JP2014080601A - ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
加えて、光学用途やガラス代替用途など、特に高い透明性や色相が求められる分野においては、さらなる色調の改善が要求されており、従来の方法では要求される性能を満足できていない。
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[14]に存する。
(A)シリンダー温度250℃、滞留時間5分以下の条件において、該ポリカーボネート樹脂から射出成形された厚さ3mmのプレート成形体のYIが1.80以下である。
(B)シリンダー温度250℃、滞留時間20分以上の条件において、該ポリカーボネート樹脂から射出成形された厚さ3mmのプレート成形体のYIと、前記滞留時間5分以下の条件で射出成形されたプレート成形体のYIとの差が0.30以下である。
(C)該ポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の含有量が700重量ppm以下である。
(D)該ポリカーボネート樹脂を260℃で60分間加熱した後のモノヒドロキシ化合物の増加量が700重量ppm以下である。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂であり、下記条件(A)から(D)をすべて満たし、好ましくは更に下記条件(E)から(G)の少なくとも一つを満たすポリカーボネート樹脂である。
(B)シリンダー温度250℃、滞留時間20分以上の条件において、該ポリカーボネート樹脂から射出成形された厚さ3mmのプレート成形体のYIと、前記滞留時間5分以下の条件で射出成形されたプレート成形体のYIとの差が0.30以下である。
(C)モノヒドロキシ化合物の含有量が700重量ppm以下である。
(D)該ポリカーボネート樹脂を260℃で60分間加熱した後のモノヒドロキシ化合物の増加量が700重量ppm以下である。
(E)測定温度240℃、剪断速度91.2sec−1における溶融粘度が400Pa・s以上、4000Pa・s以下である。
(F)ガラス転移温度が80℃以上、180℃以下である。
(G)炭酸ジエステルを1重量ppm以上、150重量ppm以下含有する。
本発明において、ポリカーボネート樹脂の色調は次のとおり評価する。射出成形機を用いて、シリンダー温度を250℃に設定し、樹脂がシリンダー内に滞留する時間を5分以下となるように射出サイクルを設定し、厚さ3mmのプレートを成形する。続けて、滞留時間を20分以上になるように設定して、同様に厚さ3mmのプレートを成形する。色差計を用いて、各々得られたプレートの透過光におけるイエローインデックス(YI)値を測定する。射出成形と色調測定の詳細な条件は実施例の項で後述する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常、後述するとおり、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと触媒とを溶融下に重縮合させて得られる。この重縮合反応において、炭酸ジエステルから脱離成分としてモノヒドロキシ化合物が生成する。例えば、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを用いる場合は、生成するモノヒドロキシ化合物はフェノールである。この時、得られたポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の残存量が多いと、成形時の装置の汚染や臭気の問題を生じることがある。本発明のポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の残存量は700重量ppm以下であり、さらに500重量ppm以下であることが好ましく、特には300重量ppm以下であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂の製造時に、後述するような触媒失活剤となる特定のリン系化合物を適量用い、さらに十分に脱揮処理を行うことで、ポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の残存量を低減し、かつ加熱下での発生を抑制することができる。ポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物量の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
モノヒドロキシ化合物は重縮合反応中だけでなく、ポリカーボネート樹脂を加熱して成形や加工する時にも、重合反応や熱分解が進行して発生するため、重合後の加熱条件下においても発生を抑制する必要がある。本発明のポリカーボネート樹脂は、260℃で60分間加熱した後のモノヒドロキシ化合物の増加量、即ち、260℃で60分間加熱することで発生するモノヒドロキシ化合物は700重量ppm以下であり、さらには400重量ppm以下であることが好ましく、特には200重量ppm以下であることが好ましい。モノヒドロキシ化合物の増加量の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
本発明のポリカーボネート樹脂の溶融粘度は400Pa・s以上、4000Pa・s以下が好ましく、さらには450Pa・s以上、3700Pa・s以下が好ましく、特に500Pa・s以上、3500Pa・s以下が好ましい。ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が上記範囲より低いと、ポリカーボネート樹脂が脆くなり、十分な機械物性を有する材料とならない。一方、溶融粘度が上記範囲よりも高いと、成形加工時に流動性が不足し、成形品の外観が損なわれたり、寸法精度が悪化したりする。また、剪断発熱により樹脂温度が上昇して、樹脂が着色したり発泡したりする懸念がある。なお、本明細書において溶融粘度とは、キャピラリーレオメーター[東洋精機(株)製]を用いて、測定温度240℃、剪断速度91.2sec−1における溶融粘度を示す。その測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は80℃以上、180℃以下であることが好ましく、さらには90℃以上、160℃以下が好ましく、特に95℃以上、140℃以下が好ましい。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が低すぎると、高温下や高湿下において成形品が変形するなどして、使用に耐えうる耐熱性を満足できない。一方、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が過度に高いと、成形加工の際に温度を高くせざるを得ず、ポリカーボネート樹脂の分子量低下や着色などの熱劣化を招いたり、ガスの発生により成形品の外観を損ねるおそれがある。なお、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される。測定条件の詳細は実施例の項で記載する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常、後述するとおり、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと触媒とを溶融下に重縮合させて得られる。この時、得られたポリカーボネート樹脂中の炭酸ジエステルの残存量が多いと、成形時の装置の汚染や臭気の問題を招くため、本発明のポリカーボネート樹脂中の炭酸ジエステルの残存量は150重量ppm以下であり、さらに100重量ppm以下であることが好ましく、特に80重量ppm以下であることが好ましい。現実的にはポリカーボネート樹脂は未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、炭酸ジエステル含有量の下限値は通常1重量ppmである。ポリカーボネート樹脂中の炭酸ジエステル量の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
本発明のポリカーボネート樹脂の還元粘度の保持率は、プレッシャークッカーを用いて、120℃、2気圧で24時間、スチーム処理した後の還元粘度の保持率が95%以上であることが好ましく、さらに96%以上であることがより好ましい。この保持率が低いと、サンシャインウェザーメーターなどの降雨条件を模した促進耐候性試験において、成形品の表面がひび割れしたり、成形品が変形するおそれがあり、耐候性や耐湿熱性が低下する原因となりうる。
ポリカーボネート樹脂の製造時に、後述するような触媒失活剤となる特定のリン系化合物を適量用いて、ポリカーボネート樹脂中の塩基性成分を中和することで、還元粘度の保持率を向上させることが可能になる。還元粘度の保持率の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
本発明のポリカーボネート樹脂の光線透過率は、厚さ3mmの成形体を用いて測定された波長350nmの紫外光の透過率が75%以上であることが好ましく、さらに78%以上であることが好ましく、特に80%以上であることが好ましい。この光線透過率が上記下限よりも低くなると、日光の暴露によってポリカーボネート樹脂が着色しやすくなり、耐候性が低下する原因となりうる。後述するように、ポリカーボネート樹脂の重合や成形加工の段階における熱履歴を低減して着色を抑制し、さらにモノヒドロキシ化合物などの残存低分子成分を低減することによって、ポリカーボネート樹脂の光線透過率を向上させることが可能になる。この光線透過率の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂を製造する方法について詳述する。
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(以下、「特定ジヒドロキシ化合物」と称することがある。)に由来する構造単位を少なくとも含む。即ち、特定ジヒドロキシ化合物は、2つのヒドロキシル基と、さらに下記式(1)の構造単位を少なくとも含むものを言う。
また、その他のジヒドロキシ化合物と特定ジヒドロキシ化合物との併用による上記効果を有効に得るために、ポリカーボネート樹脂中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に占める特定ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合は、モル比で、全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を1とした場合、0.1以上、0.95以下、とりわけ0.2以上、0.9以下であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述した特定ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記式(6)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造される。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、特定ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合させることによって得られる。
<リン系化合物>
本発明のポリカーボネート樹脂には、重合触媒を失活させ、さらに高温下でのポリカーボネート樹脂の着色を抑制するために添加された、リン系化合物を含有することが好ましい。このリン系化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸エステル、酸性リン酸エステル、脂肪族環状亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。上記の中でも触媒失活と着色抑制の効果がさらに優れているのは、亜リン酸、ホスホン酸、ホスホン酸エステルであり、特にホスホン酸エステルが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂には、前記リン系化合物に加えて、ヒンダードフェノール化合物も含有することで、ポリカーボネート樹脂のさらなる色調向上が期待できる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
なお、ヒンダードフェノール化合物や以下の酸化防止剤についても、リン系化合物と同様に、押出機を用いてポリカーボネート樹脂に添加、混練されることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂には、酸化防止の目的で、通常知られている酸化防止剤を添加することもできる。
これらの酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001重量部〜0.1重量部が好ましく、0.0005重量部〜0.08重量部がより好ましく、0.001重量部〜0.05重量部がさらに好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂が前記式(2)で表される特定ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含む場合、前記式(2)で表される特定ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位全体に対して、下記式(2A)と(2B)で表される二重結合末端基の含有量が0.4mol%以下であることが好ましく、さらに0.3mol%以下であることが好ましい。下記式(2A)と(2B)で表される二重結合末端基は熱分解によって生成する構造であり、ポリカーボネート樹脂が受けた熱履歴を表す指標となる。この二重結合末端基量が上記上限よりも多いと、重合や成形加工の際に過剰な熱履歴がかかっており、樹脂の色調や耐候性が悪化しやすくなる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ABS、ASなどの合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートなどの生分解性樹脂、ゴムなどの1種又は2種以上と混練して、ポリマーアロイとしても用いることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂及びこれを含む樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形品とすることができ、色相、透明性、耐候性、耐熱性、及び機械的強度に優れた成形品を得ることができる。
以下において、ポリカーボネート樹脂の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
ポリカーボネート樹脂のサンプルを塩化メチレンに溶解させ、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート樹脂溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式(i)より相対粘度ηrelを求め、相対粘度ηrelから次式(ii)より比粘度ηspを求めた。
ηrel=t/t0 ・・・(i)
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1 ・・・(ii)
比粘度ηspを濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
ポリカーボネート樹脂のペレットを90℃で5時間以上、真空乾燥した。乾燥したポリカーボネート樹脂のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、最終シリンダーの温度を250℃、成形サイクル23秒間の条件でプレート型の射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する操作を繰り返した。10ショット目以降、シリンダー内の樹脂の滞留時間は4分となる。10ショット目〜20ショット目で得られた射出成形片の厚み方向での透過光におけるイエローインデックス(YI)値を後述のとおり測定し、平均値を算出した。(この値を初期のYIとする。)続いて、21ショット目から成形サイクルを120秒とし、30ショット目まで成形操作を繰り返した。30ショット目の樹脂の滞留時間は24分となる。30ショット目で得られた射出成形品のYI値を同様にして色差計を用いて測定した。(この値を滞留のYIとする)
得られたプレートの色調はコニカミノルタ社製分光測色計CM−5を用い、ASTM D1925に準拠して測定を行った。前述の射出成形で得られたプレートを測定室に置き、透過光のYI値を測定した。YI値が小さい程、黄色味がなく品質が優れることを示す。なお、成形直後はプレートの色調が不安定のため、プレートを冷暗所に保管し、成形後1日以上経過した後に色調測定を行う。また、比較に用いるプレートは同一条件下で保管し、同時に測定した数値を用いる。
ポリカーボネート樹脂ペレットの色相は、ASTM D1925に準拠して、コニカミノルタ社製分光測色計CM−5を用い、反射光で測定を行った。測定条件は測定径30mm、SCEを選択した。シャーレ測定用校正ガラスCM−A212を測定部にはめ込み、その上からゼロ校正ボックスCM−A124をかぶせてゼロ校正を行い、続いて内蔵の白色校正板を用いて白色校正を行った。白色校正板CM−A210を用いて測定を行い、L*が99.40±0.05、a*が0.03±0.01、b*が−0.43±0.01、YIが−0.58±0.01となることを確認した。ペレットのYIの測定は、内径30mm、高さ50mmの円柱ガラス容器にペレットを40mm程度の深さまで詰めて測定した。ガラス容器からペレットを取り出してから再度測定を行う操作を2回繰り返し、計3回の測定値の平均値を用いた。
上記(2)で得られた射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm、10ショット目〜20ショット目)の波長350nmにおける厚み方向の光線透過率を、紫外可視分光光度計V−630(日本分光(株)製)を用いて測定した。
ポリカーボネート樹脂ペレット約5gをプレッシャークッカーに入れ、120℃、2気圧で24時間、スチーム処理した。取り出したサンプルを90℃で1時間以上、真空乾燥し、前記(1)の方法で還元粘度を測定した。プレッシャークッカー処理前のサンプルの還元粘度も測定し、処理後の還元粘度の保持率を求めた。
ポリカーボネート樹脂試料約1gを精秤し、塩化メチレン5mLに溶解して溶液とした後、総量が25mLになるようにアセトンを添加して再沈殿処理を行った。次いで、該処理液を0.2μmディスクフィルターで濾過して、液体クロマトグラフィーにて定量を行った。
ポリカーボネート樹脂を90℃で5時間以上、真空乾燥した。乾燥したポリカーボネート樹脂約5gをガラス試験管に入れ、容器内を窒素置換した後、窒素シールした。260℃に加熱したオイルバスに、試験管内のポリカーボネート樹脂試料がオイル液面よりも下になるように試験管を浸け、60分後にオイルバスから取り出した。室温付近まで冷却した後、樹脂を取り出し、前述の(6)の方法でポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の量を測定し、加熱処理前のモノヒドロキシ化合物の量を引いて、加熱によって増加した量を求めた。
ポリカーボネート樹脂のペレットを90℃で5時間以上、真空乾燥した。乾燥した試料を用いて、キャピラリーレオメーター(東洋精機(株)製)で測定を行った。測定温度は240℃とし、剪断速度9.12〜1824sec−1間で溶融粘度を測定し、91.2sec−1における溶融粘度の値を用いた。ダイス径1mmφ×10mmLのオリフィスを使用した。
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定した。ポリカーボネート樹脂試料約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温から250℃まで昇温した。3分間温度を保持した後、30℃まで20℃/分の速度で冷却した。30℃で3分保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温した。2回目の昇温で得られたDSCデータより、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求め、それをガラス転移温度とした。
ポリカーボネート樹脂試料約25mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解し、これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、1HNMRスペクトルを測定した。ポリカーボネートを構成する前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と前記式(2A)と(2B)で表される二重結合末端基に由来するシグナルの強度比より、二重結合末端基の量を定量した。用いた装置及び条件は、次のとおりである。
・装置:日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)
・測定温度:常温
・緩和時間:6秒
・積算回数:512回
(a):5.6−4.8ppm:全ISB構造単位由来(プロトン数:3)
(b):6.7−6.5ppm:ISB由来二重結合末端基由来(プロトン数:1)
全ISB構造単位に対するISB由来二重結合末端基の量[mol%]
=(b)積分値/{(a)積分値/3}×100
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂試料約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで定量した。
以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略号、および製造元は次の通りである。
・ISB:イソソルビド[ロケットフルーレ社製]
・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール[SKChemical社製]
<炭酸ジエステル>
・DPC:ジフェニルカーボネート[三菱化学(株)製]
<ヒンダードフェノール化合物>
・Irganox1010:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][BASF社製]
・亜リン酸[太平化学産業(株)製](分子量82.0)
・リン酸[東京化成工業(株)製](分子量98.0)
・ホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)[城北化学工業(株)製](分子量306.4)
・ホスホン酸ジラウリル[城北化学工業(株)製](分子量418.6)
・リン酸ビス(2−エチルヘキシル)(モノエステルとジエステルの混合物)[城北化学工業(株)製](分子量266.3)
・AX−71:リン酸ジステアリル(モノエステルとジエステルの混合物)[(株)ADEKA製](分子量476.7)
・PEP−8:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製](分子量366.5)
・AS2112:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト[(株)ADEKA製](分子量646.9)
・亜リン酸トリラウリル[城北化学工業(株)製](分子量587.0)
・亜リン酸トリフェニル[東京化成工業(株)製](分子量310.3)
・リン酸トリス(2−エチルヘキシル)[東京化成工業(株)製](分子量434.6)
・リン酸トリフェニル[東京化成工業(株)製](分子量326.3)
・PTSB:p−トルエンスルホン酸ブチル[東京化成工業(株)製](分子量228.3)
なお、上記のリン系化合物はすべて塩素原子の含有量が5重量%以下であるものを用いた。
竪型攪拌反応器3器と横型攪拌反応器1器、並びに二軸押出機からなる連続重合設備を用いて、ポリカーボネート樹脂の重合を行った。ISBとCHDMとDPCをそれぞれタンクで溶融させ、ISBを25.6kg/hr、CHDMを25.3kg/hr、DPCを75.5kg/hr(モル比でISB/CHDM/DPC=0.500/0.500/1.005)の流量で第1竪型攪拌反応器に連続的に供給した。同時に、触媒として酢酸カルシウム1水和物の水溶液を全ジヒドロキシ化合物1molに対して1.5μmolとなるように第1竪型攪拌反応器に供給した。第1竪型攪拌反応器での平均滞留時間が90分となるように、反応器底部の移送配管に設けられたバルブの開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。反応器底部より排出された反応液は、引き続き第2竪型攪拌反応器、第3竪型攪拌反応器、第4横型攪拌反応器[(株)日立プラントテクノロジー社製2軸メガネ翼]に逐次連続供給された。第1竪型攪拌反応器と第2竪型攪拌反応器は還流冷却器を具備しており、還流比を調節することで、未反応のジヒドロキシ化合物とDPCの留出を抑制した。
各反応器の反応温度、内圧、滞留時間はそれぞれ、第1竪型攪拌反応器:190℃、25kPa、90分、第2竪型攪拌反応器:195℃、10kPa、45分、第3竪型攪拌反応器:210℃、3kPa、45分、第4横型攪拌反応器:225℃、0.5kPa、90分とした。得られるポリカーボネート樹脂の還元粘度が0.61dL/gから0.64dL/gとなるように、第4横型攪拌反応器の内圧を微調整しながら運転を行った。
第4横型攪拌反応器より60kg/hrの量でポリカーボネート樹脂を抜き出し、続いて樹脂を溶融状態のまま二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30α]に供給した。押出機は3つの真空ベント口を有しており、樹脂中の残存低分子成分を脱揮除去した。第2ベントの手前で水を樹脂に対して2000重量ppm加えて、注水脱揮を行った。押出機はシリンダー温度を220℃、スクリュー回転数を230rpmに設定した。押出機出口での樹脂温度は262℃であった。
押出機を通過したポリカーボネート樹脂は、引き続き溶融状態のままフィルターを通して異物を濾過した後、ダイからストランド状に排出させ、水冷、固化させた後、回転式カッターでペレット化した。得られたポリカーボネート樹脂の溶融粘度は1640Pa・sであり、ガラス転移温度は100℃であった。樹脂中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量は0.1重量ppmであった。ISB由来の二重結合末端基の量はISBに由来する構造単位全体に対して0.25mol%であった。
製造例1において、押出機の第1ベント口の手前から亜リン酸をまぶしたマスターペレットを供給し、ポリカーボネート樹脂に対して亜リン酸を4.3ppm(リン原子の量として1.6ppm)添加した。得られたポリカーボネート樹脂ペレットのYIは6.8、モノヒドロキシ化合物の残存量は230ppmであった。このペレットを用いて、前述の方法にて、炭酸ジエステル含有量、プレート成形体の色調、加熱によるモノヒドロキシ化合物の増加量、PCT処理後の還元粘度保持率、波長350nmにおける光線透過率の評価を行い、結果を表1に示した。
表1に示すとおり、いずれも良好な結果が得られた。
製造例1のとおり、ポリカーボネート樹脂ペレットを一旦得た後、別の二軸押出機を用いて再度溶融させて亜リン酸を混練した。亜リン酸はポリカーボネート樹脂に対して4.3重量ppm添加した。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、このポリカーボネート樹脂は実施例1のポリカーボネート樹脂よりも色調が若干悪化し、滞留成形によるΔYIも大きくなった。
二軸押出機のスクリュー回転数を280rpmとした以外は実施例1と同様に行った。押出機出口の樹脂温度は286℃まで上昇した。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、このポリカーボネート樹脂は実施例1のポリカーボネート樹脂よりも色調がわずかに悪化したが、押出機での脱揮効率が向上したことにより、モノヒドロキシ化合物の残存量が低下した。
実施例1において、亜リン酸に替えてリン酸を用いた以外は実施例1と同様に行った。リン酸の添加量は5.2重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、良好な品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
実施例1において、亜リン酸に替えてホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。ホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)の添加量は32.2重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、良好な品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
実施例1において、亜リン酸に替えてホスホン酸ジラウリルを用いた以外は実施例1と同様に行った。ホスホン酸ジラウリルの添加量は44.0重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、良好な品質のポリカーボネート樹脂が得られた。
実施例1において、亜リン酸に替えてリン酸ビス(2−エチルヘキシル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。リン酸ビス(2−エチルヘキシル)の添加量は21.0重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の色調は良好であったが、実施例1〜6のポリカーボネート樹脂と比較すると、加熱によるモノヒドロキシ化合物の増加量が若干多くなったことから、触媒失活効果がやや劣っていることが分かる。
実施例1において、亜リン酸に替えてAX−71を用いた以外は実施例1と同様に行った。AX−71の添加量は37.0重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の色調は良好であったが、実施例1〜6のポリカーボネート樹脂と比較すると、加熱によるモノヒドロキシ化合物の増加量が若干多くなった。
実施例1において、亜リン酸に替えてPEP−8を用いた以外は実施例1と同様に行った。PEP−8の添加量は38.5重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の色調は良好であったが、実施例1〜6のポリカーボネート樹脂と比較すると、加熱によるモノヒドロキシ化合物の増加量が若干多くなった。
実施例1において、第3ベントの手前でIrganox1010を樹脂100重量部に対して0.1重量部加えた。得られたポリカーボネート樹脂の色調は実施例1よりもさらに向上した。
製造例1において、DPCの供給量を76.2kg/hrとし(モル比でISB/CHDM/DPC=0.500/0.500/1.015)、得られるポリカーボネート樹脂の還元粘度が0.50〜0.53dL/gとなるように第4横型攪拌反応器の内圧を調整した。得られたポリカーボネート樹脂の溶融粘度は620Pa・sであり、押出機出口の樹脂温度は255℃に低下した。ISB由来の二重結合末端基の量は、ISBに由来する構造単位全体に対して0.18mol%であった。ガラス転移温度は99℃であった。
押出機ではホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)を樹脂に対して32.2重量ppm添加した。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂は、実施例1〜6のポリカーボネート樹脂と比較して、さらに色調が向上した。
製造例1において、押出機で添加剤を何も加えずにポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、このポリカーボネート樹脂は実施例1〜6のポリカーボネート樹脂と比較して、ペレットYIや初期のプレートの色調が悪化し、モノヒドロキシ化合物の含有量も多かった。さらに、加熱後の色調やモノヒドロキシ化合物の増加量も悪化した。
比較例1において、押出機のスクリュー回転数を280rpmとした以外は比較例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の色調は比較例1のポリカーボネート樹脂よりもさらに悪化した。
実施例1において、亜リン酸の添加量を2.0重量ppmとした以外は実施例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、このポリカーボネート樹脂の品質は、実施例1のポリカーボネート樹脂よりも全体的に劣っていた。
実施例1において、亜リン酸の添加量を22.0重量ppmとした以外は実施例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂は、滞留後のプレートの色調が悪化した。この結果から、リン系化合物の添加量が多すぎると、モノヒドロキシ化合物の低減には効果があるが、樹脂の色調を悪化させる傾向があることが分かる。
実施例1において、押出機のベント口を閉じて真空脱揮を行わなかった以外は実施例1と同様に行った。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂は、実施例1のポリカーボネート樹脂と比較して、色調が若干悪化し、モノヒドロキシ化合物の残存量が増加した。
実施例1において、亜リン酸に替えてAS2112を用いた以外は実施例1と同様に行った。AS2112の添加量は200重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、AS2112による品質改良の効果は見られなかった。
実施例1において、亜リン酸に替えて亜リン酸トリラウリルを用いた以外は実施例1と同様に行った。亜リン酸トリラウリルの添加量は200重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、亜リン酸トリラウリルによる品質改良の効果は見られなかった。
実施例1において、亜リン酸に替えて亜リン酸トリフェニルを用いた以外は実施例1と同様に行った。亜リン酸トリフェニルの添加量は100重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、亜リン酸トリフェニルによる品質改良の効果は見られなかった。
実施例1において、亜リン酸に替えてリン酸トリス(2−エチルヘキシル)を用いた以外は実施例1と同様に行った。リン酸トリス(2−エチルヘキシル)の添加量は150重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)による品質改良の効果は見られなかった。
実施例1において、亜リン酸に替えてリン酸トリフェニルを用いた以外は実施例1と同様に行った。リン酸トリフェニルの添加量は100重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、リン酸トリフェニルによる品質改良の効果は見られなかった。
実施例1において、亜リン酸に替えてPEP−8を用いた以外は実施例1と同様に行った。PEP−8の添加量は100重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂では、滞留後のプレートの色調が悪化した。
実施例1において、亜リン酸に替えてPTSBを用いた以外は実施例1と同様に行った。PTSBの添加量は24.0重量ppmとした。得られたポリカーボネート樹脂の評価結果を表1に示す。
表1に示す通り、得られたポリカーボネート樹脂の品質は比較例1のポリカーボネート樹脂と変わらず、PTSBによる品質改良の効果は見られなかった上に、滞留による着色はむしろ悪化している傾向が見られた。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂であり、下記条件(A)から(D)をすべて満たすポリカーボネート樹脂。
(A)シリンダー温度250℃、滞留時間5分以下の条件において、該ポリカーボネート樹脂から射出成形された厚さ3mmのプレート成形体のYIが1.80以下である。
(B)シリンダー温度250℃、滞留時間20分以上の条件において、該ポリカーボネート樹脂から射出成形された厚さ3mmのプレート成形体のYIと、前記滞留時間5分以下の条件で射出成形されたプレート成形体のYIとの差が0.30以下である。
(C)該ポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の含有量が700重量ppm以下である。
(D)該ポリカーボネート樹脂を260℃で60分間加熱した後のモノヒドロキシ化合物の増加量が700重量ppm以下である。 - 測定温度240℃、剪断速度91.2sec−1における該ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が400Pa・s以上、4000Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
- 該ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が80℃以上、180℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂。
- リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び脂肪族環状亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記リン系化合物をリン原子の量として0.1重量ppm以上、8重量ppm以下含有することを特徴とする請求項4に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記リン系化合物中の塩素原子の含有量が5重量%以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のポリカーボネート樹脂。
- 該ポリカーボネート樹脂が、ヒンダードフェノール化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を25重量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する二重結合末端基を、前記式(2)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位全体に対して0.4mol%以下含有することを特徴とする請求項9に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/または脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を10重量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記ポリカーボネート樹脂中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量が、金属量として1重量ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
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