JP2008287241A - ホログラム記録媒体用基板およびホログラム記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重記録性能に優れ、且つ記録層の収縮変形を抑制したホログラム記録媒体を提供することにある。
【解決手段】本発明は、光透過性基板1、支持基板2および記録層より構成されるホログラム記録媒体において、光透過性基板1および支持基板2が(A)特殊芳香族エステルおよび(B)ポリカーボネート構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなりポリカーボネート樹脂に対して(C)特定の一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および(D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするホログラム記録媒体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、複屈折が低く、剛性が高いポリカーボネート樹脂組成物より形成されたホログラム記録媒体用基板、および該基板から構成される多重記録性能に優れたホログラム記録媒体に関する。
光を用いて記録再生を行うホログラム記録媒体は、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などに比べ、大容量・高速転送を実現可能な光記録技術の一つである。特に、体積ホログラムを利用する記録方式は、多重記録が可能なため、高密度記録媒体として有望視されている。
2次元イメージとして情報を付与された情報光と参照光が照射されると、体積ホログラム記録媒体の記録層には暗部と明部からなる干渉縞が形成される。光が強く照射された明部では、ラジカル重合性モノマーの光重合反応が進行し、光が弱く照射された暗部から明部に向かってラジカル重合性モノマーが拡散して、濃度勾配が生じる。つまり、体積ホログラム記録媒体では、このラジカル重合性化合物の濃度差に伴う屈折率差を記録情報として保持する。
体積ホログラム記録媒体において、記録層の厚膜化は重要である。一般に、厚いホログラムほど、回折させるための入射光角度条件は厳しくなり、ブラック条件から少しずらすだけで回折光は消失する。この角度選択性を利用して、同一体積内に複数のホログラムを形成し、読み出すことが可能である。つまり、記録層の膜厚を増加させることによって角度選択性が向上させることができれば、多重度が上がり、記録容量を増加させることが可能となる。
この体積ホログラム記録媒体の記録層として、一般的にラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤に加え、3次元架橋ポリマーマトリクスを有する構成が知られている(特許文献1)。3次元架橋ポリマーマトリクスは、ラジカル重合性化合物の過剰な移動を抑制し、記録層において、明部に相当する箇所および暗部に相当する箇所の体積変化を抑制する機能を有している。3次元架橋ポリマーマトリクスの材料としては、エポキシ化合物、カチオン重合性モノマーを由来とした反応硬化物などが挙げられる(特許文献2)。
体積ホログラム記録媒体は、ホログラム記録層、記録層を挟む光透過性の第一層および支持体である第二層から構成され、光透過層および支持層には、ガラス基板が一般的に用いられてきた。但し、量産性、コスト等を考慮に入れると射出成形を含む種々の加工法によって形成されたプラスチック基板を用いることが切望されている。この場合、透明性、機械的特性、寸法安定性が優れているから、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)や非晶性ポリオレフィンが検討されている。
体積ホログラム記録媒体では、情報光の入射光角度を変えて、同じ体積内にホログラムを記録する多重記録を行うことから、その基板材料における入射光の角度依存性が重要となる。通常、PC−Aよりなる光透過層にレーザー光を透過させると基板作成過程である射出成形時に生じた分子配向や残留応力などに起因する複屈折を生じる。更に、PC−Aの場合、複屈折の角度依存性を有しており、入射角度が大きいほど複屈折が大きくなる。つまり、光透過層にレーザー光を透過させて情報を記録および/または再生する体積ホログラム媒体にとって致命的な欠陥といえる。
また、複屈折を低減させた基板材料として、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導されるポリカーボネート樹脂等が知られているが、体積ホログラム記録媒体に適応させた事例はない(例えば、特許文献3、4,5,6,7)。
更に、記録層には前述したラジカル重合性化合物が用いられており、レーザー光照射後の光重合反応により記録層は収縮する。この収縮は記録層の厚膜化するほど大きくなり、ホログラム記録媒体全体が変形する。ホログラムを再生する場合に、記録したホログラムが収縮により位置ずれを生じ、再生できなくなる。特に、支持体である基板材料の剛性の低い材料(例えば、非晶性ポリオレフィン等)を用いた場合は致命的な欠陥となる。また、PC−Aを用いた基板においても不十分である。
このように、体積ホログラム記録媒体に用いられる光透過性基板、支持基板として、低複屈折且つ高剛性材料が求められている。
特開平11−161137号公報 特開2005−107312号公報 特開2006−328106号公報 特開2002−117580号公報 特開2004−062965号公報 特開2001−055436号公報 特開2000−319377号公報
本発明の目的は、低い複屈折および高い剛性を有するポリカーボネート樹脂組成物より形成されたホログラム記録媒体用基板およびホログラム記録媒体を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとして、ホログラム記録媒体用基板およびホログラム記録媒体について鋭意研究を重ねた。
その結果、フルオレンから誘導された構成単位および4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールから誘導された構成単位からなるポリカーボネート樹脂、特定の脂肪酸エステルおよび燐系安定剤を含有する樹脂組成物から形成された基板は、低い複屈折および高い剛性を示し、ホログラム記録媒体に好適であることを見出した。そして、該基板より構成されるホログラム記録媒体は、多重記録性能に優れ、記録時の記録層内で生じる光重合反応における収縮変形を抑制することができることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、2次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、情報を干渉パターンとして記録し、再生時には参照光を照射することによって、干渉縞で光を回折させてイメージ情報を再生するホログラフィーを用いた記録再生方式における、光透過性基板1および支持基板2と、光透過性基板1と支持基板2の間に形成された3次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含む記録層より構成されるホログラム記録媒体において、
光透過性基板1および支持基板2が
(A)下記式[1]
Figure 2008287241
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1〜9の炭化水素基、またはハロゲン原子である。)
および(B)下記式[2]
Figure 2008287241
で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂に対して
(C)下記式[3]
Figure 2008287241
(式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
で表される一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および
(D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするホログラム記録媒体である。
また、本発明は、前記ホログラム記録媒体の光透過性基板1として用いられる基板であって、前記樹脂組成物からなる基板である。
また、本発明は、前記ホログラム記録媒体の支持基板2として用いられる基板であって、前記樹脂組成物からなる基板である。
本発明の基板は、複屈折が低く高い剛性を示す。この基板を用いた本発明のホログラム記録媒体は、多重記録性能に優れ、ホログラム記録時の記録層によって生じる収縮変形を抑制することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<光透過性基板1>
光透過性基板1は、記録層4の表面に積層され、記録層4の表面を保護するとともに記録媒体の機械的強度を保持する。ホログラムの記録再生に使用する情報光および参照光を透過させるため、光学的な歪みの少ないことが好ましい。光透過性基板1の厚みは、50〜1200μmが好ましく、100〜700μmであることが好ましい。基板の厚みが50μm未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。基板の厚みが1200μmを超えると、ディスク表面から記録、ピットが形成された層までの距離が遠くなり、記録再生の光の焦点距離が長すぎて、記録に必要な光強度が低下するため好ましくない。
本発明のホログラム記録媒体において、光透過性基板1は、以下の樹脂組成物よりなる。該樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂、(C)一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル並びに(D)燐系安定剤を含有する。また本発明のホログラム記録媒体において、後述するように支持基板2も光透過性基板1と同じ樹脂組成物よりなる。
(ポリカーボネート樹脂)
ポリカーボネート樹脂は、(A)下記式[1]および
Figure 2008287241
(式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1〜9の炭化水素基、またはハロゲン原子である。)
(B)下記式[2]
Figure 2008287241
で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂である。
通常、記録媒体用基板はポリカーボネート樹脂を射出成形することによって作製される。この際に、ポリカーボネートの分子鎖は強いせん断力の作用により配向することから、固有複屈折の絶対値に起因する無視できない程大きな複屈折(配向複屈折)が発生する。つまり、光ディスク成形時の複屈折は、応力に起因する複屈折のみならず配向に起因する複屈折においても低複屈折性が要求される。従って、従来のように応力に起因する複屈折を低減させるために、ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分の光弾性係数のみに注目しても、十分な複屈折低減効果は得られなかった。
本発明者が複屈折について詳細に検討したところ、配向に起因する複屈折を低減するため、固有複屈折において正負符号の異なる2つ以上の二価フェノール成分が共重合されることにより配向に起因する複屈折を低減させることが可能であることが判明した。即ち、本発明者の検討によれば、上記式[1]で表されるフルオレン環含有二価フェノールから誘導される構成単位と、該二価フェノールと固有複屈折において正負符号が異なる二価フェノールとして上記式[2]で表される二価フェノールから誘導される構成単位とを使用することにより、従来のPC−Aよりも固有複屈折の絶対値を低くすることが可能であることが判明した。更に、上記式[1]で表されるフルオレン環含有二価フェノールを共重合相手とすることにより、高剛性を同時に発現できることも判明した。
式[1]で表される構成単位(A)と、式[2]で表される構成単位(B)から実質的に構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂は、低い複屈折および高い剛性を有する。該ポリカーボネート樹脂から、低い複屈折および高い剛性を示すホログラム記録媒体用基板が得られる。
構成単位(A)の、R、R、RおよびRは、同一もしくは異なり、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基またはフェニル基である化合物が好ましく、水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基が特に好ましい。かかる好ましい構成単位(A)の具体例としては、例えば9,9―ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、および9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン等から誘導された構成単位が挙げられる。その中でも特に、構成単位(A)成分は、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された構成単位であることが好ましい。
構成単位(B)は、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールから誘導された構成単位である。
また、全構成単位における構成単位(A)の割合は30〜80モル%が好ましく、40〜70モル%が最も好ましい。全構成単位における構成単位(B)の割合は70〜20モル%が好ましく、60〜30モル%が最も好ましい。また、それらを成形材料に用いることにより複屈折の極めて低い基板が得られ、その基板はホログラム記録媒体用基板に有用である。構成単位(A)のモル比が30モル%未満の場合、光弾性係数は大きくなり、残留応力によって生じる複屈折が大きくなる。更に、フルオレン含有二価フェノールの含有量が少なくなることで、剛性が低下し、ホログラム記録層の収縮変形に対する抑制効果が小さくなり好ましくない。また、構成単位(A)のモル比が80モル%を超える場合、ガラス転移温度が高くなるため成形性が劣るとともに、配向複屈折の絶対値が大きくなり、配向に起因する複屈折が大きくなる為、ホログラム記録媒体用基板に使用するには不十分である。
ポリカーボネート樹脂は、界面重合法または溶融重合法により製造することができる。界面重合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応において、通常、末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式[9]
Figure 2008287241
(式中、Aは水素原子または炭素原子数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
で表される単官能フェノール類を示すことができる。
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、フェニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、tert−オクチルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族エステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ、これらを用いてポリカーボネート重合体の末端を封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤として機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良され、成形加工が容易になるばかりでなく、基板としての物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また、基板の複屈折が低減される効果もあり好ましく使用される。
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少なくとも5モル%、好ましくは少なくとも10モル%の末端に導入されることが望ましく、更に好ましくは80モル%以上の末端に導入される。また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
溶融重合法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応が代表的であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1,300Pa〜13Pa(10〜0.1Torr)程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ素やアルミニウムの水酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩、亜鉛化合物、ホウ素化合物、ケイ素化合物、ゲルマニウム化合物、有機錫化合物、鉛化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物などの通常エステル化反応やエステル交換反応に使用される触媒があげられる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−6当量の範囲で選ばれる。
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に例えば2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートを加えることが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
さらに溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また重合後の芳香族ポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。失活剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩などのホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどのアンモニウム塩などが好ましく挙げられる。前記以外の反応形式の詳細についても、各種の文献および特許公報などで良く知られている。
(一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル)
本発明に用いられる樹脂組成物は、下記式[3]
Figure 2008287241
(式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
で表される、一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル(C)を含有する。
かかる一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜22の一価または多価アルコールと炭素原子数12〜22の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。
具体的には、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、および2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられる。
なかでもグリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、およびペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく、特に、ステアリン酸モノグリセリド、またはペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。
かかる一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルの含有量は、樹脂組成物中0.01〜1重量%が好ましく、0.015〜0.5重量%がより好ましく、0.02〜0.2重量%がさらに好ましい。含有量がこの範囲内であれば、離型性に優れ、また離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく好ましい。また、かかる一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル中に含まれるナトリウム金属の含有量は1ppm以下が好ましい。1ppmを超えると製造されたディスク基板は色相が悪化し、また樹脂組成物からなる基板の加水分解による白色欠点が増加することにより品質が低下する。
(燐系安定剤)
本発明に用いる樹脂組成物は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択された少なくとも1種の燐系安定剤を含有する。
かかる燐系安定剤の含有量は、樹脂組成物中0.0001〜0.5重量%が好ましく、0.0005〜0.2重量%がより好ましく、0.001〜0.1重量%が特に好ましい。この燐系安定剤を含有することにより、かかる樹脂組成物の熱安定性が向上し、樹脂組成物からなる基板の成形時における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
かかる燐系安定剤としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択される少なくとも1種であり、好ましくは下記一般式
Figure 2008287241
Figure 2008287241
Figure 2008287241
Figure 2008287241
Figure 2008287241
[式中、R〜R20は、それぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどの炭素原子数6〜15のアリール基またはベンジル、フェネチルなどの炭素原子数7〜18のアラルキル基を表し、また1つの化合物中に2つのアルキル基が存在する場合は、その2つのアルキル基は互いに結合して環を形成していてもよい。]
よりなる群から選択された少なくとも1種以上である。
上記式[4]で示される燐系安定剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、などが挙げられる。
上記式[5]で示される燐系安定剤としては、例えば、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。
上記式[6]で示されるリン化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトなどが挙げられる。
上記式[7]で示される化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。
上記式[8]で示される化合物としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
これらの燐系安定剤の中では、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,3’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)3,3’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイトの混合物、リン酸、亜リン酸、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトならびにトリスノニルフェニルホスファイトからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく、特にトリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、またはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが、好ましく使用される。
(酸化防止剤)
本発明に用いる樹脂組成物は、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としては、フェノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は、ポリカーボネート樹脂組成物中0.0001〜0.05重量%である。
(比粘度)
本発明に用いられる樹脂組成物の比粘度は、0.19〜0.53の範囲内にあることが好ましく、0.21〜0.36の範囲内にあることがより好ましい。かかる比粘度を有する樹脂組成物は、ホログラム記録媒体用基板として十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好である。比粘度が0.19より小さい場合、成形後のホログラム記録媒体用基板として強度不足となり好ましくない。比粘度が0.53より大きい場合、成形時の溶融流動性が悪く、光学歪みが生じ、ホログラム記録媒体の記録性能を損なうため、好ましくない。なお、本発明における比粘度とは、樹脂組成物0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における極限粘度を測定し、下記式から算出したものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
ηsp:比粘度
η:極限粘度
c:定数(=0.7)
(ガラス転移温度)
本発明に用いられる樹脂組成物のガラス転移温度は120℃以上であることが望ましく、130℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が120℃未満であると、基板が熱変形を起こしやすくなり、ホログラム記録時の干渉縞の位置がずれてしまい、情報が再生できなくなるため好ましくない。但し、ガラス転移温度が185℃を超えると射出成形等の加工工程において流動性が悪く、成形性が劣るので好ましくない。本発明におけるガラス転移温度とは、示差走査熱量分析装置(DSC)を使用し、JIS K7121に準拠した昇温速度20℃/minで測定し得られるものである。
(光弾性定数)
本発明に用いられる樹脂組成物の光弾性係数は、好ましくは50×10−12/N(50×10−13cm/dyne)以下、より好ましくは45×10−12/N(45×10−13cm/dyne)以下である。かかる範囲内の光弾性係数の値を有することにより、残留応力に起因する複屈折が小さくなり、殊にホログラム記録媒体において有利に利用される。
(配向複屈折率)
本発明に用いられる樹脂組成物は、後述する方法で測定した配向複屈折率の絶対値が1.0×10−3未満であることが特に好ましい。かかる範囲内の配向複屈折率の値を有すると配向に起因する複屈折が小さくなり、殊にホログラム記録媒体において有利に利用される。
(曲げ弾性率)
本発明に用いられる樹脂組成物はASTM D−0790に準拠して測定した曲げ弾性率の値が2,900MPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が2,900MPaより小さい場合、ホログラム記録時の記録層のラジカル重合によって生じる収縮変形を抑制する効果が小さくなり好ましくない。また、曲げ弾性率が3,500MPaより大きい場合、成形時の転写性が悪化し、基板表面の平坦性が劣る為、好ましくない。
(ペレット)
樹脂組成物は、その使用目的がホログラム記録媒体用基板の如き光学用成形品の製造であることを考えると、従来公知の常法(溶液重合法、溶融重合法など)により製造した後、溶液状態において濾過処理を行い未反応成分等の不純物や異物を除去することが好ましい。さらに、射出成形(射出圧縮成形を含む)に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)においても、溶融状態の時に、焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去することが望ましい。該フィルターとしては濾過精度10μm以下のものが好ましく使用される。いずれにしても射出成形(射出圧縮成形を含む)前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
更にかかる低異物のペレットを製造するためには、上記以外にも押出機やペレタイザー等の製造装置を清浄な空気の雰囲気下に設置すること、冷却バス用の冷却水を異物量の少ないものにすること、並びに原料の供給ホッパー、供給流路、および得られたペレットの貯蔵タンク等をより清浄な空気等で満たすことが好ましい。例えば、特開平11−21357号公報に提案されているのと同様な方法をとることが適当である。また押出機内に窒素ガスに代表される不活性ガスを流し込み、酸素を遮蔽する方法も、色相の改善手段として好適に利用できる。
更にかかるペレットの製造においては、光学成形材料用ポリカーボネート樹脂において既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の更なる低減、運送または輸送時に発生する微小粉の更なる低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜行うことができる。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を更に行うことができる。またペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱(楕円柱を含む)である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。楕円柱において長径に対する短径の割合は、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上である。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
(光透過性基板の製造)
樹脂組成物から基板を製造するには、射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しホログラム記録媒体用基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、かつ耐蝕性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。また、ホログラム記録媒体用基板の形状は、種々の加工法を使用することにより、シート状、フィルム状、ディスク状等の2次元的もしくは3次元的形状に適応することが可能である。
射出成形のシリンダー温度は好ましくは300〜450℃、より好ましくは320〜390℃であり、金型温度は好ましくは50〜180℃、より好ましくは100〜150℃であり、これらにより光学的に優れたホログラム記録媒体用基板を得ることができる。
成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
<支持基板2>
支持基板2は、光透過性基板と同じ樹脂組成物からなる。また光透過性基板と同じ方法で成形することが出来る。支持基板2は、光透過性基板1と対向位置に配置され、ホログラムを記録する際の情報光および参照光の照射位置に関する情報が形成される。また、記録媒体の機械的強度を保持する支持体である。支持基板2における光照射位置情報に関する情報としては、例えば、トラッキング、フォーカス、アドレスに関する情報があげられる。例えば、トラッキングに関する情報としては、ウォブルピット、ウォブルグルーブ、トラッキングピット等があげられる。フォーカスに関する情報としては、支持基板2表面に形成した反射膜、フォーカス用ピット等があげられる。アドレスに関する情報としては、ウォブルピット上の凹凸、ウォブル変調信号、エンコードしたピット列等があげられる。
支持基板2の厚みは、50〜2000μmが好ましく、100〜1500μmであることが好ましい。基板の厚みが50μm未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。基板の厚みが1500μmを超えると、ディスク表面から記録、ピットが形成された層までの距離が遠くなり、記録再生の光の焦点距離が長すぎて、記録に必要な光強度が低下するため好ましくない。
<ホログラム記録媒体>
本発明のホログラム記録媒体は、光透過性基板1および支持基板2と、光透過性基板1と支持基板2の間に形成された記録層より構成される。光透過性基板1および支持基板2は前述の通りである。記録層は、光透過性基板1と支持基板2の間に形成され、3次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含む。
マトリクスを形成する三次元架橋ポリマーとなる化合物は、エポキシ化合物が用いられる。具体的には、エポキシ化合物としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシオクタン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、およびエポキシプロポキシプロピル末端のポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸アミド、ビニル化合物などが挙げられる。より具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ビシクロペンテニルアクリレート、アクリル酸フェニル、イソボルニルアクリレート、アクリル酸アダマンチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、フェノキシエチルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、メタクリル酸アダマンチル、イソボルニルメタクリレート、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、トリブロモフェニルアクリレート、トリクロロフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、トリクロロフェニルメタクリレート、ビニルベンゾエート、3,5−ジクロロビニルベンゾエート、ビニルナフタレン、ビニルナフトエート、ナフチルメタクリレート、ナフチルアクリレート、N−フェニルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、ビシクロペンテニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールトリメタクリレート、N−ビニルカルバゾールおよびN−ビニルピロリドンが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、有機過酸化物、およびチオキサントン誘導体等が挙げられる。具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンジルメトキシエチルエーテル、2,2’−ジエチルアセトフェノン、2,2’−ジプロピルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−[(p−メトキシフェニル)エチレン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア149、184、369、651、784、819、907、1700、1800、1850など各番号のもの、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、デカノイルーパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、およびシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
必要に応じてシアニン、メロシアニン、キサンテン、クマリン、エオシンなどの増感色素、シランカップリング剤、および可塑剤などを加えてもよい。
本発明のホログラム記録媒体は、マトリクスを形成する3次元架橋ポリマーに、ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤を加えて、記録層材料溶液を作製する工程と、この記録層材料溶液をポリカーボネート樹脂組成物よりなる基板上に塗布し、硬化させて記録層を形成する工程を含む。
基板に3次元架橋ポリマー、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤を含む記録層溶液を塗布するにはキャスティング法やスピンコート法を採用することができる。樹脂製のスペーサーを介して2枚のガラス基板やプラスチック基板を配置し、その間隙に記録層材料溶液を注入することもできる。マトリックスポリマーの3次元架橋は、脂肪族第一アミンでは室温でも進行するが、反応性に応じて30℃〜150℃程度に加熱してもよい。記録層の膜厚は、20μm〜2mmの範囲内であることが好ましい。20μm未満の場合には、十分な記憶容量を得ることが困難となり、2mmを越えると感度および回折効率が低下する。より好ましくは、記録層の膜厚は50μm〜1mmの範囲内である。記録層が基板を溶解、侵食する可能性のある場合には、基板と記録層の間にスパッタリング等の手法によりシリコン膜、硫化亜鉛−シリコン膜等の保護層を形成してもよい。その場合、保護層の厚みは10nm〜500nmが好ましい。
<ホログラムの記録再生方式>
本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体には、情報光と参照光とを記録層内部で干渉させることによってホログラム記録再生が行なわれる。記録されるホログラムは、透過型および反射型ホログラムの両方を用いることができる。情報光と参照光との干渉方法は、二光束干渉法あるいは同軸干渉法(コリニア、コアキシャル方式)とすることができる。
本発明のホログラム記録媒体において、透過型を用いた場合、例えば、図1に示すように記録が行なわれる。図1は、二光束干渉方式で使用される透過型ホログラム記録媒体と、その情報光および参照光を示す概略図である。図示するようにホログラム記録媒体3は、ガラスあるいはポリカーボネート等のプラスチックからなる一対の透明基板6と、これにサンドイッチされたスペーサー5および記録層4とを備えている。記録層4は、上述したような三次元ポリマーマトリックスと、ラジカル重合性化合物を光ラジカル重合開始剤とを含有する。
本発明のホログラム記録媒体において、反射型を用いた場合、例えば、図2,3に示すように記録が行なわれる。図2,3は、反射型ホログラム報記録媒体と、その近傍における情報光および参照光を示す概略図である。図示するように、ガラスあるいはポリカーボネート等のプラスチックからなる一対の光透過性基板3および支持基板6と、これにサンドイッチされたスペーサー5および記録層4と、基板6に支持された反射層8とを備えている。記録層4は、上述したような三次元ポリマーマトリックスと、ラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤とを含有する。また、記録したホログラムの位置情報を別の波長で記録する場合、ギャップ層7,8にサンドイッチされた波長選択膜8を有する媒体も使用することができる。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、本実施例では一連の作業は、記録層が感光しないように、波長600nmより短い光が遮光されている室内で行った。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。実施例および比較例において「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度
TAインスツルメント社製の熱分析システムDSC−2910を使用して、JIS K7121に従い窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
(2)比粘度
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂組成物ペレット0.7gを溶解し、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
(3)曲げ弾性率
日本製鋼所製射出成形機 J−75E3を用いてシリンダー温度280〜340℃、金型温度80〜100℃にて曲げ試験片を成形した。曲げ試験をISO178に準拠して行った。
(4)光弾性係数
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂組成物ペレット5gを溶解させ、その溶液を平坦なガラス板上にキャストして一晩放置し、キャストフィルムを作成した。該フィルムを60℃、2時間乾燥させた後、長さ50mm、幅20mm、平均厚み150μmのフィルムを作製し、日本分光(株)製エリプソメータM−220に光弾性ステージをセットして測定を行った。測定条件は、フィルムに1N以下の荷重をかけ、そのときの位相差を測定した。測定は5点行い、下記算出式により、光弾性係数を算出した。
Re=F×c×d
Re:位相差[nm]、F:応力[N/m]、c:光弾性定数[m/N]、
d:厚み[nm]
(5)配向複屈折率
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを塩化メチレンに溶解させ、15重量%の塩化メチレン溶液を、平坦なガラス板上にキャストして平均厚み60μm、幅方向の厚さバラツキが1.1μmのフィルムを作製した。本フィルムの端部を切り落として幅10mm、長さ100mmとし、塩化メチレン溶液を除去するため該フィルムを120℃、2時間乾燥させた。得られたフィルムを所定延伸温度(ガラス転移温度+10℃)にて長さ方向に延伸速度15mm/minで一軸延伸を行い、幅7.1mm、平均厚み42μm、長さ200mmの2倍延伸フィルムを得た。該フィルムを偏光板にて観察を行ったところ、均一に延伸されていることを確認した。その後、日本分光(株)製エリプソメータ(型式:M−220)で位相差を測定した。得られた位相差から下記式により配向複屈折率を算出した。
Δn×10―3=Ret/d
Δn;配向複屈折率
Ret;位相差[nm]
d;フィルム厚み[μm]
(6)斜め入射複屈折位相差
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを120℃で5時間乾燥後、射出成形機((株)名機製作所製M35B−D−DM)を使用して、直径120mmφ、厚さ0.6mmの光ディスク基板(パターン無し)を成形した。該基板より半径40mm位置が中心となるように3cm角板を切削した。日本分光製エリプソメーター(型式:M−220)にて波長532nmにおける垂直入射時の位相差と、入射角30°における位相差の変化量を測定した。
ΔRe=Re(30°)−Re(0°)
ΔRe:位相差変化量[nm]、
Re(30°):入射角30°時の位相差[nm]
Re(0°):垂直入射時の位相差[nm]
(7)光線透過率
(6)にて作成した角板を用いて波長532nmにおける透過率を(株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(型式:U−4100)にて測定した。
(8)ホログラム記録層溶液の調製
3次元架橋ポリマーとして、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを用いた。また、光重合性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレートを用いた。該モノマーは室温で液体である。ポリエチレングリコールジアクリレート100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)3重量部を加え混合した。ホログラム記録層溶液の全体量に対して、マトリクス材料の割合が67重量%、光重合性モノマーの割合が33重量%となるように室温にて混合し、ホログラム記録層溶液を調製した。
(9)ホログラム記録媒体の作製
調製したホログラム記録層溶液を、ポリエチレンテレフタレート製シートのスペーサーとして用い、2枚の基板の間に注入した。これを遮光して、50℃で24時間保持することにより、厚さ200μmの記録層を有する透過型ホログラム記録媒体を作製した。
(10)ホログラム記録性能の評価
作製したホログラム記録媒体の評価には、パルステック社製ホログラム評価装置(型式:SHOT−500)を用いた。作成したホログラム記録媒体をサンプルフォルダにセットし、波長532nm、照射強度7mW/cm2のNd:YAGレーザーを記録・再生に使用した。ホログラムの記録条件は、総露光量を500mJ/cmとした。多重記録条件は、参照光を固定し、情報光の入射角を−6°から6°まで1°ずつ変更し、13のホログラムを多重記録した。記録したホログラムの再生には参照光を使用し、0.2°ずつ入射角度を変えて、入射光強度に対する回折光強度の割合を回折効率として測定した。得られた回折効率から下記式よりダイナミックレンジ(M/#:エムナンバー)を算出した。
Figure 2008287241
i:i番目のホログラム(1〜13)、
η:i番目のホログラムの回折効率
(11)ホログラム記録層の収縮率
再生時における回折効率のピーク値を示した参照光の入射角度と記録時における情報光の入射角の差から下記式によりホログラム記録層の収縮率を算出した。
Figure 2008287241
:再生時における回折効率のピーク値を示した参照光の入射角度[°]
:記録時における情報光の入射角度[°]
[実施例1]
温度計、撹拌機および還流冷却器の付いた反応器に、48%水酸化ナトリウム水溶液224.3部およびイオン交換水1118.9部を仕込み、これに9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン117.5部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール172.5部およびハイドロサルファイト0.15部を溶解した後、塩化メチレン858.6部を加え、撹拌下、15〜25℃でホスゲン100.0部を約60分かけて吹き込んだ。ホスゲンの吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液32.0部およびp−tert−ブチルフェノール4.66部を加え、撹拌を再開、乳化後トリエチルアミン0.20部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を目開き0.3μmのフィルターに通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化し、引続き該含液フレークを粉砕・乾燥してパウダーを得た。
その後、該パウダーにトリス(2,4−di−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.0025重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05重量%となるように添加し、均一に混合した後、かかるパウダーをベント式二軸押出機[(株)神戸製鋼所製KTX−46]により脱気しながら溶融混錬し、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットのガラス転移温度、比粘度、曲げ弾性率、光弾性係数、複屈折率を表1に掲載した。
該ペレットから、射出成形機((株)名機製作所製M35B−D−DM)、キャビティ厚1.2mmt、直径120mmの金型、パターン無しの平面スタンパーを用い、シリンダー設定温度360℃、金型温度110℃、充填時間0.2秒、冷却時間15秒、型締力30トンの条件で光ディスク基板を成形した。この基板から中心が半径40mmとなるように3cm角板を切削した。得られた角板を用いて斜め入射複屈折位相差を日本分光製エリプソメーター(型式:M−220)で測定し、結果を表1に記載した。
調製したホログラム記録層溶液を、ポリエチレンテレフタレート製シートのスペーサーを挟持した2枚の角板の間に注入した。これを遮光して、50℃で24時間保持することにより、厚さ200μmの記録層を有する透過型ホログラム記録媒体を作製した。ホログラム記録媒体の評価には、パルステック社製ホログラム評価装置(型式:SHOT−500)を用いて13のホログラムを多重記録した。その後、0.2°ずつ参照光の入射角度を変えて再生を行い、回折効率を測定した。得られた回折効率を用いてダイナミックレンジ(M/#)および収縮率を算出し、表1に記載した。
[実施例2]
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン146.8部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール143.7部とした以外は全て実施例1と同様に操作を行い、表1に記載した特性を有するポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。更に、金型温度を120℃とした以外は実施例1と同様にホログラム記録媒体の作成および評価を行い、結果を表1に記載した。
[実施例3]
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン205.6部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール86.2部とした以外は全て実施例1と同様に操作を行い、表1に記載した特性を有するポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。更に、金型温度を150℃とした以外は実施例1と同様にホログラム記録媒体の作成および評価を行い、結果を表1に記載した。
[比較例1]
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン58.7部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール230.0部とした以外は全て実施例1と同様に操作を行い、表1に記載した特性を有するポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。更に、金型温度を90℃とした以外は実施例1と同様にホログラム記録媒体の作成および評価を行い、結果を表1に記載した。
[比較例2]
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン249.6部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール43.1部とした以外は全て実施例1と同様に操作を行い、表1に記載した特性を有するポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。更に、シリンダー温度を400℃、金型温度を成形機設定最大温度の150℃としたが流動性が悪く、良好な基板は得られなかった。その為、ホログラム媒体の作成および評価はできなかった。
[比較例3]
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットに帝人化成製パンライトAD−5503を用い、金型温度を110℃とした以外は実施例1と同様にホログラム記録媒体の作成および評価を行い、結果を表1に記載した。
[比較例4]
ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの代わりに非晶性ポリオレフィンペレット(日本ゼオン製ゼオネックス480R)を用い、金型温度を103℃とした以外は実施例1と同様にホログラム記録媒体の作成および評価を行い、結果を表1に記載した。
Figure 2008287241
※1 Bisphenol−CF
:9,9’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルシフェニル)フルオレン
※2 Bisphenol−M
:4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール
本発明の基板はホログラム記録媒体に用いることができる。
二光束干渉方式で使用される透過型ホログラム記録媒体と、その情報光および参照光を示す概略図である。 反射型ホログラム報記録媒体と、その近傍における情報光および参照光を示す概略図の一例である。 反射型ホログラム報記録媒体と、その近傍における情報光および参照光を示す概略図の一例である。
符号の説明
1 情報光
2 参照光
3 光透過性基板1
4 記録層
5 スペーサー
6 支持基板2
7 ギャップ層
8 反射膜
9 波長選択膜

Claims (10)

  1. 2次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、情報を干渉パターンとして記録し、再生時には参照光を照射することによって、干渉縞で光を回折させてイメージ情報を再生するホログラフィーを用いた記録再生方式における、光透過性基板1および支持基板2と、光透過性基板1と支持基板2の間に形成された3次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含む記録層より構成されるホログラム記録媒体において、
    光透過性基板1および支持基板2が
    (A)下記式[1]
    Figure 2008287241
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1〜9の炭化水素基、またはハロゲン原子である。)
    および(B)下記式[2]
    Figure 2008287241
    で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂に対して
    (C)下記式[3]
    Figure 2008287241
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    で表される一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および
    (D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
    を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 樹脂組成物が(A)下記式[1]
    Figure 2008287241
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、または炭素原子数1〜3のアルキル基である。)
    および(B)下記式[2]
    Figure 2008287241
    で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂に対して
    (C)下記式[3]
    Figure 2008287241
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    で表される一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および
    (D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
    を含有する請求項1記載のホログラム記録媒体。
  3. ポリカーボネート樹脂の全構成単位における式[1]で表される構成単位[A]の割合が、40〜70モル%である請求項1または2に記載のホログラム記録媒体。
  4. 式[1]が、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された構成単位である請求項1〜3記載のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  5. 一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル(C)が、グリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、およびペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  6. 一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル(C)が、ステアリン酸モノグリセリド、またはペンタエリスリトールテトラステアレートである請求項1〜5のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  7. 燐系安定剤(D)が、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,3’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)3,3’−ビフェニレン−ジ−フォスホナイトの混合物、リン酸、亜リン酸、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトならびにトリスノニルフェニルホスファイトからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜6のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  8. 燐系安定剤(D)が、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  9. 2次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、情報を干渉パターンとして記録し、再生時には参照光を照射することによって、干渉縞で光を回折させてイメージ情報を再生するホログラフィーを用いた記録再生方式における、光透過性基板1および支持基板2と、光透過性基板1と支持基板2の間に形成された3次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含む記録層より構成されるホログラム記録媒体に使用される光透過性基板1であって、
    (A)下記式[1]
    Figure 2008287241
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1〜9の炭化水素基、またはハロゲン原子である。)
    および(B)下記式[2]
    Figure 2008287241
    で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂に対して
    (C)下記式[3]
    Figure 2008287241
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    で表される一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および
    (D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
    を含有する樹脂組成物からなる光透過性基板。
  10. 2次元イメージとして情報を付与された情報光と、情報光と干渉可能な参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、情報を干渉パターンとして記録し、再生時には参照光を照射することによって、干渉縞で光を回折させてイメージ情報を再生するホログラフィーを用いた記録再生方式における、光透過性基板1および支持基板2と、光透過性基板1と支持基板2の間に形成された3次元架橋ポリマーマトリックス、ラジカル重合性化合物および光ラジカル重合開始剤を含む記録層より構成されるホログラム記録媒体に使用される支持基板1であって、
    (A)下記式[1]
    Figure 2008287241
    (式中、R〜Rは夫々独立して水素原子、芳香族基を含んでもよい炭素原子数1〜9の炭化水素基、またはハロゲン原子である。)
    および(B)下記式[2]
    Figure 2008287241
    で表される構成単位から構成され、全構成単位における構成単位(A)の割合が30〜80モル%からなるポリカーボネート樹脂に対して
    (C)下記式[3]
    Figure 2008287241
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    で表される一価および/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜1重量%、および
    (D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
    を含有する樹脂組成物からなる支持基板。
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