JP2004359779A - 光ディスク用接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光照射により光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを接着する事ができ、接着された光ディスク基板の変形、腐食、変色がなく、かつ極めて高い接着性が得られ、長期に渡って優れた耐久性と信頼性を具備する光ディスクを得ることができる光ディスク用接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(1)重合性不飽和化合物と、(2)光重合開始剤と、(3)カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、(4)エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物とを必須成分として含有するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】(1)重合性不飽和化合物と、(2)光重合開始剤と、(3)カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、(4)エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物とを必須成分として含有するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二枚の光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを光硬化方法を用いて短時間で接着することができ、また貼り合わせた光ディスクは長期にわたって十分な接着強度を保持することが可能な光ディスク、特にデジタルビデオディスク対応光ディスク(以下DVDと略称する)用接着剤組成物に関する。
【0002】
【関連技術】
高密度、高精度の記録媒体として有用な光ディスクは、基板上に光記録層を形成し、この光記録層にレーザービーム等を照射して、情報の記録、再生を行う物である。
【0003】
一般的にこの光ディスクはガラスやプラスチックなどの透明基板に記録層を形成した上に、光を反射あるいは透過可能な金属の薄い皮膜を蒸着等々によって形成した光ディスク基板(以後、単板ディスクということもある)に透明プラスチック基板(金属被膜が形成されていないもの)を貼り合わせ、又はこの単板ディスクを相互に貼り合わせた構造が採用されている。
【0004】
そして、従来、この貼り合わせには、光硬化型の接着剤が広く使われていて、金蒸着膜とアルミニュウム蒸着膜との接着や、金蒸着膜と透明プラスチック基板との接着、及びアルミニュウム蒸着膜と透明プラスチック基板の接着に使用されている。
【0005】
金属皮膜は従来、金、アルミニュウムなどの金属を真空蒸着することによって形成されるが、光ディスクの一般的な普及に伴い、資源に限りがあり高価格な金に替えて、安価な銀を使用する試みがされるようになってきている。光ディスク価格を低減し広く普及させる方法として、銀を使用した光ディスクの製造が試みられるようになってきた。
【0006】
金属蒸着被膜を金から銀に替えた場合、金では問題にならなかった、蒸着膜の腐食、浸食が銀では容易に発生し、記録層のダメージが大きく、光ディスクを保存した場合、記録の書き込み、再生ができなくなるという不都合が発生する。
【0007】
従来使用されてきた光硬化型の光ディスク用接着剤組成物は、金蒸着膜の接着用に開発された物で銀蒸着膜の接着用として使用するには、かならずしも、接着力が十分であるとは言えず、長期にわたり良好な接着性を保持することが困難で、取り扱い時に、剥離などが起こり、光ディスクの損傷が発生し、貴重な記録が失われたりすることが起きることがあった。
【0008】
接着力を向上させる手段として、燐酸基や水酸基、カルボン酸基などの極性基を分子中に持った重合性不飽和化合物を添加する方法が試みられているが、接着性の向上には効果が認められるものの、金蒸着膜では問題にならなかった、銀蒸着膜や、アルミニュウム蒸着膜の腐食が発生するという問題が新たに起きている。特に銀蒸着膜とアルミニュウム蒸着膜の接着の取り合わせに於いて、腐食が顕著に起こり、短時間で蒸着膜が溶解して無くなってしまうという問題が発生している。
【0009】
上記した単板ディスク同士の接着上の問題は、単板ディスクと透明プラスチック基板との接着作業においても、単板ディスク同士の接着における特有の問題と同様に生ずるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記した従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来用いられてきた紫外線硬化型接着剤にカルボキシル基を含有する重合性不飽和化合物と、エポキシ基を含有する化合物及び/またはオキセタン基を含有する化合物を組み合わせて用いることにより、上記問題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。カルボキシル基とエポキシ基又はオキセタン基は反応することが知られていて、同時に使うことにより、接着剤の貯蔵中に反応が進行してしまい、両者の特性が失われてしまうことが予想されるため、このような試みはされることがなかった。本発明者等は、カルボキシル基とエポキシ基又はオキセタン基との反応が低濃度のときは接着剤の貯蔵中に進行しないことを見出し、本発明を完成した。
【0011】
本発明は二枚の光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを貼り合わせて光ディスクを製造する場合の上記した諸問題を解決するものである。本発明は、特に、金蒸着膜に変えて銀蒸着膜を使用する場合に、銀蒸着膜に対する接着性の改善と、銀蒸着膜及びアルミニュウム蒸着膜に対する腐食の問題を同時に解決することができる光ディスク貼り合わせ用接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜、透明プラスチック基板のどの組み合わせにても使用できる光ディスク貼り合わせ用接着剤組成物を提供することを目的とする。これにより、光ディスク貼り合わせ用自動機の接着剤を金蒸着膜用、銀蒸着膜用と二種類用意することなく一つの接着剤組成物で可能となり、また、製作する光ディスクの種類に関係なく一つの接着剤組成物で複数品種の光ディスクを製造することを可能にし、切り換え時の作業の簡素化を図ることができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の光ディスク用接着剤組成物は、(1)重合性不飽和化合物と、(2)光重合開始剤と、(3)カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、(4)エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物とを必須成分として含有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第一の特徴としては、光ディスクの金属蒸着膜に対する密着性の向上を目的としてカルボキシル基含有重合性不飽和化合物を使用することが挙げられる。カルボキシル基含有重合性不飽和化合物は極性基の作用により金属との接着に優れていることは既知の事実であり、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜に対する接着性を改良する目的で使用することは通常考えられることであるが、金属蒸着膜を溶解腐食させることは知られていなかった。特に銀蒸着膜およびアルミニュウム蒸着膜に対して腐食の発生が顕著であった。
【0016】
特に最近の光ディスク基板では蒸着膜の厚さを薄くして、価格を下げる傾向にあるため、蒸着膜の腐食が起きやすくなっている。カルボキシル基含有重合性不飽和化合物を接着付与剤として使用した場合には、腐食の問題が発生するという新しい問題が発生する。
【0017】
本発明の第二の特徴としては、腐食の防止剤として、エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物を使用することが挙げられる。これらの有機化合物は、カチオン重合性を利用して各種の接着剤の主成分と使用されているが、金属蒸着膜に対する防食作用は知られていなかった。本発明においては、エポキシ基及びオキセタン基用のカチオン重合性は利用しておらず、エポキシ基及びオキセタン基用の光硬化用硬化剤は添加していない。エポキシ基及びオキセタン基用の光硬化用硬化剤は強酸を発生する物が多く、光ディスク用接着剤組成物に添加した場合、光照射によって強酸が発生し、蒸着膜を腐食することが知られている。本発明ではエポキシ基を含有する有機化合物及びオキセタン基を含有する有機化合物は、それぞれ、硬化性成分としてではなく金属蒸着膜の腐食防止の添加剤として使用される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0019】
本発明の金属蒸着膜を腐食しない、銀蒸着膜に良好な接着性を持つ光ディスク用接着剤組成物は、重合性不飽和化合物と、光重合開始剤(活性エネルギー線硬化開始剤)と、接着付与成分であるカルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、エポキシ基含有有機化合物及びオキセタン基含有有機化合物のどちらか一方又は両方を必須成分として含有することを特徴とする。
【0020】
上記重合性不飽和化合物としては、例えば、アクリレート及び/又はメタクリレートを主成分とするラジカル重合性単量体を挙げることができ、そのアクリレート及び/又はメタクリレート、すなわち(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、等のアルキル若しくは置換アルキル型一官能性(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル型一官能(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン型二官能(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエーテル型二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,3−ジブロムプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の極性基又は置換原子含有(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−アクリロキシ−ジエトキシフエニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、ビスオキシポリエチレン化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスオキシプロピレン化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスオキシ−2−ヒドロキシエチル化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート;アジピン酸−1,6−ヘキサンジオールージ(メタ)アクリレート等のポリエステル型ジ(メタ)アクリレート;及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記重合性不飽和化合物は、一種のみでも、また二種以上用いてもかまわない。
【0021】
上記光重合開始剤(活性エネルギー線硬化開始剤)の具体的な例としては、活性エネルギー線の照射によって活性ラジカルを発生する、チタノセン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、カンファーキノン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、チオキサントン等々の化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は一種類でも良いし、複数を組み合わせて添加しても良い。接着面の硬化性と周辺部の硬化性のバランスを計る必要があり、接着面の硬化には長波長域に吸収のある開始剤を、周辺部の硬化には短波長域に吸収のある開始剤を組み合わせて使用できる。
【0022】
上記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、カルボキシル基を有する重合性不飽和化合物であれば、特に限定されないが、具体的な例としては、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、などのカルボキシル基含有アクリレートモノマー及びこれらのアクリル基がメタクリル基に置き換わった、カルボキシル基含有メタアクリレートモノマー等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、一種類または複数種類を使用することができる。
【0023】
これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、重合性不飽和化合物総量100重量部に対して0.01〜50.0重量部の比率で添加される。好ましくは0.05〜20重量部である。さらに好ましくは0.10〜10.0重量部である。
【0024】
これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物の添加量が重合性不飽和化合物総量100部に対して0.01部より少ない場合には、十分な密着力が得られず、長期にわたる使用には耐えられずに、剥離の問題が生じる。
【0025】
また、これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物の含有量が重合性不飽和化合物総量100部に対して20重量部より多い場合は、銀蒸着膜およびアルミニュウム蒸着膜に対する腐食が甚大になり、本発明の第二の特徴であるエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物を添加してももはや金属蒸着膜の腐食を防止することができない。
【0026】
本発明において、エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物とオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物は、いずれか一方を用いても良く、両者を併用することもできる。種類についても、1種類以上の品種を選択して使用することが可能である。
【0027】
上記エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物としては、従来公知のものを広く使用でき特に限定されないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類や脂環式エポキシモノマー等のエポキシモノマーや、脂環式エポキシ樹脂,ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂や上記の水添化したエポキシ樹脂,ノボラック型エポキシ樹脂,グリシジルエステル型エポキシ樹脂,グリシジルエーテル型エポキシ樹脂,グリシジルアミン型エポキシ樹脂,ウレタン変性エポキシ樹脂,含窒素エポキシ樹脂,アルコール類から誘導されるエポキシ樹脂,ゴム変性エポキシ樹脂,臭素を含有する難燃型エポキシ樹脂,複素環を有するエポキシ樹脂,ヒンダントイン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が挙げられる。具体的な脂環式エポキシの例としては、例えば、エポキリードGT300,GT400,セロキサイド2080,2081,セロキサイド3000、セロキサイド2021,EHPE(いずれもダイセル化学工業株式会社製の脂環式エポキシの商品名)等が挙げられる。
【0028】
上記オキセタン基を分子内に1個以上有する有機化合物としては、特に限定されないが、具体的な例としては、オキセタン、オキセタンモノブチルエーテル、ビスオキセタン、オキセタンメタクリレート、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3ベンジルオキシメチルオキセタン、フェノールノボラックオキセタン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、1,3−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼンなどが挙げられる。
【0029】
また、エポキシ基又はオキセタン基は、重合性不飽和化合物の分子中に存在していても良く、二官能性エポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物の片方をアクリル酸でアクリレート化した、エポキシアクリルハーフエステルや、水酸基含有エポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物をウレタンアクリレート化して、ウレタンアクリレートの骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入した物も使用できる。
【0030】
分子中にエポキシ基又はオキセタン基と重合性不飽和基の両方を含有する有機化合物の具体的例としては、グリシジルメタクリレート、オキセタンメタクリレート、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製のビニル基を有する脂環式エポキシの商品名)、サイクロマーM100、A200、M101(いずれもダイセル化学工業株式会社製の脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーの商品名)等が挙げられる。
【0031】
これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物は重合性不飽和化合物総量100重量部に対して通常0.01〜50.0重量部の比率で添加される。好ましくは0.05〜20重量部である。さらに好ましくは0.10〜10.0重量部である。
【0032】
これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物の添加量が重合性不飽和化合物総量100部に対して0.01部より少ない場合には、十分な防食効果が得られず、金属蒸着膜の腐食防止ができない。
【0033】
また、これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物の含有量が重合性不飽和化合物総量100部に対して20重量部より多い場合は、可塑剤として作用し接着剤層が軟化してしまい、耐熱性が低下し、車載用のカーナビゲーションの光ディスクとして使用した場合などでは、光ディスクの熱変形が顕著になり、読み取りが出来なくなるという不都合が生じる。
【0034】
ただし、前述のエポキシアクリルハーフエステルおよびウレタンアクリレートの骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入した場合には、硬化系の中に取り込まれるので、耐熱性の低下を心配することなく、添加量を増やすことが出来る。この場合、重合性不飽和化合物の総量を前述のエポキシアクリルハーフエステルおよび骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入したウレタンアクリレートとすることも可能である。
【0035】
また、さらに金属蒸着膜の腐食防止としては、既存の防錆剤も併用可能であり、具体的には、ベンゾトリアゾール系防錆剤、高級アルコールの酸性リン酸エステル系防錆剤、無機および有機のイオン交換体、アセチルフェニルヒドラジンなどの還元性有機化合物、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などのシリコンの付加重合用のヒドロシリル化触媒などであり、本発明のエポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物と併用することが出来る。
【0036】
また、本発明の光ディスク用接着剤組成物に熱重合開始剤も添加可能であり、具体的にはt−ブチルパーオキシビバレート、ラウロイルパーオキサイド等の各種過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等の親油性アゾビス化合物等が挙げられる。
【0037】
更に、本発明の光ディスク用接着剤組成物には、一般に塗料用添加剤として用いられているレベリング剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤等を必要に応じて、張り合わせた2枚の光ディスクの接着強度を損なわない程度に添加することができる。
【0038】
本発明の光ディスク用接着剤組成物は各種の光ディスク基板の接着に応用可能であるが、特にデジタルビデオディスク対応光ディスク、通常DVDとして知られる光ディスクの製造に好適である。
【0039】
すなわち、DVDには読み取り方式によってSD規格があり、片面読み取りのSD−5,両面読み取りのSD−10,片面2層読み取りのSD−9,両面2層読み取りのSD−18,追記録型のSD−R,書き換え可能のSD−RAMなどの種類があるが、本発明の接着剤組成物を用いた2枚の光ディスクの光硬化による貼り合わせ方法は、それらのDVDの貼り合わせに好適に用いられる。
【0040】
以下に、本発明の接着剤組成物を用いた光ディスクの製造方法を説明する。図1に、本発明の接着剤組成物を用いて金属蒸着膜が内側に位置するように2枚の光ディスク基板を接着してなる光ディスクの構造の例を挙げた。また、図2に2枚の光ディスク基板のうちの1枚の光ディスク基板の内側に金属蒸着膜が位置する構造の例を挙げた。
【0041】
図1は本発明の接着剤組成物を用いて接着した光ディスクの一例を示す断面説明図である。同図において、12は光ディスクであり、相対向して設けられるドーナツ状の光ディスク基板14a,14bを有している。光ディスク基板14a,14bはガラスや透明樹脂板P1,P2、例えばポリカーボネート板やアクリル板によって形成される。
【0042】
16aは上記透明樹脂板P1の下面に設けられた金属蒸着膜で、気体金属、有機材料(例えば染料等)、アモルファス金属、例えばアルミ、金、シリコンカーバイド、具体的には、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミ蒸着層などによって形成される。16bは上記透明樹脂板P2の上面に同様に設けられた金属蒸着膜である。これらの層16a、16bの上にさらに保護コート、例えば紫外線硬化型樹脂コート等を設けることもできる。
【0043】
上記透明樹脂板P1,P2及び金属蒸着膜16a,16bによって記録層が形成される。18は接着層で、光ディスク基板14a,14bをその下面及び上面を相対向させた状態で接着固定する。本発明において、この接着層18に用いられる接着剤としては、上記した本発明の接着剤組成物が用いられる。
【0044】
図2は本発明の接着剤組成物を用いて接着した光ディスクの他の例を示す断面説明図である。図2においては、前記透明樹脂板P1の下面の金属蒸着膜16aを削除した点が図1と相違し、その他の構成は図1と同様であるので、その再度の説明は省略する。
【0045】
本発明の接着剤組成物を用いた光ディスクの製造方法としては、特に限定されないが、2枚の光ディスク基板を記録層が内側になるように接着する方法を適用することが好ましい。該方法は、接着する2枚の光ディスク基板の接着面の一面または両面に接着剤組成物を塗布する工程と、該2枚の光ディスク基板の接着面を貼り合わせて光ディスク基板貼合体とする工程と、光重合開始剤の吸収波長を含む光を該光ディスク基板貼合体に照射して該塗布された接着剤組成物を接着硬化させる工程とからなることを特徴とする。
【0046】
すなわち、上記の接着剤組成物を、貼り合わせる2枚の光ディスク基板のうち一方または両方の面に対し塗布し、記録層を内側になるように貼り合わせ、光重合開始剤の吸収波長を含む光を一方の面、または両面に照射して接着硬化させるものである。
【0047】
本発明方法における2枚の光ディスク基板の貼り合わせは、一般に次のような手順で行われる。
【0048】
例えば、SD−5に分類されるDVDの場合、まず一方の光ディスク基板を金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、保護基板となるもう一方の基板を重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0049】
SD−9に分類されるDVDの場合、光ディスク基板の金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、該光ディスク基板と、金属蒸着膜が同様に形成されたもう一方の光ディスク基板とを、両方の光ディスク基板の金属蒸着膜を対向させて重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0050】
SD−10に分類されるDVDの場合、一方のディスク基板を金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、もう一方の基板の金属蒸着膜面を下側にして重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0051】
このようにして高速回転させることによって、余分な接着剤組成物は光ディスク外周端から吐出される。この後、回転テーブル上または2枚の光ディスクの位置ずれが生じないように治具に固定しベルトコンベアー等の装置上で少なくとも一方の面から表面に、本発明で用いている光重合開始剤の吸収波長を含む光を照射することにより重合性不飽和化合物を硬化せしめ中間層を形成し、貼り合わされた両面光ディスクが得られる。
【0052】
接着剤組成物の塗布方法は上記方法に限定されるものではなく、手、ヘラ、ロールコート、スプレー等の公知の手段を用いて任意の厚さの接着中間層としてもよい。
【0053】
光照射手段としては、本発明で用いている光重合開始剤の感光波長領域である可視光あるいは近赤外光に分光分布を有するキセノンパルス光照射機を用いるのが本発明の光ディスク接着剤組成物の硬化には最も効率が良く、短時間硬化が可能である。
【0054】
この光照射手段としては、組成物中の光重合開始剤の感光波長領域に分光分布を有しかつ光反応を生起し得る強度の光照射が出来る光源であればよく、例えばハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、太陽光等が使用される。光重合開始剤の感光波長に適合させるために、2種以上の光源を併用することも出来る。
【0055】
両面光ディスクの製造方法に必要な光強度は開始剤の感光性(光感度)、重合性化合物の硬化性、量、などにより異なるが、一般には10mJ/cm2以上、好ましくは100mJ/cm2以上の光強度である。光強度が低すぎると光反応が十分に進行せず、接着強度が不十分であるおそれがある。また過度の光強度では光ディスクの反り等の変形が生じ好ましくない。
【0056】
また重合反応を促進するために、光ディスクを反り等の変形がしない程度に少し加温して接着工程を行うことも出来る。一般にハロゲンランプ、赤外領域に分光を有する光を照射すると熱線の作用により被照射物の品温が上昇し、硬化反応を促進するので好ましい。
【0057】
上記光ディスクの製造方法は、上述した2枚の光ディスク基板同士を接着する方法以外に光ディスク基板と保護基板とを接着する方法をも包含するものである。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また以下の説明で断りのない場合は、『部』は重量部を表す。
【0059】
(実施例1)
直径120mm、厚み1.2mmの光ディスク用ポリカーボネート基板の銀蒸着面に、表1に示した配合物質からなる接着剤組成物を均一に塗布し、もう一方のアルミニュウム蒸着膜を施された光ディスク基板にも同様に塗布し、接着面同士を貼り合わせ、2kgf/cm2の圧力を掛けて接合した(接着剤層:厚さ50μm)。キセノンパルスランプで活性エネルギー線を照射高さ5cmで3秒間照射し、2枚の光ディスク基板間の接着剤組成物を硬化させ、接着層を形成せしめ、片面2層読み取り式光ディスクを得た。
【0060】
【表1】
【0061】
表1における配合物質の配合量は重量部で示され、(*1〜*14)は次の通りである。
*1:サートマーCN−980(サートマー化学(株)製、ウレタンアクリレートの商品名)
*2:アートレジンUN−9200(根上工業(株)製、ウレタンアクリレートの商品名)
*3:タイホースMC1236NS(大日本インキ化学工業(株)製、ウレタンプレタンプレポリマーの商品名)100部と2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート60部の反応物
*4:アクリエステルHO(三菱レーヨン(株)製、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの商品名)
*5:アクリエステルHP(三菱レーヨン(株)製、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの商品名)
*6:リアクトマーRC−20(モートンチオコール(株)製、エトキシエトキシエチルアクリレートの商品名)
*7:ライトアクリレートEC−A(共栄社化学(株)製、2−エトキシジエチレングリコールアクリレートの商品名)
*8:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
*9:ベンジルジメチルケタール
*10:ライトアクリレートHOA−MS(共栄社化学(株)製、2−アクリロイロキシエチルコハク酸の商品名)
*11:ライトアクリレートHOA−MPL(共栄社化学(株)製、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の商品名)
*12:エピコート828(シェル化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の商品名)
*13:サイクロマーA200(ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ基を有するアクリルモノマーの商品名)
*14:セロキサイド2000(ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂の商品名)
【0062】
このようして出来た光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0063】
(実施例2)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0064】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0065】
(実施例3)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0066】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0067】
(実施例4)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0068】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0069】
(実施例5)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0070】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0071】
(実施例6)
直径120mm、厚み1.2mmの光ディスク用ポリカーボネート基板の金蒸着面に実施例1と同様の組成からなる接着剤組成物を均一に塗布し、もう一方のアルミニュウム蒸着膜を施された光ディスク基板にも同様に塗布し、接着面同士を貼り合わせ、2kgf/cm2の圧力を掛けて接合した。キセノンパルスランプで活性エネルギー線を照射高さ5cmで3秒間照射し、2枚の光ディスク基板間の接着剤組成物を硬化させ、接着層を形成せしめ、片面2層読み取り式光ディスクを得た。
【0072】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ金蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0073】
実施例1,6から本発明の光ディスク用接着剤組成物は金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜のいずれにも良好な接着性を示し、腐食、変色を発生させないことがわかった。
【0074】
(実施例7)
表1に示した如く、サートマーCN−980に替えて、タイホースMC1236NS(大日本インキ化学工業(株)製、ウレタンプレタンプレポリマーの商品名)100部と2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート60部の反応物を使用する以外は、実施例1と同じ組成で光ディスク用接着剤組成物を調整し、実施例1と同様にして試験を行った。
【0075】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0076】
(比較例1)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0077】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、光ディスクの端部には剥離が見られず充分な接着性を保持していたが、銀蒸着膜ときアルミニュウム蒸着膜が白濁し腐食が生じていた。
【0078】
(比較例2)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0079】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、光ディスクの端部には剥離が見られ、接着性を保持できていなかった。
【0080】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、光照射により光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを接着することができ、接着された光ディスク基板の変形、腐食、変色がなく、かつ極めて高い接着性が得られ、長期に渡って優れた耐久性と信頼性を具備する光ディスクを得ることができるという大きな効果を有する。
【0081】
本発明によれば、特に、金蒸着膜に変えて銀蒸着膜を使用する場合に、銀蒸着膜に対する接着性の改善と、銀蒸着膜及びアルミニュウム蒸着膜に対する腐食の問題を同時に解決することができる。
【0082】
また、本発明の光ディスク用接着剤組成物は、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜、透明プラスチック基板のどの組み合わせにても使用できるという甚大な効果を奏するため、本発明により、光ディスク貼り合わせ用自動機の接着剤を金蒸着膜用、銀蒸着膜用と二種類用意することなく一つの接着剤組成物で可能とすることができ、さらに、製作する光ディスクの種類に関係なく一つの接着剤組成物で複数品種の光ディスクを製造することを可能にし、切り換え時の作業の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着剤組成物を用いて接着された光ディスクの一例を示す断面説明図である。
【図2】本発明の接着剤組成物を用いて接着された光ディスクの他の例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
12:光ディスク、14a,14b:光ディスク基板、16a,16b:金属蒸着膜、18:接着剤層、P1,P2:透明樹脂板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、二枚の光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを光硬化方法を用いて短時間で接着することができ、また貼り合わせた光ディスクは長期にわたって十分な接着強度を保持することが可能な光ディスク、特にデジタルビデオディスク対応光ディスク(以下DVDと略称する)用接着剤組成物に関する。
【0002】
【関連技術】
高密度、高精度の記録媒体として有用な光ディスクは、基板上に光記録層を形成し、この光記録層にレーザービーム等を照射して、情報の記録、再生を行う物である。
【0003】
一般的にこの光ディスクはガラスやプラスチックなどの透明基板に記録層を形成した上に、光を反射あるいは透過可能な金属の薄い皮膜を蒸着等々によって形成した光ディスク基板(以後、単板ディスクということもある)に透明プラスチック基板(金属被膜が形成されていないもの)を貼り合わせ、又はこの単板ディスクを相互に貼り合わせた構造が採用されている。
【0004】
そして、従来、この貼り合わせには、光硬化型の接着剤が広く使われていて、金蒸着膜とアルミニュウム蒸着膜との接着や、金蒸着膜と透明プラスチック基板との接着、及びアルミニュウム蒸着膜と透明プラスチック基板の接着に使用されている。
【0005】
金属皮膜は従来、金、アルミニュウムなどの金属を真空蒸着することによって形成されるが、光ディスクの一般的な普及に伴い、資源に限りがあり高価格な金に替えて、安価な銀を使用する試みがされるようになってきている。光ディスク価格を低減し広く普及させる方法として、銀を使用した光ディスクの製造が試みられるようになってきた。
【0006】
金属蒸着被膜を金から銀に替えた場合、金では問題にならなかった、蒸着膜の腐食、浸食が銀では容易に発生し、記録層のダメージが大きく、光ディスクを保存した場合、記録の書き込み、再生ができなくなるという不都合が発生する。
【0007】
従来使用されてきた光硬化型の光ディスク用接着剤組成物は、金蒸着膜の接着用に開発された物で銀蒸着膜の接着用として使用するには、かならずしも、接着力が十分であるとは言えず、長期にわたり良好な接着性を保持することが困難で、取り扱い時に、剥離などが起こり、光ディスクの損傷が発生し、貴重な記録が失われたりすることが起きることがあった。
【0008】
接着力を向上させる手段として、燐酸基や水酸基、カルボン酸基などの極性基を分子中に持った重合性不飽和化合物を添加する方法が試みられているが、接着性の向上には効果が認められるものの、金蒸着膜では問題にならなかった、銀蒸着膜や、アルミニュウム蒸着膜の腐食が発生するという問題が新たに起きている。特に銀蒸着膜とアルミニュウム蒸着膜の接着の取り合わせに於いて、腐食が顕著に起こり、短時間で蒸着膜が溶解して無くなってしまうという問題が発生している。
【0009】
上記した単板ディスク同士の接着上の問題は、単板ディスクと透明プラスチック基板との接着作業においても、単板ディスク同士の接着における特有の問題と同様に生ずるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記した従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来用いられてきた紫外線硬化型接着剤にカルボキシル基を含有する重合性不飽和化合物と、エポキシ基を含有する化合物及び/またはオキセタン基を含有する化合物を組み合わせて用いることにより、上記問題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。カルボキシル基とエポキシ基又はオキセタン基は反応することが知られていて、同時に使うことにより、接着剤の貯蔵中に反応が進行してしまい、両者の特性が失われてしまうことが予想されるため、このような試みはされることがなかった。本発明者等は、カルボキシル基とエポキシ基又はオキセタン基との反応が低濃度のときは接着剤の貯蔵中に進行しないことを見出し、本発明を完成した。
【0011】
本発明は二枚の光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを貼り合わせて光ディスクを製造する場合の上記した諸問題を解決するものである。本発明は、特に、金蒸着膜に変えて銀蒸着膜を使用する場合に、銀蒸着膜に対する接着性の改善と、銀蒸着膜及びアルミニュウム蒸着膜に対する腐食の問題を同時に解決することができる光ディスク貼り合わせ用接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜、透明プラスチック基板のどの組み合わせにても使用できる光ディスク貼り合わせ用接着剤組成物を提供することを目的とする。これにより、光ディスク貼り合わせ用自動機の接着剤を金蒸着膜用、銀蒸着膜用と二種類用意することなく一つの接着剤組成物で可能となり、また、製作する光ディスクの種類に関係なく一つの接着剤組成物で複数品種の光ディスクを製造することを可能にし、切り換え時の作業の簡素化を図ることができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の光ディスク用接着剤組成物は、(1)重合性不飽和化合物と、(2)光重合開始剤と、(3)カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、(4)エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物とを必須成分として含有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第一の特徴としては、光ディスクの金属蒸着膜に対する密着性の向上を目的としてカルボキシル基含有重合性不飽和化合物を使用することが挙げられる。カルボキシル基含有重合性不飽和化合物は極性基の作用により金属との接着に優れていることは既知の事実であり、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜に対する接着性を改良する目的で使用することは通常考えられることであるが、金属蒸着膜を溶解腐食させることは知られていなかった。特に銀蒸着膜およびアルミニュウム蒸着膜に対して腐食の発生が顕著であった。
【0016】
特に最近の光ディスク基板では蒸着膜の厚さを薄くして、価格を下げる傾向にあるため、蒸着膜の腐食が起きやすくなっている。カルボキシル基含有重合性不飽和化合物を接着付与剤として使用した場合には、腐食の問題が発生するという新しい問題が発生する。
【0017】
本発明の第二の特徴としては、腐食の防止剤として、エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物を使用することが挙げられる。これらの有機化合物は、カチオン重合性を利用して各種の接着剤の主成分と使用されているが、金属蒸着膜に対する防食作用は知られていなかった。本発明においては、エポキシ基及びオキセタン基用のカチオン重合性は利用しておらず、エポキシ基及びオキセタン基用の光硬化用硬化剤は添加していない。エポキシ基及びオキセタン基用の光硬化用硬化剤は強酸を発生する物が多く、光ディスク用接着剤組成物に添加した場合、光照射によって強酸が発生し、蒸着膜を腐食することが知られている。本発明ではエポキシ基を含有する有機化合物及びオキセタン基を含有する有機化合物は、それぞれ、硬化性成分としてではなく金属蒸着膜の腐食防止の添加剤として使用される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0019】
本発明の金属蒸着膜を腐食しない、銀蒸着膜に良好な接着性を持つ光ディスク用接着剤組成物は、重合性不飽和化合物と、光重合開始剤(活性エネルギー線硬化開始剤)と、接着付与成分であるカルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、エポキシ基含有有機化合物及びオキセタン基含有有機化合物のどちらか一方又は両方を必須成分として含有することを特徴とする。
【0020】
上記重合性不飽和化合物としては、例えば、アクリレート及び/又はメタクリレートを主成分とするラジカル重合性単量体を挙げることができ、そのアクリレート及び/又はメタクリレート、すなわち(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、等のアルキル若しくは置換アルキル型一官能性(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のエーテル型一官能(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン型二官能(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエーテル型二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,3−ジブロムプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の極性基又は置換原子含有(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−アクリロキシ−ジエトキシフエニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、ビスオキシポリエチレン化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスオキシプロピレン化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート、ビスオキシ−2−ヒドロキシエチル化ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート;アジピン酸−1,6−ヘキサンジオールージ(メタ)アクリレート等のポリエステル型ジ(メタ)アクリレート;及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記重合性不飽和化合物は、一種のみでも、また二種以上用いてもかまわない。
【0021】
上記光重合開始剤(活性エネルギー線硬化開始剤)の具体的な例としては、活性エネルギー線の照射によって活性ラジカルを発生する、チタノセン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、カンファーキノン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、チオキサントン等々の化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は一種類でも良いし、複数を組み合わせて添加しても良い。接着面の硬化性と周辺部の硬化性のバランスを計る必要があり、接着面の硬化には長波長域に吸収のある開始剤を、周辺部の硬化には短波長域に吸収のある開始剤を組み合わせて使用できる。
【0022】
上記カルボキシル基含有重合性不飽和化合物としては、カルボキシル基を有する重合性不飽和化合物であれば、特に限定されないが、具体的な例としては、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、などのカルボキシル基含有アクリレートモノマー及びこれらのアクリル基がメタクリル基に置き換わった、カルボキシル基含有メタアクリレートモノマー等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、一種類または複数種類を使用することができる。
【0023】
これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、重合性不飽和化合物総量100重量部に対して0.01〜50.0重量部の比率で添加される。好ましくは0.05〜20重量部である。さらに好ましくは0.10〜10.0重量部である。
【0024】
これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物の添加量が重合性不飽和化合物総量100部に対して0.01部より少ない場合には、十分な密着力が得られず、長期にわたる使用には耐えられずに、剥離の問題が生じる。
【0025】
また、これらのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物の含有量が重合性不飽和化合物総量100部に対して20重量部より多い場合は、銀蒸着膜およびアルミニュウム蒸着膜に対する腐食が甚大になり、本発明の第二の特徴であるエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物を添加してももはや金属蒸着膜の腐食を防止することができない。
【0026】
本発明において、エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物とオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物は、いずれか一方を用いても良く、両者を併用することもできる。種類についても、1種類以上の品種を選択して使用することが可能である。
【0027】
上記エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物としては、従来公知のものを広く使用でき特に限定されないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類や脂環式エポキシモノマー等のエポキシモノマーや、脂環式エポキシ樹脂,ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂や上記の水添化したエポキシ樹脂,ノボラック型エポキシ樹脂,グリシジルエステル型エポキシ樹脂,グリシジルエーテル型エポキシ樹脂,グリシジルアミン型エポキシ樹脂,ウレタン変性エポキシ樹脂,含窒素エポキシ樹脂,アルコール類から誘導されるエポキシ樹脂,ゴム変性エポキシ樹脂,臭素を含有する難燃型エポキシ樹脂,複素環を有するエポキシ樹脂,ヒンダントイン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が挙げられる。具体的な脂環式エポキシの例としては、例えば、エポキリードGT300,GT400,セロキサイド2080,2081,セロキサイド3000、セロキサイド2021,EHPE(いずれもダイセル化学工業株式会社製の脂環式エポキシの商品名)等が挙げられる。
【0028】
上記オキセタン基を分子内に1個以上有する有機化合物としては、特に限定されないが、具体的な例としては、オキセタン、オキセタンモノブチルエーテル、ビスオキセタン、オキセタンメタクリレート、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3ベンジルオキシメチルオキセタン、フェノールノボラックオキセタン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル、1,3−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ベンゼンなどが挙げられる。
【0029】
また、エポキシ基又はオキセタン基は、重合性不飽和化合物の分子中に存在していても良く、二官能性エポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物の片方をアクリル酸でアクリレート化した、エポキシアクリルハーフエステルや、水酸基含有エポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物をウレタンアクリレート化して、ウレタンアクリレートの骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入した物も使用できる。
【0030】
分子中にエポキシ基又はオキセタン基と重合性不飽和基の両方を含有する有機化合物の具体的例としては、グリシジルメタクリレート、オキセタンメタクリレート、セロキサイド2000(ダイセル化学工業株式会社製のビニル基を有する脂環式エポキシの商品名)、サイクロマーM100、A200、M101(いずれもダイセル化学工業株式会社製の脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーの商品名)等が挙げられる。
【0031】
これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物は重合性不飽和化合物総量100重量部に対して通常0.01〜50.0重量部の比率で添加される。好ましくは0.05〜20重量部である。さらに好ましくは0.10〜10.0重量部である。
【0032】
これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物の添加量が重合性不飽和化合物総量100部に対して0.01部より少ない場合には、十分な防食効果が得られず、金属蒸着膜の腐食防止ができない。
【0033】
また、これらのエポキシ基を含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を含有する有機化合物の含有量が重合性不飽和化合物総量100部に対して20重量部より多い場合は、可塑剤として作用し接着剤層が軟化してしまい、耐熱性が低下し、車載用のカーナビゲーションの光ディスクとして使用した場合などでは、光ディスクの熱変形が顕著になり、読み取りが出来なくなるという不都合が生じる。
【0034】
ただし、前述のエポキシアクリルハーフエステルおよびウレタンアクリレートの骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入した場合には、硬化系の中に取り込まれるので、耐熱性の低下を心配することなく、添加量を増やすことが出来る。この場合、重合性不飽和化合物の総量を前述のエポキシアクリルハーフエステルおよび骨格中や側鎖にエポキシ基又はオキセタン基を導入したウレタンアクリレートとすることも可能である。
【0035】
また、さらに金属蒸着膜の腐食防止としては、既存の防錆剤も併用可能であり、具体的には、ベンゾトリアゾール系防錆剤、高級アルコールの酸性リン酸エステル系防錆剤、無機および有機のイオン交換体、アセチルフェニルヒドラジンなどの還元性有機化合物、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などのシリコンの付加重合用のヒドロシリル化触媒などであり、本発明のエポキシ基又はオキセタン基を含有する有機化合物と併用することが出来る。
【0036】
また、本発明の光ディスク用接着剤組成物に熱重合開始剤も添加可能であり、具体的にはt−ブチルパーオキシビバレート、ラウロイルパーオキサイド等の各種過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等の親油性アゾビス化合物等が挙げられる。
【0037】
更に、本発明の光ディスク用接着剤組成物には、一般に塗料用添加剤として用いられているレベリング剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤等を必要に応じて、張り合わせた2枚の光ディスクの接着強度を損なわない程度に添加することができる。
【0038】
本発明の光ディスク用接着剤組成物は各種の光ディスク基板の接着に応用可能であるが、特にデジタルビデオディスク対応光ディスク、通常DVDとして知られる光ディスクの製造に好適である。
【0039】
すなわち、DVDには読み取り方式によってSD規格があり、片面読み取りのSD−5,両面読み取りのSD−10,片面2層読み取りのSD−9,両面2層読み取りのSD−18,追記録型のSD−R,書き換え可能のSD−RAMなどの種類があるが、本発明の接着剤組成物を用いた2枚の光ディスクの光硬化による貼り合わせ方法は、それらのDVDの貼り合わせに好適に用いられる。
【0040】
以下に、本発明の接着剤組成物を用いた光ディスクの製造方法を説明する。図1に、本発明の接着剤組成物を用いて金属蒸着膜が内側に位置するように2枚の光ディスク基板を接着してなる光ディスクの構造の例を挙げた。また、図2に2枚の光ディスク基板のうちの1枚の光ディスク基板の内側に金属蒸着膜が位置する構造の例を挙げた。
【0041】
図1は本発明の接着剤組成物を用いて接着した光ディスクの一例を示す断面説明図である。同図において、12は光ディスクであり、相対向して設けられるドーナツ状の光ディスク基板14a,14bを有している。光ディスク基板14a,14bはガラスや透明樹脂板P1,P2、例えばポリカーボネート板やアクリル板によって形成される。
【0042】
16aは上記透明樹脂板P1の下面に設けられた金属蒸着膜で、気体金属、有機材料(例えば染料等)、アモルファス金属、例えばアルミ、金、シリコンカーバイド、具体的には、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミ蒸着層などによって形成される。16bは上記透明樹脂板P2の上面に同様に設けられた金属蒸着膜である。これらの層16a、16bの上にさらに保護コート、例えば紫外線硬化型樹脂コート等を設けることもできる。
【0043】
上記透明樹脂板P1,P2及び金属蒸着膜16a,16bによって記録層が形成される。18は接着層で、光ディスク基板14a,14bをその下面及び上面を相対向させた状態で接着固定する。本発明において、この接着層18に用いられる接着剤としては、上記した本発明の接着剤組成物が用いられる。
【0044】
図2は本発明の接着剤組成物を用いて接着した光ディスクの他の例を示す断面説明図である。図2においては、前記透明樹脂板P1の下面の金属蒸着膜16aを削除した点が図1と相違し、その他の構成は図1と同様であるので、その再度の説明は省略する。
【0045】
本発明の接着剤組成物を用いた光ディスクの製造方法としては、特に限定されないが、2枚の光ディスク基板を記録層が内側になるように接着する方法を適用することが好ましい。該方法は、接着する2枚の光ディスク基板の接着面の一面または両面に接着剤組成物を塗布する工程と、該2枚の光ディスク基板の接着面を貼り合わせて光ディスク基板貼合体とする工程と、光重合開始剤の吸収波長を含む光を該光ディスク基板貼合体に照射して該塗布された接着剤組成物を接着硬化させる工程とからなることを特徴とする。
【0046】
すなわち、上記の接着剤組成物を、貼り合わせる2枚の光ディスク基板のうち一方または両方の面に対し塗布し、記録層を内側になるように貼り合わせ、光重合開始剤の吸収波長を含む光を一方の面、または両面に照射して接着硬化させるものである。
【0047】
本発明方法における2枚の光ディスク基板の貼り合わせは、一般に次のような手順で行われる。
【0048】
例えば、SD−5に分類されるDVDの場合、まず一方の光ディスク基板を金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、保護基板となるもう一方の基板を重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0049】
SD−9に分類されるDVDの場合、光ディスク基板の金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、該光ディスク基板と、金属蒸着膜が同様に形成されたもう一方の光ディスク基板とを、両方の光ディスク基板の金属蒸着膜を対向させて重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0050】
SD−10に分類されるDVDの場合、一方のディスク基板を金属蒸着膜面を上側にして回転テーブルに真空吸着させて固定し、低速で回転しながら本発明の接着剤組成物を滴下する。次に、もう一方の基板の金属蒸着膜面を下側にして重ね合わせ、高速回転させることにより接着剤組成物を広げる。
【0051】
このようにして高速回転させることによって、余分な接着剤組成物は光ディスク外周端から吐出される。この後、回転テーブル上または2枚の光ディスクの位置ずれが生じないように治具に固定しベルトコンベアー等の装置上で少なくとも一方の面から表面に、本発明で用いている光重合開始剤の吸収波長を含む光を照射することにより重合性不飽和化合物を硬化せしめ中間層を形成し、貼り合わされた両面光ディスクが得られる。
【0052】
接着剤組成物の塗布方法は上記方法に限定されるものではなく、手、ヘラ、ロールコート、スプレー等の公知の手段を用いて任意の厚さの接着中間層としてもよい。
【0053】
光照射手段としては、本発明で用いている光重合開始剤の感光波長領域である可視光あるいは近赤外光に分光分布を有するキセノンパルス光照射機を用いるのが本発明の光ディスク接着剤組成物の硬化には最も効率が良く、短時間硬化が可能である。
【0054】
この光照射手段としては、組成物中の光重合開始剤の感光波長領域に分光分布を有しかつ光反応を生起し得る強度の光照射が出来る光源であればよく、例えばハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、太陽光等が使用される。光重合開始剤の感光波長に適合させるために、2種以上の光源を併用することも出来る。
【0055】
両面光ディスクの製造方法に必要な光強度は開始剤の感光性(光感度)、重合性化合物の硬化性、量、などにより異なるが、一般には10mJ/cm2以上、好ましくは100mJ/cm2以上の光強度である。光強度が低すぎると光反応が十分に進行せず、接着強度が不十分であるおそれがある。また過度の光強度では光ディスクの反り等の変形が生じ好ましくない。
【0056】
また重合反応を促進するために、光ディスクを反り等の変形がしない程度に少し加温して接着工程を行うことも出来る。一般にハロゲンランプ、赤外領域に分光を有する光を照射すると熱線の作用により被照射物の品温が上昇し、硬化反応を促進するので好ましい。
【0057】
上記光ディスクの製造方法は、上述した2枚の光ディスク基板同士を接着する方法以外に光ディスク基板と保護基板とを接着する方法をも包含するものである。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また以下の説明で断りのない場合は、『部』は重量部を表す。
【0059】
(実施例1)
直径120mm、厚み1.2mmの光ディスク用ポリカーボネート基板の銀蒸着面に、表1に示した配合物質からなる接着剤組成物を均一に塗布し、もう一方のアルミニュウム蒸着膜を施された光ディスク基板にも同様に塗布し、接着面同士を貼り合わせ、2kgf/cm2の圧力を掛けて接合した(接着剤層:厚さ50μm)。キセノンパルスランプで活性エネルギー線を照射高さ5cmで3秒間照射し、2枚の光ディスク基板間の接着剤組成物を硬化させ、接着層を形成せしめ、片面2層読み取り式光ディスクを得た。
【0060】
【表1】
【0061】
表1における配合物質の配合量は重量部で示され、(*1〜*14)は次の通りである。
*1:サートマーCN−980(サートマー化学(株)製、ウレタンアクリレートの商品名)
*2:アートレジンUN−9200(根上工業(株)製、ウレタンアクリレートの商品名)
*3:タイホースMC1236NS(大日本インキ化学工業(株)製、ウレタンプレタンプレポリマーの商品名)100部と2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート60部の反応物
*4:アクリエステルHO(三菱レーヨン(株)製、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの商品名)
*5:アクリエステルHP(三菱レーヨン(株)製、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの商品名)
*6:リアクトマーRC−20(モートンチオコール(株)製、エトキシエトキシエチルアクリレートの商品名)
*7:ライトアクリレートEC−A(共栄社化学(株)製、2−エトキシジエチレングリコールアクリレートの商品名)
*8:ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
*9:ベンジルジメチルケタール
*10:ライトアクリレートHOA−MS(共栄社化学(株)製、2−アクリロイロキシエチルコハク酸の商品名)
*11:ライトアクリレートHOA−MPL(共栄社化学(株)製、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の商品名)
*12:エピコート828(シェル化学(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の商品名)
*13:サイクロマーA200(ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ基を有するアクリルモノマーの商品名)
*14:セロキサイド2000(ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂の商品名)
【0062】
このようして出来た光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0063】
(実施例2)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0064】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0065】
(実施例3)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0066】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0067】
(実施例4)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0068】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0069】
(実施例5)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0070】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0071】
(実施例6)
直径120mm、厚み1.2mmの光ディスク用ポリカーボネート基板の金蒸着面に実施例1と同様の組成からなる接着剤組成物を均一に塗布し、もう一方のアルミニュウム蒸着膜を施された光ディスク基板にも同様に塗布し、接着面同士を貼り合わせ、2kgf/cm2の圧力を掛けて接合した。キセノンパルスランプで活性エネルギー線を照射高さ5cmで3秒間照射し、2枚の光ディスク基板間の接着剤組成物を硬化させ、接着層を形成せしめ、片面2層読み取り式光ディスクを得た。
【0072】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ金蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0073】
実施例1,6から本発明の光ディスク用接着剤組成物は金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜のいずれにも良好な接着性を示し、腐食、変色を発生させないことがわかった。
【0074】
(実施例7)
表1に示した如く、サートマーCN−980に替えて、タイホースMC1236NS(大日本インキ化学工業(株)製、ウレタンプレタンプレポリマーの商品名)100部と2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート60部の反応物を使用する以外は、実施例1と同じ組成で光ディスク用接着剤組成物を調整し、実施例1と同様にして試験を行った。
【0075】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜の両方に、腐食、変色等の異常は見られず、光ディスクの端部にも剥離が見られず充分な耐久性を持っていることが確認された。
【0076】
(比較例1)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0077】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、光ディスクの端部には剥離が見られず充分な接着性を保持していたが、銀蒸着膜ときアルミニュウム蒸着膜が白濁し腐食が生じていた。
【0078】
(比較例2)
表1に示した如く接着剤組成物の配合物質を変更した以外は実施例1と全く同様にして試験を行った。
【0079】
同様にしてできた光ディスクを80℃、95%相対湿度の恒温恒湿層に4日間入れた後観察したところ、光ディスクの端部には剥離が見られ、接着性を保持できていなかった。
【0080】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、光照射により光ディスク基板同士又は光ディスク基板と透明プラスチック基板とを接着することができ、接着された光ディスク基板の変形、腐食、変色がなく、かつ極めて高い接着性が得られ、長期に渡って優れた耐久性と信頼性を具備する光ディスクを得ることができるという大きな効果を有する。
【0081】
本発明によれば、特に、金蒸着膜に変えて銀蒸着膜を使用する場合に、銀蒸着膜に対する接着性の改善と、銀蒸着膜及びアルミニュウム蒸着膜に対する腐食の問題を同時に解決することができる。
【0082】
また、本発明の光ディスク用接着剤組成物は、金蒸着膜、銀蒸着膜、アルミニュウム蒸着膜、透明プラスチック基板のどの組み合わせにても使用できるという甚大な効果を奏するため、本発明により、光ディスク貼り合わせ用自動機の接着剤を金蒸着膜用、銀蒸着膜用と二種類用意することなく一つの接着剤組成物で可能とすることができ、さらに、製作する光ディスクの種類に関係なく一つの接着剤組成物で複数品種の光ディスクを製造することを可能にし、切り換え時の作業の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着剤組成物を用いて接着された光ディスクの一例を示す断面説明図である。
【図2】本発明の接着剤組成物を用いて接着された光ディスクの他の例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
12:光ディスク、14a,14b:光ディスク基板、16a,16b:金属蒸着膜、18:接着剤層、P1,P2:透明樹脂板。
Claims (1)
- (1)重合性不飽和化合物と、(2)光重合開始剤と、(3)カルボキシル基含有重合性不飽和化合物と、(4)エポキシ基を分子内に1個以上含有する有機化合物及び/又はオキセタン基を分子内に1個以上含有する有機化合物とを必須成分として含有することを特徴とする光ディスク用接着剤組成物。
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