JP2009019127A - 光ディスク基板および光ディスク - Google Patents

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平祐 高橋
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Abstract

【課題】耐熱性および剛性に優れ、環境変化に対する信号特性の良好な、生物起源物質を原料として用いた脂肪族ポリカーボネート樹脂を使用した脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された光ディスク基板および光ディスクを提供する。
【解決手段】(A)特定の式で表される構成単位を65〜100モル%含有する脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、(C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜2重量%、および
Figure 2009019127

(式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)(D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%を含有することを特徴とする、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生可能資源であるでんぷんやセルロースなどの多糖類から得られる化学品を炭酸エステル化して得られる脂肪族ポリカーボネート樹脂を用いた脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板、該光ディスク基板からなる光ディスク及びその光ディスク基板成形用材料に関する。
この光ディスク基板は、高い耐熱性及び剛性を特徴とする。そして、該光ディスク基板より構成される光ディスクは、高温負荷試験による反り変化が少ないため、光ディスク再生時の信号特性(ジッタ値)の変化が小さいく、光ディスクとして大いに有効である。
特に、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray Disc)、HD DVDなど既存の光ディスクを含め、記録容量の極めて大きなホログラフィックメモリー・近接場光メモリーなどの大容量光ディスクに有益である。
光ディスクの記録密度は、CDの0.6GBからDVDの4.7GB、そしてBD及びHD−DVDの15〜25GBと向上の一途を辿っている。例えば、再生専用のDVD−ROMをはじめ、記録再生可能なDVD−R、DVD−RW、DVD−RAMにおいても4.7GBの容量が実現されている。また、デジタルハイビジョン放送に対応した記録媒体であるBD、HD DVDにおいても15〜25GBを実現している。
従来、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)にカーボネート前駆物質を反応させて得られるポリカーボネート樹脂(以下、PC−Aという)は、透明性、耐熱性、機械的特性、寸法安定性が優れているが故にエンジニアリングプラスチックとして多くの分野に広く使用されてきた。さらに近年その透明性を生かして光ディスク、光ファイバー、レンズ等の分野への光学用材料としての利用が展開されており、特に光ディスクの分野で情報記録媒体用基板の素材として広く使用されている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、枯渇性化石(石油)資源を原料に用いて製造されているが、化石資源の枯渇や焼却処分時の二酸化炭素排出による地球温暖化防止の観点から、植物などの再生可能資源から得られる原料を用いて地球の環境負荷を低減したポリマーの製造が求められている。
これらの課題を解決する一手段として、とうもろこし、イモ類から得られるでんぷん、グルコースやサトウキビなどから得られるショ糖の醗酵によって得られる乳酸を重合したポリ乳酸樹脂がある。そして、これを光ディスク基板に使用するための開発が積極的に行われている(例えば特許文献1,2参照)。
しかしながら、このポリ乳酸樹脂はガラス転移温度が60℃前後であり、圧縮成形や射出成形により得られた成形品は耐熱性が乏しい。例えば、ISO 75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度が約55℃と低い。このため、自動車内などの比較的高温環境下で使用された場合には熱変形を生じる。よって、ポリ乳酸樹脂による光ディスク基板を用いた光ディスクは、再生時に信号が読み出せない等のフォーカスエラーを起こりやすい問題があった。
また、ポリ乳酸樹脂に、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などの化石資源(石油)を原料として使用したエンジニアリングプラスティックを添加したポリ乳酸混合樹脂(アロイ)を用いることが記載されている(特許文献3)。
しかしながら、ポリ乳酸を主成分とするアロイによる光ディスク基板は、通常の使用が困難である。なぜなら、第一に、不透明または著しく透明性が低下すること、第二に、相溶性の問題で成形品が均一でなく表面性が劣ること、第三に耐熱性を向上させるためには化石資源(石油)を原料とした材料を大量に添加しなければならないことがあるからである。以上から、地球の環境負荷を低減させた光ディスク基板材料としては課題が残る。
更に、DVDのような2枚の樹脂基板を貼り合せる方式の光ディスクにおいてレーザーが透過する側の基板にポリ乳酸樹脂を用いる。他方のレーザーが透過しない支持基板材料にポリ乳酸樹脂の中に無機フィラーを分散させた複合材料や、ポリ乳酸樹脂と親和性がよく、耐熱性の高い樹脂との混合樹脂を用いて基板を作成する。そして、両基板を貼り合せることにより高温負荷試験後(温度55℃、相対湿度50%RH、96時間)のディスクの変形が小さいことが開示されている(特許文献4)。これらも組成の異なる基板をそれぞれ製造することは、製造設備の増大、生産コストの増大を招くことが予想される。
これらに対して、全く異なる再生可能資源を原料として使用されたバイオマス材料として糖質から製造可能なエーテルジオール残基から得られる原料を用いたポリカーボネートが検討されている。
例えば、下記式[4]に示したエーテルジオールは、再生可能資源、たとえば糖類およびでんぷんなどから容易に作られ、3種の立体異性体が知られている。
Figure 2009019127
具体的には下記式[5]に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(本明細書では以下「イソソルビド」と呼称する)、
Figure 2009019127
下記式[6]に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(本明細書では以下「イソマンニド」と呼称する)、
Figure 2009019127
下記式[7]に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール(本明細書では以下「イソイディッド」と呼称する)である。
Figure 2009019127
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドはそれぞれD−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られる。たとえばイソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
これまで上記のエーテルジオールの中でも、特に、モノマーとしてイソソルビドを中心に用いてポリカーボネートに組み込むことが検討されてきた(たとえば、特許文献5、非特許文献1〜4)。
しかしイソソルビドからのポリカーボネートはその剛直な構造のため、溶融粘度が非常に高くなり、成型加工が困難であるという問題を抱えている。この問題を解決する上でさまざまなビスヒドロキシ化合物との共重合が報告されているが、イソソルビドと芳香族ビスフェノール類との共重合ポリカーボネート(たとえば、特許文献6、非特許文献5〜6)では、これらの原料は石油由来であるという問題を抱えている。
また、イソソルビドと脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネートについて1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオールとイソソルビドとの共重合ポリカーボネートが報告されている(たとえば、非特許文献7〜8、特許文献7)。これらのポリカーボネートはブロック共重合体またはランダム共重合体は耐熱性や熱安定性に乏しい等そのままではディスク材料として使用できない。
また、イソソルビドから得られるポリカーボネート化合物を含む熱可塑性成形材料が記載されているが、ガラス転移温度が室温より十分高いとはいっても、さらなる耐熱性の向上が求められている(特許文献8)。
以上のように、いずれも具体的に示されている手法は、再生可能資源を原料として使用したバイオマス材料を使用し、地球環境に対する負荷を低減した基板材料として良好な特性を示すが、必ずしも十分とはいえないものである。
特開2005−190603号公報 特開2005−50499号公報 特開2005−196821号公報 特開2006−73166号公報 独国特許出願公開第2938464号 特開昭56−110723号公報 国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2003−292603号公報 "Journal fuer praktische Chemie",1992年,第334巻,p.298〜310 "Macromolecular Chemistry and Physics"1997年,第198巻,p.2197〜2210 "Macromolecules",1996年,第29巻,p.8077〜8082 "Journal of Applied Polymer Science",2002年, 第86巻, p.872〜880 "Journal of Polymer Science: Part A",1997年,第35巻,p.1611〜1619 "Journal of Polymer Science: Part A",1999年,第37巻,p.1125〜1133 岡田他,文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(B)「環境低負荷高分子」再生可能資源からの環境低負荷プラスチックの生産に基づく持続型材料システムの構築第7回公開シンポジウム講演要旨集,2002年,p.26〜29 "Journal of Polymer Science: Part A",2003年,第41巻,p.2312〜2321
本発明の目的は、生物起源物質を原料として用いた脂肪族ポリカーボネート樹脂より形成された、耐熱性および剛性に優れ、熱安定性が良好で環境変化に対する信号特性に優れた光ディスク基板および光ディスクを提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を行った結果、エーテルジオール残基を構成単位とする脂肪族ポリカーボネート樹脂に、一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル及び燐系安定剤を含有する脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物より形成された光ディスク基板は耐熱性及び剛性に優れる光ディスク基板であり、該光ディスク基板より構成される光ディスクは、低温負荷試験(温度50℃、相対湿度50%RH、96時間)および/または高温負荷試験(温度80℃、相対湿度50%RH、96時間)後の熱変形(反り変化)が小さく為、光ディスク再生時の信号(ジッタ)変化が小さいことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
(A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
Figure 2009019127
(B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65〜100モル%からなる脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
Figure 2009019127
(式中、mは2〜12の整数)
(C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜2重量%、
Figure 2009019127
(式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
(D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
を含有する脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物から形成されたことを特徴とする光ディスク基板、
が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
<脂肪族ポリカーボネート樹脂>
本発明で使用される脂肪族ポリカーボネート樹脂は、
(A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
Figure 2009019127
(B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、
Figure 2009019127
(式中、mは2〜12の整数)
全構成単位における構成単位[A]の割合が65〜100モル%であり、下限は好ましくは70モル%以上、更に好ましくは75モル%以上である。構成単位[A]の割合が65モル%未満の場合、ガラス転移温度が100℃以下となり、樹脂自体の耐熱性が低下する。その結果、光ディスクの高温環境下における熱変形が大きくなるので好ましくない。
構成単位[A]は、イソソルビド残基、イソマンニド残基、イソイディッド残基などが挙げられる。特に、イソソルビド残基は、原料のイソソルビドが、イソマンニド、イソイディッドと比べ、製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れることから好ましい。
構成単位[B]は、エチレンジオール残基、1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基であり、好ましくはエチレンジオール残基、1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、より好ましくはエチレンジオール残基、1,3−プロパンジオール残基であり、最も好ましくは、1,3−プロパンジオール残基である。
<一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル>
本発明の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、下記式(3)で表される、一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを含有する。
Figure 2009019127
(式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表すが、(t+u)は1〜6の整数を表す。)
かかる一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜22の一価または多価アルコールと炭素原子数12〜22の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。なかでも、グリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、ペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
具体的には、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられ、特にステアリン酸モノグリセリド、およびペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルの含有量は、脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して0.01〜2重量%が好ましく、0.015〜0.5重量%がより好ましく、0.02〜0.2重量%がさらに好ましい。
含有量がこの範囲内であれば、離型性に優れ、また離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく好ましい。また、かかる一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル中に含まれるナトリウム金属の含有量は1ppm以下が好ましい。1ppmを超えると製造されたディスク基板は色相が悪化し、また脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の加水分解による白色欠点が増加することにより品質が低下する。
<燐系安定剤>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択された少なくとも1種の燐系安定剤を含有する。
かかる燐系安定剤の含有量は、脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して0.0001〜0.5重量%が好ましく、0.0005〜0.2重量%がより好ましく、0.001〜0.1重量%が特に好ましい。この燐系安定剤を含有することにより、かかる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が向上し、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の成形時における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
かかる燐系安定剤としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステルよりなる群から選択される少なくとも1種であり、好ましくは下記式[8]〜[12]よりなる群から選択された少なくとも1種以上の化合物である。
Figure 2009019127
Figure 2009019127
Figure 2009019127
Figure 2009019127
Figure 2009019127
[式中、R〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどの炭素原子数6〜15のアリール基またはベンジル、フェネチルなどの炭素原子数7〜18のアラルキル基を表し、また1つの化合物中に2つのアルキル基が存在する場合は、その2つのアルキル基は互いに結合して環を形成していてもよい。]
上記式[8]で示される燐系安定剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、などが挙げられる。
上記式[9]で示される燐系安定剤としては、例えば、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどが挙げられる。
上記式[10]で示されるリン化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)3,3’−ビフェニレンジホスホナイトなどが挙げられる。
上記式[11]で示される化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルなどが挙げられる。
上記式[12]で示される化合物としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
これらの燐系安定剤の中では、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの単独物または混合物、リン酸、亜リン酸、トリメチルホスフェート、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく、特にテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。
<酸化防止剤>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としては、フェノール系酸化防止剤を示すことができ、具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は、脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して0.0001〜0.05重量%である。
<脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組物の製造する方法は、構成単位[A]および構成単位[B]を構成するジオール成分、ならびに炭酸ジエステルとから溶融重合法により重合する方法を好ましく挙げることができる。
溶融重合法においては、不活性ガスの存在下に、ジヒドロキシ化合物とカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は、生成するアルコールまたは、フェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1330〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
カーボネートエステルはジヒドロキシ化合物1モル当り0.97〜1.2モルの範囲の割合で使用するのが好ましく、1.0〜1.1モルの範囲の割合で使用するのが特に好ましい。
また、溶融重合法において重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物;アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類;アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類;亜鉛化合物類;ホウ素化合物類;アルミニウム化合物類;珪素化合物類;ゲルマニウム化合物類;有機スズ化合物類;鉛化合物類;オスミウム化合物類;アンチモン化合物類;マンガン化合物類;チタン化合物類;ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、原料のジヒドロキシ化合物1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−3当量の範囲で選ばれる。また、必要に応じて分子量調節剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
得られた脂肪族ポリカーボネート樹脂に触媒失活剤を添加することもできる。触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。また、スルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、その中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用する事ができる。
最後に、上記の製法により製造された脂肪族ポリカーボネート樹脂に、(C)式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して0.01〜2重量%及び(D)燐系安定剤を脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して0.0001〜0.5重量%になるように、各々添加する。
なお、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物を調製する時には、任意の方法が採用される。例えば、脂肪族ポリカーボネート樹脂を混合溶液とした後、溶媒を留去する方法、溶媒留去に次いでベント式押出機等で溶融ペレット化する方法、または、脂肪族ポリカーボネート樹脂をスーパーミキサー、タンブラー、ナウターミキサー等で混合し、二軸ルーダー等でペレット化する方法等が用いられる。また、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、着色材、滑り材等の添加剤を加える事もできる。
更に、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去することが好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
<荷重たわみ温度>
また、本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、ISO 75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度は、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜150℃、さらに好ましくは120〜150℃である。荷重たわみ温度が100℃以下の場合、高温負荷試験(温度80℃、相対湿度50%RH、96時間)後の熱変形(反り変化)が大きく、光ディスクを再生するときに、フォーカスエラーやトラッキングエラーなどを起こし信号特性(ジッタ)が悪化するため、好ましくない。また、荷重たわみ温度が150℃以上の場合、流動性が悪くなる為、好ましくない。
<曲げ弾性率>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物において、ISO 178に準拠して測定された曲げ弾性率は、好ましくは3,000〜4,000MPa、より好ましくは3,300〜4,000MPa、さらに好ましくは3,600〜4,000MPaである。曲げ弾性率が3,000MPa以下の場合、光ディスクを高速回転させた時の振動による変形が大きくなりやすいので好ましくない。また、曲げ弾性率が4,000MPa以上の場合、射出成形時のスタンパーの凹凸に対する転写性が劣る為、好ましくない。
<ガラス転移温度>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、そのガラス転移温度が好ましくは100℃〜170℃、より好ましくは110〜165℃、より好ましくは120〜165℃である。
ガラス転移温度が100℃よりも低くなると、光ディスクは熱変形を生じ、フォーカスエラーやトラッキングエラーなどを起こして信号特性(ジッタ)が悪化するため、好ましくない。また、ガラス転移温度が170℃以上の場合、流動性が悪化する為、好ましくない。ここで述べているガラス転移温度は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる。
<比粘度>
本発明に用いる脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物は、加工性および光学特性の点から、その重合度は比較的に低い値である。すなわち、比粘度で表わして0.2〜0.6の範囲が適当であり、0.2〜0.4の範囲がより好ましい。この範囲の比粘度を有するポリカーボネート樹脂組成物は、流動性に優れ、溶融射出成形により容易に光ディスク基板に成形加工することができて、しかも得られた基板は光学歪みが極めて少ない。ここで述べている比粘度とは、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解し、その溶液の20℃における比粘度の測定値を示している。
<光ディスク基板の製造>
本発明の一態様は、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過層からなり、光透過層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおいて、支持基板及び/または光透過層が上記脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板である。
かかる光ディスク基板を製造する場合には、射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、かつ耐蝕性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としては、シリンダー温度が好ましくは220〜320℃、より好ましくは260〜280℃、並びに金型温度が好ましくは50〜180℃、より好ましくは60〜120℃であり、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。
成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
本発明の光ディスク基板は、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過層を有してなり、光透過層側からレーザー光を入射して記録及び/又は再生を行う方式の光ディスク、例えばBDやHD DVD、更にはホログラムディスクに代表される大容量ディスク用基板として、特に好適に使用される。
<光ディスクの製造>
本発明の一態様は、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板を支持基板及び/または光透過層として有する、支持基板、該支持基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過層からなり、光透過層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクである。
かかる光ディスクは、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の片面に反射層及び/または記録層を形成する。上記の記録層、反射層の無機薄膜の製造法としては、公知の真空蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形成法が適用できる。しかし、光ディスク媒体としては、高温高湿の耐環境試験で生じる剥離を生じさせないために、特に高分子基板との密着性が大きい条件で作製することが好ましい。このためにはスパッタリング法が好ましい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の片面に上記反射層及び/または記録層上に光透過性層を形成する。
例えば、BDの場合、1.1mm厚の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の支持基板上に光反射層、並びに光透過性のカバー層を形成する事により作成される。なお、これらの層は複数形成されてもよい。
上記光透過層は、レーザー光を通過する材料よりなり、かかる材料としては好適にポリカーボネート樹脂が用いられ、例えば、溶融押出法により形成されたポリカーボネートシートや溶液流延法により形成されたポリカーボネートキャスティングフィルムが挙げられる。
光透過性のカバー層を形成する手段は、例えば、記録層上にポリカーボネートからなるシートやフィルム等の透明板を粘着剤などで貼り合わせる方法が挙げられる。さらに、この光透過性のカバー層はコマ収差をかなり小さく抑えるために、3〜200μmの厚さに制限される。
例えば、DVDやHD DVDの場合、0.6mm厚の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板の支持基板上に光反射層、並びに支持基板と同じ厚みの脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光透過層を形成する事により作成される。
<追記型光ディスク>
記録膜は追記型光ディスクの場合、基板上に、レーザー光の照射によって不可逆的な光学特性が変化したり凹凸形状が形成される記録膜であり、例えばレーザー光の照射による加熱で分解して、その光学定数が変化すると共に、体積変化によって基板の変形を生じさせるシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が用いられる。
<書き換え可能型光ディスク>
書き換え可能型光ディスクの場合、記録膜はレーザー光の照射によって生じた物質の非晶質状態と結晶状態の間の可逆的な相構造変化が起こる材料(相変化記録型)、もしくは膜面に垂直な方向に磁化容易方向を有し、任意の反転磁区を作ることにより情報の記録、再生、消去が可能な磁気光学効果を有する磁性薄膜(光磁気記録型)である。相変化記録型の記録膜としては、例えば、カルコゲナイド系材料であるGeSbTe系、InSbTe系、InSe系、InTe系、AsTeGe系、TeOx−GeSn系、TeSeSn系、FeTe系、SbSeBi系、BiSeGe系等が用いられているが、GeSbTe系よりなる膜は繰り返し記録・消去時における安定動作が良好で好ましい。光磁気記録型の記録膜としては、例えば、TbFe、TbFeCo、GdTbFe、NdDyFeCo、NdDyTbFeCo、NdFe、PrFe、CeFe等の希土類元素と遷移金属元素との非晶質合金薄膜、交換結合を利用したそれらの二層膜、Co/Pt、Co/Pd等の人工格子多層膜、CoPt系合金等を用いることができる。
<記録膜保護膜>
記録膜を狭持する記録膜保護膜としては誘電体材料を用いることが好ましい。これにより、媒体としての結晶相と非晶質相の反射率差、および磁気光学効果を高めることができる。さらにこの場合には、誘電体材料は屈折率nが高い材料、すなわちn≧1.6である材料、さらに好ましくはn≧1.8である材料であることが好ましい。例えば、SiO系、SiON系、Ta、TiO、Al、Y、CeO、La、In、GeO、GeO、PbO、SnO、SnO、Bi、TeOWO、WO、Sc、ZrO等の酸化物、TaN、AlN、SiN系、AlSiN系等の窒化物、ZnS、Sb、CdS、In、Ga、GeS、SnS、PbS、Bi等の硫化物、またはこれらの混合材料やこれらの積層体などを保護膜として用いることが好ましい。
光反射層としては、評価に用いるドライブヘッドのレーザ光に対し、記録層よりも反射率の高い材料であることが特性向上のために好ましい。具体的には、使用レーザ光波長における光学定数である屈折率nと消衰係数kが、n≦3.5、かつk≧3.5であるような材料を選択することが好ましい。さらに好ましくはn≦2.5かつ4.5≦k≦8.5であり、この条件で作製した媒体では、再生信号特性のより一層の向上が実現できる。
一方レーザ光による加熱で信号を記録する際、光反射層の熱伝導率が高すぎると、熱拡散が大きく、強いレーザパワーを必要とする。このため現在多用されているパワーが15mW以下の半導体レーザで信号の記録を可能とするためには、光反射層に用いる材料の熱伝導率は100[W/(m・K)]以下であることが好ましく、さらには80[W/(m・K)]以下であることがより好ましい。
このような条件を満足する材料として、AlもしくはAgにAu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、Ir等の1種類以上の元素を添加した合金が挙げられる。なお、これら合金において添加元素の添加量が、0.5原子%より少ないと前述の熱伝導低下の効果は小さく、逆に20原子%より多いと前述の光反射率の低下が大きく再生信号特性の面で不利である。従って添加元素の含有量は0.5〜20原子%の範囲におさめることが好ましい。また、特に金属反射膜自身の耐久性を高めるという点で、上記特定元素群の中ではTi、Zr、Hf、Ta、Cr、Reが好ましい。これらの反射層の膜厚範囲は10〜500nmであるが、反射率の低下による再生信号特性の低下を抑え、かつレーザパワーが15mWで記録可能とするためには、好ましくは30〜200nm、特に好ましくは40〜100nmである。
なお、再生専用光ディスク媒体の場合は、上述した光反射層のみを基板上に形成する事になるが、材料としては同じものを使用することが出来る。
<低温負荷試験>
本発明の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板を用いた光ディスクの低温負荷試験における反り変化に関しては以下の測定法を用いる。
すなわち、該光ディスクを温度23℃、湿度50%RHの環境下で光ディスクの中心から58mm部の初期チルトを測定した後、温度50℃、湿度50%RHの環境下で96時間経過後、温度23℃、湿度50%RHの環境に24時間放置後に測定した中心から58mm部における処理後チルトの値の差(Δチルト)を比較したものである。このときのΔチルトは小野測器製光ディスク機械特性測定装置LM−1200にて測定するものであり、0.9度以内、好ましくは0.7度以内、更に好ましくは0.5度以内であることが好ましい。
<高温負荷試験>
本発明の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板を用いた光ディスクの高温負荷試験における反り変化に関しては以下の測定法を用いる。
すなわち、該光ディスクを温度23℃、湿度50%RHの環境下で中心から58mm部の初期チルトを測定した後、温度80℃、湿度50%RHの環境下に移し、96時間経過後、取り出し温度23℃、湿度50%RHの環境に24時間放置後に測定した中心から58mm部における処理後チルトの値の差(Δチルト)を比較したものである。このときのΔチルトは小野測器製光ディスク機械特性測定装置LM−1200にて測定するものであり、0.9度以内、好ましくは0.7度以内、更に好ましくは0.5度以内であることが好ましい。
<信号特性(ジッタ)>
本発明の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板を用いた光ディスクの初期信号特性に関しては、以下の測定法を用いる。すなわち、初期ラジアルチルトを評価した光ディスクをパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行う。通信分野における時間軸のずれを表すジッタは、信号特性を表す指標の一つで、8.0%未満が好ましい。8.0%以上の値を示した場合には、光ディスク再生時の音質、画質の低下を引き起こす為好ましくない。
<低温負荷試験後の信号特性>(ジッタA)
上記低温負荷試験後にてΔチルトを測定した光ディスクを用いてパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行い、8.0%未満、好ましくは7.0%未満、更に好ましくは6.5%未満であることが好ましい。
<高温負荷試験後の信号特性(ジッタB)>
上記高温負荷試験後にてΔチルトを測定した光ディスクを用いてパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行い、8.0%未満、好ましくは7.0%未満、更に好ましくは6.5%未満であることが好ましい。
本発明の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板は、耐熱性及び剛性に優れていることから、殊に高密度光ディスク用の光ディスク基板として好適に用いられ、その奏する工業的効果は格別である。更にこの光ディスク基板を用いた光ディスクは、低温・高温負荷試験後のラジアルチルト変化が小さく、光ディスク再生時の信号特性(ジッタ値)の変化が小さい。従って、光ディスクとしての有効性が明らかである。特にCD、DVD、BD、HD DVDなど既存の光ディスクを含め、記録容量の極めて大きなホログラフィックメモリー・近接場光メモリーなどの大容量光ディスクに有益である。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。実施例及び比較例において「部」は重量部である。なお評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度
TAインスツルメント社製の熱分析システムDSC−2910を使用して、JIS K7121に従い窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
(2)比粘度
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解し、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
(3)荷重たわみ温度(0.45MPa)
ISO75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度を測定した。
(4)曲げ弾性率
日本製鋼所製射出成形機 J−75E3を用いてシリンダ温度260℃、金型温度80℃にて曲げ試験片を成形した。曲げ試験をISO178に準拠して行った。
(5)初期ラジアルチルト
小野測器製光ディスク機械特性測定装置LM−1200にて、温度23℃、湿度50%RHの環境下で光ディスクの中心から58mm部におけるラジアルチルトを測定し、初期ラジアルチルトとした。
(6)低温負荷試験後のラジアルチルト変化量(ΔラジアルチルトA)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを温度50度、湿度50%RHの環境下に96時間置き、その後、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿下で24時間放置後、小野測器製光ディスク機械特性測定装置LM−1200にて、光ディスクの中心から58mm部におけるラジアルチルトを測定し、初期ラジアルチルトとの差を算出した。
(7)高温負荷試験後のラジアルチルト変化量(ΔラジアルチルトB)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを温度80度、湿度50%RHの環境下に96時間置き、その後、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿下で24時間放置後、小野測器製光ディスク機械特性測定装置LM−1200にて、光ディスクの中心から58mm部におけるラジアルチルトを測定し、初期ラジアルチルトとの差を算出した。
(8)初期信号特性(初期ジッタ)
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクをパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%未満を○、6.5%以上〜8.0%未満を△、8.0%以上を示した場合を×とした。
(9)低温負荷試験後の信号特性(ジッタA)
ΔラジアルチルトAを評価した光ディスクを用いてパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%未満を○、6.5%以上〜8.0%未満を△、8.0%以上を示した場合を×とした。
(10)高温負荷試験後の信号特性(ジッタB)
ΔラジアルチルトBを評価した光ディスクを用いてパルステック工業製ODU−1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%未満を○、6.5%以上〜8.0%未満を△、8.0%以上を示した場合を×とした。
[実施例1]
<脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物の製造>
イソソルビド66.42重量部と1,3−プロパンジオール11.52重量部とジフェニルカーボネート129.81重量部とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを5.4×10−3重量部(ジオール成分1モルに対して1×10−4モル)、および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩を8.2×10−3重量部(ジオール成分1モルに対して0.5×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下180℃で溶融した。
撹拌下、反応槽内を13.3×10−3MPaに減圧し、生成するフェノールを留去しながら20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで25分間反応させ、さらに、215℃に昇温して10分間反応させた。
ついで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に250℃まで昇温し、最終的に250℃,6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。比粘度が0.249で、ガラス転移温度が116℃のポリマーが得られた。該ポリマーを塩化メチレンに溶解させ、目開き0.3μmのフィルターに通過させ、さらに軸受け部に異物取出口を有する隔離室付きニーダー中の温水に滴下、塩化メチレンを留去しながら得られたポリマーをフレーク化し、引き続き該含有液フレークを粉砕・乾燥してパウダーを得た。
その後、該パウダーにトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバスペシャリティ・ケミカルズ製Irgafos168)を0.0025重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.05重量%となるように添加し、均一に混合した後、かかるパウダーをベント式二軸押出機[(株)神戸製鋼所製KTX−46]により脱気しながら溶融混錬し、ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に掲載した。
<光ディスク基板及び光ディスクの製造>
次に、該ペレットから、名機製作所製射出成形機 M35B−D−DMを用い、直径120mm、キャビティ厚0.6mmの金型にDVD規格に準拠した信号ピットが形成されたスタンパーを取り付けて、シリンダー温度260℃、金型温度82℃、冷却時間10秒で光ディスク基板を成形した。
この得られたディスク基板(図1中、基板1(支持基板))の信号面側にDCスパッタリング法により膜厚70nmのAl膜よりなる反射膜(図1中、反射膜)をスパッタ蒸着させた。反射膜表面に接着剤として紫外線硬化樹脂(共栄化学製:変性ウレタンアクリレートNo.589)を塗布し、成形したディスク基板(図1中、基板2(光透過層))を貼り合せ、回転数2000rpmでスピン塗布したのち、紫外線を照射し、光ディスクを作成した。
該光ディスクの初期ラジアルチルトと初期ジッタ測定を行った。その後、初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを用いて、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、試験後のラジアルチルトの変化量(ΔラジアルチルトA,B)、ジッタ(ジッタA,B)の評価結果を表1に記載した。
[実施例2]
イソソルビド88.56重量部とジフェニルカーボネート129.81重量部とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法で光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。
また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,ΔラジアルチルトB及びジッタA,ジッタBを測定し、表1に記載した。
[実施例3]
イソソルビド57.54重量部と1,3−プロパンジオール16.14重量部とジフェニルカーボネート129.81重量部とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法に光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
[実施例4]
実施例1と同様の手法でポリカーボネートパウダーを得たあと、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトのかわりにテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(チバスペシャリティ・ケミカルズ製IrgafosEPQ)を0.0025重量%添加とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法に光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
[実施例5]
実施例1と同様の手法でポリカーボネートパウダーを得たあと、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトのかわりにビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製アデカスタブPEP−36)を0.0025重量%添加とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法に光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
[実施例6]
実施例1と同様の手法でポリカーボネートパウダーを得たあと、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトのかわりにジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製アデカスタブPEP−8)を0.0025重量%添加とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法に光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
[比較例1]
イソソルビド44.26重量部と1,3−プロパンジオール23.05重量部とジフェニルカーボネート129.81重量部とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
さらに、実施例1と同様の方法で光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、初期ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
[比較例2]
実施例1と同様にしてポリカーボネートパウダー得た後、該パウダーにトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバスペシャリティ・ケミカルズ製Irgafos168)のみを0.0025重量%となるように添加した以外は実施例1と同様にして、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
該ペレットから、実施例1と同様に光ディスク基板の成形を実施したところ、金型から光ディスク基板の離型性が悪く、評価可能な光ディスク基板は得られなかった。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスク基板とそれを使用した光ディスクを作成し、初期ラジアルチルトを測定したところ測定不可であった。
[比較例3]
実施例1と同様にしてパウダー得、その後、該パウダーにステアリン酸モノグリセリドのみを0.05重量%とした以外は実施例1と同様にして、ペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を表1に記載した。
該ペレットから、実施例1と同様に光ディスク基板の成形を実施したところ、光ディスク基板の色相が悪化し、評価可能な光ディスク基板は得られなかった。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、ジッタを測定したところジッタが測定不可であった。
[比較例4]
ポリ乳酸樹脂(三井化学製LACEA H−100J)を使用して比粘度、ガラス転移温度、荷重たわみ温度、曲げ弾性率を測定し、表1に記載した。
さらに、金型温度を30℃に変更し光ディスク基板を成形した以外は実施例1と同様の方法で光ディスクを作成し、初期ラジアルチルト、ジッタを測定し、表1に記載した。また、低温負荷試験、高温負荷試験を行い、ΔラジアルチルトA,B及びジッタA,Bを測定し、表1に記載した。
Figure 2009019127
実施例及び比較例において製造した光ディスクの概略図である。
符号の説明
1.基板1(支持基板)
2.反射膜
3.接着層
4.基板2(光透過層)

Claims (14)

  1. (A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
    Figure 2009019127
    (B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65〜100モル%からなる脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
    Figure 2009019127
    (式中、mは2〜12の整数を表す。)
    (C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステル0.01〜2重量%、および
    Figure 2009019127
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    (D)燐系安定剤0.0001〜0.5重量%
    を含有することを特徴とする、脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  2. 全構成単位における前記式[1]で表される構成単位[A]の割合が70〜100モル%からなる脂肪族ポリカーボネート樹脂である請求項1に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  3. 前記式[2]が、エチレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、および1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれる少なくとも一種から誘導された構成単位[B]である請求項1または2に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  4. 前記式[2]が、1,3−プロパンジオールから誘導された構成単位[B]である請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  5. 前記式[1]が、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(以下、イソソルビドと記載)から誘導された構成単位[A]である請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  6. 前記(C)の一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルが、グリセリンとステアリン酸とのモノまたはジエステル、グリセリンとベヘニル酸とのモノまたはジエステル、ペンタエリスリトールとステアリン酸との全エステル、およびペンタエリスリトールとベヘニル酸との全エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  7. 前記(C)の一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルが、ステアリン酸モノグリセリド、または、ペンタエリスリトールテトラステアレートである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  8. 前記(D)の燐系安定剤が、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの単独物または混合物、リン酸、亜リン酸、トリメチルホスフェート、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  9. 前記(D)の燐系安定剤が、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  10. 前記の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物のISO 75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度が100〜150℃、かつ、ISO 178で規定される曲げ弾性率が3,000〜4,000MPaである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  11. 前記の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物のガラス転移温度が100〜170℃である請求項1〜10のいずれか1項に記載の脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなる光ディスク基板。
  12. 支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過層からなり、光透過層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクであって、支持基板及び/または光透過層が、
    (A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
    Figure 2009019127
    (B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65〜100モル%の脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
    Figure 2009019127
    (式中、mは2〜12の整数)
    (C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを0.01〜2重量%、および
    Figure 2009019127
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    (D)燐系安定剤を0.0001〜0.5重量%
    を含有する脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物からなることを特徴とする光ディスク。
  13. 上記光ディスクを温度23℃、湿度50%RHの室温常湿状態から温度80℃、湿度50%RHで96時間かけて高温負荷試験を行い、温度23℃、湿度50%RHの常湿状態で24時間放置したときの光ディスクの反り角変化が0.9度以内である請求項12記載の光ディスク。
  14. (A)下記式[1]で表される構成単位[A]と
    Figure 2009019127
    (B)下記式[2]で表される構成単位[B]から構成され、全構成単位における構成単位[A]の割合が65〜100モル%の脂肪族ポリカーボネート樹脂に対して、
    Figure 2009019127
    (式中、mは2〜12の整数)
    (C)下記式[3]で表される一価及び/または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを0.01〜2重量%、および
    Figure 2009019127
    (式中、Rは炭素数1〜22の(t+u)価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは炭素数12〜22のアルキル基を表す。tは0または正の整数を表し、uは正の整数を表し、且つ(t+u)は1〜6の整数を表す。)
    (D)燐系安定剤を0.0001〜0.5重量%
    を含有し、且つISOで規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度が100〜150℃で、かつガラス転移温度が100〜170℃である脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物成形材料であって、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過層からなり、光透過層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける該支持基板及び/または該光透過層の材料として使用される脂肪族ポリカーボネート樹脂組成物成形材料。
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