JP4165635B2 - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光硬化性接着シート、特にDVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、ハードディスク等の大容量の文字、音声、動画像等の情報をデジタル信号として記録された及び/又は記録可能な光情報記録媒体等の製造工程で有利に使用することができる光硬化性接着シート、及びこれを用いた光情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号として表面にピットが形成された記録済み光情報記録媒体として、CD−ROM広く使用されているが、最近、動画像の記録も可能な両面にピット記録がなされたDVDが、CDの次世代記録媒体として注目され、徐々に使用されるようになってきている。またピット及びグルーブが形成されたユーザが記録可能なCD−R、DVD−R、DVD−RW等も注目されている。ユーザが記録可能な媒体として、さらに、光磁気ディスク、ハードディスク等も知られている。
【0003】
例えば、両面読み出しDVDの製造は、前記信号ピットの凹凸が雄雌反対の凹凸を有するスタンパを用いて、ポリカーボネート樹脂を溶融し、射出成形することにより表面に凹凸を有する透明樹脂基板を作製し、この凹凸表面にアルミニウム等の金属をスパッタリング等により蒸着することによって反射層を形成し、この反射層が形成された透明樹脂基板2枚を反射層を対向させて接着剤で貼り合わせることにより行われていた。このような接着剤には、一般に液状の紫外線硬化性樹脂が使用される。
【0004】
上記DVD等の光情報記録媒体の製造では、上記のように基板の接着等の接着工程が通常必要である。光情報記録媒体は光により情報の記録、読み出しを行うため、得られる基板の厚さが均一であり、反り等の変形が無く、さらに透明であることが要求される。前記の液状の紫外線硬化性樹脂を接着剤として用いた場合、得られる接着剤層は、透明性は良好であるが硬化収縮が大きく、反り等が発生しやすいため、寸法安定性が問題となる場合がある。
【0005】
特開平11−273147号公報には、表面に凹凸を有する射出成形基板と透明フィルムを接着するために、液状の紫外線硬化樹脂に加えて、感圧性粘着シート、或いはドライフォトポリマーを使用している。しかしながら、ドライフォトポリマーは透明性が低く好ましくない旨記載されいる。
【0006】
一方、記録すべき情報量の増大に伴い、現在使用されているDVDよりも記憶容量の大きい新たな光情報記録媒体も提案されている。その実現のためには信号ピット、グルーブを小さくするだけでなく、信号読み取りのための再生用レーザ(或いは書き込み用レーザ)の波長も短くする必要があり、波長が短くなることによってピット面までの距離が短くなることから、光情報記録基板の厚さを小さくする必要もある。このため使用される接着剤の層も薄くすることが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる点に鑑みなされた本発明は、光情報記録媒体の作製に有利に使用することができる光硬化性接着シートを提供することをその目的とする。
【0008】
また、本発明は、寸法安定性に優れ、高い透明性を有する光硬化性接着シートを提供することをその目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、上記光硬化性接着シートを用いて光情報記録媒体を製造する方法を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、記録ピット及び/又はグルーブとして表面に凹凸を有する光情報記録基板2枚を、各凹凸表面を対向させて、光硬化性接着シートを介して押圧し、次いで光硬化させる工程を含む光情報記録媒体の製造方法であり、
上記光硬化性接着シートとして、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有する反応性アクリル樹脂を含み且つガラス転移温度が20℃以下である光硬化性組成物からなり、そして380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上である光硬化性接着シートを使用することを特徴とする製造方法により達成することができる。
【0011】
上記光硬化性接着シートにおいて、反応性ポリマーのガラス転移温度が20℃以下であることが好ましい。これにより常温での押圧により凹凸の形成が容易となる。光硬化性接着シートは380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上であることが好ましい。また好ましくは380〜600nm、特に380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上であることが好ましい。これにより得られる媒体にレーザによる信号の読み取りを行った場合に、エラーの無い操作が保証される。上記光硬化性接着層の硬化収縮率が8%以下であることが好ましい。
【0012】
また、反応性ポリマーが、光重合性官能基を1〜50モル%含むことが好ましい。特に好ましい反応性ポリマーは、光重合性基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂である。光硬化性組成物は一般に光重合開始剤を0.1〜10質量%含んでいる。また光硬化性接着層の厚さが5〜300μmであることが好ましい。光硬化性接着シートの少なくとも一方の表面に(特に両面に)剥離シートが貼り付けられていることが好ましい。
【0014】
上記方法において、押圧を減圧下にて行うこと、また押圧を常温で行うことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の光硬化性接着シートの実施形態の一例を示す断面図である。
【0017】
図1は本発明で使用される光硬化性接着シート11の実施形態の一例を示す断面図である。光硬化性接着シート11は、両面に剥離シート12a,12bを有する。剥離シートは一方のみでも、無くても良い。使い方により適宜設定される。両面に剥離シートを設けることにより、取り扱いが容易となり有利である。
【0018】
図1において、光硬化性接着シート11は、例えば光情報記録基板の凹凸表面を押圧することにより、その凹凸表面に精確に沿って変形することが可能な層であり、ガラス転移温度が20℃以下である光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む光硬化性組成物から主として構成されている。また再生レーザにより読み取りが容易なように380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上である層である。特に、380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上であることが好ましい。従って、この接着シート用いて作製される光情報記録媒体は380〜420nmの波長のレーザを用いてピット信号を再生する方法に有利に使用することができる。
【0019】
本発明の光硬化性接着シートは、上記のように常温でも圧着可能なように可撓性を有するものであるので、極めて使いやすいことから、CD、DVD、CD−R、DVD−R、DVD−RW、光磁気ディスク、ハードディスク等の情報記録分野の媒体だけでなく、種々の用途に広く使用することができる。特に精密な接着を必要とする分野に適しており、例えば、電化製品、家具、自動車、楽器、スポーツ用具、包装材等の製造に使用することができる。
【0020】
上記光硬化性接着シートを用いて、光情報記録媒体を、例えば下記の図2に示すように製造することができる。
【0021】
剥離シート12aを除去した光硬化性接着シート11を用意する。表面に記録ピットとしての凹凸を有する光情報記録基板21の該凹凸表面の反射層23(一般にAl、Ag等の高反射率の反射層)上に、剥離シートの無い側を対向させて光硬化性接着シート11を押圧する。これにより光硬化性接着シートの表面が該凹凸表面に沿って密着された積層体(12b、11,23,21からなる)を形成する。この積層体から剥離シート12bを除去する。
【0022】
次いで、表面に記録ピットとしての凹凸を有する別の光情報記録基板24の該凹凸表面の反射層(又は半透明反射層)25を、剥離シート12bを除去した未硬化の光硬化性接着シート11の表面(基板と接触していない側の表面)に押圧する。光硬化性接着シート11の表面が光情報記録基板24の凹凸表面に沿って密着された積層体(21,23,11,24、25からなる)を形成し、そしてこの積層体の光硬化性転写シートを紫外線照射により硬化させた。これにより光情報記録媒体を得る。
【0023】
或いは、図3に示すように、表面に記録ピットとしての凹凸を有する光情報記録基板21の該凹凸表面の反射層23上に、剥離シートの無い側を対向させて光硬化性接着シート11を裁置した後、押圧せずに、剥離シート12bを除去し、次いでその上に別の光情報記録基板24を裁置し、これらを一度に押圧して、光硬化性接着シート11の表面が2枚の光情報記録基板24の2つの凹凸表面に沿って密着された積層体を形成し、そしてこの積層体の光硬化性転写シートを紫外線照射により硬化させても良い。
【0024】
また、上記工程において、別の光情報記録基板の代わりに保護用のポリマーシートを貼り付けても良い。この場合凹凸面は1面のみである。或いは表面に記録ピットとしての凹凸を有する光情報記録基板の該凹凸表面の反射層上に、(光硬化性又は粘着性)転写シートを貼り、その上にスタンパを押圧して凹凸を形成し(必要により硬化させ)、凹凸面を2層有する基板を作製し、その露出した凹凸面上に光硬化性接着シートを介して保護用のポリマーシートを貼り付けても良い。
【0025】
上記方法においては、再生専用の光情報記録媒体の製造について説明したが、記録可能な光情報記録媒体についても同様に行うことができる。記録可能な光情報記録媒体の場合、グルーブ或いはグルーブ及びピットを有しており、この場合反射層及び半透明反射層の代わりに金属記録層(色素記録層の場合は記録層及び反射層)が設けられる。それ以外は上記と同様に光情報記録媒体を製造することができる。
【0026】
光情報記録基板は、従来の射出成形法で作製しても良いし、本発明の光硬化性接着シート、粘着シート等にスタンパを押圧して作製しても良い。これにより300μm以下の薄い基板とすることができる。
【0027】
上記製造方法において、光硬化性接着シートを基板に押圧する際、或いは光情報記録基板二枚を、反射層同士を対向させて配置し、接着シートを介して重ね合わせる際に、減圧下に押圧或いは重ね合わせを行うことが好ましい。これにより、気泡の除去等が円滑に行われる。
【0028】
上記減圧下の押圧は、例えば、減圧下に2個のロール間に、基板と光硬化性接着シート、或いは基板/接着シート/基板を通過させる方法;あるいは真空成形機を用い、基板を型内に裁置し、減圧しながら光硬化性接着シートを基板に圧着させる方法、或いは基板を型内に裁置し、減圧しながら光硬化性接着シート及び基板を前記基板に圧着させる方法を挙げることができる。
【0029】
また、二重真空室方式の装置を用いて減圧下の押圧を行うことができる。図4を参照しながら説明する。図4には二重真空室方式のラミネータの一例が示されている。ラミネータは下室41、上室42、シリコーンゴムシート43、ヒータ45を備えている。ラミネータ内の下室41に、凹凸を有する基板及びその上に裁置された光硬化性接着シートからなる積層体(又は基板/接着シート/基板の積層体)49を置く。上室42及び下室41共に排気する(減圧する)。積層体49をヒータ45で加熱し、その後、下室41を排気したまま上室42を大気圧に戻し、積層体を圧着する。冷却して積層体を取り出し、次工程に移す。これにより排気時に脱泡が十分に行われ、気泡の無い状態で、基板と光硬化性接着シートとを圧着することができる。
【0030】
本発明の光硬化性接着シートの光硬化性接着層はガラス転移温度が20℃以下である光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなる。光硬化性組成物は、一般に、上記光重合性官能基を有する反応性ポリマー、光重合性官能基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する化合物(モノマー及びオリゴマー)、光重合性開始剤及び、所望により他の添加剤から構成される。
【0031】
光重合性官能基を有する反応性ポリマーとしては、例えばアルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体(即ちアクリル樹脂)で、且つ、主鎖又は側鎖に光重合性官能基を有するものを挙げることができる。このような重合体は、例えば1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(例、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応し且つ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。したがって、光重合性官能基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂が好ましい。
【0032】
本発明の上記反応性ポリマーは、光重合性官能基を一般に1〜50モル%、特に5〜30モル%含むことが好ましい。この光重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が好ましく、特にアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0033】
またこの反応性ポリマーのガラス転移温度は、一般に20℃以下であり、ガラス転移温度を20℃以下とすることにより、得られる光硬化性接着層がスタンパの凹凸面に圧着されたとき、その凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃の範囲にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
【0034】
さらに、本発明の反応性ポリマーは、一般に数平均分子量が5000〜1000000、好ましくは10000〜300000であり、また重量平均分子量が一般に5000〜1000000、好ましくは10000〜300000であることが好ましい。
【0035】
光重合性官能基を有する化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4'−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2'−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合可能な官能基を有する化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
【0036】
光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。光硬化性組成物中に、光重合開始剤を一般に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含むことが好ましい。
【0037】
光重合開始剤のうち、アセトフェノン系重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1など、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンッゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどが使用できる。
【0038】
アセトフェノン系重合開始剤としては、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。また、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。以上のように、光重合開始剤の成分としては、上記の3成分を組み合わせることにより使用する。
【0039】
本発明の光硬化性接着シートがガラス転移温度が20℃以下で、380〜420nmの波長の光に対して透過率70%以上を満たすように、光硬化性組成物を設計することが好ましい。このため、上記光重合可能な官能基を有する化合物及び光重合開始剤に加えて、所望により下記の熱可塑性樹脂及び他の添加剤を添加することが好ましい。
【0040】
上記反応性ポリマー:光重合可能な官能基を有する化合物:光重合開始剤の質量比は、一般に、40〜100:0〜60:0.1〜10、特に60〜100:0〜40:1〜10から好ましい。
【0041】
他の添加剤として、シランカップリング剤(接着促進剤)を添加することができる。このシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらシランカップリング剤の添加量は、上記反応性ポリマー100重量部に対し通常0.01〜5重量部で十分である。
【0042】
また同様に接着性を向上させる目的でエポキシ基含有化合物を添加することができる。エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;アクリルグリシジルエーテル;2−エチルヘキシルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;フェノールグリシジルエーテル;p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル;アジピン酸ジグリシジルエステル;o−フタル酸ジグリシジルエステル;グリシジルメタクリレート;ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有した分子量が数百から数千のオリゴマーや重量平均分子量が数千から数十万のポリマーを添加することによっても同様の効果が得られる。これらエポキシ基含有化合物の添加量は上記反応性ポリマー100重量部に対し0.1〜20重量部で十分で、上記エポキシ基含有化合物の少なくとも1種を単独で又は混合して添加することができる。
【0043】
さらに他の添加剤として、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0044】
アクリル樹脂も添加することができる。例えば、アルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体を挙げることができる。またこれらのモノマーと、他の共重合可能なモノマーとの共重合体も挙げることができる。特に、光硬化時の反応性や硬化後の耐久性、透明性の点からポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
【0045】
上記炭化水素樹脂等のポリマーの添加量は適宜選択されるが、上記反応性ポリマー100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、より好ましくは5〜15重量部である。
【0046】
以上の添加剤の他、本発明の光硬化性組成物は紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を少量含んでいてもよい。また、場合によってはシリカゲル、炭酸カルシウム、シリコン共重合体の微粒子等の添加剤を少量含んでもよい。
【0047】
本発明の光硬化性組成物からなる光硬化性接着シートは、上記反応性ポリマー、光重合可能な官能基を有する化合物(モノマー及びオリゴマー)及び、所望により他の添加剤とを均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形状に製膜して用いることができる。支持体を用いる場合は、支持体上に製膜する必要がある。より好ましい本発明の光硬化性接着剤の製膜方法は、各構成成分を良溶媒に均一に混合溶解し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコートしたセパレーターにフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコート法等により支持体上に塗工し、溶媒を乾燥することにより製膜する方法である。
【0048】
なお、製膜に際してはブロッキング防止、支持体或いはスタンパとの圧着時の脱気を容易にするため、エンボス加工を施してもよい。エンボス加工の方法としては公知の手法が採用でき、例えばエンボスロールでの型付け等がある。また、溶液塗工法の場合、離型性を有するエンボスフィルム(紙)上に塗工することにより、そのエンボスを転写することができる。このエンボスの平均粗さ(Ra)は50μm以下、より好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.1〜20μmの凸凹を形成することが好ましく、これによりデバイスとの接着面において空気が抜け易く、デバイス表面の複雑な凸凹を埋めることが可能である。0.01μmより小さいと脱気不良を起こし易く、また50μmより大きいと仮圧着時に凸凹が残ってしまうこともある。
【0049】
また、光硬化性接着層の厚さは一般に1〜1200μm、さらに5〜500μm、特に5〜300μmとすることが好ましい。1μmより薄いと封止性が劣り、透明樹脂基板の凸凹を埋め切れない場合が生じる。一方、1000μmより厚いと記録媒体の厚みが増し、記録媒体の収納、アッセンブリー等に問題が生じるおそれがあり、更に光線透過に影響を与えるおそれもある。
【0050】
本発明で使用される剥離シートの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に30〜100μmが好ましい。
【0051】
表面に凹凸を有する基板の材料としてはとしては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが転写性、複屈折の点で優れており、好適に用いることができる。厚さは200〜2000μmが好ましく、特に500〜1500μmが好ましい。
【0052】
保護用のポリマーフィルムの材料としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが転写性、複屈折の点で優れており、好適に用いることができる。厚さは10〜200μmが好ましく、特に50〜100μmが好ましい。
【0053】
こうして得られる本発明に光硬化性接着シートは、ガラス転移温度が20℃以下である反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなるものであるが、さらに光硬化性接着層の380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上であることが好ましい。即ち、ガラス転移温度が20℃以下とすることにより、光硬化性接着シートが基板の凹凸面に圧着されたとき、常温でもその凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃の範囲にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力及び高温が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
【0054】
光硬化性接着シートは380〜420nm(好ましくは380〜800nm)の波長領域の光透過率が70%以上であり、これはレーザによる読み取り信号の強度低下を防止するためである。さらに380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上であることが好ましい。
【0055】
光硬化性組成物中の反応性ポリマーには重合性官能基を1〜50モル%有することが好ましい。これにより、得られる光硬化性接着層が、硬化後に形状保持可能な強度得ることができる。光重合開始剤は前記のように0.1〜10質量%の範囲が好ましく、これより少ないと硬化速度が遅すぎて、作業性が悪く、多すぎると凹凸或いは粗面への追随性が低下する。
【0056】
本発明に光硬化性接着シートは、膜厚精度を精密に制御したフィルム状で提供することができるため、基板等の凹凸面との貼り合わせを容易にかつ精度良く、貼り合わせが可能である。また、この貼り合わせは、圧着ロールや簡易プレスなどの簡便な方法で20〜100℃で仮圧着した後、光により常温、1〜数十秒で硬化できる上、本接着剤特有の自着力により形成された積層体にズレや剥離が起き難いため、光硬化まで自由にハンドリングができるという特徴を有している。
【0057】
本発明の光硬化性接着シートを硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。
【0058】
また、硬化促進のために、予め積層体を30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
【0059】
本発明の光情報記録媒体の製造方法において、これらの作業は通常シート状で連続的に行われ、最後に円盤状に打ち抜かれるが、貼り合わせ前に打ち抜いて円盤状で処理してもよい。
【0060】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明ついてさらに詳述する。
[実施例1]
<光硬化性接着シートの作製>
(反応性ポリマーの作製)
配合I
2−エチルヘキシルメタクリレート 70質量部
メチルメタクリレート 20質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10質量部
ベンゾフェノン 5質量部
トルエン 30質量部
酢酸エチル 30質量部
上記の配合の混合物を、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、この温度で10時間撹拌し、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)5質量部を添加し、窒素雰囲気下で穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、光重合性官能基を有する反応性ポリマーの溶液1を得た。
【0061】
得られた反応性ポリマーは、Tgが0℃であり、側鎖にメタクリロイル基を5モル%有していた。
【0062】
配合II
反応性ポリマー溶液1 100質量部
トリシクロデカンジアクリレート 30質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1質量部
上記配合の混合物を均一に溶解させ、剥離シート(厚さ75μm;商品名No.23、藤森工業(株)製)上に、塗布し、乾燥厚さ25±2μmの光硬化性接着層を形成した。これにより、厚さ100±2μmの光硬化性接着シートを得た。
【0063】
<一方の反射層付き光情報記録基板の作製>
光硬化性転写シートとして、上記光硬化性接着シートと同様にして作製し、接着シートより厚い乾燥厚さ100μmのものを作製した。
【0064】
上記光硬化性転写シートを用いて、ピットとしての凹凸面を有するニッケル製のスタンパのその凹凸面に、シリコーンゴム製のローラを用いて2kgの荷重で光硬化性接着シートを押圧し、積層体を形成し、スタンパの凹凸形状を転写シート表面に転写した。
【0065】
次に、光硬化性接着シート側から、メタルハライドランプを用いて、積算光量1000mJ/cmの条件でUV照射し、接着シートを硬化させた。
【0066】
積層体からスタンパを剥離、除去し、硬化した光硬化性接着シート(光情報記録基板)の凹凸面上に銀合金をスパッタリングすることにより、銀合金の半透過反射層を形成した。反射層付き光情報記録基板を得た。
【0067】
<他方の反射層付き光情報記録基板の作製)
ピットとしての凹凸面を有する金型に、ポリカーボネートを溶融、固化させることにより、厚さ1100μmの光情報記録基板を成形した。成形された凹凸面上にアルミニウムをスパッタリングすることによりAl反射層を形成した。他方の反射層付き光情報記録基板を得た。
【0068】
<光情報記録媒体の作製>
上記で得られた2枚の反射層付き光情報記録基板の一方の反射層に、上記でえられた光硬化性接着シートを、2枚の反射層付き光情報記録基板を反射層同士で貼り合わせ、メタルハライドランプを用いて、積算光量1000mJ/cmの条件でUV照射し、接着シートを硬化させた。これにより光情報記録媒体(DVD)を得た。
【0069】
[実施例2]
<光硬化性接着シートの作製>
(反応性ポリマーの作製)
配合I’
n−ヘキシルメタクリレート 50質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50質量部
ベンゾフェノン 5質量部
トルエン 30質量部
酢酸エチル 30質量部
上記の配合の混合物を、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、この温度で10時間撹拌し、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)50質量部を添加し、穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、光重合性基を有する反応性ポリマーの溶液2を得た。
【0070】
得られた反応し高分子は、Tgが5℃であり、側鎖にメタクリロイル基を50モル%有していた。
【0071】
配合II’
反応性ポリマー溶液2 100質量部
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 10質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1質量部
上記配合の混合物を均一に溶解させ、剥離シート(厚さ75μm;商品名No.23、藤森工業(株)製)上に、塗布し、乾燥厚さ25±2μmの光硬化性接着層を形成した。これにより、厚さ100±2μmの光硬化性接着シートを得た。
【0072】
以下の、一方の反射層付き光情報記録基板及び他方の反射層付き光情報記録基板の作製、そして光情報記録媒体の作製は実施例1と同様にして行い、これにより光情報記録媒体(DVD)を得た。
【0073】
[比較例1]
実施例1において、一方の反射層付き光情報記録基板の作製を下記のように行った以外同様にして光情報記録媒体を得た。
【0074】
(一方の反射層付き光情報記録基板の作製)
ピットとしての凹凸面を有するスタンパに、ポリカーボネートを溶融、固化することにより、厚さ100±2μmの光情報記録基板を成形した。
光情報記録基板の凹凸面上に銀合金をスパッタリングすることにより、銀合金の半透過反射層を形成した。反射層付き光情報記録基板を得た。
【0075】
<光情報記録媒体の作製>
上記で得られた2枚の反射層付き光情報記録基板の一方の反射層に、市販の光硬化性液状接着剤(SD−661、大日本インキ化学工業(株)製 )をスピンコート法で塗布し、2枚の反射層付き光情報記録基板を反射層同士で貼り合わせ、接着剤を光硬化した。これにより光情報記録媒体(DVD)を得た。
【0076】
<光情報記録基板及び光情報記録媒体の評価>
(1)光線透過率(380〜800nmの波長領域)
光硬化性接着シートを、JIS−K6717に従い380〜800nmの波長領域の光線透過率を測定した。70%以上を○、70%未満を×とした。
【0077】
(2)光線透過率(380〜420nmの波長領域)
光硬化性接着シートを、JIS−K6717に従い380〜420nmの波長領域の光線透過率を測定した。80%以上を○、80%未満を×とした。
【0078】
(3)ランド部粗さ
ピットが形成された表面のランド部表面の平滑性を、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて評価した。十分に平滑なものを○、著しく平滑性に欠けるものを×とした。
【0079】
(4)信号読み取り
得られた光情報記録媒体の再生波形を、波長405nmのレーザを用いて測定し、得られた再生波形と製造に用いたスタンパの波形と比較した。スタンパの波形と一致しているものを○、ほとんど一致していないものを×とした。
【0080】
得られた試験結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0004165635
Figure 0004165635
Figure 0004165635
Figure 0004165635
Figure 0004165635
【0082】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の光硬化性接着シートは、光情報記録媒体の基板の凹凸面に押圧することにより、その凹凸面に沿って精確に接着することができる。このため、得られる光情報記録媒体においては、基板の接着が凹凸面に完全に密着しているので、接着による信号面への悪影響は無い。したがって、こうして得られる光情報記録媒体は、再生の際のエラーの発生がほとんどないとの優れた特性を有する。
【0083】
また、本発明の光情報記録媒体の製造における接着では、光硬化性接着シートを使用して軟化による変形で基板と密着させ、硬化させるため、厚さが300μm以下の薄い層での接着が可能であり、さらに通常の光硬化性樹脂に比べて透明性が高く、さらにまた硬化収縮が小さく寸法安定性に優れていることから、反り等の変形がほとんどない光情報記録媒体を作製することができる。
【0084】
例えば、本発明の光硬化性接着シートは、厚さの薄い層(例えば25μmで厚めムラ±2μm)を、接着層として用いているため、紫外線硬化性の液状樹脂をスピンコート塗布して接着層を形成した場合(この場合、一般に±5μmの厚みムラ)に比べて、形成される層の厚み精度にも優れており、これは上記寸法安定性の向上等につながる。
【0085】
本発明の光硬化性接着シートは、上記のような優れた特性を有するものであるので、上記光情報記録媒体の作製のための接着のみならず、あらゆる分野の接着に利用することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光硬化性接着シートの実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体の製造方法の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の光情報記録媒体の製造方法の別の一例を示す断面図である。
【図4】二重真空室方式の装置を用いた押圧法を説明するための該略図である。
【符号の説明】
11 光硬化性接着シート
12a,12b 剥離シート
23 反射層
21,24 光情報記録基板
25 半透明反射層

Claims (10)

  1. 記録ピット及び/又はグルーブとして表面に凹凸を有する光情報記録基板2枚を、各凹凸表面を対向させて、光硬化性接着シートを介して押圧し、次いで光硬化させる工程を含む光情報記録媒体の製造方法であり、
    上記光硬化性接着シートとして、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有する反応性アクリル樹脂を含み且つガラス転移温度が20℃以下である光硬化性組成物からなり、そして380〜420nmの波長領域の光透過率が70%以上である光硬化性接着シートを使用することを特徴とする製造方法
  2. 該押圧を減圧しながら行う請求項1に記載の製造方法。
  3. 該押圧を常温で行う請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 反応性ポリマーのガラス転移温度が20℃以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 380〜420nmの波長領域の光透過率が80%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 反応性ポリマーが、光重合性官能基を1〜50モル%含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 光硬化性組成物が、光重合開始剤を0.1〜10質量%含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 光硬化性接着シートの厚さが5〜300μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 光硬化性接着シートの少なくとも一方の表面に剥離シートが貼り付けられている請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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