JP3975806B2 - 光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメント及び光ディスク - Google Patents

光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメント及び光ディスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメント及び光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピューター装置技術、ソフトウエア技術、通信技術等をはじめとする情報技術の発展により、より多くの情報を高速に伝達することが可能となってきている。
【0003】
このような分野においては記録密度の高い記録媒体が必要とされており、DVD(デジタルバーサタイルディスク)が高密度記録媒体として注目されている。DVDについては、光源の短波長化や対物レンズの高開口化等によりCD−ROMの約7倍の記録容量(4.7Gバイト)が達成されているが、今後は青色半導体レーザーの実用化に伴って更に記録密度を向上させ得るものと考えられている。また、DVD等の光ディスクの更なる高密度化を図るために、情報を担持するピットやグルーブが形成された情報記録層と透明樹脂からなるスペーサー層が交互に積層された多層光ディスクの開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光ディスクにおいては、単層光ディスク(情報記録層が1層のみのものをいう。)及び多層光ディスクのいずれのタイプであっても、情報の読み取りエラーが生じる場合があった。また、製造歩留まりを上昇させることが困難であるという問題もあった。
【0005】
本発明者らは係る問題点について検討を行った結果、上記問題点は、スペーサー層の透明性が不充分であることや、スペーサー層の厚さが光ディスクの中心部と外周部で異なっていること、或いは、スペーサー層が液状硬化樹脂のスピンコートにより形成されていること等に起因していることを見出した。
【0006】
すなわち、光ディスクではレーザーを情報記録層にフォーカスを合わせることで情報記録層上の情報の読み出しが行われているため、スペーサー層には用いるレーザーの波長において高い透明性が必要とされ、情報を担持したピットあるいはグルーブを正確に転写する性質も要求されるが、従来スペーサー層に用いられていた樹脂では係る性能が不充分であることを見出した。また、情報記録層上に液状硬化樹脂をスピンコートしてスペーサー層を形成しているために光ディスクの直径方向で層厚のばらつきが生じやすく、このために製造歩留まりが低くなっているとの知見を得た。
【0007】
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、光ディスクに用いられる記録及び/又は再生用のレーザー光に対して透明性が高く、厚さの均一性の高いスペーサー層を容易に形成せしめることが可能な光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメント及び光ディスクを提供することを目的とする
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の構造を有した不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物を所定量含有する感光性樹脂組成物を用いた光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメントにより上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明の光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントであって、前記感光性樹脂組成物が、(A)不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物と、(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物と、(C)光により遊離ラジカルを生成する光開始剤とを含み、前記(A)成分は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、前記不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなる不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物であり、
【化3】
Figure 0003975806
[式中、Rは2価の飽和脂肪族炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はハロゲン原子、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数、をそれぞれ示す。]
前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に対する前記(C)成分の重量が0.01〜20重量部であり、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に占める前記(A)成分の重量が20〜90重量部であり、前記感光性樹脂組成物層の硬化後の400nmにおける光透過度が90%以上であり、且つ、前記感光性樹脂組成物層の硬化後の表面粗さ精度であるRa値が、0〜0.30μmであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、更に以下の光ディスクを提供する。
互いに平行に配置された2つの透明基板と該透明基板の間に配置された情報記録層及びスペーサー層とを備える光ディスクであって、前記スペーサー層が、(A)不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物と、(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物と、(C)光により遊離ラジカルを生成する光開始剤とを含む感光性樹脂組成物の硬化物からなり、前記(A)成分は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、前記不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなる不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物であり、
【化4】
Figure 0003975806
[式中、R は2価の飽和脂肪族炭化水素基、R 及びR はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はハロゲン原子、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数、をそれぞれ示す。]
前記感光性樹脂組成物において、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に対する前記(C)成分の重量が0.01〜20重量部であり、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に占める前記(A)成分の重量が20〜90重量部であり、前記スペーサー層は、400nmにおける光透過度が90%以上であり、且つ、表面粗さ精度であるRa値が0〜0.30μmであることを特徴とする光ディスク。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
【0013】
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(A)不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(以下「(A)成分」ともいう。)は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなるものである。
【0014】
硬化物の透明性、光ディスク作製時の情報記録層及び透明基板の接着性等の観点から、一般式(I)における、R1、R2、R3、x及びyは、以下に述べる基又は数値であることが好ましい。
【0015】
すなわち、R1は、炭素数1〜12の2価の飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましい。この場合において、炭素数は1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。特に好ましいとR1としては、−C(CH32−基が挙げられる。R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はハロゲン原子であるが、アルキル基及びアルコキシル基の炭素数は1〜3が好ましく、ハロゲン原子としては臭素原子が好ましい。
【0016】
また、x及びyの数はそれぞれ独立であり、0〜4の範囲の整数をとることができる。合成の容易性の観点からはx及びyは同一の整数であることが好ましく、その配置はR1に対して対称であることが好ましい。そして、R1が−C(CH32−基である場合はx及びyはいずれも0であることが好ましい。
【0017】
ポリヒドロキシエーテル樹脂として、特に好ましいものは以下の式(Ia)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂であり、係る樹脂は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びエピクロロヒドリンから誘導することができる。
【化5】
Figure 0003975806
【0018】
ポリヒドロキシエーテル樹脂は、フィルム性付与、コールドフロー等の点から、重量平均分子量(Mw)が5,000〜200,000であることが好ましく10,000〜150,000であることがより好ましく、40,000〜120,000であることが特に好ましい。
【0019】
ポリヒドロキシエーテル樹脂は、例えばエピハロヒドリン約0.985〜約1.015モルと二価多核フェノール1モルとを、水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム約0.6〜1.5モルと共に、通常、水性媒体中、温度10〜50℃、エピハロヒドリンの少なくとも約60モル%が消費されるまで混合することにより製造することが可能である。
【0020】
ここで用いられる二価多核フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシナフチル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ビス(フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパンが好ましい。
【0021】
ポリヒドロキシエーテル樹脂として好ましい上記式(Ia)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂は、インケムコーポレーション社からフェノキシ樹脂(商品名 UCARPhenoxy PKHH、PKHJ又はPKFE、繰り返し数pは、p≧50の整数)として市販されている。
【0022】
本発明の感光性樹脂組成物の(A)成分は以上説明したポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなるものである。
【0023】
係る反応により、ポリヒドロキシエーテル樹脂と不飽和イソシアネート化合物とがウレタン結合を介して結合し、ポリヒドロキシエーテル樹脂にエチレン性不飽和二重結合が導入される。この場合において、水酸基の当量数に対するイソシアネート基の当量数(NCO/OH)が0.01未満である場合は、ポリヒドロキシエーテル樹脂に充分なエチレン性不飽和二重結合が導入されず、感光性樹脂組成物の光硬化性が不充分になる。また、光ディスクにおける情報記録層や透明基板への密着性も低下する。一方、NCO/OHが0.9当量を越す場合は、不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物を安定に作製することができず、作製中にゲル化が発生する場合がある。なお、NCO/OHは0.1〜0.5が好ましい。
【0024】
不飽和イソシアネート化合物におけるエチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基に由来するものであることが好ましい。したがって、ポリヒドロキシエーテル樹脂に反応させる不飽和イソシアネート化合物は、(メタ)アクリル酸イソシアネート、(メタ)アクリル酸アルキルイソシアネート((メタ)アクリル酸エチルイソシアネート等)等が好ましい。
【0025】
不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物は、ポリヒドロキシエーテル樹脂をテトラヒドロフラン、モノグライム、ジメチルホルムアミド等の可溶性有機溶媒に溶解させ、必要によりジブチルチンジラウレート等の触媒を用い、温度40〜115℃で不飽和イソシアネート化合物と反応(付加反応)させることにより得ることができる。
【0026】
このようにして得られた(A)成分の使用量は、(A)成分及び(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物の総量100重量部に対して20〜90重量部とする。20重量部未満ではベタ付きにより取り扱い性が低下し、90重量部を超えると光ディスクにおける情報記録層や透明基板との接着力が低く実用的でない。
【0027】
次に、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物(以下「(B)成分」ともいう。)について説明する。
【0028】
(B)成分としては、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等);グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等);多価カルボン酸(例えば、無水フタル酸)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質(例えば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とのエステル化物;アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル);ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)を挙げることができる。
【0029】
特に好ましい(B)成分としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートが挙げられる。なお、上記化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0030】
(B)成分の使用量は(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、10〜80重量部とする必要がある。10重量部未満では感光性樹脂組成物の光硬化性が低下し、80重量部を超えるとベタ付きにより取り扱い性が低下する傾向がある。
【0031】
次に、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(C)光により遊離ラジカルを生成する光開始剤(以下「(C)成分」ともいう。)について説明する。
【0032】
(C)成分としては、紫外線又は可視光線により遊離ラジカルを生成する光開始剤が好ましく、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ビトロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0033】
また、(C)成分として使用しうる光開始剤としては、例えば、2,4,5−トリアリルイミダゾール二量体と2−メルカプトベンゾオキサゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン等との組み合わせも挙げられる。また、それ自体では光開始性はないが、前記物質と組み合わせて用いることにより全体として光開始性能のより良好な増感剤系となるような添加剤、例えば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等の三級アミンを用いることができる。
【0034】
感光性樹脂組成物においては、(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対する(C)成分の重量が0.01〜20重量部でなければならない。(C)成分が0.01重量部未満では光硬化性が低下し、ベタ付きにより取り扱い性が低下する。また、(C)成分が20重量部を超すと未反応成分が残留して硬化後の感光性樹脂組成物の透明性が損なわれる場合がある。(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対する(C)成分の重量は、1.0〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましい。
【0035】
感光性樹脂組成物は、さらに他の副次的成分を含有してもよい。副次的成分としては、例えば、熱重合防止剤、染料、顔料、塗工性向上剤、密着性向上剤等が挙げられ、これらの選択は、通常の感光性樹脂組成物と同様の考慮の下に行われる。副次的成分としては、また、本発明の目的を損なわない範囲で少量のエポキシ樹脂を含有することもできる。
【0036】
(感光性エレメント)
本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備えるものであり、感光性樹脂組成物層上には、該感光性樹脂組成物層を被覆する保護フィルムを更に備えていてもよい。
【0037】
感光性樹脂組成物層は、上述した本発明の感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレン等の有機溶剤に溶解して例えば固形分30〜60重量%程度の溶液とした後に、かかる溶液をナイフコート法、ロールコート法等公知の方法で支持体上に塗布した後に乾燥することにより製造することができる。保護フィルムを備える感光性エレメントにおいては、上記有機溶剤溶液の乾燥が終了した後に、形成された感光性樹脂組成物層上に保護フィルムを被覆して製造することが好ましい。
【0038】
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚さは、5〜100μmが好ましい。厚さが係る範囲外である場合は、光ディスクのスペーサー層に用いた場合の層の均一性を維持することが困難になる傾向にある。感光性樹脂組成物層の厚さは5〜70μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。
【0039】
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層は、表面粗さ精度であるRa値が、0〜0.30μmの感光性樹脂組成物層であることが好ましい。ここで表面粗さ精度Ra値は、感光性樹脂組成物層表面からランダムに抜き取った各部の断面曲線から求められる値であり、Ra値が0に近い場合は表面粗さ精度が高いことを意味する。Ra値は0〜0.25μmであることが好ましく、0〜0.20μmであることが更に好ましい。この表面粗さ精度が0〜0.30μmの範囲外である場合は、感光性エレメントを用いて光ディスクを作製する場合に気泡を巻き込みやすくなる。したがって、Ra値が上記範囲内にある感光性エレメントは、光ディスクのスペーサー層の層厚の均一性及び透明性を高めるために、光ディスクの製造歩留まりを高めることができ、また、光ディスクの品質を向上させることができる。
【0040】
また、感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層は、硬化後の400nmにおける光透過度が90%以上(好ましくは93%以上)であることが好ましい。光透過度が上記%以上である場合は、感光性エレメントを用いて作製した光ディスクにおいて、情報の記録又は読み取り時にエラー等が生じ難くなる。なお、本発明における光透過度は、透明基板に感光性樹脂組成物層をラミネートして該層を硬化させた基板と、感光性樹脂組成物層を備えていない透明基板と、の光透過度(光の波長:400nm)の差から求められるものである。
【0041】
感光エレメントにおける支持体は、厚さが5〜50μmであることが好ましく、8〜20μmであることがより好ましい。厚さが5μm未満では支持体はく離の際に、支持体が破れやすくなる傾向があり、50μmを超えると廉価性に劣る傾向にある。また、支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムからなることが好ましい。
【0042】
感光エレメントに使用される保護フィルムは、厚さが5〜30μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。厚さが5μm未満ではラミネートの際、保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、30μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。
【0043】
感光性エレメントは、例えば、シート状、又は保護フィルムを介在させた上で巻芯にロール状に巻きとって保管することができる。そしてロール状に巻き取った感光性エレメントの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の低いブラックシートに包んで包装することが好ましい。
【0044】
(光ディスク)
本発明は、上記本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いた光ディスクを提供する。すなわち、互いに平行に配置された2つの透明基板と該透明基板の間に配置された情報記録層及びスペーサー層とを備える光ディスクにおいて、スペーサー層が、(1)上記本発明の感光性樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする光ディスク、又は(2)上記本発明の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の硬化物であることを特徴とする光ディスク、を提供するものである。
【0045】
図1、2、3及び4は、それぞれ、本発明の光ディスクの第1、第2、第3及び第4実施形態を示す断面図である。図1に示す光ディスク1(単層光ディスク)は、透明基板10上に情報記録層12とスペーサー層14とがこの順に各一層形成されており、スペーサー層14上には透明基板10を備えている。図2に示す光ディスク(多層光ディスク)は図1におけるスペーサー層14と透明基板10との間に情報記録層12を1層備えている。そして、図3に示す光ディスク(多層光ディスク)は、透明基板10上に情報記録層12とスペーサー層14とがこの順に交互に各二層形成されており、スペーサー層14上には透明基板10を備えている。また、図4に示す光ディスク(多層光ディスク)は、図3におけるスペーサー層14と透明基板10との間に情報記録層12を1層備えている。
【0046】
図1〜4に示す第1〜第4実施形態においてはスペーサー層12が本発明の感光性樹脂組成物の硬化物又は本発明の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の硬化物である。また、透明基板10は、典型的にはポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の透明樹脂からなっている。そして、情報記録層12は典型的には金属薄膜からなっており、金属薄膜は通常透明基板10又はスペーサー層に蒸着されている。なお、情報記録層12は、情報担持のためにピットやグルーブ等の凹凸を有していてもよい。また、本発明の光ディスクにおいては、互いに平行に配置された2つの透明基板の間に、情報記録層12とスペーサー層14とを例えば交互に何層形成させてもよく、各層間にはシランカップリング剤等の他の成分が少量存在していてもよい。
【0047】
本発明の光ディスクにおいては、スペーサー層12は本発明の感光性樹脂層からなることが好ましいことから、その厚さは5〜100μmが好ましく、5〜70μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。また、表面粗さ精度であるRa値が、0〜0.30μm(好ましくは、0〜0.25、より好ましくは0〜0.2)であることが好ましく、光透過度が90%以上(好ましくは93%以上)であることが好ましい。
【0048】
光ディスクは、感光性樹脂組成物を用いる場合は、以下のようにして製造することができる。まず、情報記録層が形成された透明基板(情報記録用凸凹状ピットが形成された透明基板であって、該ピット表面に金属薄膜が形成されている透明基板。なお、係る基板における金属薄膜が形成された凹凸上ピットが情報記録層である。)を準備する。該基板の上(典型的には、情報記録層の面)に、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレン等の溶剤に均一に溶解又は分散させた溶液を、ディップコート法、フローコート法等で塗布して乾燥し、感光性樹脂組成物層を形成させる。そして、光(紫外線、可視光線等)を感光性樹脂組成物層に照射して感光性樹脂組成物を硬化させた後、他の透明基板を積層する。また、感光性樹脂組成物層に光を照射しないで他の透明基板を積層して、透明基板を通して感光性樹脂組成物層を光硬化してもよい。あるいはこれらの方法を組み合わせてもよい。なお、光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯等を用いることができる。
【0049】
一方、光ディスクは、感光性エレメントを用いる場合は、以下のようにして製造することができる。すなわち、上記と同様の透明基板を準備して、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を加熱しながら、該層が透明基板に接触するようにして(典型的には、情報記録層の面)、好ましくは減圧下で圧着して透明基板上に感光性樹脂組成物層を形成する。なお、感光性エレメントが保護フィルムを有する場合は、該フィルムを除去した後にこの作業を行う。そして、必要により支持フィルムを通して又は支持フィルムを剥離して、感光性樹脂組成物層に光(紫外線、可視光線等)を照射して硬化させた後、支持フィルムが存在する場合はそれを除去して他の透明基板を積層する。また、感光性樹脂組成物層が形成された透明基板に光を照射しないで、感光性樹脂組成物層と接触するようにして他の透明基板を積層して、透明基板を通して感光性樹脂組成物層を光硬化してもよい。あるいはこれらの方法を組み合わせてもよい。
【0050】
感光性エレメントを用いる場合において、感光性樹脂組成物層の加熱温度は、30〜130℃が好ましい。30℃未満では感光性樹脂組成物の流動性が低く、凸凹状ピットへの追従性が不十分になる傾向があり、150℃を超えると樹脂組成物中における低沸点物質あるいは低沸点溶媒等が気化したり基板の変形をもたらす場合がある。また、圧着圧力は、0.1〜1.0MPaが好ましいが、この条件は適宜変更することができる。積層性をさらに向上させるため基板の予熱処理を行うこともできる。
【0051】
上記製造方法は、単層光ディスクの製造にも多層光ディスクの製造にも適用可能であるが、多層光ディスクの製造方法の具体例としては、図5(a)〜(e)に示す方法が挙げられる。
【0052】
すなわち、ピットを有する透明基板10(図5(a))におけるピット面に、金属薄膜からなる情報記録層12を形成する(図5(b))。次に、情報記録層12上に上述した方法によりスペーサー層14を形成させた後に、スタンパ16をスペーサー層14に接触させることで(図5(c))、スペーサー層14にピットを形成させる(図5(d))。次いで、真空蒸着やスパッタリング等によりスペーサー層14に金属薄膜からなる情報記録層12を形成させる。そして、図5における(b)〜(e)を繰り返すことで多層化が可能になる。
【0053】
本発明の感光性樹脂組成物は、PCやPMMA等の透明樹脂、アルミニウム等の情報記録層を構成する材料に良好な接着力を示し透明度も高いために、これを用いた光ディスクは読み取りエラーの発生が抑制される。そして、光ディスクのスペーサー層形成を本発明の感光性エレメントを用いて行った場合には、厚さの均一性の高いスペーサー層が特に容易に形成されるため、製造歩留まりを顕著に向上させることができ、高品質の光ディスクを得ることができる。
【0054】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」は、特に断わらない限り、「重量部」を示す。
【0055】
[(A)成分の合成]
(合成例1)
温度計、撹拌装置、冷却管、乾燥空気導入管及び滴下器の付属した、加熱及び冷却可能な容積約1リットルの反応容器に、表1のAを入れ、75℃に昇温し、反応温度を73〜75℃に保ちながら、0.5時間かけて均一に表1のBを滴下した。Bの滴下後75℃で約4時間反応を続けた。その後、室温に冷却して不飽和基含有含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−1)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比(NCO/OH)は0.1であった。
【表1】
Figure 0003975806
【0056】
(合成例2)
Bを10.9部とした他は、合成例1と同様にして不飽和基含有含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−2)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比(NCO/OH)は0.20であった。
【0057】
(合成例3)
Bを21.8部とした他は、合成例1と同様にして不飽和基含有含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−3)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比(NCO/OH)は0.40であった。
【0058】
(比較合成例1)
表1におけるポリヒドロキシエーテル樹脂(インケムコーポレーション社製、、商品名 UCARPhenoxy PKHJ)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解したものを、(A−1)〜(A−3)との比較のために用いた。以下、係る溶液を(A−4)と呼ぶ。
【0059】
[感光性樹脂組成物の作製]
(実施例1〜3、比較例1)
(A)成分として上記(A−1)〜(A−4)を用い、(B)成分としてFA−321M(日立化成工業社製、ビスフェノールAポリオキシジエチレンジメタクリレート)、(C)成分としてIRGACURE 184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)を用い、これらを有機溶剤成分であるメチルエチルケトンと共に混合して、実施例1〜3及び比較例1の感光性樹脂組成物溶液を得た。なお、各成分の配合量は表2に記載のとおりである。
【表2】
Figure 0003975806
【0060】
(実施例4〜8、比較例2)
上記のようにして得られた感光性樹脂組成物溶液のそれぞれを、一定速度で進行する25μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上に均一に塗布し、80〜100℃の熱風対流式乾燥機を通過させ約10分間かけて乾燥した。次いで、感光性樹脂組成物層の上に厚さ約25μmのポリエチレンフィルム(保護フィルム)を連続的に張り合わせて、実施例4〜8及び比較例2の感光性エレメントを作製した。用いた感光性樹脂組成物溶液の種類と乾燥後の感光性樹脂組成物の厚さを以下の表3に示す。
【表3】
Figure 0003975806
【0061】
次いで、実施例4〜8及び比較例2の感光性エレメントについて、表面粗さ精度(Ra)、光透過度、接着性を以下のようにして評価した。
【0062】
[表面粗さ精度(Ra)]
基板は、プライマー処理(KBM503(信越化学工業社製)の3wt%メタノール溶液を基板に塗布)したあと、室温で約30分放置し、アセトンにて浸漬洗浄後、乾燥した6インチのシリコンウェハーを用い、感光性エレメントは、膜厚20μmのものを使用した。常圧ラミネータHLM−3000(日立エーアイシー(株))を用いて、保護フィルムを剥離した感光性エレメントをロール温度:110℃、ラミネート速度:1.0m/分、ラミネート圧力:0.5MPaの条件でプライマー処理されたシリコンウウェハー上にラミネートした。サンプルを15分以上放置した後、支持体フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を剥離し、大型UV照射機(QRM−2317−F−00、オーク社製)を用いて1J/cm2紫外線照射した。表面粗さ精度は、200MMウェハー表面形状測定装置(Veeco社製、接触型DEKTAK V200−Si、荷重:3mg、測定範囲:5mm)にて測定した。なお表面粗さ精度は、測定により得られた断面曲線より、測定範囲から抜き取った部分において、山頂(断面曲線の山における最も高い標高の所)から谷底(断面曲線の谷における最も低い標高の所)の差の平均値を求めた。表4に上記条件をまとめて示す。
【表4】
Figure 0003975806
【0063】
[光透過度]
透明基板としてポリカーボネート透明基板を用い、感光性エレメントは膜厚20μmのものを使用した。常圧ラミネータHLM−3000(日立エーアイシー(株))を用いて、保護フィルムを剥離した感光性エレメントを、感光性樹脂組成物層がポリカーボネート透明基板に接触するようにして、ロール温度:110℃、ラミネート速度:1.0m/min、ラミネート圧力:0.5MPaの条件でポリカーボネート透明基板上にラミネートした。得られたサンプルを15分以上放置した後、ポリエチレンテレフタレート(支持体)を剥離し、大型UV照射機(QRM−2317−F−00 オーク社製)を用いて1J/cm2紫外線照射した後の0.5時間後の400nmにおける光透過度を228A Spectrophotometer(日立製作所製)にて測定した。なお、光透過度(%)は、硬化後の感光性樹脂組成物層を備えたポリカーボネート透明基板と、感光性樹脂組成物層を備えていないポリカーボネート透明基板との光透過度の差から求めた。表5に上記条件をまとめて示す。
【表5】
Figure 0003975806
【0064】
[接着性]
上記と同様にして実施例4〜8及び比較例2の感光性エレメントをポリカーボネート透明基板にラミネートし、JIS K5400のXカットテープ法に準じて接着性を評価した。なお、接着性は点数で評価した(点数が大きいほど接着性が高いことを意味する)。
【0065】
表面粗さ精度(Ra)、光透過度及び接着性の評価結果をまとめて以下の表6に示す。なお、上記評価から、読み取りエラーが低減され製造歩留まりの高い光ディスクが作製可能であるかどうか(「ディスク化」と記す)を総合評価し、その結果を表6に示した。表6における○はディスク化が可能であることを意味し、×はディスク化が困難であることを意味する。
【表6】
Figure 0003975806
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ディスクに用いられる記録及び/又は再生用のレーザー光に対して透明性が高く、厚さの均一性の高いスペーサー層を容易に形成せしめることが可能な感光性樹脂組成物が提供可能となる。また、係る感光性樹脂組成物からなる感光性エレメントを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の光ディスクの第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の光ディスクの第3実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の光ディスクの第4実施形態を示す断面図である。
【図5】多層光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、10…透明基板、12…情報記録層、14…スペーサー層、16…スタンパ。

Claims (4)

  1. 支持体と、該支持体上に形成された感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントであって、
    前記感光性樹脂組成物が、(A)不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物と、(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物と、(C)光により遊離ラジカルを生成する光開始剤とを含み、
    前記(A)成分は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、前記不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなる不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物であり、
    Figure 0003975806
    [式中、Rは2価の飽和脂肪族炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はハロゲン原子、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数、をそれぞれ示す。]
    前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に対する前記(C)成分の重量が0.01〜20重量部であり、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に占める前記(A)成分の重量が20〜90重量部であり、
    前記感光性樹脂組成物層の硬化後の400nmにおける光透過度が90%以上であり、且つ、前記感光性樹脂組成物層の硬化後の表面粗さ精度であるRa値が、0〜0.30μmであることを特徴とする光ディスクのスペーサー形成用感光性エレメント。
  2. 前記感光性樹脂組成物層上に、該感光性樹脂組成物層を被覆する保護フィルムを更に備えることを特徴とする請求項記載の感光性エレメント。
  3. 前記感光性樹脂組成物層の厚さが、5〜100μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性エレメント。
  4. 互いに平行に配置された2つの透明基板と該透明基板の間に配置された情報記録層及びスペーサー層とを備える光ディスクであって、
    前記スペーサー層が、(A)不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物と、(B)エチレン性不飽和基を少なくとも1つ含有する光重合性不飽和化合物と、(C)光により遊離ラジカルを生成する光開始剤とを含む感光性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記(A)成分は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂と、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基をそれぞれ1つ有する不飽和イソシアネート化合物とを、前記ポリヒドロキシエーテル樹脂における水酸基1当量に対して、前記不飽和イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.01〜0.9当量となるように反応させてなる不飽和基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物であり、
    Figure 0003975806
    [式中、R は2価の飽和脂肪族炭化水素基、R 及びR はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基又はハロゲン原子、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数、をそれぞれ示す。]
    前記感光性樹脂組成物において、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に対する前記(C)成分の重量が0.01〜20重量部であり、前記(A)成分と前記(B)成分の総量100重量部に占める前記(A)成分の重量が20〜90重量部であり、
    前記スペーサー層は、400nmにおける光透過度が90%以上であり、且つ、表面粗さ精度であるRa値が0〜0.30μmであることを特徴とする光ディスク。
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