JPH09265672A - 光ディスクの貼り合わせ方法および貼り合わせ装置 - Google Patents

光ディスクの貼り合わせ方法および貼り合わせ装置

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JPH09265672A
JPH09265672A JP6870496A JP6870496A JPH09265672A JP H09265672 A JPH09265672 A JP H09265672A JP 6870496 A JP6870496 A JP 6870496A JP 6870496 A JP6870496 A JP 6870496A JP H09265672 A JPH09265672 A JP H09265672A
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JP
Japan
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optical disk
adhesive layer
vacuum suction
optical
photo
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JP6870496A
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English (en)
Inventor
Shingetsu Yamada
紳月 山田
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続かつ安定的に泡の混入のない光硬化性接
着剤層を形成する。 【解決手段】 回転可能なテーブルと、回転可能なテー
ブル上に1枚目の光ディスクを真空吸着固定する真空吸
着手段とを具え、1枚目の光ディスクとその上に載置さ
れた2枚目の光ディスクを光硬化性接着剤によって貼り
合わせる光ディスク貼り合わせ装置である。この装置
は、光ディスクを回転可能なテーブル上に位置決めする
ためのセンターボス外周面に放射状に開孔し、かつ負圧
源に連通する複数の真空吸引孔を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化性接着剤を用
いて2枚の光ディスクを貼り合わせる方法、およびその
ための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】それぞれ透明基板上に光記録層が形成さ
れた2枚の光ディスクを光硬化性接着剤を用いて貼り合
わせた貼り合わせ光ディスクは、光硬化性接着剤の透明
性を利用して、2層の記録層に記録された情報を片面か
ら読み出すことができる。片面2層読み出しを円滑に実
施するためには、光硬化性接着剤層の厚さが均一である
こと、および接着剤層中に泡の混入がないことが要求さ
れる。
【0003】このような要求を満足するものとして、2
枚の光ディスクの間に光硬化性接着剤を挟み、高速で回
転させることにより均一な光硬化性接着剤層を形成し、
光照射によってこの光硬化性接着剤層を硬化させ1枚の
貼り合わせ光ディスクを作製する装置がある。
【0004】図1を参照してこの従来装置を詳細に説明
する。回転軸1に光ディスク固定用の真空吸着孔を有す
るスピンナーテーブル2が固定されている。スピンナー
テーブル2の上面にはリング状の3箇所の突起2a、2
b、2cが設けられており、さらに、中心には光ディス
クを挿入して位置決めするためのセンターボス2dが設
けられている。リング状の突起2aと2bの間の溝部2
eの1箇所に真空吸着孔3aが開孔し、突起2c中に形
成されている溝2fに1個の真空吸着孔3bが開孔して
いる。真空吸着孔3aと3bは排気路3cで連結され、
さらに図示しない排気ポンプ等の負圧源に連通されてい
る。図示するように、1枚目の光ディスク4を接着面
(光記録層側)を上向きにしてスピンナーテーブル2上
に載せ、例えば20rpmの低速で回転させながら、光
ディスクの半径方向の中央部付近に光硬化性接着剤をド
ーナツ状に滴下する。この時の回転速度は接着剤が遠心
力によって広がらない程度の速度である。滴下完了後2
枚目の光ディスク5を接着面を下にして1枚目の光ディ
スク上に落下させると、光硬化性接着剤は上側の光ディ
スクの重量によって内周側および外周側にドーナツの幅
を広げながら展開し始める。この際、真空吸着孔3aか
らの負圧はスピンナーテーブル2と光ディスク4の界面
を通りセンターボス2dの外周面と光ディスク4、5の
内周側端面の間に漏れるので、この負圧の漏れによる吸
引によって、接着剤の内周側への展開速度は外周側への
展開速度より速くなる。
【0005】接着時の泡の発生状況を仔細に観察した。
図2(a)に示すように、泡6は2枚目の光ディスク5
を落下させたときに光硬化性接着剤7との接触界面で発
生し、接着剤の厚みが最も厚い部分に存在する。上述し
たように、接着剤の展開は負圧の漏れによる吸引によっ
て内周側への展開が速いので、図2(b)に示すよう
に、接着剤は内外周方向へ展開しながら、内周部で薄
く、外周部で厚い断面形状となり、従って、泡は厚さの
厚い外周側に移動し、その一部は外周側から抜け出るよ
うになる。一方、図2(c)に示すように、接着剤7の
内周側へ展開した部分も空気を巻き込み、新たに泡6を
発生することがある。この泡は展開がさらに進み、光デ
ィスクのスタンパーホルダー溝4a、5aを越えると、
スタンパーホルダー溝にトラップされる。従って、接着
剤がスタンパーホルダー溝を越えてさらに内周側に進ん
だところでスピンナーテーブル2を遠心力が接着剤に作
用するような、例えば2000rpm以上の高速で回転
させると、図2(d)に示すように、外周側の泡は接着
剤とともに両光ディスク4、5の界面から振り切られ、
一方、内周側の泡はスタンパーホルダー溝にトラップさ
れるので、膜厚が均一で、記録領域に泡がない光硬化性
接着剤層を形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した光デ
ィスク固定用真空吸着のための負圧の漏れの利用は、内
周側の真空吸着孔が1箇所であるため、接着剤の周方向
での吸引均一性に乏しく、光硬化性接着剤の内周側への
展開を連続かつ安定的に制御することが難しい。そのた
めに、スピンナーテーブルを高速回転に切り替えたとき
に、周方向のある位置では光硬化性接着剤がまだスタン
パーホルダー溝を乗り越えておらず、その結果、内周側
に泡の混入が多発したり、または逆にスピンナーテーブ
ルを高速回転に切り替えたときに、周方向のある位置で
は光硬化性接着剤が光ディスクの内周とセンターボスの
間の隙間に流れ込んで、光ディスクを不良にすることが
あった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、連
続かつ安定的に泡の混入のない光硬化性接着剤層を形成
し、貼り合わせ型の光ディスクを製造する方法およびそ
のための装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による光ディスク
の貼り合わせ方法は、光ディスクを真空吸着固定する真
空吸着手段および光ディスクの位置決め用センターボス
を有し、該センターボスの光ディスク内周面と対向する
面に複数の真空吸引孔が設けられている回転テーブル上
に1枚目の光ディスクを光入射面を下側にして真空吸着
固定する工程、前記回転テーブルを光硬化性接着剤層に
遠心力が作用しない第1の速度で回転させながら前記1
枚目の光ディスクの表面の所定の位置に光硬化性接着剤
を滴下して円環状の光硬化性接着剤層を形成する工程、
前記回転テーブルの回転を止め、前記1枚目の光ディス
クの上に2枚目の光ディスクを光入射面を上にして重ね
る工程、前記2枚目の光ディスクの重量により前記円環
状の光硬化性接着剤層を光ディスクの内周側および外周
側に展開させながら、該円環状の光硬化性接着剤層を2
枚の光ディスクの中心方向に真空吸引して円環の内側へ
展開させる第1展開工程、前記回転テーブルの回転速度
を前記円環状の光硬化性接着剤層に遠心力が作用する第
2の速度で回転させ、該遠心力によって、前記円環状の
光硬化性接着剤層を円環の外側に展開させる第2展開工
程、および光硬化性接着剤層に光を照射して硬化させる
工程、を有することを特徴とする。
【0009】ここで、前記第1展開工程を、前記円環状
の光硬化性接着剤層が前記1枚目および2枚目の光ディ
スクに設けられたスタンパーホルダー溝を越えて内側に
展開するまで行うことが好ましく、前記第1展開工程と
前記第2展開工程とで、前記真空吸引孔に印加する負圧
の大きさを変化させることが好ましい。
【0010】本発明による光ディスク貼り合わせ装置
は、光ディスクを位置決めするセンターボスおよび光デ
ィスクを真空吸着固定する手段を具えた回転可能なテー
ブルと、該回転可能なテーブル上に真空吸着固定された
1枚目の光ディスクの所定の位置に光硬化性接着剤を塗
布する手段と、塗布された光硬化性接着剤に光を照射し
て該接着剤を硬化させる手段とを具え、前記1枚目の光
ディスクとその上に載置された2枚目の光ディスクを前
記光硬化性接着剤によって貼り合わせる光ディスク貼り
合わせ装置において、前記センターボスの外周面に放射
状に開孔し、かつ負圧源に連通する複数の真空吸引孔を
有することを特徴とする。
【0011】ここで、前記センターボス外周面に開孔し
てる真空吸引孔からの真空吸引のための負圧を制御する
手段を有することが好ましい。
【0012】前記回転可能なテーブルの回転速度を制御
する手段を有することが好ましい。
【0013】さらに、光ディスクを前記回転可能なテー
ブル上に給送する手段を有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、光ディスクの
貼り合わせのための回転テーブルに、光ディスクの位置
決め用センターボスを有し、このセンターボスの光ディ
スク内周面と対向する面に複数の真空吸引孔が設けられ
ている回転テーブルを用いる。
【0015】そして、回転テーブルを光硬化性接着剤層
に遠心力が作用しない第1の速度で回転させながら1枚
目の光ディスクの表面の所定の位置に光硬化性接着剤を
滴下して円環状の光硬化性接着剤層を形成し、回転テー
ブルの回転を停止させて、1枚目の光ディスクの上に2
枚目の光ディスクを光入射面を上にして重ねる。その
後、2枚目の光ディスクの重量により円環状の光硬化性
接着剤層を光ディスクの内周側、外周側に展開させなが
ら、円環状の光硬化性接着剤層を2枚の光ディスクの中
心方向に真空吸引して円環の内側へ展開させ、回転テー
ブルの回転速度を円環状の光硬化性接着剤層に遠心力が
作用する第2の速度で回転させ、遠心力によって、円環
状の光硬化性接着剤層を円環の外側に展開させる。
【0016】本発明のこのような構成にによって、泡の
混入のない光硬化性接着剤層を持つ貼り合わせ光ディス
クを連続安定的に製造することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0018】比較例1 透明基板として、外径120mm、内径15mm、厚さ
0.6mmで、スタンパーホルダー溝を半径17mm〜
18mmに設けたポリカーボネート基板を用いた。ポリ
カーボネート基板の信号面側に記録層を形成し、その上
にDCマグネトロンスパッタリング法によって光半反射
層として平均厚さ60nmのアルミニウム膜を形成し
た。さらにその上に紫外線硬化剤SD−211(大日本
インキ化学(株)製)をスピンコート法によって4μm
の厚さに塗布し、紫外線照射装置で紫外線を照射して硬
化させて、保護層を形成した。この保護層まで形成した
第1の光ディスク単板を保護層面を上にして、中央理研
製スピンコータのスピンナーテーブルに真空吸着させ固
定した。このスピンナーテーブルは、図1に示したもの
で、外周部の溝と内周部の溝のそれぞれ1箇所に開孔す
る真空吸着孔を有するものである。真空吸着のための負
圧は大気圧に対して−350mmHgであった。次に2
0rpmの低速回転でスピンナーテーブルを回転させ、
常用の接着剤滴下装置を用いて、光ディスクの半径40
mmの位置に紫外線硬化型接着剤MPZ−1500(日
本化薬(株)製)(粘度、421cps)を、ドーナツ
状に3g滴下した。次にスピンナーテーブルの回転を止
め、第1の光ディスク単板の上に光半反射層が形成され
ていない第2の光ディスク単板を保護層面を下にして水
平に落下させた。
【0019】光硬化性接着剤は上側の光ディスクの重量
によって内周側、外周側へドーナツの幅を広げながら展
開した。この際、光硬化性接着剤の内周側への展開速度
は、内周端面部で観察される光ディスク固定用真空吸着
のための負圧の洩れによる吸引の影響で外側への展開速
度より速くなった。
【0020】泡は2枚目の光ディスクを接着面を下向き
にして落下させたときに光硬化性接着剤との接触面で発
生した。この泡は光硬化性接着剤が光ディスクの内周側
および外周側へ展開する際、光硬化性接着剤層の厚みの
厚い外周側へ移動した。
【0021】また、内周側へ展開した光硬化性接着剤の
先端形状は、綺麗なドーナツ状ではなかった、これは、
前述した内周部における光ディスク固定用真空吸着のた
めの負圧の漏れによる接着剤吸引の影響が円周方向で不
均一なためである。円周方向で不均一な理由は、図1に
示したスピンナーテーブルの構造、すなわち、テーブル
の内周部の溝に1個の真空吸着孔が設けられている構造
に起因する。
【0022】次に内周側へ展開した光硬化性接着剤の先
端が円周方向で全てスタンパーホルダー溝を乗り越えた
瞬間に、スピンナーテーブルを3000rpmの高速回
転で15秒回転させた。この際、内周側へ展開した光硬
化性接着剤の先端が円周方向で全てスタンパーホルダー
溝を乗り越える迄の時間を計測した。スピンナーテーブ
ルの高速回転による遠心力によって、2枚の光ディスク
に挟まれた光硬化性接着剤は光ディスクの外周側へ振り
切られ、余分な接着剤は光ディスク外周端から吐き出さ
れた。同時に、接着剤の外周側に移動していた泡も、余
分な接着剤とともに光ディスクの外周側に吐き出され、
信号面に厚さが均一で泡形成のない光硬化性接着剤層が
形成された。光ディスクの内周側へ展開した光硬化性接
着剤の先端が巻き込んだ泡は全てスタンパーホルダー溝
にトラップされた。
【0023】次に、上側の光ディスクを落下させてから
内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がスタンパーホ
ルダー溝を乗り越える迄の時間を含めた全ての条件を上
記と同じとし、40枚の光ディスク単板を使用して光硬
化性接着剤の光ディスク内周側への展開状況を観察し
た。その結果、5割の光ディスクについて、内周側へ展
開した光硬化性接着剤が円周方向の一部でスタンパーホ
ルダー溝を乗り越えない状態でスピンナーテーブルが高
速回転に入り、その結果、光ディスクの内周側で空気を
巻き込んで発生した泡がスタンパーホルダー溝にトラッ
プされず、信号面に多数の泡が残存していることが確認
された。その原因を調査した結果、光ディスクをスピン
ナーテーブルに真空吸着するための負圧が大気圧に対し
て−300〜−350mmHgの範囲で変動していたこ
とを見いだした。操業中のこの程度の変動は、図1に示
したスピンナーテーブルに対して通常の負圧源を使用し
た真空吸着では起こり得ることである。泡の発生は、内
周側の真空吸着孔が1箇所であるための、上述した負圧
の漏れによる接着剤吸引の円周方向の不均一性、下側の
光ディスクがスピンナーテーブル上に理想的な平面を保
って固定されず内周側で面だれを生じ、そのために上側
の光ディスクと非平行になること、光ディスクのスピン
ナーテーブルへのセット位置によって誘発される負圧の
振れがもたらす接着剤吸引の変動が重なって、連続安定
性に乏しい結果を与えたものである。
【0024】比較例2 図3に示すスピンナーテーブルを使用した以外は比較例
1と同様の実験を行った。図3のスピンナーテーブルの
図1のスピンナーテーブルとの差は、内周側の溝2eに
開孔する真空吸着孔3aを複数個とした点である。この
場合、2枚目の光ディスクを上から落下させた時、内周
側へ展開した光硬化性接着剤の先端形状は綺麗なドーナ
ツ状となった。これは光ディスク固定用真空吸着のため
の負圧の漏れによる接着剤吸引の影響が円周方向で均一
なためである。円周方向で均一な理由は内周側の真空吸
着孔3aを複数個としたためである。
【0025】次に内周側へ展開した光硬化性接着剤の先
端が円周方向で全てスタンパーホルダー溝を乗り越えた
瞬間に、スピンナーテーブルを3000rpmの高速回
転で15秒回転させた。この際、内周側へ展開した光硬
化性接着剤の先端が円周方向で全てスタンパーホルダー
溝を乗り越える迄の時間を計測した。スピンナーテーブ
ルの高速回転による遠心力によって、2枚の光ディスク
に挟まれた光硬化性接着剤は光ディスクの外周側へ振り
切られ、余分な接着剤は光ディスク外周端から吐き出さ
れた。同時に、接着剤の外周側に移動していた泡も、余
分な接着剤とともに光ディスクの外周側に吐き出され、
信号面に厚さが均一で泡形成のない光硬化性接着剤層が
形成された。光ディスクの内周側へ展開した光硬化性接
着剤の先端が巻き込んだ泡は全てスタンパーホルダー溝
にトラップされた。
【0026】次に、上側の光ディスクを落下させてから
内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がスタンパーホ
ルダー溝を乗り越える迄の時間を含めた全ての条件を上
記と同じとし、40枚の光ディスク単板を使用して光硬
化性接着剤の光ディスク内周側への展開状況を観察し
た。その結果、85%の光ディスクについて、内周側へ
展開した光硬化性接着剤がスタンパーホルダー溝を均一
に乗り越えてからスピンナーテーブルが高速回転に入
り、厚さが均一で、信号面に泡の形成のない光硬化性接
着剤層が形成されたことが確認された。この時の光ディ
スクをスピンナーテーブル面へ真空吸着するための負圧
は大気圧に対して−300〜−350mmHgの範囲で
変動していた。
【0027】比較例1と比較すると、連続安定性性に優
れているが製品歩留り100%には到達しなかった。そ
の理由は、比較例1と同様に、光ディスクの面だれ、セ
ット位置によって誘発される光ディスク真空吸着のため
の負圧の振れがもたらす接着剤吸引の変動が存在してい
たためである。
【0028】実施例1 図4に示すスピンナーテーブルを使用した以外は比較例
1と同様の実験を行った。図4のスピンナーテーブル
は、真空吸着のための負圧の漏れによれ吸引の変動の影
響を極力なくすために、センターボス2dの周面に放射
状に開孔する複数の真空吸引孔3dを形成し、この真空
吸引孔3dを排気路3eによって図示しない負圧源に連
通している。排気路3eと3cは同一の負圧源に連通さ
れてもよく、異なる負圧源に連通されてもよい。この場
合、2枚目の光ディスクを上から落下させた時、内周側
へ展開した光硬化性接着剤の先端形状は綺麗なドーナツ
状となった。これは2枚の光ディスクの間に挟まれた光
硬化性接着剤が内周側に円周方向に均一に引かれたため
である。円周方向で均一な理由はセンターボスに放射状
に開孔する複数の真空吸引孔3dを設けたためである。
【0029】次に内周側へ展開した光硬化性接着剤の先
端が円周方向で全てスタンパーホルダー溝を乗り越えた
瞬間に、スピンナーテーブルを3000rpmの高速回
転で15秒回転させた。この際、内周側へ展開した光硬
化性接着剤の先端が円周方向で全てスタンパーホルダー
溝を乗り越える迄の時間を計測した。スピンナーテーブ
ルの高速回転による遠心力によって、2枚の光ディスク
に挟まれた光硬化性接着剤は光ディスクの外周側へ振り
切られ、余分な接着剤は光ディスク外周端から吐き出さ
れた。同時に、接着剤の外周側に移動していた泡も、余
分な接着剤とともに光ディスクの外周側に吐き出され、
信号面に厚さが均一で泡形成のない光硬化性接着剤層が
形成された。光ディスクの内周側へ展開した光硬化性接
着剤の先端が巻き込んだ泡は全てスタンパーホルダー溝
にトラップされた。
【0030】次に、上側の光ディスクを落下させてから
内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がスタンパーホ
ルダー溝を乗り越える迄の時間を含めた全ての条件を上
記と同じとし、40枚の光ディスク単板を使用して光硬
化性接着剤の光ディスク内周側への展開状況を観察し
た。その結果、全ての光ディスクについて、内周側へ展
開した光硬化性接着剤がスタンパーホルダー溝を均一に
乗り越えてからスピンナーテーブルが高速回転に入り、
厚さが均一で、信号面に泡の形成のない光硬化性接着剤
層が形成されたことが確認された。この時のセンターボ
スに開孔している真空吸引孔3dからの負圧は大気圧に
対して−380mmHgで安定していた。
【0031】全ての貼り合わせ光ディスクに対し、図示
しない通常の光照射装置によって、スピンナーテーブル
上で光を照射して光硬化性接着剤を硬化させて、貼り合
わせが完了した。
【0032】以上の結果から、図4に示したスピンナー
テーブルを使用すると、真空吸引孔3dによって、光硬
化性接着剤を中心部へ向かって吸引するので光硬化性接
着剤の内周側への展開が均一に行われる。また、この吸
引は光ディスクの面だれを防ぎ、さらに、光ディスクの
セット位置による真空吸着のための負圧の洩れによる接
着剤吸引の変動の影響をなくし、連続安定性に優れてい
ることが確認された。
【0033】図4に示したスピンナーテーブルにおい
て、図3のテーブルと同様に内周側の真空吸着孔3aを
複数個としてもよい。
【0034】比較例3 実施例1と同じスピンナーテーブルを用いて、光ディス
クの貼り合わせを行った。ただし、光硬化性接着剤とし
て、粘度の低い紫外線硬化型接着剤MH7543(粘度
88cps)を使用した。この場合、センターボスに開
孔している真空吸引孔3dからの負圧を大気圧に対して
−380mmHgとすると、上側の光ディスクを落下さ
せてから、内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がス
タンパーホルダー溝を乗り越えるまでの時間が極端に短
くなり、光ディスクの内径の孔から接着剤がはみだすト
ラブルが発生した。
【0035】実施例2 図5に示すように、真空吸引孔3dからの負圧を調整す
るための負圧調整機構8をつけた以外は図4と同じスピ
ンナーテーブルを用い、比較例3と同じ光硬化型接着剤
を使用して光ディスクの貼り合わせを行った。負圧調整
機構は、例えば、バルブなどによって実現できる。真空
吸引孔3dからの負圧を大気圧に対して−250mmH
gに調整したところ、比較例3で生じたトラブルは発生
せず、満足な貼り合わせが行われた。
【0036】実施例3 図5に示したスピンナーテーブルを用い、実施例1と同
じ条件で光ディスクの貼り合わせを行った。上側の光デ
ィスクを落下させてから、内周側へ展開した光硬化性接
着剤の先端がスタンパーホルダー溝を乗り越える迄の
間、真空吸引孔3dからの負圧を大気圧に対して−40
0mmHgに調整し、光硬化性接着剤の先端がスタンパ
ーホルダー溝を乗り越えた後は、実施例1と同じ負圧−
380mmHgとしたところ、貼り合わせに要する時間
を1枚当たり2秒短縮することができた。
【0037】以上の比較例、実施例の結果を表1にまと
めて示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、上述した各実施例において、保護層
は一方の光ディスク単板にのみ設けられていてもよく、
あるいは両方の光ディスク単板に設けられていなくても
よい。
【0040】本発明の光ディスク貼り合わせ装置におい
て、下側および上側の光ディスク単板は通常の装置と同
様に、スピンナーテーブル上に自動給送されるとよい。
内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がスタンパーホ
ルダー溝を乗り越えた瞬間にスピンナーテーブルを高速
回転させるには、予め上側の光ディスクを落下させてか
ら、内周側へ展開した光硬化性接着剤の先端がスタンパ
ーホルダー溝を乗り越える迄の時間を計測しておき、そ
れによって定められたタイムチャートに従って、スピン
ナーテーブルの駆動系を駆動してもよいし、あるいは光
ディスクの透明性を利用してもよい。例えば、スタンパ
ーホルダー溝部に光を照射しておき、光硬化性接着剤の
先端がスタンパーホルダー溝を乗り越える際の反射率の
変化によってスピンナーテーブルの駆動系を自動的に制
御してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
泡の混入のない光硬化性接着剤層を持つ貼り合わせ光デ
ィスクを連続安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ディスク貼り合わせ装置の一例の概要
を示す断面図である。
【図2】泡の発生の様子を示す模式図である。
【図3】従来の光ディスク貼り合わせ装置の他の例の概
要を示す断面図である。
【図4】本発明による光ディスク貼り合わせ装置の一実
施例の概要を示す断面図である。
【図5】本発明による光ディスク貼り合わせ装置の他の
実施例の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 スピンナーテーブル 2d センターボス 2e、2f 溝 3a、3b 真空吸着孔 3d 真空吸引孔 4、5 光ディスク単板 6 泡 7 光硬化性接着剤 8 負圧調整機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクを真空吸着固定する真空吸着
    手段および光ディスクの位置決め用センターボスを有
    し、該センターボスの光ディスク内周面と対向する面に
    複数の真空吸引孔が設けられている回転テーブル上に1
    枚目の光ディスクを光入射面を下側にして真空吸着固定
    する工程、 前記回転テーブルを光硬化性接着剤層に遠心力が作用し
    ない第1の速度で回転させながら前記1枚目の光ディス
    クの表面の所定の位置に光硬化性接着剤を滴下して円環
    状の光硬化性接着剤層を形成する工程、 前記回転テーブルの回転を止め、前記1枚目の光ディス
    クの上に2枚目の光ディスクを光入射面を上にして重ね
    る工程、 前記2枚目の光ディスクの重量により前記円環状の光硬
    化性接着剤層を光ディスクの内周側および外周側に展開
    させながら、該円環状の光硬化性接着剤層を2枚の光デ
    ィスクの中心方向に真空吸引して円環の内側へ展開させ
    る第1展開工程、 前記回転テーブルの回転速度を前記円環状の光硬化性接
    着剤層に遠心力が作用する第2の速度で回転させ、該遠
    心力によって、前記円環状の光硬化性接着剤層を円環の
    外側に展開させる第2展開工程、および光硬化性接着剤
    層に光を照射して硬化させる工程、を有することを特徴
    とする光ディスクの貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】 前記第1展開工程を、前記円環状の光硬
    化性接着剤層が前記1枚目および2枚目の光ディスクに
    設けられたスタンパーホルダー溝を越えて内側に展開す
    るまで行うことを特徴とする請求項1に記載の光ディス
    クの貼り合わせ方法。
  3. 【請求項3】 前記第1展開工程と前記第2展開工程と
    で、前記真空吸引孔に印加する負圧の大きさを変化させ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディス
    クの貼り合わせ方法。
  4. 【請求項4】 光ディスクを位置決めするセンターボス
    および光ディスクを真空吸着固定する手段を具えた回転
    可能なテーブルと、該回転可能なテーブル上に真空吸着
    固定された1枚目の光ディスクの所定の位置に光硬化性
    接着剤を塗布する手段と、塗布された光硬化性接着剤に
    光を照射して該接着剤を硬化させる手段とを具え、前記
    1枚目の光ディスクとその上に載置された2枚目の光デ
    ィスクを前記光硬化性接着剤によって貼り合わせる光デ
    ィスク貼り合わせ装置において、 前記センターボスの外周面に放射状に開孔し、かつ負圧
    源に連通する複数の真空吸引孔を有することを特徴とす
    る光ディスク貼り合わせ装置。
  5. 【請求項5】 前記センターボス外周面に開孔してる真
    空吸引孔からの真空吸引のための負圧を制御する手段を
    有することを特徴とする請求項4に記載の光ディスク貼
    り合わせ装置。
  6. 【請求項6】 前記回転可能なテーブルの回転速度を制
    御する手段を有することを特徴とする請求項4または5
    に記載の光ディスク貼り合わせ装置。
  7. 【請求項7】 光ディスクを前記回転可能なテーブル上
    に給送する手段を有することを特徴とする請求項4から
    6のいずれかに記載の光ディスク貼り合わせ装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999024239A1 (en) * 1997-11-12 1999-05-20 First Light Technology, Inc. System and method for distributing a resin disposed between a top substrate and a bottom substrate
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