JP3888485B2 - 紫外線硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光デイスク用紫外線硬化性組成物に関し、特に、低粘度、低硬化収縮率をもたらす、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する光デイスク用紫外線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光デイスクは、ポリカーボネートなどプラスチックスの円形基板に円周方向に沿って、音や文字や画像の信号を凹凸により記録し、その凹凸面にアルミニウムや金などの金属を蒸着またはスパッタリングして金属薄膜を形成したもので、信号の読みとりを照射した光の反射光の強弱により再生する。金属薄膜は、極めて傷が付きやすく、その傷により、信号の読みとりの誤りが発生したり、あるいは光デイスク基板に反りがあると、読みとり不能となる。また、光デイスクの信頼性を高めるためには、記録層と保護コート剤を硬化させて得られる保護層との層間の接着力も求められ、少なくともこれらの層間で容易に剥離することは好ましくない。
【0003】
近年、光ディスクにおいて情報記録層の保護コート剤として紫外線硬化性組成物が用いられるのが一般的になってきている。この紫外線硬化性組成物は通常スピンコート法により塗布される。広く実用に供されている光ディスク用の紫外線硬化性組成物は、一般的に接着性は良く、粘度も比較的低くなっている。しかし、硬化収縮率は、約10%程度を有している。最近は、デジタルビデオデイスク(DVD)の貼り合わせ前の基板が0.6mmと薄くなり、例えばこの用途に10%程度の硬化収縮率を有する保護コート剤を用いると、デイスクに反りが発生し、デイスクとしての機能が発揮されず、記録層への接着もさることながら、デイスクの反りの問題解決も急務となってきている。また、粘度が高いと、記録面凹凸を残らずきれいに覆うことができず、ピンホールなどが生じる。またデイスクの保護層の膜厚は、より薄いほうが基板が反り難くなり好ましい。併せて、生産性を考慮するとコート剤の粘度もあるレベル以下であることが重要な要素である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光デイスクの反りを極力小さくとどめることを可能とする光デイスク用紫外線硬化性組成物を提供する。また、光デイスク保護コート剤として反りを無くするための低硬化収縮率、且つ低粘度で生産性に優れた紫外線硬化性組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、光デイスク用紫外線硬化性組成物、特に光デイスクの保護コート剤としてより低粘度、且つより低硬化収縮率の硬化皮膜が得られるかについて本発明者等は、鋭意検討したところ、低粘度、低硬化収縮率の両特性を満足する光デイスク用紫外線硬化性組成物が得られることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、光デイスク用紫外線硬化性組成物であって、ウレタン(メタ)アクリレートを5質量%以上含有し、25℃での粘度が200mPa・s以下且つ硬化収縮率も8.5%以下であることを特徴とする光デイスク用紫外線硬化組成物を提供する。
【0007】
本発明では、ウレタン(メタ)アクリレートが必須成分として用いられる。本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレートは如何なる方法で製造されたものでよい。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルエステルウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらウレタン(メタ)アクリレートとしては、2つの(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオールとを前者を過剰のモル比で反応させて、末端イソシアネート基としたのち、水酸基含有(メタ)アクリレートをそこに付加させることにより、容易に得られる。
【0008】
本発明者らは、ウレタン(メタ)アクリレートとして、より低粘度であるラクトン系ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートを使用することにより、組成物全体の粘度を低減させることができ、上記課題を解決できることを見いだした。この好適なラクトン系ポリエステル(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば2つの工程をとる以下の製造方法があげられる。
【0009】
第1工程:水酸基含有(メタ)アクリレートとラクトン化合物とを反応させる工程。
第2工程:次いでポリイソシアネート化合物と反応させ目的物のウレタン(メタ)アクリレートを得る工程。
【0010】
以下、各工程につき順に説明する。
【0011】
第1工程
水酸基含有(メタ)アクリレートとラクトン化合物との反応は、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート1モルに対し、ε−カプロラクトン1〜50モル反応させる。触媒としてすでに公知の第二塩化スズ、塩化亜鉛、過塩素酸マグネシウムなどルイス酸を使用し、その量は仕込まれた反応物全質量に対し、0.2〜0.5質量%が好ましい。反応温度は例えば50〜80℃である。まず最初にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを触媒とともに仕込み、温度をあげ、次いでε−カプロラクトンを供給する。ε−カプロラクトンを供給したとき発熱する場合があるが、この場合温度が上がりすぎないよう、冷却をするのが好ましい。反応終了後さらに30分〜3時間位50〜80℃の設定温度を維持して撹拌を続けるのが好ましい。このままの形態で、第2工程に移ってもよいが、残留付加物を塩基やケイソウ土などで中和し、さらに減圧して揮発分を除去し、次いで濾過して精製して第2工程に移るのが好ましい。
【0012】
第2工程
ここでは第1工程で得られた水酸基を含有する反応物とポリイソシアネート化合物とを反応させる。同イソシアネート化合物の使用量は、同反応物のヒドキシル当量と反応するに十分なイソシアナト当量を提供する量である。これに用いる触媒としては、すでに公知のジブチルスズラウレート、トリエチレンジアミンなどが使用でき、触媒は反応混合物の質量を基準に一般的に0.1〜1質量%用いる。この工程では第1工程で得られた付加物の温度を40〜60℃に保ち、ここにポリイソシアネート化合物を徐々に攪拌しながら添加し、反応を確実に終結させる。次いで、減圧にして揮発分を除去して目的とするウレタン(メタ)アクリレートを得ることが出来る。
【0013】
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートの原料となる化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0014】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノアクリレート、グリセリンジアクリレート等が挙げられる。なかでもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0015】
ラクトン化合物としては例えば、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、α,β,γ−トリメトキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−ε−イソプロピル−ε−カプロラクトン、ラクチド、グリコリド等が挙げられる。
【0016】
これら化合物のうち、ヒドロキシエチアクリレートとε−カプロラクトンを反応させて得られた化合物は比較的低粘度で本発明に好適であり、市販品としてプラクセルFA1、FA1DT、FA2、FA2D、FA3、FA4、FA−5等がダイセルUCBより入手することもできる。したがって、これらを用いてポリイソシアネート化合物と反応させ、ウレタン(メタ)アクリレートを合成することもできる。すなわち、上記市販品を用いれば第2工程のみで、ウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。
【0017】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができる。ポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物が好ましい。
【0018】
本発明では、ウレタン(メタ)アクリレートが必須成分とし、以下に記される重合性モノマーが必要により使用することができる。重合性モノマーには、単官能モノマー、多官能モノマーがある。以下にその重合性モノマーを列挙する。
【0019】
本発明に使用できる重合性モノマーとしては例えば以下のものが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、イソボルニル,ジシクロペンタニル,ジシクロペンテニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0020】
単官能(メタ)アクリレートは、高分子化し塗膜を形成するが光デイスク用紫外線硬化性組成物、とくに光デイスク保護コート剤として用いる場合、塗料の粘度を調整する役目が主たるものである。15〜35質量%の範囲が望ましい。この範囲では、粘度が低くなり、塗膜強度も維持され、生産性もよいので好ましい。単官能モノマーを多量に使用すと硬化塗膜が脆く、このような硬化塗膜で保護コートされた光デイスクは高温高湿での環境試験を行なうと信号エラーが増加する傾向があり、耐久性が低下するので好ましくない。
【0021】
又、多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール,3−メチル−1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール,1,8−オクタンジオール,1,9−ノナンジオール,トリシクロデカンジメタノール,エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート, ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート/ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート/カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート,アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート/ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート,カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート/エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等があげられる。
【0022】
多官能(メタ)アクリレートは、塗膜を形成し、塗膜を硬く強くする。光デイスク用紫外線硬化性組成物、とくに光デイスク保護コート剤として使用するときは、この成分は40〜60質量%の範囲が望ましい。この範囲では、塗膜強度、粘度、硬化収縮率などの特性バランスがとれて良くなる。(メタ)アクリル系モノマーは紫外線硬化性に優れるので好ましい。単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートは、各々2種以上用いる様にしてもよい。
【0023】
本発明では、上記(メタ)アクリル系モノマーを主体として構成することができるが必要であれば、以下の重合性モノマーも使用できる。
N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド又はN−ヒドロキシエチルアクリルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合物等。
【0024】
本発明に使用できる光重合開始剤としては、光によりラジカルを発生し、そのラジカルが重合性不飽和化合物と効率的に反応するものであれば良い。分子が開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族ケトンと水素供与体の組合せのように複合して用いられるものがある。
【0025】
前者に属する例としては、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
【0026】
後者の例の芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルスルフイド、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン等が挙げられ、これと組合せる水素供与体としては、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物等が挙げられるが、一般にアミン系化合物が好ましい。
【0027】
アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0028】
これらの光重合開始剤は,単独で用いても良いし,二種類以上組合せて用いても良い。光重合開始剤の使用量は,特に限定されるものではないが,通常重合硬化しうる成分100質量部当たり,0.1〜8質量部である。
【0029】
また、本発明の組成物には、必要であれば、さらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、酸化防止剤、可塑剤及びシランカップリング剤等を各種特性を改良する目的で配合することもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の実施様態を含む。
(1)光デイスク用紫外線硬化性組成物であって、ウレタン(メタ)アクリレートを5質量%以上含有し、25℃での粘度が200mPa・s以下且つ硬化収縮率が8.5%以下であることを特徴とする光ディスク用紫外線硬化性組成物。
【0031】
(2)ウレタン(メタ)アクリレートが水酸基含有(メタ)アクリレートにラクトン化合物を反応させて得られた(メタ)アクリル系モノマーとイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する前記(1)記載の組成物。
【0032】
(3)ウレタン(メタ)アクリレートがヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンを反応させて得られた(メタ)アクリル系モノマーとジイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである前記(1)記載の組成物。
【0033】
(4)組成物がウレタン(メタ)アクリレートが5質量%以上と重合性モノマー95質量%以下とを含有する前記(1)記載の光デイスク用紫外線硬化性組成物。
【0034】
光デイスク用紫外線硬化性組成物作製の概要を以下に記す。なお、「部」は「質量部」を示す。
光重合開始剤は、通常重合しうる成分100質量部当たり、0.1〜8質量部である。これらは、70〜80℃で約一となるまで混合し、光デイスク用紫外線硬化性組成物とする。
【0035】
また本発明の組成物は、硬化のための紫外線照射方式としては、いずれの方式でもよい。従来の連続的照射法でもよいが、例えばμsec〜msecオーダの短時間に一気に照射するか、分割して繰り返し照射する様な、閃光照射方式で行ってもよく、反りの小さいディスクを得るには好適な方法である。
【0036】
【実施例】
実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートであるプラクセルFA−1(ダイセルUCB社製)2モルとトリレンジイソシアネート1モルを反応させて得られたウレタンアクリレート20部、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート25部、トリプロピレングリコールジアクリレート20部、イソボルニルアクリレート25部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート5部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン5部、及びベンゾフェノン3部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化性組成物を作製した。
【0037】
比較例1
ポリテトラメチレングリコール(分子量850)1モルとトリレンジイソシアネート2モル反応後ヒドロキシエチルアクリレート2モルを反応させて得たウレタンアクリレート20部 、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート25部、トリプロピレングリコールジアクリレート20部、イソボルニルアクリレート25部、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート5部、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−1−オン5部、及びベンゾフェノン3部を75℃で1時間混合溶解し、淡黄色透明の紫外線硬化性組成物を作製した。
【0038】
上記組成物を用い下記試験を実施した結果を表1に示した。
〈試験方法1:粘度〉
上記組成物を25℃の恒温水槽に放置した後、BM型粘度計で粘度を測定した。
【0039】
〈試験方法2:硬化収縮率〉
上記組成物を25℃の恒温水槽に放置した後、浮き秤を用いて液体比重D1を測定した。次に、得られる塗膜の厚さが100μmになるようにガラス板に上記組成物を挟み込み、メタルハライドランプで約1J/cm2 照射した。JIS−Z8807−1976に準じ、この塗膜の個体比重D2を求め、下記計算式により硬化収縮率を求めた。
【0040】
硬化収縮率(%)=[(D2−D1)/D2]×100
【0041】
〈試験方法3:膜厚〉
約50nmのアルミニウム薄膜を形成した厚さ1.2mm、直径12cmの円盤状ポリカーボネート基板に上記組成物をディスペンサで円形に塗布し、毎分3500回転で3秒間スピンコートを行った。次いで高圧水銀ランプで約500mJ/cm2 照射後、硬化膜厚を測定した。
【0042】
【0043】
〈試験方法4:反り〉
i)試験方法3と同様の条件で、上記組成物の塗布・硬化前後での基板の反り角を測定し、反り角の増加量Aを比較した。
【0044】
ii)基板の厚さを0.6mmとし、試験方法3と同様の条件で、上記組成物の塗布・硬化前後での基板の反り角を測定し、反り角の増加量Bを比較した。
【0045】
〈試験方法5:膜厚調整及び実用性評価〉
約50nmのアルミニウム薄膜を形成した厚さ1.2mm、直径12cmの円盤状ポリカーボネート基板に上記組成物をディスペンサで円形に塗布し、回転数を毎分3500回転にし、回転時間を1〜10秒の範囲で変え膜厚10μm以下にできる条件を測定した。 実ラインではサイクルタイム5秒以下で生産されていることから、実用性の評価として5秒以下でできるものを○とした。
【0046】
実施例1の組成物は、粘度が低いのでスピンコートによって適切な膜厚に塗布され、且つ硬化収縮率も低いので約50nmのアルミニウム薄膜を形成した厚さ1.2mm、直径12cmの円盤状ポリカーボネート基板に塗布・硬化しても基板に反りは生じなかった。また、厚さ0.6mmの同様のポリカーボネート基板に塗布・硬化した場合でも基板の反りは極めて小さかった。
【0047】
一方、代表的な汎用のウレタンアクリレートを使用し、硬化収縮率が実施例1と同程度になるよう調製した比較例1では、粘度が高いためスピンコートにより5秒以下の短時間で10μm以下の薄膜にするのは困難であり、実用性に乏しいものであった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の組成物は、硬化収縮率が低いので光ディスクの保護コート剤として使用した場合反りの小さいディスクを得ることが出来、信頼性の高い光ディスクを生産することが出来る。特に基板の厚さが薄くなった場合格別顕著な効果を奏し、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を2枚貼り合わせて生産するDVDにおいて、貼り合わせる前の情報記録層を有する厚さ0.6mmの単板の保護コート剤として特に適したものである。
Claims (4)
- 水酸基含有(メタ)アクリレートにラクトン化合物を反応させて得られた(メタ)アクリル系モノマーとポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを5質量%以上含有することを特徴とする光ディスク用紫外線硬化性組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレートを5〜45質量部、多官能(メタ)アクリレートモノマーを40〜60質量部、単官能(メタ)アクリレートモノマーを15〜35質量部、および光重合開始剤を重合しうる成分100質量部当たり0.1〜8質量部含有する請求項1に記載の光ディスク用紫外線硬化性組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレートがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンを反応させて得られた(メタ)アクリル系モノマーとジイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである請求項1又は2に記載の組成物。
- 25℃での粘度が200mPa・s以下であり、かつ、硬化収縮率が8.5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化性組成物。
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