JPH11269433A - 紫外線硬化型組成物 - Google Patents

紫外線硬化型組成物

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JPH11269433A
JPH11269433A JP10071823A JP7182398A JPH11269433A JP H11269433 A JPH11269433 A JP H11269433A JP 10071823 A JP10071823 A JP 10071823A JP 7182398 A JP7182398 A JP 7182398A JP H11269433 A JPH11269433 A JP H11269433A
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JP
Japan
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ultraviolet
curable composition
composition
meth
acrylate
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JP10071823A
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English (en)
Inventor
Koichi Fujii
耕一 藤井
Kazuo Murakami
和夫 村上
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも1枚のディスクに情報記録層を有す
る2枚のディスクを閃光照射方式を用いて貼り合わせる
際に使用する接着剤として、硬化性と接着性に優れ、且
つ高温高湿環境下の耐久性にも優れる信頼性の高いデジ
タルビデオディスクが得られる紫外線硬化型組成物を提
供する。 【解決手段】光重合開始剤として、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトンを必須成分として含むる紫外
線硬化型組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも1枚のディ
スクに情報記録層を有する2枚のディスクを貼り合わせ
る際に使用する接着剤に関し、更に詳しくは接着剤とし
て使用する紫外線硬化型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度情報記録媒体であるDVD(デジ
タルビデオディスクまたはデジタルバーサタイルディス
ク)は、少なくとも1枚のディスクに情報記録層を有す
る2枚のディスクを貼り合わせる方法で作製され、紫外
線硬化型組成物を接着剤として使用することが盛んに検
討されている。
【0003】再生専用型DVDの場合、貼り合わせる2
枚の基板として、共にポリカーボネート基板の片面に記
録情報に対応する凹凸を設け、更に金属薄膜として例え
ばアルミニウムの層を形成し情報記録層としたものを使
用したり、このうち1枚には金やチッ化ケイ素等の半透
明薄膜を形成し情報記録層としたものを使用したり、さ
らには1枚には情報記録層を持たない透明なポリカーボ
ネート基板を使用する場合等があり、用途に応じ適宜基
板が選択される。
【0004】接着剤を硬化させるための紫外線照射光源
としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、水
銀−クセノンランプ等のようにランプの発光が連続的に
行われるものが従来より使用されており、DVD用の接
着剤として使用される紫外線硬化型組成物についてもこ
の連続的に発光する紫外線光源に適するよう組成の最適
化が行われてきた。
【0005】一方、特開平9-193249では、連続
的に発光する紫外線光源とは全く異なる仕様を有する閃
光的に紫外線を照射する光源を用いて、2枚のディスク
を貼り合わせる技術が開示されている。
【0006】この閃光照射方式では、マイクロ秒〜ミリ
秒オーダーの極めて短い時間の間に発光される10〜3
0W/cm2程度の高強度の紫外線を、数回繰り返し照射す
る方式をとるため、1〜3W/cm2程度の強度を有する紫
外線を数秒間連続的に照射する方式で検討されてきた紫
外線硬化型組成物の評価結果がそのまま閃光照射方式で
の評価結果に対応するとは限らず、更に前述のような強
い光を短時間に照射することにより従来の連続照射方式
からは予測できないような効果も期待されることから、
閃光照射方式により適した紫外線硬化型組成物の開発が
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり,閃光照射方式を用いて硬化
させるDVD用接着剤として好適な紫外線硬化型組成物
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、反応性モノマーや
オリゴマー成分を同一にし、光重合開始剤成分のみを代
えた場合、特定の光重合開始剤を用いると閃光照射方式
での硬化性や貼り合わせディスクの接着性が格段と向上
し、さらには貼り合わせディスクの耐久性も飛躍的に向
上することを見い出し本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、少なくとも1枚のディ
スクに情報記録層を有する2枚のディスクを、閃光照射
方式で貼り合わせる際に使用する接着剤が、光重合開始
剤成分として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トンを必須成分として含む紫外線硬化型組成物を提供す
る。さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トンと波長領域370nmから450nmにおいて、モ
ル吸光係数が50(l/mol cm)以上となる点を有する
光重合開始剤(A)から選択されたものを1種以上併用
することを特徴とする前記紫外線硬化型組成物を提供す
る。
【0010】本発明に使用する光重合開始剤のうち、波
長領域370nmから450nmにおいてモル吸光係数
が50(1/mol・cm)以上となる点を有する光重合開始
剤(A)としては、例えばベンゾインイソブチルエーテ
ル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンジ
ル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビ
ス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ト
リメチルペンチルホスフィンオキシド等が挙げられる。
中でも、モル吸光係数が500(l/mol・cm)以上ある
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシドなどが好ましい。
【0011】分子内開裂型光重合開始剤である、ベンゾ
イルエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1
−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル
−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−
プロパノン−1−オン等を光重合開始剤(A)群と併用
しても良いし、更に水素引き抜き型光重合開始剤であ
る、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イ
ソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジ
フェニルスルフイド等も併用できる。
【0012】1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トンの使用量は、特に制限されるものではないが紫外線
硬化型組成物100質量部中0.1〜10質量部、好ま
しくは1〜6質量部使用される。光重合開始剤群(A)
と1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(B)
の併用割合は、特に制限されるものではないが、通常、
(A)群/(B)(質量比)=20/80〜80/2
0、好ましくは60/40〜40/60である。
【0013】また上記光重合開始剤に対し、増感剤とし
て例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセト
フェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び
4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等
の、後述重合性成分と付加重合反応を起こさないアミン
類を併用することもできる。勿論、上記光重合開始剤や
増感剤は、硬化型成分への溶解性に優れ、紫外線透過性
を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0014】紫外線硬化型組成物を調製するに際して
は、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アク
リレートを重合性モノマー成分として用いることが出来
る。これらは各々、単独又は2種以上併用して使用する
ことができる。さらには、2以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する多官能(メタ)アクリレートの2種以上を
必須成分として組成物を調製するのが良い。
【0015】本発明に使用できる重合性モノマーとして
は例えば以下のものが挙げられる。単官能(メタ)アク
リレートとしては例えば、置換基としてメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、
オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブ
トキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエ
チル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒド
ロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエ
チルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒド
ロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフ
リル、イソボルニル,ジシクロペンタニル,ジシクロペ
ンテニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を
有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】また、多官能(メタ)アクリレートとして
は例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール,3−メチル−
1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール,1,8−オクタンジオー
ル,1,9−ノナンジオール,トリシクロデカンジメタ
ノール,エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のジアクリレート、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ
(メタ)アクリレート,ネオペンチルグリコール1モル
に4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレン
オキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオ
キサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得た
ジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しく
はプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ
又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モ
ルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレ
ンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アク
リレート。
【0017】さらには、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート/、ジペンタ
エリスリトールのポリ(メタ)アクリレート/、カプロ
ラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イ
ソシアヌレート,アルキル変性ジペンタエリスリトール
のポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペ
ンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート/、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート,カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート/、エチレンオキサイ
ド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等があげ
られる。
【0018】また、N−ビニル−2−ピロリドン、アク
リロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、N−ビニル
カプロラクタム、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド又はN−ヒドロキシエチルアクリルアミド及び
それらのアルキルエーテル化合物等も使用できる。
【0019】更に、重合性モノマーと同様に併用できる
ものとしては,重合性オリゴマーとしてポリエステルア
クリレート,ポリエーテルアクリレート,エポキシアク
リレート、ウレタンアクリレート等がある。
【0020】金属薄膜を主体とする情報記録層へのより
高い密着性を得るに当たっては、リン酸又はその誘導体
からなる骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を組
成物中に含める様にし、硬度をより高めるためには、よ
り多数の(メタ)アクリロイル基を1分子中に有する
(メタ)アクリレート化合物を含めるように、弾性率等
の調節には、重合性オリゴマーの様な比較的高分子の重
合成分を含めたりすることが出来る。
【0021】紫外線硬化型組成物としては、常温〜40
℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。溶
媒は用いないのが好ましく、用いたとしても極力少量に
止めるのが好ましい。また、前記組成物の塗布をスピン
コーターで行う場合には、粘度を20〜1000mPa s
となるように調製するのが好ましく、比較的厚膜とする
場合は100〜1000mPa sとなるように調製するの
がよい。
【0022】本発明においては、少なくと1枚のディス
クに情報記録層を有する2枚のディスクを、情報記録層
側を内側にして接着するが、露出した情報記録層を直接
接着するようにしてもよいし、情報記録層の露出面を保
護する保護コート層をその上に設けて、その保護コート
層を接着する様にしてもよい。この場合、この保護コー
ト層も、通常、紫外線硬化型組成物の硬化物で形成され
る。その場合にこの保護コート層は、接着剤として使用
する紫外線硬化性組成物の硬化を妨げないように紫外線
透過性とすることが必要である。保護コート層用の紫外
線硬化型組成物は、情報記録層の露出面と、ディスク同
士を接着するための紫外線硬化型組成物の硬化物との両
方に対し接着性に優れるように調製するのが好ましい。
【0023】また、本発明の組成物には、必要であれ
ば、さらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、また
ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイ
ト等に代表される酸化防止剤、可塑剤及びエポキシシラ
ン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代
表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良す
る目的で、公知の従来使用量で配合することもできる。
これらは、硬化型成分への溶解性に優れたもの、紫外線
透過性を阻害しないものを選択して用いる。
【0024】本発明の組成物を調製するに当たっては、
上記光重合開始剤のみならず、組成物そのものの物性及
び貼り合わせ硬化層の物性をDVDに適したものとなる
ように化学組成を適宜選択する。
【0025】この際の基準としては、情報記録層に記録
された情報の変質、即ちピットに異常が生じないことが
大前提である。例えば、塗布温度条件下で、組成物中の
成分が結晶化したり相分離することがないこと、貼り合
わせる2つの表面いずれに対しても極力高い濡れ性を有
していること、短時間に平滑で均一な湿潤表面を与える
レベリング性を有していること、貼り合わせる2つの表
面を腐蝕や劣化させる原因物質やイオンを極力含まない
こと、硬化前の組成物が液状であってもある程度の粘着
性を有していること、硬化阻害の一因となる気体の溶解
度が極力小さいこと、組成物が硬化前でも硬化後でも紫
外線を出来るだけ高率で透過する透明性があること、貼
り合わせた2層と硬化層の密着性がより大きくなるよう
にすること、同硬化層の弾性率が特定範囲に入る様にす
ること、同硬化層の透湿度が極力小さくなる様にするこ
と、同組成物の硬化後の収縮率が極力小さくなるように
すること、そしてこれらの各評価項目での測定値が、絶
対値として優れており、かつ常態時と、高温高湿長時間
被曝時とでそれら各絶対値間の変化が極力小さいことな
どが挙げられる。これら基準を全て満足するか、出来る
だけ多く満足するように、光重合開始剤を含む紫外線硬
化型組成物は調製される。
【0026】光照射は、貼り合わせたディスクの片面の
みから行ってもよいが、両面から行うようにすることも
出来る。
【0027】
【発明の実施形態】本発明は次の実施形態を含む。 1)少なくとも1枚のディスクに情報記録層を有する2
枚のディスクを、閃光照射方式で貼り合わせる際に使用
する接着剤が、光重合開始剤成分として1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトンを必須成分として含む紫
外線硬化型組成物。 2)波長領域370nmから450nmにおいて、モル
吸光係数が50(l/mol cm)以上となる点を有する光
重合開始剤から選択されたものを1種以上併用すること
を特徴とする1記載の紫外線硬化型組成物。 3)1または2記載の紫外線硬化型組成物を用い、閃光
照射方式で貼り合わせたDVD。
【0028】記録情報に対応する凹凸の上に40〜60
nmの金属薄膜が積層された円盤状プラスチック基板1
枚と、円盤状プラスチックのみからなる基板、或いは記
録情報に対応する凹凸の上に10〜30nmの金または
チッ化シリコン系半透明膜が積層され円盤状プラスチッ
ク基板1枚を準備する。
【0029】次いで、2以上の(メタ)アクリロイル基
を有する多官能(メタ)アクリレート2種以上を必須成
分かつ主成分とし、必要に応じて重合性モノマーをも用
いて、紫外線硬化型組成物100質量部当たり光重合開
始剤として1−ヒドロキシシクロフェニルケトンを0.
1〜10質量部使用し、紫外線硬化型組成物を調整す
る。
【0030】また、波長領域370nmから450nm
において、モル吸光係数が50(l/mol cm)以上とな
る点を有する光重合開始剤群(A)を1−ヒドロキシシ
クロフェニルケトン (B)と併用する場合は、AとB
との光重合開始剤を(A)群/(B)群=20/80〜
80/20(質量比)、好ましくは、60/40〜40
/60(質量比)に調整し、紫外線硬化型組成物に適用
する。なお、光重合開始剤群(A)の中からは、1種以
上複数使用してもよい。また、光重合開始剤群(A)の
中で波長領域370nmから450nmにおけるモル吸
光係数が500(l/mol cm)以上となる点を有するも
のがさらに望ましい。また、光重合開始剤(A)と
(B)を併用する場合、その総量は、紫外線硬化型組成
物100部に対し15部以下が望まく、さらには10部
以下が望ましい。
【0031】前記紫外線硬化型組成物を前記40〜60
nmの金属薄膜が積層された円盤状プラスチック基板の
金属薄膜面に塗布し、もう一枚の円盤状プラスチックの
みからなる基板を貼り合わせるか、或いは10〜30n
mの金またはチッ化シリコン系半透明膜が積層された円
盤状プラスチック基板を使用する場合は、半透明膜面が
前記組成物を塗布した金属薄膜面と対向するよう貼り合
わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から
紫外線線を照射して、両者を接着させDVDとする。
【0032】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて、本発明を更
に具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。尚,以下実施例中「部」は「質量
部」を表す。
【0033】実施例1 ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モル
とイソホロンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシ
エチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンア
クリレート26部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプ
ロピルアクリレート24部、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテルジアクリレート17部、エチルカルビトー
ルアクリレート15部、エチレンオキサイド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート5部、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート5部、光重合開始剤として2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キシド2部及び1−ヒドロキシシクロフェニルケトン4
部を60℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬
化型組成物を作製した。この組成物を用いて下記試験方
法1〜4により貼り合わせディスクを作製し、硬化性、
貼り合わせ接着力及び貼り合わせディスク耐久性を評価
した。結果は第1表に示した。
【0034】比較例1 重合性成分は実施例1と同一とし、光重合開始剤として
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド2部及びベンジルジメチルケタール4部を6
0℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化型組
成物を作製した。この組成物を用いて下記試験方法1〜
4により貼り合わせディスクを作製し、硬化性、貼り合
わせ接着力及び貼り合わせディスク耐久性を評価した。
結果は第1表に示した。
【0035】〈試験方法1:硬化性〉金属薄膜としてア
ルミニウムを40nmの膜厚に形成した直径12cmの
円盤状ポリカーボネート基板に,上記組成物をディスペ
ンサで約2g円形に塗布し、透明円盤状ポリカーボネー
ト基板を重ね合わせた。次いでスピンコーターで接着剤
層の膜厚が約50〜60μmになるよう、この重ね合わ
せた基板を1500rpmで6.6秒間回転した。次い
で,ランプ4本を備えた閃光照射装置を用い、ランプ1
本の1ショットあたりの入力エネルギーが200Jとな
るように調整し、空気中で周波数2Hzで透明基板側か
ら紫外線を照射して貼り合わせディスクを作製した。次
にディスク端面にカッターで切り込みを入れ2枚の基板
を剥がし、当該組成物の硬化完了までに必要な照射回数
を調べた。硬化膜にタック性がなくなった時点を硬化完
了とした。
【0036】実施例1では2ショット、比較例1では4
ショットと実施例1の方がショット回数が少なくて硬化
が完了することがわかった。
【0037】尚、スペクトロラジオメーター(ウシオ電
機株式会社製USR−20A)を用いて閃光照射光の発
光スペクトルを測定し、300nm〜390nmにわた
って積分することにより紫外線強度及び照射量を求めた
結果、1ショットあたりの紫外線強度は19W/cm2
あり、紫外線照射量は12mJ/cm2 であった。
【0038】〈試験方法2:接着力〉金属薄膜としてア
ルミニウムを40nmの膜厚に形成した直径12cmの
円盤状ポリカーボネート基板に,上記組成物をディスペ
ンサで約2g円形に塗布し、透明円盤状ポリカーボネー
ト基板を重ね合わせた。次いでスピンコーターで接着剤
層の膜厚が約50〜60μmになるよう、この重ね合わ
せた基板を1500rpmで6.6秒間回転した。次い
で,ランプ4本を備えた閃光照射装置を用い、ランプ1
本の1ショットあたりの入力エネルギーが200Jとな
るように調整し、空気中で周波数2Hzで透明基板側か
ら4ショット照射し、貼り合わせ、ディスクを作製し
た。次にディスク端面にカッターで切り込みを入れ2枚
の基板を剥がして剥離界面を観察し接着性の評価を行っ
た。
【0039】実施例1のデイスクはアルミニウム薄膜と
基板の界面から剥離し、接着剤硬化膜とアルミニウム薄
膜の接着力は十分強いと判断し「◎」とした。また、比
較例1の場合、接着剤硬化膜とアルミニウム薄膜の界面
から剥離し、接着剤硬化膜とアルミニウム薄膜の接着力
が不十分と判断し「△」とした。
【0040】<試験方法3:閃光照射方式貼り合わせデ
ィスク耐久試験>記録情報の凹凸パターンが形成され、
アルミニウムが40nm積層されたポリカーボネート円
板に上記組成物をディスペンサで塗布し、透明ポリカー
ボネート円板または半透明膜として金が15nm積層さ
れたポリカーボネート円板を重ね合わせた。次いでスピ
ンコーターで硬化塗膜の膜厚が約50〜60μmになる
よう、1500rpmで6.6秒間回転した。次いで,
ランプ4本を備えた閃光照射装置を用い、ランプ1本の
1ショットあたりの入力エネルギーが200Jとなるよ
うに調整し、空気中で周波数2Hzで紫外線を照射し
た。透明基板を用いた場合はこの透明基板側から5ショ
ット照射し、DVD−5タイプ貼り合わせ、ディスクを
作製した。また金半透明膜付き基板を用いた場合は、こ
の金半透明膜付き基板側から10ショット照射し、DV
D−9タイプ貼り合わせ、ディスクを作製した。尚、こ
の時の1ショットあたりの紫外線強度及び照射量は試験
方法1の場合と同じであり、試験方法1記載の測定方法
による積算照射量は5ショットで約60mJ/cm2、1
0ショットで120mJ/cm2 である。この貼り合わ
せディスクを用いて80℃95%RHの高温高湿環境下
に96時間放置する耐久試験を実施し、耐久試験前後に
おける信号特性の評価を行った。試験前後でのエラーレ
ートの比率(耐久試験後/耐久試験前)で耐久性を比較
し結果を第1表に示した。エラーレートの変化がなけれ
ばこの値は1となり、数値が大きくなるほどこの貼り合
わせディスクの耐久性が良くない事を意味する。
【0041】<試験方法4:連続光照射方式貼り合わせ
ディスク耐久試験>紫外線照射方式のみを以下に記載し
た連続光照射方式に代えた以外は試験方法3と同様にD
VD−5及びDVD−9タイプの貼り合わせディスクを
を作製した。 アイグラフィックス株式会社製UVメー
ター(UVPF−36)を用い、紫外線強度1000mW
/cm2に調整した集光型メタルハライドランプ(コールド
ミラー付き、ランプ120W/cm)を設置したベルトコン
ベア式紫外線照射装置を用い、透明基板を用いた場合は
この透明基板側から空気中で照射量500mJ/cm2で硬化
の完了したDVD−5タイプ貼り合わせディスクを、ま
た金半透明膜付き基板を用いた場合は、この金半透明膜
付き基板側から空気中で照射量1000mJ/cm2で硬化の
完了したDVD−9タイプ貼り合わせディスクを作製し
た。
【0042】尚、この時の紫外線照射条件は、試験方法
3記載の方法で測定した場合、紫外線強度は約600mW
/cm2で、DVD−5の場合の照射量が300mJ/cm2、D
VD−9の場合の照射量が600mJ/cm2であった。これ
は試験方法3で作製した貼り合わせディスクに対する紫
外線照射量の5倍に相当する量である。
【0043】この貼り合わせディスクを用いて80℃9
5%RHの高温高湿環境下に96時間放置する耐久試験
を実施し、試験方法3と同じ、耐久試験前後における信
号特性の評価を行った。試験前後でのエラーレートの比
率(耐久試験後/耐久試験前)で耐久性を比較し結果を
第1表に示した。
【表1】
【0044】実施例1の組成物は閃光照射方式での硬化
性に優れ、少ない照射回数でも基板との強い接着力が得
られる。また、金の半透明膜を用いたDVD−9タイプ
の貼り合わせディスクで接着性の評価を行った結果、実
施例1の組成物は金薄膜とも強い接着力を示した。さら
に、実施例1の組成物を用いて閃光照射方式で硬化させ
た貼り合わせディスクは、格段に優れた耐久性を示し、
連続光照射の1/5の少ない紫外線照射量でも信号特性
はほとんど変化しなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の組成物を使用し、閃光照射方式
によって硬化する事により、基板接着力に優れ、高温高
湿の環境試験という厳しい環境に被曝した後においても
貼り合わせディスクが耐久性に優れ、極めて信頼性の高
いDVDを生産することが出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1枚のディスクに情報記録層を
    有する2枚のディスクを、閃光照射方式で貼り合わせる
    際に使用する接着剤が、光重合開始剤成分として1−ヒ
    ドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを必須成分とし
    て含む紫外線硬化型組成物。
  2. 【請求項2】波長領域370nmから450nmにおい
    て、モル吸光係数が50(l/mol cm)以上となる点を
    有する光重合開始剤から選択されたものを1種以上併用
    することを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化型組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の紫外線硬化型組成
    物を用い、閃光照射方式で貼り合わせたDVD。
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