JP6146989B2 - ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6146989B2 JP6146989B2 JP2012250574A JP2012250574A JP6146989B2 JP 6146989 B2 JP6146989 B2 JP 6146989B2 JP 2012250574 A JP2012250574 A JP 2012250574A JP 2012250574 A JP2012250574 A JP 2012250574A JP 6146989 B2 JP6146989 B2 JP 6146989B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate resin
- compound
- weight
- resin composition
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
従来のポリカーボネート樹脂は、石油資源から誘導される原料を用いて製造されるが、近年、石油資源の枯渇が危惧されており、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂の提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が気候変動などをもたらすことが危惧されていることからも、使用後に廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな植物由来モノマーを原料としたポリカーボネート樹脂の開発が求められている。
有する化合物(B)を0.05〜5重量部含有し、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を1000重量ppm以下含有するポリカーボネート樹脂組成物が、優れた品質を示し、かつ高い溶融安定性を有することを見出し、本発明に至った。
(1)下記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、カルボジイミド、イソシアネート、エポキシ、シラン、酸無水物、オキサゾリンからなる群より選ばれる少なくとも1種
の官能基を1分子内に3つ以上有する化合物(B)を0.05〜5重量部含有し、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を1000重量ppm以下含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
(3)前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が80℃以上、180℃以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
以下の赤いマーカーのところを修正してください。
(4)測定温度250℃、剪断速度91.2sec−1 における前記ポリカーボネート
樹脂の溶融粘度が300Pa・s以上、3000Pa・s以下であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(5)前記ポリカーボネート樹脂が、前記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を30重量%以上含有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(6)前記ポリカーボネート樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物、または脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を5重量%以上、80重量%以下含有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(7)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、酸性リン酸エステル、脂肪族環状亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物を含有することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(8)前記リン系化合物をリン原子の量として1重量ppm以上8重量ppm以下含有することを特徴とする(7)に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(9)前記ポリカーボネート樹脂中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量
が、金属量として1重量ppm以下であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
(10)(1)乃至(9)のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法であって、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記化合物(B)を、ベント式二軸押出機を用いて混練することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
(11)前記押出機出口の樹脂温度が200℃以上、280℃以下であることを特徴とする(10)に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
(12)前記押出機において、芳香族モノヒドロキシ化合物の脱揮率が20%以上であることを特徴とする(10)または(11)に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、カルボジイミド、イソシアネート、エポキシ、シラン、酸無水物、オキサゾリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を1分子内に3つ以上有する化合物(B)
を0.1〜0.05重量部含有し、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を1000重量ppm以下含有するポリカーボネート樹脂組成物である。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂の構造、および製造するための方法について詳述する。
<原料>
(ジヒドロキシ化合物)
本発明のポリカーボネート樹脂は、前記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物(以下、「本発明のジヒドロキシ化合物」と称する場合がある。)に由来する構造単位を少なくとも含む。本発明のジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド(ISB)、イソマンニドおよびイソイデットが挙げられる。これらのジヒドロキシ化合物の中でも、植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが最も好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明のポリカーボネート樹脂は、本発明のジヒドロキシ化合物に由来する構造を30重量%以上含有することが耐熱性や光学物性の観点からは好ましい。さらに好ましくは35重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である。また、含有量が多すぎると機械物性が低下することがあるため、上限値としては80重量%以下であることが好ましい、さらに好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。
本発明のジヒドロキシ化合物は、還元剤、抗酸化剤、脱酸素剤、光安定剤、制酸剤、pH安定剤または熱安定剤等の安定剤を含んでいてもよい。特に酸性下で本発明のジヒドロキシ化合物は変質しやすいことから、塩基性安定剤を含むことが好ましい。
塩基性安定剤としては、例えば、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations2005)における1族または2族の金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硼酸塩および脂肪酸塩、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシドおよびブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性アンモニウム化合物、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエタノールアミン、ピロリジン、ピペリジン、3−アミノ−1−プロパノール、エチレンジアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾールおよびアミノキノリン等のアミン系化合物、並びにジ−(tert−ブチル)アミンおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のヒンダードアミン系化合物が挙げられる。安定剤の中でも安定化の効果からはジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、イミダゾールまたはヒンダードアミン系化合物が好ましい。
少なすぎると本発明のジヒドロキシ化合物の変質を防止する効果が得られない可能性があり、多すぎると本発明のジヒドロキシ化合物の変性を招く場合があるので、本発明のジヒドロキシ化合物に対して、0.0001重量%〜1重量%であることが好ましく、より好ましくは0.001重量%〜0.1重量%である。
ての作用や着色への影響が小さいため、蒸留などによって安定剤を除去せずに重合反応に用いることができる。
また、本発明のジヒドロキシ化合物は、酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管または製造時の取り扱いの際には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤を用いたり、窒素雰囲気下にしたりすることが好ましい。
前記の脂環式炭化水素のジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、リモネンなどのテルペン化合物から誘導されるジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン等が挙げられる。
前記の芳香族基に結合したエーテル基を主鎖中に有するジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニルおよびビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
脂環式炭化水素のジヒドロキシ化合物としては、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはトリシクロデカンジメタノールが好ましく、より好ましいのは1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノールまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサン構造を有するジヒドロキシ化合物であり、最も好ましいのは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
(炭酸ジエステル)
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述した特定ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを原料として、エステル交換反応により重縮合させて得ることができる。用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記式(6)で表されるものが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、炭酸ジエステルは、塩化物イオンなどの不純物を含む場合があり、重合反応を阻
害したり、得られるポリカーボネート樹脂の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留などにより精製したものを使用することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上述したジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換反応させて製造する。より詳細には、エステル交換させ、副生するモノヒドロキシ化合物等を系外に除去することによって得られる。
前記エステル交換反応の際には、エステル交換反応触媒存在下で重縮合を行うが、本発明のポリカーボネート樹脂の製造時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、単に触媒、重合触媒と言うことがある)は、反応速度または重縮合して得られるポリカーボネート樹脂の品質に非常に大きな影響を与え得る。
前記の塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン、トリブチルホスフィンおよび四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
中でも長周期型周期表における2族からなる群及びリチウムより選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、特にはマグネシウム化合物及び/またはカルシウム化合物を用いる場合は、金属量として、前記全ジヒドロキシ化合物1mol当たり、0.1μmol以上が好ましく、より好ましくは0.3μmol以上、特に好ましくは0.5μmol以上とする。また上限としては、20μmol以下が好ましく、より好ましくは10μmol以下であり、さらに好ましくは5μmol以下で、特に好ましくは3μmol以下である。
本発明のポリカーボネート樹脂は、特定ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合させることによって得られる。
原料であるジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルは、エステル交換反応前に均一に混合することが好ましい。混合の温度は通常80℃以上、好ましくは90℃以上であり、その
上限は通常250℃以下、好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下である。中でも100℃以上120℃以下が好適である。混合の温度が低すぎると溶解速度が遅かったり、溶解度が不足する可能性があり、しばしば固化等の不具合を招き、混合の温度が高すぎるとジヒドロキシ化合物の熱劣化を招く場合があり、結果的に得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、耐候性に悪影響を及ぼす可能性がある。
重合初期においては、相対的に低温、低真空でプレポリマーを得、重合後期においては相対的に高温、高真空で所定の値まで分子量を上昇させることが好ましいが、各分子量段階でのジャケット温度と内温、反応系内の圧力を適切に選択することが重合速度の制御や得られるポリカーボネート樹脂の品質の観点から重要である。例えば、重合反応が所定の値に到達する前に温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが留出し、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルのモル比率を狂わせ、重合速度の低下を招いたり、所定の分子量や末端基を持つポリマーが得られなかったりして結果的に本願発明の目的を達成することができない可能性がある。
樹脂の色相を損なわないようにするためには、前述の触媒の種類と量の選定が重要である。本発明のポリカーボネート樹脂は、触媒を用い、複数の反応器を用いて多段階で重合させて製造することが好ましいが、重合を複数の反応器で実施する理由は、重合反応初期においては、反応液中に含まれるモノマーが多いために、必要な重合速度を維持しつつ、モノマーの揮散を抑制してやることが重要であり、重合反応後期においては、平衡を重合側にシフトさせるために、副生するモノヒドロキシ化合物を十分留去させることが重要になるためである。このように、異なった重合反応条件を設定するには、直列に配置された複数の重合反応器を用いることが、生産効率の観点から好ましい。
本発明において、重合触媒は原料調製槽、原料貯槽に添加することもできるし、重合槽に直接添加することもできるが、供給の安定性、重合の制御の観点からは、重合槽に供給される前の原料ラインの途中に触媒供給ラインを設置し、好ましくは水溶液で供給する。
重合速度の低下を抑止し、熱履歴による劣化を最小限に抑えるためには、重合の最終段階でプラグフロー性と界面更新性に優れた横型反応器を使用することが好ましい。
副生したモノヒドロキシ化合物は、資源有効活用の観点から、必要に応じ精製を行った後、炭酸ジフェニルやビスフェノールA等の原料として再利用することが好ましい。
押出機を使用すると、残存モノマーの減圧脱揮や、通常知られている熱安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃
剤等を添加、混練することもできる。
脂肪族環状亜リン酸エステルは、リン原子を含む環状構造中に芳香族基を含まない亜リン酸エステル化合物と定義する。例えば、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマーなどジヒドロキシ化合物とペンタエリスリトールジホスファイトからなるポリマー型の化合物などが挙げられる。
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン、n−オクタデシル−3−(3',5’−ジ−tert−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
また、前記ポリカーボネート樹脂には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤を配合することもできる。具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。
押出機中の溶融混練温度は、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度や分子量に依存するが、通常200〜300℃、好ましくは210〜280℃、更に好ましくは220〜270℃である。溶融混練温度が200℃より低いと、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度が高く、押出機への負荷が大きくなり、生産性が低下する。300℃より高いと、ポリカーボネート樹脂の熱劣化が激しくなり、分子量の低下による機械的強度の低下や着色、ガスの発生を招く。
香族モノヒドロキシ化合物はフェノールである。炭酸ジエステルと同様に芳香族モノヒドロキシ化合物もポリカーボネート樹脂中に多く残存すると、成形加工時の問題を生じることがある。本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含有される芳香族モノヒドロキシ化合物の残存量は1000重量ppm以下であることを特徴としている。さらに700重量ppm以下であると好ましく、特には300重量ppm以下であると好ましい。触媒失活剤である前述のリン系化合物を適量用いることや、十分に脱揮処理を行うこと、さらにはこれらを組み合わせて行うことにより、ポリカーボネート樹脂中の芳香族モノヒドロキシ化合物の残存量を低減し、かつ加熱下での発生を抑制することができる。
前記の芳香族モノヒドロキシ化合物の樹脂中の含有量や加熱発生量が多いと、後述する化合物(B)の官能基と芳香族モノヒドロキシ化合物が反応してしまい、所望とする特性が得られないことがある。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、カルボジイミド、イソシアネート、エポキシ、シラン、酸無水物、オキサゾリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を1
分子内に3つ以上有する化合物(B)を含有する。
化合物(B)はポリカーボネート樹脂の末端水酸基と結合することが可能な前記官能基を有している。本発明の目的であるポリカーボネート樹脂の分子量低下を抑制するためには、溶融下で化合物(B)によって、ポリカーボネート樹脂の末端水酸基同士を結合させて、分子量を増加させる反応を起こしてやればよい。そのため、化合物(B)は1分子内に前記官能基を2以上有する必要がある。しかし、前記の官能基はポリカーボネート樹脂中の水分や芳香族モノヒドロキシ化合物とも反応するため、本願発明のようにポリマー鎖同士を効率良く結合させるためには、官能基は1分子内に3つ以上有していることを特徴としている。
イソシアネート:メタクリル酸2−イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有(メタ)クリル酸エステルやイソシアネート基含有スチレン
エポキシ:メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)クリル酸エステルやエポキシキ基含有スチレン
シラン:ビニルトリアルコキシシラン、ビニルアルキルトリアルコキシシラン、トリアルコキシシリルノルボルネン、p−スチリルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン等のアルコキシシラン基含有ビニルモノマー
酸無水物:無水マレイン酸等のカルボン酸無水物
オキサゾリン:2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有ビニルモノマー
1981,Vol.8,No.4,p.619−621)により、製造されたものを用いることができる。
混練時に樹脂温度が上がりすぎると、ポリカーボネート樹脂(A)や化合物(B)の熱分解により、所望とする特性が得られなくなることがあるため、押出機出口の樹脂温度は280℃以下とすることが好ましく、さらには270℃以下、特に260℃以下とすることが好ましい。また、樹脂の溶融粘度と押出機の動力の制約から、下限値としては200℃以上とすることが好ましく、さらには210℃以上、特に220℃以上とすることが好ましい。押出機出口の樹脂温度は、樹脂の処理量やスクリューの回転数、シリンダーの温度設定、スクリューエレメントの選択などにより調節することができる。
明性を活かすためには、前述のとおり、化合物(B)の組成や分子量を調整することで、混練後の樹脂の透明性をできるだけ高く保つことが好ましい。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ3mmのプレート成形体の全光線透過率が70%以上であることが好ましい。さらに好ましくは、75%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明によれば、色相、透明性、耐熱性、耐候性、光学特性、及び機械的強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することができる。
脂の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)還元粘度の測定
ポリカーボネート樹脂試料を塩化メチレンに溶解させ、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート樹脂溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求め、
ηrel=t/t0
相対粘度から次式より比粘度ηspを求めた。
比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて測定した。樹脂試料約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で室温から250℃まで昇温した。3分間温度を保持した後、30℃まで20℃/分の速度で冷却した。30℃で3分保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温した。2回目の昇温で得られたDSCデータより、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求め、それをガラス転移温度とした。
パーキンエルマー社製マイクロウェーブ分解容器にポリカーボネート樹脂試料約0.5gを精秤し、97%硫酸2mLを加え、密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱した。室温まで冷却後、68%硝酸1.5mLを加えて、密閉状態にして150℃で10分間マイクロウェーブ加熱した後、再度室温まで冷却を行い、68%硝酸2.5mLを加え、再び密閉状態にして230℃で10分間マイクロウェーブ加熱し、内容物を完全に分解させた。室温まで冷却後、上記で得られた液を純水で希釈し、サーモクエスト社製ICP−MSで定量した。
ポリカーボネート樹脂のペレットを90℃で5時間以上、真空乾燥した。乾燥した試料を用いて、キャピラリーレオメーター[東洋精機(株)製]で測定を行った。測定温度は250℃、ダイス径1mmφ×10mmLのオリフィスを使用した。樹脂をシリンダーに投入し、5分予熱した後、剪断速度91.2sec−1で溶融粘度を測定した。測定開始10分後の溶融粘度を初期溶融粘度とし、測定開始30分後の溶融粘度を滞留溶融粘度とする。また、初期溶融粘度に対する滞留溶融粘度の比率を溶融粘度保持率とした。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、90℃で10時間乾燥した。次に乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製J75EII型)に供給し、最終シリンダーの温度を240℃、成形サイクル23秒間の条件で、射出成形片(幅60mm×長さ60mm×厚さ3mm)を成形した。得られた射出成形片についてJIS K7105に準拠し、ヘイズメーター(色彩・濁度同時測定器COH400、日本電色工業(株)製)を使用し、D65光源にて全光線透過率を測定した。全光線透過率は大きいほど透明性に優れる。
ポリカーボネート樹脂試料約1gを精秤し、塩化メチレン5mLに溶解し溶液とした後、総量が25mLになるようにアセトンを添加して再沈殿処理を行った。次いで、該処理液を0.2μmディスクフィルターでろ過して、液体クロマトグラフィーにて定量を行った。
ポリカーボネート樹脂を90℃で5時間以上、真空乾燥した。乾燥したポリカーボネート樹脂約5gをガラス試験管に入れ、容器内を窒素置換した後、窒素シールした。260℃に加熱したオイルバスに、試験管内のポリカーボネート樹脂ペレットがオイル液面よりも下になるように試験管を浸け、60分後にオイルバスから取り出した。室温付近まで冷却した後、樹脂を取り出し、前述の(6)の方法でポリカーボネート樹脂中のモノヒドロキシ化合物の量を測定し、加熱処理前のモノヒドロキシ化合物の量を引いて、加熱によって増加した量を求めた。
・ISB:イソソルビド[ロケットフルーレ社製]
・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール[SK Chemical社製]
・DPC:ジフェニルカーボネート[三菱化学(株)製]
・ホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)[城北化学工業(株)製]
・カルボジライトLA−1(官能基:カルボジイミド化合物)[日清紡ケミカル(株)製]
・ARUFON UG−4040(官能基:エポキシ)[東亞合成(株)製]
・EHPE 3150(官能基:エポキシ)[(株)ダイセル製]
・JONCRYL ADR4368(官能基:エポキシ)[BASF製]
・エポクロスRPS−1005(官能基:オキサゾリン)[(株)日本触媒製]
・ダイヤカルナ30(官能基:酸無水物)[三菱化学(株)製]
・リンクロンXVF600N(官能基:シラン)[三菱化学(株)製]
・リンクロンXHE740N(官能基:シラン)[三菱化学(株)製]
・エポライト1600(1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)[共栄社化学(株)製]
・トリレンジイソシアネート[東京化成工業(株)製]
・ピロメリット酸無水物[東京化成工業(株)製]
[ポリカーボネート樹脂の製造例]
ポリカーボネート樹脂(A)ペレット100重量部に対して、化合物(B)としてカルボジライトLA−1を2重量部添加して、均一になるようにブレンドし、ベント口を1つ
有するベント式二軸押出機を用いて混練した。押出機出口の樹脂温度は254℃であった。押出機での芳香族モノヒドロキシ化合物の脱揮率は48%であり、加熱発生量は119重量ppmであった。混練で得られたペレットを用いて、前述の方法にて全光線透過率と溶融粘度保持率の測定を行った。全光線透過率は58.7%であり、若干低い値となった。溶融粘度保持率は83%であり、良好な値を示した。結果を表1にまとめる。
実施例1において、カルボジライトLA−1を1重量部用いた。全光線透過率は74.0%であり、実施例1よりも向上した。溶融粘度保持率は79%であり、実施例1よりも若干低下したものの良好な値を示した。
[実施例3]
実施例1において、カルボジライトLA−1を0.5重量部用いた。全光線透過率は82.6%であり、実施例1や実施例2よりも向上した。溶融粘度保持率は76%であり、実施例1や実施例2よりも若干低下したものの良好な値を示した。
実施例2において、押出機のスクリュー回転数を上げて混練を行った。押出機出口の樹脂温度は283℃となった。全光線透過率は78.2%であり、実施例2よりも若干向上したが、溶融粘度保持率は75%であり、実施例2よりも若干低下した。
[実施例5]
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、ARUFON UG−4040を1重量部用いた。溶融粘度保持率は81%であり、良好な値を示した。
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、EHPE 3150を1重量部用いた。溶融粘度保持率は83%であり、良好な値を示した。また、全光線透過率は87.0%であり、透明性も優れていた。
[実施例7]
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、JONCRYL ADR4368を1重量部用いた。溶融粘度保持率は79%であり、良好な値を示した。また、全光線透過率は89.6%であり、透明性も優れていた。
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、エポクロスRPS−1005を1重量部用いた。溶融粘度保持率は80%であり、良好な値を示した。
[実施例9]
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、ダイヤカルナ30を1重量部用いた。溶融粘度保持率は83%であり、良好な値を示した。
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、リンクロンXHE740Nを1重量部用いた。溶融粘度保持率は78%であり、良好な値を示した。
[実施例11]
実施例1において、カルボジライトLA−1に替えて、リンクロンXVF600Nを1重量部用いた。溶融粘度保持率は81%であり、良好な値を示した。また、全光線透過率は85.8%であり、透明性も優れていた。
実施例1において、化合物(B)を用いなかった。溶融粘度保持率は70%であり、溶融下での分子量低下が大きかった。
[比較例2]
ポリカーボネート樹脂の製造例において、押出機での真空脱揮を行わなかった。また、押出機にてホスホン酸ビス(2−エチルヘキシル)を添加しなかった。得られたポリカーボネート樹脂中の芳香族モノヒドロキシ化合物の含有量は1160重量ppmであった。このポリカーボネート樹脂ペレット100重量部に対して、化合物(B)としてカルボジライトLA−1を1重量部添加して、均一になるようにブレンドし、ベント式二軸押出機を用いて混練した。この際も押出機のベントは使用しなかった。押出機出口の樹脂温度は251℃であった。混練後のペレットのモノヒドロキシ化合物の加熱発生量は1120重量ppmであり、加熱発生量も905重量ppmと非常に多かった。溶融粘度保持率は73%であり、カルボジライトLA−1を同量添加した実施例2と比較して低い値となった。
実施例1において、化合物(B)として2官能性であるエポライト1600を1重量部用いた。溶融粘度保持率は72%であり、各実施例よりも低くなった。
[比較例4]
実施例1において、化合物(B)として2官能性であるトリレンジイソシアネートを1重量部用いた。溶融粘度保持率は73%であり、各実施例よりも低くなった。
実施例1において、化合物(B)として2官能性であるピロメリット酸無水物を1重量部用いた。溶融粘度保持率は72%であり、各実施例よりも低くなった。
Claims (11)
- 下記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を少なくとも含むポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、カルボジイミド、イソシアネート、エポキシ、シラン、酸無水物、オキサゾリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の官
能基を1分子内に3つ以上有する化合物(B)を0.05〜5重量部含有し、かつ、芳香族モノヒドロキシ化合物を1000重量ppm以下含有し、
前記ポリカーボネート樹脂が、脂肪族ジヒドロキシ化合物、または脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を5重量%以上、80重量%以下含有し、
ポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ3mmのプレート成形体の全光線透過率が70%以上であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- 該ポリカーボネート樹脂組成物を260℃、60分間加熱した後の芳香族モノヒドロキシ化合物の増加量が700重量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が80℃以上、180℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 測定温度250℃、剪断速度91.2sec−1 における前記ポリカーボネート樹脂
の溶融粘度が300Pa・s以上、3000Pa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 前記ポリカーボネート樹脂が、前記構造式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を30重量%以上含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、酸性リン酸エステル、脂肪族環状亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン系化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記リン系化合物をリン原子の量として1重量ppm以上8重量ppm以下含有することを特徴とする請求項6に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネート樹脂中のナトリウム、カリウム及びセシウムの合計の含有量が、金属量として1重量ppm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法であって、前記ポリカーボネート樹脂(A)と前記化合物(B)を、ベント式二軸押出機を用いて混練することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記押出機出口の樹脂温度が200℃以上、280℃以下であることを特徴とする請求項9に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
- 前記押出機において、芳香族モノヒドロキシ化合物の脱揮率が20%以上であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012250574A JP6146989B2 (ja) | 2012-11-14 | 2012-11-14 | ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012250574A JP6146989B2 (ja) | 2012-11-14 | 2012-11-14 | ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014098094A JP2014098094A (ja) | 2014-05-29 |
JP6146989B2 true JP6146989B2 (ja) | 2017-06-14 |
Family
ID=50940365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012250574A Active JP6146989B2 (ja) | 2012-11-14 | 2012-11-14 | ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6146989B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6495088B2 (ja) * | 2015-04-28 | 2019-04-03 | 旭化成株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 |
WO2018116607A1 (ja) * | 2016-12-19 | 2018-06-28 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
JP7422510B2 (ja) * | 2019-09-30 | 2024-01-26 | 積水化成品工業株式会社 | 改質ポリカーボネート樹脂の製造方法 |
WO2021070741A1 (ja) * | 2019-10-08 | 2021-04-15 | 帝人株式会社 | 樹脂組成物 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5558661B2 (ja) * | 2007-05-15 | 2014-07-23 | 帝人株式会社 | 導電性樹脂組成物 |
JP5437580B2 (ja) * | 2007-08-31 | 2014-03-12 | 帝人株式会社 | 電気・電子機器外装部品 |
JP5978555B2 (ja) * | 2010-01-07 | 2016-08-24 | 三菱化学株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 |
-
2012
- 2012-11-14 JP JP2012250574A patent/JP6146989B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014098094A (ja) | 2014-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6010919B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
WO2011071166A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2010150539A (ja) | ジヒドロキシ化合物を使用したポリカーボネートの製造方法 | |
JP2011111614A (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP5782691B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6146989B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP6560934B2 (ja) | 自動車用内外装部材 | |
WO2011071165A1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6659378B2 (ja) | 自動車用内外装部材 | |
JP2014080602A (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP5644243B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂成形品 | |
JP6349849B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP6179318B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP6264809B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP6146151B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP6163794B2 (ja) | ポリカーボネートの製造方法 | |
JP2012041467A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2015048421A (ja) | ポリカーボネート樹脂 | |
JP5617693B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6287318B2 (ja) | 樹脂組成物及び三次元物体の製造方法 | |
JP2012046627A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2015129212A (ja) | 導光板 | |
JP6281358B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂の製造方法 | |
JP2015187204A (ja) | ポリカーボネート樹脂からなる押出成形品 | |
JP6079843B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150918 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160803 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160816 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170419 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170425 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170516 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6146989 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |