JP5484753B2 - 感光性材料、感光性材料前駆体及び感光性材料の製造方法 - Google Patents
感光性材料、感光性材料前駆体及び感光性材料の製造方法 Download PDFInfo
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ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル重合性化合物がラジカル重合することによって形成されたポリマーマトリックスと、
光カチオン重合開始剤と、
カチオン重合性化合物とを具え、
前記光カチオン重合開始剤の還元電位が、前記ラジカル重合開始剤から生じるラジカルの酸化電位よりも低いことを特徴とする、感光性材料に関する。
光カチオン重合開始剤及びカチオン重合性化合物とを具え、
前記光カチオン重合開始剤の還元電位が、前記ラジカル重合開始剤から生じるラジカルの酸化電位よりも低いことを特徴とする、感光性材料前駆体に関する。
本発明の感光性材料を構成するポリマーマトリックスは、ラジカル重合性化合物を、ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル重合させることによって製造する。なお、上述したように、前記ポリマーマトリックスは、コヒーレントな光の干渉によって生じる明暗の干渉パターンに起因した屈折率の変調構造を固定する役割を担うものである。
本発明の感光性材料を構成するカチオン重合性化合物は、上述のように、光カチオン重合開始剤の存在下に重合させて、コヒーレントな光の干渉によって生じる明暗の干渉パターンに起因した屈折率の変調構造を得るためのものである。
次に、本発明の感光性材料の製造方法について説明する。最初に、ラジカル重合開始剤及びラジカル重合性化合物と、光カチオン重合開始剤及びカチオン重合性化合物とを含む液状の感光性材料前駆体を準備し、この前駆体をガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート又はシクロオレフィンポリマーなどの基材に塗布又は基材間に注入する。次いで、光又は熱によって、前記ラジカル重合開始剤の存在下、前記ラジカル重合性化合物をラジカル反応によって重合して、ポリマーマトリックスを形成する。
本発明の感光性材料は、コヒーレントな光の干渉によって生じる明暗の干渉パターンを記録材料中に屈折率の変調構造として記録する体積位相型ホログラム記録媒体や、直描(direct−write)フォトリソグラフィーによって周辺と屈折率の異なる構造を形成することにより作製される光導波路などの用途に好ましく用いられる。
[感光性材料前駆体の調製]
ラジカル重合開始剤としてビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油(株)製、商品名:パーロイル(登録商標)TCP)1.0重量部、ラジカル重合性化合物としてポリエステルアクリレート(二官能)(東亞合成(株)製、商品名:アロニックス(登録商標)M−6200)58.6重量部及びエチルヘキシルアクリレート(東京化成工業(株)製)25.1重量部、光カチオン重合開始剤としてチオビス(4,1−フェニレン)−S,S,S’,S’−テトラフェニルジスルホニウムビスヘキサフルオロホスフェートとジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(還元電位:−1.06V〜−1.10V)のプロピレンカーボネート溶液(ダウケミカル社製、商品名:CYRACURE(登録商標)UVI−6992)3.0重量部、カチオン重合性化合物として4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル〕ビフェニル(宇部興産(株)製、商品名:ETERNACOLL(登録商標)OXBP)7.5重量部及びビスオキシラニルベンゼン(新日鐵化学(株)製)4.5重量部、増感剤として9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)製、商品名:アントラキュアー(登録商標)UVS−1331)0.3重量部を配合して、感光性材料の前駆体を調製した。
次いで、上述のようにして調製した感光性材料前駆体を、シリコンフィルムスペ−サー(厚み0.5mm)を介して貼り合わせた2枚のガラス基板(50mm×50mm、厚み0.5mm)の空隙に導入し、窒素雰囲気下、60℃で6時間加熱処理して、上記ラジカル重合性化合物を重合し、感光性材料を含む透過型ホログラム記録媒体を得た。
次いで、上述のようにして得た透過型ホログラム記録媒体を、パルステック工業(株)製の平面波テスターSHOT−500Bを用いて評価した。ホログラムの記録・再生には連続発振全固体レーザー(波長:405nm)を用いた。また、ホログラムの回折効率は、直線偏向型He−Neレーザー(633nm)による回折光及び透過光を光パワーメーターで読み取った値を用いて、次式により算出した。
回折効率(%)=〔回折光強度/(透過光強度+回折光強度)〕×100
光カチオン重合開始剤としてp-クメニル(p-トリル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(還元電位:−0.2V)(東京化成工業(株)製)3.0重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感光性材料を含む透過型ホログラム記録媒体を得た。上記実施例と同様にして、ホログラム記録を行い、その最大回折効率を評価しようとしたところ、回折光を得ることができなかった。
ポリマーマトリックス形成材料としてポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(平均分子量380)(アルドリッチ社製)49.2重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)(東京化成工業(株)製)31.8重量部、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成工業(株)製)3.71重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感光性材料を含む透過型ホログラム記録媒体を得た。上記実施例と同様にして、ホログラム記録を行い、その最大回折効率を評価しようとしたところ、回折光を得ることができなかった。
ポリマーマトリックス形成材料としてヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成工業(株)製)52.4重量部、ポリエーテルトリオール((株)ADEKA製、商品名:アデカポリエーテルG−400、平均分子量409)32.3重量部、ジブチルスズラウレート(東京化成工業(株)製)0.03重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして感光性材料を含む透過型ホログラム記録媒体を得た。上記実施例と同様にして、ホログラム記録を行い、その最大回折効率を評価しようとしたところ、回折光を得ることができなかった。
Claims (10)
- ラジカル重合開始剤の存在下、ラジカル重合性化合物がラジカル重合することによって形成されたポリマーマトリックスと、
光カチオン重合開始剤と、
カチオン重合性化合物とを具え、
前記光カチオン重合開始剤の還元電位が、前記ラジカル重合開始剤から生じるラジカルの酸化電位よりも低いことを特徴とする、感光性材料。 - 前記光カチオン重合開始剤の還元電位は、−0.8V以下であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性材料。
- 前記光カチオン重合開始剤は、トリアリールスルホニウム塩系化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感光性材料。
- 前記カチオン重合性化合物は、分子中に環状エーテル又は環状チオエーテルを有する化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の感光性材料。
- 請求項1〜4のいずれか一に記載の感光性材料を具えることを特徴とする、ホログラム記録媒体。
- ラジカル重合開始剤及びラジカル重合性化合物と、
光カチオン重合開始剤及びカチオン重合性化合物とを具え、
前記光カチオン重合開始剤の還元電位が、前記ラジカル重合開始剤から生じるラジカルの酸化電位よりも低いことを特徴とする、感光性材料前駆体。 - 前記光カチオン重合開始剤の還元電位は、−0.8V以下であることを特徴とする、請求項6に記載の感光性材料前駆体。
- 前記光カチオン重合開始剤は、トリアリールスルホニウム塩系化合物であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の感光性材料前駆体。
- 前記カチオン重合性化合物は、分子中に環状エーテル又は環状チオエーテルを有する化合物であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載の感光性材料前駆体。
- 請求項6〜9のいずれか一に記載の感光性材料前駆体における前記ラジカル重合性化合物に対し、前記ラジカル重合開始剤の存在下、光又は熱によってラジカル重合を生ぜしめてポリマーマトリックスを形成し、前記ポリマーマトリックス、前記光カチオン重合開始剤、及びカチオン重合性化合物を含む感光性材料を製造することを特徴とする、感光性材料の製造方法。
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