JP2011157545A - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、従来のポリカーボネート樹脂は、長時間紫外線や可視光に曝露される場所で使用すると、色相や透明性、機械的強度が悪化するため、屋外や照明装置の近傍での使用に制限があった。又、種々成形品として使用する場合、溶融成形時に熱により黄変し、透明材料や光学材料等に用いることが困難であるという問題があった。
ところが、このような紫外線吸収剤を添加した場合、紫外線照射後の色相などの改良は認められるものの、そもそもの樹脂の色相や耐熱性、透明性の悪化を招いたり、また成型時に揮発して金型を汚染する等の問題があった。
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[24]に存する。
[1] 構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物由来
の構成単位を含むポリカーボネート樹脂であって、該ジヒドロキシ化合物由来の構成単位1mol当たり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を20μmol以下、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を700重量ppm以下含有するポリカーボネート樹脂に対して、リン系酸化防止剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物。
[2] 前記リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくと
も1種の金属がマグネシウム及び/又はカルシウムであることを特徴とする[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3] 構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物を含
むジヒドロキシ化合物と、下記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂と、リン系酸化防止剤とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該触媒がリチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物であり、該金属を含む化合物量が金属量として該ジヒドロキシ化合物1mol当たり、20μmol以下であり、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を700重量ppm以下含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[4] 前記リン系酸化防止剤が、ホスファイト系酸化防止剤であることを特徴とする[1]
乃至[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5] 前記リン系酸化防止剤を、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0001重量部以上2重量部以下含有することを特徴とする[1] 乃至[4]のいずれかに記
載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6] 前記リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤を、前記ポリカーボネート樹脂100
重量部に対して0.0001重量部以上2重量部以下さらに含有することを特徴とする[
1]乃至[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7] 前記リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤が、イオウ系酸化防止剤及び/又はフ
ェノール系酸化防止剤であることを特徴とする[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[8] 前記リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物がマグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物であることを特徴とする[3]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[9] 前記ポリカーボネート樹脂中のナトリウム、カリウム、セシウムの合計量が、金
属量として1重量ppm以下である[1]乃至[8]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[10] 前記ポリカーボネート樹脂中のリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムの
合計量が、金属量として1重量ppm以下である[1]乃至[9]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[11] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、前記一般式(2)で表される炭酸ジエス
テルを60重量ppm以下含有することを[1]乃至[10]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[12] 構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物が
、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする[1]乃至[11]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[14] 前記ポリカーボネート樹脂中の下記一般式(4)で表される末端基の濃度が、
20μeq/g以上160μeq/g以下であることを特徴とする[1]乃至[13]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
以外に結合したHのモル数を(B)とした場合に、
A/(A+B)≦0.05
であることを特徴とする[1]乃至[14]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[16] 前記ポリカーボネート樹脂組成物において、離型剤0.0001重量部以上2
重量部以下を更に含むことを特徴とする[1]乃至[15]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[17] 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形
された成形体(厚さ3mm)の波長350nmにおける光線透過率が60%以上であることを特徴とする[1]乃至[16]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[18] 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の波長
320nmにおける光線透過率が30%以上であることを特徴とする[1]乃至[17]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[19] 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値が12以下であることを特徴とする、[1]乃至[18]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。[20] 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の初期
のイエローインデックス(YI)値が7以下であることを特徴とする[1]乃至[19]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[21] 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の初期の
イエローインデックス(YI)値と、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値との差の絶対値が6以下であることを特徴とする[1]乃至[2
0]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[22] 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)のL*値が96.3以上であることを特徴とする[1]乃至[21]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[23] [1] 乃至[22] のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形して
なることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
[24] 前記ポリカーボネート樹脂成形品が、射出成形法により成形されたものである
ことを特徴とする[23] に記載のポリカーボネート樹脂成形品。
(1) ポリカーボネート樹脂組成物
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物由来の構成単位を含むポリカーボネート樹脂であって、該ジヒドロキシ化合物由来の構成単位1mol当たり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を20μmol以下、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を700重量ppm以下含有するポリカーボネート樹脂に対して、リン系酸化防止剤を含有するポリカーボネート樹脂組成物。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記特定のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と下記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとを、特定の触媒を特定量の存在下、重縮合させたポリカーボネート樹脂と、特定の酸化防止剤からなり、芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量を特定量以下とすることにより、耐光性、透明性、色相、耐熱性、熱安定性、成形性及び機械的強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物となる。とりわけ、耐光性については、従来は可視光領域の吸収が注視されていたが、本発明者は可視
光に吸収がなく人間の目では着色が認められない場合であっても、太陽光線や人工照明などに晒された場合に、着色する樹脂組成物と着色しない樹脂組成物があることを見出し、意外にも、特定の波長の光線透過率を一定以上にすることで解決でき、更に色相についても優れるという知見に基づき本発明に至ったものである。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の波長350nmにおける光線透過率が60%以上であるのが好ましく、より好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。該波長における光線透過率が60%を下回ると、吸収が大きくなり、耐光性が悪化する場合がある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)を、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値が12以下であるのが好ましく、より好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。
に100時間照射することをいう。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)を、上記のようなメタルハライドランプでの照射処理等を行わずに、透過光で測定したイエローインデックス値(初期のイエローインデックス値、初期のYI値と言う)が通常10以下、好ましくは7以下、特に好ましくは5以下であり、メタルハライドランプ照射前後でのイエローインデックス値の差の絶対値が6以下であるのが好ましく、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。
更には、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)を透過光で測定した国際照明委員会(CIE)で規定されたL*値は通常96.3以上、好ましくは96.6以上、好適には96.8以上である
。L*値が96.3を下回った場合には、耐光性が悪化する傾向がある。
うなポリカーボネート樹脂組成物を構成するポリカーボネート樹脂は、例えば、触媒の種類と量を適宜選択する、重合時の温度及び時間を適宜選択する、樹脂中の紫外線吸収能を有する化合物、例えば、残存フェノール、残存ジフェニルカーボネートを減らす、原料モノマーとして紫外領域に吸収を持つ物質の使用量を減らす、原料中の不純物として含まれる紫外領域に吸収を持つ物質の使用量を減らす等して製造することができる。特に、触媒の種類と量、重合時の温度及び時間が重要である。又、酸化防止剤は特定の化合物であることが必要であり、特定量含有することが好ましい。
(2)ポリカーボネート樹脂
<原料>
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂は、構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物(以下、「本発明のジヒドロキシ化合物」と称することがある。)を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得られる。すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂は下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含む。
本発明のジヒドロキシ化合物としては、構造の一部に上記一般式(1)で表される部位を有するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール類、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等、側鎖に芳香族基を有し、主鎖に芳香族基に結合したエーテル基を有する化合物、下記一般式(3)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(5)で表されるスピログリコール等の環状エーテル構造を有する化合物が挙げられるが、中でも、入手のし易さ、ハンドリング、重合時の反応性、得られるポリカーボネート樹脂の色相の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましく、耐熱性の観点からは、下記一般式(3)で表されるジヒドロキシ化合物に代表される無水糖アルコール、下記一般式(5)で表される環状エーテル構造を有する化合物が好ましい。
種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのジヒドロキシ化合物のうち、芳香環構造を有しないジヒドロキシ化合物を用いることがポリカーボネート樹脂の耐光性の観点から好ましく、中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、耐光性、光学特性、成形性、耐熱性、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン等の芳香族ビスフェノール類が挙げられる。
リン酸塩、硼酸塩、脂肪酸塩や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性アンモニウム化合物、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等のアミン系化合物が挙げられる。その中でも、その効果と後述する蒸留除去のしやすさから、NaまたはKのリン酸塩、亜リン酸塩が好ましく、中でもリン酸水素2Na、亜リン酸水素2Naが好ましい。
樹脂の製造原料として用いると、塩基性安定剤自体が重合触媒となり、重合速度や品質の制御が困難になるだけでなく、初期色相の悪化を招き、結果的に成形品の耐光性を悪化させるため、ポリカーボネート樹脂の製造原料として使用する前に塩基性安定剤をイオン交換樹脂や蒸留等で除去することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述した本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。
用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネート等が例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートであり、特に好ましくはジフェニルカーボネートである。なお、炭酸ジエステルは、塩化物イオンなどの不純物を含む場合があ
り、重合反応を阻害したり、得られるポリカーボネート樹脂の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留などにより精製したものを使用することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述のように本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と上記一般式(2)で表される炭酸ジエステルをエステル交換反応させてポリカーボネート樹脂を製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。この場合、通常、エステル交換反応触媒存在下でエステル交換反応により重縮合を行う。
用いられる触媒としては、製造されたポリカーボネート樹脂組成物の耐光性、透明性、色相、耐熱性、熱安定性、成形性及び機械的強度のうち、とりわけて耐光性を満足させ得るものであれば、限定されないが、長周期型周期表における1族または2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。好ましくは1族金属化合物及び/又は2族金属化合物が使用される。
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
ンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げられ、中でもマグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物が好ましく、重合活性と得られるポリカーボネート樹脂組成物の色相の観点から、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましく、最も好ましくはカルシウム化合物である。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
の耐光性が悪化する可能性がある。
すなわち、ジヒドロキシ化合物由来の構成単位1mol当たり、リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を20μmol以下含有する。好ましくは0.1μmol〜10μmol、さらに好ましくは0.5μmol〜3μmol、特に好ましくは0.7μmol〜1.5μmol、最も好ましくは1.0μmol〜1.5μmolである。
また、1族金属、中でもナトリウム、カリウム、セシウムは、特にはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムは、ポリカーボネート樹脂中に多く含まれると色相に悪影響を及ぼす可能性があり、該金属は使用する触媒からのみではなく、原料や反応装置から混入する場合があるため、ポリカーボネート樹脂中のこれらの合計量は、金属量として、通常1重量ppm以下、好ましくは0.8重量ppm以下、より好ましくは0.7重量ppm以下である。
<製造方法>
本発明のポリカーボネート樹脂は、本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と前記一般式(2)の炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合させることによって得られるが、原料であるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。
ロキシ化合物と前記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとを混合する操作は、酸素濃度10vol%以下、更には0.0001vol%〜10vol%、中でも0.0001vol%〜5vol%、特には0.0001vol%〜1vol%の雰囲気下で行うことが、色相悪化防止の観点から好ましい。
このモル比率が小さくなると、製造されたポリカーボネート樹脂の末端水酸基が増加して、ポリマーの熱安定性が悪化し、成型時に着色を招いたり、エステル交換反応の速度が低下したり、所望する高分子量体が得られない可能性がある。
更には、本発明のジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物に対して、前記一般式(2)で表される炭酸ジエステルのモル比率が増大すると、得られるポリカーボネート樹脂中の残存炭酸ジエステル量が増加しポリカーボネート樹脂組成物中の炭酸ジエステル含有量も増大する。これらが紫外線を吸収してポリカーボネート樹脂組成物の耐光性を悪化させる場合があり、好ましくない。本発明のポリカーボネート樹脂組成物中の炭酸ジエステルの濃度は、好ましくは200重量ppm以下、更に好ましくは100重量ppm以下、特に好ましくは60重量ppm以下、中でも30重量ppm以下が好適である。現実的にポリカーボネート樹脂組成物中には未反応の炭酸ジエステルを含むことがあり、濃度の下限値は通常1重量ppmである。
重合初期においては、相対的に低温、低真空でプレポリマーを得、重合後期においては相対的に高温、高真空で所定の値まで分子量を上昇させることが好ましいが、各分子量段階でのジャケット温度と内温、反応系内の圧力を適切に選択することが色相や耐光性の観点から重要である。例えば、重合反応が所定の値に到達する前に温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比を狂わせ、重合速度の低下を招いたり、所定の分子量や末端基を持つポリマーが得られなかったりして結果的に本願発明の目的を達成することができない可能性がある。
種類と量の選定が重要である。
本発明のポリカーボネート樹脂は、触媒を用いて、複数の反応器を用いて多段階で重合させて製造することが好ましいが、重合を複数の反応器で実施する理由は、重合反応初期においては、反応液中に含まれるモノマーが多いために、必要な重合速度を維持しつつ、モノマーの揮散を抑制してやることが重要であり、重合反応後期においては、平衡を重合側にシフトさせるために、副生するモノヒドロキシ化合物を十分留去させることが重要になるためである。このように、異なった重合反応条件を設定するには、直列に配置された複数の重合反応器を用いることが、生産効率の観点から好ましい。
本発明において、反応器が2つ以上であれば、その反応器中で、更に条件の異なる反応段階を複数持たせる、連続的に温度・圧力を変えていくなどしてもよい。
重合反応の温度は、低すぎると生産性の低下や製品への熱履歴の増大を招き、高すぎるとモノマーの揮散を招くだけでなく、ポリカーボネート樹脂の分解や着色を助長する可能性がある。
副生したモノヒドロキシ化合物は、資源有効活用の観点から、必要に応じ精製を行っ
た後、炭酸ジフェニルやビスフェノールA等の原料として再利用することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述の通り重縮合後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化される。
ット化させる方法、又は、最終重合反応器から溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させて一旦ペレット化させた後に、再度一軸または二軸の押出機に樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法等が挙げられる。
押出機中の、溶融混練温度は、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度や分子量に依存するが、通常150℃〜300℃、好ましくは200℃〜270℃、更に好ましくは230℃〜260℃である。溶融混練温度が150℃より低いと、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、ポリカーボネートの熱劣化が激しくなり、分子量の低下による機械的強度の低下や着色、ガスの発生を招く。
また、押出されたポリカーボネート樹脂を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂の還元粘度が低すぎると成形品の機械的強度が小さい可能性があり、大きすぎると、成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。
更に本発明のポリカーボネート樹脂中の下記一般式(6)で表される末端基の濃度の下限量は、通常20μeq/g、好ましくは40μeq/g、特に好ましくは50μeq/gであり、上限は通常160μeq/g、好ましくは140μeq/g、特に好ましくは100μeq/gである。
下記一般式(4)で表される末端基の濃度を制御するには、原料である本発明のジヒド
ロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と前記一般式(2)で表される炭酸ジエステルのモル比率を制御する他、エステル交換反応時の触媒の種類や量、重合圧力や重合温度を制御する方法等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂と酸化防止剤を含んでなり、酸化防止剤としてはリン系酸化防止剤を含有する。
酸化防止剤として、リン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤とを含有してもよい。リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤としては、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
これらの酸化防止剤は、単独または2種類以上を併用してもよい。ポリカーボネート樹脂成形品の透明性の観点からは、リン系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤との併用が好ましく、熱安定性の観点からは、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との併用が好ましい。ここで、リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.0001重量部以上2重量部以下、さらに好ましくは、0.0001重量部以上1重量部以下、特に好ましくは0.0002重量部以上0.1重量部以下である。
リン系酸化防止剤としては、ホスフィネート系酸化防止剤、ホスフォネート系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。ここで、リン系酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは0.0001重量部以上2重量部以下、さらに好ましくは、0.0001重量部以上1重量部以下、特に好ましくは0.0002重量部以上0.1重量部以下である。
ホスフィネート系酸化防止剤としては、メチルホスフィネート、エチルホスフィネート、ブチルホスフィネート、エチルヘキシルホスフィネート、パルミチルホスフィネート、ステアリルホスフィネート、ラウリルホスフィネート、フェニルホスフィネート、ベンジルホスフィネート、トルイルホスフィネート、ノニルフェニルホスフィネート、オレイルホスフィネート、エチルメチルホスフィネート、エチルジメチルホスフィネート、(エチルヘキシル)メチルホスフィネート、(エチルヘキシル)ジメチルホスフィネート、パルミチルメチルホスフィネート、パルミチルジメチルホスフィネート、ステアリルメチルホスフィネート、ステアリルジメチルホスフィネート、ラウリルメチルホスフィネート、ラウリルジメチルホスフィネート、フェニルメチルホスフィネート、エチルフェニルホスフ
ィネート、(エチルヘキシル)フェニルホスフィネート、パルミチルフェニルホスフィネート、ステアリルフェニルホスフィネート、ステアリルジフェニルホスフィネート、ラウリルフェニルホスフィネート、ラウリルジフェニルホスフィネート、フェニルフェニルホスフィネート、ベンジルフェニルホスフィネート等が挙げられる。
前記含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、前記含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
(ホスフォネート系酸化防止剤)
ホスフォネート系酸化防止剤としては、ジメチルホスフォネート、ジエチルホスフォネート、ジブチルホスフォネート、ジ(エチルヘキシル)ホスフォネート、ジデシルホスフォネート、ジパルミチルホスフォネート、ジステアリルホスフォネート、ジラウリルホスフォネート、ジフェニルホスフォネート、ジベンジルホスフォネート、ジトルイルホスフォネート、ジ(ノニルフェニル)ホスフォネート、ジオレイルホスフォネート、ジメチルメチルホスフォネート、ジエチルメチルホスフォネート、ジ(エチルヘキシル)メチルホスフォネート、ジパルミチルメチルホスフォネート、ジステアリルメチルホスフォネート、ジラウリルメチルホスフォネート、ジフェニルメチルホスフォネート、ジメチルフェニルホスフォネート、ジエチルフェニルホスフォネート、ジ(エチルヘキシル)フェニルホスフォネート、ジパルミチルフェニルホスフォネート、ジステアリルフェニルホスフォネート、ジラウリルフェニルホスフォネート、ジフェニルフェニルホスフォネート、ジベンジルフェニルホスフォネート等が挙げられる。
前記含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、前記含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
ス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。これらの化合物は、1種又は2種以上を併用することができる。
前記含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、前記含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)、テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタンなどをあげることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタンが好ましい。
前記含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、前記含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物はフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の化合物が挙げられる。
前記含有量が過度に少ないと、成形時の着色抑制効果が不十分になることがある。また、前記含有量が過度に多いと、射出成形時における金型への付着物が多くなったり、押出成形によりフィルムを成形する際にロールへの付着物が多くなったりすることにより、製品の表面外観が損なわれるおそれがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、更に離型剤を含有していることが好ましい。離型剤としては、高級脂肪酸、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、蜜蝋等の天然動物系ワックス、カルナバワックス等の天然植物系ワックス、パラフィンワックス等の天然石油系ワックス、モンタンワックス等の天然石炭系ワックス、オレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられ、高級脂肪酸、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルが特に好ましい。
又は全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には更に酸性化合物を含有していてもよい。
酸性化合物の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、少なくとも1種の酸性化合物0.00001重量部以上0.1重量部以下、好ましくは、0.0001重量部以上0.01重量部以下、さらに好ましくは0.0002重量部以上0.001重量部以下である。
酸性化合物としては、例えば、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらの酸性化合物又はその誘導体の中でも、スルホン酸類又はそのエステル類が好ましく、中でも、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチルが特に好ましい。
工程において添加することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、帯電防止剤を含有することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、重合体や紫外線吸収剤に基づくレンズの黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としては、従来、ポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。これらのブルーイング剤は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、通常0.1×10―4重量部〜2×10―4重量部の割合で配合される。
無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム;カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維、ウィスカー等が挙げられる。これらの中でも、ガラスの繊維状充填材、ガラスの粉状充填材、ガラスのフレーク状充填材;炭素の繊維状充填材、炭素の粉状充填材、炭素のフレーク状充填材;各種ウィスカー、マイカ、タルクが好ましい。より好ましくは、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、ワラストナイト、マイカ、タルクが挙げられる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は例えば、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ABS、ASなどの合成樹脂、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネートなどの生分解性樹脂、ゴムなどの1種又は2種以上と混練して、ポリマーアロイとしても用いることもできる。
以下において、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂組成物、成形品等の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)酸素濃度の測定
重合反応装置内の酸素濃度を酸素計(AMI社製:1000RS)を使用し、測定した。
ポリカーボネート樹脂のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(3)ポリカーボネート樹脂中の各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比及び末端フェニル基濃度の測定
ポリカーボネート樹脂中の各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比は、ポリカーボネート樹脂30mgを秤取し、重クロロホルム約0.7mLに溶解し、溶液とし、これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1HNMRスペクトルを測定した。各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に基づくシグナル強度比より各ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位比を求めた。末端フェニル基濃度は、1,1,2,2−テトラブロモエタンを内標として、上記と同様に1H−NMRを測定し、内標と末端フェニル基に基づくシグナル強度比より求めた。
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂ペレット約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで金属濃度を測定した。
ポリカーボネート樹脂組成物試料1.25gを塩化メチレン7mlに溶解し、溶液とした後、総量が25mlになるようにアセトンを添加して再沈殿処理を行った。次いで、該処理液を0.2μmディスクフィルターでろ過して、液体クロマトグラフィーにて定量を行った。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、110℃で10時間乾燥した。次に、乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、樹脂温度220℃、成形サイクル23秒間の条件で、射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形する操作を繰り返し、10ショット目〜20ショット目で得られた射出成形片の厚み方向での透過光におけるイエローインデックス(初期のYI)値とL*値をカラーテスタ(コニカミノルタ社製CM−370
0d)を用いて測定し、平均値を算出した。YI値が小さい程、黄色味がなく品質が優れることを示し、L*値が大きいほど明度が高いことを示す。
前述したポリカーボネート樹脂組成物の初期色相の評価において、射出成形機による射出成形片の成形サイクルを、20ショット目から60秒とし、30ショット目まで成形操作を繰り返す。そして、30ショット目で得られた射出成形品の厚み方向の透過光におけるYI値を、上記カラーテスタを用いて測定し、平均値を算出した。
上記で(6)で得られた射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm、10ショット目〜20ショット目)の厚み方向の光線透過率を、紫外可視分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U2900)を用いて測定し、その平均値を算出し評価した。
(9)芳香環に結合したHのモル数(A)の全Hのモル数(A+B)に対する比(ここで(B)は芳香環に結合していないHのモル数である)
内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)をあらかじめ添加混合した重クロロホルムのみのスペクトルを測定し、TMSと重クロロホルム中に含まれる残存Hのシグナル比を求めた。次に、ポリカーボネート樹脂30mgを秤取し、前記重クロロホルム約0.7mLに溶解させた。これを内径5mmのNMR用チューブに入れ、日本電子社製JNM−AL400(共鳴周波数400MHz)を用いて常温で1HNMRスペクトルを測定した。得られたNMRチャートの6.5ppm〜8.0ppmに現れるシグナルの積分値から、重クロロホルム中に含まれる残存Hのシグナルの積分値(TMSのシグナルの積分値および前記で予め求めたTMSと重クロロホルム中に含まれる残存Hとの比から求める)を差し引いた値をaとする。一方、0.5ppm〜6.5ppmに現れるシグナルの積分値をbとすると、a/(a+b)=A/(A+B)となるので、これを求めた。
スガ試験機社製メタリングウェザーメーターM6Tを用いて、63℃、相対湿度50%の条件下、光源として水平式メタリングランプを、インナーフィルターとして石英を、またランプの周囲にアウターフィルターとして#500のフィルターを取り付け、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kw/m2になるように設定し、上記(6)で得られた20ショット目の平板(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)の正方形の面に対して、100時間照射処理を行った。照射後のYI値を上記(6)と同様に測定した。
ISB:イソソルビド (ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール (イーストマン社製)
DPC:ジフェニルカーボネート (三菱化学社製)
(酸化防止剤)
アデカスタブ 2112:トリス(2,4−ジ−tertブチルフェニル)ホスファイト(ADEKA社製)
アデカスタブ AO−412S:テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタン(ADEKA社製)
アデカスタブ AO−60:ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}(ADEKA社製)
(離型剤)
S−100A:ステアリン酸モノグリセリド(理研ビタミン社製)
[実施例1]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、ISBとCHDM、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたDPCおよび酢酸カルシ
ウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005vol%〜0.001vol %)。続いて熱媒で加温を行い、内温が
100℃になった時点で撹拌を開始し、内温を100℃に制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が215℃に到達した時点でこの温度を保持したまま、減圧を開始し、90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にした。次いでこの温度、圧力をさらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気は、還流冷却器への入口温度として100℃に制御された蒸気を冷媒として用いた還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を重合反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
更に3ベントおよび注水設備を供えた二軸押出機に連続的にPC樹脂Aを供給し、表1に示した組成となるように離型剤としてS100A、酸化防止剤としてアデカスタブ2112及びアデカスタブAO−412Sを連続的に添加するとともに、二軸押出機に具備された各ベント部よりフェノールなどの低分子量物を減圧脱揮したのち、ペレタイザーによりペレット化を行い、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。得られたポリカーボネート樹脂組成物について、上記記載の評価方法により、各種物性等を評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例1の酸化防止剤をアデカスタブ2112、AO−412S、AO−60に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
[実施例3]
実施例1の酸化防止剤をアデカスタブ2112に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1の酸化防止剤をアデカスタブ2112、AO−60に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例1]
実施例1の酸化防止剤を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1の酸化防止剤をAO−412Sに変えた以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例3]
実施例1の酸化防止剤をAO−60に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例4]
実施例1の酸化防止剤をAO−412S、AO−60に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
酢酸カルシウム1水和物の代わりに炭酸セシウムを用いた他は実施例1と同様に実施した。
[比較例6]
酢酸カルシウム1水和物の代わりに炭酸セシウムを用いた他は実施例2と同様に実施した。
Claims (24)
- 前記リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属がマグネシウム及び/又はカルシウムであることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 構造の一部に下記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と、下記一般式(2)で表される炭酸ジエステルとを、触媒の存在下、重縮合により得られるポリカーボネート樹脂と、リン系酸化防止剤とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該触媒がリチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物であり、該金属を含む化合物量が金属量として該ジヒドロキシ化合物1mol当たり、20μmol以下であり、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を700重量ppm以下含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リン系酸化防止剤が、ホスファイト系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リン系酸化防止剤を、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0001重量部以上2重量部以下含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤を、前記ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.0001重量部以上2重量部以下さらに含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リン系酸化防止剤と異なる酸化防止剤が、イオウ系酸化防止剤及び/又はフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項6に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リチウム及び長周期型周期表における2族からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物がマグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物であることを特徴とする請求項3に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂中のナトリウム、カリウム、セシウムの合計量が、金属量として1重量ppm以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂中のリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムの合計量が、金属量として1重量ppm以下である請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、前記一般式(2)で表される炭酸ジエステルを60重量ppm以下含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂が、構造の一部に前記一般式(1)で表される部位を有するジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂肪族ジヒドロキシ化合物及び脂環式ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構成単位を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂中の芳香環に結合したHのモル数を(A)、芳香環以外に結合したHのモル数を(B)とした場合に、
A/(A+B)≦0.05
であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 前記ポリカーボネート樹脂組成物において、離型剤0.0001重量部以上2重量部以下を更に含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物が、該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の波長350nmにおける光線透過率が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の波長320nmにおける光線透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値が12以下であることを特徴とする、請求項1乃至18のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の初期のイエローインデックス(YI)値が7以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)の初期のイエローインデックス(YI)値と、63℃、相対湿度50%の環境下にて、メタルハライドランプを用い、波長300nm〜400nmの放射照度1.5kW/m2で、100時間照射処理した後に、透過光で測定したASTM D1925−70に準拠したイエローインデックス(YI)値との差の絶対値が6以下であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形体(厚さ3mm)のL*値が96
.3以上であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 請求項1乃至22のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成形品。
- 前記ポリカーボネート樹脂成形品が、射出成形法により成形されたものであることを特徴とする請求項23に記載のポリカーボネート樹脂成形品。
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