JP2008261928A - 光記録用樹脂材料及びその製造方法、並びに光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性に優れ、且つマトリックスが強固で高温度や高湿度の耐保存環境信頼性においても優れた光記録用樹脂材料を提供し、また該光記録用樹脂材料の作成条件の制御が簡単で、その事から経済性に優れた光記録用樹脂材料の製造方法、並びに前記光記録用樹脂材料を用いた光記録媒体を提供する。
【解決手段】酸無水物により硬化されてエポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなり、強度50J/cm以下の光によるホログラム記録によって50%以上の回折効率が得られる光記録用樹脂材料を光記録媒体1Aにおける記録層5に用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化型樹脂ネットワーク構造相とそのネットワーク構造の間隙に配置される光硬化型樹脂相(モノマー)が共存する構成である光記録に好適な光記録用樹脂材料及びその製造方法に関し、また該光記録用樹脂材料を用いて作成した光記録媒体に関するものである。
従来の、比較的に厚い樹脂を用いた光記録材料の一群は干渉縞記録又はホログラム記録に総称される分野の物である。その場合の比較的に高屈折率な層と比較的に低屈折率な層とが交互に形成されてなる材料の構造を光の干渉縞露光により形成するための一つの方法は、いわゆるホログラム形成の手法として種々の材料が報告されている。そこで、用いられる有機樹脂化合物材料としては種々の例が報告されており、例えば以下のようにグループ分けされる。
第一のグループとしては、重合体もしくは共重合体バインダーをマトリックスとして用い、そこに高屈折率又は低屈折率のモノマーを加えて光干渉縞の形成を行う物である。それらの例としては、(1)ポリビニルアセテートやポリビニルブチラ−ルを含む重合体バインダーとNビニールカルバゾール等のエチレン性不飽和モノマー、光開始剤、及び可塑材を含む物(特許文献1、デュポン社(正式名称は別途))等が有り、これらは低屈折率のポリビニルを主鎖としたポリマーと高屈折率材料を形成するモノマーを組み合わせた物である。又、フルオレン骨格のラジカル重合性化合物を光感応性モノマーとして用い、環状脂肪酸エステルとメタクリル酸メチルの共重合体からなるバインダー材料との間の屈折率差を用いて光干渉記録を行う物(特許文献2、ダイソー)が報告されている。又、バインダーとカチオン硬化性モノマーを組み合わせた物(特許文献3、Jun.2,1998、ポラロイド社)が報告されている。
第二のグループとしては、マトリックス部分の材料を光干渉縞記録の後又は前段階において、光干渉縞記録時の反応とは別種の化学反応、光硬化反応又は熱化学反応等による架橋により繋がりを持った材料として形成する物が上げられる。それらの例として(2)カチオン重合成化合物とラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤とを含み、カチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物の間における屈折率の差を用いて透明な干渉縞を形成する物(特許文献4、日本ペイント社、)や、他の例(3)として、カチオンエポキシ重合やイソシアネートによる独立重合反応を経て形成される3次元架橋ポリマーマトリックスとその反応と独立で、そのポリマー中に存在しない構造部分を有する光活性モノマーの光重合による反応を用いて光干渉縞の硬化形成を行う物(特許文献5,6、InPhase社)を挙げることが出来る。
更に又、熱硬化性エポキシ樹脂(本発明明細書の後段にて詳述するが、本発明とは全く異なる機能、役目を持たせている例ではある)とラジカル重合可能なモノマー成分の組み合わせを用いた物(特許文献7、凸版印刷株式会社)や光アニオン重合の可能な化合物と屈折率の異なる無機化合物を組み合わせた例(特許文献8、TDK社)が報告されている。更には、フルオレン骨格を有するラジカル重合成化合物と、カチオン重合性化合物を用いた物(特許文献9、ダイソー)が報告されている。
第三のグループとしては、マトリックス部分を形成させる時の化学反応と、光干渉縞を形成する時の化学反応が同種の物ではあるが、反応性(反応速度)に差を設けて両者の形成段階を制御する物である。この例としては、低光重合性のプレポリマーと高光重合性のモノマーとの間の屈折率差により光干渉記録を行う物(非特許文献1〜3)が挙げられる。
上に述べたホログラム等の光干渉縞形成による物などの光記録用媒体の形成用の有機樹脂材料としては、種々の構成が提案されているが、光記録の応用分野が広がるに伴い、記録容量の増大の為に大面積で且つ厚さも大きな記録媒体を安価に得る事が要望されるに至っている。
その為には、構成材料素材その物が(i)透明性に優れ、作成プロセスにおいて透明性の保持が容易で、且つ(ii)光記録時においてマトリックスが強固に保たれる事によりノイズ又は散乱を生ぜしめない事が重要となっている。透明性は高い記録感度を得るためにも重要であり、マトリックスが強固に構成されている事は、耐熱環境信頼性の上でも重要である。その為には、構成材料においてマトリックス構成材料相と、マトリックス相の間に形成される組成濃度変化領域との関係において、マトリックスが強固なネットワークを構成している事が重要である。またマトリックスが強固でないと組成濃度変化領域あるいは、第2相により光干渉縞の高屈折率相又は低屈折率相の一方を形成するに際して、干渉縞自体が高い環境温度に置かれた時に変形し易くなり、優れた光干渉が得られない。
このような観点から、従来の材料は十分なものでは無かった。
特許第2264232号公報 特開2003−29604号公報 米国特許第5759721号公報 特許第2873126号公報 特開1999−352303号公報 特表2004−537620号公報 特許第3075082号公報 特開2005−084262号公報 特開2004−138686号公報 H.Tanigawa et al., J.Photopolym. Sci. Technol., 14, 281 (2001) K.Yokoyama et al., Proc. SPIE, 4659, 334(2002) 谷川英夫、MARERIAL STAGE Vol.6, No.1 22(2006)
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、透明性に優れ、且つマトリックスが強固で高温度や高湿度の耐保存環境信頼性においても優れた光記録用樹脂材料を提供し、また該光記録用樹脂材料の作成条件の制御が簡単で、その事から経済性に優れた光記録用樹脂材料の製造方法、並びに前記光記録用樹脂材料を用いた光記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、エポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなり、強度50J/cm以下の光によるホログラム記録によって50%以上の回折効率が得られることを特徴とする光記録用樹脂材料である。
ここで、前記エポキシ樹脂は、酸無水物で硬化されてなることが好ましい。
また、前記マトリックス樹脂と光重合性モノマーとの屈折率差の絶対値が0.056以上であることが好適である。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、エポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなる光記録用樹脂材料の製造方法であって、エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーをエポキシ樹脂硬化剤により、エポキシ基の10〜50mol%が反応するように硬化させて半硬化エポキシ樹脂とし、ついで該半硬化エポキシ樹脂に光重合性モノマーと光開始剤を混合して分散した後に残留する前記モノマー又はオリゴマー、あるいはプレポリマーを硬化させることによりなるものであることを特徴とする光記録用樹脂材料の製造方法である。
このとき、前記エポキシ樹脂硬化剤の硬化は、熱硬化により行われるとよい。
また前記エポキシ樹脂硬化剤は、酸無水物であることが好ましく、該酸無水物は、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸であることが好適である。
また、前記エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーは、側鎖構造を有する三官能又は多官能エポキシ樹脂であることや、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルより選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂であることが好適である。
また前記光重合性モノマーは、常温で透明溶解可能な材料であることが好ましく、構成元素としてSを有するとよい。
また前記半硬化エポキシ樹脂に光重合性モノマーと光開始剤を混合する際に可塑剤をさらに添加することが好ましい。
また前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1または2に記載の光記録用樹脂材料からなり、光の干渉縞により情報が記録される記録層を備えることを特徴とする光記録媒体である。
本発明の光記録用樹脂材料によれば、透明性に優れ、且つマトリックスが強固で高温度や高湿度の耐保存環境信頼性においても優れたものを提供することができる。
本発明の光記録用樹脂材料の製造方法によれば、該光記録用樹脂材料の作成条件の制御が簡単で、その事から経済性に優れた材料を提供することができる。すなわち、混合の前段階において官能基の10%以上を重合させた半硬化エポキシ樹脂を光重合性モノマーと混合することにより、簡便で信頼性の高い製造法を提供することができる。
本発明の光記録媒体によれば、干渉縞記録における大きな回折効率が得られ、光記録特性に優れた媒体を提供することができる。
従来技術においては、例えば特開2005−043862号公報(コニカミノルタエムジー)では、カチオン重合可能な反応性基を有するバインダー化合物(A)、分子内にエチレン性二重結合を有する重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び該カチオン重合可能な反応性基を有するバインダー化合物(A)を架橋することのできる架橋剤(D)を含み、かつ該架橋剤(D)が熱によりカチオン重合を開始することのできる熱カチオン重合開始剤であることを特徴とするホログラフィック記録用組成物が開示されているが、光記録材料構成成分としてのエポキシ樹脂は、カチオン重合として用いられている。
また、他の例としても、特許第3075082号公報(凸版印刷(株))では、カチオン重合可能であり、かつ常温、常圧で固体である熱硬化性エポキシオリゴマーと、(B)常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有し、熱硬化性エポキシオリゴマー(A)と屈折率の異なる重合性モノマーと、(C)化学作用放射線に露光するとラジカル重合およびカチオン重合を活性化するラジカル種およびブレンステッド酸またはルイス酸を同時に発生する光開始剤と、(D)光開始剤(C)を増感せしめる増感色素からなることを特徴とするホログラム感光性記録材料が開示されているが、その中で「レーザ照射部位中の光干渉作用の強い部位においてはモノマー濃度が高くなり、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位においては低くなる。また、エポキシオリゴマーおよび/または単量体(A)はレーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位に押し出され、その部分での濃度が高くなると共に、レーザ照射部位中光干渉作用の強い部位での濃度は低下する。これにより、両部位において屈折率差を生じるため、ホログラムの潜像が記録されるものと推定される。さらに、ホログラム露光後の加熱により、残留したモノマーが重合により固定されると共に、ラジカル種と同時に発生した強酸によって重合性モノマー(B)の重合により生じた濃度差から形成される干渉縞の周囲に存在する支持体であるエポキシオリゴマーおよび/または単量体(A)がカチオン重合により架橋構造となり屈折率が高くなり、屈折率変調が増強される。また、この架橋によって耐候性も向上する。」と記されている。すなわち、この材料においても光記録段階においてラジカル重合を行い、その後の安定化段階にてエポキシのカチオン重合により安定化を図っているものであり、ラジカル硬化、カチオン硬化双方が必要であり反応の制御は複雑であった。
また、特開2003−156992号公報(大日本印刷(株))では、「1種以上の光重合性化合物、熱硬化性化合物、熱硬化架橋剤を含む体積型ホログラム記録用感光性組成物であって、該熱硬化架橋剤が、干渉露光工程では反応せず且つ屈折率変調促進工程における加熱温度では反応せず、加熱硬化工程における加熱温度で活性となる潜在性熱硬化架橋剤であることを特徴とする体積型ホログラム記録用感光性組成物。」とあり、他の熱硬化反応を用いるホログラム記録材料が開示されているが、熱硬化は光ラジカル記録の後の安定化が目的であり本発明とは異なるものであった。
これらの引用文献に見られるように、従来エポキシ樹脂を光記録用樹脂の中で用いる時には、カチオン重合性を利用しており、熱硬化性エポキシ樹脂オリゴマーとして用いる場合においても、光記録後にカチオン重合を行う物であった。これは、熱硬化を行ったエポキシ樹脂は安定で強度の高いものではあるが、硬化させた後では光反応性有機モノマーと均一混合する事が不可能で、どうしても未反応部分を残した状態で混合し、その後光記録を行い、更にその後に未反応のエポキシ基を反応させる為にはカチオン重合が必要な事によるものであった。
しかしながら、その事がラジカル反応、カチオン反応、更にはイソシアネート反応などの光記録その物の反応以外の別種反応を行わせる成分を合わせて、材料組成物の中に盛り込む事が必要となり、光記録反応の制御条件を複雑なものとしていた。またその事は、処理条件を複雑、正確に行う事を求める事になり経済性の面でも高価な物となっていた。
発明者は、これらの問題を把握した上でその改善を図るべく鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
以下に、本発明に係る光記録用樹脂材料の一実施の形態における構成について説明する。なお、本発明を図面に示した実施形態をもって説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施の態様に応じて適宜変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る光記録用樹脂材料は、出発原料であるエポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーが硬化剤により硬化されて、エポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなり、前記マトリックス樹脂と光重合性モノマーとの屈折率差の絶対値が0.056以上であることを特徴とするものである。
ここで、エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーの硬化は、脂肪族アミンの内の環状アミンや芳香族アミンを硬化剤として行う事ができる。更には熱硬化タイプのエポキシ樹脂中でも特に、酸無水物系のエポキシ樹脂硬化剤を用いた場合の熱硬化エポキシ樹脂は、耐熱安定性、耐候性、透明性に優れている特長があるため(「エポキシ樹脂硬化剤の新展開」、122 Page、垣内弘 監修、ファインケミカルシリーズ 株式会社シーエムシー 発行)、経時安定性に優れた光記録媒体用としてより好ましく、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好適である。
また、前記エポキシ樹脂は、側鎖構造を有する三官能又は多官能エポキシ樹脂を出発原料(エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマー)として該出発原料を一部又は全部硬化させてなることが好ましく、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルより選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を出発原料(エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマー)として該出発原料を一部又は全部硬化させてなることが好適である。
また、前記光重合性モノマーは、常温で透明溶解可能な材料であることが好ましく、構成元素としてSを有するとよい。
また光記録を光干渉縞記録方式で行う時には、例えばエポキシ樹脂(マトリックス樹脂)を低屈折率とし、有機樹脂モノマーを光ラジカル硬化性の高屈折率のアクリルモノマーとし、材料組成中に光開始剤を加える。更には拡散を速める為にオキセタンやその他の可塑剤を加える事が有効である。そして、この場合における光記録後の定着は、全体に均一な光を当てて残存しているアクリルモノマーを固定してしまう事で行う。
なお、本発明の光記録用樹脂材料において、光重合性モノマーの屈折率が、熱硬化性エポキシ樹脂(マトリックス樹脂)の屈折率よりも大きい場合においては、光重合性モノマーの屈折率が、熱硬化性エポキシ樹脂の屈折率よりも0.056以上大きい事を特徴としている。その事により、レーザ露光により形成される光干渉縞の回折効率を大きくする事が可能となる。また逆に、光重合性モノマーの屈折率が、熱硬化性エポキシ樹脂の屈折率よりも小さい場合においては、光重合性モノマーの屈折率が、熱硬化性エポキシ樹脂の屈折率よりも0.056以上小さい事を特徴としている。その事により、レーザ露光により形成される光干渉縞の回折効率を同様に大きくする事が可能となる。
以下、参考データとして、組み合わせた樹脂とモノマーの屈折率とレーザ光反射の関係を示す。ここでは、光干渉縞特性評価(後述する実施例で行う評価)を行い、50%以上の回折効率が得られる場合に反射OKとし、50%未満の場合に反射NGとした。
(1) エポキシ樹脂;Celloxide2021Pの酸無水物硬化品(n=1.57)及びエポキシ樹脂;EHPE3150とCelloxide2021Pとの50%:50%混合品の酸無水物硬化品(n=1.58)をそれぞれアクリルモノマーとしてS2EG(n=1.57)(モノマー状態)と組み合わせた場合、反射NGであった(それぞれの場合の屈折率差Δn=0、0.01)。
(2)エポキシ樹脂;グリセリンポリグリシジルエーテルの酸無水物硬化品(n=1.47)をアクリルモノマーとしてS2EG(n=1.57)と組み合わせた場合、反射OKであった(Δn=0.1)。
(3)アートンD4532(n=1.514)をアクリルモノマーS2EG(n=1.57)と組み合わせた場合、反射OKであった(Δn=0.056)。
(4)ポリスチレン Styren(n=1.59)を アクリルモノマーR-684(n=1.505と組み合わせた場合、反射OKであった(Δn=0.085)
(5)ポリスチレン Styren(n=1.59)をアクリルモノマーR-604(n=1.47)と組み合わせた場合、反射OKであった(Δn=0.12)。
また、このような光記録用樹脂材料の製造方法としては、まずエポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーを硬化剤により、エポキシ基の10〜50mol%が反応するように硬化させて半硬化エポキシ樹脂とし、ついで該半硬化エポキシ樹脂に光重合性モノマーと光開始剤を混合して分散した後に半硬化エポキシ樹脂に残留する前記モノマー又はオリゴマー、あるいは前記モノマー又はオリゴマーからなるプレポリマーを硬化させるものである。ここで、半硬化エポキシ樹脂は、例えばエポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーを熱硬化剤(例えば酸無水物)によりエポキシ基の一部が熱硬化されたものである。
すなわち、エポキシ樹脂用熱硬化剤により少なくとも一部分を熱硬化されたエポキシ樹脂を半硬化段階にて、光記録時に作用する有機樹脂モノマー成分と均一混合させる事を特徴としている。有機樹脂モノマーの一つの例として、ラジカル重合性モノマー(光重合性モノマー)とラジカルを発生する事の出来る光開始剤を同時に混合して用いる例を挙げる事が出来るが、ラジカル重合性モノマーと混合された状態にて熱硬化実施温度より低く例えば常温にて保持する事によりエポキシの硬化を進めて、ほぼ全量のエポキシ基が開環状態になるまでエポキシ反応を生ぜしめる。そして、この反応は当初の熱硬化温度よりも低温で行われる為にラジカル重合性モノマーの官能基はその大部分が反応に消費されずに残る事になる。逆に、ラジカル重合性モノマーの一部は、エポキシ反応と完全独立反応では無いためにエポキシ反応に取り込まれているがその割合は少量であり、ホログラム記録における回折効率を悪化させる量では無い。
このようなプロセスにより熱硬化エポキシ樹脂からなるマトリックス中にラジカル重合性モノマーが分散混合された樹脂構造が形成され、マトリックス樹脂は強度及び耐熱性の高い構成とする事ができると共に、マトリックス樹脂と光重合性モノマー(ラジカル重合性モノマー)の完全な混合が達成される。尚且つその状態においてラジカル重合性モノマーの官能基の大部分は未反応のまま保持されており優れた記録感度を可能にする。
また光エネルギーを用いた記録に際しては、ラジカル重合性モノマーが、硬化したエポキシ樹脂ネットワークによるマトリックス樹脂内で拡散することから、記録状態に対応した高光強度照射部分での該ラジカル重合性モノマーのラジカル重合が達成される。
本発明に係る光記録用樹脂材料の製造プロセスの詳細は以下のとおりである。
(S11) まず、エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーと当量比に秤量したエポキシ樹脂硬化剤(例えば酸無水物)を混合して熱硬化段階として10〜50%程度のエポキシ反応率まで硬化させる。
(S12) そして未だ粘性を有している段階(半硬化段階)にて水素二重結合を有するラジカル重合性(光重合性)モノマーと混合する。代表的な物としては、アクリル系モノマーを加えるが、更に光開始剤を混合する。
(S13)混合後は、常温に保持した状態においても、更にはアクリル系モノマーの存在による助剤効果も加わって、エポキシ硬化反応における残留エポキシモノマー又は残留エポキシオリゴマー、あるいはエポキシプレポリマーの硬化が進行する。この時、混合されているラジカル重合性モノマーの殆どの部分は互いに重合する事無く均一に分散混合されたままエポキシ樹脂のエポキシ樹脂硬化剤(酸無水物)による硬化(交互共付加して成長)が進行する事によって、マトリックスとなる熱硬化エポキシ樹脂ネットワーク内におけるラジカル重合性モノマーの均一分散維持状態のまま反応が進行する。又、先に述べた様に、熱硬化エポキシ樹脂ネットワーク内に取り込まれ固定化されるラジカル重合性モノマーの割合は僅かである。
(S14) エポキシ官能基は80%以上の割合の物がエポキシ樹脂硬化剤(酸無水物)との反応硬化を経た状態となり、光記録用樹脂材料が完成する。この段階においても多くのラジカル重合性モノマーはモノマーとして維持されており、後の光干渉縞記録において重合される事になる。
熱硬化段階として、エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーについてあらかじめ10〜50%程度の硬化を進めておいてから光重合性モノマーと混合する事により、混合後の静置に際して光重合性モノマーの均一分散維持がなされる。このとき、エポキシ樹脂の半硬化状態が流動性を抑制して均一分散維持に寄与すると共に、混合後のエポキシ樹脂硬化反応の進行を比較的低温の常温にても進行可能ならしめていると推察される。さらに、その事がアクリルモノマーの反応を抑制する事に寄与して最終的に、干渉縞記録に際しての高い回折効率の実現を可能ならしめていると考えられる。この過程を経て、エポキシ官能基は80%以上の割合の物がエポキシ樹脂硬化剤(酸無水物)との反応硬化を経る状態となる。ここで、光重合性モノマーとエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤(酸無水物)をそれぞれのモノマー状態から全部混合して光開始剤も混合し、その後全体を加熱してエポキシ樹脂の熱硬化を行うと、光重合性モノマー自体も熱反応してしまう為に、後でレーザー光によりホログラム記録をしようとしても良好な回折効率を得る事は出来ない。
つぎに、本発明に係る光記録媒体の構成について説明する。
本発明の光記録媒体は、2つの基材の間に、前述した本発明の光記録用材料からなる記録層を設けたものである。
図1〜図3に、本発明に係る光記録媒体の構成例を示す。
図1において、1Aは光記録媒体、2は第1の基材、5は記録層、7は第2の基材である。また、図2は第1の基材2,第2の基材7と記録層5との反応が危惧される場合であり、1Bは光記録媒体、2は第1の基材、3は第1材料変質抑制層、4は第2材料変質抑制層、5は記録層、7は第2の基材である。また、図3は、図2の構成に更に基材の機能として保護層6を設けた場合の光記録媒体1Cの構成を示している。本発明は、図1,図2,図3のいずれの構成の光記録媒体にも適用が可能である。
ここで、第1の基材2及び第2の基材7として、透明プラスチックフィルムや透明ガラス基板など種々の材料からなる透明基板を用いることができる。
また、第1の基材2または第2の基材7は、透明フィルムや透明ガラス基板など近紫外から可視の光において透明なものが望ましい。具体的には波長400〜800nmの範囲で透過率85%を割り込むことなく、かつ波長350〜400nmの範囲において65%を割り込むことの無い材料からなるものである。
また、第1材料変質抑制層3,第2材料変質抑制層4は、耐溶剤性を有するとともに、記録層5との屈折率差が20%以内、ヘイズが1%以内であることが好ましい。例えば、紫外線硬化型アクリル系樹脂、ポリビニールアルコール、エチレンビニルアルコール重合体などを使用することができる。記録層5は、基材又は材料変質層表面に粘性状態で塗布又は充填が行われる。このときの記録層5の厚みは10μm〜1mmとされる。
保護層6は、表面の硬さが鉛筆硬度B以上の耐傷付き性を有する薄膜である。また、第1の基材2、第2の基材7との屈折率差が20%以内、ヘイズが1%以内であることが好ましい。例えば、紫外線硬化型アクリル系樹脂を使用することができる。
基材の種類によっては第1材料変質抑制層3を省略できる場合もありうる。例えば第1の基材2,第2の基材7としてガラス基板とした場合などがそれにあたる。ガラス基板は光反応を起こす開始剤等と反応せず、かつ基板材料が記録層を侵すことがない。また、同様に第2材料変質抑制層4についても省略することが可能な場合もありうる。
記録層5におけるホログラム記録では、光干渉による重合により回折格子が形成される。その際、回折格子の固定がホログラム像の良し悪しを左右する。しかし光重合するためのモノマー拡散も必要である。回折格子の固定とモノマーの拡散を両立させるため、予め別なポリマーを形成することにより回折格子は固定されるが、本発明ではモノマーの拡散を阻害しないポリマーマトリックス構造がホログラム記録前に形成されるため好適である。
ホログラムを記録した後、全体露光を加えて未反応のモノマーを定着させた後、光開始剤を分解するための紫外線照射、明るさを稼ぐための加熱処理を加えても良い。この加熱処理によりホログラム記録の固定化及び安定化が更に促進される。
本発明において光記録用樹脂材料の光記録を光干渉縞記録方式で行う場合の構成は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用熱硬化剤、水素2重結合を有する光硬化性モノマー、光開始剤を含んで成り立っており、又水素2重結合を有するモノマーとその他の成分とが混合されるに際して、予めエポキシ樹脂が熱硬化前のエポキシ基の総量の少なくとも5%以上、好ましくは10%以上を減少する程度迄に熱硬化処理されている事を特徴としている。また、本発明樹脂の構成の中に可塑剤を加え、用途の必要に応じて加えて粘度を適宜選択する事も可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の光記録用樹脂材料の組成を変化させ、光干渉縞記録特性と記録後の耐温度環境特性を評価した。まず以下の組成で光記録用樹脂材料を作製した。
(組成No.1)
組成No.1における組成秤量に用いた半熱硬化エポキシ樹脂Aは、グリセリンポリグリシジルエーテル(SR-GLG、阪本薬品工業株式会社製、下記構造式(A))と4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700、新日本理化株式会社製、下記構造式(B))をエポキシ熱硬化反応としての当量ずつを秤量して、SR-GLG;44.3wt%、MH-700G;55.7wt%として混合して、100℃×22時間の大気中熱硬化処理を加えた物である。この熱硬化処理により、約9パスカル秒(Pa・S)の粘度の半硬化エポキシ樹脂Aが得られた。グリセリンポリグリシジルエーテル(SR-GLG)と4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)の熱硬化反応における構造を下記構造式(C)に示す。
Figure 2008261928
Figure 2008261928
ついで、この様にして作成された半熱硬化エポキシ樹脂Aを69wt%、アクリル樹脂モノマーの〔S,S'(チオジエチレン)ビス(チオメタクリレート)〕(住友精化株式会社製 S2EG、下記構造式(D))を30wt%、光開始剤のビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE 784)を1wt%の割合で混合して作成した。
Figure 2008261928
(組成No.2)
半熱硬化エポキシ樹脂Aを58wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)を30wt%、光開始剤(IRGACURE 784)を2wt%、可塑剤としてオキセタンの1,4ビス{〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン(東亜合成株式会社製、OXT-121、下記構造式(E))を10wt%の割合で混合して作成した。
Figure 2008261928
(組成No.3)
半熱硬化エポキシ樹脂Aを53wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)を30wt%、光開始剤(IRGACURE 784)を2wt%、可塑剤としてo-ベンジルオキシベンジルアセテート(下記構造式(F))を15wt%の割合で混合して作成した。
Figure 2008261928
(組成No.4)
半熱硬化エポキシ樹脂Aを53wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)を30wt%、光開始剤(IRGACURE 784)を2wt%、可塑剤としてジ〔1-エチル(3-オキセタニル)〕メチルエーテル (東亜合成株式会社製、OXT-221、下記構造式(G))を15wt%の割合で混合して作成した。
Figure 2008261928
(組成No.5)
半熱硬化エポキシ樹脂Aを53wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)を30wt%、光開始剤(IRGACURE 784)を2wt%、可塑剤(OXT-121)を15wt%の割合で混合して作成した。
(組成No.6)
組成No.1において、半熱硬化エポキシ樹脂Aに代えて以下の手順で作製した半熱硬化エポキシ樹脂Bとし、それ以外は組成No.1と同様として作製した。
(半熱硬化エポキシ樹脂B)
ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(SR-4GL、阪本薬品工業株式会社製)と4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)を同じく当量ずつ秤量して、SR-4GL;48.7wt%、MH-700G;51.3wt%として混合し、100℃×2時間の大気中熱硬化処理を加えて半熱硬化エポキシ樹脂Bを得た。
(組成No.7)
組成No.1において、半熱硬化エポキシ樹脂Aに代えて以下の手順で作製した半熱硬化エポキシ樹脂Cとし、それ以外は組成No.1と同様として作製した。
(半熱硬化エポキシ樹脂C)
グリセリンポリグリシジルエーテル(SR-GLG)と4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)の秤量において、エポキシ樹脂を当量より多く秤量して、SR-GLG;52wt%、MH-700G;48wt%として混合して、100℃×22時間の大気中熱硬化処理を加えて半熱硬化エポキシ樹脂Cを得た。
(組成No.8)
組成No.1において、半熱硬化エポキシ樹脂Aに代えて以下の手順で作製した半熱硬化エポキシ樹脂Dとし、それ以外は組成No.1と同様として作製した。
(半熱硬化エポキシ樹脂D)
グリセリンポリグリシジルエーテル(SR-GLG)と4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)の秤量において、エポキシ樹脂を当量より少なく秤量して、SR-GLG;36wt%、MH-700G;64wt%として混合して、100℃×22時間の大気中熱硬化処理を加えて半熱硬化エポキシ樹脂Dを得た。
(評価方法)
次にこれらの本発明樹脂材料の光記録特性の評価方法について図を用いて述べる。
図4は、光干渉縞記録を行う時の原理を示しており、ガラス基板の間に形成された光記録用樹脂材料からなる記録層を有する記録媒体に対して、両側から波長532nmのレーザを照射する状態を示している。記録層主面に対する信号光と参照光の入射角度が同じ場合に、光干渉による光エネルギーの強弱の等エネルギー面は記録層主面と平行に形成され、光干渉縞記録によって形成される記録層内の屈折率分布における屈折率同一面も記録層主面と平行に形成される。
その様にして干渉縞記録を行った後、記録に基づく回折反射光強度を測定する状況を示したものが図5である。図5においては、記録時の参照光入射側と同じ側から参照光のみを照射し、参照光入射の直線延長上に配置した受光素子Aにより透過0次光の強度を測定した。また参照光の入射角度θを、光干渉縞記録時の参照光入射角度をθ0 とすると、θ0 −20度からθ0 +20度まで連続的に変化させ、記録媒体からの透過光強度と反射光強度を測定した。また参照光の反射方向延長位置に受光素子Bを置き、反射光強度を測定した。
受光素子Bには、干渉縞による1次回折光とガラス基板表面からの反射が合わせて受光されるので、受光素子Aにおける透過光量の入射角依存性を示す単調変化データからの透過光量乖離量により1次回折光量を評価した。その時に得られたデータの概要を図6に示す。θ0 は、干渉縞記録時の参照光入射角度に相当し、ブラッグ反射が起きる角度となっている。
光干渉縞記録を行う樹脂材料の記録特性の評価尺度としては、回折効率ηが有用である。今、図6において、受光素子Aによる透過光強度である0次光強度I0の値のブラッグ反射が起きる角度θ0における内挿値をI01とし、角度θ0における実測値をI02とすると、角度θ0における1次回折光強度I1は、I1 =I01 − I02で表される。
回折効率ηは、η=I1/(I0+I1)で表されるので、結局次式のようになる。
η=(I01−I02)/(I02+I01−I02)=(I01−I02)/I01
種々の樹脂組成について記録時に印加される光エネルギーと回折効率との関係を求めた物が図7である。記録エネルギーとしては、0.1(J/cm2)〜50(J/cm2)の照射エネルギー値それぞれについて評価を行い、回折効率を求めた。また、記録媒体における光干渉記録層厚さとしては、50μm厚の物について行った。
本発明の光記録用樹脂材料についての回折効率曲線は、例えば図中C、D、Eに示されている通り、それぞれの組成において、回折効率が大きくなる照射エネルギー領域を有している。図7中における曲線Cは組成No.5についてプロットした物であり、曲線Dは組成No.2、曲線Eは組成No.4の物である。このような評価方法において、本発明の光記録用樹脂材料は、少なくとも0.1〜50(J/cm)の強度を有する光照射エネルギー値を選択する事により、50%以上の回折効率を得る事が出来る事が分かった。本実施例の評価において、少なくとも50%以上の回折効率を得られる場合においては、干渉縞記録材料として用いる事が可能であるので、表1の下部における光干渉縞記録特性欄を記号○(良好)として示した。
次に、干渉縞記録済の光記録用樹脂材料に対して、光干渉縞記録後更に均一紫外線照射による残存モノマー定着重合処理の後、100℃、70%湿度の環境下にて10時間加熱の温度条件を与え回折効率特性が劣化するかどうかを調べた。すなわち、この温度条件を経験させた後の回折効率を測定して、温度履歴に対して回折効率が減じる事無く維持できているかどうかを調べた。回折効率の減少が認められない物について、耐温度環境特性の欄に記号○(良好)と記載している。
表1は、実施例1の結果を示したものである。縦のそれぞれの列は、組成No.1〜8について、それぞれの秤量組成(wt%)が示されており、縦の列の下に光干渉縞記録特性と記録後の耐温度環境特性それぞれの評価特性結果が示されている。
その結果、本発明の光記録用樹脂材料は、50%以上の回折効率を実現する記録用光エネルギー値が50(J/cm)以下の領域(0.1〜50(J/cm))で存在する事に加え、耐熱特性においても優れている事が分かった。
Figure 2008261928
(比較例1)
次に、本発明に対する比較例について説明する。
以下に示す組成No.11〜21とした物が、従来法による比較例である。
(組成No.11)
組成No.11における組成秤量に用いた半熱硬化エポキシ樹脂Eは、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、Celloxide2021P、ダイセル化学工業(株)製、下記構造式(H))を42wt%、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)を58wt%として混合した後、100℃×4時間の加熱により熱硬化させた物である。
ついで、この様にして作成された半熱硬化エポキシ樹脂Eを68wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)を30wt%、光開始剤(IRGACURE 784)を2wt%の割合で混合して作成した。
Figure 2008261928
(組成No.12)
組成No.11において、半熱硬化エポキシ樹脂Eに代えて以下の手順で作製した半熱硬化エポキシ樹脂Fとし、それ以外は組成No.11と同様として作製した。
(半熱硬化エポキシ樹脂F)
脂環式エポキシ樹脂(Celloxide2021P)と2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラール)シクロヘキサン付加物(EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製、下記構造式(I))の50%ずつの混合物であるところのEHPE3150CEを44.7wt%とし、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH-700)を55.3wt%として混合し、100℃×3時間の加熱により熱硬化させて半熱硬化エポキシ樹脂Fを得た。
Figure 2008261928
(組成No.13)
マトリックス形成材料としてアートンD4532(JSR(株)製)の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンD4532が55wt%、アクリルモノマーとしてR-604(日本化薬(株)製、下記構造式(J))43wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
Figure 2008261928
(組成No.14)
マトリックス形成材料としてアートンF5023(JSR(株)製)の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンF5023が60wt%、アクリルモノマー(R-604)38wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.15)
マトリックス形成材料としてポリスチレンMT5(東洋スチレン(株)製)の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、ポリスチレンMT5が60wt%、アクリルモノマー(S2EG)38wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.16)
マトリックス形成材料としてアートンD4532の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンD4532が63wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)30wt%、可塑剤(OXT-121)5wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.17)
マトリックス形成材料としてアートンD4532の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンD4532が63wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)30wt%、可塑剤(o-ベンジルオキシベンジルアセテート)5wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.18)
マトリックス形成材料としてアートンF5023の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンF5023が60wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)28wt%、可塑剤(OXT-121)10wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.19)
マトリックス形成材料としてアートンF5023の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、アートンF5023が60wt%、アクリル樹脂モノマー(S2EG)28wt%、可塑剤(o-ベンジルオキシベンジルアセテート)10wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
(組成No.20)
マトリックス形成材料としてポリスチレンMT5の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、ポリスチレンMT5が60wt%、アクリルモノマーとしてR-684(日本化薬(株)製、下記構造式(K))28wt%、可塑剤(OXT-121)10wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
Figure 2008261928
(組成No.21)
マトリックス形成材料としてポリスチレンMT5の20wt%溶液(溶媒はトルエンを使用)を用いて、ポリスチレンMT5が60wt%、アクリルモノマー(R-604)28wt%、可塑剤(OXT-121)10wt%、光開始剤(IRGACURE 784)2wt%の割合となるように組成秤量し、十分な混合分散を行った後、塗布と乾燥を経て溶剤無しの樹脂層を形成した。
表2は、比較例1の結果を示したものである。縦のそれぞれの列は、組成No.11〜21について、それぞれの秤量組成(wt%)が示されており、縦の列の下に光干渉縞記録特性結果が示されている。表2において、組成No.11〜15については、干渉縞記録特性の評価において、50(J/cm2)以下の記録エネルギ−領域において回折反射は認められなかったが、組成No.16〜21については、50(J/cm2)以下の記録エネルギ−領域において50%以上の回折効率が認められた。
Figure 2008261928
なおここで、用いたマトリックス形成用材料と、アクリルモノマーのそれぞれの屈折率(表3)の値から、マトリックス形成材料の屈折率とアクリルモノマーの屈折率について屈折率差を求め、Δnとして表2の欄に記載している(同様に表1にも記載している)。表3中の熱硬化エポキシ樹脂AA,BB,CC,DD,EE,FFはそれぞれ半熱硬化エポキシ樹脂A,B,C,D,E,Fが完全に硬化したものである。
Figure 2008261928
表1、表2の結果より、表1の実施例に示した組成の物はすべて屈折率差Δn=0.1であり、表2の光干渉縞記録特性良好(記号○)の組成の物は屈折率差Δn=0.56〜0.12の範囲に分布している。一方、表2の干渉縞記録特性不良(記号×)の物は、Δn=0.44以下の領域に分布している。これらの事より、良好な光干渉縞記録特性を得るためには、マトリックス形成用材料と光干渉縞記録時に光重合反応に寄与するアクリルモノマーの屈折率差の絶対値が0.56以上であることが必要である事が分かる。
次に、表2に示した組成物の内、光干渉縞記録特性良好の物(組成No.16〜21)について光干渉縞記録した後更に均一紫外線照射による残存モノマー定着重合処理を行い、表1と同様の温度条件(100℃、70%湿度環境下にて10時間加熱)を加え耐温度環境特性について評価したところ、組成No.16〜21についてはいずれも回折効率の減少が認められた。この事からマトリックスに用いる材料としては、組成No.16〜21に用いた熱可塑性樹脂よりも実施例1に示された熱硬化エポキシ樹脂のほうが優れている事が分かった。
なお、実施例1においては、マトリックス用材料の熱硬化エポキシ樹脂として、グリセリンポリグリシジルエーテル(製品例:SR-GLG、坂本薬品工業株式会社製)を4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(製品例:リカシッドMH-700、新日本理化株式会社製)を用いて熱硬化させる例について説明して来たが、これに限定されるものでは無く、マトリックス用材料とアクリルモノマーとの屈折率差を0.56以上とすることが出来れば、他のエポキシ樹脂を用いることが可能である。また、これらのエポキシ樹脂について2種類以上のエポキシ樹脂を混合して用いることも可能である。
アクリルモノマーとの屈折率との関係で有効に用いる事の出来るエポキシ樹脂としては、比較的に高屈折率のアクリルモノマーと組み合わせる場合には、比較的に低屈折率のエポキシ樹脂が有効となるので、ジグリセリンポリグリシジルエーテル(製品例:SR-DGE、坂本薬品工業株式会社製)、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(製品例:SR-4GL、坂本薬品工業株式会社製)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(製品例:SR-TMP、坂本薬品工業株式会社製)が挙げられる。
一方、比較的に低屈折率のアクリルモノマーと組み合わせる場合に有効に用いる事の出来るエポキシ樹脂としては、比較的に高屈折率のエポキシ樹脂が有効となるので、例えば、熱硬化エポキシ樹脂EE(表3、Celloxide2021P<42wt%>+(MH-700G)<58wt%>、屈折率1.57)あるいは熱硬化エポキシ樹脂FF(表3、(EHPE3150CE)<44.7wt%>+(MH-700G)<55.3wt%>、屈折率1.58)を例示する事が出来る。これらのマトリックス用材料を用いる場合には、屈折率の小さなR604モノマーやR−684モノマーを選択する事が出来る。
また、エポキシ基を分子の両末端に加えて、分子中央近くに付加形成された樹枝状部末端部にもエポキシ基を有する成分を含むエポキシ樹脂は特に、熱硬化させる場合に3方向に伸びる結合ネットワークを形成し易く、マトリックス樹脂の形成に当たり隣り合った分子鎖部分の距離を保ち易くなると考えられる(両末端だけ又は片末端だけにエポキシ基を有する場合には、官能基から離れた分子鎖部分においては分子鎖同士が近づくか又は不規則な分子鎖間距離を取り易いと考えられる)。その事から、アクリルモノマーがラジカル重合するに際して、そのネットワークの隙間を拡散し易くなると考えられ、拡散を経て光干渉縞記録が形成されるのを容易ならしめる。
また、本発明においてはエポキシ樹脂を硬化させるに当たり、耐熱性に優れた酸無水物熱硬化を用いるが、熱硬化剤としては、先の実施例に述べたメチルヘキサヒドロ無水フタル酸に限定されるものでは無く、他の酸無水物エポキシ樹脂硬化剤を用いることが可能である。例えば、Δ−テトラヒドロ無水フタル酸、Δ−テトラヒドロ無水フタル酸、4メチル−Δ−テトラヒドロ無水フタル酸、3メチル−Δ−テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ジメチル無水マレイン酸、ドデセニル無水コハク酸、トリメリット酸無水物(TMA)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(TMEG)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)(TMTA)などが挙げられる。尚、これらの酸無水物は本発明の中でそれぞれの無水物を混合して用いる事も可能である。
さらに又、本発明においては、酸無水物による硬化におけるエポキシ基の開環を好ましくは10%以上行って、熱硬化が部分的に進行してから光重合性モノマーと混合するプロセスについて述べた。そして、光重合成モノマーと混合の後、アクリル樹脂モノマーの例えば〔S,S'(チオジエチレン)ビス(チオメタクリレート)〕(住友精化株式会社製 S2EG、下記構造式(D)との混合の後、S2EGがエポキシ樹脂硬化における硬化助剤として作用し、エポキシ硬化が進行する事を述べたが、このような硬化助剤としては、アミン系助剤を用いる事も可能である。例えば、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン 等のアミン系硬化剤を数wt%添加する事も効果的である。この場合においても、エポキシ樹脂の硬化反応はほぼ当量ずつ配合された、酸無水物とエポキシ樹脂の間で進み、アミン系材料は助剤としての機能を与えるだけなので、本発明における酸無水物によるエポキシ樹脂硬化材の耐熱安定性は有効に与えられる。
更に又、本発明において添加される可塑性付与のための材料は、エチレングリコールやトリエチレングリコールを含む種々の透明性の維持可能な液体材料を用いる事も可能であるし、エポキシ樹脂硬化剤である酸無水物の一部を燐酸基やスルホン酸基、あるいは酢酸基やアミンを有する硬化剤で置き換える事は、耐熱安定性と透明性を損なわない範囲において許され得る物である。
更に又、本発明における、酸無水物による硬化におけるエポキシ基の開環を好ましくは10%以上行って、熱硬化が部分的に進行してから光重合性モノマーと混合するプロセスについての応用変更は可能である。エポキシ樹脂モノマーと酸無水物とを、エポキシ当量ずつの対応量で混合して、そこに初めから微量(数%以下)のS2EGや1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタンを反応助剤として加えて、酸無水物の熱硬化温度を下げる事は可能である。この場合、微量の反応助剤の存在は、本発明から逸脱する物では無い。この場合においても、10%以上のエポキシ基の開環反応硬化が進んでから、光硬化性モノマーと混合するという順序を踏む事により本発明の効果を得る事が可能である。
更に又、本発明における光重合性モノマーを、マトリックスを構成するためのエポキシ樹脂成分群と混合するに際して、マトリックスを構成するための成分群だけを光重合成モノマーとの混合に先だって半硬化させておくというプロセスは、酸無水物のような熱硬化を必要とする硬化剤以外のエポキシ樹脂硬化剤だけを用いる場合においても有効に用いる事が出来る。例えば、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等のアミン系のエポキシ樹脂硬化剤だけでエポキシ樹脂を硬化してマトリックスを形成する場合においても、予めエポキシ樹脂硬化剤の添加量を所定の硬化に必要な添加量の20〜30%だけに止めて半硬化を行い、しかる後に光重合性モノマーと光開始剤、更にエポキシ樹脂の所定の硬化に必要な添加量の内の残りの70〜80%を同時に加えて、エポキシ樹脂マトリックスの残りの硬化を更に進めるという方法が可能である。この場合においても、半硬化の段階で形成された硬化エポキシ樹脂の部分的なネットワークは、ホログラム樹脂全体の流動を抑制し、材料均一性保持に対して有効であり、光重合性モノマーを混合した後のエポキシ樹脂マトリックスの未硬化部分の硬化に際して、均一な硬化をもたらす事が出来る。その事により、最初の混合段階からエポキシ樹脂モノマー、アミン系硬化剤、光重合性モノマー及び光開始剤を全部同時に混合してからエポキシ樹脂を硬化させる場合よりも、同じ組成で比較した場合に大きな回折効率を安定して得る事が出来る。
本発明に係る光記録媒体の構成例(1)を示す断面図である。 本発明に係る光記録媒体の構成例(2)を示す断面図である。 本発明に係る光記録媒体の構成例(3)を示す断面図である。 光記録媒体に光干渉縞記録を行う時の原理図である。 光記録媒体の回折反射光強度を測定する時の原理図である。 図5の回折反射光強度測定における1次回折光量測定結果の概略図である。 樹脂組成ごとの記録時に印加される光エネルギーと回折効率との関係を示す図である。
符号の説明
1A,1B,1C・・・光記録媒体、2・・・第1の基材、3・・・第1材料変質抑制層、4・・・第2材料変質抑制層、5・・・記録層、6・・・保護層、7・・・第2の基材

Claims (13)

  1. エポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなり、強度50J/cm以下の光によるホログラム記録によって50%以上の回折効率が得られることを特徴とする光記録用樹脂材料。
  2. 前記エポキシ樹脂は、酸無水物で硬化されてなることを特徴とする請求項1に記載の光記録用樹脂材料。
  3. 前記マトリックス樹脂と光重合性モノマーとの屈折率差の絶対値が0.056以上であることを特徴とする請求項1に記載の光記録用樹脂材料。
  4. エポキシ樹脂がネットワーク構造を形成してなるマトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂のネットワーク構造の間隙に分散配置される光重合性モノマーと、光開始剤とからなる光記録用樹脂材料の製造方法であって、エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーをエポキシ樹脂硬化剤により、エポキシ基の10〜50mol%が反応するように硬化させて半硬化エポキシ樹脂とし、ついで該半硬化エポキシ樹脂に光重合性モノマーと光開始剤を混合して分散した後に残留する前記モノマー又はオリゴマー、あるいはプレポリマーを硬化させることによりなるものであることを特徴とする光記録用樹脂材料の製造方法。
  5. 前記エポキシ樹脂硬化剤の硬化は、熱硬化により行われることを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  6. 前記エポキシ樹脂硬化剤は、酸無水物であることを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  7. 前記酸無水物は、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸であることを特徴とする請求項6に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  8. 前記エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーは、側鎖構造を有する三官能又は多官能エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  9. 前記エポキシ樹脂のモノマー又はオリゴマーは、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルより選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  10. 前記光重合性モノマーは、常温で透明溶解可能な材料であることを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  11. 前記光重合性モノマーは、構成元素としてSを有することを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  12. 前記半硬化エポキシ樹脂に光重合性モノマーと光開始剤を混合する際に可塑剤をさらに添加することを特徴とする請求項4に記載の光記録用樹脂材料の製造方法。
  13. 請求項1または2に記載の光記録用樹脂材料からなり、光の干渉縞により情報が記録される記録層を備えることを特徴とする光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10444626B2 (en) * 2015-04-27 2019-10-15 Sony Corporation Hologram recording composition, hologram recording medium, and method of producing hologram recording medium

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