JP2775905B2 - コンパクトディスクの金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物及びコンパクトディスク - Google Patents

コンパクトディスクの金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物及びコンパクトディスク

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JP2775905B2
JP2775905B2 JP1268178A JP26817889A JP2775905B2 JP 2775905 B2 JP2775905 B2 JP 2775905B2 JP 1268178 A JP1268178 A JP 1268178A JP 26817889 A JP26817889 A JP 26817889A JP 2775905 B2 JP2775905 B2 JP 2775905B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンパクトディスクの金属蒸着膜又は金属
スパッタリング膜の金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成
物に関する。
〔従来の技術〕
コンパクトディスクは、ポリカーホネート等からなる
円形基板に円周方向に沿って、音の信号や文字等の画像
の信号を凹凸により記録し、その凹凸面を金属を蒸着又
はスパッタリングして金属薄膜を形成したもので、信号
の読み取りを照射したレーザ光の反射光の強弱により行
う再生専用の記録媒体である。
上記の金属薄膜は、極めて傷が付き易く、その傷によ
って読み取りの誤りが発生し、信号に雑音が入る。その
ため、従来、主にニトロセルロースを溶剤に溶解した樹
脂溶液を塗布して形成した樹脂膜やアクリル酸エステル
を主成分とする紫外線硬化型樹脂膜によって、金属薄膜
を保護することが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ニトロセルローズの樹脂溶液を基板の
凹凸面に塗布するときは、熱風乾燥により乾燥・硬化さ
せているので、生産性に問題がある。また、蒸発した溶
剤は溶剤回収装置により回収しているため、その設備費
がかかるという問題もある。
これに対して、紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、
紫外線の照射により短時間に硬化し、溶剤回収の設備も
必要ないのでニトロセルローズを主成分とする樹脂を用
いるものに比べ、優れている。
紫外線硬化型樹脂を塗布するには、通常スピンコータ
ーで基板の凹凸の金属薄膜上に行われる。すなわち、基
板をスピンコーターの回転軸に固定し、基板を低速で回
転させながら、基板の内周部分に紫外線硬化型樹脂組成
物をドーナツ状に供給する。紫外線硬化型樹脂組成物を
供給した後、基板を瞬時に高速回転されることにより、
ドーナツ状に供給された紫外線硬化型樹脂組成物が金属
薄膜上に拡散塗布される。しかしながら、この場合、高
粘度の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布すると、ドーナツ
状に供給されたものが高速回転により放射状に流れ出
し、金属薄膜全体を覆うことができないという問題があ
る。また、たとえ金属薄膜全体を覆うことができたとし
ても、高粘度の紫外線硬化型樹脂組成物を用いる場合
は、低粘度のものに比べて、より高速回転にしたり、塗
布時間を長くしなければならないという問題もある。
コンパクトディスクの基板はポリカーボネート等の樹
脂材料を射出成形することにより作製されるが、射出成
形の不備により、基板に欠陥がしばしば認められる。ま
た、金属の蒸着又はスパッタリングの不備により金属薄
膜に欠損を生じることもある。このような欠陥や欠損の
ある基板に、高い表面張力を持った紫外線硬化型樹脂組
成物をスピンコータにより塗布すると、欠陥又は欠損の
ある部分から塗布された紫外線硬化型樹脂組成物がはじ
かれ、紫外線硬化膜により基板の凹凸全体の金属薄膜を
覆うことができないという問題もある。
コンパクトディスクは、従来良く用いらた塩化ビニル
製のレコードに比べて、軽量、小型であり、取扱時に傷
が付き易い。そのため、金属薄膜を保護している紫外線
硬化型樹脂膜も傷付き易い。この際、硬化樹脂膜が軟ら
かいと、傷は金属薄膜にまで及び、信号に雑音を生じる
という問題を生じる。また、金属蒸着による金属薄膜は
スパッタリングの金属薄膜よりも紫外線硬化樹脂膜の接
着力を要し、この接着力が弱いと容易に剥離し易くな
る。
また、基板の凹凸面に金属を蒸着又はスパッタリング
をするときに、基板の外周部分をマスクで覆い、この覆
った部分には金属薄膜を形成しないようにしているもの
では、基板全体に紫外線硬化膜を形成しても、この外周
部分から紫外線硬化膜の剥離が生じ易いので、紫外線硬
化膜の基板に対する接着力も十分なものでなければなら
ない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討
した結果、本発明を完成するに至ったものである。すな
わち、本発明は、分子中に重合性二重結合を2個以上有
しリン原子を有しない化合物と、下記一般式〔I〕で示
されるリン原子を有するモノマーを含有するコンパクト
ディスクの金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物であっ
て、 (A)25℃における粘度が100センチポイズ以下、 (B)23℃における表面張力が20〜34dyne/cmの範囲、 (C)硬化した塗膜の鉛筆硬度が2H以上、 (D)硬化した塗膜が金属膜及び基板に対して良好な接
着力を有することを特徴とするコンパクトディスクの金
属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物を提供するものであ
る。
一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子又はCH3を表わし、R2(式中、nは1〜10の整数を表わし、p、q、rは各々
独立に0〜10の整数を表わす。)で示される2価の基を
表わし、mは1又は2を表わす。〕 この際、一般式〔I〕の成分が0.01〜5重量%である
こと、また、シリコーン系又はフッ素系界面活性剤を3
重量%以下の割合で含有することも好ましい。
また、本発明は上記組成物の硬化塗膜で被覆したコン
パクトディスクも提供するものである。
以下に詳細に説明する。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、その25℃におけ
る粘度が100センチポイズ(ブルックフィールドB型粘
度計を使用時)以下であるが、このようにするとスピン
コーターで基板に塗布するときに、ドーナツ状に供給さ
れた紫外線硬化型樹脂組成物は高速回転されても放射状
に流れ出すこともなく、金属薄膜全体を覆うことができ
る。また、所定の塗布膜厚を得るために必要な作業時間
も極めて短くて済む。
25℃における粘度が100センチポイズ以下である紫外
線硬化型樹脂組成物を得るには、分子内に重合性二重結
合を1個以上有し、25℃における粘度が100センチポイ
ズ以下の化合物を主成分に用いれば良い。この化合物は
1種に限らず、2種以上も用いられるが、併用する場合
は混合物としての粘度が25℃において100センチポイズ
以下であれば良い。したがって、その1種が25℃におい
て固体であっても、100センチポイズより大きくても他
の併用するものが低粘度のものであり、その混合物が上
記の粘度になれば良い。
分子内に重合性二重結合を1個以上有し、25℃におけ
る粘度が100センチポイズ以下の化合物としては、(メ
タ)アクリロイル基を有する、例えばメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、プロピレンオキ
サイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ジ(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど
のモノあるいはポリ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。
また、分子内に重合性二重結合を1個以上有し、25℃
における粘度が100センチポイズ以下である化合物とし
て、ビニル基を有する例えば、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルイミダゾール、アクリロイルモルホリン、N,
N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、安息
香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビ
ニルなどが挙げられる。
また、分子内に重合性二重結合を1個以上有し、25℃
において固体あるいは25℃における粘度が100センチポ
イズより大きい化合物としては、例えばN−ビニルカプ
ロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルジブトキシアシッド
フォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルジオクチルアシッドフォスフェート、ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビ
スフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオ
キサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性ビスフェノールS(メタ)
アクリレート、水添ジシクロペンタジエンジ(メタ)ア
クリレート、ジ−2−(メタ)アクリロキシエチルフォ
スフェート、ペンタエリストールトリアクリレート、ト
リス(メタ)アクリロキシエチルイソシアネレート、ト
リ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフ
ォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。なお、上記の各モノマー
は適宜選択して使用されるが、紫外線硬化型樹脂組成物
の物性を考慮して以下のように用いることも好ましい。
本発明において、表面張力値を限定したが、表面張力
は固体表面へのぬれ性を示す物性として良く知られてい
る。コンパクトディスクの基板の凹凸の金属薄膜表面を
保護するために用いられる紫外線硬化型樹脂の表面張力
は、23℃で測定したときに20〜34dyne/cmの範囲に入る
ように設定するのが良い。表面張力を適切に設定するこ
とで、基板の射出成形や金属薄膜作製時の微小な欠陥等
の有無にかかわらず、これらを含めて基板全体に紫外線
硬化型樹脂組成物を隅無く塗布、その硬化薄膜で全体を
被覆することができる。
紫外線硬化型樹脂組成物において、材料の選択及び配
合比の選択などでその表面張力が所定の範囲内に納まれ
ば問題ないが、これらの調整によっても表面張力が高過
ぎる場合にはシリコーン系界面活性剤及び/又はフッ素
系界面活性剤を使用すれば良い。これらの界面活性剤の
使用量としては、添加する界面活性剤の種類にもよる
が、3重量%以下、例えば0.05重量%から3重量%の範
囲が好ましく、特に0.1重量%から1重量%の範囲が好
ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、疎水基がジメチル
シリコーンオイル、親水基がポリエーテルである界面活
性剤が好ましく、例えば日本ユニカー社製のシリコーン
界面活性剤L−77、L−720、L−722、L−5310、L−
7001、L−7002、L−7500、L−7600、L−7602、L−
7604、L−7607、信越化学社製のポリエーテル変性シリ
コーンオイルKF−351、KF−352、KF−353、KF−354、KF
−355、KF−615、KF−618、KF−945、KF−907などが挙
げられる。
また、フッ素系非イオン界面活性剤としては、大日本
インキ化学工業社製のメガファックF−142D、F−144
D、F−150、F−171、F−173、F−177、F−183など
が挙げられる。
また、本発明においてはガラス又はポリメチルメタア
クリレート等の基板に塗布し、紫外線硬化させた紫外線
硬化膜が鉛筆硬度で2H以上であれば良い。この条件を満
たせば、通常の使用の範囲内であれば外的因子による傷
等が付き難く、付いたとしても金属薄膜まで及ぶことは
なく、記録にダメージを与えることはない。
鉛筆硬度2H以上の紫外線硬化膜を得るには、分子内に
重合性二重結合を2個以上、好ましくは3個以上有する
化合物を紫外線硬化型樹脂組成物として用いることが好
ましい。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂アクリレ
ート若しくはビスフェノール型エポキシ樹脂メタクリレ
ート及び/又はノボラック型エポキシ樹脂アクリレート
若しくはノボラック型エポキシ樹脂メタクリレートある
いはこれらの混合物を用いることも好ましい。
重合性二重結合を2個有する化合物として、例えばエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフ
ェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサ
イド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド変性ビスフェノールSジ(メタ)アク
リレート、水添ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリ
レート、ジ−2−(メタ)アクリロキシエチルフォスフ
ェート等の2官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げ
られ、また、重合性二重結合を3個以上有する化合物と
して、、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メ
タ)アクリロイルエチルイソシアネート、トリ−2−
(メタ)アクリロキシエチルフォスフェート、ペンタエ
リストールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メ
タ)アクリレートモノマーが挙げられる。これらの2官
能と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーの使用
量は重量比で10〜40:30〜80が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートの例
としては、下記一般式〔II〕に示す化合物を用いること
ができる。
(式中、R3は水素原子又はCH3、R4は−CH2−、 は1〜10を表わす。) 具体的には、大日本インキ化学工業(株)製ディック
ライトUE8100、UE8200、昭和高分子(株)製リポキシSP
1506、SP1509等が挙げられる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂(メタ)アクリレー
トの例としては、下記一般式〔III〕に示す化合物を用
いることができる。
(式中、R5は水素原子又はCH3、R6は水素原子又はCH3
nは0〜10を表わす。) 具体的には、昭和高分子(株)製のリポキシSP4010が
挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(メタ)アクリレー
ト、ノボラック型エポキシ樹脂(メタ)アクリレートの
含有量は上記2官能モノマー10〜40重量部に対し0〜20
重量部が好ましい。
また、本発明においては紫外線硬化膜の基板に対する
接着性が良好である必要がある。ここでの接着性はポリ
カーボネート等の基板及び金属薄膜両方共に良い必要が
ある。接着力は紫外線硬化膜の表面に碁盤の目状に切り
込みを入れ、セロテープ等の粘着テープを表面に接着さ
せ、テープを剥離した時にテープ側に付着し、剥離する
割合がどの程度あるかで評価することができるが、剥離
する割合が0であることが好ましい。
金属薄膜への紫外線硬化膜の接着性を向上させるため
に、カルボン酸、リン、OH基を構造に持つモノマー、す
なわち極性官能基を有するアクリル酸又はメタアクリル
酸のエステルを用いるのが良い。特に分子中にリンを含
有するモノマーが好ましい。具体的には、上記一般式
〔I〕で示されるリン酸アクリレート系又はリン酸メタ
アクリレート系モノマーである。添加量は接着力の点か
ら最少量、硬度等の点から最大量が決まってくる。0.01
重量%から5重量%が好ましい。
リン酸アクリレート系又はリン酸系メタアクリレート
系モノマーの具体的としては、アクリロキシエチルアシ
ッドフォスフェート、メタアクリロキシエチルアッシド
フォスフェート、ジアクリロキシエチルアシッドフォス
フェート、ジメタアクリロキシエチルアシッドフォスフ
ェートなどが挙げられる。このほかに、ユニケミカル
(株)より市販されているホスマーCL、ホスマーMH、ホ
スマーDM、ホスマーPE、ホスマーPPなどを用いることも
できる。
また、ポリカーボネート等の基板に対する接着力を付
与する目的には、25℃における粘度が10センチポイズ以
下のアクリル系又はメタアクリル系モノマーを使用する
のが良い。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルイミダゾール、アクロイルモルホリン、N,N−
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、安息香
酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチ
ルカルビトール(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
本発明における紫外線硬化型樹脂組成物に用いられる
光重合開始剤としては、一般に紫外線硬化型樹脂に用い
られている各種の開始剤、増感剤が使用できる。例え
ば、ベンゾイル、ベゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−
メチルベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケト
ン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイ
ル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフ
ェニルサルファイド、3,3′−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−
メチル−1−〔4−(メチルチオフェニル〕−2−モル
ホリノプロパノン−1、2−クロロチオキサントン、2,
4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドな
ど、また、これらとアミン類などの増感助剤との併用し
たものなどを挙げることができる。アミン類などの増感
助剤としては、例えば2−ジメチルアミノエチルベンゾ
エート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミルなどを挙げられる。これらは0.1〜10重量%用
いるのが好ましい。
本発明における紫外線硬化型樹脂組成物には、保存性
の改良などを目的として重合禁止剤及び酸化防止剤など
も使用できる。
本発明による紫外線硬化型樹脂組成物を用いたコンパ
クトディスクでは、75℃、85%の相対湿度下に保存した
時に600時間以上の耐久性を示し、また、55℃、65℃で
の耐久性の結果を含めて25℃での耐久性を予測すると、
90年以上の優れた耐久性を有するコンパクトディスクが
得られることかわかった。
コンパクトディスクでは、金属薄膜上の硬化保護膜の
上にタイトル等をレーベル印刷するが、この時レーベル
印刷に用いるインキの種類によってはインキの保護膜へ
の接着性が問題になることがあり、この点は紫外線硬化
型樹脂組成物の表面張力を適切な値に合わせることが大
切となってくる。紫外線硬化型インキを使用する場合は
大きな問題はないが、タンポインキ等を使用する場合に
はこの点に注意して表面張力を適切な値にもっていくこ
とが必要である。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を説明する。なお、「部」とある
のは「重量部」を意味する。
実施例1 撹拌機を備えた容器にトリメチロールプロパントリア
クリレート50部、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト50部、ジ−2−メタアクロキシエチルフォスフェート
0.5部、「メガファックF173」(大日本インキ化学工業
(株)製)0.5部、ベンゾフェノン7部、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチルエステル3部、ターシャリーブチ
ルハイドロキノン0.1部を仕込み、40〜50℃で90分間撹
拌混合し、25℃における粘度(ブロックフィールドB型
粘度計 rpm)が15センチポイズの紫外線硬化型樹脂組
成物を得た。
比較例1(組成物の粘度が高過ぎる例) トリメチロールプロパントリアクリレートの代わりに
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート90部、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート50部の代わりに10部
を用いた以外は実施例1と同様にして25℃のおける粘度
が1200センチポイズの紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例2(硬化塗膜の粘度が小さい例) トリメチロールプロパントリアクリレートの代わりに
トリプロプレングリコールジアクリレート90部、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレートを50部の代わりに10部
を用いた以外は実施例1と同様にして25℃における粘度
が10センチポイズの紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例3(金属薄膜に対する接着性を有するモノマーを
用いない例) ジ−2−メタアクリロイルエチルフォスフェートを用
いないこと以外は実施例1と同様にして25℃における粘
度が15センチポイズの紫外線硬化型樹脂組成物を得た。
比較例4(10センチポイズ以下のモノマーを用いない
例) ネオペンチルグリコールジアクリレートを用いないこ
と及びトリメチロールプロパントリアクリレートを50部
の代わりに100部用いたこと以外は実施例1と同様にし
て25℃の粘度が80センチポイズの紫外線硬化型樹脂組成
物を得た。
前記実施例及び比較例の組成物の物性を以下のように
して評価した。その結果を表1に示す。
表面張力 上記の紫外線硬化型樹脂組成物をシャーレに採り、温
度23±2℃、50±5%相対湿度の環境下で表面張力計CB
VP−A3型(界面科学社製)を用いて表面張力を測定し
た。
ガラス板上での鉛筆硬度 スピンコータを用いて、紫外線硬化型樹脂組成物をガ
ラス板上に厚さ5μm程度に塗布し、コンベア式紫外線
照射装置で紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂組成物の
硬化膜を得た。紫外線ランプは高圧水銀ランプであり、
コンベア速度は5m/分である。JIS−K5400に従ってガラ
ス板上での硬化膜の鉛筆硬度を測定した。
金属蒸着膜又は金属スパッタリング膜に対する接着
力 PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にア
ルミニウムを厚さ50Å蒸着したフィルム上に上記の鉛
筆硬度試験の場合と同様にして厚さ5μm程度の紫外線
硬化型樹脂組成物の硬化膜を作製する。カッターナイフ
でアルミニウム蒸着膜に達するように硬化膜に切れ目を
入れる。切れ目に対して直角方向にセロテープを貼り、
切れ目よりセロテープを剥離する。その結果、硬化膜に
アルミニウム蒸着膜が付着した状態で剥離するときは接
着力を「良」とし、硬化膜とアルミニウム蒸着膜の間に
剥離が生じ、アルミニウム蒸着膜がPETフィルム上残っ
たときは接着力を「劣」とする。
ポリカーボネート板に対する接着力 上記の鉛筆硬度試験の場合に準じて作製したポリカ
ーボネート板上の厚さ5μm程度の紫外線硬化型樹脂組
成物の硬化膜に、ポリカーボネート板に達するようにカ
ッターナイフで碁盤目を入れる。碁盤目の上にセロテー
プを貼り、次にセロテープを剥離する。ポリカーボネー
ト板上に残った硬化膜のマス数(四角数)を、初めに作
製したマス数で割り、その結果を百分率で表す。また、
前記実施例及び比較例で調整した紫外線硬化型樹脂組成
物をスピンコーターを用いて、コンパクトディスクの金
属蒸着膜又は金属スパッタリング膜に塗布し、紫外線で
硬化したところ次に示す結果を得た。
比較例1で得られた紫外線硬化型樹脂組成物を基板の
内円部にドーナツ状に供給し、回転速度3000rpmで金属
蒸着膜又は金属スパッタリング膜上に塗布しようとした
が、紫外線硬化型樹脂組成物が放射状に流れ出し、金属
蒸着膜又は金属スパッタリング膜全体を被うことができ
なかった。また、5μm程度の紫外線硬化型樹脂組成物
の塗膜を得るには回転数3000rpmで、回転時間60秒を必
要とした。実施例1の紫外線硬化型樹脂組成物を同様の
条件で塗布したところ、金属蒸着膜又は金属スパッタリ
ング膜全体を被うことができた。また、5μm程度の紫
外線硬化型樹脂組成物の塗膜を得るのに、回転数3000rp
mで回転時間3秒を必要とした。
比較例2で得られた紫外線硬化型樹脂組成物では硬度
が低く、ポリカーボネート基板への接着力も不十分であ
った。
比較例3で示したように、リン酸系メタクリレートを
含まない場合は、金属膜への接着性が不十分であり、比
較例4で示したように硬度の高い硬化膜を得る目的で良
く知られた3官能のモノマーのみを用いたものでは、基
板への密着性が保てない。
実施例2 実施例1と同様にして次の配合からなる紫外線硬化型
樹脂組成物を製造した。
「ディックライトUE8100」(大日本インキ化学工業
(株)製ビスフェノール型エポキシ樹脂ジアクリレート 10 重量部 ネオペンチルグリコールジアクリレート 39 重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート45 重量部 テトラヒドロフルフリルアクリレート 5 重量部 ジメタアクリロキシエチルホスフェート 0.5重量部 ベンゾフェノン 6 重量部 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 3 重量部 「メガファックF−173」 0.5重量部 この紫外線硬化型樹脂組成物の25℃における粘度は25
cpsで、23℃での表面張力は28dyn/cmであった。回転速
度3000rpmで3秒塗工して、約5μmの硬化膜の膜厚
で、基板全面を均一に被覆することができた。
また、メガファックF−173を除いたものは表面張力3
4dyn/cmで、これも良好に使えることがわかった。
実施例2に示した紫外線硬化型樹脂組成物を用いて作
製したコンパクトディスクを市販のコンパクトディスク
と対比してその耐候性を調べた。
相対湿度85%で75℃の条件下にコンパクトディスクを
放置し、保存時間の経過にともなう記録のエラー率が3
×10-2を超える時間を寿命と判定した。
その結果、市販品は約102時間の耐久性しか示さない
のに対して、本実施例のものは約600時間の耐久性を示
した。
また、65℃、55℃での評価も行い、25℃での寿命を予
測したところ、本実施例のものでは約90年と推測される
結果を得た。
このように本実施例に基づく紫外線硬化型樹脂組成物
は塗工性、取扱性といった生産性と、長期保存に耐える
とという信頼性の両面のバランスがとれた優れたもので
あることがわかった。
実施例3 実施例1において重合開始剤として、ベンゾフェノ
ン、増感剤としてp−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステルを用いる代わりに、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン8部を用いた以外は同様にして紫外線
硬化型樹脂組成物を製造した。これについても実施例1
と同様にし試験した結果、粘度、表面張力等の物性は実
施例1と同様に良く、塗工性も良好であった。この組成
物では塗膜硬化後でも黄変等の変化が実質上認められな
かった。
〔発明の効果〕
本発明のコンパクトディスクの金属膜保護用紫外線硬
化型樹脂組成物は、その粘度を100センチポイズ以下に
したので、塗工性に優れており、コンパクトディスクの
生産性が向上する。さらに、保護機能(外的要因による
傷のつき難さ、金属膜、基板に対する接着性、硬化膜を
隅なく形成できる機能)も優れており、90年もの長期保
存に耐えられると予測される高信頼性のコンパクトディ
スクを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/46 - 2/50,299/00 G11B 7/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に重合性二重結合を2個以上有しリ
    ン原子を有しない化合物と、下記一般式〔I〕で示され
    るリン原子を有するモノマーを含有するコンパクトディ
    スクの金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物であって、 (A)25℃における粘度が100センチポイズ以下、 (B)23℃における表面張力が20〜34dyne/cmの範囲、 (C)硬化した塗膜の鉛筆硬度が2H以上、 (D)硬化した塗膜が金属膜及び基板に対して良好な接
    着力を有することを特徴とするコンパクトディスクの金
    属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物。 一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子又はCH3を表わし、R2(式中、nは1〜10の整数を表わし、p、q、rは各々
    独立に0〜10の整数を表わす。)で示される2価の基を
    表わし、mは1又は2を表わす。〕
  2. 【請求項2】一般式〔I〕の成分が0.01〜5重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載のコンパクトディスク
    の金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物。
  3. 【請求項3】シリコーン系又はフッ素系界面活性剤を3
    重量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のコンパクトディスクの金属膜保護用紫外
    線硬化型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のコン
    パクトディスクの金属膜保護用紫外線硬化型樹脂組成物
    の紫外線硬化塗膜により被覆したことを特徴とするコン
    パクトディスク。
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