JP2007102980A - 光ディスク - Google Patents

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Takeshi Isonaka
健 磯中
Daisuke Ito
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Abstract

【課題】光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクとして、ディスクの反りの発生を極力抑えた光ディスクを提供する。特に上記課題を解決したブルーレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクを提供する。
【解決手段】1枚の樹脂基板と、該樹脂基板上に順に形成された情報記録層、光反射層及び光透過層とを備え、該光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクであって、前記光透過層の膜厚が30〜200μmであり、且つ前記光透過層の30℃での弾性率(MPa)と前記膜厚(μm)の積が、7×10(MPa・μm)以下であることを特徴とする光ディスク。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報記録層を有する基板上に紫外線硬化型組成物で形成された光透過層を有し、この透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクに関する。特に、370nm〜430nmの範囲内に発振波長を有する半導体レーザー(以下ブルーレーザーと称す)により記録又は再生を行う光ディスクに関する。
近年、情報技術の発展により大容量の情報記録の伝達が可能になった。これに伴い、大容量となる映像、音楽、コンピューターデータ等を記録及び再生出来る高密度大容量の光ディスクが要求されている。
高密度記録媒体として伸長を見せているDVD(Digital Versatile Disc)は厚さ0.6mmの2枚の基板を接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVDにおいては高密度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開口数化している。
しかし、HDTV(high definition television)に対応した高画質の映像を記録または再生する為には更なる高密度化が必要となる。DVDの次世代に位置する更なる高密度記録の方法及びその光ディスクの検討が行われており、DVDよりも更に短波長のブルーレーザー及び高開口数の光学系を用いる新しい光ディスク構造による高密度記録方式が提案されている。これら新しいディスクの構造は既に公知となっている(例えば、非特許文献1参照)。
この新しい光ディスクはポリカーボネート等のプラスチックで形成される透明又は不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、該光透過層を通して記録光又は再生光が、あるいはその両方が入射する構造の光ディスクである。
この光ディスクの光透過層には、生産性の観点から、紫外線硬化型組成物を使用することがもっぱら研究されている。しかし、紫外線硬化型組成物を使用すると、硬化時に発生する収縮のため基板に反りが発生し易いといった問題がある。また、光ディスクを高温高湿環境下に保存した場合にも反りが発生し易い。これまで、紫外線硬化型組成物はCDやDVDの保護コート剤あるいは接着剤として用いられてきたが、従来のCDでは約7μm程度、DVDでは50μm程度の膜厚であったことから、反りに対して悪影響を及ぼすことが少なかった。しかし、ブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクは、100μm前後の光透過層を通して信号を読み書きするタイプであり、この厚い膜厚の光透過層がわずかに反りを発生した場合でも読み取りエラーが生じ易くなり、最悪の場合、読み取り不能となってしまうこともある。
更に詳細に説明する。ブルーレーザー用光ディスクは、1枚の基板の片側に100μm前後の厚い光透過層を形成した構造を有している。光透過層は紫外線硬化型組成物の硬化被膜により形成されるが、この紫外線硬化型組成物の硬化時の歪みがブルーレーザー用光ディスクの反りとなって現れやすい。これに対し、紫外線硬化型組成物の硬化被膜からなり、膜厚が50μm程度の接着層により2枚の基板を貼り合わせたDVDでは、紫外線硬化型組成物が硬化する際の歪みは、接着層の両側の基板の剛性により抑えられ、ブルーレーザー用光ディスクの場合よりも反りとなって現れにくい。つまり、2枚の基板の中間に50μm程度の接着層を有するDVDに比較して、1枚の基板の片側に、しかも、100μm前後の厚い光透過層を形成したブルーレーザー用光ディスクは構造的に反りが現れやすい光ディスクであるといえる。
ブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクとして、円形基板上に情報記録層及び光反射層を形成し、更に紫外線硬化型樹脂を塗布し、硬化させて光透過層を積層した光ディスクが提案されている。該技術では、光透過層形成材料としてカチオン重合性紫外線硬化型組成物が使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。しかしながら、カチオン重合性紫外線硬化型組成物は、紫外線照射により光反射層を腐食させやすいルイス酸を発生するため、光ディスクを長期間保存する場合の安定性が得られ難い欠点がある。特に、最近では、光反射膜に用いる材料として、従来の金又は金を主成分とする合金に換えて、銀又は銀を主成分とする合金が使用されるようになった。銀又は銀を主成分とする合金は化学物質による腐食等の化学変化を起こしやすいため、光反射層を形成する材料として銀又は銀を主成分とする合金を用いた場合、これに接する光透過層用の材料としてカチオン重合性紫外線硬化型組成物を用いることは好ましくない。
カチオン重合性紫外線硬化型組成物に換えて、通常のラジカル重合系である(メタ)アクリレート化合物と光重合開始剤を主成分とする紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの例が提案されている(特許文献3参照)。当該文献には、(メタ)アクリレート化合物と光ラジカル重合開始剤を主成分とする硬化収縮率が10%以下の紫外線硬化型組成物が記載され、該組成物を光透過層用の材料として使用したブルーレーザー用の光ディスクが記載されている。そして、該組成物の硬化収縮率が10%以下であるため、該光ディスクにおける反りの発生が防止でき、また、腐食性の酸を発生させる物質を含有しないため、例えばアルミニウム、金、銀等の光反射膜の耐久性を向上させることができると記載されている。更に、実施例には、ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5500(大日本インキ化学工業社製)9部と、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)1モルとイソホロンジイソシアネート2モルを反応後、ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させたウレタンアクリレート22部を使用した紫外線硬化型組成物が記載されている。しかしながら、該実施例に記載された紫外線硬化型組成物を用いたブルーレーザー用の光ディスクは、光反射膜の耐久性はほぼ達成できるものの、反りの発生を十分に抑えることができず、特に、高温高湿環境下に長時間曝された後は大きな反りが発生することが確認されている。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを含有する紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクが提案されている(特許文献4参照)。当該技術は、ブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクに適し、硬化収縮率が低く、低吸水性及び透明性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を開示するものであるが、当該組成物を使用した光ディスクを高温高湿の環境下に保存した場合、光反射層の腐食が起こり、実用上さらに改良を必要とするものであることが確認されている。
ところで、ブルーレーザー用の光ディスクではないが、硬化塗膜の30℃での弾性率が500MPa以下となる紫外線硬化型組成物を用いて製造した光ディスクが知られている(特許文献5参照)。当該技術は、該紫外線硬化型組成物を貼り合わせ用接着剤として用いた光ディスクに関するものである。そして、当該技術は、該組成物の硬化後の弾性率を低くすることにより、貼り合わせた光ディスクを誤って落下させた場合でも、落下時の衝撃を吸収し、貼り合わせたディスクが剥離したり割れたりするのを防止することを目的としている。更に、実施例には、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)1モルとイソホロンジイソシアネート2モルを反応後、ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させたウレタンアクリレート23部と、ビスフェノールA型エポキシアクリレート20部を使用した紫外線硬化型組成物が記載されている。また、該組成物が硬化した時の30℃での弾性率は85MPaであることが記載されている。しかしながら、前記の通り、当該特許文献は、ブルーレーザー用の光ディスクに関するものではなく、貼り合わせ型の光ディスク、例えばDVD−9等に関するものである。したがって、当該特許文献には、ブルーレーザー用の光ディスクにおける反りの発生を防止すること、光反射膜の腐食を防ぐこと、特に光反射膜として銀又は銀を主成分とする合金を使用した光ディスクの光反射膜の腐食を防ぐこと等の技術的課題については何ら記載されていない。
日経エレクトロニクス(日経BP社)、1999年、8、9号、p.47〜53 特開平11−191240号公報 特開2002−92948号公報 特開2002−109785号公報(特許請求の範囲、第8段落、第14段落、第30段落、実施例) 特開2003−119231号公報(特許請求の範囲、第3段落、第4段落、) 特開平10−245467号公報(特許請求の範囲、第7段落、第8段落、実施例)
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクとして、ディスクの反りの発生を極力抑えた光ディスクを提供することにある。特に、本発明の目的は、上記課題を解決したブルーレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために前記特許文献3記載の紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクを検討した。その結果、前記特許文献3に記載された前記紫外線硬化型組成物を用いた光ディスクは、光ディスクの反りの発生を十分に防止することはできなかった。特に、高温高湿環境下に長時間放置された後の反りは、実用上不適切なレベルであった。このことから、単に硬化収縮率を低くするだけでは、光ディスクの反りの発生を防止する上では不十分であり、特に、高温高湿環境下に長時間放置された後の反りの発生を抑えることは困難であることが判った。
そこで本発明者等は、硬化収縮率以外の要因を種々検討した。その結果、紫外線硬化型組成物の硬化後の硬化膜の弾性率を調整することにより反りの発生を抑えることができることが判った。更に、紫外線硬化型組成物の硬化膜により形成される光透過層の膜厚と弾性率の関係を検討した結果、光透過層の膜厚と弾性率の積を一定値以下とすることにより、反りの発生を極力低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
なお、弾性率を特定の範囲に調節することによりディスクの反りを防止するメカニズムについては明らかではないが、硬化膜の弾性率を比較的低くすることにより、紫外線硬化型組成物が硬化する際、あるいは硬化後の膜が高温高湿環境下に置かれた際に発生する歪みを緩和できるためと推察している。
すなわち本発明は、1枚の樹脂基板と、該樹脂基板上に順に形成された情報記録層、光反射層及び光透過層とを備え、該光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクであって、
前記光透過層の膜厚が30〜200μmであり、
且つ前記光透過層の30℃での弾性率(MPa)と前記膜厚(μm)の積が、7×10(MPa・μm)以下であることを特徴とする光ディスクを提供するものである。
本発明の光ディスクは、光透過層の弾性率を一定値以下とし、更に、光透過層の膜厚と弾性率の積を一定値以下としているため、反りの発生がほとんど無い。したがって、本発明の光ディスクは光透過層の膜厚の厚いブルーレーザー用光ディスクとして最適である。
本発明の光ディスクの光透過層の30℃での弾性率は1500MPa以下であることが好ましく、100〜1000MPaであることがより好ましく、100〜700MPaであることが特に好ましい。また、弾性率(MPa)と膜厚(μm)の積は、0.5×10〜7.0×10(MPa・μm)であることが好ましく、0.5×10〜6.5×10(MPa・μm)であることがより好ましく、0.5×10〜5.5×10(MPa・μm)であることが特に好ましい。弾性率及び弾性率(MPa)と膜厚(μm)の積がこの範囲であると光ディスクの反りが発生しにくい。また、弾性率(MPa)と膜厚(μm)の積が、5.5×10(MPa・μm)以下であると、製造後、高温高湿環境下に長時間放置された場合であっても反りの発生を極力抑えることができる。この場合、0.5×10〜5.5×10(MPa・μm)であることがより好ましい。更に、膜厚は50〜150μmであることがより好ましい。中でも、75〜150μmであることが特に好ましい。
本発明の光ディスクの光透過層を形成するための紫外線硬化型組成物に使用する材料としては、公知のオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及び各種添加物を使用することができる。中でも、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートを使用することが好ましく、両者を併用することがより好ましい。
エポキシアクリレートとしては公知のものを用いることができるが、下記式(I)で表される分子構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。中でもYが-C(CH3)2-であり、nが0又は1〜6の整数である構造の付加重合体を主構成成分とするビスフェノールA型のエポキシ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。そのような構造のエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにより、本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの光反射層の耐腐食性がより優れたものとなる。下記式(I)で表される分子構造を有するビスフェノールA型エポキシアクリレートの市販品としては、例えば、ユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)がある。なお、本発明で使用する光ディスク用紫外線硬化型組成物はラジカル重合性の組成物である。また、本明細書では、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のことであり、アクリル酸またはメタクリル酸の誘導体についても同様である。
Figure 2007102980
式(I)
(式中、Yは-SO2-、-CH2-、-CH(CH3)-又は-C(CH3)2-を表し、Zは各々独立的に、水素原子又は-CH3を表し、nは0又は1以上の整数を表す。)
本発明で使用するエポキシ(メタ)アクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)としては、500〜5000であることが好ましく、800〜3000であることがより好ましく、800〜1500が特に好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートの構造、及び分子量を上記の範囲とすることにより、本発明の光ディスクの耐久性がより優れたものとなる。なお、GPCは東ソー(株)社製 HLC−8020を用い、カラムはGMHxl−GMHxl−G200Hxl−G1000Hxlwを使用した。溶媒はTHFを用い、1.0ml/minの流量でカラム温度が40℃、検出器温度が30℃、分子量は標準ポリスチレン換算で測定を行った。
本発明で使用することができるウレタン(メタ)アクリレートは、公知のものを用いることができるが、
(i)分子量50〜4000の式(II)
HO-(R-O)n-H (II)
(式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜24のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)で表される化合物と
(ii)ジイソシアネート化合物とジイソシアネート化合物と
(iii)同一分子内に1つの水酸基と1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
(i)分子量50〜4000のHO-(R-O)n-H(式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜24のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)で表される化合物としては、Rが分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜8のアルキレン基であり、nが2以上の化合物であることが好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、2−エチルへキシレングリコール等が好ましく、ポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、分子量は50〜2000であることがより好ましく、200〜900であることが特に好ましい。なお、HO-(R-O)n-Hで表される化合物の分子量は、末端基定量法により求めた分子量である。
末端基定量法によって算出される数平均分子量はJIS K 1577に記載された方法により水酸基価を測定し、以下の計算式で求めた値である。
数平均分子量=1分子中に存在する水酸基の個数×56.11×1000×1/水酸基価
=2×56110×1/水酸基価
HO-(R-O)n-Hで表される化合物の構造、及び分子量を上記の範囲とすることにより、本発明の光ディスクの反りの発生を極力防止することができる。
(ii)ジイソシアネート化合物としては公知の化合物を使用することができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が使用できる。中でも、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを用いることが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネートを用いることが最も好ましい。
(iii)同一分子内に1つの水酸基と1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては公知の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が使用できる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いることが最も好ましい。
脂肪族系の主鎖を有するウレタン(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物の硬化膜は、ディスクの反りを防止するために有効であり、ビスフェノール系の主骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物の硬化膜は、光反射層として銀又は銀を主成分とする光反射層を使用した場合、該光反射層の腐食を防止するうえで有効である。また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族系の主鎖を有する構造であると、高温高湿の条件下に保存した場合においても銀又は銀を主成分とする合金からなる光反射層の腐食を低減することができ、好ましい。
本発明では、光反射層の腐食を防止し、且つ硬化後の光ディスクの反りを防止するため、エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートを含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物を用いることが好ましいが、エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートの使用量の合計は、光ディスク用紫外線硬化型組成物に使用する全光重合性化合物中で40〜75質量%であることが好ましく、40〜65質量%であることがより好ましい。中でも、45〜60質量%であることが特に好ましい。エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートの使用量の合計が上記範囲であると耐腐食性が良好であり、また、光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化後の弾性率を上記範囲にすることが容易であり、反りの発生の防止効果が良好である。また、エポキシ(メタ)アクリレート(A)とウレタン(メタ)アクリレート(B)の比率は、(A)/(B)=10/90〜50/50であることが好ましく、20/80〜40/60であることがより好ましく、25/75〜35/65であることが特に好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートの含有比率が多くなると光反射層の耐腐食性は良好になるが、弾性率が上昇し、反りが発生し易くなり、ウレタン(メタ)アクリレートの含有比率が多くなると弾性率が上記範囲に入りやすくなり、反りが発生し難くなるが、光反射層の耐腐食性が低下し易くなる。エポキシ(メタ)アクリレート(A)とウレタン(メタ)アクリレート(B)の比率が上記範囲であると耐腐食性及び反りの発生防止効果が共に良好である。
光ディスク用紫外線硬化型組成物では公知の光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
また、光重合開始剤としては、波長が400nmの光を80%以上透過する化合物であることが好ましい。そのような化合物であれば、光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる光透過層を通して、ブルーレーザー光により安定した情報の読み取り、及び記録が可能となる。
本発明の光ディスクに用いる紫外線硬化型組成物に適した光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、べンゾインイソブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等がある。これらは単独又は併用して用いることが好ましく、この中では特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが光透過層の波長が400nmの光の透過率を80%以上にすることができ、最も好適である。
更に、紫外線硬化型組成物には増感剤を使用することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
光重合開始剤の量としては0.1質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは2質量%〜10質量%、最も好ましくは4質量%〜8質量%である。
本発明の光ディスクに使用する紫外線硬化型組成物においては、下記式(III)の化合物を使用することが好ましい。
Figure 2007102980
(式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、R及びRは、各々独立的に分岐鎖を有していてもよい炭素原子数1〜16のアルキル基を表し、mは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、m+n≦5である。)
前記式(III)で表される化合物としては、式(III)の範囲であれば、種々の構造の化合物が使用可能であるが、中でも、前記式(III)におけるRが炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキレン基であることが好ましく、Rは炭素原子数4〜12の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、Rは炭素原子数1〜6の直鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、mは1〜3の整数であることが好ましく、nは1又は2であることが好ましい。特に、前記式(III)で表される化合物としては、下記式(IV)で表される化合物が好ましい。下記式(IV)で表される化合物は、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールであり、市販品としては、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製)がある。
Figure 2007102980
前記式(III)で表される化合物の含有量は、紫外線硬化型組成物全量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。含有量が上記範囲であると光ディスクの光反射層の耐腐食性がより優れたものとなる。
光ディスク用紫外線硬化型組成物に用いる前記エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレート以外の光重合性化合物としては、例えば、下記の重合性モノマー及び重合性オリゴマーが使用できる。重合性モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを用いることができ、これらは、各々、単独または2種類以上併用して用いることもできる。
本発明に使用できる重合性モノマーとしては、公知の化合物が使用できるが、単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、多官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等がある。
また、光ディスク用紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、他の添加剤を使用することができ、例えば、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化型化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
光ディスク用紫外線硬化型組成物としては、常温〜40℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。溶媒は用いない方が好ましく、用いたとしても極力少量に留めるのがよい。また、前記組成物の塗布をスピンコーターで行う場合には、粘度を200〜1000mPa・sとなるように調整するのが好ましく、100μm程度と比較的厚膜とする場合は500〜3000mPa・sに調整するのが良い。
本発明の光ディスクは、1枚の円形樹脂基板上に、ピット、相変化膜、又は光磁気記録膜等の情報記録層を設け、次いで該情報記録層上に光反射層を形成し、更に、該光反射層上に光ディスク用紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。光反射層としては、金又は金を主成分とする合金であっても良いが、銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。
本発明の光ディスクにおける光透過層は、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましい。光透過層の厚みは30〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。中でも、75〜150μmであることが特に好ましい。光透過層の厚みは、通常、約100μmに設定されるが、厚みは光透過率や信号の読み取り及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分な管理が必要である。
本発明の光ディスクは、1枚の円形樹脂基板上に、情報記録層、光反射層及び光透過層がこの順に積層された4層構造の光ディスクであることが好ましいが、情報記録層、光反射層及び光透過層がこの順に積層された複数の積層体が1枚の円形樹脂基板上に形成された構造の光ディスクであっても良い。例えば、円形樹脂基板、情報記録層1、光反射層1、光透過層1、情報記録層2、光反射層2、光透過層2の順に積層された構造の光ディスクであっても良い。この場合、複数の光透過層は、本発明で規定する範囲の弾性率、膜厚及び弾性率(MPa)と膜厚(μm)の積を有することが好ましく、上記のエポキシアクリレート及びウレタンアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物による層であることが好ましい。
光反射層上に塗布した光ディスク用紫外線硬化型組成物を紫外線照射することにより硬化させる場合、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
紫外線を照射する場合、積算光量は0.05〜1J/cmとなるようにコントロールするのが好ましい。積算光量は0.05〜0.8J/cmであることがより好ましく、0.05〜0.6J/cmであることが特に好ましい。本発明の光ディスクに使用する光ディスク用紫外線硬化型組成物は、積算光量が少量であっても、十分に硬化し、光ディスク端面や表面のタックが発生せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生しない。
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
<組成物1>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物2>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U2) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物3>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量2000)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U3) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物4>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 11部、イソボルニルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物5>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 15部、ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物6>
ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 50部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 35部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物7>
ビスフェノールA型エポキシアクリレートとしてユニディックV−5530(大日本インキ化学工業(株)社製)(A1) 30部、ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 25部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 19部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部、IRGANOX 1520L(チバスペシャルティケミカルズ(株)社製、前記式(III)の化合物)0.2部、を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物8>
ビスフェノールA型エポキシアクリレート(A2)としてユニディックV−5500(大日本インキ化学工業(株)社製)9部、ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)1モルとイソホロンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U4) 22部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 37部、テトラヒドロフルフリルアクリレート 11部、2−エトキシエトキシエチルアクリレート 24部、エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート 0.5部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
<組成物9>
ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート(U1) 40部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート 55部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5部を配合し、60℃で1時間加熱混合して溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組成物を調製した。
試験方法1:硬化膜の弾性率の測定
ガラス板上に各紫外線硬化型組成物(上記組成物1〜組成物9)をそれぞれ塗布した後、スピンコーターにより塗膜の厚さが50μm、100μm、150μmになるようにし、コールドミラー付きメタルハライドランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cm(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36)の紫外線を照射した。各紫外線硬化型組成物の硬化膜をガラス板から剥離し、レオメトリックスサイエンス社製固体粘弾性測定装置RSA3を用い弾性率(MPa)を測定した。測定条件は以下の通り。
(1)サンプルサイズ;幅6mm、長さ20mm
(2)ひずみ;0.1%
(3)周波数;3.5Hz
(4)昇温速度;3℃/min
なお、表1に30℃における弾性率を載せた。
試験方法2:硬化収縮率の測定
各紫外線硬化型組成物(上記組成物1〜組成物9)の硬化収縮率を下記式により求めた。
硬化収縮率(%)=(固体比重−液体比重)÷固体比重×100
なお、各組成物の液体比重及び固体比重は25℃における値であり、以下の方法により求めた値である。
(1)25℃における液体比重:各紫外線硬化型組成物を25℃の恒温水槽に放置し、標準比重計を用いて測定した。
(2)25℃における個体比重:上記試験方法1で作製した硬化膜約0.5gを用い、島津製作所社製上皿電子分析天秤AW120及び同社製固体比重測定キットSMK-301を用いて固体比重を測定した。同測定機器は、空気中における検体の質量Aと25℃の水中における検体の質量Bの差Cから検体の体積Dを求め、質量Aを体積Dで除することにより検体の固体比重を求めるものである。
試験方法3:光ディスクの作製、並びに反りの測定及び耐腐食性の確認
表面に情報記録層を有し、反り角度が0°の厚さ1.2mmの光ディスク基板を準備し、その光ディスク基板の情報記録層上に純銀をスパッタし、各紫外線硬化型組成物(上記組成物1〜組成物9)をそれぞれ塗布した後、スピンコーターにより光透過層の厚さが50μm、100μm、150μmになるようにし、コールドミラー付きメタルハライドランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cm(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36)の紫外線を照射した。照射直後の反りの発生量と耐久試験(80℃85%RH96時間)前後における反りの変化量を測定した。また、耐腐食性については耐久試験後(80℃85%RH96時間)の光反射層の外観で判断した。
なお、組成物1、組成物3、組成物4、組成物7については、光透過層の厚さが50μm、100μm、150μmである光ディスクを製造した。また、反り角度はバスラー社のインライン型反り検査装置S3を用いて常温、常湿の環境下で測定した。
各組成物の組成を表1に示した。また、各組成物の物性値及び各組成物を用いて製造した実施例及び比較例の光ディスクの試験結果を表2〜表4に示す。
Figure 2007102980

表1中;
TCDA;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
THFA;テトラヒドロフルフリルアクリレート
2-EEA;2−エトキシエトキシエチルアクリレート
IBORA;イソボルニルアクリレート
EPOMA;エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート
1-HCHPK;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
1520L;IRGANOX
Figure 2007102980
反り:表中の単位は(度)
初期における反りの発生量及び耐久試験前後における反りの変化量は、共に0.3°以内が合格
Figure 2007102980

反り:表中の単位は(度)
初期における反りの発生量及び耐久試験前後における反りの変化量は、共に0.3°以内が合格
Figure 2007102980

反り:表中の単位は(度)
初期における反りの発生量及び耐久試験前後における反りの変化量は、共に0.3°以内が合格
表2〜表4の各実施例及び各比較例における反りと弾性率と膜厚の積の関係を図1及び図2に示した。図1は照射直後の(初期の反り)と(弾性率と膜厚の積)の関係であり、図2は(耐久試験(80℃85%RH96時間)前後の反りの変化量)と(弾性率と膜厚の積)の関係である。
表2〜表4、図1及び図2から明らかなように、(弾性率と膜厚の積)が7×10(MPa・μm)以下であると照射直後の(初期の反り)は0.3°以内であり良好である。また、(弾性率と膜厚の積)が5.5×10(MPa・μm)以下であると(耐久試験(80℃85%RH96時間)前後の反りの変化量)が0.3°以内であり良好である。更に、エポキシアクリレートとウレタンアクリレートを併用することにより反りが小さく、且つ光反射層の腐食を抑えることができることが判る。
照射直後の(初期の反り)と(弾性率と膜厚の積)の関係を説明する図である。 (耐久試験(80℃85%RH96時間)前後の反りの変化量)と(弾性率と膜厚の積)の関係を説明する図である。

Claims (5)

  1. 1枚の樹脂基板と、該樹脂基板上に順に形成された情報記録層、光反射層及び光透過層とを備え、該光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクであって、
    前記光透過層の膜厚が30〜200μmであり、
    且つ前記光透過層の30℃での弾性率(MPa)と前記膜厚(μm)の積が、7×10(MPa・μm)以下であることを特徴とする光ディスク。
  2. 前記弾性率(MPa)と前記膜厚(μm)の積が、5.5×10(MPa・μm)以下である請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記光反射層が、銀又は銀を主成分とする合金からなる反射層である請求項1又は2記載の光ディスク。
  4. 前記光透過層が、
    (A)式(I)
    Figure 2007102980
    式(I)
    (式中、Yは-SO2-、-CH2-、-CH(CH3)-又は-C(CH3)2-を表し、Zは各々独立的に、水素原子又は-CH3を表し、nは0又は1以上の整数を表す。)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートと、
    (B)下記(i)〜(iii)の化合物
    (i)式(II)
    Figure 2007102980
    式(II)
    (式中、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜24のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)で表され、且つ分子量が50〜4000である化合物、
    (ii)ジイソシアネート化合物、及び
    (iii)同一分子内に1つの水酸基と1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物
    を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化膜により形成された層である請求項1乃至3のいずれかに記載の光ディスク。
  5. 前記光ディスク用紫外線硬化型組成物中の全光重合性化合物に対する前記エポキシ(メタ)アクリレートと前記ウレタン(メタ)アクリレートの合計使用量が40〜75質量%である請求項4記載の光ディスク。

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