JP2009186515A - ホログラム記録媒体、ホログラム記録媒体の製造方法、および光情報記録再生装置 - Google Patents

ホログラム記録媒体、ホログラム記録媒体の製造方法、および光情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高記録容量および高屈折率変調、かつ光照射による体積変化の少ないホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】三次元架橋ポリマーマトリックス、光ラジカル発生剤、およびラジカルによって開環重合する脂肪族環状構造を有する開環重合性化合物を含有する記録層を具備することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホログラム記録用媒体、ホログラム記録媒体の製造方法、および光情報記録再生装置に関する。
情報をホログラムとして記録するホログラフィックメモリーは、大容量の記録が可能であり、次世代の記録媒体として注目されている。ホログラム記録用感光性組成物としては、例えばラジカル重合性化合物、熱可塑性バインダー樹脂、光ラジカル重合開始剤(光ラジカル発生剤)、および増感色素を主成分とするものが知られている。こうしたホログラム記録用感光性組成物をフイルム状に成膜して記録層が形成され、干渉露光を行なうことによって情報が記録される。
干渉露光後の記録層においては、光が強く照射された部分では、ラジカル重合性化合物の重合反応が進行する。ラジカル重合性化合物は、露光光の強度の小さい部分から、強度の大きな部分に向かって拡散して、記録層に濃度勾配が発生する。すなわち、干渉光の強弱に応じて、ラジカル重合性化合物の密度差が起こることによって屈折率の差が記録層に生じる。
最近では、三次元架橋ポリマーマトリックス中にラジカル重合性化合物を分散させてなる媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。記録密度を高めるためには、ラジカル重合性化合物を高濃度に充填する必要があるが、相溶性の問題があり、高濃度に充填することができなかった。さらに、ラジカル重合性化合物は光記録時にポリマー化して収縮し、情報が読み出すことができなくなるおそれがある。
特開平11−352303
本発明は、高記録容量かつ高屈折率変調で、かつ光照射による体積変化の少ないホログラム記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるホログラム記録媒体は、三次元架橋ポリマーマトリックス、
光ラジカル発生剤、および
ラジカルによって開環重合する脂肪族環状構造を有する開環重合性化合物
を含有する記録層を具備することを特徴とする。
本発明の一態様にかかるホログラム記録媒体の製造方法は、エポキシモノマー、アルキルシラノール、金属錯体、光ラジカル発生剤および開環重合性化合物を混合して記録層原料溶液を得る工程と、
前記記録層原料溶液を光透過性基板上に塗布することにより、または離間対向された2枚の光透過性基板で挟持することにより、樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層を10℃以上80℃未満に加熱して前記エポキシモノマーを反応させることにより、下記一般式(7)で表わされる構造を含む三次元架橋ポリマーマトリックスを有する記録層を形成する工程と
を具備することを特徴とする。
Figure 2009186515
(上記一般式(7)中、mは3〜16の整数である。)
本発明の一態様にかかる光情報記録再生装置は、前述のホログラム記録媒体の記録部分から情報を読み取り、再生することを特徴とする。
本発明によれば、高記録容量かつ高屈折率変調で、かつ光照射による体積変化の少ないホログラム記録媒体が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体における記録層は、三次元架橋ポリマーマトリックス、光ラジカル発生剤、およびラジカルによって開環重合する脂肪族環状構造を有する開環重合性化合物を含有する。
こうした記録層においては、開環重合性化合物は、光ラジカル発生剤とともに三次元架橋ポリマーマトリックス中に存在することになる。三次元架橋ポリマーマトリックスは、情報を記録する部分を保持するということができる。記録層の所定の領域に光が照射されると、未露光領域から露光領域に開環重合性化合物が移動して、露光領域では、光ラジカル発生剤の作用によって開環重合性化合物が重合する。その結果、露光領域と未露光領域との間の屈折率差が増加する。このようなメカニズムによって、記録層に情報の記録が行なわれる。
三次元架橋ポリマーマトリックス中における開環重合性化合物の移動は、三次元架橋ポリマーマトリックス内の空間と開環重合性化合物の大きさとに依存する。開環重合性化合物は環状構造を有していることから、本来的に分子の大きさが小さい。通常用いられるラジカル重合性化合物であるビニル化合物やアクリル、メタクリル化合物と比較して、分子量が同等の場合には、三次元架橋ポリマーマトリックス内の空間を早く移動することができる。
ポリマーマトリックスが線状高分子である場合には、この線状高分子が長時間保存時に揺らぐために、開環重合性化合物が重合して生じたポリマーも移動してしまう。その結果、情報の読み出しができなくなるなどの問題が起こる。こうした不都合を避けるために、本発明の実施形態においては、三次元架橋ポリマーマトリックスが用いられる。また、線状高分子の末端に官能基を導入し、情報を記録した後に官能基を反応させてマトリックスを固定するといった手法が考えられる。この場合には、記録後の反応によって、体積が再度変化するために記録に悪影響を及ぼすおそれがあることから、こうした手法も避けることが望まれる。
通常用いられるラジカル重合性化合物は、重合時にモノマー同士の分子間距離が縮まるために、重合によって収縮が起こる。例えば、ビニル化合物やアクリル、メタル化合物などが該当する。特に、ビニル化合物の代表であるスチレンは、スチレン同士の重合によって約15%程度の収縮が起こる。この収縮が記録した情報の位置をずらすことになる。また、体積収縮によって情報のゆがみが生じる。本発明の実施形態における開環重合性化合物は、重合により生じる分子間距離の縮小を開環反応によって緩和することができる。
例えば、スチレン(ST)と同等の分子量を有するカチオン重合モノマーであるスチレンオキサイド(STO)は、収縮率が約9%程度であり、ビニル化合物に比べて低い収縮率を示す。1−フェニル−1−シクロプロピルエテン(PCP)の場合には、さらに低い収縮率が期待できる。スチレンオキサイドの開環反応は、1,3−反応といわれる3員環の反応であるのに対し、PCPの開環反応は、ビニル基とシクロプロピル基とがともに反応する1,5−反応である。その結果、PCPの重合により得られた構造がより広い空間となることが、収縮率の低下をもたらす。
これらの化合物を、以下にまとめる
Figure 2009186515
情報の記録は、上述したようなメカニズムによって行なわれる。記録密度は、記録層中における開環重合性化合物の含有量に依存する。したがって、重合によって形成された光記録が破壊されない限り、記録層中に含まれる開環重合性化合物の量は多いほうが好ましい。
情報を記録するためには、露光領域と未露光領域との間における屈折率差Δnは、大きいことが望まれる。屈折率は、露光によって相対的に減少しても構わないが、一般的には露光により屈折率が相対的に増加する方法が用いられる。この場合、用いられる開環重合性化合物の屈折率は、ポリマーマトリックスの屈折率より大きい。
本発明の実施形態において、開環重合性化合物は特に限定されないが、ビニルシクロプロパン化合物、環状スルフィド化合物、ビシクロブタン化合物、ビニル環状ブタン化合物、ビニル環状スルホン化合物、環状ケテンアセタール化合物、メチレンジオキソラン化合物、環状アリルスルフィド化合物、ベンゾシクロブテン化合物、キシリレンダイマー化合物、および環状ジスルフィド化合物などを用いることができる。
環状シクロプロパン化合物、環状スルフィド構造、ビニル環状スルホン、ビシクロブタン構造、および4−メチレン−1,3−ジオキソラン構造の例を、下記一般式に示す。
Figure 2009186515
また、環状ケテンアセタール構造、8−メチレン−1,4−ジオキサスピロ−[4.5]デカ−6,9−ジエン構造、環状アリルスルフィド構造、環状α−オキシアクリル酸エステル構造の例を、下記一般式に示す。
Figure 2009186515
さらに、ベンゾシクロブテン構造、o−キシリレンダイマー構造、エキソメチレン構造とスピロオルトカーボネート構造とを分子内に有する構造、およびエキソメチレン構造とスピロオルトエステル構造とを分子内に有する構造の例を、下記一般式に示す。
Figure 2009186515
上記一般式中、R1,R2,R3およびR4は、水素原子、置換または無置換の有機基である。XはCO2HまたはCNである。R5およびR6は、水素原子、置換または無置換の有機基であり、R7は水素原子、置換または無置換の有機基でありであり、R8は置換または無置換の有機基である。jは、1から5までの整数を表わす。
上述した化合物のなかでも、1−シクロプロピル−1−フェニルエテン、1−シクロプロピル−1−トリブロモフェニルエテン、および1−シクロプロピル−1−ナフチルエテンが有効である。これは、ラジカル反応の反応速度が速く、情報を迅速に記録できることによる。
一般的に、芳香環含有基の屈折率は相対的に高く、脂肪族炭化水素基の屈折率は相対的に低い。したがって、芳香環含有基が含まれていれば、開環重合性化合物の屈折率を、記録層の平均屈折率より高くすることができ、脂肪族炭化水素部分が多く存在していれば、記録層の平均屈折率より低くすることができる。芳香環含有基としては、例えば、フェニル基、フェニレン基、ナフチル基、ナフチレン基、およびカルバゾール基などが挙げられる。こうした芳香環含有基におけるベンゼン環は、例えば塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン、チオール、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基などのイオウ化合物、アルキル基、あるいは芳香族基等で置換されていてもよい。
なお、開環重合性化合物に芳香環が含まれていない場合には、記録部が低屈折率となるホログラムが記録できる。その場合は、開環重合性化合物より記録層の平均屈折率を高くする必要がある。したがって、芳香環は必ずしも開環重合性化合物に含まれる必要はない。
本発明の実施形態においては、ラジカルにより重合する化合物として、上述の開環重合性化合物に加えて、通常のラジカル重合性化合物が含まれていてもよい。この場合、通常のラジカル重合性化合物の量は、開環重合性化合物の重量の(3/2)倍以下に制限される。
通常のラジカル重合化合物は、すでにさまざまな分野で使われており、大量生産および価格の点では有利な物質である。開環重合性化合物の効果を損なわない範囲で配合することによって、ホログラム記録媒体の性能をさらに高めることが可能である。通常のラジカル重合性化合物は、例えば、前述の開環重合性化合物との共重合体として用いることができる。
なお、通常のラジカル重合性化合物の重合に伴なう堆積収縮は、一般に信号のbER(ビットエラーレート)やSNR(信号−雑音比)を低下させることが知られている。上述したような共重合体であれば、bERやSNRの低下を緩和することができるため、通常のラジカル重合モノマーも使用することができる。共重合体中における開環重合性化合物の含有量が40%以上であれば、体積収縮は許容範囲内に抑制されるので、bER、SNRが向上して記録した情報を再生することができる。
通常のラジカル重合化合物の重合性基は、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、エポキシ基、およびオキセタン基からなる群から選択することができる。
低価格の媒体を提供する場合、ポリマーマトリックスには屈折率の低い安価な炭化水素系ポリマーを使用することが有利である。このため、ラジカル重合性化合物は芳香環含有基を含むことが望まれる。芳香環含有基と重合性基とを有するラジカル重合性化合物としては、例えば、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、トリブロモフェニルアクリレート、スチレン、およびジビニルフェニレンなどが挙げられる。
開環重合性化合物は、記録層全体の1〜40重量%の割合となるように配合することが好ましい。1重量%未満の場合には、記録密度が極端に低下するおそれがある。さらに、ポリマーマトリックスの存在比率が多すぎることに起因して、開環重合性化合物の移動が阻害されて記録の感度が低下するおそれがある。一方、40重量%を越えると、ポリマーマトリックスの含有量が相対的に少ないことから、形成された光記録が変形しやすい。この場合には、記録された情報を読み出すことが困難になるおそれがある。開環重合性化合物の含有量は、記録層全体の5〜15重量%であることがより好ましい。
ポリマーマトリックスは、三元架橋ポリマーから構成されることが必要である。三次元架橋ポリマーは、任意の反応により形成することができ、その反応は特に限定されない。例えば、イソシアネートと水酸基との反応、α,β不飽和カルボニルとチオールとの反応、およびエポキシやオキセタンなどの開環カチオン反応などを用いることができる。そのなかでも、エポキシ−アミン重合、エポキシ−酸無水物重合、エポキシホモ重合、およびオキセタンホモ重合などの開環カチオン反応が望ましい。さらに望ましくは、開環カチオン重合であり、アルミ錯体とシラノールとを触媒としたエポキシのホモ重合が、最も望ましい。
エポキシ−アミン重合に用いられるアミンとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびジエチレングリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択されるジグリシジルエーテルと反応して、硬化物が得られる任意の化合物を用いることができる。
具体的には、アミンとしては以下の化合物が挙げられる。例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、ジメチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、トリ(メチルアミノ)ヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、および、3,3’−ジエチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどである。
脂肪族第一アミンは、硬化が速く室温での硬化が可能なため、好適に用いられる。なかでも、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、およびイミノビスプロピルアミンは、特に好適である。こうしたアミンは、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルあるいはジエチレングリコールジグリシジルエーテルのオキシランに対して、アミンのNH−が当量の0.6倍から当量の2倍以下となる配合量で用いることが好ましい。当量の0.6倍未満あるいは2倍を越えてアミンを配合した場合には、解像度が低下するおそれがある。
エポキシモノマーとしては、例えば、グリシジルエーテルを用いることができる。より具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、および1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
エポキシホモ重合は、エポキシモノマーのカチオン重合によって合成することができる。エポキシモノマーとしては、例えば、グリシジルエーテルが挙げられる。より具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、および1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
マトリックス中における開環重合性化合物の移動しやすさを考慮すると、エポキシモノマーとしては、下記一般式(1)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2009186515
(上記一般式(1)中、hは8から12の整数である。)
こうした化合物としては、具体的には、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、および1,12−ドデカンジオールジグリシジルエーテルが挙げられる。
エポキシモノマーをカチオン重合させるにあたっては、金属錯体とアルキルシラノールとが触媒として用いられる。
金属錯体としては、下記一般式(2),(3),(4)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2009186515
(上記一般式中、Mは、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Zn、Ba、Ca、Ce、Pb、Mg、SnおよびVからなる群から選択される。R21、R22、およびR23は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。R24、R25、R26、およびR27は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。R28、R29、およびR30は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。nは2〜4の整数である。)
三次元架橋ポリマーマトリクスとの相溶性および触媒能力を考慮すると、Mとしてはアルミニウム(Al)またはジルコニウム(Zr)が好ましく、R21〜R30としては、アセチルアセトン、メチルアセチルアセテート、エチルアセチルアセテート、プロピルアセチルアセテートなどのアルキルアチルアセテートが好ましい。最も好ましい金属錯体は、アルミニウムトリス(エチルアセチルアセテート)である。
アルキルシラノールとしては、例えば、下記一般式(5)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2009186515
(上記一般式(5)中、R11、R12、およびR13は同一でも異なっていてもよく、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30の芳香族基、および置換または非置換の炭素数3〜30の芳香複素環基から選択される。r、pおよびqは0〜3の整数であり、r+p+qは3以下である。)
前記一般式(5)において、R11、R12、R13として導入され得るアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、R11、R12、R13として導入され得る芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基等が挙げられ、芳香複素環基としては、例えば、ピリジル基、キノリル基等が挙げられる。こうしたアルキル基、芳香族基、および芳香複素環基における少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子等の置換基により置換されていてもよい。
より具体的には、アルキルシラノールとしては、ジフェニルジシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、ジフェニルシランジオール、ジメチルシランジオール、ジエチルシランジオール、フェニルシラントリオール、メチルシラントリオール、およびエチルシラントリオールなどが挙げられる。3次元架橋ポリマーマトリクスとの相溶性および触媒能力を考慮すると、ジフェニルジシラノールおよびトリフェニルシラノールが、アルキルシラノールとして好ましい。
前記一般式(5)で表わされるアルキルシラノールと同様の作用を有する化合物として、下記一般式(6)で表わされるフェノール化合物が挙げられる。
Figure 2009186515
(上記一般式(6)中、R14は置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、または炭素数6〜30の置換芳香族基であり、Arは置換または非置換の炭素数3〜30の芳香族基である。)
14として導入され得るアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。こうしたアルキル基における少なくとも1つの水素原子は、例えば、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。
14として導入され得る置換芳香族基としては、例えば、HO(C66)SO2−、(HO(C66)C(CH32−、HO(C66)CH2−などが挙げられる。
Arとして導入され得る芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基等が挙げられる。こうした芳香族基における少なくとも1つの水素原子は、前述の置換基で置換されていてもよい。
前記一般式(6)で表わされるフェノール化合物は、金属錯体の配位子と置換反応をすることから、前記一般式(5)で表わされるアルキルシラノールと同様の作用を有する。
より具体的には、一般式(6)で表わされるフェノール化合物としては、HO(C66)SO2(C66)OH、HO(C66)CH2(C66)OH、HO(C66)C(CH32(C66)OH、CF3(C66)OH、CF3CF2(C66)OH等が挙げられる。3次元架橋ポリマーマトリクスとの相溶性および触媒能力を考慮すると、CF3(C66)OH、HO(C66)SO2(C66)OHがフェノール化合物として好ましい。
前記一般式(5)で表わされるアルキルシラノールと、前記一般式(2),(3),(4)のいずれかで表わされる金属錯体との組み合わせからなるカチオン重合触媒は、室温(25℃付近)において、開環重合性化合物の重合反応を進行させることができる。このため、開環重合性化合物および光ラジカル発生剤には何等熱履歴を与えることなく、三次元架橋ポリマーマトリックスを形成することができる。形成される三次元架橋ポリマーマトリックスは、下記一般式(7)で表わすことができる。
Figure 2009186515
(上記一般式(7)中、mは3〜16の整数である。)
アルキルシラノールを前記一般式(6)で表わされるフェノール化合物に変更した場合も、同様の効果が得られる。
しかも、前記一般式(5)で表わされるアルキルシラノール、前記一般式(6)で表わされるフェノール化合物、および前記一般式(2),(3),(4)のいずれかで表わされる金属錯体といった触媒成分は、重合により得られた三次元架橋ポリマーマトリックスとは反応することなく、このマトリックス中に存在する。また、イオン性不純物も発生しない。
こうした三次元架橋ポリマーマトリックスと開環重合性化合物と光ラジカル発生剤とを含有する記録層の所定の領域に光を照射して露光を行なった際には、開環重合性化合物が露光領域に移動する。開環重合性化合物が移動して生じた空間には、マトリックス中に存在している触媒成分が移動する。これによって、屈折率の変化がさらに高められる。
触媒成分同士の間で反応が生じても、特に問題はない。反応速度が遅く、急激な反応が起こらないために媒体の収縮、ひずみをコントロールしやすい点から、前記一般式(5)で表わされるアルキルシラノールより、一般式(6)で表わされるフェノール化合物が好ましい。
また、こうした触媒成分は、アルコールなどの分解性生物や不純物を発生しない。触媒能を発生させる際には、媒体中に水分が存在する必要がなく、安定な乾燥状態の媒体を用いることができる。
上述したような金属錯体とアルキルシラノールといった触媒成分は、媒体を保持する基板と記録層との密着性を強める働きをする。金属錯体のような分子中で大きな分極をした分子とシラノールの水酸基とが共存することによって、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)など、さまざまな基板との密着性を高めることができる。
基板との密着性が増加すると、干渉波による情報の書き込み時に微小な露光領域、未露光領域の体積収縮、体積膨張などが生じても、記録層が剥離することはない。記録された情報は、歪まずに維持されることから、記録性能がより高められる。また、この金属錯体およびアルキルシラノールは、失活することなくマトリックス中に存在する。
このことから、媒体をポストベークすることによって書き込んだ情報を固定して、経時変化を回避することができる。媒体に干渉波で露光すると、露光領域においては、開環重合性化合物が重合して密度が高くなり、屈折率が高くなる。一方、未露光領域においては、開環重合性化合物が移動したために密度は低くなって、屈折率は低くなる。このときの開環重合性化合物は、媒体のマトリックスが疎であるほうが移動しやすい。三次元架橋ポリマーマトリックスの架橋密度は低いほうが、開環重合性化合物が移動しやすく、感度が高い媒体となる。
しかしながら、架橋密度が疎である三次元架橋ポリマーマトリックスにおいては、移動した開環重合性化合物またはその重合体は、空間的に密度の低い未露光領域に移動する。そこで、干渉波で露光して情報を記録する際には、開環重合性化合物が移動しやすいように架橋密度を落とすことが望まれる。情報が書き込まれた後には、情報を固定化するために、ポストベークによってマトリックスの架橋密度を高めることが効果的となる。本発明の実施形態にかかる記録媒体は、ポストベークによってマトリックスの架橋密度を高めることができるために、記録性能が向上する。
ポストベークは、40℃以上100℃以下の温度範囲で行なうことが望まれる。40℃未満の場合には、マトリックスの架橋密度を高めることが困難となる。一方、100℃を越えると、マトリックスの分子運動が活発となり、記録した情報が変化し読み出せなくなるおそれがある。
上述したように、干渉波により情報を記録する際には、露光領域において記録層の密度が高くなり、未露光領域の密度は低くなる。記録層の密度差によって、金属錯体およびアルキルシラノールといった触媒成分は、露光領域から未露光領域に移動する。こうした触媒成分の移動は、露光領域への開環重合性化合物の移動を促進する。また、未露光領域に移動した触媒成分は、未露光領域の屈折率を低下させるという作用を有する。
金属錯体、アルキルシラノールを触媒として用いて重合された三次元架橋ポリマーマトリックス(エポキシ樹脂硬化物)は、可視光から紫外光に対して透明であり、最適な硬さを有する。すなわち、露光波長に対して透明なので光ラジカル発生剤の光吸収を妨げることがなく、しかも、開環重合性化合物が適度に拡散できる硬さの三次元架橋ポリマーマトリックスが得られる。したがって、感度および回折効率の優れたホログラム記録媒体を作製することが可能となった。さらに、三次元架橋ポリマーマトリックスが適度な硬さを有していることから、開環重合性化合物が重合した領域における記録層の収縮は抑制される。
三次元架橋ポリマーマトリックスの形成にあたって、上述したようなエポキシモノマーを使用することは、次の点で有利である。すなわち、エポキシモノマーを使用すると、露光の際に生じる開環重合性化合物の移動が阻害されることはない。これは、三次元架橋ポリマーマトリックスが形成する移動に十分な空間が得られること、部分的に架橋三密度が高くなることがないこと、およびマトリックスの極性が低く移動を阻害しないことによる。このため、良好なホログラムを書き込むことが可能である。
本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体における記録層には、上述したような開環重合性化合物およびポリマーマトリックスに加えて、光ラジカル発生剤が含有される。
光ラジカル発生剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、有機過酸化物、およびチオキサントン誘導体等が挙げられる。具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンジルメトキシエチルエーテル、2,2’−ジエチルアセトフェノン、2,2’−ジプロピルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−[(p−メトキシフェニル)エチレン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア149、184、369、651、784、819、907、1700、1800、1850など各番号のもの、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−グチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、デカノイルーパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、およびシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
上述したような光ラジカル発生剤は、開環重合性化合物に対して0.1〜10重量%の割合となるように配合することが好ましい。0.1重量%未満の場合には、十分な屈折率変化が得られないおそれがあり、10重量%を越えると、光吸収が大きくなりすぎて解像度が低下するおそれがある。より好ましくは、光ラジカル発生剤の配合量は、開環重合性化合物に対して0.5〜6重量%である。
必要に応じてシアニン、メロシアニン、キサンテン、クマリン、エオシンなどの増感色素、シランカップリング剤、および可塑剤などを加えてもよい。
上述したように所定の成分を混合して、記録層原料溶液を調製する。得られた記録層原料溶液を用いて所定の基板上に樹脂層を形成し、ポリマーマトリックスを形成することによって記録層が形成される。
例えば光透過性基板上に塗布して、樹脂層を形成する。光透過性基板としては、例えばガラス基板およびプラスチック基板を用いることができ、塗布に当たっては、キャスティングやスピンコート法を採用することができる。あるいは、樹脂製のスペーサーを介して2枚のガラス板を配置し、その間隙に記録層原料溶液を流し込んで樹脂層を形成することもできる。
樹脂層をオーブン、ホットプレート等により加熱することによって、エポキシモノマーのラジカル重合を進行させて、三次元架橋ポリマーマトリックスが形成される。加熱の温度は特に限定されないが10℃以上80℃未満、さらに望ましくは10℃以上60℃未満が望ましい。10℃未満の場合には、三次元架橋の形成が困難となる。一方、80℃以上の場合には、および急激な反応が三次元架橋マトリックスの空間を狭めてマトリックス中の開環重合性化合物の移動速度を低下させるおそれがあり、さらに80℃以上の場合、開環重合性化合物が反応するおそれもある。この反応は室温でも十分反応するため、室温で硬化させる方法が望ましい。
記録層の膜厚は、0.1mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。0.1mm未満の場合には、角度分解能が低下し、多重記録が困難となる。一方、5mmを越えると透過率が低下して性能が劣化するおそれがある。より好ましくは、記録層の膜厚は0.2〜2mmの範囲内である。
本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体に記録を行なう際には、情報光および参照光が照射される。これら2つの光を記録層内部で干渉させることによって、ホログラムの記録または再生が行なわれる。記録されるホログラム(ホログラフィー)は、透過型ホログラム(透過型ホログラフィー)および反射型ホログラム(反射型ホログラフィー)のいずれであっても構わない。情報光と参照光との干渉方法は、二光束干渉法あるいは同軸干渉法とすることができる。
図1は、二光束干渉ホログラフィーに用いられるホログラム記録媒体と、その近傍における情報光および参照光を示す概略図である。図示するようにホログラム記録媒体12は、一対の透明基板17と、これに挟持されたスペーサー18および記録層19とを備えている。透明基板17は、ガラスあるいはポリカーボネート等のプラスチックから構成される。記録層19は、上述したような特定の三次元架橋ポリマーマトリックスと開環重合性化合物を光ラジカル発生剤とを含有する。
こうしたホログラム記録媒体12に情報光10および参照光11が照射されると、図示するように、これらの光は記録層19中で交差する。2つの光の干渉が生じ、これによって変調領域20に透過型ホログラムが形成される。
図2には、ホログラム記録再生装置の一例の概略図を示す。図示するホログラム記録再生装置は、透過型二光束干渉法を用いた光記録再生装置である。
光源装置52から照射された光は、旋光用光学素子54を通過して偏光ビームスプリッター55に導入される。光源装置52としては、外部共振器を有するGaN型半導体レーザーを用いることができる。かかる光源装置は、波長405nmの光をコヒーレント光として出射する。
この場合、旋光用光学素子54としては、波長405nm用の1/2波長板を用いることができる。1/2波長板は、透過型記録媒体41に記録されるホログラムのコントラストが最も大きくなるようにその方位を調整する。
偏光ビームスプリッター55に導入された光は2つに分割され、その一方は、ビームエキスパンダー53を経て偏光ビームスプリッター58に導入され、反射型空間光変調器51により情報を付与される。さらに、リレーレンズ59を通過して、情報光56として対物レンズ50を介して透過型ホログラム型光記録媒体41に照射される。反射型空間光変調器51としては、反射型液晶パネルを用いることができる。
なお、参照符号48は、二次元光検出器であり、例えばCCDアレイを用いることができる。
偏光ビームスプリッター55で分割された光の他方は、旋光用光学素子43を通過して、参照光57となる。旋光用光学素子43としては、波長405nm用の1/2波長板を用いることができる。1/2波長板は、透過型ホログラム型記録媒体41での情報光56と参照光57との偏光方向が等しくなるようにその方位を調整する。この参照光57は、ミラー44およびリレーレンズ45を経て、透過型ホログラム型光記録媒体41に照射される。
記録されたホログラムを安定化させるために、記録後に紫外光源装置49を用いて光を照射して、未反応の開環重合性化合物を重合させてもよい。紫外光源装置49から照射される光は任意の光とすることができ、未反応の開環重合性化合物の重合が可能であれば特に限定されない。紫外発光効率が高い点などから、例えばキセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、窒化ガリウム系発光ダイオード、窒化ガリウム系半導体レーザー、エキシマーレーザー、Nd:YAGレーザーの第3高調波(355nm)、およびNd:YAGレーザーの第4高調波(266nm)などが挙げられる。
図示する装置を用いて媒体に記録を行なうにあたっては、まず、透過型ホログラム型光記録媒体を光記録再生装置に搭載する。ミラー44を駆動させることによりページごとに参照光57の入射角度を変化させる角度多重記録方法を用いて、記録を行なうことができる。例えば、記録スポットは、半径3mm、参照光の角度間隔は0.5°、スポットあたりの多重数を40ページとし、これらの再生像を用いて記録特性を評価する。
光記録媒体41の表面における光強度は、例えば、0.5mW、1ページ当たりの露光時間は1秒とすることができる。反射型空間変調器51には、次のような情報光領域のみを表示した。この情報光領域は、144×144の20736画素の領域を用い、情報光領域の中では4×4の16画素を単位パネルとし、全1296パネルとして情報を扱っている。情報の表現方法としては、4×4の16画素のうち3画素を明画素とする16:3変調方法を用い、1パネルで256通り(1バイト)を表現でき、情報量としては1ページあたり1296バイトとなる。
記録されたホログラムは、CCDアレイ48によって再生することができる。再生の際は、旋光用光学素子54を回転させて、参照光57のみを光記録媒体41に照射する。ミラー47は、参照光57を垂直に反射するように調整し、旋光用光学素子43はCCDアレイ48で得られる再生光強度が最も大きくなるようにその方位を調整する。再生時における光記録媒体での光強度は、例えば0.5mWとすることができる。
本発明の実施形態にかかる記録媒体は、反射型ホログラム記録媒体として用いることもできる。この場合には、例えば、図3に示すように記録が行なわれる。図3は、反射型ホログラム報記録媒体と、その近傍における情報光および参照光を示す概略図である。図示するようにホログラム記録媒体21は、ガラスあるいはポリカーボネート等のプラスチックからなる一対の透明基板23,25と、これに挟持されたスペーサー24および記録層26と、基板23に支持された反射層22とを備えている。記録層26は、上述したような特定の三次元架橋ポリマーマトリックスと、開環重合性化合物と光ラジカル発生剤とを含有する。
透過型ホログラムの場合と同様、反射型ホログラム記録媒体21においても、情報光および参照光40が照射され、これらの光が記録層26中で交差し、干渉によって変調領域(図示せず)に反射型ホログラムが形成される。
図4を参照しつつ、反射型ホログラム記録媒体21への記録方法を説明する。
図示するホログラム記録再生装置における光源装置27としては、透過型ホログラム記録再生装置の場合と同様、コヒーレントな直線偏光を出力するレーザーを使用することが望ましい。レーザーとしては、例えば、半導体レーザー、He−Neレーザー、アルゴンレーザー、YAGレーザーなどを使用することができる。
光源装置27から出力された光ビームは、ビームエキスパンダー30によりビーム径を増加させられ、平行光束として旋光用光学素子28に入射する。
旋光用光学素子28は、先の光ビームの偏波面を回転させることによって、偏波面が紙面に平行な偏光成分(以下、P偏光成分という)と偏波面が紙面に垂直な偏光成分(以下、S偏光成分という)とを含む光を出射する。あるいは、先の光ビームを円偏光または楕円偏光とすることによって、偏波面が紙面に平行な偏光成分とを含む光が出射される。旋光用光学素子28としては、例えば、1/2波長板や1/4波長板を使用することができる。
旋光用光学素子28を出射した光ビームのうち、S偏光成分は偏光ビームスプリッター29により反射され、透過型空間光変調器31に入射する。また、P偏光成分は、偏光ビームスプリッター29を透過する。このP偏光成分は、参照光として利用される。
透過型空間光変調器31は、例えば透過型液晶表示装置のようにマトリックス状に配列した多数の画素を有しており、それを出射する光をP偏光成分とS偏光成分との間で画素毎に切り替えることができる。このようにして、透過型空間光変調器31は、記録すべき情報に対応して二次元的な偏波面分布が与えられた情報光を出射する。
透過型空間光変調器31を出射した情報光は、次いで、偏光ビームスプリッター32に入射する。偏光ビームスプリッター32は、先の情報光のうち、S偏光成分のみを反射し、P偏光成分は透過する。
偏光ビームスプリッター32により反射されたS偏光成分は、二次元的な強度分布が与えられた情報光として電磁シャッター33を通過し、偏光ビームスプリッター37に入射する。この情報光は、偏光ビームスプリッター37により反射され、二分割旋光用光学素子38に入射する。
二分割旋光用光学素子38は、図中、右側の部分と左側の部分との間で光学特性が互いに異なっている。具体的には、情報光のうち、例えば、二分割旋光用光学素子38の右側部分に入射した光成分は偏波面を+45°回転させて出射し、左側部分に入射した光成分は偏波面を−45°回転させて出射する。以下、S偏光成分の偏波面を+45°回転させたもの(あるいは、P偏光成分の偏波面を−45°回転させたもの)をA偏光成分と呼び、S偏光成分の偏波面を−45°回転させたもの(あるいは、P偏光成分の偏波面を+45°回転させたもの)をB偏光成分と呼ぶ。なお、二分割旋光用光学素子38の各部分には、例えば、1/2波長板を用いることができる。
二分割旋光用光学素子38を出射したA偏光成分およびB偏光成分は、対物レンズ34によりホログラム記録媒体21の反射層22上に集光される。なお、ホログラム記録媒体21は、透明基板25を対物レンズ34に対向させて配置されている。
他方、偏光ビームスプリッター29を透過したP偏光成分(参照光)の一部は、ビームスプリッター39で反射され、偏光ビームスプリッター37を透過する。偏光ビームスプリッター37を透過した参照光は、次いで、二分割旋光用光学素子38に入射し、その右側部分に入射した光成分は偏波面を+45°回転させてB偏光成分として出射し、左側部分に入射した光成分は偏波面を−45°回転させてA偏光成分として出射する。その後、それらA偏光成分およびB偏光成分は、対物レンズ34によりホログラム記録媒体21の反射層22上に集光される。
このように、二分割旋光用光学素子38の右側部分からは、A偏光成分である情報光とB偏光成分である参照光とが出射する。他方、二分割旋光用光学素子38の左側部分からは、B偏光成分である情報光とA偏光成分である参照光とが出射する。また、情報光および参照光は、ホログラム記録媒体21の反射層22上に集光される。
そのため、情報光と参照光との干渉は、透明基板25を介して記録層26に直接入射した直接光としての情報光と反射層22で反射された反射光としての参照光との間、および、直接光としての参照光と反射光としての情報光との間でしか生じない。また、直接光としての情報光と反射光としての情報光との干渉や、直接光としての参照光と反射光としての参照光との干渉は生じない。したがって、図4に示す記録再生装置によると、記録層26の内部に情報光に対応した光学特性の分布を生じさせることができる。
図4に示した反射型ホログラム記録再生装置においても、記録したホログラムの安定性を高めるために、すでに説明したような紫外光源装置および紫外光照射光学系を設けることができる。
上述した方法により記録した情報は、以下のようにして読み出すことができる。すなわち、電磁シャッター33を閉じ参照光のみを、先に情報を記録した記録層26に照射する。これによって、P偏光成分である参照光のみが二分割旋光用光学素子38に到達する。
この参照光は、二分割旋光用光学素子38によって、その右側部分に入射した光成分は偏波面を+45°回転させてB偏光成分として出射し、左側部分に入射した光成分は偏波面を−45°回転させてA偏光成分として出射する。その後、それらA偏光成分およびB偏光成分は、対物レンズ34によりホログラム記録媒体21の反射層22上に集光される。
ホログラム記録媒体21の記録層26には、上述した方法により情報に対応した光学特性分布が形成されている。したがって、ホログラム記録媒体21に入射したA偏光成分およびB偏光成分の一部は、記録層26内に形成された光学特性分布により回折され、再生光としてホログラム記録媒体21を出射する。
ホログラム記録媒体21を出射した再生光は情報光を再現しており、対物レンズ34により平行光束とされた後、二分割旋光用光学素子38に到達する。二分割旋光用光学素子38の右側部分に入射したB偏光成分はP偏光成分として出射し、二分割旋光用光学素子38の左側部分に入射したA偏光成分はP偏光成分として出射する。このようにして、P偏光成分としての再生光が得られる。
その後、再生光は偏光ビームスプリッター37を透過する。偏光ビームスプリッター37を透過した再生光の一部は、次いで、ビームスプリッター39を透過し、結像レンズ35により二次元光検出器36上に透過型空間光変調器31の像を再現する形で結像される。このようにして、ホログラム記録媒体21に記録された情報を読み出す。
他方、二分割旋光用光学素子38を透過してホログラム記録媒体21に入射したA偏光成分およびB偏光成分の残りは、反射層22により反射され、ホログラム記録媒体21を出射する。この反射光としてのA偏光成分およびB偏光成分は、対物レンズ34により平行光束とされた後、A偏光成分は二分割旋光用光学素子38の右側部分に入射してS偏光成分として出射し、B偏光成分は二分割旋光用光学素子38の左側部分に入射してS偏光成分として出射する。二分割旋光用光学素子38を出射したS偏光成分は、偏光ビームスプリッター37により反射されるため、二次元光検出器36には到達し得ない。したがって、この記録再生装置によると、優れた再生SN比を実現することができる。
本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体は、多層光情報記録再生に好適に用いることができる。多層情報記録再生は、透過型再生および反射型再生のいずれであっても構わない。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
エポキシモノマーとしての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(エポキシ当量151、ナガセケミテックス社製)4.54gと、金属錯体としてのアルミニウムトリス(エチルアセチルアセテート)0.364gを暗室内で混合して混合物を得た。この混合物を、60℃で攪拌しつつ溶解して、金属錯体溶液を調製した。
さらに、エポキシモノマーとしての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(エポキシ当量151、ナガセケミテックス社製)4.55gと、アルキルシラノールとしてのトリフェニルシラノール0.545gとを混合して混合物を得た。この混合物を、60℃で攪拌しつつ溶解して、シラノール溶液を得た。
金属錯体溶液とシラノール溶液とを混合して、さらに攪拌した。得られた溶液に開環重合性化合物0.38gと光ラジカル発生剤0.025gとを加えた。開環重合性化合物としては、下記化学式(PM−1)で表わされる1−シクロプロピル−1−フェニルエテンを用い、光ラジカル発生剤としては、イルガキュア784(チバスペシャルティケミカルズ社製)を用いた。最後に、脱泡して記録層原料溶液を得た。
Figure 2009186515
テフロン(登録商標)製シートのスペーサーを介して2枚のガラス板を配置して、空隙を形成した。この空隙に、前述の記録層原料溶液を流し込んだ。これを、遮光して55℃のオーブンで6時間加熱することにより、厚さ200μmの記録層を有するホログラム記録媒体の試験片を作製した。
ホログラム記録媒体の特性は、一般的に用いられる平面波測定装置を用いて評価した。光源装置としては、半導体レーザー(405nm)を用いた。試験片上における光スポットサイズは、情報光および参照光のいずれも5mmφとした。また、記録光強度は、情報光と参照光とを合わせて7mW/cm2になるように調整した。
ホログラム記録後に情報光を遮断して参照光のみを照射したところ、試験片からの回折光が認められた。これにより、透過型ホログラムが記録されていることが確認された。
ホログラムの記録性能は、記録ダイナミックレンジを表わすM/#(Mナンバー)により評価した。M/#は、ηとを用いて下記数式で定義される。ηは、ホログラム記録媒体の記録層内の同一領域に記録が不可能となるまでnページのホログラムを角度多重記録・再生した際の、i番目のホログラムからの回折効率である。角度多重記録・再生は、媒体を回転させ、所定の光をホログラム記録媒体に照射することによって行なわれる。
Figure 2009186515
ここで、回折効率ηは、参照光のみをホログラム記録媒体に照射した際、光検出器で検出される光強度Itと光検出器で検出される光強度Idとを用いて定義した。すなわち、η=Id/(It+Id)で表わされる内部回折効率を用いた。
M/#の値が大きいホログラム記録媒体ほど、記録ダイナミックレンジが大きく多重記録性能に優れている。
記録媒体のM/#は5.3であり、記録による体積収縮率はほぼ0%であった。ここで、体積収縮率は、1998年、リサ・ダールらのApplied Physics Letters Vol.73 No.10.p1337に記載されている測定方法により求めた。0.3%未満の収縮率であれば、体積収縮は実質的に生じていないものとみなすことができ、許容範囲内である。
(実施例2)
開環重合性化合物を、下記化学式(PM−2)で表わされる1−シクロプロピル−1−トリブロモフェニルエテンに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の媒体を作製した。記録媒体のM/#は9.0であり、記録による体積収縮率はほぼ0%であった。
Figure 2009186515
(実施例3)
開環重合性化合物として1−シクロプロピル−1−フェニルエテンラジカル重合性化合物(化合物1)を0.19g、さらに通常のラジカル重合性化合物としてのビニルナフタレンを0.19gの量で用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の媒体を作製した。記録媒体のM/#は8.0であり、記録による体積収縮率は0.02%であった。
(実施例4)
開環重合性化合物を、下記化学式(PM−3)で表わされる化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4の媒体を作製した。記録媒体のM/#は6.5であり、記録による体積収縮率はほぼ0%であった。
Figure 2009186515
(実施例5)
開環重合性化合物として化合物3を0.19g、さらに通常のラジカル重合性化合物としてビニルナフタレンを0.19gの量で用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の媒体を作製した。記録媒体のM/#は9.0であり、記録による体積収縮率は0.02%であった。
(実施例6)
開環重合性化合物を、下記化学式(PM−4)で表わされる化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の媒体を作製した。記録媒体のM/#は5.5であり、記録による体積収縮率はほぼ0%であった。
Figure 2009186515
(実施例7)
開環重合性化合物を、下記化学式(PM−5)で表わされる化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例7の媒体を作製した。記録媒体のM/#は6.0であり、記録による体積収縮率はほぼ0%であった。
Figure 2009186515
(比較例1)
開環重合化合物(PM−1)を、1−プロピル−4−ビニルベンゼンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の媒体を作製した。記録媒体のM/#は4.0であり、記録による体積収縮率は0.4%であった。
(比較例2)
開環重合性化合物(PM−1)を、2-ビニルナフタレンに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の媒体を作製した。記録媒体のM/#は9.8であり、記録による体積収縮率は0.7%であった。
(比較例3)
開環重合性化合物として1−シクロプロピル−1−フェニルエテンラジカル重合性化合物を0.038g、さらに通常のラジカル重合性化合物としてビニルナフタレンを0.342gの量で用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の媒体を作製した。記録媒体のM/#は9.0であり、記録による体積収縮率は0.65%であった。
このように、本発明の実施形態にかかるホログラム記録媒体は、開環重合性化合物が拡散しやすいことから、記録容量および屈折率変調が大きい。しかも、ラジカルによって開環し重合する化合物が記録層に含有されているので、体積収縮を抑えることができる。
これに対し、ラジカルによって開環し重合する化合物が含有されない場合には、ラジカル重合性化合物の種類のよらず、許容範囲を越える体積収縮が生じることが、比較例1,2に示されている。また、比較例3の結果から、ラジカルによって開環し重合する化合物が含有されたところで、ビニル化合物が過剰に含まれた場合も、体積収縮を抑制できないことがわかる。
本発明の実施形態にかかる透過型ホログラム記録媒体の概略断面図。 透過型ホログラム情報記録再生装置の概略図。 本発明の実施形態にかかる反射型ホログラム記録媒体の概略断面図。 反射型ホログラム情報記録再生装置の概略図。
符号の説明
10…情報光; 11…参照光; 12…透過型ホログラム記録媒体
17…透明基板; 18…スペーサー; 19…記録層; 20…変調領域
21…反射型ホログラム記録媒体、22…反射層; 23…石英ガラス基板
24…スペーサー; 25…透明基板; 26…記録層; 27…光源装置
28…旋光用光学素子; 29…偏光ビームスプリッター
30…ビームエキスパンダー; 31…透過型空間光変調器
32…偏光ビームスプリッター; 33…電磁シャッター; 34…対物レンズ
35…結像レンズ; 36…二次元光検出器; 37…偏光ビームスプリッター
38…二分割旋光用光学素子; 39…ビームスプリッター
40…情報光および参照光; 41…透過型ホログラム型光記録媒体; 42…記録層
43…旋光用光学素子; 44…ミラー; 45…リレーレンズ
46…透過型ホログラム; 47…ミラー; 48…二次元光検出器
49…紫外光源装置; 50…対物レンズ; 51…反射型空間光変調器
52…光源装置; 53…ビームエキスパンダー; 54…旋光用光学素子
55…偏光ビームスプリッター; 56…情報光; 57…参照光
58…偏光ビームスプリッター; 59…リレーレンズ。

Claims (20)

  1. 三次元架橋ポリマーマトリックス、
    光ラジカル発生剤、および
    ラジカルによって開環重合する脂肪族環状構造を有する開環重合性化合物
    を含有する記録層を具備することを特徴とするホログラム記録媒体。
  2. 前記開環重合性化合物に含有される前記脂肪族環状構造は、環状スルフィド構造、ビシクロブタン構造、ビニルシクロプロパン構造、ビニル環状スルホン構造、4−メチレン−1,3−ジオキソラン構造、環状ケテンアセタール構造、8−メチレン−1,4−ジオキサスピロ−[4.5]デカ−6,9−ジエン構造、環状アリルスルフィド構造、環状α−オキシアクリル酸エステル構造、ベンゾシクロブテン構造、o−キシリレンダイマー構造、エキソメチレン構造とスピロオルトカーボネート構造とを分子内に有する構造、およびエキソメチレン構造とスピロオルトエステル構造とを分子内に有する構造からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録媒体。
  3. 前記開環重合性化合物に含有される前記脂肪族環状構造は、1−シクロプロピル−1−フェニルエテン、1−シクロプロピル−1−トリブロモフェニルエテン、および1−シクロプロピル−1−ナフチルエテンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラム記録媒体。
  4. 前記開環重合性化合物は、前記記録層全体の1重量%以上40重量%以下の量で含有されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  5. 前記開環重合性化合物は、前記記録層全体の5重量%以上15重量%以下の量で含有されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  6. 前記三次元架橋ポリマーマトリックスは、下記一般式(7)で表わされる構造を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
    Figure 2009186515
    (上記一般式(7)中、mは3〜16の整数である。)
  7. 前記三次元架橋ポリマーマトリックスは、前記エポキシモノマーを、エポキシ−アミン重合、エポキシ−酸無水物重合、またはエポキシホモ重合により重合させることにより得られたものであることを特徴とする請求項6に記載のホログラム記録媒体。
  8. 前記光ラジカル発生剤は、イミダゾール誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、有機過酸化物、およびチオキサントン誘導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  9. 前記光ラジカル発生剤は、前記開環重合性化合物に対して0.1重量%以上10重量%以下の量で含有されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  10. 前記光ラジカル発生剤は、前記開環重合性化合物に対して0.5重量%以上6重量%以下の量で含有されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  11. 前記記録層は、前記開環重合性化合物の重量の(3/2)倍未満の重量のビニル化合物を、さらに含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  12. 前記ビニル化合物は、ビニルナフタレン、ハロゲン化フェニルアクリレート、ハロゲン化フェニルメタクリレート、およびビニルカルバゾールからなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載のホログラム記録媒体。
  13. 前記記録層は、増感剤、シランカップリング剤、および可塑剤からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  14. 前記記録層は、0.1mm以上5mm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  15. 前記記録層は、0.2mm以上2mm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体。
  16. エポキシモノマー、アルキルシラノール、金属錯体、光ラジカル発生剤および開環重合性化合物を混合して記録層原料溶液を得る工程と、
    前記記録層原料溶液を光透過性基板上に塗布することにより、または離間対向された2枚の光透過性基板で挟持することにより、樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層を10℃以上80℃未満に加熱して前記エポキシモノマーを反応させることにより、下記一般式(7)で表わされる構造を含む三次元架橋ポリマーマトリックスを有する記録層を形成する工程と
    を具備することを特徴とするホログラム記録媒体の製造方法。
    Figure 2009186515
    (上記一般式(7)中、mは3〜16の整数である。)
  17. 前記エポキシモノマーは、下記一般式(1)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項16に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
    Figure 2009186515
    (上記一般式(1)中、hは8から12の整数である。)
  18. 前記アルキルシラノールは、下記一般式(5)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項16または17に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
    Figure 2009186515
    (上記一般式(2)中、R11、R12、およびR13は同一でも異なっていてもよく、置換または非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換または非置換の炭素数6〜30の芳香族基、および置換または非置換の炭素数3〜30の芳香複素環基から選択される。p、qおよびrは0〜3の整数であり、p+q+rは3以下である。)
  19. 前記金属錯体は、下記一般式(2)、(3)、または(4)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体の製造方法。
    Figure 2009186515
    (上記一般式中、Mは、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Zn、Ba、Ca、Ce、Pb、Mg、SnおよびVからなる群から選択される。R21、R22、およびR23は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。R24、R25、R26、およびR27は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。R28、R29、およびR30は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基から選択される。nは2〜4の整数である。)
  20. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載のホログラム記録媒体の記録部分から情報を読み取り、再生することを特徴とする光情報記録再生装置。
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