JP2008234763A - 光ディスク用紫外線硬化型組成物及び光ディスク - Google Patents

光ディスク用紫外線硬化型組成物及び光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 高温高湿環境下における耐久性に優れた光透過層を与える光ディスク用紫外線硬化型組成物、および耐久性に優れた光ディスクを提供する。
【解決手段】 エポキシ(メタ)アクリレートと、式(1)
Figure 2008234763

(式(1)中、R、Rはメチル基又はt−ブチル基であり、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレン基である。)
で表される化合物とを含有する光ディスク用紫外線硬化型組成物、および該組成物の硬化膜を光透過層として有する光ディスク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光ディスクの光透過層として有用な紫外線硬化型組成物及び少なくとも光反射層と光透過層とが形成され、前記光透過層を通して370nm〜430nmの範囲内に発振波長を有するブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクに関する。
近年、情報技術や情報網の発展により大容量の情報記録の伝達が頻繁に行われるように可能になっている。これに伴い、大容量となる映像、音楽、コンピューターデータ等を記録及び再生出来る高密度大容量の光ディスクが要求されている。高密度記録媒体として普及しているDVD(Digital Versatile Disc)では、高密度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開口数化している。しかし、HDTV(high definition television)に対応した高画質の映像等を記録または再生する為には更なる高密度化が必要であるため、DVDの次世代に位置する更なる高密度記録の方法及びその光ディスクの検討が行われており、DVDよりも更に短波長のブルーレーザーの光学系を用いる新しい光ディスク構造による高密度記録方式が提案されている。
この新しい光ディスクはポリカーボネート等のプラスチックで形成される透明又は不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、該光透過層を通して記録光又は再生光が、あるいはその両方が入射する構造の光ディスクである。この光ディスクの光透過層には、生産性の観点から、紫外線硬化型組成物を使用することがもっぱら研究されている。
このような、ブルーレーザーにより記録又は再生を行う光ディスクとして、円形基板上に情報記録層及び光反射層を形成し、更に紫外線硬化型樹脂を塗布し、硬化させて光透過層を積層した光ディスクが提案されている。該技術では、光透過層形成材料としてカチオン重合性紫外線硬化型組成物が使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。しかしながら、カチオン重合性紫外線硬化型組成物は、紫外線照射により光反射層を腐食させやすいルイス酸を発生するため、光ディスクを長期間保存する場合の安定性が得られ難い欠点がある。光反射膜に用いる材料としては、400nm前後で高い反射率が求められることから、銀又は銀を主成分とする合金が使用されている。銀又は銀を主成分とする合金は化学物質による腐食等の化学変化を起こしやすいため、光反射層を形成する材料として銀又は銀を主成分とする合金を用いた場合、これに接する光透過層用の材料としてカチオン重合性紫外線硬化型組成物を用いることは好ましくない。
カチオン重合性紫外線硬化型組成物に換えて、ラジカル重合系のエポキシアクリレートを使用した光ディスク用樹脂組成物が開示されている(特許文献3参照)。当該組成物は、透湿性の低いアクリレートとして、エポキシアクリレート、特にビスフェノールA型のエポキシアクリレートなどの高比重液状オリゴマーを使用することにより、金属薄膜の腐食の少ない樹脂膜を提供するものである。しかし、開示されている組成物は、高温高湿環境下に長時間放置された後の金属反射膜の腐食の抑制効果が充分でなく、実用上の耐久性に問題があった。
一方、光ファイバを被覆するために使用される紫外線硬化性組成物として、ウレタン(メタ)アクリレートと、分子中に炭素−炭素二重結合を1個有する(メタ)アクリレート、フタル酸エステル又は脂肪酸エステル、酸化防止剤及び光重合開始剤を含有する組成物が開示されている(特許文献4参照)。当該組成物は、低温下において柔軟で、且つ、耐熱性、耐水性及び耐薬品性に優れるので、信頼性の高い光ファイバを提供できるものである。実施例1に式(1)記載のフェノール系酸化防止剤を用いる例が開示されているが、この組成物を光ディスクの光透過層として適用すると、ポリオキシテトラメチレングリコールとトリレンジイソシアネ−トからなるウレタンアクリレートと、ジイソデシルアジペートにより高温高湿環境下での金属反射膜が劣化し、耐久性に問題があった。
特開平11−191240号公報 特開2002−92948号公報 特開平11−302309号公報 特開昭64−61336号公報
本発明が解決しようとする課題は、高温高湿環境下における耐久性に優れた光透過層を与える光ディスク用紫外線硬化型組成物、および耐久性に優れた光ディスクを提供することにある。
本発明者らは、樹脂の酸化劣化の防止に効果を有する各種のフェノール化合物を検討した結果、特定の構造を有するフェノール化合物と、エポキシ(メタ)アクリレートを含有する組成物の硬化被膜を光透過層として適用することにより、高温高湿環境下での光透過層及び金属反射膜の変質を抑制でき、その結果として反射率の低下やエラーの上昇が少ない光ディスクを提供することができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、エポキシ(メタ)アクリレートと、下記式(1)の化合物を含有することを特徴とする光透過層用紫外線硬化型組成物を提供することにある。
Figure 2008234763
(式(1)中、R1、R2はメチル基又はt−ブチル基であり、R3は分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレン基である。)
更に、本発明は、基板上に、少なくとも光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる光透過層とが積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、前記紫外線硬化型組成物が、上記光透過層用紫外線硬化型組成物である光ディスクを提供することにある。
本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物は、高温高湿環境下においても硬化膜の変色や、金属反射膜の変質が生じにくい、優れた耐久性を有する光透過層を形成することができる。このような硬化被膜を光透過層として有する光ディスクは、高温高湿環境下においても、光反射率の低下が生じにくく、信号特性の劣化が少ないため、短波長ブルーレーザーによる情報の記録・再生が良好である。
[式(1)の化合物]
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物には、式(1)の化合物を使用する。
Figure 2008234763
(式(1)中、R、Rはメチル基又はt−ブチル基であり、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレン基である。)
式(1)の化合物の中でも、R、Rの少なくとも一方がt−ブチル基であることが好ましく、R3が炭素数4〜10のアルキレン基であることが好ましい。
更に、式(1)が下記式の化合物であることが特に好ましい。
Figure 2008234763
式(1)の化合物として、Irganox565(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)を市販品として入手することができる。
[エポキシ(メタ)アクリレート]
本発明に使用するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、分子内にエポキシ基を1個以上有する化合物とアクリル酸を反応させて得られるものであれば、特に制限がなく、ポリエステル、ポリエーテル、ゴムなどにより変性されていてもよい。残留する全塩素量は2000ppm以下であることが好ましい。
なかでも、ビスフェノール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートは耐久性能に優れるため好ましく、式(i)、(iii)、(viii)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートを特に好ましく使用できる。
Figure 2008234763
[式(i)中、Dはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Aは式(ii)
Figure 2008234763
(式(ii)中、Eは−SO−、−CH−、−CH(CH)−又は−C(CH−を表し、iは0又は1以上の整数を表す。)
で表される基である。]
このようなビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートとしては、油化シェルエポキシ社製エピコート802、1001、1004等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びエピコート4001P、4002P、4003P等のビスフェノールF型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応によって得られるエポキシアクリレート等が挙げら、UNIDIC V−5810(大日本インキ化学工業(株))などが挙げられる。
Figure 2008234763
[式(iii)中、Dはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Aは、エステル基、エーテル基、芳香族炭化水素基、環式脂肪族基で置換されていてもよく、また、分岐鎖を有していてもよい重量平均分子量250〜10000の長鎖アルキルジオール基であり、Bは式(iv)
Figure 2008234763
(式(iv)中、Eは−SO−、−CH−、−CH(CH)−又は−C(CH−を表し、iは0〜8の整数を表す。)
で表される基である。]
上記式(iii)中のAは、式(v)〜(vii)で表される基であることが好ましい。
Figure 2008234763
(式(v)中、Jは、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基により置換されていても良い2価の芳香族炭化水素基又は分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、Lは、分岐鎖を有していても良い炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基又は−(RO)−R−(Rは分岐鎖を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基を表し、pは1〜10の整数である。)で表される基であり、kは1〜20の整数を表す。)
Figure 2008234763
(式(vi)中、Jは、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基により置換されていても良い2価の芳香族炭化水素基又は分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、Lは、数平均分子量が250〜10000の長鎖アルキルジオール残基又はポリエーテルジオール残基を表す。)
Figure 2008234763
(式(vii)中、Jは、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基により置換されていても良い2価の芳香族炭化水素基又は分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、L、Lは各々独立して、分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、k、kは各々独立して1〜20の整数を表す。)
このようなエポキシ(メタ)アクリレートとしては、DICLITE UE−8080(大日本インキ化学工業(株))等が挙げられる。
Figure 2008234763
[式(viii)中、Dはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、Aは式(ix)
Figure 2008234763
(式(ix)中、Eは−SO−、−CH−、−CH(CH)−又は−C(CH−を表し、nは0〜8の整数を表す。)
で表される基であり、Bは、式(x)
Figure 2008234763
(式(x)中、Jは、水素原子が炭素数1〜6のアルキル基により置換されていても良い2価の芳香族炭化水素基又は分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基で表される基である。)
で表される基であり、Cは、式(xi)
Figure 2008234763
(L、Lは、各々独立して、分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、kは各々独立して1〜20の整数である。)
又は、式(xii)
Figure 2008234763
(L、Lは、各々独立して、分岐鎖を有していても良い炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基を表し、kは各々独立して1〜20の整数である。)で表される基である。)
このようなエポキシ(メタ)アクリレートとしては、CNUVE151(SARTOMER)、EBECRYL3708(ダイセル・サイテック(株))等が挙げられる。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物中のエポキシ(メタ)アクリレートの含有量は、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることが特に好ましい。エポキシ(メタ)アクリレート含有量を当該範囲とすることで、高温高湿環境下において優れた耐久性に加え、硬化時や高温高湿環境下での反りの低減等の特性制御を好適に行うことができる。
本発明で使用するエポキシ(メタ)アクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)としては、500〜20000であることが好ましく、800〜15000であることがより好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートの構造、分子量を上記の範囲とすることにより、本発明の紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの耐久性及び耐光性がより優れたものとなる。なお、GPCによる重量平均分子量は、例えば、東ソー(株)社製 HLC−8020を用い、カラムはGMHxl−GMHxl−G200Hxl−G1000Hxlwを使用し、溶媒はTHFを用い、1.0ml/minの流量でカラム温度が40℃、検出器温度が30℃、分子量は標準ポリスチレン換算で測定を行うことで特定される。
[単官能、二官能又は多官能アクリレート]
本発明においては、エポキシ(メタ)アクリレートと併用して、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、単官能(メタ)アクリレートと略記する)や、一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、二官能の(メタ)アクリレートと略記する。)、更には一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、多官能の(メタ)アクリレートと略記する。)を使用することで、所望の粘度、硬化後の弾性率を有する組成物を得ることができる。
他の紫外線硬化性化合物としては、各種(メタ)アクリレートを使用でき、例えば単官能(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート、などを使用できる。
中でも、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキキエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレートを用いた場合、膜厚変化量が少なく、反り変化量も少なくなるため、好ましい。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式の二官能(メタ)アクリレートとして、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等を使用できる。
なかでもトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等が好ましく、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、硬化後の弾性率を高く調整したい場合に、三官能以上の(メタ)アクリレートを使用することができる。例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、等を使用できる。
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルエーテルモノマー等の紫外線硬化性化合物も必要に応じて使用できる。
本発明における紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物全量中の単官能(メタ)アクリレートの含有量としては、3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることが好ましい。二官能(メタ)アクリレートの含有量は3〜40質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることが好ましい。また、エポキシ(メタ)アクリレート以外の三官能以上の(メタ)アクリレートの含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが好ましい。
本発明の紫外線硬化型組成物は、上記紫外線硬化性化合物を調整し、粘度を800〜3000mPa・s、好ましくは1000〜2500mPa・sとすることで、厚膜の光透過層を好適に形成できる。
本発明の紫外線硬化型組成物は、紫外線を照射した後の硬化膜の弾性率が、100〜2000MPa(25℃)となるように調整することが好ましい。中でも200〜1500MPaとなる組成であることがより好ましい。弾性率がこの範囲となる組成であると、硬化時の歪みが緩和され易く、高温高湿環境下に長時間曝されても反りの変化量が少ない光ディスクを得ることができる。
[開始剤、添加剤]
本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物中には、エポキシ(メタ)アクリレートおよび上記単官能、二官能又は多官能(メタ)アクリレートの以外に、公知の光重合開始剤、及び熱重合開始剤等を用いる事が出来る。
本発明に使用できる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤等がある。
本発明に使用する紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ホスファイト等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使用することもできる。また、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
[光ディスク]
本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも光反射層と光透過層とが形成され、光透過層を通してレーザー光により記録又は再生を行う光ディスクであって、光透過層が、上記の紫外線硬化型組成物の硬化物からなるものである。本発明の光ディスクは、光透過層として、上記した紫外線硬化型組成物を使用することにより、高温高湿下でも、銀又は銀合金を反射膜として使用した場合に、優れた耐久性を得ることができるため、良好に情報の記録・再生を行うことができる。
本発明の光ディスクにおける光透過層は、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクにおける光透過層の厚みは70〜110μmであることが好ましい。光透過層の厚みは、通常、約100μmに設定されるが、厚みは光透過率や信号の読み取り及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分な管理が必要である。光透過層は、当該厚さの硬化層単層で形成されていても、複数層が積層されていてもよい。
光反射層としては、レーザー光を反射し、記録・再生が可能な光ディスクを形成できるものであればよく、例えば、金、銅、アルミニウムなどの金属又はその合金、シリコンなどの無機化合物を使用できる。なかでも、400nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光反射層の厚さは、10〜60nm程度の厚さとすることが好ましい。
基板としては、ディスク形状の円形樹脂基板を使用でき、当該樹脂としてはポリカーボネートを好ましく使用できる。光ディスクが再生専用の場合には、基板上に情報記録を担うピットが光反射層と積層される表面に形成される。
また、書込可能な光ディスクの場合には、光反射層と光透過層との間に情報記録層が設けられる。情報記録層としては、情報の記録・再生が可能であればよく、相変化型記録層、光磁気記録層、あるいは有機色素型記録層のいずれであってもよい。
情報記録層が相変化型記録層である場合には、当該情報記録層は通常、誘電体層と相変化膜から構成される。誘電体層は、相変化層に発生する熱を緩衝する機能、ディスクの反射率を調整する機能を求められ、ZnSとSiOの混合組成が用いられる。相変化膜は、膜の相変化により非晶状態と結晶状態で反射率差を生じるものであり、Ge−Sb−Te系、Sb−Te系、Ag−In−Sb−Te系合金を用いることができる。
本願発明の光ディスクは、情報記録部位が二つ以上形成されていても良い。例えば、再生専用光ディスクの場合には、ピットを有する基板上に、第一の光反射層、第一の光透過層が積層され、当該第一の光透過層上又は他の層を積層し、当該層上に第二の光反射層、第二の光透過層を形成してもよい。この場合には第一の光透過層やこれに積層する他の層上にピットが形成される。また、記録・再生可能な光ディスクの場合は、基板上に、情報記録層、光反射層及び光透過層が積層された構成を有するものであるが、当該光透過層上に更に、第二の光反射層、第二の情報記録層、第二の光透過層を形成して二層の情報記録層を有する構成、あるいは、同様に層を積層して三層以上の情報記録層を有する構成としてもよい。複数層を積層する場合には、各層の層厚さの和が上記の厚さになるように適宜調整すればよい。
また、本発明の光ディスクにおいては、光透過層が最表面の層であってもよいが、更にその表層に表面コート層を設けてもよい。
本発明の光ディスクには、再生専用のディスクと、記録・再生可能なディスクがある。再生専用のディスクは、1枚の円形樹脂基板を射出成形する際に、情報記録層であるピットを設け、次いで該情報記録層上に光反射層を形成し、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。また、記録・再生可能なディスクは、1枚の円形樹脂基板上に光反射層を形成し、次いで相変化膜、又は光磁気記録膜等の情報記録層を設け、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。
光反射層上に塗布した紫外線硬化型組成物を紫外線照射することにより硬化させる場合、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
紫外線を照射する場合、積算光量は0.05〜1J/cmとなるようにコントロールするのが好ましい。積算光量は0.05〜0.8J/cmであることがより好ましく、0.05〜0.6J/cmであることが特に好ましい。本発明の光ディスクに使用する紫外線硬化型組成物は、積算光量が少量であっても、十分に硬化し、光ディスク端面や表面のタックが発生せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生しない。
また、本発明の光ディスクを温度80℃、湿度85%の環境下で240時間暴露した際の前後において、光透過層側から測定する405nmの光の正反射率の変化は小さければ小さい程良いが、1%以内であることが好ましい。また、信号の誤り率を示すSERについては、曝露前に対する曝露後のSER比率が小さいことが好ましい。暴露前後の正反射率変化が上記範囲内にあり、SER比率が1に近いと、長期に高温高湿環境下にさらされた場合にも光ディスクの記録再生を良好に行うことができる。
[実施態様]
以下、本発明の光ディスクの具体例として、単層型光ディスク及び二層型光ディスクの具体的構成の一例を以下に示す。
本発明の光ディスクのうち、単層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図1に示したように、基板1上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う構成が例示できる。図中の凹凸は、記録トラック(グルーブ)を模式的に表したものである。光透過層3は、本発明の紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層であり、その厚さは100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
図2は図1に示した構成の最表層にハードコート層4を設けた構成である。ハードコート層は、高硬度で、耐摩耗性に優れる層であることが好ましい。ハードコート層の厚さは、1〜10μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい
多層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図3に示したように、基板1上に、光反射層5と、光透過層6とが積層され、さらにその上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層3側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う二層型光ディスクの構成が例示できる。光透過層3及び光透過層6は、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層であり、少なくともいずれかの層が本発明の紫外線硬化型組成物からなる層である。層の厚さとしては、光透過層3の厚さと光透過層6の厚さの和が100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
当該構成の二層型光ディスクにおいては、記録トラック(グルーブ)が、光透過層6の表面にも形成されるため、光透過層6は、接着性に優れる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層の上に、記録トラックを好適に形成できる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層を積層した複層で形成されていてもよい。また当該構成においても最表層にハードコート層が設けられていてもよい。
図1に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形することによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜する。この上に本発明の紫外線硬化型組成物を塗布し、ディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させ、光透過層3を形成し、図1の光ディスクを作製する。図2の光ディスクの場合には、この上に更にスピンコート等によりハードコート層4を形成する。
図3に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形にすることによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に、基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層6を成膜する。
この上に、本発明の紫外線硬化型組成物又は任意の紫外線硬化型組成物の光透過層5を形成するが、その際に型を用いて表面に記録トラック(グルーブ)を転写する。記録トラック(グルーブ)を転写する工程は次の通りである。基板1に形成された光反射層6上に紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型と貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、光透過層5の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層3を形成することで、図3の光ディスクを作製できる。また、光反射層に相変化型記録層を用いる場合でも上記と同様の方法により光ディスクを作成することができる。
次に、合成例及び実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
下記表1〜2に示した組成(表中の組成の数値は質量部を表す)により配合した各組成物を60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1〜6及び比較例1〜4の各実施例及び比較例の紫外線硬化型組成物を調製した。得られた組成物について、下記の評価を行い、得られた結果を表1〜2に示す。
<粘度の測定方法>
紫外線硬化型組成物について、25℃における粘度をB型粘度計((株)東京計器製、BM型)を用いて測定した。
<弾性率の測定方法>
紫外線硬化型組成物を、ガラス板上に硬化塗膜が100±10μmになるように塗布した後、メタルハライドランプ(コールドミラー付き、ランプ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で500mJ/cmで硬化させた。この硬化塗膜の弾性率をティー・エイ・インストルメント(株)社の自動動的粘弾性測定装置で測定し、25℃における動的弾性率E’を弾性率とした。
<光ディスクの耐久試験A>
直径120mm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を準備し、銀を主成分とするビスマスとの合金を20〜40nmの膜厚でスパッタした後、該金属反射膜上に、表1の各紫外線硬化型組成物をスピンコーターで膜厚が硬化後に100±10μmになるように塗布し、フラッシュランプを用いて12ショットの紫外線を照射した。形成した光透過層の上にハードコート ダイキュアクリアHC−1(大日本インキ(株))を3〜5μmになるように塗布し、コールドミラー付きメタルハライドランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cmで硬化し、試験用ディスクサンプルを得た。各サンプルについて環境試験器「PR−2PK」(エスペック(株))を使用して、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下での曝露(耐久試験)を行った。試験前後のサンプルについて、INSPECTOR(パルステック(株))で半径25−30、35−40、50−55mmの範囲で反射率(R8H)及びエラーレート(R−SER)を測定し、その平均値に基づき、下記基準で評価を行った。
(反射率R8H)
○:試験前後の反射率の変化が1.0%以内
×:試験前後の反射率の変化が1.0%を越える
(SER)
○:試験前後のSER比率が2倍以内
×:試験前後のSER比率が2倍を越える
<光ディスクの耐久試験B>
直径120mm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を準備し、銀を主成分とするビスマスとの合金を20〜40nmの膜厚でスパッタした後、該金属反射膜上に、表2の各紫外線硬化型組成物をスピンコーターで膜厚が硬化後に100±10μmになるように塗布し、コールドミラー付きメタルハライドランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cm(アイグラフィックス社製光量計UVPF−36)の紫外線を2回照射、硬化して試験用ディスクサンプルを得た。各サンプルについて環境試験器「PR−2PK」(エスペック(株))を使用して、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下での曝露(耐久試験)を行った。試験前後のサンプルについて、光透過層の側から、分光光度計「UV−3100」(島津製作所(株)製)で405nmにおける正反射率を測定し、下記基準に基づき評価を行った。
○:試験前後の反射率の変化が1.0%以内
×:試験前後の反射率の変化が1.0%を越える
Figure 2008234763
Figure 2008234763
表中の記号は以下のとおりである。
Irganox565:
Figure 2008234763
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)
Irganox1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)
AO−23:ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド(ADEKA)
EA1:エポキシアクリレートUE−8080(DPGDAを30重量%含む。大日本インキ化学工業)
EA2:エポキシアクリレートV−5810(TCDDA及びPEAを各々16.7重量%含む。大日本インキ化学工業)
UA1:ポリオキシテトラメチレングリコール、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得たウレタンアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
TCDDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
THF−A:テトラヒドロフルフリルアクリレート
PEA:フェノキシエチルアクリレート
NP(EO)A:2モルエチレンオキサイド変性のノニルフェノールアクリレート
PM−2:エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート(日本化薬)
Irg.184:イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)
DIAD:ジイソデシルアジペート
表1に示すように、本発明の組成物を使用した実施例1の光ディスクは、反射率R8Hの変化、SERの変化率ともに小さく、高温高湿環境下での耐久試験において良好な結果を示した。一方、比較例1の光ディスクは、反射率の変化が大きく、SERも大きく上昇した。
また、表2に示すように、本発明の組成物を使用した実施例2〜4の光ディスクは、反射率の変化が小さく、高温高湿環境下での耐久性は良好であった。一方、比較例2及び3の光ディスクは、反射率の変化が大きく、高温高湿環境下での耐久性が不十分であった。また、ウレタンアクリレート及びジイソデシルアジペートを用いた比較例5の光ディスクは、高温高湿環境下での曝露後に金属反射膜が変色した。
本発明の単層型光ディスクの一例を示す図である。 本発明の単層型光ディスクの一例を示す図である。 本発明の二層型光ディスクの一例を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 光反射層
3 紫外線硬化型組成物の光透過層
4 ハードコート層
5 光反射層
6 紫外線硬化型組成物の光透過層

Claims (9)

  1. エポキシ(メタ)アクリレートと、式(1)で表される化合物とを含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化型組成物。
    Figure 2008234763
    (式(1)中、R、Rはメチル基又はt−ブチル基であり、Rは分岐鎖を有していてもよい炭素数2〜12のアルキレン基である。)
  2. 前記光重合開始剤が、式(2)で表される化合物である請求項1に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
    Figure 2008234763
  3. 前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の10〜70質量%である請求項1又は2に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  4. 前記エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が500〜20000である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  5. 25℃におけるB型粘度が800〜3000mPa・Sである請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  6. 硬化塗膜の25℃における動的弾性率が100〜2000MPaである請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  7. 一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の3〜40質量%であり、
    一分子中に二の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の3〜40質量%であり、
    前記エポキシ(メタ)アクリレート以外の一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の20質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  8. 基板上に、少なくとも光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる光透過層とが積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、
    前記紫外線硬化型組成物が、請求項1〜7のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスク。
  9. 前記光透過層の厚さが70〜110μmの範囲にある請求項8に記載の光ディスク。
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