JP4070440B2 - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disc)等の大容量の文字、音声、動画像等の情報をデジタル信号として記録された、複数の信号ピット形成面を有する光情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル信号として表面にピット形成された記録済み光情報記録媒体として、オーディオ用CD、CD−ROMが広く使用されているが、最近、動画像との記録も可能な両面にピット記録がなされたDVDが、CDの次世代記録媒体として注目され、徐々に使用されるようになってきている。
【0003】
両面に記録層を持つDVDには、図4に示すようにそれぞれ片面に信号ビットを形成した2枚の透明樹脂基板1,2の該信号ビット形成面にそれぞれ反射層1a,2aを形成し、これら反射層1a,2aを互いに対面させた状態で基板1,2を接着剤層3を介して貼り合わせ、接合した両面読み出し方式のもの、及び、図5に示すように、それぞれ片面に信号ビットを形成した基板1,2において、一方の基板1の信号ビット面に半透明層1bを形成すると共に、他方の基板2の信号ビット面に反射層2aを形成し、これら半透明層1bと反射層2aとを対向させた状態で基板1,2を接着剤層3を介して貼り合わせ、接合した片面読み出し方式のものとが知られている。
【0004】
両面読み出しDVDの製造は、従来前記信号ピットの凹凸が雄雌反対の凹凸を有するスタンパを用いて、ポリカーボネート樹脂を溶融し、射出成形することにより表面に凹凸を有する透明樹脂基板を作製し、この凹凸表面にアルミニウム等の金属をスパッタリング等により蒸着することによって反射層を形成し、この反射層が形成された透明樹脂基板2枚を反射層を対向させて接着剤で貼り合わせることにより行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、DVDの透明樹脂基板(光情報記録基板)は、スタンパを用いたポリカーボネートの射出成形により得られるが、このような射出成形によるピット形成は、特に厚さが300μm以下の薄い基板の場合には、スタンパからポリカーボネート樹脂へのピット形状の転写の精度が低下するとの問題があることを、本発明者は見出した。
【0006】
DVD(DVD−ROM等)は、一方の側から読める信号面は2面までである。今後記録すべき情報量の増大が予測される。しかしながら、上記射出成形による製法では、薄い基板での精度の高いピット形状の転写が困難なため、多層化することにより光情報記録媒体の厚さが大きくなりすぎる。従って、従来の方法には、多層型光情報記録媒体の製造は困難との問題が潜在している。
【0007】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、多数の信号面を有し且つ厚さの薄い多層型光情報記録媒体を提供することをその目的とする。
【0008】
特に片面再生方式で3面以上の信号面を有する多層型光情報記録媒体を提供することをその目的とする。
【0009】
また、上記光情報記録媒体の製造方法を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、表面に記録ピットとしての凹凸を有し、さらにその凹凸表面に形成された反射層を有する光情報記録基板3枚以上を、支持基板上に、反射層が支持体と対向するように接着剤層を介して順次積層して、貼り合わせてなる光情報記録媒体であって、
前記全ての光情報記録基板の、少なくとも凹凸表面を含む層(即ち凹凸表面とこれに接する近傍層)が、ガラス転移温度が20℃以下である光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなる光硬化性層の硬化被膜により形成されていることを特徴とする光情報記録媒体により達成することができる。
【0011】
上記反射層は、支持体側に近い方から遠い方にかけて、透過性が増大するように設定されている。即ちレーザにより全ての記録面が読めるように設定される。また光硬化性層は380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上であることが好ましい。これによりレーザによる信号の読み取りを行った場合に、エラーの無い操作が保証される。
【0012】
上記光硬化性層の硬化収縮率が8%以下であることが好ましい。これによりピット形状の変動を最小限に抑えることができる。反応性ポリマーが、光重合性官能基を1〜50モル%含むことが、適当な硬化性、硬化被膜強度を得る上で好ましい。光重合性官能基が、(メタ)アクリロイル基であることが、硬化性の点で好ましい。光硬化性組成物が、光重合開始剤を0.1〜10質量%含むことが適当な硬化性を得る上で好ましい。光硬化性層の厚さが5〜500μmであることが、作業性の点から好ましい。接着剤層側の支持体の表面に、記録ピットとしての凹凸を有し、さらにその凹凸表面に形成された反射層を有することもできる。
【0013】
前記目的は、記録ピットとして表面に凹凸を有するスタンパの該凹凸表面に、前記のいずれかの光硬化性層を有する光硬化性転写シートを、該光硬化性転写層が該凹凸表面に接触するように裁置し、これらを押圧して該光硬化性転写層が該凹凸表面に沿って密着されてなる積層体を形成し、次いで該光硬化性転写層に光照射して硬化させ、その後スタンパを除去することにより表面に記録ピットの凹凸面を有する光情報記録基板を製造し、
前記のようにして製造することにより、記録ピットの異なる光情報記録基板を3枚以上用意し、各基板の凹凸表面に反射層を形成した後、全ての光情報記録基板を支持体上に、反射層が支持体と対向するように順次重ね合わせ、接着剤によりこれら貼り合わせることからなる光情報記録媒体の製造方法により解決することができる。
【0014】
光情報記録媒体で述べた好ましい態様を、上記光情報記録媒体の製造方法にも適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明の光情報記録媒体に用いられる光情報記録基板は、例えば図1に示すように製造することができる。
【0017】
本発明の光硬化性層に当たる光硬化性転写シート11と、表面に記録ピットとしての凹凸を有するスタンパ12とを、光硬化性転写シート11と凹凸面とが対向するようにして配置し、重ね合わせ、光硬化性転写シート11と凹凸面が完全に密着するように押圧して光硬化性転写シート11とスタンパ12とからなるの積層体を形成する。その後、シート上からUV(紫外線)を照射して、光硬化性転写シート11を硬化させる。次いでスタンパ12を除去して光情報記録基板13を得る。
【0018】
本発明で使用される光硬化性転写シートは、光硬化性層のみからなるか、或いは、支持体とその上に設けられた光硬化性層とからなるものでもよい。従って、光硬化性転写シートは、本発明の光情報記録媒体においては光硬化性層又は支持体と光硬化性層に相当する。光硬化性層は、スタンパの凹凸表面を押圧により精確に転写できるように、ガラス転移温度が20℃以下である反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなり、さらに好ましくは再生レーザにより読み取りが可能なように380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上である層である。特に、380〜800nmの波長領域の光透過率が80%以上である層が好ましい。従って、この転写シート用いて作製される本発明の光情報記録媒体は380〜420nmの波長のレーザを用いてピット信号を再生する方法に有利に使用することができる。
【0019】
本発明では、記録ピットである凹凸形状を、光硬化性転写シート11とスタンパ12を100℃以下の低温で押圧することにより精確に転写されるように光硬化性転写シートが設計されている。スタンパ12と、光硬化性転写シート11との重ね合わせは、一般に圧着ロールや簡易プレスで行われる。また、光硬化性転写シート11の硬化後の層は、スタンパに用いられるニッケルなどの金属との接着力が極めて弱く、光硬化性転写シートをスタンパから容易に剥離することができる。
【0020】
このような光情報記録基板として、情報(記録ピット)が異なるものを3枚以上用意する。好ましくは4枚以上用意する。
【0021】
光情報記録基板を用いて、光情報記録媒体を、例えば下記の図2に示すように製造することができる。
【0022】
上記で得られた複数の光情報記録基板13の凹凸面に銀合金、金或いはアルミニウムをスパッタリングにより蒸着して銀合金等の反射層14を形成して、反射層付き光情報記録媒体15を得る。例えば、図2においては、銀合金の反射層(低反射率)を有する光情報記録基板を支持基板に最も近い位置となる記録基板として用い、支持基板から遠ざかるに従い透過率の高いアルミニウム等の金属反射層を有する記録基板を用いる。こうして用意した4枚の光情報記録基板を、厚さの大きい支持基板16上に、これらの反射層付き光情報記録基板15を、反射層と支持体が対向するように、順次接着剤を介して重ね合わせ、接着剤を硬化させて接着剤層17を形成して光情報記録媒体18を得る。
【0023】
上記反射層は、一般に基板毎に金属材料、或いは膜厚等を適宜変更して、全ての信号面がレーザで読み取り可能なように設けられる。
【0024】
支持基板は、通常、凹凸面を有さないが、有するものであっても良い。凹凸面を有する支持基板、即ち光情報記録基板の場合、一般に厚板であるので、従来の射出成形法で作製しても良いし、本発明の前記光情報記録基板の製造方法により作成しても良い。本発明の光情報記録基板は300μm以下の薄い基板とすることができるので、支持基板上に多数の光情報記録基板を積層することができ、多数層の凹凸面を有することができることから、情報量が飛躍的に向上する。支持基板の厚さは、一般に300〜1000μmであり、好ましくは400〜800μmである。
【0025】
こうして得られた光情報記録媒体18を2枚、支持基板同士対向させて接着剤を用いて貼り合わせ、両面読み取り可能な信号面を8層有する光情報記録媒体を得ることができる。
【0026】
図3に、この両面読み取り可能な信号面を8層有する光情報記録媒体の一例を示す。19が接着剤層である。
【0027】
接着剤層を形成するための接着剤は、従来のホットメルト系接着剤及び紫外線硬化性樹脂接着剤のいずれも使用することができる。
【0028】
本発明の光硬化性層は、ガラス転移温度が20℃以下である光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなるものである。
光硬化性組成物は、一般に、上記光重合性官能基を有する反応性ポリマー、光重合性官能基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する化合物(モノマー及びオリゴマー)、光重合性開始剤及び、所望により他の添加剤から構成される。
【0029】
光重合性官能基を有する反応性ポリマーとしては、例えばアルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体(即ちアクリル樹脂)で、且つ、主鎖又は側鎖に光重合性官能基を有するものを挙げることができる。このような重合体は、例えば1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(例、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応し且つ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。
【0030】
本発明の上記反応性ポリマーは、光重合性官能基を一般に1〜50モル%、特に5〜30モル%含むことが好ましい。この光重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が好ましく、特にアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0031】
またこの反応性ポリマーのガラス転移温度は、20℃以下であり、ガラス転移温度を20℃以下とすることにより、得られる光硬化性転写層がスタンパの凹凸面に圧着されたとき、その凹凸面に緊密に追随できる可撓性を示すことができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃の範囲にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
【0032】
さらに、本発明の反応性ポリマーは、一般に数平均分子量が5000〜100000、好ましくは10000〜80000であり、また重量平均分子量が一般に5000〜100000、好ましくは10000〜80000であることが好ましい。
【0033】
光重合性官能基を有する化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4'−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2'−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合性官能基を有する化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
【0034】
光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタ−ルなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレ−トなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種または2種以上の混合で使用することができる。光硬化性組成物中に、光重合開始剤を一般に0〜20重量%、特に1〜10重量%含むことが好ましい。
【0035】
光重合開始剤のうち、アセトフェノン系重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1など、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンッゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどが使用できる。
【0036】
アセトフェノン系重合開始剤としては、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。また、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノ−ルアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。以上のように、光重合開始剤の成分としては、上記の3成分を組み合わせることにより使用する。
【0037】
本発明の光硬化性転写層はガラス転移温度が20℃以下で、透過率70%以上を満たすように光硬化性組成物を設計することが好ましい。このため、上記光重合性官能基を有する化合物及び光重合開始剤に加えて、所望により下記の熱可塑性樹脂及び他の添加剤を添加することが好ましい。
【0038】
上記反応性ポリマー:光重合可能な官能基を有する化合物:光重合開始剤の質量比は、一般に、30〜100:0〜70:0.1〜10、特に50〜80:20〜50:1〜10から好ましい。
【0039】
他の添加剤として、シランカップリング剤(接着促進剤)を添加することができる。このシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらシランカップリング剤の添加量は、上記反応性ポリマー100重量部に対し通常0.01〜5重量部で十分である。
【0040】
また同様に接着性を向上させる目的でエポキシ基含有化合物を添加することができる。エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;アクリルグリシジルエーテル;2−エチルヘキシルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;フェノールグリシジルエーテル;p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル;アジピン酸ジグリシジルエステル;o−フタル酸ジグリシジルエステル;グリシジルメタクリレート;ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有した分子量が数百から数千のオリゴマーや重量平均分子量が数千から数十万のポリマーを添加することによっても同様の効果が得られる。これらエポキシ基含有化合物の添加量は上記反応性ポリマー100重量部に対し0.1〜20重量部で十分で、上記エポキシ基含有化合物の少なくとも1種を単独で又は混合して添加することができる。
【0041】
さらに他の添加剤として、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0042】
アクリル樹脂も添加することができる。例えば、アルキルアクリレート(例、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート)及び/又はアルキルメタクリレート(例、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート)から得られる単独重合体又は共重合体を挙げることができる。またこれらのモノマーと、他の共重合可能なモノマーとの共重合体も挙げることができる。特に、光硬化時の反応性や硬化後の耐久性、透明性の点からポリメチルメタクリレート(PMMA)が好ましい。
【0043】
上記炭化水素樹脂等のポリマーの添加量は適宜選択されるが、上記反応性ポリマー100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、より好ましくは5〜15重量部である。
【0044】
以上の添加剤の他、本発明の光硬化性組成物は紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を少量含んでいてもよい。また、場合によってはシリカゲル、炭酸カルシウム、シリコン共重合体の微粒子等の添加剤を少量含んでもよい。
【0045】
本発明の光硬化性組成物からなる光硬化性層は、上記反応性ポリマー、光重合性官能基を有する化合物(モノマー及びオリゴマー)及び、所望により他の添加剤とを均一に混合し、押出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形状に製膜して用いることができる。支持体を用いる場合は、支持体上に製膜する必要がある。より好ましい本発明の光硬化性接着剤の製膜方法は、各構成成分を良溶媒に均一に混合溶解し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコートしたセパレーターにフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコート法等により支持体上に塗工し、溶媒を乾燥することにより製膜する方法である。
【0046】
なお、製膜に際してはブロッキング防止、支持体或いはスタンパとの圧着時の脱気を容易にするため、エンボス加工を施してもよい。エンボス加工の方法としては公知の手法が採用でき、例えばエンボスロールでの型付け等がある。また、溶液塗工法の場合、離型性を有するエンボスフィルム(紙)上に塗工することにより、そのエンボスを転写することができる。このエンボスの平均粗さ(Ra)は50μm以下、より好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.1〜20μmの凸凹を形成することが好ましく、これによりデバイスとの接着面において空気が抜け易く、デバイス表面の複雑な凸凹を埋めることが可能である。0.01μmより小さいと脱気不良を起こし易く、また50μmより大きいと仮圧着時に凸凹が残ってしまうこともある。
【0047】
また、光硬化性層の厚さは1〜1000μm、特に5〜500μmとすることが好ましい。1μmより薄いと封止性が劣り、透明樹脂基板の凸凹を埋め切れない場合が生じる。一方、1000μmより厚いと記録媒体の厚みが増し、記録媒体の収納、アッセンブリー等に問題が生じるおそれがあり、更に光線透過に影響を与えるおそれもある。
【0048】
上記光硬化性層は支持体上に設けられても良い。
【0049】
上記支持体としては、ガラス転移温度が50℃以上の透明の有機樹脂が好ましく、このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニトリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とする透明樹脂基板を用いることができる。これら中で、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートが転写性、複屈折の点で優れており、好適に用いることができる。
【0050】
こうして得られる本発明に光硬化性転写シートは、ガラス転移温度が20℃以下である光硬化性組成物からなり、且つ380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上である光硬化性転写層を有する。即ち、ガラス転移温度が20℃以下とすることにより、光硬化性転写層がスタンパの凹凸面に圧着されたとき、その凹凸面に緊密に追随できる可撓性を有することができる。特に、ガラス転移温度が15℃〜−50℃の範囲にすることにより追随性が優れている。ガラス転移温度が高すぎると、貼り付け時に高圧力が必要となり作業性の低下につながり、また低すぎると、硬化後の十分な高度が得られなくなる。
【0051】
光硬化性転写層は380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上であり、これはレーザによる読み取り信号の強度低下を防止するためである。さらに390〜410nmの波長領域の光透過率が80%以上であることが好ましい。
【0052】
光硬化性組成物中のオリゴマーには重合性官能基を1〜50モル%有することが好ましい。これにより、得られる光硬化性転写層が、硬化後に形状保持可能な強度得ることができる。光重合開始剤は前記のように0.1〜10質量%の範囲が好ましく、これより少ないと硬化速度が遅すぎて、作業性が悪く、多すぎると転写精度が低下する。
【0053】
光硬化性転写シートは、膜厚精度を精密に制御したフィルム状で提供することができるため、スタンパとの貼り合わせを容易にかつ精度良く、貼り合わせが可能である。また、この貼り合わせは、圧着ロールや簡易プレスなどの簡便な方法で20〜100℃で仮圧着した後、光により常温、0.1〜数十秒で硬化できる上、本接着剤特有の自着力によりその積層体にズレや剥離が起き難いため、光硬化まで自由にハンドリングができるという特徴を有している。
【0054】
本発明の光硬化性層を硬化する場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数十秒〜数十分程度である。
【0055】
また、硬化促進のために、予め積層体を30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
【0056】
得られた本発明の光情報記録基板の凹凸表面に金属の反射層をスパッタリング等により形成する。金属としては、アルミニウム、銀、金、これらの合金等を挙げることができる。2枚の光情報記録基板を使用する場合は、相互に異なる反射層にする必要があり、成分、膜厚等変更される。
【0057】
支持基板16は、一般に従来の射出成形基板が用いられる。
【0058】
支持基板の材料としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニルを挙げることができる。
【0059】
反射層が設けられた2枚の光情報記録基板の反射層を対向させ、一方に接着剤を塗布し、その上に他方を重ね、硬化させる。接着剤がUV硬化性樹脂の場合はUV照射により、ホットメルト接着剤の場合は、加熱下に塗布し、冷却することにより得られる。
【0060】
【実施例】
[実施例1]
<光硬化性転写シートの作製>
(反応性ポリマーの作製)
配合I
2−エチルヘキシルメタクリレート 70質量部
メチルメタクリレート 20質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10質量部
ベンゾフェノン 5質量部
トルエン 30質量部
酢酸エチル 30質量部
上記の配合の混合物を、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、この温度で10時間撹拌し、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)5質量部を添加し、穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、光重合性基を有する反応性ポリマーの溶液1を得た。
【0061】
得られた反応性ポリマーは、Tgが0℃であり、側鎖にメタクリロイル基を5モル%有していた。
【0062】
配合II
反応性ポリマー溶液1 100質量部
トリシクロデカンジアクリレート 30質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1質量部
上記配合の混合物を均一に溶解させ、ピュアエースC110−70(厚さ70μm;帝人(株)製)上に、塗布し、乾燥厚さ30±2μmの光硬化性層を形成した。これにより、厚さ100±2μmの光硬化性転写シートを得た。
【0063】
<反射層付き光情報記録基板I〜IVの作製>
光硬化性転写シートを、ピットとしての凹凸面を有するニッケル製のスタンパのその凹凸面に、シリコーンゴム製のローラを用いて2kgの荷重で光硬化性転写シートを押圧し、積層体を形成し、スタンパの凹凸形状を転写シート表面に転写した。
【0064】
次に、光硬化性転写シート側から、メタルハライドランプを用いて、積算光量2000mJ/cmの条件でUV照射し、転写層を硬化させた。
【0065】
積層体からスタンパを剥離、除去し、硬化した光硬化性転写シート(光情報記録基板)の凹凸面上に銀合金をスパッタリングすることにより、金の半透過反射層(層厚10nm)を形成した。反射層付き光情報記録基板Iを得た。
【0066】
反射層付き光情報記録基板II〜IVについては、異なる凹凸面を有するスタンパを用い、それぞれ反射層を、IIでは銀合金の半透過反射層(層厚12nm)、IIIでは銀合金の半透過反射層(層厚14nm)、IVではアルミニウムの反射層(層厚18nm)とした以外、前記と同様に光情報記録基板を作製した。
【0067】
光情報記録基板IVが支持基板側で、光情報記録基板Iが支持基板から最も遠い位置におかれる。
【0068】
<光情報記録媒体の作製>
溶融ポリカーボネートを金型に射出して厚さ800μmの支持基板を得、市販の光硬化性液状接着剤(SD−661、大日本インキ化学工業(株)製 )をスピンコート法で塗布し、反射層付き光情報記録基板IVを貼り合わせ、接着剤を光硬化した。この光情報記録基板野反射層のない表面に、順次光情報記録基板III、II、Iを同様にして貼り付けて硬化させ、これによりDVDを得た。
【0069】
[実施例2]
<光硬化性転写シートの作製>
(反応性ポリマーの作製)
配合I’
n−ヘキシルメタクリレート 50質量部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 50質量部
ベンゾフェノン 5質量部
トルエン 30質量部
酢酸エチル 30質量部
上記の配合の混合物を、穏やかに撹拌しながら、60℃に加熱して重合を開始させ、この温度で10時間撹拌し、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂を得た。その後、カレンズ MOI(2−イソシアナトエチルメタクリレート;昭和電工(株)製)50質量部を添加し、穏やかに撹拌しながら50℃で反応させ、光重合性基を有する反応性ポリマーの溶液2を得た。
【0070】
得られた反応し高分子は、Tgが5℃であり、側鎖にメタクリロイル基を50モル%有していた。
【0071】
配合II’
反応性ポリマー溶液2 100質量部
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 10質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1質量部
上記配合の混合物を均一に溶解させ、ピュアエースC110−70(厚さ70μm;帝人(株)製)上に、塗布し、乾燥厚さ30±2μmの光硬化性転写層を形成した。これにより、厚さ100±2μmの光硬化性転写シートを得た。
【0072】
以下のDVDの作製は実施例1と同様にして行い、これによりDVDを得た。<光情報記録基板及びDVDの評価>
(1)光線透過率(380〜800nmの波長領域)
一方の光情報記録基板を、JIS−K6717に従い380〜800nmの波長領域の光線透過率を測定した。70%以上を○、70%未満を×とした。
【0073】
(2)光線透過率(380〜420nmの波長領域)
一方の光硬化性転写シートを、JIS−K6717に従い380〜420nmの波長領域の光線透過率を測定した。80%以上を○、80%未満を×とした。
【0074】
(3)ランド部粗さ
ピットが形成された表面のランド部表面の平滑性を、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて評価した。十分に平滑なものを○、著しく平滑性に欠けるものを×とした。
【0075】
得られた試験結果を表1に示す。
【0076】
Figure 0004070440
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Figure 0004070440
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【0077】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明で使用される光硬化性転写シートは、光情報記録媒体の基板作成用スタンパの凹凸面を押圧により簡易に且つ精確に転写することができる。このため、得られる光情報記録基板は、基板の厚さが薄くても、スタンパの凹凸面が精確に転写された信号面を有する。従って、このような基板を多数使用して作製される本発明の多層型光情報記録媒体は、基板の厚さが抑えられ、且つ各層とも精確に転写された信号面を有するものであり、どの層の信号を再生してもエラーの発生がほとんどないとものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体を製造する過程を示す断面図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体及びその製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の光情報記録媒体の別の態様を示す断面図である。
【図4】従来の光情報記録媒体を示す断面図である。
【図5】従来の光情報記録媒体を示す断面図である。
【符号の説明】
11 光硬化性転写シート
12 スタンパ
13 光情報記録基板
14 反射層
15 反射層付き光情報記録基板
16 支持基板
17、19 接着剤層
18 光情報記録媒体
1,2 透明樹脂基板
1a,2a 反射層
3 接着剤層
1b 半透明層

Claims (11)

  1. 表面に記録ピットとしての凹凸を有し、さらにその凹凸表面に形成された反射層を有する光情報記録基板3枚以上を、支持基板上に、反射層が支持基板と対向するように接着剤層を介して順次積層して、貼り合わせてなる光情報記録媒体であって、
    前記全ての光情報記録基板の、少なくとも凹凸表面を含む層が、ガラス転移温度が20℃以下である光重合性官能基を有する反応性ポリマーを含む光硬化性組成物からなる光硬化性層の硬化被膜により形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 光硬化性層の380〜800nmの波長領域の光透過率が70%以上である請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 光硬化性層の硬化収縮率が8%以下である請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 反応性ポリマーが、光重合性官能基を1〜50モル%含む請求項1に記載の光情報記録媒体。
  5. 光重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基である請求項1又は4に記載の光情報記録媒体。
  6. 光硬化性組成物が、光重合開始剤を0.1〜10質量%含む請求項1に記載の光情報記録媒体。
  7. 光硬化性層の厚さが5〜500μmである請求項1に記載の光情報記録媒体。
  8. 接着剤層側の支持基板の表面に、記録ピットとしての凹凸を有し、さらにその凹凸表面に形成された反射層を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  9. 表面に記録ピット形成用凹凸を有するスタンパの該凹凸表面に、請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性層を有する光硬化性転写シートを、該光硬化性転写層が該凹凸表面に接触するように裁置し、これらを押圧して該光硬化性転写層が該凹凸表面に沿って密着されてなる積層体を形成し、次いで該光硬化性転写層に光照射して硬化させ、その後スタンパを除去することにより表面に記録ピットの凹凸面を有する光情報記録基板を製造し、
    前記のようにして製造することにより、記録ピットの異なる光情報記録基板を3枚以上用意し、各基板の凹凸表面に反射層を形成した後、全ての光情報記録基板を支持体上に、反射層が支持体と対向するように順次重ね合わせ、接着剤によりこれら貼り合わせることからなる光情報記録媒体の製造方法。
  10. 光硬化性転写シートは光硬化性転写層を支持体上に設けた構成を有する請求項9に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  11. 接着剤層側の支持基板の表面に、記録ピットとしての凹凸を有し、さらにその凹凸表面に形成された反射層を有する請求項9に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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