JP2006048798A - 光記録媒体の保護層形成用シート、光記録媒体およびそれらの製造方法 - Google Patents

光記録媒体の保護層形成用シート、光記録媒体およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化収縮率が小さく、かつ形状保持性の高い硬化前保護層を備えた保護層形成用シートおよびその製造方法、ならびに厚さ精度の高い保護層が接着層を介することなく情報記録層に形成された、反りの小さい光記録媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 硬化前保護層11と、硬化前保護層11を挟む2枚の基材12,12’とからなる保護層形成用シート1であって、硬化前保護層11を、エネルギー線硬化性ポリマー20〜90重量%と、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマー10〜80重量%とを含有する組成物から構成する。この硬化前保護層11を、情報記録層(半透過反射層3’)に圧着し、エネルギー線の照射によりその硬化前保護層11を硬化させ、保護層11’を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光記録媒体の表面を保護する保護層を形成するためのシートおよびその製造方法、ならびに当該シートを使用した光記録媒体およびその製造方法に関するものである。
光ディスクとして、ポリカーボネートからなる光ディスク基板と、光ディスク基板上に形成された1層または2層以上の情報記録層と、接着層を介して情報記録層に接着された保護フィルムとから構成されるものが一般的に知られている。光ディスクが読出し専用のものである場合、情報記録層にはピットを構成する凹凸パターンが形成され、光ディスクが書換え可能なものである場合、情報記録層にはグルーブおよびランドを構成する凹凸パターンが形成される。
保護フィルムと情報記録層との接着方法としては、例えば、保護フィルムまたは情報記録層に光硬化性樹脂を塗工して接着層を形成し、その接着層によって保護フィルムと情報記録層とを貼り合わせる方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、上記の方法は、接着層を形成する工程と、保護フィルムを貼り合わせる工程とを必要とするため、光ディスクの製造工程を増やす一因、ひいては光ディスクの製造コストを増加させる一因となっていた。
そこで、最近、光硬化性接着剤フィルムをあらかじめ形成し、その光硬化性接着剤フィルムを情報記録層に転写して、光硬化性接着剤による保護層を形成してなる光ディスクが提案された(特許文献2)。かかる光ディスクによれば、接着層を形成することなく、情報記録層に直接保護層を形成することができるため、従来の光ディスクの製造工程を一つ減らすことができる。
特開平10−283683号公報 特開2002−25110号公報
特許文献2に記載の光硬化性接着剤は、光硬化性の(メタ)アクリル樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を主原料としているが、この光硬化性接着剤は硬化収縮率が大きいため、当該光硬化性接着剤からなるフィルムを硬化させると光ディスクが反ってしまうという問題がある。また、上記光硬化性接着剤からなるフィルムは形状保持性が低いため、得られる保護層の厚さ精度は必ずしも高くはない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、硬化収縮率が小さく、かつ形状保持性の高い硬化前保護層を備えた保護層形成用シートおよびその製造方法、ならびに厚さ精度の高い保護層が接着層を介することなく情報記録層に形成された、反りの小さい光記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、エネルギー線硬化性ポリマー20〜90重量%と、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマー10〜80重量%とを含有する組成物からなる硬化前保護層を備えたことを特徴とする光記録媒体の保護層形成用シートを提供する(請求項1)。
本明細書における「エネルギー線硬化性を有しない」とは、通常のエネルギー線照射量では硬化しないという意味であり、いかなるエネルギー線照射量であっても硬化しないという意味ではない。
また、本明細書における「光記録媒体」とは、光学的に情報を記録・再生することのできる媒体をいい、主として再生専用型、追記型または書換え型のディスク状の媒体(例えば、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、LD、Blu−ray Disc、MO等;いわゆる光ディスク(光磁気ディスクを含む))が該当するが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記発明(請求項1)においては、エネルギー線硬化性ポリマーと、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーとを含有する組成物を使用することにより、硬化収縮率の小さい硬化前保護層を得ることができ、特にエネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーを使用することにより、形状保持性の高い硬化前保護層を得ることができる。かかる保護層形成用シートを使用して得られる光記録媒体においては、保護層を接着するための接着層が存在せず、また保護層の厚さ精度が高いため、良好な信号特性が得られるとともに、硬化前保護層の硬化に伴う反りが抑制されている。
また、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーを使用することにより、得られる保護層のガラス転移温度、透過率および屈折率の制御を容易に行うことができ、光記録媒体の保護層として好適な物性を得ることができる。
上記発明(請求項1)において、前記硬化前保護層は、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下の平滑面を有する基材の前記平滑面に積層されていること(請求項2)、さらには、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下の平滑面を有する2つの基材の前記平滑面相互間に挟まれていること(請求項3)が好ましい。
上記発明(請求項2)によれば、硬化前保護層における少なくとも一方の面の平滑性が高くなり、この面を情報記録層に密着させることにより、より良好な信号特性を得ることができる。また、上記発明(請求項3)によれば、硬化前保護層の両面の平滑性が高くなるため、さらに良好な信号特性を得ることができる。
上記発明(請求項1〜3)において、前記エネルギー線硬化性ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であるのが好ましい(請求項4)。
上記発明(請求項1〜4)において、前記エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーは、メタクリル樹脂、ポリカーボネートまたはポリシクロオレフィンであるのが好ましい(請求項5)。
上記発明(請求項1〜5)において、前記組成物の硬化前の貯蔵弾性率は、1×10〜1×10Paであるのが好ましい(請求項6)。
上記発明(請求項1〜6)において、前記組成物の硬化後の貯蔵弾性率は、1×10Pa以上であるのが好ましい(請求項7)。
上記発明(請求項1〜7)において、前記組成物の硬化後のガラス転移温度は、60℃以上であるのが好ましい(請求項8)。
上記発明(請求項1〜8)において、前記組成物の硬化後の波長400nm以上の光の透過率が、85%以上であるのが好ましい(請求項9)。
上記発明(請求項1〜9)において、前記組成物の硬化後の線膨張係数は、0.3×10−4〜2.0×10−4/℃であるのが好ましい(請求項10)。
上記発明(請求項1〜10)において、光記録媒体の情報記録層(の反射層または半透過反射層)に対する前記組成物の硬化後の接着力は、0.1N/25mm以上であるのが好ましい(請求項11)。
上記発明(請求項1〜11)において、前記組成物の硬化後の屈折率は、1.45〜1.75であるのが好ましい(請求項12)。
第2に本発明は、硬化前保護層を備えた光記録媒体の保護層形成用シートの製造方法であって、エネルギー線硬化性ポリマー20〜90重量%と、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマー10〜80重量%とを含有する組成物を、第1の平面上に塗布し乾燥させるとともに、前記第1の平面と第2の平面によって挟むことにより、前記硬化前保護層を形成することを特徴とする光記録媒体の保護層形成用シートの製造方法を提供する(請求項13)。
なお、ここでいう「平面」は、シート状の基材の平面であってもよいが、これに限定されるものではなく、例えば、テーブル等の平面であってもよい。また、当該平面を有する物は、必ずしも記録媒体の保護層形成用シートにおける硬化前保護層に積層されていなくてもよい。
上記発明(請求項13)によれば、厚さ精度の高い硬化前保護層を確実に形成することができる。
上記発明(請求項13)においては、前記第1の平面上に塗布した組成物の乾燥を、前記エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーのガラス転移温度よりも高い温度で行うことが好ましい(請求項14)。
上記発明(請求項14)によれば、組成物の流動性が高くなって両ポリマーの相溶性が向上するため、屈折率等の物性が均一な保護層を得ることができる。
第3に本発明は、光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、保護層とを備えてなる光記録媒体の製造方法であって、最外層の情報記録層に対し、前記光記録媒体の保護層形成用シート(請求項1〜12)の硬化前保護層を圧着し、エネルギー線の照射により前記硬化前保護層を硬化させ、もって光記録媒体の保護層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法を提供する(請求項15)。
第4に本発明は、光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、保護層とを備えてなる光記録媒体の製造方法であって、最外層の情報記録層に対し、前記光記録媒体の保護層形成用シート(請求項2〜12)の硬化前保護層を、前記保護層形成用シートにおける基材の平滑面に接していた側の面が前記情報記録層側になるようにして圧着し、エネルギー線の照射により前記硬化前保護層を硬化させ、もって光記録媒体の保護層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法を提供する(請求項16)。
上記発明(請求項15,16)によれば、接着層を形成することなく、しかも厚さ精度が高い保護層を形成することができるため、良好な信号特性が得られる。また、硬化前保護層の硬化収縮率は小さいため、硬化前保護層の硬化に伴う光記録媒体の反りは抑制される。
第5に本発明は、前記光記録媒体の保護層形成用シート(請求項1〜12)の硬化前保護層を硬化してなる保護層を備えたことを特徴とする光記録媒体を提供する(請求項17)。
第6に本発明は、光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、前記光記録媒体の保護層形成用シート(請求項2〜12)の硬化前保護層を硬化してなる保護層とを備え、前記保護層は、前記硬化前保護層における前記基材の平滑面に接していた側の面を情報記録層側として、前記情報記録層に積層されていることを特徴とする光記録媒体を提供する(請求項18)。
本発明の光記録媒体の保護層形成用シートにおける硬化前保護層は、硬化収縮率が小さく、かつ形状保持性が高い。したがって、本発明によれば、硬化前保護層の硬化に伴う光記録媒体の反りを抑制することができるとともに、厚さ精度の高い保護層を、接着層を介することなく情報記録層に形成することができ、それによって良好な信号特性を有する光記録媒体が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る光ディスクの保護層形成用シートの断面図であり、図2(a)〜(g)は同実施形態に係る光ディスクの保護層形成用シートを用いた光ディスクの製造方法の一例を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光ディスクの保護層形成用シート1は、硬化前保護層11と、硬化前保護層11の一方の面に積層された基材12と、硬化前保護層11の他方の面に積層された基材12’とからなる。ただし、基材12,12’は、保護層形成用シート1の使用時に剥離されるものである。
硬化前保護層11は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)と、エネルギー線硬化性を有しなく光ディスクの保護層を構成し得るポリマー(II)と、所望により第三成分(III)とを含有する組成物からなり、エネルギー線の照射によって硬化し、光ディスクDの保護層11’を形成するものである。
〔エネルギー線硬化性ポリマー(I)〕
エネルギー線硬化性ポリマー(I)は、エネルギー線の照射によって硬化するポリマーである。このエネルギー線硬化性ポリマー(I)と、後述するポリマー(II)との組合せにより、硬化収縮率の小さい硬化前保護層11を得ることができる。
エネルギー線硬化性ポリマー(I)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であるのが好ましく、特に15万〜200万であるのが好ましい。エネルギー線硬化性ポリマー(I)の重量平均分子量が10万未満であると、硬化収縮率の小さい硬化前保護層11を得ることが困難になる。
エネルギー線硬化性ポリマー(I)は、側鎖にエネルギー線硬化性基を有するアクリル酸エステル共重合体であるのが好ましい。また、このアクリル酸エステル共重合体は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)と、その官能基に結合する置換基を有する不飽和基含有化合物(a2)とを反応させて得られる、側鎖にエネルギー線硬化性基を有する重量平均分子量(Mw)10万以上のエネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)であるのが好ましい。
上記のようなアクリル酸エステル共重合体は、情報記録層の凹凸パターンに正確に追従することが可能であり、また、硬化後には光ディスクDの保護層11’として好ましい性質を発揮し得る。
上記エネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)におけるエネルギー線硬化性基の平均側鎖導入率は、0.1〜50mol%であるのが好ましく、特に3〜30mol%であるのが好ましい。エネルギー線硬化性基の平均側鎖導入率が0.1mol%未満であると、所望のエネルギー線硬化性が得られず、エネルギー線硬化性基の平均側鎖導入率が50mol%を超えると、硬化前保護層11の硬化時の体積収縮率が大きくなり、得られる光ディスクDに反りが生じるおそれがある。
なお、エネルギー線硬化性基の平均側鎖導入率は、次の式によって算出される。
エネルギー線硬化性基の平均側鎖導入率=(エネルギー線硬化性基のモル数/アクリル系共重合体を構成するモノマーの総モル数)×100
アクリル系共重合体(a1)は、官能基含有モノマーから導かれる構成単位と、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位とからなる。ここで、本明細書における(メタ)アクリル酸エステルモノマーとは、アクリル酸エステルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマーを意味するものとする。
アクリル系共重合体(a1)が有する官能基含有モノマーは、重合性の二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基とを分子内に有するモノマーであり、好ましくはヒドロキシル基含有不飽和化合物またはカルボキシル基含有不飽和化合物が用いられる。
ヒドロキシル基含有不飽和化合物の具体的な例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ、カルボキシル基含有不飽和化合物の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系共重合体(a1)を構成する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートが用いられる。これらの中でも、特に好ましくはアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が用いられる。
アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を通常3〜100重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%の割合で含有し、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を通常0〜97重量%、好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%の割合で含有してなる。
アクリル系共重合体(a1)は、上記のような官能基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とを常法で共重合することにより得られるが、これらモノマーの他にも少量(例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下)の割合で、ジメチルアクリルアミド、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン等が共重合されてもよい。
不飽和基含有化合物(a2)が有する置換基は、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基含有モノマー単位の官能基の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、官能基がヒドロキシル基、アミノ基または置換アミノ基の場合、置換基としてはイソシアナート基が好ましく、官能基がカルボキシル基の場合、置換基としてはイソシアナート基、アジリジニル基、エポキシ基またはオキサゾリン基が好ましく、官能基がエポキシ基の場合、置換基としてはアミノ基、カルボキシル基またはアジリジニル基が好ましい。このような置換基は、不飽和基含有化合物(a2)1分子毎に一つずつ含まれている。
また不飽和基含有化合物(a2)には、エネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合が、1分子毎に1〜5個、好ましくは1〜2個含まれている。このような不飽和基含有化合物(a2)の具体例としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート、アリルイソシアナート;ジイソシアナート化合物またはポリイソシアナート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアナート化合物;ジイソシアナート化合物またはポリイソシアナート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアナート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマー100当量当たり、通常10〜100当量、好ましくは20〜95当量、特に好ましくは25〜90当量の割合で用いられる。
アクリル系共重合体(a1)と不飽和基含有化合物(a2)との反応においては、官能基と置換基との組合せに応じて、反応の温度、圧力、溶媒、時間、触媒の有無、触媒の種類を適宜選択することができる。これにより、アクリル系共重合体(a1)中の側鎖に存在する官能基と、不飽和基含有化合物(a2)中の置換基とが反応し、不飽和基がアクリル系共重合体(a1)中の側鎖に導入され、エネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)が得られる。この反応における官能基と置換基との反応率は、通常70%以上、好ましくは80%以上であり、未反応の官能基がエネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)中に残留していてもよい。
エネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)中に存在(残留)するカルボキシル基および/またはヒドロキシル基の量(両者が存在する場合には両者の合計量)は、モノマー換算で、好ましくは0.01〜30mol%であり、さらに好ましくは0.5〜25mol%である。なお、アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマーが含有するカルボキシル基および/またはヒドロキシル基と不飽和基含有化合物(a2)とが反応する場合、
(カルボキシル基および/またはヒドロキシル基含有モノマーのモル数)
−(不飽和基含有化合物のモル数)
に基づいて計算した値がカルボキシル基および/またはヒドロキシル基の存在量となる。
上記のようにエネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)中にカルボキシル基および/またはヒドロキシル基が存在すると、保護層と情報記録層との接着力が高くなり、得られる光ディスクの強度、耐久性が向上する。
エネルギー線硬化型アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、10万以上であるのが好ましく、特に15万〜150万であるのが好ましく、さらに20万〜100万であるのが好ましい。
硬化前保護層11を構成する組成物中、エネルギー線硬化性ポリマー(I)の含有量は20〜90重量%であり、好ましくは40〜80重量%である。エネルギー線硬化性ポリマー(I)の含有量が20重量%未満では、硬化前保護層11の情報記録層に対する接着性および凹凸パターンへの追従性が低下する。エネルギー線硬化性ポリマー(I)の含有量が90重量%を超えると、ポリマー(II)の含有量が少なくなり過ぎ、後述するポリマー(II)による特有の効果が得られない。
〔ポリマー(II)〕
ポリマー(II)は、エネルギー線硬化性を有しなく光ディスクの保護層を構成し得るポリマーである。このポリマー(II)と、上記エネルギー線硬化性ポリマー(I)との組合せにより、硬化収縮率の小さい硬化前保護層11を得ることができる。また、ポリマー(II)を使用することにより、形状保持性の高い硬化前保護層11を得ることができるとともに、得られる保護層11’のガラス転移温度、透過率および屈折率の制御を容易に行うことができ、光ディスクの保護層11’として好適な物性を得ることができる。
ここで、「エネルギー線硬化性を有しない」とは、通常のエネルギー線照射量では硬化しないという意味であり、具体的には、例えば紫外線の場合には、光量で1000mJ/cm以下の照射量、電子線の場合には、1500krad以下の照射量において硬化しないという意味である。
ポリマー(II)としては、エネルギー線硬化性を有しなく、光ディスクの保護層として好適なものが使用される。好ましいポリマー(II)としては、形状保持性の高い材料としての熱可塑性樹脂が挙げられ、特に透過率の点から、メタクリル樹脂、ポリカーボネートまたはポリシクロオレフィンを使用するのが好ましい。ポリシクロオレフィンとしては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体やその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との共重合体等が挙げられる。これらのポリマーは、光の透過性が高く、また耐熱性に優れる。
硬化前保護層11を構成する組成物中、ポリマー(II)の含有量は10〜80重量%であり、好ましくは20〜60重量%である。ポリマー(II)の含有量が10重量%未満では、硬化前保護層11の硬化収縮率を小さくする効果および形状保持性を向上させる効果が得られない。一方、ポリマー(II)の含有量が80重量%を超えると、エネルギー線硬化性ポリマー(I)の含有量が少なくなり過ぎ、硬化前保護層11の情報記録層に対する接着性および凹凸パターンへの追従性が低下する。
〔第三成分(III)〕
硬化前保護層11を構成する組成物は、上記エネルギー線硬化性ポリマー(I)およびポリマー(II)以外の第三成分(III)を含有してもよい。そのような第三成分(III)としては、例えば、エネルギー線硬化性の多官能モノマーおよび/または多官能オリゴマー、架橋剤、レベリング剤、微粒子、触媒、その他の添加剤等が挙げられる。また、エネルギー線として紫外線を用いる場合には、第三成分(III)として光重合開始剤を添加することにより、重合硬化時間および光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}などが挙げられる。
光重合開始剤は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して0.1〜20重量部、特には0.5〜10重量部の範囲の量で用いられることが好ましい。
エネルギー線硬化性の多官能モノマーおよび/または多官能オリゴマーとしては、例えば、イソボルニルアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴ(メタ)アクリレート、ポリウレタンオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。組成物がかかるエネルギー線硬化性の多官能モノマーおよび/または多官能オリゴマーを含有することにより、硬化物(保護層11’)の特性を制御することができる。
エネルギー線硬化性の多官能モノマーおよび/または多官能オリゴマーは、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して10〜400重量部、特には30〜200重量部の範囲の量で用いられることが好ましい。
架橋剤としては、エネルギー線硬化性ポリマー(I)が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。このような多官能性化合物の例としては、イソシアナート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩、反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。組成物がかかる架橋剤を含有することにより、硬化前保護層11の形状保持性を向上させることができる。
架橋剤は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して0.01〜10重量部、特には0.1〜5重量部の範囲の量で用いられることが好ましい。
レベリング剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系化合物、フッ素系化合物、界面活性剤等を使用することができる。組成物がかかるレベリング剤を含有することにより、硬化前保護層11(保護層11’)の平滑性を向上させることができる。
硬化前保護層11を構成する組成物中、レベリング剤の含有量は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して、0〜2重量部であることが好まし、特に0.01〜0.5重量部であることが好ましい。
微粒子としては、例えば、平均粒子径が0.5μm以下の二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリン、硫酸カルシウム粒子等の無機微粒子や、有機物によって修飾された上記無機酸化物微粒子、あるいは、例えば特開2000−273272号公報に記載の反応性粒子などが挙げられる。組成物がかかる微粒子を含有することにより、得られる保護層11’の硬度を向上させ、保護層11’に傷防止性能を付与することができる。
硬化前保護層11を構成する組成物中、微粒子の含有量は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して、0〜60重量部であることが好ましく、特に0〜50重量部であることが好ましい。
触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、テトラ−n−ブチル錫、トリ−n−ブチル錫アセテート、n−ブチル錫トリクロライド、トリメチル錫ハイドロオキサイド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫アセテート、オクテン酸錫等の他、カリウムオレエート等の有機金属触媒を使用することができる。
ヒドロキシル基とイソシアネート基とのウレタン化反応、特にイソシアネート基が脂肪族系または脂環式系の場合におけるウレタン化反応は、反応速度が遅い傾向があるが、上記のような触媒を使用することにより、ヒドロキシル基とイソシアネート基との反応を極めて効果的に促進させることができる。
硬化前保護層11を構成する組成物中、触媒の含有量は、ヒドロキシル基を含有する化合物100重量部に対して、0.0005〜1重量部であることが好ましく、特に0.001〜0.5重量部であることが好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与剤、カップリング剤、染料等が挙げられる。硬化前保護層11を構成する組成物中、その他の添加剤の含有量は、エネルギー線硬化性ポリマー(I)100重量部に対して、その他の添加剤の合計で0〜5重量部であることが好ましく、特に0〜3重量部であることが好ましい。
硬化前保護層11を構成する組成物の硬化前の貯蔵弾性率は、1×10〜1×10Paであるのが好ましく、1×10〜5×10Paであるのが特に好ましい。ここで、「硬化前の貯蔵弾性率」の測定温度は、硬化前保護層11と情報記録層とを圧着する作業環境と同じ温度であるものとする。すなわち、硬化前保護層11と情報記録層とを室温で圧着する場合、貯蔵弾性率は、室温下で測定したものであり、硬化前保護層11と情報記録層とを加熱下で圧着する場合、貯蔵弾性率は、加熱温度と同じ温度で測定したものである。
硬化前保護層11の硬化前の貯蔵弾性率が1×10Pa未満では、硬化前保護層11に流動性があり、光ディスクの保護層形成用シート1として不適なものになるおそれがある。また、硬化前保護層11の硬化前の貯蔵弾性率が1×10Paを超えると、凹凸パターンを有する情報記録層に対する硬化前保護層11の追従性が悪くなり、硬化前保護層11と情報記録層との密着性が低くなるおそれがある。
また、硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の貯蔵弾性率は、1×10Pa以上であるのが好ましく、特に、1×10〜1×1011Paであるのが好ましい。ここで、「硬化後の貯蔵弾性率」の測定温度は、光ディスクの保管環境と同じ温度、すなわち室温であるものとする。
硬化前保護層11の硬化後の貯蔵弾性率が1×10Pa未満であると、形成される保護層11’の強度が不足するおそれがある。
硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後のガラス転移温度は、60℃以上であるのが好ましく、特に65℃以上であるのが好ましい。光ディスクの使用環境として高温環境が考えられるが、組成物の硬化後のガラス転移温度(保護層11’のガラス転移温度)が60℃未満であると、かかる光ディスクの使用環境に適さないおそれがある。
硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の波長400nm以上の光の透過率は、85%以上であるのが好ましい。光ディスクにおいては、記録容量を上げるために短波長レーザ(例えば波長405nmの青紫色レーザ)を使用することがあるが、硬化後の組成物(保護層11’)が上記透過率を有することにより、かかる短波長レーザにも対応することが可能となる。
硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の線膨張係数(保護層11’の線膨張係数)は、湿熱条件下での使用でも光ディスクが大きな反りを起こさないよう、光ディスク基板2の線膨張係数とほぼ同じであるのが好ましい。例えば、光ディスク基板2がポリカーボネート樹脂からなる場合、その線膨張係数は通常0.8×10−4/℃であるため、この場合、硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の線膨張係数は、0.3×10−4〜2.0×10−4/℃であるのが好ましく、特に0.6×10−4〜1.0×10−4/℃であるのが好ましい。
光ディスクDの情報記録層(後述の例では半透過反射層3’)に対する、硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の接着力は、0.1N/25mm以上であるのが好ましく、特に0.5N/25mm以上であるのが好ましい。組成物の硬化後の接着力が0.1N/25mm未満であると、形成される保護層11’と情報記録層との間で剥離が生じる可能性がある。
硬化前保護層11を構成する組成物の硬化後の屈折率は、1.45〜1.75であるのが好ましく、特に1.45〜1.55であるのが好ましい。光ディスクでは、傷防止のために保護層11’の表面にハードコート層を設けることがあるが、組成物の硬化後の屈折率(保護層11’の屈折率)が上記の範囲から外れると、ハードコート層の屈折率と大きく異なることが多く、信号特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
硬化前保護層11を構成する組成物は、硬化前保護層11を積層してなるシートの硬化後のカール量(後述する試験例の試験方法による)が40mm以下となるようなものであることが好ましい。このカール量が40mmを超えると、硬化前保護層11の硬化に伴う光ディスクDの反りが大きくなるおそれがある。
以上の組成物から構成される硬化前保護層11の厚さは、光ディスクの規格に基づいて決定され、例えば片面1層式のBlu−ray Discの場合には100μmであるが、一般的には95〜105μm程度であり、好ましくは97〜103μm程度である。
上記のような硬化前保護層11に積層される基材12,12’のうち、先に剥離される方の基材(本実施形態では基材12’)は、硬化前保護層11に対して剥離性を有する必要があり、後に剥離される方の基材(本実施形態では基材12)は、硬化後の保護層11に対して剥離性を有する必要がある。
具体的には、先に剥離される方の基材(基材12’)の硬化前保護層11側の面の剥離力(剥離力A)は150mN/25mm以下であるのが好ましく、後に剥離される方の基材(基材12)の硬化前保護層11側の面の剥離力は、剥離力A以上、200mN/25mm以下であるのが好ましい。
また、基材12,12’、特に先に剥離される方の基材(基材12’)の硬化前保護層11側の面の表面粗さ(Ra)は、0.1μm以下であるのが好ましく、さらには0.05μm以下であるのが好ましい。基材12,12’がかかる表面粗さ(Ra)を有することにより、硬化前保護層11に平滑性を付与し、それによって良好な信号特性を得ることができる。特に、硬化前保護層11(保護層11’)の情報記録層側の面は光ディスクの信号特性に大きな影響を与えるため、先に剥離される方の基材(基材12’)の硬化前保護層11側の面の表面粗さ(Ra)の制御は重要なものとなる。
このような基材12,12’としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、塩化ビニル、アイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂またはそれら樹脂を架橋したものからなる透明フィルムを、必要に応じてシリコーン樹脂系、アルキド樹脂系、フッ素樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、ワックス系等の剥離剤で剥離処理したものを使用するのが好ましい。
基材12,12’の厚さは、通常は5〜300μm程度であり、好ましくは20〜100μmである。
本実施形態に係る保護層形成用シート1を製造するには、まず、硬化前保護層11を構成する組成物と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、その塗布剤を基材12(または基材12’)の剥離処理面上に塗工して乾燥させ、硬化前保護層11を形成する。
塗布剤の塗工には、例えば、キスロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター等の塗工機を使用することができる。
乾燥温度は、前述したポリマー(II)のガラス転移温度よりも高い温度であるのが好ましく、特にポリマー(II)のガラス転移温度よりも30〜40℃高い温度であるのが好ましい。かかる温度で乾燥することにより、硬化前保護層11を構成する組成物の流動性が高くなってエネルギー線硬化性ポリマー(I)およびポリマー(II)の相溶性が向上するため、屈折率等の物性が均一な保護層11’を得ることができる。この硬化前保護層11の乾燥温度は、通常70〜130℃程度である。なお、乾燥時間は、1〜5分程度であるのが好ましい。
次いで、形成した硬化前保護層11の表面にもう1枚の基材12’(または基材12)の剥離処理面を重ね合わせて、当該基材を硬化前保護層11に積層する。
このようにして製造される保護層形成用シート1の硬化前保護層11は、2枚の基材12,12’によって挟まれるため、厚さ精度が高いものとなる。また、硬化前保護層11の表面には、基材12,12’における硬化前保護層11側の表面状態が転写されるため、基材12,12’における硬化前保護層11側の表面の平滑性を高くすれば、硬化前保護層11の表面の平滑性も高くなり得る。
次に、上記保護層形成用シート1を使用した光ディスク(片面2層式)の製造方法の一例について説明する。
最初に、図2(a)に示すように、ピットまたはグルーブ/ランドによる凹凸パターンを有する光ディスク基板2を製造する。この光ディスク基板2は、通常、ポリカーボネートからなり、射出成形等の成形法によって成形することができる。
上記光ディスク基板2の凹凸パターン上には、図2(b)に示すように、スパッタリング等の手段により反射層3を形成する。反射層3は、単層膜であってもよいし、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜および誘電体膜等からなる多層膜であってもよい。
次いで、図2(c)に示すように、上記反射層3上にエネルギー線硬化性のスタンパー受容層4を形成する。このスタンパー受容層4は、あらかじめシート状に形成したスタンパー受容層を貼り付けることにより形成してもよいし、スピンコート法等によってスタンパー受容層4用の塗布剤を塗工することにより形成してもよい。スタンパー受容層4の材料としては、例えば、前述したエネルギー線硬化性ポリマー(I)を使用することができる。
スタンパー受容層4を形成したら、図2(d)に示すように、そのスタンパー受容層4に対してスタンパーSを圧着し、スタンパー受容層4にスタンパーSの凹凸パターンを転写する。なお、図2(d)に示すスタンパーSの形状は板状であるが、これに限定されるものではなく、ロール状であってもよい。
この状態で、エネルギー線照射装置を使用して、スタンパー受容層4に対してエネルギー線を照射し、スタンパー受容層4を硬化させる。エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられる。
スタンパー受容層4が硬化して、スタンパーSの凹凸パターンによるピットまたはグルーブ/ランドが形成されたら、スタンパーSとスタンパー受容層4とを分離し、図2(e)に示すように、スタンパー受容層4の凹凸パターン上に、スパッタリング等の手段により半透過反射層3’を形成する。この半透過反射層3’は、単層膜であってもよいし、例えば半透過反射膜、誘電体膜、相変化膜および誘電体膜等からなる多層膜であってもよい。
そして、保護層形成用シート1の一方の基材12’を剥離除去して硬化前保護層11を露出させ、図2(f)に示すように、硬化前保護層11を上記半透過反射層3’の表面に圧着する。この状態で、エネルギー照射装置を使用して、硬化前保護層11に対してエネルギーを照射し、硬化前保護層11を硬化させ、保護層11’とする。
エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられ、好ましくは紫外線が用いられる。エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で100〜500mJ/cm程度が好ましく、電子線の場合には、10〜1000krad程度が好ましい。
硬化前保護層11が硬化して保護層11’が形成されたら、図2(g)に示すように、保護層形成用シート1の他方の基材12を剥離除去し、必要に応じて保護層11’の表面にハードコート層、防汚層等のオーバーコート層を形成し、光ディスクDとする。
ハードコート層としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートまたはエポキシ(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリレートモノマーとをエネルギー線硬化反応させたものが一般的に用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、シロキサン結合を有する材料からなるもの等を用いることもできる。
防汚層を構成する材料としては、例えば、フッ素系化合物、ジメチルシロキサン系化合物、フッ素変性ジメチルシロキサン系化合物などを用いることができる。
上記のように保護層形成用シート1を使用した光ディスク製造方法によれば、保護層11’を形成するにあたって接着層を設ける必要がないため、少ない製造工程で光ディスクDを製造することができる。しかも、保護層形成用シート1の硬化前保護層11は形状保持性が高く、保護層11’は厚さ精度が高いものとなるため、得られる光ディスクDは良好な信号特性を有し、製造歩留りも高い。さらに、保護層形成用シート1の硬化前保護層11は硬化収縮性が小さいため、硬化前保護層11を硬化させて保護層11’を形成したときに、光ディスクDの反りが抑制される。
以上の光ディスク製造方法では、上記保護層形成用シート1を使用して片面2層式の光ディスクを製造したが、これに限定されることなく、例えば、上記保護層形成用シート1を使用して片面1層式等の光ディスクを製造することもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、保護層形成用シート1における基材12または基材12’はなくてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。なお、本実施例等では、エネルギー線として紫外線を用いた例を示す。
〔実施例1〕
n−ブチルアクリレート52重量部と、メチルメタクリレート20重量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート28重量部とを酢酸エチル中で反応させて、官能基にヒドロキシル基を有するアクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(固形分濃度:40重量%)を得た。さらに、そのアクリル系共重合体の酢酸エチル溶液250重量部に、酢酸エチル100重量部と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート21重量部と、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.025重量部とを添加し、窒素雰囲気下、室温で48時間反応させて、紫外線硬化性ポリマー(紫外線硬化型アクリル酸エステル共重合体;重量平均分子量(Mw):79万)を得た。この紫外線硬化性ポリマーにおける紫外線硬化性基の平均側鎖導入率は30mol%であった。得られたポリマー溶液を酢酸エチルで希釈して、固形分濃度30重量%の紫外線硬化性ポリマー溶液(a)とした。
紫外線硬化性ポリマー溶液(a)200重量部と、紫外線硬化性を有しないポリマーとしてメタクリル樹脂(綜研化学社製,EF−43,固形分濃度:50重量%,Tg:80℃)80重量部と、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}からなる光重合開始剤(日本シイベルへグナー社製,ESACURE KIP−150,固形分濃度:100重量%)3重量部とを混合し、希釈溶剤としてトルエンを用いて、固形分濃度33重量%の保護層の塗工液とした。
上記塗工液を、重剥離型剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET50C,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:50μm,Ra:0.016)の剥離処理面に乾燥後の膜厚が100μmになるようにナイフコーターを用いて塗工し、110℃で2分間乾燥して硬化前保護層を形成した。その硬化前保護層に軽剥離型剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET7511,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:75μm,Ra:0.015)を貼合し、保護層形成用シートを得た。
〔実施例2〕
実施例1で得られた紫外線硬化性ポリマー溶液(a)100重量部と、紫外線硬化性を有しないポリマーとしてメタクリル樹脂(綜研化学社製,EF−43,固形分濃度:50重量%,Tg:80℃)80重量部と、紫外線硬化性多官能オリゴマーとしてポリウレタンオリゴアクリレート(大日本インキ化学工業社製,ユニディックRS24−156,固形分濃度:100重量%,分子量:1600)30重量部と、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}からなる光重合開始剤(日本シイベルへグナー社製,ESACURE KIP−150,固形分濃度:100重量%)3重量部とを混合し、希釈溶剤としてトルエンを用いて、固形分濃度33重量%の保護層の塗工液とした。
得られた塗工液を使用し、実施例1と同様にして保護層形成用シートを作製した。
〔実施例3〕
実施例1で得られた紫外線硬化性ポリマー溶液(a)100重量部と、紫外線硬化性を有しないポリマーとしてメタクリル樹脂(綜研化学社製,EF−43,固形分濃度:50重量%,Tg:80℃)40重量部と、紫外線硬化性多官能オリゴマーとしてポリウレタンオリゴアクリレート(大日本インキ化学工業社製,ユニディックRS24−156,固形分濃度:100重量%,分子量:1600)30重量部と、紫外線硬化性多官能モノマーとしてイソボルニルアクリレート(新中村化学工業社製,NK−エステルA−IB,固形分濃度:100重量%)20重量部と、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}からなる光重合開始剤(日本シイベルへグナー社製,ESACURE KIP−150,固形分濃度:100重量%)3重量部とを混合し、希釈溶剤としてトルエンを用いて、固形分濃度33重量%の保護層の塗工液とした。
得られた塗工液を使用し、実施例1と同様にして保護層形成用シートを作製した。
〔比較例1〕
アクリル酸ブチル98重量部とアクリル酸2重量部とを共重合した共重合体(重量平均分子量(Mw):70万)100重量部に対して、架橋剤としてのポリイソシアナート化合物(日本ポリウレタン社製,コロネートL)を1重量部添加し、さらに希釈溶剤として酢酸エチル200重量部を加えて固形分濃度を33重量%に調整し、粘着剤の塗工液とした。
上記塗工液を、剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET50C,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:50μm,Ra:0.016)の剥離処理面に乾燥後の膜厚が20μmになるようにナイフコーターを用いて塗工し、100℃で2分間乾燥して粘着剤層を形成した。その粘着剤層とポリカーボネートフィルム(帝人化成社製,ピュアエースC110−80)とを貼合し、光ディスク用カバーフィルムを得た。
〔比較例2〕
紫外線硬化性を有しないポリマーを混合しない以外、実施例1と同様にして保護層の塗工液を調製した。そして、得られた塗工液を使用し、実施例1と同様にして保護層形成用シートを作製した。
〔試験例〕
1.貯蔵弾性率・ガラス転移温度・線膨張係数・透過率・屈折率
実施例および比較例2で得られた保護層形成用シートに対し、重剥離型剥離フィルム側から紫外線を照射し(リンテック社製,装置名:Adwill RAD−2000m/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量200mJ/cm2)、硬化前保護層を硬化させ、保護層とした。なお、硬化前保護層の貯蔵弾性率(硬化前)はあらかじめ測定しておいた。
保護層から軽剥離型剥離フィルムおよび重剥離型剥離フィルムを剥離し、以下のようにして、保護層の軽剥離型剥離フィルムに接触していた側の面の表面粗さ(Ra)、保護層の貯蔵弾性率(硬化後)、ガラス転移温度、線膨張係数、400nm透過率および屈折率を測定した。結果を表1に示す。
また、比較例1で得られた光ディスク用カバーフィルムについても、剥離フィルムのみを剥離し、紫外線を照射しない以外、上記と同様にして400nm透過率および屈折率を測定した。結果を表1に示す。
表面粗さ(Ra):接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製,SV3000S4)を使用し、ISO4287に準じて測定した。
貯蔵弾性率:硬化前の貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(Rheometrics社製,装置名:DYNAMIC ANALYZER RDA II)を用いて1Hzで25℃の値を測定した。また、硬化後の貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(オリエンテック社製,レオバイブロンDDV−II−EP)を用いて3.5Hzで25℃の値を測定した。
ガラス転移温度および線膨張係数:熱分析装置(マックサイエンス社製,システムWS002)を使用して測定した。
400nm透過率:分光光度計(島津製作所社製,UV−3101PC)を使用して測定した。
屈折率:アッベ屈折率計(アタゴ社製)を使用し、JIS K7142に準じて測定した。
2.接着力
実施例および比較例2で得られた保護層形成用シートについて、以下のようにして接着力を測定した。保護層形成用シートの硬化前保護層から重剥離型剥離フィルムを剥離し、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートからなる基材と厚さ20μmの粘着剤層(粘着剤:リンテック社製,PAT1)とからなる粘着テープを保護層に貼り付けた。
次いで、硬化前保護層から軽剥離型剥離フィルムを剥離し、露出した硬化前保護層を、膜厚30nmのAgを蒸着したディスク基板のAg蒸着面に20Nの圧力で圧着した。そして、ディスク基板側から紫外線を照射し(リンテック株式会社製,装置名:Adwill RAD−2000m/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量200mJ/cm2)、硬化前保護層を硬化させた。
その後、JIS Z0237に準じて、硬化した保護層とディスク基板の銀蒸着面との接着力(180°ピール強度)を測定した。結果を表1に示す。
比較例1で得られた光ディスク用カバーフィルムについては、粘着剤層から剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を、膜厚30nmのAgを蒸着したディスク基板のAg蒸着面に20Nの圧力で圧着した。その後、JIS Z0237に準じて、粘着剤層とディスク基板の銀蒸着面との接着力(180°ピール強度)を測定した。結果を表1に示す。
3.カール量
実施例および比較例2で得られた保護層の塗工剤を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製,PET50T−100,厚さ:50μm,易接着層なし)に乾燥後の膜厚が100μmになるようにナイフコーターを用いて塗工し、110℃で2分間乾燥して硬化前保護層を形成した。そして、硬化前保護層側から紫外線を照射し(リンテック株式会社製,装置名:Adwill RAD−2000m/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量300mJ/cm2)、硬化前保護層を硬化させた。
得られた積層フィルムを100mm×100mmの大きさに裁断し、これを測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、硬化前保護層が上側になるようにして水平な台の上に置き、測定用サンプルの各角の台からの距離の合計をカール量(mm)とした。結果を表1に示す。
Figure 2006048798
〔製造例〕
1.保護層形成用シートを使用した光ディスクの製造
<第1工程:保護層形成用シートの製造>
実施例1で得られた保護層の塗工液を、重剥離型剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET50C,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:50μm)の剥離処理面に乾燥後の膜厚が100μmになるようにナイフコーターを用いて塗工し、110℃で2分間乾燥して硬化前保護層を形成した。その硬化前保護層に軽剥離型剥離フィルム(リンテック社製,製品名:SP−PET7511,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:75μm)を貼合し、保護層形成用シートを得た。
<第2工程:裁断加工>
得られた保護層形成用シートを140mm幅に裁断加工した。
<第3工程:抜き加工>
裁断加工後の保護層形成用シートをφ120mmのディスク形状に抜き加工した。
<第4工程:貼合加工>
抜き加工後の保護層形成用シートの軽剥離型剥離フィルムを剥離し、露出した硬化前保護層をディスク基板の記録層面に20Nの圧力で圧着した。そして、ディスク基板側から紫外線を照射し(リンテック株式会社製,装置名:Adwill RAD−2000m/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量300mJ/cm2)、硬化前保護層を硬化させ、光ディスクを得た。
2.カバーフィルムを使用した光ディスクの製造(従来例)
<第1工程:プロテクトフィルムの製造>
アクリル系粘着剤(リンテック社製,LS058G)を、易接着性のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製,PET25A4100,厚さ:25μm)上に乾燥後の膜厚が15μmになるようにナイフコーターを用いて塗工し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。その粘着剤層と剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET3811,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:38μm)とを貼合し、プロテクトフィルムを得た。
<第2工程:PCフィルムとプロテクトフィルムとの貼合>
アクリル系ハードコート剤(JSR社製,製品名:デソライトZ7524)を、ポリカーボネートフィルム(帝人化成社製,ピュアエースC110−75,厚さ:75μm)上に乾燥後の膜厚が5μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射して(リンテック社製,装置名:Adwill RAD−2000m/8を使用。照射条件:照度310mW/cm2,光量300mJ/cm2)、ハードコート層を硬化させた。次いで、プロテクトフィルムの剥離フィルムを剥離し、ハードコート層に貼合した。
<第3工程:粘着加工>
比較例1で調製した粘着剤層の塗工液を、剥離フィルム(リンテック社製,SP−PET3811,基材:ポリエチレンテレフタレート,厚さ:38μm)の剥離処理面に乾燥後の膜厚が20μmになるようにナイフコーターを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層を形成した。その粘着剤層と、上記ポリカーボネートフィルムのハードコート加工面の反対面とを貼合し、これをカバーフィルムとした。
<第4工程:裁断加工>
得られたカバーフィルムを140mm幅に裁断加工した。
<第5工程:抜き加工>
裁断加工後のカバーフィルムをφ120mmのディスク形状に抜き加工した。
<第6工程:貼合加工>
抜き加工後のカバーフィルムの剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層をディスク基板の記録層面に20Nの圧力で圧着し、光ディスクを得た。
以上のとおり、保護層形成用シートを使用すれば、カバーフィルムを使用する場合よりも、少ない工程数で光ディスクを製造することができる。
本発明は、信号特性が良好で反りが抑制された光記録媒体を、少ない製造工程で歩留り良く製造するのに有用である。
本発明の一実施形態に係る光ディスクの保護層形成用シートの断面図である。 同実施形態に係る光ディスクの保護層形成用シートを使用した光ディスク製造方法の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…光ディスク(光記録媒体)の保護層形成用シート
11…硬化前保護層
11’…保護層
12,12’…基材
2…光ディスク基板
3…反射層
3’…半透過反射層
4…スタンパー受容層

Claims (18)

  1. エネルギー線硬化性ポリマー20〜90重量%と、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマー10〜80重量%とを含有する組成物からなる硬化前保護層を備えたことを特徴とする光記録媒体の保護層形成用シート。
  2. 前記硬化前保護層は、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下の平滑面を有する基材の前記平滑面に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  3. 前記硬化前保護層は、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下の平滑面を有する2つの基材の前記平滑面相互間に挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  4. 前記エネルギー線硬化性ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  5. 前記エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーが、メタクリル樹脂、ポリカーボネートまたはポリシクロオレフィンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  6. 前記組成物の硬化前の貯蔵弾性率が、1×10〜1×10Paであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  7. 前記組成物の硬化後の貯蔵弾性率が、1×10Pa以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  8. 前記組成物の硬化後のガラス転移温度が、60℃以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  9. 前記組成物の硬化後の波長400nm以上の光の透過率が、85%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  10. 前記組成物の硬化後の線膨張係数が、0.3×10−4〜2.0×10−4/℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  11. 光記録媒体の情報記録層に対する前記組成物の硬化後の接着力が、0.1N/25mm以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  12. 前記組成物の硬化後の屈折率が、1.45〜1.75であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シート。
  13. 硬化前保護層を備えた光記録媒体の保護層形成用シートの製造方法であって、
    エネルギー線硬化性ポリマー20〜90重量%と、エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマー10〜80重量%とを含有する組成物を、第1の平面上に塗布し乾燥させるとともに、前記第1の平面と第2の平面によって挟むことにより、前記硬化前保護層を形成する
    ことを特徴とする光記録媒体の保護層形成用シートの製造方法。
  14. 前記第1の平面上に塗布した組成物の乾燥を、前記エネルギー線硬化性を有しなく光記録媒体の保護層を構成し得るポリマーのガラス転移温度よりも高い温度で行うことを特徴とする請求項13に記載の光記録媒体の保護層形成用シートの製造方法。
  15. 光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、保護層とを備えてなる光記録媒体の製造方法であって、
    最外層の情報記録層に対し、請求項1〜12のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シートの硬化前保護層を圧着し、
    エネルギー線の照射により前記硬化前保護層を硬化させ、もって光記録媒体の保護層を形成する
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  16. 光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、保護層とを備えてなる光記録媒体の製造方法であって、
    最外層の情報記録層に対し、請求項2〜12のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シートの硬化前保護層を、前記保護層形成用シートにおける基材の平滑面に接していた側の面が前記情報記録層側になるようにして圧着し、
    エネルギー線の照射により前記硬化前保護層を硬化させ、もって光記録媒体の保護層を形成する
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シートの硬化前保護層を硬化してなる保護層を備えたことを特徴とする光記録媒体。
  18. 光記録媒体基板と、1層または2層以上の情報記録層と、請求項2〜12のいずれかに記載の光記録媒体の保護層形成用シートの硬化前保護層を硬化してなる保護層とを備え、
    前記保護層は、前記硬化前保護層における前記基材の平滑面に接していた側の面を情報記録層側として、前記情報記録層に積層されていることを特徴とする光記録媒体。
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