JP4435753B2 - 光ディスク基板 - Google Patents

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本発明は、光ディスク基板用成形材料及び該材料から成形された光ディスク基板、及びそれより形成された光ディスクに関する。更に、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスクにおいて、該支持基板がポリカーボネート樹脂及びポリカプロラクトンからなる熱可塑性樹脂組成物よりなり、かつ該樹脂が低吸水率を示すことを特徴とし、該支持基板よりなる上記構成の光ディスクにおいて、環境変化による反り変化が少ないことを特徴とする支持基板用の光ディスク基板に関する。特に本発明は、記録容量の極めて大きな高密度光ディスクにおける支持基板用の光ディスク基板に関する。
光ディスクの記録密度は、CDの0.6GBからDVDの4.7GB、そしてBD及びHD−DVDの15〜25GBと向上の一途を辿っている。例えば、再生専用のDVD−ROMをはじめ、記録再生可能なDVD−R、DVD−RW、DVD−RAMにおいても4.7GBの容量が実現されている。また、デジタルハイビジョン放送に対応した記録媒体であるBlu−ray Disc(以下BD)、HD−DVDにおいても15〜25GBを実現している。
従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)は透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れているが故にエンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されてきた。さらに近年その透明性を生かして光ディスク、光ファイバー、レンズ等の分野への光学用材料としての利用が展開されており、特に光ディスクの分野で情報記録媒体用基板の素材として広く使用されている。
しかしながら、光ディスク基板において、環境変化(例えば吸湿や脱湿過程)による変形が小さい事が重要な課題とされてきた。特に、BDにおいては、CDやDVDとほぼ同じ大きさの光ディスクで大容量を実現するために、光透過性のカバー層の厚さを0.1mm程度まで薄くし、NAを0.85程度、レーザ波長を400nm程度に設定している。光透過性のカバー層を薄くするのは、記録・再生側基板の厚みが薄い方が、ディスクの反り角(以下チルト)の許容値を大きくできるからであり、NAを0.85程度、レーザの波長を400nm程度とした場合、光透過性のカバー層を約0.1mmとすることで、チルトの許容値をDVDと同程度にできるとされている。しかしながら、DVDとの互換を維持するために光ディスクの厚みを1.2mmにすることで、0.1mmの光透過性のカバー層と1.1mmの支持基板に信号記録層が挟まれるという、非対称な光ディスク構成となる。ディスク構成が非対称であることから、環境変化、特に吸湿、脱湿過程における吸湿量の差及び脱湿速度差(もしくは材料が異なることによる吸水膨張率の差)が大きくなってしまい、大きなチルト変化が生じ、記録・再生の特性に大きな影響を与えてしまう。例えば、レーザーの短波長化及びピックアップレンズが高NA化される為、微小な基板の反りでもコマ収差が大きくなり、フォーカスエラーやトラッキングエラーを引き起こすからである。また、高NA化によってピックアップレンズと基板との距離が接近する為、レンズと基板の接触を回避する為にも、基板の反り及び環境変化による反り変化は小さい事が重要となる。特に、自動車運転中は室内温度が高く、湿度も低いため、急激な変化が起こりやすく、ディスク変形により信号が読み出せない等のフォーカスエラーが起こりやすい。
このような環境変化に対する反りについては、吸水変形を抑える為に、“基板と、この基板に配置されて情報信号を記録する為の記録層とその記録層に積層される透明保護層を有し、透明保護層側から光を入射する事で情報信号の記録/再生を行うディスク状の情報記録媒体であり、この基板は、樹脂製のコア層と、コア層に一体となっており、一方の面に記録層側の情報信号の凹凸が存在し、コア層に比べて流動性を有する樹脂製の表層とから構成されている事を特徴とする情報記録媒体”であって基板表層の吸水率を0.3%以下の樹脂を用いる基板が提案されており、ニ色成形、サンドイッチ成形による複雑な基板構成で問題を解決する方向が示されている。(例えば特許文献1参照)また、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスクにおいて、支持基板の主面に吸湿防止膜を形成することで吸湿量を抑える方法が提案されている。(例えば特許文献2参照)その際に、吸湿防止膜を島状に形成する、もしくは、ドーナツ状に形成し、その内径の大きさを最適化することにより、記録・再生側基板と基材の吸湿による膨張をバランスさせられる。これにより、吸湿によるチルト変化を抑制することができることが言われているが、吸湿防止膜の製膜の為に製造工程を増やすことになる。また、支持基板に用いられる熱可塑性樹脂に飽和吸水率の低い材料を用いることで環境変化による反り変化を抑えることが提案されている。特に、ポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンとのアロイを光ディスクの基板材料に用いることが提案されている。(例えば特許文献3,4,5,6,7)特許文献3においては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して1)ビフェニル・ターフェニル化合物を0.1〜40重量部、2)数平均分子量2,000〜100,000のポリカプロラクトンを0〜20重量部添加することにより基板材料の剛性を向上させ且つ飽和吸水率を低下させることにより基板の成形時の反りを抑制する手法が提案されている。該材料においては低分子化号物を添加することにより耐熱性が大きく低下することで環境変化、特に自動車室内のような高温状態において反り変化が大きくなる。また、特許文献4においては、ポリカーボネート樹脂80〜98重量部及びポリカプロラクトン20〜2重量部からなる熱可塑性樹脂に対してスチレン系重合物50〜5重量部を混合してなる光ディスク基板用樹脂が提案されている。但し、本提案はスチレン系重合物を添加することにより光ディスクの複屈折低減することが目的である。更に、スチレン系樹脂を添加することにより耐熱性が低下することで環境変化、特に自動車室内のような高温状態において反り変化が大きくなる。また、特許文献5においては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して数平均分子量10,000〜50,000のポリカプロラクトンを200〜10,000ppm配合されている光ディスク基板用樹脂を2枚貼り合せることが提案されている。ディスク構成が対称であることから、環境変化、特に吸湿、脱湿過程における吸湿量の差及び脱湿速度差(もしくは材料が異なることによる吸水膨張率の差)が等価となりチルト変化が抑えられるが、非対称構成の光ディスクについては言及されていない。更に、実施例で用いられている配合量では吸水率の低下が起きないことから、非対称構成の光ディスクにおいて環境変化による反り変化の改善は期待できない。また、特許文献6においては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して数平均分子量5,000〜10,000のポリカプロラクトンを0.1〜50重量部配合してなる樹脂組成物が提案されている。該材料においては金属との密着性を改善することにより離型性の改善を目的として検討されており、環境変化の反り変化については検討されていない。更に、特許文献7においては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対してA)スルホン酸ホスホニウム塩0.1〜20重量部、B)亜燐酸エステル0.1〜1重量部、硫黄含有エステル0.01〜3重量部、C)カプロラクトン系重合体0.1〜10重量部からなる樹脂組成物が提案されている。該材料においては熱安定剤を添加することで滞留安定性の改善及びポリカプロラクトン添加による着色防止を目的に検討されているが、光ディスクに適応した場合、成形時に帯電防止剤であるスルホン酸ホスホニウム塩が金型に付着し、成形品に外観不良をもたらし収率が低下する。
以上のように、いずれも具体的に示されている手法は、環境による反り変化が小さい光ディスクとして良好な特性を示すが、必ずしも十分とはいえない。また、ポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンとのアロイ材料を光ディスク基板材料に用いることにより種々の検討は行われているが、環境変化による反り変化を抑制する検討は行われておらず、新しい概念であるといえる。
特開2000−11449号公報 特開2003−173571号公報 特開2000−195099号公報 特開昭63−90555号公報 特開平9−332781号公報 特開平7−102166号公報 特開平9−194711号公報
本発明は上記課題を解決し、低吸水性を有する熱可塑性樹脂からなる光ディスク成形用材料及び該材料より形成された環境変化による変形の少ない光ディスクを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成せんとして、光ディスク基板材料について鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンからなり、かつ飽和吸水率が0.3%以下の光ディスク基板用成形材料用いて形成された光ディスク基板及び光ディスクは吸湿及び脱湿過程による反り変化が小さいことを見出し、本発明に到達した。
以下、本発明を詳細に説明する。
支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける支持基板であって、該支持基板が、繰り返し単位として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された繰り返し単位あるいは4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂100重量部に対してポリカプロラクトンを1〜5重量部配合してなり、かつ23℃、水中浸漬によって測定された飽和吸水率が0.3%以下の熱可塑性樹脂を用いて形成された支持基板であり、かつ該光ディスクを温度30℃、湿度95%の湿熱環境で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%の常湿状態に戻した場合の光ディスクの反り角変化が0.75度以内であることを特徴とする支持基板用の光ディスク基板である。
本発明によれば、ポリカプロラクトンの含有量は、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、1〜5重量部である。その場合、飽和吸水率及び溶融流動性が良好な熱可塑性樹脂及びそれより形成される光ディスク基板及び光ディスクが提供される。ポリカプロラクトンの割合が重量部より小さい場合、飽和吸水率の低下がほとんど起こらず、重量部より大きい場合はガラス転移温度が低下し、耐熱性が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導される繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂、若しくは4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンより誘導される繰り返し単位であり、その構成比が10:90〜90:10の範囲(モル比)であるポリカーボネート樹脂であることが好ましい。更にその構成比が30:70〜70:30の範囲(モル比)であるポリカーボネート樹脂であることがより好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリカプロラクトンは、数平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、7,000〜50,000であることが更に好ましく、9,000〜30,000であることが最も好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、そのガラス転移温度が好ましくは110℃〜180℃、より好ましくは120℃〜170℃、更に好ましくは130℃〜160℃である。ガラス転移温度が110℃よりも低くなると、自動車内環境において耐熱性が不足し、熱変形が生じるため好ましくない。また、ガラス転移温度が180℃より高くなると、溶融流動性が悪く成形不良を生じ、金型に対する精密転写性が劣るようになるので好ましくない。
ガラス転移温度の測定は、JIS K7121に規定されている示差走査熱量測定(DSC)に従い、DSC−2910(TAインストルメント製、商品名:DSC2910)を用いて実施した。測定条件は、加熱速度 20℃/min、窒素流量 40ml/min、測定温度 20℃〜250℃である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、MVRの値が5cm/10分以上が好ましく、20cm/10分以上がより好ましく、30cm/10分以上がさらに好ましい。そして、70cm/10分以上が最も好ましい。かかるMVRの値の上限は、好ましくは100cm/10分、より好ましくは90cm/10分である。
尚、この範囲を超えると、光ディスク基板の成形においての転写率に影響が生じる。すなわち、転写率が低下し、光ディスク基板の成形性を損ねることになる。そして、フォーカスエラーやトラッキングエラーなどを起こし易くなるので好ましくない。
このメルトボリュームレート(MVR)は、ISO1133に規定された長さと直径のオリフィス(ダイ)を有するセミオートメルトインデクサー(東洋精機製、商品名:L251)を用いて測定した。測定条件は、試験温度300℃、試験荷重11.77N(1.2kgf)で、一定の区間を通過するサンプルの時間を測定し、単位時間当たりの流れ量(容量)を算出し、単位はcm/10分で示した。
本発明で提供される熱可塑性樹脂は、23℃、水中浸漬して測定された飽和吸水率が0.3%以下であり、0.25%以下であることがより好ましい。飽和吸水率が0.3%を超えると、吸湿および脱湿過程において光ディスクの反り変化が生じやすくなり、フォーカスエラーやトラッキングエラーなどを起こし易くなるので好ましくない。
この飽和吸水率は、吸水率をASTM D570に規定された23℃、水中浸漬による重量変化率にて測定した。すなわち、この測定試料は、直径45mm、厚み30mmの円形金型で成形(真空プレス成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFV−10)、金型温度300℃、一次圧力0.5MPa、保持時間1.5分で溶融後、二次圧力1.5MPa、保持時間5分で圧縮)した。これを120℃、4時間以上乾燥させて重量を秤量し初期重量(W)とした。そして23℃、水中浸漬し、24時間毎に水中から取り出し、水分を除去後に重量を秤量し、次式で吸水率を算出した。吸水率={(24時間毎の測定重量)−W}/W×100 (%)
光ディスクの吸湿及び脱湿過程における反り変化は、ディスクを温度30℃、湿度90%RHの環境下で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%RHの環境下に移した時に生じる中心から58mm部のチルト変化の最大値と定常に達したときの値の差(△チルト)を比較したものである。このときの△チルトは0.75度以内、更に好ましくは0.5度以下である。
この測定法は次の通りである。直径120mm、厚さ1.1mmの光ディスク基板の信号面側に反射膜をスパッタ蒸着させ、その上にスピンコーターにより塗膜の厚み100μmの紫外線硬化型樹脂を調整後、紫外線照射して形成した保護膜を有する光ディスクを互いに接触しないようスペーサーを挟み、温度23℃、湿度50%RH環境に2日間以上放置後、12hr置きに定時的に測定し、ラジアルチルトの前後の変化率が5%以下となる時点でジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uによりラジアルチルトの評価を行い、初期ラジアルチルトとした(光ディスク基板の中心から58mm部を測定)。次に、この初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した。その後、光ディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、経時的(30分毎)に光ディスクのラジアルチルトを前記装置により測定した。得られた測定値の最大値を示した値をラジアルチルトの最大値とした。測定したラジアルチルトの最大値と初期ラジアルチルトとの差を△ラジアルチルトとした。
本発明の熱可塑性樹脂を調製する時には、任意の方法が採用される。例えばポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンとを混合溶液とした後、溶媒を留去する方法、溶媒留去に次いでベント式押出機等で溶融ペレット化する方法、または、ポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンをスーパーミキサー、タンブラー、ナウターミキサー等で混合し、二軸ルーダー等でペレット化する方法等が用いられる。また、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、光安定剤、着色材、滑り材、離型剤等の添加剤を加える事もできる。さらに射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去することが好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
支持基板を形成する熱可塑性樹脂組成物には必要に応じて、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物を配合することができる。かかるリン化合物の配合量は、前記熱可塑性樹脂組成物中0.0001〜0.05重量%が好ましく、0.0005〜0.02重量%がより好ましく、0.001〜0.01重量%が特に好ましい。このリン化合物を配合することにより、かかる前記熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が向上し、成形時における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
かかるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択される少なくとも1種のリン化合物であり、好ましくは下記一般式
Figure 0004435753
Figure 0004435753
Figure 0004435753
Figure 0004435753
Figure 0004435753
[式中、R〜R22は、それぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどの炭素原子数6〜15のアリール基またはベンジル、フェネチルなどの炭素原子数7〜18のアラルキル基を表し、また1つの化合物中に2つのアルキル基が存在する場合は、その2つのアルキル基は互いに結合して環を形成していてもよい。]
よりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物である。
上記式[5]で示されるリン化合物としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、などが挙げられる。
上記式[6]で示されるリン化合物としては、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。上記式[7]で示されるリン化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトなどが挙げられる。また上記式[8]で示される化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。上記式[9]で示される化合物としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
これらのリン化合物のなかで、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが好ましく使用される。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じてナトリウム金属1ppm以下の一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを加えることもできる。
かかるナトリウム金属1ppm以下の高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。また、かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられる。なかでもステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステルの配合量は、熱可塑性樹脂組成物中0.01〜2重量%が好ましく、0.015〜0.5重量%がより好ましく、0.02〜0.2重量%がさらに好ましい。配合量がこの範囲内であれば離型性に優れ、また離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく好ましい。また、ナトリウム金属含有量が1ppmを超えると製造されたディスク基板は色相が悪化し、またPCの加水分解による白色欠点が増加することにより品質が低下する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は熱可塑性樹脂組成物中、0.0001〜0.05重量%である。
上記熱可塑性樹脂組成物より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、かつ耐蝕性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としてはシリンダー温度が好ましくは260〜450℃、より好ましくは280〜380℃、並びに金型温度が好ましくは50〜180℃、より好ましくは70〜135℃であり、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。
成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
本発明の光ディスク基板は、片面に反射層及び/または記録層を形成する必要がある。上記の記録層、反射層の無機薄膜の製造法としては、公知の真空蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光ディスク媒体としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさせないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作製することが好ましい。このためにはスパッタリング法が好ましい。
また、上記反射層及び/または記録層上に光透過性のカバー層を形成する。光透過性のカバー層を形成する方法として紫外線硬化樹脂を基板上に滴下し、スピンコート法によって基板を所定の回転数で回転させながら紫外線硬化樹脂を基板全体に塗布し、その後、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させる方法を用いる。その際に、スピンコート法では内周から外周までの厚みを均一に作製することが困難であり、内周部が薄くなり、外周部が極端に厚くなるといった傾向がある。それを防ぐ為に、紫外線硬化樹脂塗布後に、塗布回転数よりも高速回転をさせながら紫外線を照射し硬化させることで均一な光透過層を作製する方法等が挙げられる。さらにこの光透過性のカバー層はコマ収差をかなり小さく抑えるために、3〜200μmの厚さに制限される。用いられる紫外線硬化樹脂としては、ラジカル重合反応により硬化される(メタ)アクリレート系材料を使用した紫外線硬化型樹脂やエポキシやビニルエーテル、オキセタン等の材料を使用したカチオン硬化系材料等が用いられる。
本発明の光ディスク基板は、支持基板、該基板上に形成された反射層、及びスピンコート法によって該反射層上に紫外線硬化性樹脂を塗布後、硬化させてなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスク、例えばBlu−ray Disc(BD)やホログラムディスクに代表される高密度光ディスク用基板としても好適に使用される。特に、Blu―ray Disc(記録型)の場合、1.1mm厚の基板上に光反射層、記録膜及び記録膜保護膜よりなる記録層、並びに光透過性のカバー層を形成する事により作成される。なお、これらの層は複数形成されてもよい。
記録膜は追記型光ディスクの場合、基板上に、レーザー光の照射によって不可逆的な光学特性が変化したり凹凸形状が形成される記録膜であり、例えばレーザー光の照射による加熱で分解して、その光学定数が変化すると共に、体積変化によって基板の変形を生じさせるシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が用いられる。
書き換え可能型光ディスクの場合、記録膜はレーザ光の照射によって生じた物質の非晶質状態と結晶状態の間の可逆的な相構造変化が起こる材料(相変化記録型)、もしくは膜面に垂直な方向に磁化容易方向を有し、任意の反転磁区を作ることにより情報の記録、再生、消去が可能な磁気光学効果を有する磁性薄膜(光磁気記録型)である。相変化記録型の記録膜としては、例えば、カルコゲナイド系材料であるGeSbTe系、InSbTe系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn系、FeTe系、SbSeBi系、BiSeGe系等が用いられているが、GeSbTe系よりなる膜は繰り返し記録・消去時における安定動作が良好で好ましい。光磁気記録型の記録膜としては、例えば、TbFe、TbFeCo、GdTbFe、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土類元素と遷移金属元素との非晶質合金薄膜、交換結合を利用したそれらの二層膜、Co/Pt、Co/Pd等の人工格子多層膜、CoPt系合金等を用いることができる。
また記録膜を狭持する記録膜保護膜としては誘電体材料を用いることが好ましい。これにより、媒体としての結晶相と非晶質相の反射率差、および磁気光学効果を高めることができる。さらにこの場合には、誘電体材料は屈折率nが高い材料、すなわちn≧1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8である材料であることが好ましい。例えば、SiO系、SiON系、Ta、TiO、Al、Y、CeO、La、In、GeO、GeO、PbO、SnO、SnO、Bi、TeOWO、WO、Sc、ZrO等の酸化物、TaN、AlN、SiN系、AlSiN系等の窒化物、ZnS、Sb、CdS、In、Ga、GeS、SnS、PbS、Bi等の硫化物、またはこれらの混合材料やこれらの積層体などを保護膜として用いることが好ましい。
光反射層としては、評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録層よりも反射率の高い材料であることが特性向上のために好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5、かつk≧3.5であるような材料を選択することが好ましい。さらに好ましくはn≦2.5かつ4.5≦k≦8.5であり、この条件で作製した媒体では、再生信号特性のより一層の向上が実現できる。
一方レーザ光による加熱で信号を記録する際、光反射層の熱伝導率が高すぎると、熱拡散が大きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多用されているパワーが15mW以下の半導体レーザで信号の記録を可能とするためには、光反射層に用いる材料の熱伝導率は100[W/(m・K)]以下であることが好ましく、さらには80[W/(m・K)]以下であることがより好ましい。
このような条件を満足する材料として、AlもしくはAgにAu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir等の1種類以上の元素を添加した合金が挙げられる。なお、これら合金において添加元素の添加量が、0.5原子%より少ないと前述の熱伝導低下の効果は小さく、逆に20原子%より多いと前述の光反射率の低下が大きく再生信号特性の面で不利である。従って添加元素の含有量は0.5〜20原子%の範囲におさめることが好ましい。また、特に金属反射膜自身の耐久性を高めるという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Hf、Ta、Cr、Reが好ましい。これらの反射層の膜厚範囲は10〜500nmであるが、反射率の低下による再生信号特性の低下を抑え、かつレーザパワーが15mWで記録可能とするためには、好ましくは30〜200nm、特に好ましくは40〜100nmである。
なお、再生専用光ディスク媒体の場合は、上述した光反射層のみを基板上に形成する事になるが、材料としては同じものを使用することが出来る。
本発明の特定のポリカーボネート樹脂及びポリカプロラクトンからなる熱可塑性樹脂組成物は、低吸水性及び成形性に優れていることから、環境変化における反り変化が小さい光ディスク基板、殊に高密度光ディスク用の光ディスク基板として好適に用いられ、その奏する工業的効果は格別である。そして特に、この光ディスク基板を用いた光ディスクの環境変化後の信号特性(ジッタ値)の結果は大変良好であり、光ディスクとして有効であることが明らかである。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。実施例及び比較例において「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度
ガラス転移温度の測定は、JIS K7121に規定されている示差走査熱量測定(DSC)に従い、DSC−2910(TAインストルメント製、商品名:DSC2910)を用いて実施した。測定条件は、加熱速度 20℃/min、窒素流量 40ml/min、測定温度 20℃〜250℃である。また、測定サンプルは、測定試料を4〜8mg秤量し、アルミニウム製サンプルパンに入れ、サンプルカバーをし、プレスフォーミングツールで押さえ密封した。ガラス転移温度は得られたDSC曲線(縦軸:熱量(W/g)、横軸:温度(℃))から、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度とした。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
(2)流動性(MVR)
メルトボリュームレート(MVR)を、ISO1133に規定された長さと直径のオリフィス(ダイ)を有するセミオートメルトインデクサー(東洋精機製、商品名:L251)を用いて実施した。測定条件は試験温度 300℃、試験荷重 11.77N(1.2kgf)である。測定サンプルはポリカーボネート樹脂を押出機にて溶融混練し、ペレット化した試料を用いた。上記装置にて、一定の区間を通過するサンプルの時間を測定し、単位時間当たりの流れ量(容量)を算出し、単位はcm/10分で示した。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
(3)飽和吸水率
吸水率をASTM D570に規定された23℃、水中浸漬による重量変化率にて測定した。測定試料は、真空プレス成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFV−10)を使用し、直径45mm、厚み30mmの円形金型に、ポリカーボネート樹脂を押出機にて溶融混練したペレット5〜7gを入れ、金型温度300℃、一次圧力0.5MPa、保持時間1.5分で溶融後、二次圧力1.5MPa、保持時間5分で圧縮し、室温まで冷却し金型より取り出した成形品を使用した。120℃、4時間以上乾燥させた成形品を秤量し、初期重量(W)とし、該成形品を23℃、水中浸漬し、24時間毎に成形品を水中から取り出し、圧空を使用して表面に付着した水分を除去した後に重量を秤量し、下式で吸水率を算出した。また、24時間毎に下式で算出された吸水率の経時変化が5%未満となった値を飽和吸水率とした。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
吸水率={(24時間毎の測定重量)−W}/W×100 (%)
(4)初期ラジアルチルト
光ディスクが互いに接触しないようスペーサーを挟み、温度23℃、湿度50%RH環境に2日間以上放置後12hr毎に定時的に測定し、ラジアルチルトの前後の変化率が5%以下となる時点でジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uによりラジアルチルトの評価を行い、初期ラジアルチルトとした。
(5)ラジアルチルト変化量の最大値(△ラジアルチルト)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した。その後、光ディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、経時的(30分毎)に光ディスクのラジアルチルトをジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uにより測定した。測定したラジアルチルトの最大値と初期ラジアルチルトとの差(△ラジアルチルト)を評価した。
(6)初期信号特性(初期ジッタ)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクをパルステック工業製ODU-1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%以下を○、6.5〜8.0%以下を△、8.0%を超えた値を示した場合を×とした。
(7)環境試験後の信号特性(環境変化後のジッタ)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した。その後、光ディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、経時的(30分毎)に光ディスクのラジアルチルトをジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uにより測定した。測定したラジアルチルトの最大値となったディスクを用いてパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%以下を○、6.5〜8.0%以下を△、8.0%を超えた値を示した場合を×とした。
(8)転写性
基板にスタンパーから転写した溝の深さを、原子間力顕微鏡(セイコー電子工業製SPI3800N)を用いて、半径40mmの位置にて転写溝の深さを測定した。転写性は、次式で示される転写率を指標とし、転写率80%以上〜100%を○、50%以上80%未満を△、50%未満を×とした。
転写率(%)=100×ディスクの溝深さ/スタンパーの溝深さ
[実施例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより得られたポリカーボネート樹脂(帝人化成製、パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製 ポリカプロラクトンH1P))を100g添加し、ドライブレンドして均一に混合した。続いてかかる組成物をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度260℃で脱気しながら溶融混錬を行い、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。
次に、該ペレットを所定の乾燥温度(=ガラス転移温度−20℃)で5時間乾燥後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SD−40E]にスタンパーを装着して、表1記載のシリンダ温度および金型温度で直径120mmφ、厚さ1.1mmの光ディスク基板を射出成形した。得られた光ディスク基板の信号面側に高周波マグネトロンスパッタ装置(アネルバ製ILC3102型)により、Ndを5.0原子%、Biを1.0原子%含んだAg合金スパッタリングターゲットを用いて放電電力500WでDCスパッタリングによって100nmの薄膜を堆積させた。(成膜条件は、基板温度:22℃,アルゴンガス圧:2mTorr ,成膜速度:5nm/sec,背圧:< 5×10-6Torrである。)そして、この反射膜上に、ビスフェノールA型エポキシアクリレート15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モルを反応後、ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解することにより調製した淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を滴下した後、スピンコーターにより塗膜の厚さが100μmになるようにし、コールドミラー付きメタルハライドランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cm(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36)の紫外線を照射し、光ディスクを作成した。該光ディスクの初期ラジアルチルトと△ラジアルチルト、初期ジッタと環境変化後のジッタを測定した。
更に、名機製作所製の射出成形機M35B−D−DM、深さ200nm、間隔0.5μm、幅0.2μmの溝が刻まれたスタンパーを用いて、直径120nm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を成形した。なお、シリンダー温度は360℃一定として、金型温度を表1の通り各樹脂に設定した。該光ディスク基板の転写率を測定した。
測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[実施例2]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[実施例3]
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水929.2部、48%水酸化ナトリウム水溶液61.3部を入れ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン39部、4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール43.6部およびハイドロサルファイト0.17部を溶解した後、p−tert−ブチルフェノール1.51部と塩化メチレン637.9部を加えトリエチルアミン0.09部を添加した後攪拌下15〜25℃でホスゲン32.4部を40分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液15.6部を加え、28〜33℃で約1時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発して1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールとの構成単位の比がモル比で50:50の無色のポリマーを得た。(収率97%)
上記芳香族ポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[実施例4]
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水31,500部、48%水酸化ナトリウム水溶液1,730部を入れ、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン2,040部、4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール2,802部およびハイドロサルファイト10部を溶解した後、p−tert−ブチルフェノール81部と塩化メチレン13,770部を加えトリエチルアミン4部を添加した後攪拌下15〜25℃でホスゲン1,670部を60分要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液270部を加え、28〜33℃で約1時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発して9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールとの構成単位の比がモル比で50:50の無色のポリマーを得た。(収率96%)
上記芳香族ポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例1]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン樹(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例2]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例3]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)のみを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例4]
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体のみを使用した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。
測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例5]
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。
測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例6]
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例7]
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体のみを使用した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。
測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例8]
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は使用した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例9]
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例10]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)のみを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、得られたディスクの支持基板表面上に吸湿防止膜としてZnS−SiO2(モル分率80:20)誘電体材料を利用し、記録・再生光の透過率減少が数%程度で抑えられるように、光透過層上への成膜を10nmとし、光情報記録媒体と略同心になるように直径60mmから119mmの領域までに成膜した。初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例11]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに対し、メタターフェニル(東京化成社製)100g、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)100gを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例12]
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)9kgに対し、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)1kgをドライブレンドして均一に混合した。続いてかかる組成物をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度220℃で脱気しながら溶融混錬を行い、ペレットを得た。該熱可塑性樹脂8kgを使用し、スチレン−アクリロニトリル共重合体ポリマー(ダイセル化学(株)製アクリロニトリル27重量%)2kgを再度ドライブレンドして使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
[比較例13]
容器に入った1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、CHDMと称することがある)をすべて溶融槽に入れ、窒素雰囲気下、70℃で均一溶融した。この溶融したCHDMから計量器により72.0重量部計量し、攪拌装置、蒸留器及び減圧装置を備えた反応槽に仕込んだ。その後、ビスフェノールA(以下、BPAと称することがある)114重量部、ジフェニルカーボネートを220重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.18重量部、水酸化ナトリウム8×10-4重量部を反応槽に仕込み、窒素置換した後、140℃で溶融した。30分攪拌後、内温を180℃に昇温しつつ徐々に減圧し13.3kPaで30分間反応させ、生成するフェノールを溜去した。次に同圧に維持しながら昇温し続け、190℃で30分間、200℃で40分間反応を行い留出PhOH量が124重量部(65%留出、理論量:191重量部)になったところで温度を更に昇温し、210℃で30分間、220℃で30分間、さらに240℃で30分間フェノールを溜去せしめ反応させた。その後、ゆっくりと減圧し240℃で133Pa以下とした。フル真空到達後4時間攪拌下で反応せしめた。失活剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を8×10-4重量部添加後、240℃、13.3kPaで20分間攪拌した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながらペレタイザーでカットしてペレットとした。上記重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
Figure 0004435753

Claims (6)

  1. 支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける支持基板であって、該支持基板が、繰り返し単位として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された繰り返し単位あるいは4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂100重量部に対してポリカプロラクトンを1〜5重量部配合してなり、かつ23℃、水中浸漬によって測定された飽和吸水率が0.3%以下の熱可塑性樹脂を用いて形成された支持基板であり、かつ該光ディスクを温度30℃、湿度95%の湿熱環境で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%の常湿状態に戻した場合の光ディスクの反り角変化が0.75度以内であることを特徴とする支持基板用の光ディスク基板。
  2. 熱可塑性樹脂のガラス転移温度が110〜180℃である請求項1記載の光ディスク基板。
  3. 上記硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層は、スピンコート法によって該反射層上に紫外線硬化性樹脂を塗布後、硬化させてなるものである請求項1〜2のいずれかに記載の光ディスク基板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク基板を支持基板として有する、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスク。
  5. 上記硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層は、スピンコート法によって該反射層上に紫外線硬化性樹脂を塗布後、硬化させてなるものである請求項4記載の光ディスク。
  6. 支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された硬化性樹脂からなる光透過性のカバー層からなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける支持基板であって、該支持基板が繰り返し単位として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された繰り返し単位あるいは4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂100重量部に対して、ポリカプロラクトンを1〜5重量部配合してなり、かつ23℃、水中浸漬によって測定された飽和吸水率が0.3%以下の熱可塑性樹脂を用いて形成された支持基板であり、かつ該光ディスクを温度30℃、湿度95%の湿熱環境で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%の常湿状態に戻した場合の光ディスクの反り角変化が0.75度以内であることを特徴とする支持基板用の光ディスク基板用ポリカーボネート樹脂成形材料。
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