕微鏡観察して最大長が20μm以上の大きさのものを計数した。また、異物の素性(原因物)はFT−IRとEPMAで定性分析して確認する。
(ii)フィルム表面の突起
大きな欠点はフィルム表面を斜め上方から光照射し、その反射光で目視観察して見つけた。この欠点部をキーエンス社製のレーザー顕微鏡を使ってその高さを測定する。また、目視では見つからない小さな欠点はフィルム5cm角をサンプリングし透過顕微鏡観察で欠点を見つけ、この周りに目印をつけて更にレーザー顕微鏡で観察して、欠点の高さ、広がり等を測定した。最大長が10μm以上及び高さが3μm以上のものを計数する。
(iii)打痕
打痕の出現頻度は1平方メートルのフィルムで計数する。打痕は斜方照明目視で最大長が200μm以上のものを計数する。打痕は、小さなものはフィルム面を正面から見た場合、目視では殆ど見つけることができないが、斜方照明目視で容易に見つけることができる。この方法は黒色の平板上に広げたフィルム上斜め方向から光を照射し、その反射光を目視することによって微小な光の反射の不均一部分を見つける方法である。
<光学フィルムの添加剤>
本発明のホログラム記録媒体のギャップ層に用いる光学用フィルムは、安定剤、紫外線吸収剤、調色剤、帯電防止剤等を溶融製膜したフィルムの特性、例えば、フィルムの透明性などを損なわない範囲で含んでいても良い。そして、本発明のポリカーボネート樹脂を用いた光学フィルムを製造するときに好適に使用される静電密着法を容易にするために、微量の酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのポリカーボネートに溶解する物質を、NaイオンやKイオンの金属イオンが静電密着効果を強化し得る量添加することもできる。
<ホログラム記録媒体>
本発明のホログラム記録媒体は、支持基板である第二の基板と、反射層、ギャップ層、フィルタ層、保護層、記録層、第一の基板より構成され、必要に応じてその他の層を有する光記録媒体である。更に、該光記録媒体は、前記情報光および参照光が、両光の光軸が同軸になるように照射される同軸干渉方式(コリニア方式)に用いられる。
<第二の基板>
第二の基板は、最外層に位置し、ホログラム記録媒体へ記録するための情報光及び参照光の照射位置に関する情報が形成されるとともに、ホログラム記録媒体の機械的強度を保持する支持基板としての機能を有する。
第二の基板は、その形状、構成構造、大きさ等については、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、ディスク形状、カード形状などが挙げられる。また、第一の基板と外形状が同形状であることが好ましい。
第二の基板を構成する材料としては、通常、ガラス、セラミックス、プラスチックなどが用いられるが、加工性、コストの面から、プラスチックが特に好適に用いられる。
前記プラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリレーン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、耐熱性、光学特性、コストの面から、ポリカーボネート樹脂が特に好適に用いられる。
第二の基板における情報光または参照光の照射位置に関する情報としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、トラッキング情報、フォーカス情報、アドレス情報、ディスク条件情報などが挙げられる。
前記トラッキング情報は、例えば、ウォブルピット、ウォブルグルーブ、トラッキングピットなどが挙げられる。
前記フォーカス情報は、例えば、第二の基板表面に形成した反射膜、フォーカス用ミラー部分、フォーカス用ピットなどが挙げられる。
前記アドレス情報は、例えば、前記ウォブルピット上に形成した凹凸、エンコードしたピット列、ウォブル変調信号などが挙げられる。
前記各情報を複合的に形成してもよい。例えば、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス−サーボエリアを所定の角度間隔で設け、隣り合うアドレス−サーボエリア間の扇形の区間をデータエリアとしてもよい。該アドレス−サーボエリアには、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット(サーボピット)等によってサーボピットパターンを記録することにより形成してもよい。
第二の基板の厚みとしては、0.1〜5mmが好ましく、0.3〜2mmがより好ましい。前記第二の基板の厚みが、0.1mm未満であると、ホログラム記録媒体の機械的強度の保持が困難であり、5mmを超えると、ホログラム記録媒体の重量が大きくなってスピンドルモーターに過剰な負荷をかけるため、好ましくない。
<反射層>
前記第二の基板におけるサーボピットパターンの表面に反射層として反射膜を形成してもよい。前記反射膜の材料としては、情報光や参照光に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金等が好ましい。前記反射膜の形成方法としては、特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、ホログラム記録媒体としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさせないために、特に基板との密着性が大きい条件で作製することが好ましい。このためにはスパッタリング法が好適に用いられる。
反射層の膜厚範囲は10〜500nmが好ましいが、反射率の低下による信号特性の低下を抑えるためには、より好ましくは30〜200nm、特に好ましくは40〜100nmである。
<ギャップ層>
ギャップ層は、前記第二の基板の表面を平坦化する目的で形成される。ギャップ層に用いられる材料としては、ギャップ層上にフィルタ層を積層しても、積層時の熱によってギャップ層が変形することなく、またフィルタ層上に記録材料を積層・硬化させたときの熱や収縮応力でギャップ層が変形しフィルタ層にひび割れ等の欠陥が発生することない耐熱性に優れた材料であることが好ましい。
<フィルタ層>
フィルタ層は、入射角が変化しても選択反射波長にずれが生じることなく、情報光
及び参照光によるホログラム記録媒体の反射膜からの乱反射を防止し、ノイズの発生を防止する機能がある。ホログラム記録媒体に前記フィルタ層を積層することにより、高解像度、回折効率の優れたホログラム記録が得られる。
フィルタ層の機能は、第一の波長の光を透過し、該第一の波長の光と異なる第二の波長の光を反射することが好ましく、前記第一の波長の光が350〜600nmであり、かつ第二の波長の光が600〜900nmであることが好ましい。
前記フィルタ層としては、特に制限はなく、例えば、誘電体蒸着層、単層又は2層以上のコレステリック層、更に必要に応じてその他の層の積層体により形成される。また色材含有層を有していてもよい。
<保護層>
保護層は、フィルタ層と記録層との間に形成される。保護層は、ホログラム記録媒体の記録性能低下防止を目的に使用される。情報光および参照光の集光位置が記録層内に存在するが、保護層がない場合、過剰露光により過剰な光反応が生じ、記録性能が低下する。つまり、保護層を使用することにより、集光位置付近での過剰な光反応を抑制することができ、記録性能を維持することが可能である。
保護層に用いられる材料としては、特に制限はないが、ギャップ層と同様に透明なプラスチックフィルムが好適に用いられる。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂からなるプラスチックフィルムが好ましい。耐熱性、光学的な等方性が求められることから、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂がより好ましい。
保護層の厚みとしては、特に制限はないが、1〜200μmが好ましく、3〜100μmがより好ましい。1μm未満では保護層として効果がほとんどなく、200μmを超えると焦点位置が記録層より遠くなるため、記録性能の低下を招くので好ましくない。
<記録層>
記録層は、二次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせホログラフィを利用して情報が記録される層であり、所定の波長の電磁波(γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など)を照射すると、その強度に応じて吸光係数や屈折率などの光学特性が変化する材料が用いられる。記録層を構成する材料として、一般的にラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤に加え、3次元架橋ポリマーマトリクスを有する構成が好適に用いられる。マトリクスを形成する三次元架橋ポリマーとなる化合物は、エポキシ化合物が用いられる。具体的には、エポキシ化合物としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシオクタン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、およびエポキシプロポキシプロピル末端のポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸アミド、ビニル化合物などが挙げられる。より具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ビシクロペンテニルアクリレート、アクリル酸フェニル、イソボルニルアクリレート、アクリル酸アダマンチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、フェノキシエチルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、メタクリル酸アダマンチル、イソボルニルメタクリレート、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、トリブロモフェニルアクリレート、トリクロロフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、トリクロロフェニルメタクリレート、ビニルベンゾエート、3,5−ジクロロビニルベンゾエート、ビニルナフタレン、ビニルナフトエート、ナフチルメタクリレート、ナフチルアクリレート、N−フェニルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、ビシクロペンテニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールトリメタクリレート、N−ビニルカルバゾールおよびN−ビニルピロリドンが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、有機過酸化物、およびチオキサントン誘導体等が挙げられる。具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンジルメトキシエチルエーテル、2,2’−ジエチルアセトフェノン、2,2’−ジプロピルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−[(p−メトキシフェニル)エチレン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア149、184、369、651、784、819、907、1700、1800、1850など各番号のもの、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシフタレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、デカノイルーパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、およびシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
必要に応じてシアニン、メロシアニン、キサンテン、クマリン、エオシンなどの増感色素、シランカップリング剤、および可塑剤などを加えてもよい。
保護層上に上記の三次元架橋ポリマー、ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤を含む記録層溶液を塗布するにはキャスティングやスピンコート法を採用することができる。樹脂製のスペーサーを介してフィルタ層を含む第二の基板と第一の基板を配置し、その間隙に記録層材料溶液を流し込むこともできる。マトリックスポリマーの三次元架橋は、脂肪族第一アミンでは室温でも進行するが、硬化剤の反応性に応じて30℃〜150℃程度に加熱してもよい。記録層の膜厚は、20μm〜2mmの範囲内であることが好ましい。20μm未満の場合には、十分な記録容量を得ることが困難となり、2mmを越えると記録層の感度および回折効率が低下するおそれがある。より好ましくは、記録層の膜厚は50μm〜1mmの範囲内である。記録層が第一の基板を溶解、侵食する場合には、第一の基板と記録層の間にスパッタリング等の手法により有機または無機系の保護膜を形成してもよい。前記保護膜は、特に制限はなく、例えば、シリコン膜、硫化亜鉛−シリコン膜等を使用してもよい。その場合、保護膜の厚みは10nm〜500nmが好ましい。
<第一の基板>
第一の基板は、記録層上に積層され、光透過性の基板であることが好ましい。その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、第二の基板と同様の形状、材料を用いることができる。
第一の基板の厚みは、特に制限はなく、5〜1200μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。前記支持体厚みが、5μm未満であると、記録層を保護する機能が低下し、1200μmを超えると、第一の基板表面から記録層、サーボピットが形成された層までの距離が遠くなり、記録再生の光の焦点距離が長すぎるため好ましくない。
<ホログラム記録再生方式>
ホログラム記録方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記ホログラム記録媒体に情報光及び参照光を同軸光束として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録するいわゆるコリニア方式によるホログラム記録方法である。
前記再生方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光記録方法により記録層に形成された干渉像に参照光と同じ光を照射して該干渉像に対応した記録情報を再生することができる。
前記光記録方法及び再生方法では、二次元イメージとして情報を付与された情報光と、該情報光と強度がほぼ一定な参照光とを記録層内部で重ね合わせ、それらが形成する干渉パターンを利用して記録層内部に光学特性の分布を生じさせることにより、情報を記録する。一方、書き込んだ情報を再生する際には、記録時と同様の配置で参照光のみを記録層に照射し、記録層内部に形成された光学特性分布に対応した強度分布を有する再生光が得られる。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、本実施例では一連の作業は、記録層が感光しないように、波長600nmより短い光が遮光されている室内で行った。
本発明において、ポリカーボネート樹脂からなる光学フィルムは、複屈折が低く、表面平滑性が良好であることから、この光学フィルムをギャップ層として用いたホログラム記録媒体は、サーボ信号光とホログラム信号光が混合されることなく、良好なエラーレートを示すことから、ホログラム記録媒体としての有効性が明らかである。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。実施例及び比較例において「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度
ポリカーボネート樹脂パウダーを用いてTAインスツルメント社製の熱分析システムDSC−2910を使用して、JIS K7121に従い窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
(2)粘度平均分子量
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂パウダー0.7gを溶解し、その溶液の20℃における極限粘度(η)を測定し、粘度平均分子量を算出した。
(3)フィルムの厚み斑
フィルム全幅の厚み斑は、連続厚み計(アンリツ(株)製フィルムシックネステスター、型式KG601A)を用いて行った。
(4)フィルムの全光線透過率
フィルムの幅方向3箇所からサンプルを採取した。サンプルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁度測定機COH−300Aを用いて測定した。各サンプルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計15点の平均値を全光線透過率とした。なおこの測定はJISK7105に準拠して実施した。
(5)フィルムの異物および表面欠点の測定
ポリカーボネートフィルムを約1平方メートルサンプリング(フィルム1.3m幅×押出し方向長さ約1m)して、測定に供した。
(i)熱劣化物等の塊状異物
サンプリングしたフィルムを塩化メチレンに溶解させて、低濃度(1重量%)のポリカーボネート溶液としこの異物を10μmフィルターで濾別した。このものを顕微鏡観察して最大長が20μm以上の大きさのものを計数した。また、異物の素性(原因物)はFT−IRとEPMAで定性分析して確認した。
(ii)フィルム表面の突起
大きな欠点はフィルム表面を斜め上方から光照射し、その反射光で目視観察して見つけた。この欠点部をキーエンス社製のレーザー顕微鏡を使ってその高さを測定した。また、目視では見つからない小さな欠点はフィルム5cm角をサンプリングし透過顕微鏡観察で欠点を見つけ、この周りに目印をつけて更にレーザー顕微鏡で観察して、欠点の高さ、広がり等を測定した。最大長が10μm以上及び高さが3μm以上のものを計数した。
(iii)打痕
打痕の出現頻度は1平方メートルのフィルムで計数した。打痕は斜方照明目視で最大長が200μm以上のものを計数した。打痕は、小さなものはフィルム面を正面から見た場合、目視では殆ど見つけることができないが、斜方照明目視で容易に見つけることができる。この方法は黒色の平板上に広げたフィルム上斜め方向から光を照射し、その反射光を目視することによって微小な光の反射の不均一部分を見つける方法である。
(6)フィルムの中心線平均表面粗さ(Ra)の測定
中心線平均表面粗さ(Ra)とはJIS−B0601で定義される値であり、(株)小坂研究所の接触式表面粗さ計(サーフコーダー、型式SE−30C)を用いて測定した。Ra測定条件は下記のとおりである。
触針先端半径:2μm、測定圧力:30mg、カットオフ:0.08mm、
測定長:1.0mm。
データは、同一試料について5回繰り返し測定し、その測定値(μm単位による小数点以下4桁目までの値)について、最も大きな値を一つ除き、残り4つのデータにおける平均値の少数点以下5桁目を四捨五入して、小数点以下4桁目までをnm単位で示した。
(7)フィルムの熱寸法変化率
フィルムの幅方向3箇所からサンプルを採取した。測定サンプルの大きさは幅10mm、測定の方向に150mmとした。測定の方向はフィルムの走行方向と走行方向に直角方向の2方向とした。測定の方向に標点間隔を100mmとし、所定温度(140℃)の恒温槽にて無負荷下で2時間処理した後、室温に取り出し冷却した後測定した。寸法の変化は、恒温恒湿下、23℃、65%RHの条件下で、読み取り顕微鏡を用いて実施した。寸法の変化率は熱処理前後の寸法から次のように求めた。
熱寸法変化率={(処理前の寸法)−(処理後の寸法)}/(処理前の寸法)×100%
(8)面内レターデーション値(Re.1)
等方性フィルム(延伸前フィルム)については、幅方向サンプル全幅について複屈折率測定装置(王子計測社製の商品名KOBRA WFD)により10mm間隔でレターデーション値を測定した。測定波長は589.3nmである。このデータより測定サンプル全幅方向におけるレターデーション値の差を求めた。すなわち、フィルム全幅方向のレターデーション値の最大値と最小値との範囲、Re.1=最小値〜最大値で表示し、均一性の尺度(単位:nm)とした。
(9)厚み方向のレターデーション値(Re.2)の測定
上記(8)項の測定と同様に全幅をサンプリングして、フィルムの幅方向に5等分した。5等分したサンプルから測定サンプル小片を切り出し、複屈折率測定装置(王子計測社製の商品名KOBRA WFD)で計測した。フィルムサンプルをその遅相軸または進相軸で回転させて入射角度を変えてレターデーションを測定し、これらのデータから屈折率nx、ny並びにnzを計算した。更にこれらの値から、Re.2=((nx+ny)/2−nz)×d(単位:nm)を計算した。ここで、dは測定フィルムの厚みを表す。
(10)ホログラム記録再生評価
上記ホログラム記録媒体を、パルステック工業製、コリニアホログラム記録再生試験機SHOT−1000を用いて、記録ホログラムの焦点位置における記録スポットの大きさ直径200μmで一連の多重ホログラムを書き込み、ISOM’04、Th−J−06、pp.184−185に記載されている手法により多重数について評価を行った。ここではBER>10−3となる記録ホログラム数を多重数とした。
[実施例1]
<光学フィルム製造工程>
帝人化成(株)製のビスフェノールAのホモポリマーである光学グレードのポリカーボネートペレット(商品名パンライトAD−5503、Tg;147℃、粘度平均分子量;15,000)を減圧乾燥式の棚段乾燥機を用いて、120℃で3時間乾燥した。これを110℃に加熱した溶融押出機の加熱ホッパーに投入して、290℃で溶融押出しした。溶融ポリマーの異物を除去するためのフィルターは平均目開きが10μmのSUSの不織布製のディスク状のものを用いた。濾過後の溶融樹脂を290℃に設定したI−ダイにより、回転する冷却ロール面(表面温度60℃に設定)に押出した。用いた冷却ロールは直径が800mm、ロール面長が1800mmであった。ロールの表面温度が均一になるように冷媒が流れるようにした構造のものを用いた。押出しダイのリップ幅は1500mm、リップ間隙は約2mmであった。ダイリップはその下面に凹凸がない平坦なものを用いた。
押出しダイから流下する樹脂を冷却ロールの頂上部に流下するようにして巻き掛けた。ダイリップ先端部と冷却ロール面との間の距離は25mmとした。フィルムを均一に冷却して引き取るために、フィルム全幅を静電密着法により冷却ロール面に密着させた。静電密着のための電極には太さ約180μmφのSUSのピアノ線を清浄に磨いたものを用いた。このピアノ線に直流電源のプラス電極をつなぎ、冷却ドラム側は接地した。印加電圧は7KVとした。かくして厚みが97μmのフィルムを冷却ロール回転速度10m/分で、テイクオフロールを介して引き取った。
さらに引き続いて、フィルムをロール懸垂型熱処理機に通膜して熱処理した。ロール懸垂型熱処理機内に100mmφのロールを上下交互に配置した。上下ロール間距離を1.6m、ひとつ置いた隣のロールとの距離をロール径と同じ100mmφとした。そして、処理すべきフィルムが、このロール懸垂型熱処理機内のオーブン中にとどまる長さを約50mになるように作成した(滞留時間60秒)。熱処理機内のオーブン中の熱風温度は145℃、オーブン出口でのフィルム張力は3.0Kg/(厚み97μm×フィルム全幅1440mm)であった(断面荷重あたり2.1Kg/平方センチメートルであった)。オーブンを出た後のフィルムを60℃以下まで同様にロール懸垂型処理機で冷却してのち室温に取り出した。熱処理後のフィルムの両端部を70mmずつ切り除いて1300mm幅のフィルムを得た。
<ホログラム記録媒体の製造工程>
得られたフィルムの特性を表2に記載した。次に第二の基板用樹脂としてポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトAD−5503)を用い、光ディスク用射出成形機(住友重機械工業(株)製SD−40E)により、外径120mmφ、内径15mmφ、厚み1.1mmのディスク基板を成形した。尚、射出成形の際に、片面表面にデータ情報が記録されたピットを形成するため、トラックピッチ0.74μm、溝深さ150nm、溝幅300nmのパターンが形成されたスタンパーを使用した。このディスク基板をBlu−ray Disc貼合装置(芝浦メカトロニクス(株)製メビウスF−1)に供給した。メビウスF−1には、このディスク基板以外に、反射膜形成用に(株)コベルコ科研製Ag合金のマグネトロンスパッタ用ターゲット、ギャップ層用フィルムとして、前述の140mm幅に切り出したポリカーボネートフィルム、該フィルムとディスク基板との接着用樹脂として大日本インキ化学工業(株)製EX−8410を供給した。メビウスF−1ではスパッタによってディスク基板にAg合金の反射膜を形成した後、接着用樹脂がスピンコーティングされる。これに、別途供給されているギャップ層用の積層フィルムロールからポリカーボネートフィルムのみが引き出された後に、ディスク状に打ち抜かれ、この打ち抜かれたギャップ層用フィルムが上述の基板に貼合され、紫外線照射されることでギャップ層を形成した。その後、フィルタ層として真空蒸着法によりダイクロイックミラー層を積層した。保護層として帝人化成(株)製パンライトAD−5503にて製膜した厚み100μmのポリカーボネートフィルムをギャップ層と同様の手法にてフィルタ層上に積層した。次に、第一の基板用樹脂としてポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトAD−5503)を用い、光ディスク用射出成形機(住友重機械工業(株)製SD−40E)により、外径120mmφ、内径15mmφ、厚み0.6mmのディスク基板を成形した。尚、射出成形の際に、フォーマットピットパターンのない鏡面スタンパーを使用した。その後、調製したホログラム記録層溶液を、スピンコートにより保護層上に塗布し、その上に第一の基板を貼りあわせた。これを遮光して、80℃で5時間保持することにより、厚さ0.6mmの記録層を有するホログラム記録媒体を作製した。さらに、ホログラム記録媒体の記録再生評価には、パルステック工業製ホログラム評価装置(型式:SHOT−1000)を用いて13×13=169のホログラムを多重記録した。BER>10−3となる記録ホログラム数を多重数とし、表2に記載した。
[実施例2]
粘度平均分子量18,000(Tg;149℃)のポリカーボネートペレットを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、結果を表1、2に記載した。
[比較例1]
粘度平均分子量32,000(Tg;158℃)のポリカーボネートペレットを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、結果を表1、2に記載した。
[比較例2]
熱処理温度が130℃よりも低い温度、且つ低い張力で処理し、レターデーションが大きなフィルムを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、結果を表1、2に記載した。
[比較例3]
押出しダイのダイリップ先端部と冷却ロール面との距離を200mmとし、厚み斑および表面粗さの大きなフィルムを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、結果を表1、2に記載した。
[比較例4]
粘度平均分子量12,000(Tg;138℃)のポリカーボネートペレットを用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。フィルタ層積層時にギャップ層の熱変形によりフィルタ層及びポリカーボネートフィルムにひび割れが生じ、ホログラム記録媒体を得ることができなかった。結果を表1、2に記載した。
[比較例5]
実施例1と同じ粘度平均分子量15,000(Tg=147℃)を用いて、290℃で溶融押出時に溶融ポリマーの異物を除去するためのフィルターを使用せずにペレットを作成した以外は実施例1と同様に操作を行い、結果を表1、2に記載した。得られたポリカーボネートフィルムは表面欠陥の多いものであった。
Figure 2009098347
Figure 2009098347
コリニア方式で使用されるホログラム記録媒体と、その情報光および参照光を示す概略図である。
符号の説明
1 第二の基板
2 反射層
3 ギャップ層
4 フィルタ層
5 保護層
6 記録層
7 第一の基板
8 サーボピットパターン
9 サーボ用光(赤色レーザー)
10 情報光/参照光(緑色または青色レーザー)

Claims (16)

  1. 二次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光を重ね合わせ、ホログラフィを利用して情報を記録する記録層を有し、支持体となる第二の基板、反射層、ギャップ層、フィルタ層、保護層、記録層、光透過性の第一の基板より構成されるホログラム記録媒体において、該ギャップ層が、ポリカーボネート樹脂を溶融押出しして作成した光学用フィルムであって、
    (1)フィルムの厚みが10〜150μm、
    (2)厚み斑が±2μm以下、
    (3)140℃で1hr熱処理後の熱寸法変化率が0.08%以下、
    (4)全光線透過率が89%以上、
    (5)面内レターデーションが1〜15nm、
    (6)厚み方向のレターデーションが100nm以下、
    (7)中心線平均表面粗さが両面共に1〜5nmの範囲であることを特徴とするホログラム記録媒体用ギャップ層。
  2. ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA を少なくとも50モル% 有するジヒドロキシ成分から得られたポリカーボネート樹脂である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  3. ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が13,000〜30,000の範囲である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  4. (1)最大長が10μm以上および高さが3μm以上の表面欠点が10個/平方メートル以下であり、
    (2)最大長が20μm以上の塊状の内部異物が5個/平方メートル以下であり、且つ
    (3)最大長が200μm以上の打痕状の表面欠点が1個/平方メートル以下である請求項1記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  5. 情報光および参照光が、情報光の光軸と参照光の光軸が同軸になるように照射されるホログラム記録方式に用いられる請求項1〜4記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  6. 第二の基板が、サーボ情報を検出するために形成されたサーボピットパターンを有する請求項1〜5記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  7. 第二の基板が、サーボピットパターン上に反射膜を形成されてなる請求項1〜6記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  8. 反射層が金属反射膜である請求項1〜7記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  9. フィルタ層と反射層との間に、ギャップ層を設け、第二の基板表面を平坦化することを特徴とする請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  10. ギャップ層形成工程が、光学用フィルムを貼り付けることにより形成する請求項1〜9記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  11. フィルタ層が、ダイクロイックミラーからなる層、またはコレステリック液晶からなる層であり、波長選択性能を有する請求項1〜10記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  12. フィルタ層が、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有する請求項1〜10記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  13. フィルタ層上に保護層、記録層、光透過性の第一の基板を形成してなる請求項1〜12記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  14. 第一の基板及び第二の基板がポリカーボネート樹脂またはガラスである請求項1〜13記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  15. 情報光と参照光を照射し、干渉による干渉パターンによって情報を記録層に記録する方式であって、記録した干渉パターンの位置情報を、情報光及び参照光とは異なる波長のサーボ用光を照射し、該サーボ用光の焦点距離により検出する方式を利用してなる請求項1〜14記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層。
  16. 請求項1〜15記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体用ギャップ層を有するホログラム記録媒体。
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