JPH09262907A - ディスクの貼り合わせ方法及び装置 - Google Patents

ディスクの貼り合わせ方法及び装置

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JPH09262907A
JPH09262907A JP7214596A JP7214596A JPH09262907A JP H09262907 A JPH09262907 A JP H09262907A JP 7214596 A JP7214596 A JP 7214596A JP 7214596 A JP7214596 A JP 7214596A JP H09262907 A JPH09262907 A JP H09262907A
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JP
Japan
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ultraviolet
disc
discs
substrate
holding member
Prior art date
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Application number
JP7214596A
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English (en)
Inventor
Katsuhide Ebisawa
勝英 蛯沢
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】貼り合わせ前のプラスチック製ディスクに変形
や歪みがあっても強制的にそれを補正することができ、
この状態を保持しながら、貼り合わせ後の完成品ディス
ク全厚がその全面にわたって均一とすることができる貼
り合わせ方法。 【解決手段】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、当該記録層側
が内側となる様にして紫外線照射することにより硬化接
着させ、ディスクを貼り合わせるに当たって、前記ディ
スクの両方を、ディスク保持部材で当該ディスクの基板
面を保持し、少なくとも一方の当該基板をもう一方の基
板に、貼り合わせ後のディスクが全体に亘って一定の所
定厚となるまで押圧し重ね合わせた後、当該保持部材に
よる保持を解放してから、紫外線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は一方或いは両方が
情報記録層を有する2枚のディスクを貼り合わせる方法
に関し、更に詳しくは、特に貼り合わせ方式をとるデジ
タルビデオディスク(以下、DVDと略記する)の好適
な製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
プラスチック製板上に紫外線透過性、かつ、可視光反射
性の情報記録層を有する2枚のディスクを、紫外線硬化
型樹脂を接着剤として用い紫外線照射することにより、
当該記録層同志を硬化接着させることによってディスク
を貼り合わせる場合の、従来の一般的な方法は、紫外線
硬化型樹脂を既存技術であるスピンコート法によって前
記ディスクの接着面の一方の面或いは両方の面に一様に
塗布し、気泡が入らないように、かつ、中心が一致する
ように重ね合わせ、しかる後に紫外線を照射し硬化させ
るというものであった。
【0003】或いはまた、一方のディスクの接着面の側
に紫外線硬化型樹脂をリング状に塗布し、接着面を上に
し平面に吸引吸着して固定し、もう一方のディスクを、
ディスクの中心が合うように重ね合わせ、外力によって
押圧しながら、接着剤を全面に拡大させた後に、紫外線
を照射する方法もある。
【0004】更に又、紫外線硬化型樹脂をリング状に塗
布し、一方を接着面を上にして吸引吸着により平面に固
定し、もう一方のディスクを、両方のディスクの中心軸
が合うように、単に自重で押圧させながら塗布した接着
剤を全面に拡大させ、しかる後に紫外線を照射する方法
もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たディスクの貼り合わせ方法においては、基板としてプ
ラスチック製のものが用られる場合においては、基板の
変形や歪みの影響を受けやすく、接着剤層及び貼り合わ
せ後の完成品ディスク全体として一様な厚さのものが得
られにくいという共通した欠点を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記実状に
鑑みて鋭意検討したところ、表面粗さ及び面精度に極め
て優れた脱気吸着要素を有するディスク保持部材を用い
て、各ディスクを保持することにより、プラスチック製
ディスクに固有の変形や歪みはその保持部材で強制的に
吸収され、かつ従来よりも高水準の精密度で矯正され、
一旦、紫外線硬化性組成物の接着剤でディスク接着層全
面が満たされれば、紫外線照射前であってもその仮粘接
着力により、矯正された状態が少しの時間は続くので、
ディスク保持を解放してから早期に紫外線照射を行え
ば、ディスク保持時の強制された精密矯正状態を保った
ままで、全面に亘って、接着剤層厚さと貼り合わせ後の
完成品ディスク厚さがいずれも一定となる、ディスクの
貼り合わせが行えることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】また、ディスク保持部材として、紫外線透
過性をも有する、表面粗さ及び面精度に極めて優れた脱
気吸着要素を有するディスク保持部材を用いる様にすれ
ば、保持部材を解放せずとも、ディスク保持時の強制さ
れた精密矯正状態を保ったままで、全面に亘って、接着
剤層厚さと貼り合わせ後の完成品ディスク厚さがいずれ
も一定となる、ディスクの貼り合わせが行えることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明は上記課題を解決するために、次の
4つの基本発明を提供する。2枚のうち1枚が、又は2
枚が両方とも、紫外線透過性プラスチック製基板上に紫
外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を有する2枚
のディスクを、紫外線硬化性組成物を接着剤として用
い、2枚のディスクの少なくとも一方に紫外線硬化性組
成物を塗布し、当該記録層側が内側となる様にして紫外
線照射することにより硬化接着させ、ディスクを貼り合
わせる方法であって、前記ディスクの両方を、JIS規
格B0601における表面粗さRmax≦1μmかつ面精
度≦7λの、脱気吸着要素を有するディスク保持部材で
当該ディスクの基板面を保持し、少なくとも一方の当該
基板をもう一方の基板に一定の所定接着剤層厚となる様
に押圧し重ね合わせた後、当該保持部材による保持を解
放してから、紫外線を照射して2枚のディスクを硬化接
着させることを特徴とするディスクの貼り合わせ方法
(以下、第1発明という。)。
【0009】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
より硬化接着させ、ディスクを貼り合わせる方法であっ
て、前記ディスクの両方を、JIS規格B0601にお
ける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気
吸着要素を有する紫外線透過性ディスク保持部材で当該
ディスクの基板面を保持し、少なくとも一方の当該基板
をもう一方の基板に一定の所定接着剤層厚となる様に押
圧し重ね合わせた後、紫外線を照射して2枚のディスク
を硬化接着させることを特徴とするディスクの貼り合わ
せ方法(以下、第2発明という。)。
【0010】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
より硬化接着させる、2つのディスク保持部材と紫外線
照射光源とを有するディスク貼り合わせ装置であって、
当該ディスク保持部材として、JIS規格B0601に
おける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱
気吸着要素を有するディスク保持部材を用い、各ディス
クの基板面を保持し、少なくとも一方の当該基板をもう
一方の基板に、当該接着剤が一定の所定接着剤層になる
様に押圧し重ね合わせた後、当該保持部材による保持を
解放してから、紫外線を照射して2枚のディスクを硬化
接着させる様にしたディスクの貼り合わせ装置(以下、
第3発明という。)。
【0011】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
より硬化接着させる、2つのディスク保持部材と紫外線
照射光源とを有するディスク貼り合わせ装置であって、
当該ディスク保持部材として、JIS規格B0601に
おける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱
気吸着要素を有する紫外線透過性ディスク保持部材を用
い、各ディスクの基板面を保持し、少なくとも一方の当
該基板をもう一方の基板に、当該接着剤が一定の所定接
着剤層厚となる様に押圧し重ね合わせた後、紫外線を照
射して2枚のディスクを硬化接着させる様にしたディス
クの貼り合わせ装置(以下、第4発明という。)。
【0012】本発明によれば、重ね合わせたディスクを
保持するための部材が、表面粗さ及び面精度に優れた脱
気吸着要素を有するものであるために、プラスチック製
ディスク基板に固有の反りや歪みを有する2枚のディス
クを強制的に矯正し、一定の所定接着剤層厚となる様に
押圧し、極めて精度良く重ね合わせられた状態で紫外線
照射による硬化を行うので、結果的に貼り合わせた後の
製品ディスクにおいて、反り、歪みや機械的変形がより
少ない、全面に亘って、一定の所定接着剤層厚及び一定
厚さの完成品ディスクが、より歩留まりの高いものとす
ることが出来る。
【0013】しかも、不均一な、接着剤層厚や完成品全
厚の結果の重心の偏心による、読み取り時の振動音がよ
り少ない完成品ディスクが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
【0015】本発明で貼り合わせに用いる2枚のディス
クは、その少なくとも一方が、紫外線透過性基板上に情
報記録層を有するディスクである。本発明において、貼
り合わせに用いる各ディスクは、その両方が、紫外線透
過性基板上に情報記録層を有するディスクである場合
と、一方が、紫外線透過性基板上に情報記録層を有する
ディスクであり、もう一方(他方)が、紫外線透過性基
板を必須とする情報記録層を有さないディスクの場合と
がある。即ち「2枚のうち1枚が、又は2枚が両方と
も、紫外線透過性基板上に紫外線透過性、かつ、可視光
反射性の情報記録層を有する2枚のディスク」とは、前
記の各場合を示す。いずれにおいても紫外線透過性基板
は、通常0.3〜1mmの厚さを有するものである。
【0016】紫外線透過性基板としては、公知慣用のプ
ラスチック製素材がいずれも使用できるが、好適には、
例えばアクリル、ポリカーボネート、アモルファスポリ
オレフィンなどの耐熱性熱可塑性合成樹脂が挙げられ
る。情報記録層は、前記基板の片面に記録情報に対応す
る凹凸を設け、そこに紫外線透過性かつ可視光反射性皮
膜を積層したものである。
【0017】この皮膜としては、記録情報の読み取りに
採用される可視光線を高率で反射して的確に前記凹凸を
確認できるものが好ましい。可視光線を高率で反射する
皮膜は、一般的に紫外線をも高率で反射する。紫外線を
全く透過しない前記皮膜は、本発明には適用できない。
紫外線透過性かつ可視光反射性皮膜としては、紫外線を
透過し可視光を反射する金属、例えばアルミニウム、ニ
ッケル、金或いは合金等が挙げられる。この皮膜として
用いられる金属としては、可視光反射率が80〜100
%で、かつ紫外線全波長領域に亘ってのそれの透過性が
0を越えて10%未満、好ましくは0を越えて3%未満
のものが用いられる。情報記録層中の前記皮膜は、20
0〜800オングストロームである。
【0018】本発明で用いるディスクは、所定の大きさ
・形状・厚みとなる、例えば音・映像等の再生情報に対
応する溝が彫刻されたスタンパに、前記基板となる素材
を注型してから、そこに紫外線透過性かつ可視光反射性
の皮膜を積層することにより得ることができる。この積
層は、一般的には、溝が設けられた前記基板の溝面に、
前記金属を所定厚みとなる様に蒸着させ金属薄膜を形成
すること(ピット形成)により行うことが出来る。この
様にして前記溝と皮膜とが一体化した情報記録層が形成
される。
【0019】記録時間をより長時間とするためには、貼
り合わせる2枚の各ディスクの情報記録層にそれぞれ個
別の或いは連続した情報を記録することができる。
【0020】ディスク貼り合わせのための接着剤として
は、公知慣用の紫外線硬化性組成物を用いることができ
る。この紫外線硬化性組成物は、当業界では、紫外線硬
化性樹脂とも呼ばれる場合がある。この紫外線硬化性組
成物としては、紫外線硬化性をより良好なものとするた
めに、光重合開始剤を含む紫外線硬化性組成物が望まし
い。光開始剤としては、その吸収波長と後述する照射紫
外線の波長とが少なくとも重複する様にして、高効率に
確実に、硬化接着させることが好ましい。
【0021】紫外線硬化性組成物を調製するに際して
は、単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)ア
クリレートとが、重合性モノマー成分として用いること
が出来る。これらは各々、単独又は2種以上併用して使
用することができる。硬化収縮や接着性を考慮すると、
単官能(メタ)アクリレートを主体として、多官能(メ
タ)アクリレートを併用する様にするのが好ましい。
【0022】光重合開始剤は、光によりラジカルを発生
し、そのラジカルが組成物を構成する前記(メタ)アク
リレートと効率的に反応するものであれば良い。分子が
開裂してラジカルを発生するタイプや芳香族ケトンと水
素供与体の組合せのように複合して用いられるものがあ
る。
【0023】前者に属する例としては、例えば、ベンゾ
イルエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニル−プロパン−1−オン、2、4、6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−
メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパノン−
1−オン等を挙げることができる。
【0024】後者の例の芳香族ケトンとしては、例え
ば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イ
ソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジ
フェニルスルフイド、2、4−ジエチルチオキサント
ン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチ
オキサントン等が挙げられ、これと組合せる水素供与体
としては、例えば、メルカプト化合物及びアミン化合物
等が挙げられるが、一般にアミン系化合物が好ましい。
【0025】アミン系化合物としては、例えば、トリエ
チルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチル
アミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イ
ソアミル、N、N−ジメチルベンジルアミン及び4、
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げ
られる。
【0026】紫外線硬化性組成物としては、常温〜40
℃において、液状であるものを用いるのが好ましい。溶
媒は用いないのが好ましく、用いたとしても極力少量に
止めるのが好ましい。
【0027】ディスク保持部材として、JIS規格B0
601における表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7
λの、脱気吸着要素を有する紫外線不透過性ディスク保
持部材を用いて、第1発明及び第3発明を実施するに当
たっては、紫外線照射以前であっても高粘接着性を有す
る液状の紫外線硬化性組成物を用いるほうが、当該保持
部材を解放してからも、前段での強制的矯正の効果を、
その仮粘接着性でより長い時間保つことが出来、紫外線
照射までの時間を稼げるので好ましい。
【0028】本発明で用いる紫外線硬化性組成物の塗布
をスピンコーターで行う場合には、粘度を500〜10
00センチポイズとなる様に調製するのが、比較的厚膜
と出来る点で好ましい。
【0029】前記紫外線硬化型組成物を精密に定量塗布
するためには、例えば組成物(樹脂)タンク内の水頭差
による吐出量のバラツキを補正する機能、或いは液ダレ
や気泡混入を防ぐバキューム自動補正機能の付いた液体
精密定量吐出装置を用いることができる。この様な液体
精密定量吐出装置としては、例えば武蔵エンジニアリン
グ株式会社製、或いは、米国EFD社製などのものがあ
る。
【0030】紫外線硬化性組成物はディスクの接着が必
要な面(以下、要接着面という。)の全面に塗布する様
にしても、要接着面の一部分に塗布してからそれをその
全面に展開しても良い。ディスク要接着面に、ディスク
中心軸と同心円状となる様にに接着剤をリング状に塗布
し、一方を接着面を上にして平面に固定し、もう一方の
ディスクを、両方のディスクの中心軸が合うように重ね
合わせ押圧しながら、リング状に塗布した接着剤を徐々
に全面に展開拡大させた後に、紫外線を照射するという
方法もある。この場合、接着剤体積/要接着面の表面積
=接着剤の層厚の関係が採用出来る。硬化後の接着剤層
の厚さは、前記関係と接着剤の硬化収縮率から求めるこ
とが出来る。
【0031】前記液体精密定量吐出装置で前記紫外線硬
化性組成物を塗布する場合では、組成物(樹脂)粘度を
3000cps〜20000cps程度に調整しておく
ことが、吐出した時の接着剤形状を逆さにしても所定時
間の間適度に保持できる上、重ね合わせを行う前に当該
組成物が必要以上に広がることがなく、かと言って塗布
されない部分が存在する程広がり難くもなく、一様な厚
さの接着層が容易に得られる点で好ましい。接着剤のデ
ィスク要接着面上の吐出形状は、リング状とするのが好
ましい。
【0032】接着剤は、1枚のディスクの要接着面だけ
に、ディスク中心に対して同心円となる様なリング状に
塗布することもできるし、2枚のディスクのそれぞれの
要接着面に、ディスク中心に対して同心円となる様なリ
ング状に塗布することもできる
【0033】前記紫外線硬化性組成物を、ディスクの接
着を必要とする面の全面に押し広げる際に気泡が発生す
ることも懸念されるが、リング状に塗布された前記組成
物からなる接着剤同士が全周にわたって接触されるまで
の間、間欠的に微少量づつ下降させる手段を用いること
によって、気泡の発生を殆どなくすることもできる。
【0034】本発明においては、ディスクがいずれも紫
外線透過性基板上に情報記録層を有するディスクである
場合には、当該記録層側同志を接着するが、前記皮膜が
露出した情報記録層同志を直接接着する様にしてもよい
し、情報記録層の一方又は両に当該皮膜露出面を保護
する保護コート層をその上に設けて、その保護コート層
同志を接着する様にしてもよい。この場合、この保護コ
ート層も、通常、紫外線硬化性組成物の硬化物で形成さ
れる。その場合にこの保護コート層は、紫外線透過性と
することが必要である。保護コート層用の紫外線硬化性
組成物は、当該皮膜とディスク同志を接着するための紫
外線硬化性組成物の硬化物の両方に、接着性が優れる様
調製するのが好ましい。勿論、一方が、紫外線透過性基
板上に情報記録層を有するディスクであり、もう一方
(他方)が、紫外線透過性基板を必須とする情報記録層
を有さないディスクの場合の、情報記録層側と基板側の
接着の場合も同様である。
【0035】本発明では、紫外線の照射方法は特に制限
されない。本発明では、前記紫外線硬化性組成物に、経
時連続的に紫外線照射してその組成物を硬化させること
もできるし、極短時間に閃光的に紫外線照射してその組
成物を硬化させることもできる。硬化に必要な紫外線照
射絶対量は、後者のほうがより少なくできる点で好まし
い。照射方法として後者の方法を採用する場合、閃光は
1回でも良いが、1回の接着(1サイクル)当たり、3
〜15回となる様に調節する構造にして用いるのが望ま
しい。
【0036】この様に、閃光的に紫外線照射を行うに当
たっては、例えば、紫外線照射光源とフラッシュ式放電
機構とを含む発光装置を用いることが出来る。
【0037】本発明において紫外線照射を行う場合に使
用する紫外線照射光源は、公知慣用のものがいずれも使
用できる。ランプとしては、例えば低圧水銀灯、高圧水
銀灯、超高圧水銀灯、クセノンランプ、クセノン−水銀
ランプ、メタルハライドランプなどの各種ランプを用い
ることができる。閃光的照射用としては、後三者のフラ
ッシュ式にかつ繰り返し発光をさせることができるもの
が挙げられる。尚、閃光照射用としては、繰り返し発光
に耐え得る耐久性に優れたものを用いるのが好ましい。
【0038】前記ランプを閃光的に発光させるためのフ
ラッシュ式放電機構としては、例えば電荷を蓄積するた
めのコンデンサ、放電時の電流波形を制御するためのコ
イル及び前記ランプ電極とを直列に接続した回路を用い
ることができる。
【0039】前記コンデンサに電荷を充電する手段とし
ては、例えば直流電圧電源と充電電流制御用抵抗を直列
に接続した要素を、前記コンデンサに対して並列に接続
した回路によって行うことができる。前記コンデンサに
蓄積した電荷を前記ランプに放電させるきっかけを与え
る手段としては、例えばランプに数回程巻き付けたワイ
ヤー状の補助電極を設け、前記補助電極と前記ランプの
一方の電極との間に、例えばトリガー発生回路により、
高圧パルスを印加する方法が挙げられる。
【0040】この様にしておけば、前記高圧パルスの印
加によって、ランプ内部に封入された気体が、一瞬にし
て絶縁破壊を起こし、これが引き金となって前記コンデ
ンサに蓄積された電気エネルギが、極めて短い時間tの
間に前記ランプ内に一挙に放出され、この時に強烈な閃
光(フラッシュ)を放つ様になる。
【0041】前記電気エネルギは、μsec〜msec
オーダーの極めて短い時間の間に放出されてしまうた
め、前記ランプの両電極間の電圧は放電開始と共に急激
に低下し、放電そのものは一瞬にして終了する。
【0042】又、ランプをフラッシュ式に繰り返し発光
させる場合の前記機構としては、例えば次の様なものが
挙げられる。閃光を伴う前記放電では、放電の開始とほ
ぼ同時に、前記直流電圧電源側から前記コンデンサに対
して充電が開始される。充電に要する時間は、前記コン
デンサの容量(ファラッド)と前記充電電流制御用抵抗
(オーム)との積によって求まる時定数τに関係する。
一般に前記時定数τと前記放電時間tの間の関係がt
《τである時、放電による発光は連続的なものとはなら
ず単発的なもので終わる。しかしながら前記充電はその
後も継続的に行われる。
【0043】そして前記コンデンサへの電荷蓄積がある
程度飽和を来し、再び放電が可能なレベルに到達した時
に、前記高圧パルスを再び印加すると、2度目の閃光が
発せられることになる。フラッシュ式の繰り返し発光
は、以上のような動作の繰り返しによって行うことが出
来る。
【0044】本発明では、ディスクの両方を、表面粗さ
が極めて小さく及び面精度に極めて優れた脱気吸着要素
を有するディスク保持部材で、当該ディスクの基板面を
保持して強制的に矯正することにより、全面に亘って、
接着剤層厚さと貼り合わせ後の完成品ディスク厚さがい
ずれも一定とできるという本発明の効果が発現する。
【0045】本発明で用いる、表面粗さが極めて小さく
及び面精度に極めて優れた脱気吸着要素を有するディス
ク保持部材は、JIS規格B0601における表面粗さ
Rmax≦1μmかつ面精度≦7λを有する脱気吸着要素
を有するディスク保持部材である。ここでは、λ=54
60オングストロームである。
【0046】このディスク保持部材は、素材としては、
公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えばステン
レス、アルミニウム、チタン等の金属、合金、ポリフェ
ニレンスルフィド、芳香族ポリイミド等のプラスチック
或いはガラス等が使用できる。前記特定の表面粗さ及び
面精度を有さない素材を用いる場合には、その表面を鏡
面加工を施して用いることができる。前記素材にしても
ディスク保持部材にしても、紫外線透過性を有するもの
の方が、紫外線不透過性のそれよりも好適である。
【0047】ディスク保持部材の表面粗さ及び面精度
は、その絶対値が小さい程好ましい。前記素材を、JI
S規格B0601における表面粗さRmax=1μmかつ
面精度=7λのディスク保持部材を得るに際しては、前
記した表面粗さ及び面精度に容易に鏡面加工できる点
で、素材としては金属又はガラスが好ましい。なかでも
ガラスは、JIS規格B0601における表面粗さRma
x≦0.05μmかつ面精度≦1λに鏡面加工すること
が出来、金属より表面粗さ及び面精度の点で格段に優れ
た保持部材とすることが出来るので、特に好ましい。
【0048】接着剤層厚は、用いる接着剤の体積と、デ
ィスク保持部材の表面粗さ及び面精度とが決まれば、そ
の押圧の程度を超精密に制御することでも可能である
が、貼り合わせ前の重ね合わせられたディスクの厚さが
全体に亘って一定の所定厚のなる様に規制するスペーサ
ーをも有する、JIS規格B0601における表面粗さ
Rmax=1μmかつ面精度=7λの、脱気吸着要素を有
するディスク保持部材を、本発明のディスク保持部材の
少なくとも一方に用いる様にしたほうが、前者より簡便
に前者方法と同様の効果が得られる。
【0049】本発明におけるディスク保持部材による貼
り合わせ前の2枚のディスクの重ね合わせは、特に制限
されないが、例えば2枚のディスクの要接着面を対向さ
せ、下側のディスクを移動させずに、上側のディスクを
下降させて押圧する様にすることも出来るし、逆に上側
のディスクを移動させずに、下側のディスクを上昇させ
て押圧する様にすることも出来るし、或いは、下側のデ
ィスクを上昇させかつ上側のディスクを下降させて押圧
する様にすることも出来る。
【0050】本発明におけるディスク保持部材が、紫外
線透過性を有するディスク保持部材である場合には、紫
外線硬化性組成物からなる接着剤を硬化する際に、紫外
線を透過しないディスク保持部材を用いた場合には必須
である、ディスク保持を解放したり当該部材の全部又は
一部を待避させることが全く必要なく、保持部材を介し
て紫外線照射ができるため、単位時間当たりの貼り合わ
せ作業性もより格段に良好となるし、当該部材を待避さ
せるための特別な機構は全く不要であり、装置としても
従前のそれより少ない部品点数で装置が得られるし、よ
りコンパクトとすることができる。
【0051】ディスクに極度の反りや変形がある場合に
は、折角、ディスク保持部材でそれを強制的に矯正し得
ても、当該部材による保持を解放して、それの全部又は
一部を待避させる様にすると、硬化していない密接した
2枚のディスクは、自身でもとの通りに復元しようとす
る力が働き、矯正されたままの状態で硬化接着すること
が難しい。
【0052】そこで、紫外線を透過しないディスク保持
部材を用いる時は、当該部材による保持を解放してか
ら、長時間そのまま放置せず直ちに紫外線照射を行う様
にしたり、紫外線照射しなくともディスクの要接着面に
対して粘接着力の高い、高粘接着性紫外線硬化性組成物
を用いたり、これら手段を併用したりすることが有効な
手段となる。紫外線透過性保持部材を用いる時は、当該
部材による保持を解放すること自体が不必要なので、重
ね合わせてから紫外線照射までの時間を考慮する必要な
く、そのまま紫外線照射を行えばよい。
【0053】紫外線の照射は、ディスクの基板の一方か
ら行ってもよいし、両面から行う様にしてもよい。一方
が、紫外線透過性基板上に情報記録層を有するディスク
であり、もう一方(他方)が、紫外線透過性基板を必須
とする情報記録層を有さないディスクの場合の、情報記
録層側と基板側の接着の場合は、情報記録層を有さない
ディスクの基板面のみからの紫外線照射が一般的である
が、それと情報記録層を有するディスクの基板面との両
面から行う様にしてもよい。
【0054】紫外線を透過しないディスク保持部材を用
いる時は、少なくともいずれか一方の当該部材による保
持を解放してから、解放された面の少なくともいずれか
一方から紫外線を照射する。
【0055】上記した通り、本発明におけるディスク保
持部材は、紫外線透過性ディスク保持部材のほうが好ま
しく、前記接着剤を硬化させるに必要な波長の紫外線を
出来るだけ高率(願わくば100%)で透過する紫外線
透過性素材で作製されたものがより好ましい。当該素材
としては、好適にはガラス素材を用いることが出来る
が、石英ガラス製紫外線透過性ディスク保持部材が好ま
しい。本発明で用いる2つのディスク保持部材は、いず
れも脱気吸着要素を有するものであり、ディスク保持に
当たってはいずれもその要素により保持される。
【0056】脱気吸着要素としては、例えば少なくとも
片面に複数個の穴又は溝を設けた、平板状のディスク保
持部材と脱気ポンプとの併用が挙げられる。この場合に
は、前記脱気ポンプで、ディスク片面をその穴又は溝を
介してエアー吸引して減圧状態とし、ディスクをその吸
引力(吸着力)で、保持固定する様にすることが出来
る。勿論前記した穴や溝は連結する様にして、一つの脱
気吸引口からエアー吸引するのが都合が良い。この場
合、減圧度合いが高い程、充分にディスクを保持固定で
きるし、ディスクの貼り合わせが終了した後には、エア
ー吸引を中止し、前記吸引穴や溝を常圧となる様に解放
すれば、ディスクを当該保持部材から解放し離すことが
できる。
【0057】2枚のディスクの両方の保持に、片方に脱
気吸着要素を有する紫外線透過性ディスク保持部材を用
いて、もう片方に脱気吸着要素を有する紫外線不透過性
ディスク保持部材を用いても良いが、2枚のディスクの
両外側面から紫外線を照射する場合には、この紫外線透
過性保持部材を両方のディスクの保持に用いたほうが好
ましい。
【0058】尚、一方が、紫外線透過性基板上に情報記
録層を有するディスクであり、もう一方(他方)が、紫
外線透過性基板を必須とする情報記録層を有さないディ
スクの場合の、情報記録層側と基板側の接着の場合は、
情報記録層を有さないディスクの基板面のみからの紫外
線照射が一般的であり、情報記録層を有するディスクの
基板面は、紫外線不透過性の本発明のディスク保持部材
でそれを保持すれば良いが、その場合でも、前記情報記
録層を有さないディスクと情報記録層を有するディスク
の両面の保持に、紫外線透過性の本発明のディスク保持
部材を用いても良いのは、勿論のことである。
【0059】紫外線照射方式については、一方が、紫外
線透過性基板上に情報記録層を有するディスクであり、
もう一方(他方)が、紫外線透過性基板を必須とする情
報記録層を有さないディスクの場合の、情報記録層側と
基板側の接着の場合であって、情報記録層を有さないデ
ィスクの基板面のみからの紫外線照射においても、閃光
的照射と連続的照射との対比では、前者のほうが、より
消費電力が小さく、貼り合わせの生産性(完成品の生産
性)はより高くなる。
【0060】閃光的紫外線の照射は、一方のディスクの
外側から行うにせよ、両外側から行うにせよ、ランプを
複数配置する場合には、ランプをバラバラに発光させる
よりも同期発光させ、同期照射する方が効率の良い硬化
がなされる。
【0061】閃光的に紫外線照射を行うに当たって、光
源からの光に赤外線が含まれる場合には、その赤外線を
遮断して、紫外線のみを照射する様にするのが好まし
い。この様にすれば、赤外線がディスクの基板面に照射
されるのを防止でき、その熱による新たなディスク自体
のソリや変形も起こり難く、記録情報の変質もより起こ
り難くなる。この効果は、本発明の様にディスク基板が
プラスチック製の場合に特に顕著に奏される。
【0062】赤外線を含む紫外線を発する光源ランプか
らの発光光線から、赤外線を選択的に遮断するに当たっ
ては、通常赤外線遮断フィルターを用いることができ
る。
【0063】本発明者らの知見によれば、1回あたりの
放電エネルギが同じであっても、放電電流のピーク値や
時間幅を変えると、ランプから放出される光の強度やス
ペクトル分布が変わり、同一組成の紫外線硬化性組成物
の硬化性も変化することがわかった。一方、アルミニウ
ム、ニッケルなどの金属薄膜では、その材質や厚さによ
って透過する光の強度やスペクトル分布が異なってく
る。
【0064】本発明の装置においては、各種の異なった
ディスクを同様な工程条件で、閃光的紫外線照射で接着
する様にするためには、ディスクに使用する、紫外線透
過性かつ可視光反射性の皮膜の厚さや光透過特性に応
じ、放電回路への充電電圧、コンデンサ容量、及びイン
ダクタンスなどの回路定数を変えることが可能な可変機
構をも有する前記装置とするのが好ましい。この様にす
れば、各種のディスクについて、一台の発光装置で、放
電電流のピーク値や時間幅を適宜調節し、効率の良い紫
外線照射による前記接着剤の硬化が実現できる。
【0065】この様にして得られた貼り合わされて1枚
となったディスクは、例えばそれを回転させながら、半
導体レーザーで可視光線を走査照射して、情報記録面の
情報を再生することにより、記録された情報を、例えば
音・映像に変換して、視聴者の鑑賞に供することができ
る。そして、完成品ディスクの接着剤層厚さ及び全体の
厚さが、全体に亘って均一であれば、重心が異なること
による偏心が無くなり、ディスク回転時に振動が極めて
少なくなり、記録情報の円滑な再生をすることができ
る。
【0066】
【作用】本発明では、重ね合わせたプラスチック製ディ
スクを脱気吸着保持するための部材が、両方とも、表面
粗さが極めて小さくかつ面精度も極めて優れているため
に、従来の平滑度・平行度があまり良くない保持部材を
用いて、反り、歪み或いは変形しているディスクを吸着
保持するのに比べて、より高精度に矯正を行い2枚のデ
ィスクを重ね合わせ押圧することができるので、ディス
ク全体に亘って一定の層厚の未硬化接着剤層を形成する
ことが出来る。この重ね合わされたディスクに紫外線を
照射すれば均一接着剤層厚に硬化接着させることがで
き、全体の厚みも均一な完成品ディスクが得られる。ま
た、貼り合わせ後のディスクの反りや機械的変形が少な
く、歩留まりの高い、ディスク貼り合わせ装置を実現す
ることができる。
【0067】
【実施例】本発明の実施例を図を用いて詳細に説明す
る。図1は貼り合わせによって製造する、DVDの所謂
SD規格のディスクの片方の面の断面図を表す。図1の
数字1はポリカーボネート樹脂製の基板、数字2は情報
を記録した面、数字3はアルミ製のスパッタ膜、数字4
は紫外線硬化型樹脂による保護コート層を示す。尚、図
1の中心の線は、ディスクの回転の中心軸を示してい
る。
【0068】前記SD規格のディスクの中には幾つかの
タイプが規定されており、例えばSD−10と呼ばれる
タイプでは、図1に示したディスク2枚を、情報記録面
同士が互いに向かい合うようにして貼り合わせて製造す
る。又、SD−5と呼ばれるタイプでは、図1に示した
ディスクを一方とし、もう一方は同じ形状をした情報記
録層を設けない同形状、同材質の透明なディスクとし、
情報記録層が内側にくるようにして貼り合わせて製造す
る。本発明にはその両方が包含される。
【0069】図2は、本発明において2枚のディスクの
重ね合わせを行う際に使用する一方の治具の外観断面図
である。図2の5は中心孔、6はディスクを治具に吸引
吸着するための溝(以下、吸引溝と記す)、7はリング
状の凸部を有するディスクを使用する場合にその凸部を
吸収するための溝、8は2枚の治具を重ね合わせた時に
夫れ夫れの治具の内面同士間の距離が一定になるように
するためのスペーサ、9は前記吸引溝を連結する通路、
10は治具全体を示す。
【0070】図3は前記一方の治具に、貼り合わせる2
枚のディスクの一方を保持し、紫外線硬化型接着剤を中
心軸に対してリング状に塗布した状態を表す外観断面図
である。図3の10は前記治具、11は厚さ0.6mm
のディスク、12はディスペンサー、13は紫外線硬化
型接着剤、14は吸引ポンプを示す。尚、図3において
は、ディスクを吸引吸着するための吸引溝6、及び、前
記吸引溝を連結する通路9は省略して示した。
【0071】本実施例における貼り合わせ工程は以下の
如くである。先ず、前記一方の治具に、貼り合わせる2
枚のディスクの一方を、中心軸が合うようにして置き、
吸引ポンプ14によって前記ディスクを治具の表面に吸
着させる。尚、前記治具が前記ディスクと接触する面の
鏡面加工の仕上げ精度は、吸引溝の部分を除き、表面粗
さRmaxが1.0μm、及び面精度は7λ(λ=54
6nm)程度とした。
【0072】次に、デジタルデスペンサー1500DV
(EFD社)及び卓上型XYZ自動塗布装置を使って、
塗布した接着剤が、ディスク表面の半径40mmの位置
にきれいな円を描くように、かつ、繋ぎ目ができないよ
うに精密に塗布した。本実施例における塗布量の精度は
200±2mg程度である。前記精密塗布をもう一方の
ディスクに対しても、同様に施す。
【0073】次に、前述の状態とした治具の一方を水平
に静置したまま、もう一方は反転させて、二つの治具の
中心が合うように重ね合わせる。図4は重ね合わせの途
中図を表す断面図を示したものである。図4の15は中
心を合わせるための軸棒を示す。
【0074】図4において、上方の治具を徐々に降下さ
せて行き、前記精密塗布した接着剤をディスク及び治具
の自重によって押し広げ、接着剤がディスク全面に行き
わたるようにする。ここにおいてディスクの厚さは0.
6mm(600μm)であり、スペーサー部8の高さは
620μmとした。かかる設定では、降下が終了した時
点での接着層の厚さは40μmとなる。
【0075】本実施例において、降下が終了した時点の
接着剤のはみ出し具合は、ディスクの外周部の接合面か
ら僅かにはみ出す程度のものであった。又、接着剤のデ
ィスクの内周側への広がり具合は、直径が約35mm程
度の所までに止まっていた。
【0076】次に、上側のみの治具の吸引吸着を解除し
て、治具を取り除き、あまり時間を経過させずに、素早
く紫外線を照射して接着剤を硬化させた。このようにし
て貼り合わせたディスクの厚さを、全面にわたって測定
したところ、±7μm程度のバラツキ範囲に収まってい
ることが分かった。
【0077】接着層の厚さを変更したい場合には、前記
スペーサー部の高さを変更すると共に、前記接着剤の塗
布量を所望の厚さに応じて調節すればよい。
【0078】前記デジタルディスペンサーによって前記
紫外線硬化型接着剤を塗布する場合では、粘度を300
0〜20000cps程度に調整しておくことが望まし
く、粘度がこの範囲より小さい場合では重ね合わせを行
う前に接着剤が広がってしまい、一様な厚さの接着層が
得られない。逆に、粘度が高すぎる場合では接着剤が広
がりにくくなり望ましくない。
【0079】前記紫外線樹脂を全面に押し広げる際に気
泡が発生することも懸念されるが、リング状に塗布され
た前記樹脂同士が全周にわたって接触されるまでの間、
間欠的に微少量づつ下降させる手段を用いることによっ
て、気泡の発生を殆どなくすることができる(公開特許
公報平1−276448)
【0080】
【発明の効果】本発明を用いた貼り合わせ装置によれ
ば、重ね合わせたディスクの厚さを全体にわたり均一に
することができ、貼り合わせ後の製品ディスクの反りや
機械的変形が少なく、歩留まりの高い貼り合わせ装置を
実現することができる。
【0081】不均一な、接着剤層厚や完成品全厚の結果
の重心の偏心による、読み取り時の振動音がより少ない
完成品ディスクが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする貼り合わせによって製造す
るディスクの、貼り合わせる前の片方のディスクの断面
図を表す。
【図2】本発明において用いる一方の治具の断面図を表
す。
【図3】本発明において用いる一方の治具がディスクを
保持し、ディスペンサによって接着剤を塗布しているの
を表す概念図である。
【図4】本発明において用いる一対の治具が、夫れ夫れ
ディスクを保持した状態を保ちながら、重ね合わせられ
る途中の図を表す図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板 2 情報記録面 3 アルミ製スパッタ膜 4 保護コート層 5 中心孔 6 吸着溝 7 凸部吸収溝 8 スペーサー部 9 連結通路 10 治具全体(片方) 11 ディスク(片方) 12 ディスペンサー 13 紫外線硬化型接着剤 14 吸引ポンプ 15 軸棒

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
    紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
    可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
    紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
    クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
    該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
    より硬化接着させ、ディスクを貼り合わせる方法であっ
    て、前記ディスクの両方を、JIS規格B0601にお
    ける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気
    吸着要素を有するディスク保持部材で当該ディスクの基
    板面を保持し、少なくとも一方の当該基板をもう一方の
    基板に一定の所定接着剤層厚となる様に押圧し重ね合わ
    せた後、当該保持部材による保持を解放してから、紫外
    線を照射して2枚のディスクを硬化接着させることを特
    徴とするディスクの貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
    紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
    可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
    紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
    クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
    該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
    より硬化接着させ、ディスクを貼り合わせる方法であっ
    て、前記ディスクの両方を、JIS規格B0601にお
    ける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気
    吸着要素を有する紫外線透過性ディスク保持部材で当該
    ディスクの基板面を保持し、少なくとも一方の当該基板
    をもう一方の基板に一定の所定接着剤層厚となる様に押
    圧し重ね合わせた後、紫外線を照射して2枚のディスク
    を硬化接着させることを特徴とするディスクの貼り合わ
    せ方法。
  3. 【請求項3】2つのディスク保持部材のうちの少なくと
    も一方が、貼り合わせ前の重ね合わせたディスクの厚さ
    が全体に亘って一定の所定厚となる様に規制するスペー
    サーをも有する、JIS規格B0601における表面粗
    さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気吸着要素を
    有するディスク保持部材である請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】JIS規格B0601における表面粗さR
    max≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気吸着要素を有す
    る紫外線透過性ディスク保持部材の少なくとも一方が、
    貼り合わせ前の重ね合わせたディスクの厚さが全体に亘
    って一定の所定厚となる様に規制するスペーサーをも有
    する、同表面粗さRmax≦0.05μmかつ面精度≦1
    λの、紫外線透過性ガラス製脱気吸着要素を有するディ
    スク保持部材である請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】紫外線を閃光的に照射することにより前記
    接着剤を硬化させる請求項1又は2記載の方法。
  6. 【請求項6】2枚のディスクが、いずれも紫外線透過性
    基板上に紫外線透過性かつ可視光反射性の情報記録層を
    有するディスクである請求項1又は2記載の方法。
  7. 【請求項7】紫外線硬化性組成物が、光重合開始剤を含
    んだものであり、当該光重合開始剤の吸収波長と照射す
    る紫外線の波長とが重複する様にする請求項1又は2記
    載の方法。
  8. 【請求項8】赤外線を遮断して紫外線照射を行う請求項
    1又は2記載の方法。
  9. 【請求項9】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方とも、
    紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性かつ
    可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスクを、
    紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のディス
    クの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布し、当
    該記録層側が内側となる様にして紫外線照射することに
    より硬化接着させる、2つのディスク保持部材と紫外線
    照射光源とを有するディスク貼り合わせ装置であって、
    当該ディスク保持部材として、JIS規格B0601に
    おける表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱
    気吸着要素を有するディスク保持部材を用い、各ディス
    クの基板面を保持し、少なくとも一方の当該基板をもう
    一方の基板に、当該接着剤が一定の所定接着剤層になる
    様に押圧し重ね合わせた後、当該保持部材による保持を
    解放してから、紫外線を照射して2枚のディスクを硬化
    接着させる様にしたディスクの貼り合わせ装置。
  10. 【請求項10】2枚のうち1枚が、又は2枚が両方と
    も、紫外線透過性プラスチック製基板上に紫外線透過性
    かつ可視光反射性の情報記録層を有する2枚のディスク
    を、紫外線硬化性組成物を接着剤として用い、2枚のデ
    ィスクの少なくとも一方に紫外線硬化性組成物を塗布
    し、当該記録層側が内側となる様にして紫外線照射する
    ことにより硬化接着させる、2つのディスク保持部材と
    紫外線照射光源とを有するディスク貼り合わせ装置であ
    って、当該ディスク保持部材として、JIS規格B06
    01における表面粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λ
    の、脱気吸着要素を有する紫外線透過性ディスク保持部
    材を用い、各ディスクの基板面を保持し、少なくとも一
    方の当該基板をもう一方の基板に、当該接着剤が一定の
    所定接着剤層厚となる様に押圧し重ね合わせた後、紫外
    線を照射して2枚のディスクを硬化接着させる様にした
    ディスクの貼り合わせ装置。
  11. 【請求項11】2つのディスク保持部材のうちの少なく
    とも一方が、貼り合わせ前の重ね合わせたディスクの厚
    さが全体に亘って一定の所定厚となる様に規制するスペ
    ーサーをも有する、JIS規格B0601における表面
    粗さRmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気吸着要素
    を有するディスク保持部材である請求項9又は10記載
    の方法。
  12. 【請求項12】JIS規格B0601における表面粗さ
    Rmax≦1μmかつ面精度≦7λの、脱気吸着要素を有
    する紫外線透過性ディスク保持部材の少なくとも一方
    が、貼り合わせ前の重ね合わせたディスクの厚さが全体
    に亘って一定の所定厚となる様に規制するスペーサーを
    も有する、同表面粗さRmax≦0.05μmかつ面精度
    ≦1λの、紫外線透過性ガラス製脱気吸着要素を有する
    ディスク保持部材である請求項10記載の装置。
  13. 【請求項13】紫外線照射光源から紫外線を閃光的に照
    射するためのフラッシュ式放電機構を含む請求項9又は
    10記載の装置。
  14. 【請求項14】紫外線照射光源とディスク基板との間に
    赤外線遮断フィルターを設けた請求項9又は10記載の
    装置。
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