JP4435752B2 - 光ディスク基板 - Google Patents
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Description
本発明者は、上記目的を達成せんとして、光ディスク基板材料について鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネート樹脂とポリカプロラクトンからなる光ディスク基板用成形材料が、低吸水性、成形性に優れており、該樹脂より形成された光ディスク基板及び光ディスクは吸湿及び脱湿過程による反り変化が小さいことを見出し、本発明に到達した。
支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性ポリカーボネートフィルムからなるカバー層を有してなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける支持基板であって、該支持基板が、繰り返し単位として下記式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂100重量部に対してポリカプロラクトンを1〜5重量部配合してなり、かつ23℃、水中浸漬によって測定された飽和吸水率が0.3%以下の熱可塑性樹脂を用いて形成された支持基板であり、かつ該光ディスクを温度30℃、湿度95%の湿熱環境で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%の常湿状態に戻した場合の光ディスクの反り角変化が0.75度以内であることを特徴とする支持基板用の光ディスク基板である。
で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂からなることが好ましく、前記一般式[1]が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから選ばれる少なくとも一種から誘導された繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂であることがさらにより好ましい。特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導される繰り返し単位であるポリカーボネート樹脂、若しくは4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンより誘導される繰り返し単位であり、その構成比が10:90〜90:10の範囲(モル比)であるポリカーボネート樹脂であることが好ましい。更にその構成比が30:70〜70:30の範囲(モル比)であるポリカーボネート樹脂であることがより好ましい。
よりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物である。
かかるナトリウム金属1ppm以下の高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価または多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。また、かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、2−エチルヘキシルステアレートなどが挙げられる。なかでもステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステルの配合量は、熱可塑性樹脂組成物中0.01〜2重量%が好ましく、0.015〜0.5重量%がより好ましく、0.02〜0.2重量%がさらに好ましい。配合量がこの範囲内であれば離型性に優れ、また離型剤がマイグレートし金属表面に付着することもなく好ましい。また、ナトリウム金属含有量が1ppmを超えると製造されたディスク基板は色相が悪化し、またPCの加水分解による白色欠点が増加することにより品質が低下する。
なお、再生専用光ディスク媒体の場合は、上述した光反射層のみを基板上に形成する事になるが、材料としては同じものを使用することが出来る。
ガラス転移温度の測定は、JIS K7121に規定されている示差走査熱量測定(DSC)に従い、DSC−2910(TAインストルメント製、商品名:DSC2910)を用いて実施した。測定条件は、加熱速度 20℃/min、窒素流量 40ml/min、測定温度 20℃〜250℃である。また、測定サンプルは、測定試料を4〜8mg秤量し、アルミニウム製サンプルパンに入れ、サンプルカバーをし、プレスフォーミングツールで押さえ密封した。ガラス転移温度は得られたDSC曲線(縦軸:熱量(W/g)、横軸:温度(℃))から、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度とした。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
メルトボリュームレート(MVR)を、ISO1133に規定された長さと直径のオリフィス(ダイ)を有するセミオートメルトインデクサー(東洋精機製、商品名:L251)を用いて実施した。測定条件は試験温度 300℃、試験荷重 11.77N(1.2kgf)である。測定サンプルはポリカーボネート樹脂を押出機にて溶融混練し、ペレット化した試料を用いた。上記装置にて、一定の区間を通過するサンプルの時間を測定し、単位時間当たりの流れ量(容量)を算出した。単位はcm3/10分で示した。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
吸水率をASTM D570に規定された23℃、水中浸漬による重量変化率にて測定した。測定試料は、真空プレス成形機(神藤金属工業所製、製品名:SFV−10)を使用し、直径45mm、厚み30mmの円形金型に、ポリカーボネート樹脂を押出機にて溶融混練したペレット5〜7gを入れ、金型温度300℃、一次圧力0.5MPa、保持時間1.5分で溶融後、二次圧力1.5MPa、保持時間5分で圧縮し、その後、室温まで冷却して型から取り出した成形品を使用した。120℃、4時間以上乾燥させた成形品の重量を秤量し、初期重量(W0)とし、該成形品を23℃、水中浸漬し、24時間毎に成形品を水中から取り出し、圧空を使用して表面に付着した水分を除去した後に重量を秤量し、下式で吸水率を算出した。また、24時間毎に下式で算出された吸水率の経時変化が5%未満となった値を飽和吸水率とした。測定値は小数点以下第一位を四捨五入した値を採用した。
吸水率={(24時間毎の測定重量)−W0}/W0×100 (%)
光ディスクが互いに接触しないようスペーサーを挟み、温度23℃、湿度50%RH環境に2日間以上放置後、12hr置きに定時的に測定し、ラジアルチルトの前後の変化率が5%以下となる時点でジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uによりラジアルチルトの評価を行い、初期ラジアルチルトとした。
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した。その後、光ディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、経時的(30分毎)に光ディスクのラジアルチルトをジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uにより測定した。得られた測定値の最大値を示した値をラジアルチルトの最大値とした。測定したラジアルチルトの最大値と初期ラジアルチルトとの差(△ラジアルチルト)を評価した。
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクをパルステック工業製ODU-1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%以下を○、8.0%以下を△、8.0を超えた値を示した場合を×とした。
初期ラジアルチルトを評価した光ディスクを30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した。その後、光ディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、経時的(30分毎)に光ディスクのラジアルチルトをジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uにより測定した。得られた測定値の最大値を示したディスクを用いてパルステック工業製ODU-1000にてジッタ測定を行った。測定したジッタ値が6.5%以下を○、8.0%以下を△、8.0を超えた値を示した場合を×とした。
基板にスタンパーから転写した溝の深さを、原子間力顕微鏡(セイコー電子工業製SPI3800N)を用いて、半径40mmの位置にて転写溝の深さを測定した。転写性は、次式で示される転写率を指標とし、転写率80%以上〜100%を○、50%以上80%未満を△、50%未満を×とした。
転写率(%)=100×ディスクの溝深さ/スタンパーの溝深さ
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより得られたポリカーボネート樹脂(帝人化成製、パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製 ポリカプロラクトンH1P))を100g添加し、ドライブレンドして均一に混合した。続いてかかる組成物をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度260℃で脱気しながら溶融混錬を行い、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。該ペレットを所定の乾燥温度(=ガラス転移温度-20℃)で5時間乾燥後、射出成形機[住友重機械工業(株)製SD−40E]にスタンパーを装着して、表1記載のシリンダ温度および金型温度で直径120mmφ、厚さ1.1mmの光ディスク基板を射出成形した。
更に、名機製作所製の射出成形機M35B−D−DM、深さ200nm、間隔0.5μm、幅0.2μmの溝が刻まれたスタンパーを用いて、直径120nm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を成形した。なお、シリンダー温度は360℃一定として、金型温度を表1の通り各樹脂に設定した。該光ディスク基板の転写率を測定した。
測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水929.2部、48%水酸化ナトリウム水溶液61.3部を入れ、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン39部、4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール43.6部およびハイドロサルファイト0.17部を溶解した後、p−tert−ブチルフェノール1.51部と塩化メチレン637.9部を加えトリエチルアミン0.09部を添加した後攪拌下15〜25℃でホスゲン32.4部を40分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液15.6部を加え、28〜33℃で約1時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発して1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールとの構成単位の比がモル比で50:50の無色のポリマーを得た。(収率97%)
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水31,500部、48%水酸化ナトリウム水溶液1,730部を入れ、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン2,040部、4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール2,802部およびハイドロサルファイト10部を溶解した後、p−tert−ブチルフェノール81部と塩化メチレン13,770部を加えトリエチルアミン4部を添加した後攪拌下15〜25℃でホスゲン1,670部を60分要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液270部を加え、28〜33℃で約1時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗したのち塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで塩化メチレンを蒸発して9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと4,4´−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノールとの構成単位の比がモル比で50:50の無色のポリマーを得た。(収率96%)
さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン樹(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)のみを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体のみを使用した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例3で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例3と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体のみを使用した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を1,500g添加した以外は使用した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
実施例4で重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を20g添加した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)のみを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、得られたディスクの支持基板表面上に吸湿防止膜としてZnS−SiO2(モル分率80:20)誘電体材料を利用し、記録・再生光の透過率減少が数%程度で抑えられるように、光透過層上への成膜を10nmとし、光情報記録媒体と略同心になるように直径60mmから119mmの領域までに成膜した。初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)10kgに対し、メタターフェニル(東京化成社製)100g、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)100gを使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
ポリカーボネート樹脂(パンライトAD−5503)9kgに対し、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)1kgをドライブレンドして均一に混合した。続いてかかる組成物をベント式二軸押出機[神戸製鋼(株)製KTX−46]によりシリンダー温度220℃で脱気しながら溶融混錬を行い、ペレットを得た。該熱可塑性樹脂8kgを使用し、スチレン−アクリロニトリル共重合体ポリマー(ダイセル化学(株)製アクリロニトリル27重量%)2kgを再度ドライブレンドして使用した以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
容器に入った1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、CHDMと称することがある)をすべて溶融槽に入れ、窒素雰囲気下、70℃で均一溶融した。この溶融したCHDMから計量器により72.0重量部計量し、攪拌装置、蒸留器及び減圧装置を備えた反応槽に仕込んだ。その後、ビスフェノールA(以下、BPAと称することがある)114重量部、ジフェニルカーボネートを220重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.18重量部、水酸化ナトリウム8×10-4重量部を反応槽に仕込み、窒素置換した後、140℃で溶融した。30分攪拌後、内温を180℃に昇温しつつ徐々に減圧し13.3kPaで30分間反応させ、生成するフェノールを溜去した。次に同圧に維持しながら昇温し続け、190℃で30分間、200℃で40分間反応を行い留出PhOH量が124重量部(65%留出、理論量:191重量部)になったところで温度を更に昇温し、210℃で30分間、220℃で30分間、さらに240℃で30分間フェノールを溜去せしめ反応させた。その後、ゆっくりと減圧し240℃で133Pa以下とした。フル真空到達後4時間攪拌下で反応せしめた。失活剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を8×10-4重量部添加後、240℃、13.3kPaで20分間攪拌した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながらペレタイザーでカットしてペレットとした。上記重合したポリカーボネート共重合体10kgに、ポリカプロラクトン(ポリカプロラクトンH1P)を500g添加した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂組成物ペレットを得、該ペレットのガラス転移温度、MVR、飽和吸水率を測定した。さらに、実施例1と同様の方法で光ディスクと基板を作成し、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト及び初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を測定した。測定したガラス転移温度、MVR、飽和吸水率、初期ラジアルチルト、△ラジアルチルト、初期ジッタ、環境試験後のジッタ、転写率を表1に記載した。
Claims (7)
- 支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性ポリカーボネートフィルムからなるカバー層を有してなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスクにおける支持基板であって、該支持基板が、繰り返し単位として下記式[1]で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂100重量部に対してポリカプロラクトンを1〜5重量部配合してなり、かつ23℃、水中浸漬によって測定された飽和吸水率が0.3%以下の熱可塑性樹脂を用いて形成された支持基板であり、かつ該光ディスクを温度30℃、湿度95%の湿熱環境で飽和吸水率に達するまで暴露した後、温度23℃、湿度50%の常湿状態に戻した場合の光ディスクの反り角変化が0.75度以内であることを特徴とする支持基板用の光ディスク基板。
- 該ポリカーボネート樹脂が繰り返し単位として下記式[3]で表される繰り返し単位を少なくとも1種類有するポリカーボネート樹脂である請求項1記載の光ディスク基板。
- 前記一般式[1]が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから選ばれる少なくとも一種から誘導された繰り返し単位である請求項1〜2のいずれかに記載の光ディスク基板。
- 前記一般式[1]が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された繰り返し単位である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク基板。
- 前記一般式[1]が4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール及び/又は9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導された繰り返し単位である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク基板。
- 熱可塑性樹脂のガラス転移温度が110〜180℃である請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク基板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の光ディスク基板を支持基板として有する、支持基板、該基板上に形成された反射層、及び該反射層上に形成された光透過性ポリカーボネートフィルムからなるカバー層を有してなり、カバー層側からレーザー光を入射して記録及び/または再生を行う方式の光ディスク。
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