JPWO2004006235A1 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents
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Abstract
互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
Description
本発明は、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
近年のコンピューター装置技術、ソフトウエア技術、通信技術等をはじめとする情報技術の発展により、より多くの情報を高速に伝達することが可能となってきている。
このような分野においては記録密度の高い記録媒体が必要とされており、DVD(デジタルバーサタイルディスク)が高密度記録媒体として注目されている。DVDについては、光源の短波長化や対物レンズの高開口化等によりCD−ROMの約7倍の記録容量(4.7Gバイト)が達成されているが、今後は青色半導体レーザーの実用化に伴って更に記録密度を向上させ得るものと考えられている。また、DVD等の光ディスクの更なる高密度化を図るために、情報を担持するピットやグルーブが形成された記録層と透明樹脂からなるスペーサー層が交互に積層された多層光ディスクの開発が進められている。
しかしながら、従来の光ディスク、特に、多層光ディスク(記録層が複数層のものをいう。)においては、経時的に劣化してしまう問題があった。すなわち、光ディスクに対して環境加速試験(例えば、温度80℃、湿度85%RHで96時間保持する試験)を行うと、記録層が劣化するという不具合が生じていた。また、光ディスク基板とスペーサー層との密着不良が生ずる場合もあった。
本発明者らは上記問題を解決することを目的として、記録層の劣化が記録層の酸化によるものなのか、あるいは記録層を形成させるための材料への不純物の混入によるものなのか等、記録層の化学的変化の観点から劣化の要因を検討したところ、意外にも、劣化は、スペーサー層の熱膨張に伴う記録層の変形(物理的変化)によるものであることを見出した。また、光ディスク基板とスペーサー層との密着不良の要因を検討したところ、密着不良は、スペーサー層を形成するための樹脂の分子構造に起因することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、光ディスクのスペーサー層を形成するための組成物であって、読取り用レーザに対する透明性や膜厚の均一性等、スペーサー層に求められる通常の要求特性を具備しつつ、更に、熱膨張による記録層の変形や光ディスク基板とスペーサー層との密着不良を抑制することが可能な組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記知見に基づいて鋭意研究を重ねた結果、所定の組成を有した感光性樹脂組成物の硬化物を光ディスクのスペーサー層として用い、当該硬化物のガラス転移温度を所定の範囲内にすること、又は、当該硬化物の架橋密度を所定の範囲内にすることにより、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であることを特徴とする感光性樹脂組成物を提供するものである。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記組成を有しており、硬化後の感光性樹脂組成物のガラス転移温度(以下「Tg」という。)が100〜180℃であることから、これを用いて作製した光ディスクを、高温及び/又は高湿度下で長時間保持した場合でも硬化後の感光性樹脂組成物の熱膨張が抑制される。この結果、光ディスクの記録層の変形が抑制されるため、経時的な光ディスク、特に、多層光ディスクの劣化という問題が生じない。
本発明はまた、互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含んでおり、下記数式(1)により算出される、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。]
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。]
本発明の感光性樹脂組成物は、上記構成を採用したことにより、光ディスク基板とスペーサー層との密着不良を抑制することができるため、経時的な光ディスク、特に、多層光ディスクの劣化が生じ難い。
またさらに、本発明は、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする感光性エレメントを提供する。かかる感光性エレメントは、上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を備えており、該層の硬化物を光ディスクのスペーサー層として用いることができることから、経時的な記録層の劣化という問題が発生しないのみならず、読取り用レーザに対する透明性や膜厚の均一性といったスペーサー層に求められる要求特性の向上を図ることもできる。
図1は、光ディスクの第1の態様を示す断面図である。
図2は、光ディスクの第2の態様を示す断面図である。
図3は、光ディスクの第3の態様を示す断面図である。
図4は、光ディスクの第4の態様を示す断面図である。
図5A〜Eは、多層光ディスクの製造方法を概念的に示す断面図である。
図6は、感光性樹脂組成物層中の光重合性化合物に含まれるアクリル基の紫外線照射前後における赤外吸収スペクトル変化の一例を示す図である。
図7は、硬化後の感光性樹脂組成物の動的粘弾性の測定結果の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(感光性樹脂組成物)
(感光性樹脂組成物)
上述のように、本発明の感光性樹脂組成物は、互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するために用いるものである。
図1、2、3及び4は、本発明の感光性樹脂組成物を適用可能な光ディスクを示す断面図である。図1に示す光ディスク1(単層光ディスク)は、透明基板10上に記録層12とスペーサー層14とがこの順に各一層形成されており、スペーサー層14上には透明基板10を備えている。図2に示す光ディスク1(多層光ディスク)は図1におけるスペーサー層14と透明基板10との間に記録層12を1層備えている。そして、図3に示す光ディスク1(多層光ディスク)は、透明基板10上に記録層12とスペーサー層14とがこの順に交互に各二層形成されており、スペーサー層14上には透明基板10を備えている。また、図4に示す光ディスク1(多層光ディスク)は、図3におけるスペーサー層14と透明基板10との間に記録層12を1層備えている。
本発明の感光性樹脂組成物を用いた多層光ディスクの製造方法の具体例としては、図5A〜Eに示す方法が挙げられる。
すなわち、ピットを有する透明基板10(図5A)におけるピット面に、金属薄膜からなる記録層12を形成する(図5B)。次に、記録層12上に、本発明の感光性樹脂組成物からなるスペーサー層14を形成させた後に、スタンパ16をスペーサー層14に接触させることで(図5C)、スペーサー層14にピットを形成させる(図5D)。次いで、真空蒸着やスパッタリング等によりスペーサー層14上に金属薄膜からなる記録層12を形成させる(図5E)。そして、図5におけるB〜Eを繰り返すことで多層化させる。なお、スペーサー層14の形成は、記録層12上に感光性樹脂組成物層を積層した後、又は、記録層12上に積層された感光性樹脂組成物層にスタンパ16を接触させピットを形成した後、紫外線等の活性光線の照射により光硬化(更に熱硬化を伴っていてもよい。)させる。
感光性樹脂組成物の硬化後のTgは100〜180℃であるが、本発明において「硬化」は、紫外線露光量を100mJ単位で増加させるときの、増加前と増加後の硬化度をそれぞれ求めて、増加前の硬化度と比べて増加後の硬化度が2〜3%以内の変化となる場合における増加前の露光量の紫外線を照射することによって行う。ここで、「硬化度」とは、赤外分光計を用いて、感光性樹脂組成物層中の光重合性化合物に含まれるアクリル基の面外変角振動の特性吸収である812cm−1のピーク高さを、紫外線照射前及び後の感光性エレメントについて求め、この高さの比から算出したものをいう。また、本発明において「Tg」とは、後述の動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度をいう。
なお、上記Tgは、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)を用いて測定したものであるが、TMA(Thermomechanical Analysis)を用いて測定した場合のTgは80〜160℃になる。TMAを用いた場合の「Tg」とは、上記のようにして硬化させた硬化膜を4mm×20mmに切り取り、TMA(TMA−120、セイコー電子製)を用いて、温度領域0〜200℃、昇温速度5℃/分の条件で、荷重3g、引張りモードにより測定したものをいう。「TMA」とは、物質の温度を調節されたプログラムに従って変化させながら、非振動的な荷重を加えてその物質の変形を温度の関数として測定する方法であり、TMAで得られた曲線の傾きは、熱膨張率の大小に対応するため、その傾きの変化からTgを求めることができる。
感光性樹脂組成物の硬化後のTgが、100℃未満である場合は、高温条件下において硬化物の熱膨張がみられたり、読取りレーザ光による温度上昇で局所的な硬化物の熱膨張がみられる等の不具合を生じる。Tgが180℃を超す場合は、硬化物の柔軟性が不充分となり、光ディスクの透明基板や他の層との密着性が劣る。感光性樹脂組成物層の硬化後のTgは110〜170℃であることが好ましく、120〜160℃であることがより好ましい。
感光性樹脂組成物の硬化後のTgを上記好適範囲とする方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(i)バインダーポリマーを構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等の脂環基を有する化合物を使用する方法。
(ii)感光性樹脂組成物の架橋密度を高める方法。
(i)バインダーポリマーを構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等の脂環基を有する化合物を使用する方法。
(ii)感光性樹脂組成物の架橋密度を高める方法。
また、感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度は1,100mmol/L以上であるが、本発明において「架橋密度」とは、文献(Ogata et al.,J.Appl.Polym.Sci.,48,583(1993))に記載の下記数式(1)を用いて算出したものをいう。
ρ=E’/3φRT …(1)
上記(1)式はゴム状態式と呼ばれるものである。上記(1)式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は上記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。なお、上記(1)式中のE’、φ及びTの定義は、文献(Murayama.et al.,J.Polym.Sci.,A−2,8,437(1970))の記載に基づいており、フロント係数φは1である。
ρ=E’/3φRT …(1)
上記(1)式はゴム状態式と呼ばれるものである。上記(1)式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は上記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。なお、上記(1)式中のE’、φ及びTの定義は、文献(Murayama.et al.,J.Polym.Sci.,A−2,8,437(1970))の記載に基づいており、フロント係数φは1である。
ここで、貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定機(DMA(Dynamic Mechanical Analysis)RSA−II粘弾性アナライザ、Rhomotorics社製)を用いて、以下に示す条件及びチャック間距離20mm、試験周波数1Hz、温度領域0〜200℃、昇温速度5℃/分、引張りモードの条件で測定したものをいう。
Options:Auto Tension Adjustment
Mode:Static Force Tracking Dynamic Force
Auto Tension Direction:Tension
Initial Static Force:70g
そして、上記測定結果からT及びE’を求めて、これらの値を上記(1)式に代入することにより、架橋密度が算出される。なお、測定用サンプルとしては、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(オーク社製、QRM−2317−F−00)を用いて、感光性樹脂組成物層に2J/cm2の紫外線照射を行い、硬化膜を6mm×35mmに切り取ったものを用いる。
Options:Auto Tension Adjustment
Mode:Static Force Tracking Dynamic Force
Auto Tension Direction:Tension
Initial Static Force:70g
そして、上記測定結果からT及びE’を求めて、これらの値を上記(1)式に代入することにより、架橋密度が算出される。なお、測定用サンプルとしては、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(オーク社製、QRM−2317−F−00)を用いて、感光性樹脂組成物層に2J/cm2の紫外線照射を行い、硬化膜を6mm×35mmに切り取ったものを用いる。
感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度が1,100mmol/L未満である場合には、光ディスク基板との密着不良をもたらすといった不具合を生ずる。架橋密度が8,000mmol/Lを越す場合には、感光性樹脂組成物の硬化収縮が大きくなり光ディスク基板が歪むといった不具合を生ずることがある。感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度は、1,100〜8,000mmol/Lであることが好ましく、2000〜7500mmol/Lであることがより好ましく、2,500〜7,000mmol/Lであることが更に好ましく、3,000〜6,000mmol/Lであることが特に好ましい。
感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度を上記好適範囲とする方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(i)感光性樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合の割合を高める方法。
(ii)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物として、分子量の小さな化合物を使用する方法。
(iii)側鎖に二重結合を有するポリマーを使用する方法。
(i)感光性樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合の割合を高める方法。
(ii)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物として、分子量の小さな化合物を使用する方法。
(iii)側鎖に二重結合を有するポリマーを使用する方法。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化後のTgが100〜180℃であり、かつ、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であると、硬化物の熱膨張が抑制されて経時での記録層の劣化を防止できるとともに、光ディスク基板とスペーサー層との密着性が優れるようになる。
(バインダーポリマー)
(バインダーポリマー)
バインダーポリマー(以下「(A)成分」という場合がある。)として特に好適なものは、芳香族ポリカーボネート、側鎖に二重結合を有するポリマーであり、これらは単独又は組み合わせて用いることができる。また、感光性樹脂組成物の硬化後のTgが100〜180℃、及び/又は、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上になるように、バインダーポリマーを選択することが好ましい。バインダーポリマーは、更に、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂を含むことができる。この場合においても、Tg及び/又は架橋密度が上記範囲内になるように調製することが望ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、10,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜100,000であることが更に好ましく、40,000〜60,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が、10,000未満では成膜性に劣る傾向があり、300,000を越えると溶剤及びモノマーへの溶解性及び相溶性が低下し取り扱いが困難になる傾向がある。特に、バインダーポリマーが芳香族ポリカーボネートである場合には、重量平均分子量を上記好適範囲とすることが望ましい。なお、本発明において重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンを用いた検量線により換算した重量平均分子量をいう。
(芳香族ポリカーボネート)
(芳香族ポリカーボネート)
バインダーポリマーたる芳香族ポリカーボネートは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
[式中、Xは、下記式(2)で表される二価基、下記式(3)で表される二価基又は下記式(4)で表される二価基を示す。]
上記式(2)、(3)及び(4)で表される二価基のそれぞれに、2つのヒドロキシル基が結合した化合物は、それぞれ、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールZと呼ばれる化合物であるため、バインダーポリマーとして特に好適な芳香族ポリカーボネートは、ビスフェノールA系ポリカーボネート、ビスフェノールF系ポリカーボネート、ビスフェノールZ系ポリカーボネートである。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位は、分子中に40〜1500単位含まれることが好ましい。芳香族ポリカーボネートは、上記一般式(1)を含むものであれば、これ以外の繰り返し単位を含んでいてもよく、また、上記式(2)〜(4)で表される二価基の少なくとも1つを有していればよい。なお、一般式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含む場合や、一般式(1)で表される繰り返し単位を複数種類含む場合には、これらの繰り返し単位は、ランダム鎖を構成していても、ブロック鎖を構成していてもよい。
(側鎖に二重結合を有するポリマー)
(側鎖に二重結合を有するポリマー)
バインダーポリマーたる、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するポリマーは、
カルボキシル基を有するポリマーに、エチレン性不飽結合とヒドロキシル基とを有するヒドロキシルモノマー及びエチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマー(以下「エチレン性不飽和結合を有するポリマー1」という。)、
及び/又は
ヒドロキシル基を有するポリマーに、エチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマー及びエチレン性不飽結合とイソシアネート基とを有するイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマー(以下「エチレン性不飽和結合を有するポリマー2」という。)、であることが好ましい。
カルボキシル基を有するポリマーに、エチレン性不飽結合とヒドロキシル基とを有するヒドロキシルモノマー及びエチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマー(以下「エチレン性不飽和結合を有するポリマー1」という。)、
及び/又は
ヒドロキシル基を有するポリマーに、エチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマー及びエチレン性不飽結合とイソシアネート基とを有するイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマー(以下「エチレン性不飽和結合を有するポリマー2」という。)、であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー1は、カルボキシル基を有するポリマーのカルボキシル基と、ヒドロキシルモノマーのヒドロキシル基及び/又はグリシジルモノマーのグリシジル基との反応により生じたポリマーであり、エチレン性不飽和結合がエステル結合及び/又はエーテル結合を介して側鎖に導入されたポリマーである。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー2は、ヒドロキシル基を有するポリマーのヒドロキシル基と、グリシジルモノマーのグリシジル基及び/又はイソシアネートモノマーのイソシアネート基との反応により生じたポリマーであり、エチレン性不飽和結合がエーテル結合及び/又はウレタン結合を介して側鎖に導入されたポリマーである。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー1の合成に用いられるカルボキシル基を有するポリマーとしては、
カルボキシル基を有するカルボキシルモノマーと、該カルボキシルモノマーと共重合可能な共重合モノマーとの共重合体(以下「カルボキシルポリマー1」という。)、
フェノキシ樹脂と多塩基酸化合物とを縮合させたポリマー(以下「カルボキシルポリマー2」という。)、及び
ヒドロキシルモノマーをモノマー単位として含むヒドロキシルポリマーと、多塩基酸化合物とを縮合させたポリマー(以下「カルボキシルポリマー3」という。)、からなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであることが好ましい。
カルボキシル基を有するカルボキシルモノマーと、該カルボキシルモノマーと共重合可能な共重合モノマーとの共重合体(以下「カルボキシルポリマー1」という。)、
フェノキシ樹脂と多塩基酸化合物とを縮合させたポリマー(以下「カルボキシルポリマー2」という。)、及び
ヒドロキシルモノマーをモノマー単位として含むヒドロキシルポリマーと、多塩基酸化合物とを縮合させたポリマー(以下「カルボキシルポリマー3」という。)、からなる群より選ばれる少なくとも一つのポリマーであることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー2の合成に用いられるヒドロキシル基を有するポリマーとしては、ヒドロキシルモノマーと該ヒドロキシルモノマーと共重合可能な共重合モノマーとの共重合体及び/又はフェノキシ樹脂であることが好ましい。
カルボキシルポリマー1の合成に用いられるカルボキシルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらのなかでは、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。上記カルボキシルモノマーは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、本発明において(メタ)アクリルとはアクリル又はメタクリルを意味し、これと同様に(メタ)アクリレートとはアクリレート又は(メタ)アクリレートを意味する。
カルボキシルポリマーポリマー1又はエチレン性不飽和結合を有するポリマー2の合成に用いられる共重合モノマーとしては、下記一般式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル及び(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。
式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は炭素数1〜12のアルキル基を示す。R22は直鎖状の構造でもよく、枝分かれ構造でもよく、環状構造を有していてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、イソボルニル(メタ)アクリレートが例示できる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとを組み合わせて使用することが好ましい。
カルボキシポリマー2又はエチレン性不飽和結合を有するポリマー2の合成に用いられるフェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの重合により得られるポリヒドロキシポリエーテルが挙げられる。フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000〜100,000が好ましい。なお、ポリヒドロキシポリエーテルにおけるビスフェノールA単位とエピクロロヒドリン単位のそれぞれの繰り返し単位は、ランダム鎖を構成していても、ブロック鎖を構成していてもよい。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー1又は2の合成に用いられるヒドロキシルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられ、係る化合物は、例えば、下記一般式(6)で表すことができる。
式中、R31は水素原子又はメチル基を示し、R32は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。なお、R32は直鎖状の構造でもよく、枝分かれ構造でもよく、環状構造を有していてもよい。R32としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。ヒドロキシルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、カルボキシルポリマー3の合成に用いられるヒドロキシルポリマー、又はエチレン性不飽和結合を有するポリマー2の合成に用いられるヒドロキシル基を有するポリマーにおいては、上記ヒドロキシルモノマーをモノマー単位として用いることができる。上記ヒドロキシルポリマー又はヒドロキシル基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が挙げられる。なお、共重合体を構成する繰り返し単位は、ランダム鎖であってもブロック鎖であってもよい。
カルボキシポリマー2又は3の合成に用いられる多塩基酸化合物としては、多塩基酸又はその酸無水物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物が挙げられ、下記一般式(7)で表されるジカルボン酸化合物が好ましい。
HOOC−R61−COOH …(7)
多塩基酸の酸無水物としては、上記多塩基酸に対応する酸無水物が挙げられ、上記一般式(7)で表されるジカルボン酸化合物の酸無水物が好ましい。
HOOC−R61−COOH …(7)
多塩基酸の酸無水物としては、上記多塩基酸に対応する酸無水物が挙げられ、上記一般式(7)で表されるジカルボン酸化合物の酸無水物が好ましい。
したがって、カルボキシルポリマー2は、フェノキシ樹脂と多塩基酸との縮合で生じたポリマー、及び/又は、フェノキシ樹脂と多塩基酸の酸無水物との開環縮合で生じたポリマーを意味する。かかるポリマーは、上記反応に基づくエステル結合と、フェノキシ樹脂に基づくエーテル結合を有する。また、カルボキシルポリマー3は、ヒドロキシルポリマーと多塩基酸との縮合で生じたポリマー、及び/又は、ヒドロキシルポリマーと多塩基酸の酸無水物との開環縮合で生じたポリマーを意味する。かかるポリマーは、上記反応に基づくエステル結合を有する。
上記一般式(7)中、R61は炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、炭素数2〜10の直鎖又は分岐のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基がより好ましい。かかるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ジメチルメチレン、ジエチルメチレン、プロピレン、メチルエチレン、エチルエチレン、プロピルエチレン、イソプロピルエチレン、メチルペンタエチレン、エチルヘキサメチレン、ジメチルエチレン、メチルトリエチレン、ジメチルトリメチレン、オクタデシルメチレン等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー1又は2の合成に用いられるグリシジルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、1,2−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等が例示でき、なかでも、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するポリマー2の合成に用いられるイソシアネートモノマーとしては、例えば、イソシアネートアルキル(メタ)アクリレート等の脂肪族イソシアネート不飽和化合物が挙げられる。イソシアネートアルキル(メタ)アクリレートとしては、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートメチル(メタ)アクリレート、イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート等が例示でき、なかでも、イソシアネートエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(光重合性化合物)
(光重合性化合物)
感光性樹脂組成物におけるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、単に「光重合性化合物」又は「(B)成分」という。)は、単独又は複数の光重合性化合物から構成される。
上記一般式(8)中、R51及びR52は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。また、X及びYはそれぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示すが、それぞれ独立にエチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、いずれもエチレン基であることが好ましい。
上記一般式(8)中、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であり、6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることが更に好ましく、8〜20であることが特に好ましく、8〜16であることが極めて好ましく、8〜12であることが最も好ましい。p+qが4未満では、バインダーポリマー((A)成分)との相溶性が低下する傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し硬化膜の吸水率が高くなる傾向がある。
なお、一般式(8)中の芳香環は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、炭素数が2〜11のカルボキシアルキル基、炭素数が2〜11のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基、複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよく、また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基はそれぞれ同一でも相違していてもよい。
一般式(8)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、その誘導体も使用でき、かかる誘導体としては、ビスフェノールA−ジエポキシ(DGEBA)にアクリル酸を付加させた化合物が挙げられ、例えば、ビスコート#540(大阪有機化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
光重合性化合物として用いることができる、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の光重合性化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートは、感光性樹脂組成物の硬化後の高Tg化に好適である。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、光重合性化合物には、上記した光重合性化合物を2種類以上組み合わせて用いることが好ましい。光重合性化合物の組み合わせとしては、3官能以上の光重合性化合物と1又は2官能の光重合性化合物との組み合わせが好ましい。3官能以上の光重合性化合物を含有させることにより、硬化後の感光性樹組成物のTgが良好な範囲(100〜180℃)にすることができる。また、硬化後の収縮率の観点からは、光重合性化合物には、アクリレート系の光重合性化合物を含むことが好ましい。
(光重合開始剤)
(光重合開始剤)
感光性樹脂組成物における光重合開始剤(以下「(C)成分」という場合がある。)は上記光重合性化合物を重合可能なものであればよく、特に制限されないが、紫外線又は可視光線により遊離ラジカルを生成する光開始剤が好ましい。
かかる光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ビトロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、相溶性に優れ低黄変性であることから、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが好ましく、かかる化合物は、IRGACURE184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
(感光性樹脂組成物の組成)
(感光性樹脂組成物の組成)
(A)、(B)及び(C)成分は以下の配合となるように含有させることが好ましい。すなわち、(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、30〜90重量部とすることが好ましく、45〜70重量部とすることがより好ましい。(A)成分の配合量が(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して30重量部未満であると、硬化物が脆くなり、感光性エレメントを形成する際の塗膜性が悪くなる傾向がある。また、90重量部を超えると、光感度が低下する傾向がある。
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、10〜70重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。(B)成分の配合量が(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して10重量部未満であると、光感度が低下する傾向があり、70重量部を超えると、硬化物が脆くなり、感光性エレメントを形成する際の塗膜性が悪くなる傾向がある。
(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。(C)成分の配合量が(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して0.1重量部未満であると、光感度が低下する傾向があり、20重量部を超えると、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して、内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
(その他添加成分)
(その他添加成分)
(A)、(B)及び(C)成分以外の成分として、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等を、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(感光性エレメント)
(感光性エレメント)
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とするものであり、感光性樹脂組成物層上には、該層を被覆する保護フィルムを更に備えていてもよい。
感光性樹脂組成物層は、上述した感光性樹脂組成物を、必要に応じてメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分25〜70重量%程度の溶液とした後に、かかる溶液をロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で、支持体上に塗布した後に、乾燥することにより形成させることができる。
乾燥は、70〜150℃、5〜30分程度で行うことができ、また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2重量%以下とすることが好ましい。なお、感光性エレメントが保護フィルムを備える場合、上記有機溶剤溶液の乾燥後に、形成された感光性樹脂組成物層上に保護フィルムを被覆することが好ましい。
支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができ、保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。これらの重合体フィルムの厚さは、1〜100μmとすることが好ましい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層と支持体との接着力よりも、感光性樹脂組成物層と保護フィルムとの接着力が小さいものであることが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚さは、乾燥後の厚さで1〜100μm程度であることが好ましい。このときの膜厚精度としては、乾燥後の感光性樹脂組成物層の膜厚を基準として、±2μmであることが好ましく、±1.0μmであることがより好ましく、±0.5μmであることが特に好ましい。膜厚精度が±2μmの範囲外であると、基板上に均一に感光性樹脂組成物層が積層されず、光ディスクにおけるスペーサー層の膜厚が均一でなくなり、光ディスクからの情報読み出しの精度が低下し、また、光ディスクの製造歩留まりが低くなる傾向がある。なお、本発明において、膜厚精度とは、感光性樹脂組成物層の硬化後の膜厚を基準としてその差をとったものであり、フィルム幅方向(340mm)に、20mm間隔で17点測定を行った平均をいう。
感光性樹脂組成物層の、硬化後の吸水率は、2%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。吸水率が2%を超えると、高温条件下で感光性樹脂組成物層が熱膨張する場合があり、光ディスクに用いた際に記録層の変形を引き起こす可能性がある。なお、本発明において吸水率とは、硬化させた感光性エレメントを5cm×5cmのサイズに切り取り、支持体或いは更に保護フィルムを除去した後、23±2℃の精製水に24±1時間浸水させた後の硬化膜の重量と、浸水させる前の硬化膜の重量との差から式(M2−M1)/M1×100(%)によって求められるものである。
また、感光性樹脂組成物層の硬化後の光透過率は、波長405nmの光に対して85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。光透過率が85%未満であると、光ディスクに用いた際、レーザーによる記録層の情報の読み出し精度が低下する傾向がある。なお、本発明において光透過率とは、透明基板に感光性樹脂組成物層を圧着して感光性樹脂組成物層(厚さ20μm)を硬化させた基板と、感光性樹脂組成物層を備えていない基板と、の光透過率(光の波長405nm)の差から求められるものである。
更に、感光性樹脂組成物層の硬化後の屈折率は、光ディスクを構成する透明基材と同様の屈折率であることが好ましく、その値は1.5程度が好ましい。なお、上記屈折率は、感光性樹脂組成物層の硬化物を備えたガラス基板をサンプルとして、波長633nmの光に対して得られた上記硬化物の屈折率を意味する。
また、感光性樹脂組成物層の硬化後の複屈折率は、波長633nmの光に対して30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることが更に好ましい。複屈折率が30nmを超える場合、再生光の円偏光を楕円偏光にして光量を低下させ、光ディスクの読み出し精度が低下する傾向がある。
感光性エレメントは、例えば、シート状、又は保護フィルムを介在させた上で円筒状の巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。ロール状に巻き取る際、支持体が外側になるように巻き取ることが好ましい。更に、ロール状に巻き取った感光性エレメントの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
光ディスクを製造するために、感光性エレメントを透明基板(光ディスク基板)あるいは記録層上に積層する方法としては以下の方法が挙げられる。
先ず、感光性エレメントに保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去して、感光性樹脂組成物層を20〜130℃程度に加熱しながら、0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で透明基板(ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル等)に圧着(支持体を介して圧着)して、感光性樹脂組成物層を透明基板上に積層する。積層は、減圧下で行うことも可能であり、積層される表面は特に制限はない。
支持体を除去した後、積層が完了した感光性樹脂組成物層に対して、ピットや溝が切られている金型(スタンパ)を0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着する。このとき減圧下で圧着することも可能である。金型圧着後、活性光線を感光性樹脂組成物層に照射することで、ピットや溝を有する感光性樹脂組成物層の硬化物が形成される。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを放射するものが用いられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は光ディスクにおけるスペーサー層だけでなく、その他の透明性が必要とされる保護膜やスペーサー層としても有用である。これらの用途としては、例えば、光ディスク用の保護膜、太陽電池セル等の被着体の表面/裏面に貼り合わせる保護膜等が例示できる。太陽電池のエネルギー効率の悪化を抑えつつ環境耐性に優れる感光性樹脂組成物を提供するためには、波長800nmの光に対する光透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物の調製]
(調製例1〜5及び調製例11〜21)
[感光性樹脂組成物の調製]
(調製例1〜5及び調製例11〜21)
表1に示す成分を混合し溶液を得た。なお調製例1〜5で得られた溶液をそれぞれ溶液1〜5とする。また、表2及び3に示す成分を混合し溶液を得た。なお調製例11〜21で得られた溶液をそれぞれ溶液11〜21とする。
(実施例1〜4及び11〜19並びに比較例1及び11〜12)
調製例1〜5で得られた溶液1〜5に、表4に示す成分を溶解させ、感光性樹脂組成物の溶液を得た。また、調製例11〜15で得られた溶液11〜15に、表5に示す成分を溶解させ、感光性樹脂組成物の溶液を得た。更に、調製例16〜21で得られた溶液16〜21に、表6に示す成分を溶解させ、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
なお、表中*1〜*8は以下のとおりである。
*1:ヘキサンジオールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)、
*2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)、
*3:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)、
*4:ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物(繰り返し単位n=1.2)(大阪有機化学工業(株)製)、
*5:一般式(8)において、R51及びR52がメチル基、X及びYがエチレン基を示し、p+q=10(平均値)である化合物(新中村化学工業(株)製)、
*6:トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート系ウレタンジアクリレート(日立化成工業(株)製サンプル名)、
*7:一般式(8)において、R51及びR52がメチル基、X及びYがエチレン基を示し、p+q=4(平均値)である化合物(新中村化学工業(株)製)、
*8:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
[感光性エレメントの作製]
(実施例5〜8及び20〜28並びに比較例2及び13〜14)
*1:ヘキサンジオールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)、
*2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)、
*3:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)、
*4:ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリル酸付加物(繰り返し単位n=1.2)(大阪有機化学工業(株)製)、
*5:一般式(8)において、R51及びR52がメチル基、X及びYがエチレン基を示し、p+q=10(平均値)である化合物(新中村化学工業(株)製)、
*6:トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート系ウレタンジアクリレート(日立化成工業(株)製サンプル名)、
*7:一般式(8)において、R51及びR52がメチル基、X及びYがエチレン基を示し、p+q=4(平均値)である化合物(新中村化学工業(株)製)、
*8:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
[感光性エレメントの作製]
(実施例5〜8及び20〜28並びに比較例2及び13〜14)
次いで、得られた上記実施例及び比較例の溶液を、19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)(商品名G2−19、帝人(株)製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ:16Mpa、フィルム幅方向の引張強さ:12Mpa、商品名:NF−15、タマポリ(株)製)で保護し、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、20μmであった。なお、実施例1〜4及び比較例1の溶液を用いたものが、それぞれ実施例5〜8及び比較例2に該当する。また、実施例11〜19及び比較例11〜12の溶液を用いたものが、それぞれ実施例20〜28及び比較例13〜14に該当する。
次いで上記実施例及び比較例の感光性エレメントについて、硬化度、光透過率、ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折率及び膜厚精度を以下のようにして評価した。また、実施例5〜8及び比較例2の感光性エレメントにおいては、環境加速試験を以下のようにして行った。なお、以下の実施において、ラミネートには、ロール外径87.5mmφ、シリンダー内径40mmφであり、硬度70°のシリコンゴム(3mm厚)がロールの外側に存在する形態のヒートロールを用いた。
[硬化度の測定]
[硬化度の測定]
赤外分光計(HORIBA FT−200、堀場製作所(株)製)を用いて、感光性樹脂組成物層中の光重合性化合物に含まれるアクリル基の面外変角振動の特性吸収である812cm−1のピーク高さを、紫外線照射前及び後の感光性エレメントについて求め、この高さの比から感光性樹脂組成物層の硬化度を求めた。図6は、紫外線照射前後の赤外吸収スペクトル変化の一例を示す。また、紫外線露光量を100mJ単位で増加させるときの、増加前と増加後の硬化度をそれぞれ求めて、増加前の硬化度と比べて、増加後の硬化度が、2〜3%以内の変化となる部分を光硬化の飽和状態とみなし、この場合における増加前の露光量を硬化物を得るための最適値とした。
[光透過率の測定]
[光透過率の測定]
まず、感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、ポリカーボネート(PC)基板に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、50℃のヒートロールを用い、0.5MPaの圧力及び0.2m/分の速度でラミネートして、PC基板、感光性樹脂組成物層及びPETフィルムをこの順に備える三層構造とした。次に、PETフィルム側から高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて紫外線照射を行い、感光性樹脂組成物層を硬化させることによって、評価用サンプルを得た。光透過率は、光硬化後60分後のものを用いて測定した。
そして、UV分光計((株)日立製作所製228A型Wビーム分光光度計)の測定側に上記方法によって得られた評価用サンプルを置き、リファレンス側にPC基板を置き、T%モードにより900〜190μmまでを連続測定し、405nmの値を読み取ることにより光透過度の差を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
実施例5〜8及び比較例2においては、TMAを用いて以下のようにしてTgの測定を行った。高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行い、硬化膜をサイズ4mm×20mmに切り取ったものをTg測定用サンプルとし、TMA120(セイコー電子製)を用いて感光性樹脂組成物層の光硬化後のTgを測定した。測定条件は、温度領域0〜200℃、昇温速度5℃/分、荷重3g、引っ張りモードとした。
実施例20〜28及び比較例13〜14においては、DMAを用いて以下のようにしてTgの測定を行った。高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行い、硬化膜をサイズ6mm×35mmに切り取ったものをTg測定用サンプルとし、RSA−II粘弾性アナライザ(Rhomotorics社製)を用いて、以下に示す条件及び温度領域0〜200℃、昇温速度5℃/分、引張りモードの条件で動的粘弾性を測定し感光性樹脂組成物層の光硬化後のTgを求めた。
Options:Auto Tension Adjustment
Mode:Static Force Tracking Dynamic Force
Auto Tension Direction:Tension
Initial Static Force:70g
[吸水率の測定]
Options:Auto Tension Adjustment
Mode:Static Force Tracking Dynamic Force
Auto Tension Direction:Tension
Initial Static Force:70g
[吸水率の測定]
高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて紫外線照射を行い、硬化膜をサイズ5cm×5cmに切り取ったものを吸水率測定用サンプルとし、JIS K−7209に準じた方法で、以下の通りにして感光性樹脂組成物層の光硬化後の吸水率を測定した。まず、得られたサンプルを秤量し、この値をM1とした。次に、23±2℃の精製水に24±1時間浸水させた。浸水後、サンプルを精製水から取りだし、水滴を拭き取った後秤量し、この値をM2とした。吸水率は(M2−M1)/M1×100(%)の式により求めた。
[屈折率の測定]
[屈折率の測定]
感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、ガラス基板(4cm×4cm)に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、50℃のヒートロールを用い、0.5MPaの圧力及び0.2m/分の速度でラミネートし、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行ったものを屈折率測定用サンプルとし、2010プリズムカプラ(メトリコン(株)製)を用いて波長633nmで感光性樹脂組成物層の光硬化後の屈折率を測定した。測定は、TEモードとTMモードの両方で行い、両者の平均を測定値とした。
[複屈折率の測定]
[複屈折率の測定]
感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、ガラス基板(4cm×4cm)に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、50℃のヒートロールを用い、0.5MPaの圧力及び0.2m/分の速度でラミネートし、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行ったものを複屈折率測定用サンプルとし、ADR−100XY(オーク(株)製)を用いて波長633nmで感光性樹脂組成物層の光硬化後の複屈折率を測定した。測定は、サンプル上9点を測定し、9点の平均を測定値とした。
[膜厚精度の測定]
[膜厚精度の測定]
感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、ガラス基板(4cm×4cm)に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、23℃のヒートロールを用い、0.4MPaの圧力及び1m/分の速度でラミネートし、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射器(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行ったものを膜厚精度測定用サンプルとし、接触式膜厚測定機(Nikon(株)製)MS−5Cを用いて感光性樹脂組成物層の硬化後の膜厚を測定し、20μmとの差を膜厚精度とした。測定方法は、フィルム幅方向(340mm)に20mm間隔で測定を行い、17回分の平均を測定値とした。
[環境加速試験]
[環境加速試験]
感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、直径12cmのPC基板に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、50℃のヒートロールを用い、0.5MPaの圧力及び0.2m/分の速度でラミネートして、PC基板、感光性樹脂組成物層及びPETフィルムをこの順に備える積層体を得た。得られた積層体のPETフィルムを剥がした後、感光性樹脂組成物層にスタンパを接触させ、50℃のヒートロールを用いて、0.5MPaの圧力及び0.05m/分の速度でラミネートして、感光性樹脂組成物層にピットの転写を行った。ピットの転写を行った後、スタンパを剥離して、PC基板とピットが形成された感光性樹脂組成物層とからなるディスクを得た。得られたディスクの感光性樹脂組成物層に、高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射器(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて、2J/cm2で紫外線照射を行ったものを環境加速試験用サンプルとした。
得られた環境加速試験用サンプルを、温度70℃、湿度90%RHの恒温恒湿槽中に314時間放置した。それぞれのサンプルについて、走査型電子顕微鏡(S−4500((株)日立製作所製))で試験前及び後のピット形状を観察した。
[架橋密度の測定]
[架橋密度の測定]
上記動的粘弾性測定における貯蔵粘弾性率の測定結果に基づき、下記数式(1)を用いて感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度を算出した。
ρ=E’/3φRT …(1)
架橋密度の算出方法の一例を以下に説明する。図7は、実施例20の感光性エレメントの動的粘弾性の測定結果を示す図である。実施例20の感光性樹脂組成物の硬化膜においては、損失正接が極大値を示す温度は115.7℃であった。E’は115.7℃に40℃を加えた155.7℃おける貯蔵粘弾性率であり、Tは155.7℃における絶対温度(428.7K)である。また、φは1である。これらの値を上記(1)式に代入して算出したρの値は、3039mmol/Lであった。実施例21〜28及び比較例13〜14においても、同様の方法により上記(1)式を用いて硬化後の感光性樹脂組成物の架橋密度を算出した。
[密着性試験]
ρ=E’/3φRT …(1)
架橋密度の算出方法の一例を以下に説明する。図7は、実施例20の感光性エレメントの動的粘弾性の測定結果を示す図である。実施例20の感光性樹脂組成物の硬化膜においては、損失正接が極大値を示す温度は115.7℃であった。E’は115.7℃に40℃を加えた155.7℃おける貯蔵粘弾性率であり、Tは155.7℃における絶対温度(428.7K)である。また、φは1である。これらの値を上記(1)式に代入して算出したρの値は、3039mmol/Lであった。実施例21〜28及び比較例13〜14においても、同様の方法により上記(1)式を用いて硬化後の感光性樹脂組成物の架橋密度を算出した。
[密着性試験]
実施例20〜28及び比較例13〜14の感光性エレメントについて、光ディスク基板としてのポリカーボネート(PC)フィルムとの密着性を試験した。
まず、感光性エレメントにおける保護フィルムを剥がしながら、PCフィルム(膜厚:70〜100μm)に感光性樹脂組成物層が接触するようにして、110℃のヒートロールを用い、0.5MPa程度(5kgf/cm2程度)の圧力及び0.2m/分の速度でラミネートした。これにより、PCフィルム、感光性樹脂組成物層及びPETフィルムの3層構造が得られる。次に、PETフィルム側から高圧水銀灯ランプを有する大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク(株)製)を用いて感光性樹脂組成物層に紫外線照射を行なった後、PETフィルムを剥離したものを密着性試験用サンプルとした。密着性試験は、JIS K−5400−8.5.3に準拠した方法により、以下のようにして行った。
新しい刃に交換したカッターを用いて、試験用サンプルの中央に互いに30度の角度で交わりPCフィルムに達する長さ40mmの切傷を付けた。次に、交差する2本の切傷の上から接着部分の長さが50mmになるようにセロハンテープを貼り付け、消しゴムで気泡を追い出すようにこすり硬化膜に完全に付着させた。そのまま1分間静置して、セロハンテープの一方の端を持ち垂直方向に一気に剥がした。セロハンテープを剥がしたときのXカット部の剥れの状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:剥れがない、
×:全てが剥れる。
○:剥れがない、
×:全てが剥れる。
以上、実施例5〜8及び比較例2の光透過率、ガラス転移温度(Tg)、吸水率、屈折率、複屈折率及び膜厚精度の評価結果並びに環境加速試験で得られた結果を表7に示す。また、実施例20〜23及び比較例13の光透過率、Tg、吸水率、屈折率、複屈折率、膜厚精度、架橋密度及び密着性の評価結果を表8に示す。さらに、実施例24〜28及び比較例14の光透過率、ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折率、膜厚精度、架橋密度及び密着性の評価結果を表9に示す。
また、実施例5〜8、実施例20〜23及び実施例24〜28の感光性樹脂組成物の硬化後の光透過率は波長800nmの光に対して90%以上であり、エネルギー効率の悪化を抑えつつ環境耐性に優れる太陽電池セルの保護膜として有用であることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、光ディスクのスペーサー層を形成するための組成物であって、読取り用レーザに対する透明性や膜厚の均一性等、スペーサー層に求められる通常の要求特性を具備しつつ、更に、熱膨張による記録層の変形や光ディスク基板とスペーサー層との密着不良を抑制することが可能な組成物を提供することが可能になる。
Claims (34)
- 互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含んでおり、
下記数式(1)により算出される、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含んでおり、
硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であり、
下記数式(1)により算出される、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、
前記バインダーポリマーが、芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記感光性樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度が、100〜180℃であることを特徴とする請求項4記載の感光性樹脂組成物。
- 下記数式(1)により算出される、前記感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度が、1,100mmol/L以上であることを特徴とする請求項4記載の感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量が、10,000以上であることを特徴とする請求項4記載の感光性樹脂組成物。
- 互いに対向して配置された2枚の透明基板と、該透明基板の対向面間に配置された記録層及びスペーサー層と、を備える光ディスクにおける、前記スペーサー層を形成するための感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、
前記バインダーポリマーが、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するポリマーを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記感光性樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度が、100〜180℃であることを特徴とする請求項9記載の感光性樹脂組成物。
- 下記数式(1)により算出される、前記感光性樹脂組成物の硬化後の架橋密度が、1,100mmol/L以上であることを特徴とする請求項9記載の感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 側鎖にエチレン性不飽和結合を有する前記ポリマーが、
カルボキシル基を有するポリマーに、
エチレン性不飽結合とヒドロキシル基とを有するヒドロキシルモノマー及びエチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマーであることを特徴とする請求項9記載の感光性樹脂組成物。 - 前記カルボキシル基を有するポリマーが、
カルボキシル基を有するカルボキシルモノマーと、該カルボキシルモノマーと共重合可能な共重合モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項12記載の感光性樹脂組成物。 - 前記カルボキシル基を有するポリマーが、
フェノキシ樹脂と多塩基酸化合物とを縮合させたポリマーであることを特徴とする請求項12記載の感光性樹脂組成物。 - 前記カルボキシル基を有するポリマーが、
エチレン性不飽結合及びヒドロキシル基を有するヒドロキシルモノマーをモノマー単位として含むヒドロキシルポリマーと、多塩基酸化合物とを縮合させたポリマーであることを特徴とする請求項12記載の感光性樹脂組成物。 - 側鎖にエチレン性不飽和結合を有する前記ポリマーが、
ヒドロキシル基を有するポリマーに、
エチレン性不飽和結合とグリシジル基とを有するグリシジルモノマー及びエチレン性不飽結合とイソシアネート基とを有するイソシアネートモノマーからなる群より選ばれる少なくとも一つのモノマーを、反応させてなるポリマーであることを特徴とする請求項9記載の感光性樹脂組成物。 - 前記ヒドロキシル基を有するポリマーが、フェノキシ樹脂であることを特徴とする請求項16記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ヒドロキシル基を有するポリマーが、エチレン性不飽結合及びヒドロキシル基を有するヒドロキシルモノマーと、該ヒドロキシルモノマーと共重合可能な共重合モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項16記載の感光性樹脂組成物。
- 前記カルボキシルモノマーが、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項13記載の感光性樹脂組成物
- 前記共重合モノマーが、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項13又は18記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル及び(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つの(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項20記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ヒドロキシルモノマーが、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであることを特徴とする請求項12、15又は18記載の感光性樹脂組成物。
- 前記グリシジルモノマーが、グリシジル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項12又は16記載の感光性樹脂組成物。
- 前記イソシアネートモノマーが、イソシアネートアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項16記載の感光性樹脂組成物。
- 前記バインダーポリマー30〜90重量部と、前記光重合性化合物70〜10重量部との合計100重量部に対する前記光重合開始剤の配合量が、0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成された請求項1、2、3、4又は9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする感光性エレメント。
- 前記感光性樹脂組成物層の硬化後の吸水率が、2%以下であることを特徴とする請求項26記載の感光性エレメント。
- 前記感光性樹脂組成物層の硬化後の光透過率が、85%以上であることを特徴とする請求項26項記載の感光性エレメント。
- 前記感光性樹脂組成物層の膜厚精度が、±2μmであることを特徴とする請求項26項記載の感光性エレメント。
- 透明性保護膜又はスペーサー層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 透明性保護膜又はスペーサー層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含んでおり、
下記数式(1)により算出される、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 透明性保護膜又はスペーサー層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含んでおり、
硬化後のガラス転移温度が100〜180℃であり、
下記数式(1)により算出される、硬化後の架橋密度が1,100mmol/L以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
ρ=E’/3φRT …(1)
[式中、ρは架橋密度、Tは温度を変化させて動的粘弾性を測定した時の損失正接が極大値を示す温度に40℃を加えた温度、E’は前記Tおける貯蔵弾性率、φはフロント係数、Rは気体定数、をそれぞれ示す。] - 透明性保護膜又はスペーサー層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、
前記バインダーポリマーが、芳香族ポリカーボネートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 透明性保護膜又はスペーサー層を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、
前記バインダーポリマーが、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するポリマーを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
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